オークA「我々に対する人間の扱いが酷い」(201)

オークa「…知らない内に本当に酷い事になってる」

オークb「へぇ…」

オークa「…」

オークb「…」

オークa「…さっき、森で人間にあったんだよ」

オークb「ほぉ…」

オークa「道に迷ったみたいだっから、少し不憫に感じてさ…」

オークa「声かけようと思って、近付いたんだよ…」

オークb「ほいで?」

オークa「なんとなくさ…人間なんて久しぶりだなぁ…なんて言いながら近付いたら、そいつとたんに泣き出して…

少女『…殺さないで…犯さないで…』ポロポロ

オークa…なんて言って来やがった。」

オークb「…はぁ」

オークa「そうなんだよ!俺も(はぁ!?雄と牝の区別もつかねぇのに手ぇ出すわけねぇだろ!)とは思ったけどさ…」

オークa「そこは冷静で紳士な俺ですよ。優しい口調で『大丈夫ですよ?道に迷ったのですか?』と、そう聞いたんだよ」

オークb「そいで?」

オークa「そしたら今度は!より驚いた声で!

少女『…言葉を…喋った』ガクガク

オークa…絶句だよ絶句!何が酷いって喋れないと思ってる種族に対して命乞いをするなと!どんだけ馬鹿だと思われてるんだよ!誰がガリガリのてめぇら何ぞ抱くかっての!体重100kg越えてから出直してこい!!ボケガァー!!」ハァハァ

オークb「って言ったの?」

オークa「…いや、言うわけねぇだろ。その後、森の出口まで案内したんだけど。会心の笑顔で軽口叩いても反応しないし、ありゃ最後まで信用されて無かったね」

オークb「なるほどね」

オークa「…気になったから、その人間に聞いたんだよ…俺らのイメージっつぅの?どんな感じに聞かされてたの?って」

オークb「…ほぉ」

オークa「で、結果要点を纏めるとだな…」

オークa「あってる知識①人間よりも力強い②体皮が厚く服を好まない③視力は低いが嗅覚と聴力に優れる④集団で活動する」

オークa「間違ってる知識①人間を襲う(性的な意味でも)②高度な伝達能力を持たない③強い理性を持たない④肉食」

オークa「…酷くない?」

オークb「…まぁ」

オークa「…」

オークb「…」

オークa「お前、人間見分けられる?」

オークb「声と服で…ギリ」

オークa「…そんなもんだよな」

オークa「何かこれって由々しき自体じゃね?」

オークb「…かなぁ?」

オークa「そこでだ」

オークb「?」

オークa「有志を募って、ポジティブキャンペーンを行おうと思います!」パンパカパーン

オークb「眠い」


ーー
オークa「そんな訳で集まってくれた訳だが」

オーク達「「おーっ!」」

オークb「zzz」

オークa「まず、このキャンペーンは人間と必要以上に仲良くなる訳でなく、いわれの無い敵意を向けられる事を防ごう!って程度の事だから。そこんとこ宜しく」

オーク達「わーわー」パチパチ

オークa「そもそも、何故こんな自体になってるのか、知ってる奴とかいる?」

オークe「戦争した事も無いしな…」

オークg「それが知りたいからここに来てんだよ」

オークb「zzz」スピー

オークq「…眠くなってきた」

オークa「詳しい奴はいないか…」

オークc「私が考えるに…」スッ

オークa「おっ、何だ言ってくれ!」

オークc「あまり人族に関わろうとしないオークの社会基盤が原因かと思われます」

オークa「基盤?」

オークc「さらには、オグル族トロル族の様な比較的我々に近い種族が粗野で好戦的なのも少なからず起因しているかと…」ペラペラ

オークa「…起因…起因ね」

オークc「性的な誤解に関しては、この広大な森が原因かと。我々やエルフの様な人族規模の種族は勿論、オグル族トロル族も含め100を越える種族が暮らしています」ペラペラ

オークa「まだ大丈夫…まだ理解出来てる…」

オーク達「「…」」フムフム

オーク達「「?」」フ…フムフム

オークbq「「zzz」」スピー

オークc「その中には人間を苗床、家畜にする種族も…具体的には巨人族やドリアド族等ですね。彼らは普段、森の深い場所に暮らし定期的に人やエルフを襲います。我々がそれを黙認している所もありますし、特に森の浅い場所にも我々は集落がありますので…」ペラペラ

オークa「おぅふ、一旦…一旦!」

オークa「…要するに…勘違いされやすい、と?」

オークc「…」コクリ

オーク達「「おぉ!」」パチパチ

オークblnq「「zzz」」スピピー

オークa「…だったら話は簡単だな!」

オークc「どうするのですか?」

オークa「森にいる人間を助けて、森の外に送ってやれば…君たちを助けたのはオーク族なんだと教えてやれば…イメージアップに繋がるに違いない!」

オーク達「「そうだ!そうだー」」ワッショイワッショイ

オークb「ビクッ…何?…何!?」ガバッ

オークc「種族によっては怒りませんかね?」

オークa「そりゃ怒るだろうな…けど捕食してる連中は森に迷い混んだのを食うだけで嗜好品程度だし、必要な連中は森の外まで行って拐ってんだから深部に行かなきゃ問題無くね?」

オークc「なるほど…それなら大きな争いにはならないでしょうね」フム

オークb「…なるほどね」ウツラウツラ

オークa「…合わせなくても後で説明してやるよ」

オークb「頼むわ…」ウツラウツラ

オークa「…話を戻すけど、パワーバランスを考えれば争いにはなりにくいと思うんだよな…」

オークc「確かに…」

※大陸のパワーバランス※※
規模上位10種族
人>エルフ=ドワーフ>ゴブリン=ホビット=オーク=ノーム>翼人>魚人>コボルト
個体上位10種族
竜人>オグル>ナーガ>巨人>岩人>トロル>ケントウリ>オーク>ワーウルフ>暗人
※※※※※※「オーク調べ」※

オークa「話も決まったし、班分けして明日から探索でもするか」

オークc「じゃあ私は一度、長に話してきます」

オークa「あいよ…よし、じゃあお前ら集まれ」パンパン

オークb「zzz」



少女「ふんふーん」テクテク

村人「おや、少女ちゃん。ご機嫌だねぇ」

少女「森に、薬草を拾いに行くんです!」

村人「おやおや…早めに切り上げるんだよ…森は陽が沈むのが早いからね。暗くなれば奥でなくても迷いやすいから…」

少女「ハーイ!」バイバイ

村人「先生に宜しくねぇ…って行っちゃった…」

少女「ヘヘヘ…やっと先生から一人の仕事を貰えちゃった!」ニコニコテクテク

少女「たくさん採って帰ったら褒めてくれるかな?」ニヨニヨ


ーー
少女「ぁ…あんな所にも沢山ある!大きめの籠にして良かったぁ!」イソイソ

少女「まだ大丈夫だよね…もう少し採って帰ろう…」ホリホリ


ーー
少女「あれ、まだ陽があるのにもう薄暗い…帰ったほうが良いよね…」キョロキョロ

少女「あれ?…あれ?目印を付けた木が…嘘…無い…」キョロキョロ

少女「どんな時も落ち着いて…落ち着いて…陽はあっちにあるんだから…こっちが村!…の、はず…」テクテク


ーー
少女「ぅうぅ。ずっと森…ずっと同じ景色…」ジワ

?「」ガサガサ

少女(!…何?…何か近付いてくる!)ビクッ

少女(…そう言えば昔…

村人『隣村が化け物に襲われたらしい』
村人『聞いたよ…男は喰われて、女は拐われたみたいだ』
村人『森から来たみたいだぞ!何でも図体のでっかい二本足の化け物らしい…女は子を産まされるそうな…』
村人『てことはオークとかかねぇ、たまに森に入ると見るし…』
村人『酷い話しさね…』

少女…まさか…違うよね)ガクガク

オークa「…」ガサガサリ

少女(…大きな二本足…嘘…)ブルブル

オークa「…人間なんて久しぶりだな」ボソ

少女(何か唸ってる…近付いてくる…先生…助けて…)ポロポロ

少女「…殺さないで…犯さないで…お願い…お願いします」ブルブル

オークa「…」イラッ

オークa「…」

少女「…」ブルブルポロポロ

オークa「大丈夫ですよ?道に迷ったのですか?」ニゴッ

少女「へっ?…言葉を…喋った」ガクガク

少女(言葉は優しいのに顔が…)ブルブル

オークa「そりゃ喋るわ。…んな事より迷ったんなら入口まで送ろうか?」ハァ

少女「えっ…あの…」(ありがたいけど…本当かな…このまま巣まで連れていかれて……でも、断ったら酷い事されてから連れていかれるかも…うぅ…)グルグル

オークa「で?どうすんのよ?完全に暮れたらさすがに足場悪くなるぞ…」

少女「ヒッ…あ、あの…お願いいたします…」ビクビク

オークa「解った…付いてきな…」スタスタ

少女「…」テクテク


ーー
少女(あ、少し見通しが良くなって来たみたい…ちゃんと案内してくれてたんだ)テクテク

オークa「…」チラッ

少女「!」ビクッ

オークa「…一個聞いていい?」ハァ

少女「な、何でしょうか」ビクビク

オークa「何でそんな怯えてんの?」

少女「えっ?あの、あなた…オークでは無いんですか?」ビクビク

オークa「…オークだけど?」スタスタ

少女「ヒッ…ごめんなさい!ごめんなさい!」ビクッ

オークa「ぇえ~…あのさ、オークってどんな奴等だと思ってんのさ?」スタスタ

少女「聞いた話ですよ?聞いた話なので私の意見ではありませんが…」ビクビク

オークa「いいから、はよ」スタスタ

少女「聞いた話ですと…カクカクシカジカ…それで村を襲って食べたり拐ったり…」ビクビク

オークa「…」スタスタ

少女「…」テクテク

オークa「…喰うかっ!!」

少女「!!」ビクビクーン

オークa「まぁ、力が強いってのは正しいな!あんたも何かあったら頼ってみるか!?」ニゴッ

少女「!!!」ビクッ

オークa「…オークは肉食わねぇよ…女もいるし…」スタスタ

少女「あ、そうなんですか」ホッ

少女(だったら昔、隣村を襲ったのは誰だったんだろ…)テクテク

オークa「おい、おいあんた!」

少女「へっ?はいっ!何でしょうか…」ビクッ

オークa「いや、着いたけど…」

少女「ぁああ!来たときの道です!ここからなら帰れます!」パァァ

オークa「んじゃ」スタコラ

少女「あ、ありがとうございました~!…行っちゃった」

少女「今度ちゃんとお礼言わないと…」テクテク

少女(いい人?だったし…悪いことしちゃったな…あれ?)テクテク

少女「村から煙?…火の手も上がってる」

少女「先生!先生は…」(村の方から何かくる!…人?)

?「おい、こっちだ!物陰に隠れろ!」ヒソヒソ

少女「ヒャッ…だ、誰!?」ビクッ

?「いいから早く!」ヒソヒソ

少女「は、はいっ」ガサゴソ

エルフa「身を低くして声を出すなよ…何があってもだ…」ヒソヒソ

少女「…はい」ビクビク

エルフa「来たぞ」コソコソ

少女(何?これ?オークさんより大きい…)ガクガク

巨人「…大漁…大漁」ズシーンズシーン

袋詰め村人「「タスケテ…ダシテー…イヤダ」」モゴモゴ

巨人「…人間…不味いな」ポリポリ

少女(足っ…口から足がっ…)ガクガクポロポロ

エルフa「落ち着け…落ち着くんだ」ヒソヒソ

巨人「「」」ズシーン…ズシーン……

エルフa「……行ったか…」ガサリ

少女「ぅああ…皆が…皆がっ…先生…先生っ…」ポロポロ

エルフa「泣くな…と言うのは無理か…しかし難を逃れたものもいるはずだ…一度村に戻れ」ナデナデ

少女「ヒック…ヒック…うぁ…ぞぉじまず…」ポロポロ

エルフa「私は自分の村に戻るからなここでお別れだ…」

エルフa「…」

エルフa「…」スタスタ

少女「…ヒック…村に…行かないと」テクテク

少女「酷い…家は全部壊されてるし…酷い匂い…先生!…先生っ!」ポロポロ

少女(ひっ…うぅ、死体ばかり…でも先生の死体は見当たらない…)ポロポロ

少女「先生!先生!…お願いだから…誰か返事をしてください!先生っ!お願い…一人で良いから……先生っ…」ポロポロ

少女(誰も…誰もいない…誰か助けて…

オークa『まぁ、力が強いってのは正しいな!あんたも何かあったら頼ってみるか!?』

少女…オークさん…オークさん)ポロポロ

少女「あのエルフさんも森に向かって行った…捕まった皆も……」

少女(でもまずは生きている人がいないかを確認しないと…)

少女「どんな時も落ち着いて…です…よね、先生…」

少女「誰か!誰かいませんか!返事を……」



エルフa「…おかしい」

エルフa「確かに巨人族は調達の時期ではあるが…活発過ぎやしないか?」

エルフa「エルフの村が2つ、人の村も7つ…すでにいつもの倍…」クッ

巨人「…」メキメキズシーンズシーン

エルフa(…まただ!森の深部でも無いのに頻繁に出会いすぎる…)サッ

巨人「…」ズシーン…ズシーン……

エルフa「あの方向は、確か人族の村が…」

エルフa(まさかまた調達じゃ無いだろうな…明らかに過多だぞ)コソコソ


ーー
村人達「「…」」イヤーキャータスケテー

巨人「…女は…喰うな…殺すな」タスケテ

巨人「…人間…不味いな…」ギャーゴトリ

エルフa(あの村も終わりだな…人族の村は駐在の兵所も無いのか?余りに一方的すぎる!)ギリギリ

エルフa(見られても、不味いし…調達が終わってから移動するか…ん?)

少女「村から煙?…火の手も上がってる……先生!先生は…」

エルフa(なんだあの娘は!見つかるぞ!)

エルフa「おい、こっちだ!物陰に隠れろ!」ヒソヒソ

少女「ヒャッ…だ、誰!?」ビクッ

エルフa(急がないと戻ってくる!)「いいから早く!」ヒソヒソ

少女「は、はいっ」ガサゴソ

エルフa「身を低くして声を出すなよ…何があってもだ…」ヒソヒソ

少女「…はい」ビクビク

エルフa「来たぞ」コソコソ

巨人「…大漁…大漁」ズシーンズシーン

袋詰め村人「「タスケテ…ダシテー…イヤダ」」モゴモゴ

巨人「…人間…不味いな」ポリポリ

少女「ぁ…」ガクガクポロポロ

エルフa(あの村の娘か…)グッ

エルフa「落ち着け…落ち着くんだ」ヒソヒソ

巨人「「」」ズシーン…ズシーン……

エルフa「……行ったか…」ガサリ

少女「ぅああ…皆が…皆がっ…先生…先生っ…」ポロポロ

エルフa「泣くな…と言うのは無理か…しかし難を逃れたものもいるはずだ…一度村に戻れ」ナデナデ

少女「ヒック…ヒック…うぁ…ぞぉじまず…」ポロポロ

エルフa(付き添うべきか?いやしかし、この状況を早く報告せねば!)ナデナデ


エルフa「…」(…すまない)

エルフa「…」スタスタ

少女「…ヒック…村に…行かないと」テクテク

エルフa「村に向かった様だな」ホッ

エルフa(私も急がねば)タッ


ーー
エルフa「…以上が報告です」

エルフ長「フム、おそらくティタンの苗床を探しているのだろうな」

エルフa「ティタン…ですか?」

エルフ長「…超大型の巨人だ。エルフ達の奪還も含めワシは一度王宮に行く…今だ拐っているのなら、苗床に耐えられる者は見つかっていないようだしな」スック

エルフa「…珍しいのでしょうか?」

エルフ長「あぁ、だがそれでも100に1人程度…時間の問題だよ」スタスタ

エルフa(時間の問題…か…)

エルフb「姉様!」ヒョコ

エルフa「!…エルフbか…脅かすな」ナデナデ

エルフb「ぇへ」///

エルフa「それにしても先ほどの話し信じられるか?」

エルフb「長様は想定してたみたいだよ?500年位の周期でティタンの種をもつ巨人が生まれるんだって」

エルフa「…その…500年前はどう防いだのか聞いたか?」

エルフb「ん~ん、防げなかったんだって」

エルフa「なっ!」

エルフb「今まで防げたのって1~2回だけらしいよ?生まれたものは仕方ないって事で大陸を離れて寿命を待つんだよ。長くても巨人族の寿命は20年程度だし…」

エルフa「なるほど」

エルフa(捕まっているエルフもそうだが長様はどうされるのだろうか…まさか見殺しに?…いや、勝ち目がなければ致し方無い事か…)フゥ

エルフa「歯がゆいな」

エルフb「姉様…今度襲われた村にも見つからなかったら…ここが狙われたりしないかな」ギュウ

エルフa「大丈夫…例え襲われても私が守ってやる」ナデナデ

エルフc「お、…お前ら此処にいたのかよ」

エルフa「何かあったのか?」

エルフb「…」

エルフc「ん…いや~…ちょっと報告したい事があって長様は?」

エルフa「ついさっき王宮に向かわれた。急ぎか?」

エルフc「急ぎって訳じゃ無いんだが…」モゴモゴ

エルフa「なんだ!相変わらずはっきりせん奴だ…私が聞く!言え!」

エルフc「ぁ…あぁ。俺も巨人の動向を調べてたんだがな…昨日おかしな場面に遭遇してさ…」

エルフa「?」

エルフb「おかしな場面?」

エルフc「オークが複数で森中を徘徊してるみたいなんだよ…なんかすごいフランクに挨拶されてさ…」

エルフb「…オークって喋るの?姉様」グイグイ

エルフa「あぁ…喋るぞ。見てくれのせいであまり知られてないが穏和な種族だ…しかしまたなんで?」

エルフc「いや…それがわかんないから報告に来たんだよ…しかもそれだけじゃなくてな…こっちに向かう途中にまたオークに出会ってさ…巨人の死体の前でボーッとしてて。傷の感じからして彼らが殺したっぽいんだけど挨拶しても気付かれなくて…」ハハハ

エルフa「ヘラヘラ笑うな。緊張感の無い奴だ!…今まで無かった事は注視すべき事だ…どんな些細な事でもな」

エルフb「さすが姉様!」

エルフa(巨人といさかい…争いを好まぬ種族だったはずたが…手を組んでいると言うのは考えられないだろうが…)

エルフa「エルフc、明日一番にその場所に案内しろ…少し調べてみたい」

エルフb「私も行くー!」ギュ

エルフc「ぇえ?…まぁ、いいけど」

エルフa「待っていても、事態は好転しないだろうしな…」ハァ


2.
オークa「…と、いうわけだ!『にこやかな挨拶』『言葉尻に安心を』『自己紹介は助けた後で』以上3訓を忘れることなくキャンペーンを無事成功さすんだかんな」

オーク達「「マカセロー!イイゾー!」」ヤンヤヤンヤ

オークb「概要はわかった…」

オークc「助かります。オークaと私達さらにオークdが同じ班ですので」

オークd「よろしくお願いしますわ」ムッチーン

オークb「はい、よろしく…」ファァ

オークc「お美しい方ですね」///

オークd「ウフフ、嬉しい事を仰る」

オークa「おーらっ、俺達も行くぞ」


ーー
オークa「って出てったのはいいんだけど…」

オークd「人間どころか他の種族すらおりませんものね…」

オークc「エルフと挨拶した班もいるようですが、それよりも気になる報告が…」イソイソ

オークb「zzz」

オークa「こいつは飽きて寝ちまうし…で報告って?」

オークc「巨人族との遭遇報告がかなりあります」

オークa「なんだよ、深部には行くなとあれほど…」ハァ

オークc「…では無くですね。いずれも深部以外からの報告です。極端な報告だと森の入口で遭遇、挨拶を試みるも担いだ頭陀袋からタスケテーの声、と」

オークa「あぁ、そりゃ調達だな…関わらないように言っとかないと…」

オークd「…まったく、野蛮な種族です事」フゥ

オークc「…そうは思いますがね…彼らに雌が生まれない以上、仕方の無い事だとも言えます……おっと、話しがそれてしまいました…その調達なんですがね…もう終わってるはずなんですよ」

オークd「つまり、必要以上に拐ってると言うことですの?」

オークa「あいつらが貯蓄を覚える様には見えんわな…」

オークc「そうなんです、つまり…」キリッ

オークa「そうか!即ち今後見つける頭陀袋の中身は助けて問題無いって事だな!」キリッ

オークc「あ、いえ…そういう事では…」

オークd「素晴らしいですわ!渡りに船とはこの事ですわね!」

オークc「あの、だから…」

オークa「よし全班に通達しなきゃな!単独行動の巨人が頭陀袋持ってたら奪えってな!」フンス

オークa(よし、成功の目が出てきた)フッフッフ

オークc「はぁ、まぁいいです。企みを看破するにしてもやることは変わりませんしね…!」クンクン

オークacd「「人間の(香の)匂い!」」

オークb「zzz…クサイ…zzz」スピー


ーー
?「も、もう駄目…」ハァハァゼェゼェ

オークa「…」ガサガサガサガサ

?「…こっちからも何か来る…味方?…助けて!助けてください!」

オークa「とぅっ」ジャンプ

オークa「ダッシャァァ!!!」 スタッキリッ

?「…あぁ…終わりました…神よ」ギュ

オークa「やぁ、こんにちは!怖くないよ」ニゴッ

?「ひっ」ビクッ

オークc「まったく一人で走らないでくださいよ」ガサガサ

オークd「元気なのは良いことですが足並みは揃えていただかないと…」ガサガサ

?「…増えた」ガクガク

オークc「…あっ!やぁこんにちは。世界は愛で出来てます!」ニゴッ

オークd「人間さん。お名前は?肉は食べませんわ」ニゴッ

?「ひっ…シスター!シスターです!」ビクビク

オークd「ではシスターさん、少し離れて頂けますか?」ニゴッ

シスター「スミマセン!スミマセン!」ザザッ

オークc「やはり巨人ですね、一人のようです」

巨人「…逃が…さない!」バキバキドシーンドシーン

オークa「ラッキー!と言いたいが…俺、武器持ってないやアッチャーどうしよう」テヘ

オークc「私も持ってませんよ?」

オークd「私だけですの?」ナイーフ

オークa「まぁなんとかなるか…とりあえず、争わない方向で頑張るから二人とも両サイドに隠れて」クイクイ

オークc「オークbさんは?」ヒソヒソ

オークa「寝てたから置いてきちゃった」テヘペロ

オークd「イラッ…来ましたわよ」ヒソヒソ

巨人「なんだオークか…人間…知らないか」

オークa「今お前が来た方に走ってった奴なら見たぞ?」

シスター「に、にに…逃げなきゃ…」コソコソ…ガサッ

オークacd「「!」」

巨人「人間?…お前……今、俺…騙そうと…したな?」プルプル

オークa(…ちくしょうバーカバーカ!切れてんじゃねぇよ!)

オークa「いやいや、ちょっとしたジョーク…」

巨人「フンッ」ブンッ

オークa「グハッ」バキッ

オークa「ゲホ…今だ!踏み込んだぞ、足を掬えっ!」

オークc「私、力仕事苦手なんですが、ねっ!」バシッ

巨人「…なっ?」グラリ

巨人「」ドターーーン

巨人「貴様ら…許さムグッ

オークd「申し訳ありません…お仲間に知られるのは不本意ですので…お休みください」ザクッ

オークac「「…」」ゴクリ

オークa「…首を一刺し…手際が良いな」ヒリヒリ

巨人「」

オークa(腹が超痛いんですけど…)ズキズキ

オークd「あら、これくらい畑の狼を追い払うのと変わりませんわ」ウフフ

オークa(絶対違う)サスサス

オークc「ワイルドだ」///

オークd「もう出てきて構いませんよ?シスターさん?シスターさん?」

オークa「匂いも無いな」

オークd「逃げましたね」

オークa(おそらく勘違いされたまま、な)

オークacd「」ズーン

オークc「おや、あれは…」

オークa「いたのかっ!?……なんだエルフか、ハハハ元気そうだな」ハァ

エルフc「ーーー!ーー!」ヒラヒラ

オークd「まぁ、悔やんでも仕方ありませんわ…」フゥ

オークa「…戻るか」ズーン

オークd「少し探して見てはいかがですか、別の何かに巻き込まれたのかも」

オークc「可能性はありますね…しかしもう陽も落ちますし、女性を連れたままと言うのは…」フム

オークa「そうだな…じゃあオークcと探索するから、オークdは今回の件を報告に戻ってくれ」


ーー
オークc「いませんでしたね」

オークa「居なかったな…匂いも無いし、かなり離れたんじゃないか?」フゥ

オークc「いえ、あの匂いは人間の奉る祭壇用の香なので長時間は持ちません。あの人族の脚力では…」

オークa「そう遠くない…か……いいや!ねるぞ」ゴロン

オークc「巨人の死体の側というのはあまりいい気しませんね…」ゴロリ

オークa「…目印には丁度良いからな…」ムニャ

オークa(何か忘れてる気がする…)



少女「やっぱり、私の付けた目印だ…」カリカリ

少女「この辺りで出会ったはずなんだけど」キョロキョロ

少女(結局生存者は居なかった…先生だけは別の村に用事があったみたいだから大丈夫なんだろうけど…)

少女「オークさ~ん!」キョロキョロ

少女(診療所の瓦礫からあの手紙を見つけてなければ立ち直れなかった…先生…手紙に気付いてくれると良いんだけど)テクテク

※手紙の内容※※※※
二つ向こうの村で担当している患者の容態が悪化した様なので3~4日家を開けます。
摘んだ薬草は処理をして乾燥箱に入れておいてください。

裏面
先生だけでもと無事を祈り、この手紙を書いてます。村の惨状をお嘆きになられているでしょうが、私は薬草取りで免れる事ができました。ですが私の勝手な判断の下、彼らの森へ行く事をお許しください。
私と拐われ生かされている皆に先生の祈りが届くことを、私の祈りが先生に届くことを願って。
※※※※※※※※※※


ーー
少女「いない…」シュン

少女(陽も落ちそうだし…今日はここらで野宿かな…)

少女「食糧は多めに持ってきたけど…」

少女(さっきも遠くで木の倒れる音が聞こえたし…怖い…な)ポロ


ーー
少女「むぅ…あまり寝られなかった…」ムクリ

少女(ほんの少し明るいだけ…本当に朝なのかな?)

少女「よし、今日こそはオークさんを探すんだ!」グッ

少女(薄く靄がでてる…)テクテクムニ

少女(?…ムニ?)

オークb「zzz」スピー

少女「あぁぁあぁ!やった!良かった!オークさん!オーグざ~ん!」エグエグペシペシ

オークb「ぅん?…!!」

少女「あぁ、オーグざんだぁ~」エグエグ

オークb「え?…そりゃオークだけど?」ムクリ

少女「わっ」コロン

オークb「状況が…」ファァ

少女「あれ?あの時のオークさんじゃない?」

少女(もしかして、みんな同じ顔なのかな?)

オークb「まぁ…なんだ…!」スンスン

オークb「人間…ミントもってんのか?」スンスン

少女「私は少女です!ミントなら沢山ありますよ?一枚どおぞ」ヒョイ

オークb「あぁ、これだ、これ。」パク

オークb「…爽快だ」ファァ

少女(何一つ爽快さを感じ無い…でもこの間のオークさんより淡々としてて怖くは無い…かな…)ドキドキ

オークb「道案内をしたオークか?」モグモグ

少女「え?へっ?」アセアセ

オークb「…探してんのは」

少女「ええ…!…やっぱりオークさんが」

オークb「違う…知り合いだ…」

少女「本当ですか!」キラキラ

オークb「俺はオークb。そいつはオークa」スック

少女(やっぱり大きいな2mは優にある…でも彼らは5mくらい…あった)ブル

オークb「ついて来な…」ファァポリポリ

少女「!…ありがとうございます!」


ーー
オークb「…帰って無い?」ウツラウツラ

オークd「そうです、私だけ戻ったんですの」チラ

オークb「あぁそぉ…」ポリポリ

オークd「それより…良いんですの?…放っといて」チラ

オーク達「「人間だ!怖くないよ!肉はたべない!村に人間が!いらっしゃい!世界に愛を」」ワッショイワッショイドウアゲワッショイ

少女「わ…わわ…!」///

オークb「…さぁ」ファァ

少女「…さぁ?じゃないです!下ろして!下ろしてください!」

オークd「皆さん、それくらいになさってはいかがですか?」

オーク達「「へ~い」」ワラワラポイッ

少女「ギャフン」ドテッ

少女「フゥ…ひどい目にあった…でも皆さん元気な方ですね」

オークd「フフフ、付き合ってくれてありがとう…でも何故オークaを探しにこんな所まで?」

少女「…あぁ!そうです!力を貸して頂こうと思いまして…」

オークd「何かあったのですか?」


ーー
オークd「そうですか…少女さんの村もでしたか…」

オークb「…眠い」ウトウト

少女「オークさん達の村も襲われたんですか?」つミント

オークb「…」モグモグ

オークd「いえ、私達は…人族の村とエルフ族の村がいくつも…襲われたと聞いておりますわ」

少女「…そんな」ポロ

少女「私は皆を救いたいんです…力を…貸してはもらえませんか?」グシグシ

オークd「…そうですわね…一度、長に話して見ますわ」スタスタ

少女「あ…ありがとうございます!」

オークb「おそらく…無理…」

少女「え?」

オークb「種族として、動く事はないよ…」ファァ

少女「え…ど、どうして…」ガタッ

オークb「拐われるのが人間で…我々が人間じゃ無いから…」

少女「…」グッ

オークb「巨人族にも生き方がある…」

少女「…」プルプル

オークb「人族とオークは共生関係に無いし…」ファァ

オークd「…」

少女「あ…」

オークd「…」フルフル

少女「…あ」ポロ

少女(…オークaさん…)ゴシゴシ

少女「…ありがとうございます…仰る通りだと思います…自分に何が出来るのか…考えて…みます…」スック

オークb「…目は正しいよ…もう少し遅ければ…」ファァ

少女(遅ければ…?)ペコリ

オークb「…」

オークb「…随分甘えてしまったし…再開…しないとな」ファァ


ーー
少女「…」トボトボ

オークd「少女さ~ん!」トットット

少女「オークdさん!どうされたんですか?」

オークd「良かった…追い付きましたわ。お聞きしたい事があるのですが…人族は動かないのですか?」

少女「以前、近くの村が襲われた時も領主様は兵の一人も動かしませんでした…今回も…」

オークd「…やはり、そうですか」

少女「…?」

オークd「では、エルフ族の村に向かいましょう!」ポン

少女「え」

オークd「巨人族の被害はエルフにも及んでおります。エルフ族は仲間意識が強い種族ですので何もしないと言うことはあり得ませんわ!」

少女「…オークdさん」

オークd「きっと少女さんの力になってくださいます!…案内致しますわ」

少女「…ありがとう…ありがとう」ポロポロ


仕事もあるので少し寝ます。

少し書き貯めて本格的な再開は今晩予定です。

頭働かなくなってきた。


エルフa「よし、行くぞ!案内しろ!」パシッ

エルフc「叩くなよ…ったく」ブツブツ

エルフa「男ならやり返すくらいするんだな」ハッハッハ

エルフc「いいよ…どうせ負けんだから」スタスタ

エルフa「まったく…情けない」スタスタ

エルフb「情けな~い!」クスクス


ーー
エルフc「あと半刻くらいだ…」スタスタ

エルフa「そうか…結構あるな…」スタスタ

エルフb「ごめんなさい姉様…私の歩きが遅いから…」トテトテ

エルフa「そんな事はないぞ、体力を残して歩けるようになっただけでも私は感動しているんだ」ナデナデ

エルフb「エヘヘ…ありがとう姉様」///

エルフc「…!…誰だ!」チャ

シスター「…あ…た、助けて…」ガサッ

エルフc「…え、え?」タジッ

エルフa「剣を収めんか!拐われた人間だ!」ダキッ

シスター「あぁ良かった…神様…」ハァハァ

エルフa「…まさか深部から抜けてきたのか?」サスサス

エルフa(いや傷が無い…運搬中に逃れたのか…)

シスター「お願いします…皆を助けてあげてほしいのです…私が袋の中で一番動けた為に…皆が、皆が必死に逃がして下さいました」ハァハァ

エルフa「なら…追っ手が来るはずだ…!」

エルフb「…」キョロキョロ

シスター「追われておりましたが…寸での所で…巨人とオークが会話している隙に…ここまで…」カクッ

エルフa「気絶か…」フゥ

エルフc「外傷が無いし、肌色から見るに極度の緊張によるものだろうな…」チラ

エルフb「姉様…巨人とオークがって…」

エルフa(巨人とオークが手を組むなど考えたくも無いな…いや、種族での同盟は無いにしても一部のものが強硬している可能性もある…)

エルフa「エルフc!この娘を背負え!村にもどるぞ!」

エルフc「お、おう…わかった」セオイ

エルフa(もしオークがこの娘を取り返しに来るようなら…)

エルフb「巨人の死体は良いの?姉様?」トテトテ

エルフa「あぁ、それがこの娘を追っていた巨人だろう…」スタスタ

エルフa(敵対関係ならよし、この娘を追う事はしないはず…くそっ、長が行く前にオーク徘徊の話をお聞かせすべきだった…!)スタスタ

オークa「アッー!!」ガサコラ

エルフa「…ちっ」チャ

エルフb「…これがオーク…おっきい」チャ

オークc「彼女…見つかったんですか?…おや」ガサガサ

エルフa「エルフc!エルフbを連れて先に戻れ!」

オークa「おぃおぃ!待った待った…声が聞こえたから来てみれば…その人間をどうする気だよ?」

エルフa「保護するのさ…そちらこそ人間族に用など無いはずだが…」キッ

オークa「まぁ、確かに…たいした用は無いさ…だがその人間を気絶させたのはお前らだよな…」ジリ

エルフa「信じてもらう必要はないが、勝手に気絶したのさ…」ジリ

エルフb「あんた達なんて怖くないんだからね!」チャキッ

オークa「エルフ族が人間と友好関係に無い今の状態でお前らにその人間を任せろ、と?」

エルフa(話に正当性はあるが…くそっ!どっちだ?…エルフbを連れてきたのは間違いだった…二人なら投降も考えたが…エルフbが酷い目に合う危険だけは極力回避せねば…)

オークc「…信じられませんね…まさかとは思いますがエルフの代用として巨人族に人間を流す、とか?」ジリ

エルフa「先に行け二人とも!…私は…信じてもらう必要はないと…言ったぁー!!」ダッ


3.
オークa「痛い」ヒリヒリ

オークc「痛いでは、ありませんよ…あまりヒヤヒヤさせるのは止めていただきたいですね…」フゥ

オークa「ハッハッハ…あの場合、投降するのはこっちだったろ?」

オークc「…納得出来ませんね…長に大目玉ですよ…」ムス

オークa「エルフが味方なら問題ない…巨人側なら戦闘が始まった時点であの人間は殺されてた…自分たちを生かすための生け贄で同族の命をかける道理は無いしな」

オークc「…時間をかければ相手もその考えに至ったのでは?」

オークa「いや、駄目だろ?俺らのイメージを思い出して見ろ!」ハッハッハ

オークa(こうなる前に払拭したかったんだが…)

オークa「エルフには選択できなかったんだ。な?」

エルフa「!…あの人間から証言が取れれば…すぐにでも牢から出してやれる…」

オークa「ま、エルフ族と敵対しなくて良かったよ」

エルフa「ありがとう…傷はどうだ?思い切り斬りつけてしまった…すまない…」

オークc「それに関してはご心配なく、エルフ族の傷薬は凄いですね…感動しております」

オークa(あれ?…斬られたの俺なんだけど)

エルフa「人間はさらに凄い薬を作れるそうだ…後でこっちにエルフbも…っと」スタスタ

オークa「?」

エルフu「…」カッカッ

エルフu「長が戻られた…後程聴聞がある。偽りなく答えるように!」

オークa「おぅ、任せとけ!」

エルフu「…ちっ」カッカッ

オークa「…」

オークa「他の連中はちゃんとキャンペーンやってるかな?」

オークc「どうなんでしょうか…ここ最近のイレギュラーな事態のせいで森全体がピリピリしてますし…」

オークa「イレギュラーねぇ…んなこた無いと思うけど…俺のキャンペーンも巨人の周期も…大きな流れに乗っかってるだけに感じるよ…」

オークc「…ティタンの事知ってたんですね…オークdには話しましたが…」

オークa「おとぎ話程度だけどな…そうすると、俺の班はそれに詳しい連中ばかり揃ったみたいだがな…」ハッハッハ

オークc「オークbも?」

オークa「あいつが昔、色々教えてくれたのさ…俺以上に種族間の連係を密にしたいと願ったのはあいつだぞ?」

オークa「生きる時間を種族の平穏に注いだあいつの負担を少しでも軽く出来たらと思ってな…」ハッハッハ

オークc「それで休ませる目的もあったから連れ出していたんですね…」

オークa「余計な事言うなよ?」

オークc「言いませんよ、私は語り好きではありますが空気が読めないわけではありません…それに…」

オークa「どうせ気付いてる、か?」

オークc「はい」フフフ


ーー
エルフa「…」キョロキョロ

オークa「何やってんだ…馬鹿みたいだぞ」ボソ

エルフa「!…寝てなかったのか!」ヒソヒソ

オークa「長がくると言いながら2日たってもまだ来ない…今日に限っては巡回も無いし、立哨もいない、これで不自然に感じない方がどうかしてる」ヒソヒソ

オークc「…そう言う事です」ヒソヒソ

エルフa「助かるよ」カチャリ

オークa「あんたも思い切るな」ヒソヒソ

エルフa「裏口から行け…武運を」コツン


ーー
オークa「こっちが裏口か…」タッタッ

オークc「しかし見事に引き払ってますね…」

オークa「…」ガチャ

オークa「…!…お前は確か」

エルフb「まっすぐ行けば森に出られるわ」

オークc「…感謝します」

オークa「…」

エルフb「何?」

オークa「深部に寄せるんだな…」

エルフb「へぇ、よくわかったね…」

オークa「戦いを選んだのか…大勢犠牲が出るぞ…」

エルフb「あなたがどうにかしてくれるんでしょ?」

オークa「マジか?…俺は適当だぞ?…で、いつなんだ?」

エルフb「拠点を敷いた後だとしても1週間も無いと思う…これだけ派手に動いて無反応って事も無いだろうから」

オークa「だろうな」フム

オークa(利害の一致だけで交渉するには時間が無さすぎる…)

エルフb「言ってみただけで、戦い自体は私達が決めた事だから…気にしないで良いよ…」エヘヘ

オークa「あぁ、当然だ。適当だと言ったろ?…じゃあ俺たちは行く」スタスタ

オークc「武運を…」

エルフb「あ、そうだ!拳を納めてくれてありがとう!」フリフリ


ーー
オークc「どうするんです…?」

オークa「何を?」

オークc「やるのでしょう?」

オークa「…この短期間で交渉するのはまずケントウリ族、つぎにコボルト族だ」

オークa「ケントウリは土地への執着があるから、エルフも動く事を知れば交渉は難しくない…コボルトがなぁ…臆病な種族なんだよ…優勢になったと判断した時だけ参加を約束するに留めるが一番かなぁ…」

オークc「それで足りるのですか?」

オークa「足りない。あまりに足りない…だが軍備を間に合わせる期間を考えても、これが限界…これでも一人の働きとしちゃあ十分すぎる」

オークc「相手は?」

オークa「支配の恩恵を受ける種族…人間が糧となっている巨人族、ドリアド族、暗人族。戦場そのものが目的のワーウルフ族。腐肉目的のグール族。…この辺りかな」

オークc「対してこちらは我々と、エルフ、ケントウリ、コボルト…ですか」

オークa「そりゃ規模の違いはあるから、いつかは勝つさ…だが犠牲が出すぎる…先発隊はティタンの宿主と刺し違えるつもりだ…あのエルフが俺に望んだのは、短期決着可能な援軍だろう…?」

オークc「結局、一度に押し潰すのが一番被害を押さえますしね…」

オークa(だから、コボルトの交渉は早めに切り上げる…もう1つ…なびいてくれれば良いけどな…)

オークa「オークc、お前はどうする?」

オークc「何言ってるんです?早く行きますよ…時間無いんですから…」

オークa「…助かるよ」



少女「あれが…エルフの村ですか?」

オークd「ええ、貴方の言葉を聴いて貰えると良いのですが…」

エルフq「止まれ!」キリキリキリ

エルフr「止まれ!」キリキリキリ

エルフq「性懲りもなく人間を奪いにきたか!それとも我々か!捕らえた仲間か!」キリキリキリ

エルフr「エルフq!あのオーク既に人間を盾に捕っている!」キリキリキリ

エルフq「人間よ!そいつは危険だ!危険な種族だ!我々の元へ来なさい!」キリキリキリ

少女「えっ…な…んで…」

エルフr「オーク!人間から離れなさい!」キリキリキリ

オークd「少女さん…お行きください」

少女「でも…」

オークd「エルフは弓の名手です…私はともかく、少女さんが射られてしまえばひとたまりもありませんわ…」

少女「…」ギュ

オークd「やるべき事があるのでしょう?」

少女「!」

少女(私の…私のやるべき事。大切な人を助ける事…大切な人の為に大切な人を犠牲にするの?…違う…違うよ)プルプル

少女「オークdさん。私が行ったら一直線にオークの村へ走ってください」

オークd「元よりそのつもりですわ」

少女「信じてくださいね…」ボソ

少女「…」スタ…スタ

エルフq「よし、安心しなさい!こちらは安全だ!」キリキリ

エルフq「もう少し離れたら射かける」ヒソヒソ

エルフr「えぇ」キリキリ

少女「…」ダッ

オークd「!」
エルフqr「!」

オークd「…!」ダッ

エルフr「な…!それぞれが反対方向に!」ヒュン

エルフr「くそっ…外した」ダッ

エルフq「…ダメだ!追うな!…人間が向かったのは深部の方だ…オークの方もだ…待ち伏せかも知れん」シャッ

少女「…オークdさん。逃げ切れた見たい…良かった」タッタッタ

少女「もしかして深部の方に来たのかも…」ドキドキ

少女「木が折られてる…彼らが通ったんだ…」

?「…」ガサガサッ

少女「!」クルッ

ゴブリン達「「…」」フーフー

少女(…良かった…彼らじゃ無い…でもこの人達も凄く怒ってる見たい…)

ゴブリン達「「…」」ジリ

少女(どんな時も落ち着いて…この人達も落ち着かせないと……!…)

少女(この人達、怪我してる…これは…怒りじゃない…怯え…?…よし!)

少女「あ、あの!言葉!言葉解りますか?薬を持ってますので…治療しましょうか?」

ゴブリン達「「…」」…

少女「通じない…?」

ゴブリンa「薬…あるのか?」フーフー

少女「!…はい!」ニコッ

ゴブリンa「薬…投げろ」スッ

少女「投げる…?」

ゴブリンa「動くな!…投げろ!」スッ

少女「は、はい!血止めの葉です!」ポーン

ゴブリンa「…?」サスサス

少女「ぁああ…それは磨り潰して使うんですよ…」

ゴブリンa「磨り潰す?…」モミモミ

少女「あぁあ…薬草が…」アワアワ

ゴブリンa「…お前…やれ…動け…やれ」ポーン

少女「…はい!任せてください!あと、お前じゃ無くて少女です!」ニコッ


ーー
少女「これで、皆さん終了です」フゥ

ゴブリン達「「…」」キャイキャイ

ゴブリンa「少女…薬…まだ?」

少女「ものにも依りますがまだありますよ?」

ゴブリンa「来い…来て…薬…」トコトコ

少女「?」テッテッ

少女「…」テッテッ

少女「!…これ…村ですか?…みんな壊されてる…酷い」ポロ

ゴブリンa「巨人…歩く…村…無くなる…いつも…いつも…」シュン

少女「もしかして…通り道になってる村は他にも…?」

ゴブリンa「少し奥…ホビット村…同じ」スッ

少女「ありがとう」(そこにも行ってあげないと…薬足りるかな?)ゴリゴリ


ーー
少女「…何とか足りた」アセダク

ホビットa「ありがとー!少女ー!」

少女(ホビットさんもゴブリンさんも小さいな…私が大きくなった気分…)クスクス

ゴブリンa「少女!…少女!…ゴブリン村」バタバタ

少女「どうしたんですか?ゴブリンaさん?」

ゴブリンa「村…オーク…少女…探して…あっ!」バタバタ

オークd「少女さん!…無事でしたの!」

少女「…!…オークdさん!良かったぁ会えて!」ウルウル

オークd「ウフフ…助けられてしまいましたわね」ニゴッ

ホビット達「「!」」ビクッ

少女「そんな…今まで何も出来ませんでしたから…」ニコッ

ホビット達「「///」」ニヘラ

オークd「これから、どうしますの?」

少女「ここの無事だった部屋を使わせてくれるそうなので、また動くのは明日ですね」

オークd「深部へ行かれるのですね…」

少女「…はい…だから…」

オークd「ウフフ…お供いたしますわ」

少女「っ…ありがとう…」グス

オークd「では、明日に備えて眠りますわ」スック

少女「あれ?何処に…?」

オークd「ゴブリンの村です。私、あちらの殿方に受けが良い様ですので…」スタスタ

ゴブリンa「…じゃ…明日…見送る」フリフリ


ーー
少女「…んぅ…皆、寝てる…早く起きちゃったみたい…」ソーッ…カチャ…トテトテ

?「…」

少女(相変わらず…外は暗いな…風は気持ちいいけど…これから…深部に行って…私は何処までやれるんだろう…)

?「…」メリッ

少女「村の皆はまだ無事なのかな…この数日が目まぐるし過ぎて…」

?「…」メキメキ

少女(…先生との日々が遠い昔の様に感じます…どうか、最後まで…)

?「グフッ」パキッ

少女(…見守っ…て……?)ガシッ

巨人「逃亡者…見つけたぁ…捕まえたぁ…」ググググ

少女(ぁく…先生…オークaさ…ん…)メキメキメキ



エルフa「…傷はどうだ?」

エルフb「…」

エルフs「元々致命的な傷にはなってませんでしたよ…」

エルフb「…」ホッ

エルフa「そうか…凄いものだな…オークと言うものは…」

エルフa(あれでも、渾身の力だったんだがな…)

エルフs「オーク達…どうなさるんですか」

エルフa「間違いなく白だが…つれてきた以上、法や他のエルフの目もある。…入牢…だろうな…」

エルフs「まぁ…そうでしょうね…私も実際話してみるまでは…イメージとのギャップがこんなにあるとは…」

エルフa「イメージは人間族からのものだ…エルフが入植している町もあるし、偏見が生まれやすいのさ…」

エルフa(私のように森で産まれ、森で育った者は少ないからな…)

エルフb「でも、あんなにギャップがあるのは、いくらなんでも変だよ?」

エルフa「…そうだな…おっと、そうだ…あの娘はどうだ?」

エルフs「まだ…」フルフル

エルフa(あの娘が襲われて無いとわかれば…釈放も楽なのだが…)

エルフq「長が戻られたぞー!」カンカン

エルフa「…!…長が?」

エルフb「早かったね!」

エルフa(…この速さは…移住交渉ではなかったのか…)ナデナデ

エルフb「…?…エヘヘ」


ーー
エルフ長「…以上だ」

エルフa「やはり戦争ですか…」

エルフ長「明日から拠点移動の準備だ。明後日の王宮戦術師団の到着を以て、深部への移動を開始する…」

エルフ達「「…ヤルノカ…センソウ…」」ザワザワ

エルフ長「急げ!戦う以上…私は拐われた同胞を一人でも多く救うつもりだ…ティタンの事もある…躊躇えば全てが手遅れになる!」

エルフ達「「ヤルゾ…タスケルンダ…」」ザワザワ

エルフ長「急げ!」スタスタ

エルフa「長様…!…あっ」

エルフa(行ってしまわれた…オークaの件を話しておきたかったが…仕方ない、あの娘が目覚めるまで待つか…)クッ


ーー
エルフa「…本当か!?」タッタッ

エルフb「はい!あの娘、起きたみたいです!」トットッ

エルフa(助かった!)ガチャ

シスター「…!…あ、あの時の…」

エルフa「あぁ…手短に、君に聞きたい事がある」

シスター「本当にありがとうございました!貴女方の助けがなければ…」フカブカ

エルフa「すまない、今それ所ではないのだ…あの時の状況を話しては貰えないか?」


ーー
エルフa「…やはり、そうか…手は出されていないのだな?」

シスター「はい…何か言った後、巨人と闘い始めたので…」

エルフa「恐らく、君を助けようとしたんだ」

シスター「オークが…ですか?」

エルフa「あぁ、オークが…だ。君を助け、村に帰そうとしていた」

シスター「…そうでしたか…申し訳ありません…ただ、その話をすぐには…」

エルフa「かまわない…起きたことをそのまま長に証言してくれるだけでいい…頼めますか?」

シスター「はい。それは構いません」コクン

シスター「…私からも1つお願いが…」

エルフa「あぁ、なんでも言ってくれ!」

エルフa(よし!これでオークa達を解放出来る!)

シスター「赤の伝書鳩を使わせていただきたいのです」

エルフb「村に止まる赤?領主用の緑じゃ無くて…?」

シスター「領主さまでは……村には教会が必ずありますので赤が良いのです」フルフル

エルフa「わかった、一番早いのを用意させる」

シスター「ありがとうございますっ…」ギュ


ーー
エルフ騎士「こちらが書状と目録です」

エルフ長「受け取った…」

エルフa「長様!」

エルフ長「どうした?騒々しい…」

エルフa「オーク達の解放許可を頂きに来たのです」

エルフ長「あぁ…問題が無いようであれば…」

エルフ騎士「オーク?オークを捕らえているのですか?」

エルフ長「…そうらしい」

エルフ騎士「ならば、釈放は待って頂きたい!」

エルフa「なっ…何故です!師団長」

エルフ騎士「我々はこれから布陣を轢くのだぞ?…嫌疑のある者を、ましてやオークを釈放する事はならない!」

エルフa「彼らは安全です!むしろ協力関係を…」

エルフ騎士「相手はオークだ!危険の芽は少しでも摘まねばならん…経緯はしらんが理解しろ!」

エルフ長「…」

エルフa「っ…かしこ…まりました…」

エルフa(…そうだ…彼らは王宮付きの騎士か…人間側の知識しかない…)

エルフb「…姉様」

エルフa「エルフb…いたのか…」ナデナデ

エルフa「…」


ーー
エルフa「流石に最小限の警備だな…」

エルフb「うん、シスターさんも明日村を離れるって…」シュン

エルフa「昨日1日で随分仲良くなったモノだな」ナデナデ

エルフb「ヘヘヘ」///

エルフa「さて、どうするか…」

エルフc「引き払いの警備を任されたものは最終の打ち合わせを行うぞ!持ち場を離れ、円卓に集まるよ~に!」カンカン

エルフa「…」

エルフc「…」チラッ

エルフa「…フフ、あいつも良いところがある…」

エルフa「いくぞっ!エルフb…」

エルフb「あ…」

エルフa「どうした?…!」

エルフ長「…」

エルフa「長…様…」

エルフ長「…」チャリン…スタスタ

エルフa(…これは…鍵…)

エルフb「行こう!姉様!」ヒソヒソ

エルフa「ああ…」ヒソヒソ


ーー
エルフa「…行ったか」スタスタ

エルフb「…うん…私達も深部に移動しないとだね…姉様」ギュ

エルフa「…」フゥ

エルフa「エルフb…頼みがある…」ナデナデ

エルフb「…何…?」

エルフa「シスターさんを森の外まで警護しなさい」ナデナデ

エルフb「!…付いて来るな…ってこと?…嫌…嫌だよ!姉様だけ戦争に行くなんて…」ブンブン

エルフa「私だけなら死なん…だがお前は足手まといだ…私まで危険に晒される」スッ

エルフb「姉様!…でも…でも!」ウルウル

エルフa「オークとの戦いをもう忘れたかっ!次の相手が退くことは無いんだぞ!」キッ

エルフb「!!…ヒック…わかったよ…ヒック」ポロポロ

エルフa(…よし…オークもエルフbもシスターも…生かしたい者は逃がせたな…これでいい…エルフcも逃がしてやりたかったが…ま、私が守れば済む事か…)フフ

エルフa「じゃあな…しっかり…守ってやれ」スタスタ


4.
全ての目が…全ての耳が…我の心を満たす…

ケントウリa「では我々はエルフの軍に合流しよう…」

ケントウリb「土地を捨てる訳にはいかんからな…」

オークa「ありがとな…独自の判断としてくれてかまわない…エルフ族への借しは作っとくべきだしな…」

ケントウリa「もう、行くのか?」

オークa「あんま時間無いんだ…コボルトにも声をかける」イソイソ

ケントウリa「我らとノーム族は知っている…平穏がオーク族の賜物であると…」

オークa「…伝えとくよ…」

オークc「それではよろしくお願いいたします」ペコリ


ーー
オークa「あぁ、戦況を見ながらで構わないです…何せエルフ族主導です!借しを作って損は無いと…」ニゴッ

コボルト長「…考えさせてほしい」

オークa「助かります!それで十分です…最悪後方支援だけでも構いやせんので…良い返事を期待しております」アクシュ

オークc「何です、そのしゃべり方?」ボソボソ

オークa「…敬語は慣れてないんだよ…」ヒソヒソ


ーー
オークa「さて、後は…」

オークc「待ってください…なにか来ます」

オークd「…」ガサガサガサガサ

オークa「お…丁度良い所に…」

オークc「…オークdさん…何かあったようですね…」

オークd「少女さんが!…少女さんが拐われましたわ!…」ハァハァ

オークac「「少女?」」

オークa(誰?)

オークd「急がないと!…急いで助けに向かわないと!」ハァハァ

オークc「落ち着いてください!…落ち着いて!」ガシッ

オークd「あ、あ…失礼…しましたわ」ハァハァ

オークa「…何があった?順を追って話してくれ」


ーー
オークa「あの人間が?」

オークa(少女と言う名前だったのか…いや、そんな事より…)

オークa「連れて行かれたのは何時だ?」

オークd「昨日の早朝ですわ…それから走り回って…班長を…」

オークc「なら、もう深部に入ってますね」

オークd「私のせいですわ、離れたりしたから…今頃どんな酷い仕打ちを受けてるか…」ワナワナ

オークa「突っ込まなかったのは英断だ…少女の方は俺が何とかする」

オークc「深部に向かうつもりですか!?」

オークa「どちらにしろ…この後、行くつもりだった」

オークcd「!」

オークa「いいか、時間がない…エルフ族が進軍を開始する前に、深部に行く必要がある…オークcは一度村に戻って現状を話してやって欲しい…それで一部でも動いてくれれば…」

オークc「わかりました…任せてください…私が!…皆を動かしてみせます!」ドン

オークa「あぁ、信用してる…オークdは拐われた場所に案内してくれ!」

オークd「わかりましたわ!」


ーー
オークa「驚いたな…」

オークd「そうですわね…」

オークa(ホビットとゴブリンが…少女の為、と俺達に協力してくれるとは…)

オークa「オークd、ここに残ってオークcと合流してくれ…」

オークd「…わかりましたわ」

オークa(思えば、俺のきっかけも少女だったか…あの人間には見えない何かが、強い力でもあんのかも…な…)

オークa「ホビット達よ、このルートで間違いないか?」

ホビットa「うん、忍び込むのは得意だから!巨人の集落には案内できる!…でも助けるのは違う…難しいから…」

ゴブリンa「力…足りない…戦う…できない…」プルプル

オークa「案内で十分だ…行こう」スタスタ

オークa(俺を必要としていた…か……何を頼むつもりだったんだか…)

オークa「ま、直接聞いたら良いよな…」ハッハッハ


ーー
ゴブリンa「あれ…巨人の集落…」

オークa(本当にたいした騒ぎなく入り込めた…凄いなこいつら…よくあんな裏道を…)

オークa「よし助かったぞ…ありがとな」スタスタ

ホビットa「あれ?…巨人の集落に向かうんじゃないの?」

オークa「ここで少しやることがあってね…その後、救出する予定だよ」

ゴブリンa「…任せる…」

オークa「任された!」ニゴッ



少女(…気づいたら縛られて…叫び声で起こされた)ムグ

少女(深い…暗い…これが深部…それにこの臭い…考えたくない…!)ガクガク

人間「いやぁあああ…ぎぃ…が…」ゴリゴリ
人間「産みたくない…産みたくない…」

巨人「産んだ…お前…もういらない」グシャ

娘a「もぅやだぁあ!!お母さぁん!おがぁざぁあああ…いだいいだいイダイイダイイダイイダイ…」ブチブチブチ

少女(嫌だ…怖い…怖い)ガクガクポロポロ

娘a「ーーー」ビクンビクン

娘a「ー」パァァ

少女(酷い…ヒック…どうしてあんな目に…ヒック…?…あの娘の身体から光?)

光る巨人「4日…耐えたが…また…駄目か」シュウウ

少女(あの巨人に吸い込まれて…)

輝く巨人「次だ…素質のある…人間を…」

娘b「お願いします!…助けて…助けて!…あんな死に方いやぁ…」ガクガク

輝く巨人「耐えろ…産め…ティタンを」ギリギリギリ

娘b「あ!ぃや!ぎゃあああアアアアア…」メリメリメリ

輝く巨人「…耐えて…見せろ…」バチンバチンバチンバチンブチブチバチンバチン

娘b「ぁ…」グリン

輝く巨人「…」ドクン…シュウウ

光る巨人「恐らく…駄目だな…こいつも」

少女「んむぅー!!…ヒック…ヒック」ボロボロ

巨人「連れてきた…こいつ…ドウだ?」ポイッ

少女「んふっ!」ドサッ

光る巨人「…!……こいつ!…素質だ…しかし、あぁ…植え付けた…ばかりだ…」

巨人「…すまん」

光る巨人「いい…どうせ…すぐ破裂…その後…植えれば…」ニヤァ

巨人「…殺せば?」

光る巨人「産む…かも知れない…そいつ…産まない…かも知れない…無駄に…出来ない…」グゥゥ

少女(次に私が…ああ…なるの?…怖い…怖いよ…どうにか…しないと…)ポロポロ

ドリアドa「そんだけ居るなら、一匹くらいこっちの苗床に回して欲しいもんさね…」

巨人「駄目だな…こいつら…ティタンを…孕む…素質ある…産まれるまで…駄目だ」

ドリアドa「お前達の乱獲のせいで、こっちはいつもより少ないくらいなんだ!」

巨人「逆らう…のか?」ググ

ドリアドa「…ちっ…出直すよ…さっさと当たりを見つけな…!」タッタッタッ

光る巨人「…準備…しておくか…」ビリビリ

少女「むー…むぅー!」(…私の…服が…)モゾモゾ

光る巨人「逃げては…困る…」カチャカチャ

少女(内側に針のついた輪っか?…まさか…足に?!…やだ…やだ…)ガクガクモゾモゾ

光る巨人「…暴れるな」ガチン

少女(ッーーーーーー!!?!)ビクンッ…ガクリ

光る巨人「これで…逃げられん…」



エルフa「…」

エルフc「…ッ?」ビクッ

エルフa「風の音だ…ビクビクするな!」

エルフc「お、おぅ…」

エルフa(まったく情けない…これだけの人数でいると言うのに…)ハァ

エルフa「ほら…森の中央…深部が見えてきたぞ…」

エルフb「…なんだよあれ…あんなの見たこと無いぞ…」ゴクリ

エルフa「…」

エルフa「竜の峰だ…元は巨大な渓谷だったが竜族が他の侵入を防ぐため、鉱物と竜の唾液で渓谷を覆う傘を作った…それによって陽の届かなくなった麓は、ゆっくりと腐敗していき暗がりを好むもの達が住み着いた…あの腐食した木々と沼、広大な地下坑道こそが…深部だ…」

エルフb「坑道まであるのか…」

エルフa「…恐ろしく巨大なモノがな…あの傘を造るのに竜が用意した坑道だ…想像つくか?」

エルフb「…無理」アングリ


ーー
エルフa「急造にしては、立派なモノだな…」

エルフb「…俺らのテント聞いてきたぞ…しかし、こんなに寄せて問題ないのか?」

エルフa「…防衛なら問題だ…だが攻めの拠点だ…こんなものだろ…」

エルフb「…!…ケントウリがいる!」

エルフa「凄いな…協力してくれるのか…」

ケントウリa「…同じ部隊のようだ…よろしく…」スッ

エルフa「あぁ、頼む…混成で戦うとはな…」アクシュ

ケントウリa「一部だがな…我らの殆どは先駆けだ…エルフはほぼ集まった様だな…」

エルフa「我々の到着で村からは最後だ…あとは王宮からの定期補給、増援くらいだ…」

ケントウリa「コボルトは…いないか…」キョロキョロ

エルフa「コボルトがどうかしたか?」

ケントウリa「…いや、交渉とは難しいものだと思ってな…」ボソ

エルフa「?…まぁ、そうだな。暗人が巨人と組んだと言う話も先見隊から来ているし、数がいても安心は出来んな…」

ケントウリa「暗人が向こうに付いたのか?…人間を食うだけの得体の知れん種族だ…関わりたくは無かったが…」

エルフa「死滅した南の大陸から来たらしいが…確かに信用は出来ん種族だ…」

エルフr「伝令!伝令!先見隊が交戦に入った模様!奇襲です!」

エルフac「「!!」」

エルフ長「巨人か?」

エルフr「報告では…巨人の他にワーウルフとグール!…本隊規模です!」

エルフ長「早いな…ケントウリ族主導の隊は進軍!後方エルフ殲滅隊は射ち漏らすなよ…」

エルフa(やはり、待ってはくれないか…)

エルフa「行くぞ!」チャキ

エルフc「ハァ…少し位休みてぇなぁ…」

エルフa「なら休んでいろ…私は行く」スタスタ

エルフc「行くよ!言ってみただけ!」タッタッ


ーー
エルフc「…うぉっ…っとと…」キィン

ワーウルフ「ハッハー!雑魚エルフは引っ込んでな!」ギャハハ

グール「死んで!腐って!餌になれ!」ガハハ

ワーウルフ「おいおい!腐ったら俺たちゃ喰えねえよ!」ガキィ

グール「じゃあ!半分!ずつだ!」ブン

ワーウルフ「いいねぇ!平等だ!」ギャハハ

エルフa「…くっ」ズザザ

エルフa(…数が多い…ケントウリ達は巨人の相手で動けない…)クッ

エルフe「戦域を突破されました!」

エルフa「そんなモノは殲滅隊に任せろ!」

ワーウルフ達「「ギャハハ」」タッタッ

グール達「グハハ」ザッザッ

エルフa(…引いた?…まさか!)クルッ

エルフa「突破したのはなんだ!」

エルフe「…それが」

エルフa(奴等の規模からみて…主力は間違いなかった…考えるとすれば違う種族か…巨人の考える計ではないぞ…)

エルフe「オグルです…オグルの本隊です…」

エルフa「…なっ!」

エルフa(…やられた…最悪だ…そうか、暗人族め…戦術をこうもやる…)

ケントウリa「…!…一匹いったぞ!」

エルフe「エルフa!!」キリキリキリ

巨人「ふん」ブゥン

エルフa「…!」(しまっ…)ギィン

エルフa(……?)「!」

エルフc「…フゥ…間に…合った」ポタポタ

エルフe「…!」ヒュン

巨人「がぁっ!」プス

ケントウリa「うぉお!!」ザシュ

巨人「ぁあああ!!」ドスーン

エルフa「エルフc!…エルフc!」ガクガク

エルフc「揺らすなよ…いてぇん…だから…」ジワジワ

エルフa(私のっ…私の不注意で…気をとられるなんて…)

エルフa「なんでっ…いつもみたいに隠れていれば…」フルフル

ケントウリa「警戒しつつ集合!体制を整える!!またすぐに来るぞ!」

エルフc「ぁあ…ハハハ…そうだった…すっかり忘れてたよ…」ジワジワ

エルフa「馬鹿がっ…くそっ…血止めは…効くのかっ…」フルフル

エルフe「…村に戻るか…王宮付きの医療技術でもない限り…その傷は…」

エルフa「うるさいっ…諦めるかっ…諦められるかっ…!」

?「では、こちらで責任を持って治療致しましょう。」

エルフa「…え?」

?「オーク村のルートから急げば間に合うものですね…」ヨッ

?「内臓までいってる…他の負傷者も急いでください!」

白服達「「はい!」」

エルフa「あなた…は?」

?「私は…先生…です」ニコッ

エルフb「姉様ぁあ!!よがっだぁ!!」ガシッ

ケントウリa「これは驚いた…教会守りの僧兵か…」

エルフa「エルフb…すまなかった…すまなかった」ナデナデ

エルフb「グシグシ…えへへ…シスターさん凄いんだよ!教会の神子さんなんだって!」

シスター「先生の元へ手紙が届いたのは幸運でした。予め森に入る準備を進めてくれてましたから…交渉も…」

白服「神子様の危機とあらば…拐った罪は償って貰いませんとな…」

エルフa「ありがとう…先生殿…シスター殿…エルフb…お前も…よくお届けしたな」ナデナデ

エルフb「えへへ」///

ケントウリa「僧兵が参加したのなら、一部は本陣に戻るべきだ…殲滅隊だけでオグルの進行を止められるとは思えん!」

先生「恐らく…あちらも大丈夫だと思いますよ?」

エルフa「?」



5.
我は4の目と…4の耳をもち…8の翼で翻る…一つ目をあけ…一つ耳あけ…戯れる前に…少しの間見下ろそう…

オグル「雑魚に構うなぁ!」

オグル「目指すは本陣!長共の首よぅ!」

オグル「ガッガッガ!エルフの奴ら深部に向かってにげてやがる!」ガブリクチャクチャ

オグル「先見隊と合流するつもりなのだろう…あっちの方が近いからな」ガッガッガ

巨人「無駄に…しゃべるな…突き進め」

オグル「…」チッ

オグル「…!」ヒューン

オグル「…なっ」グチャ

オグル「カタパルト!カタパルトだ!」ヒューン

巨人「なんだと…何故…エルフが…こんな物…」ドスン

オグル「エルフは射手だぁ!カタパルトを扱うなんざぁドワーフかコボルトが…」ヒューン

オグル「…コボルトならまだいいが…ドワーフは…まさか、両方か?…」ドスン…ギャー



コボルトa「次!休みなく雨を降らせるんだよ!」

コボルトa「支援だけ…支援だけでいいんだ」ドキドキ

エルフ長「協力、感謝する」

コボルト長「いえ、私たちも彼らに誘われなければ…オークの言葉だけでは震えて動けませんでしたよ…」ドキドキ



オグル「くそっ…これじゃ雨だ!」ヒューン

巨人「射線を…越えれば…済む事だ!…止まるな!」ドスン…ギャー

オグル「うるせぇんだよ!…こっちの前線が妨害を受けてるんだ!」ヒューン

巨人「この雨で…敵兵が…いるものか!…そいつらも…的になる!」ドシンドシン

巨人「な…に…」ヒューン

ゴブリンa「ボウガン隊…動く…止まるな」パスパス

ゴブリン達「「…」」パスパスパスパスパスパス

ホビットa「今だよ!網を!…ほんの少しでも足止め出来れば…」ヒューン

ホビット達「「お~!がんばる~!」」ワラワラ

オグル「こいつらちょこまかと…ヘブッ」グチャ

巨人「ゴブリン…ホビット…までも」ヒューン

オグル「やめだ…やめだ!」クイクイ

巨人「な…!」ヒューン

オグル「俺たちゃ引くぜ…」ドスン

巨人「貴様ら…」グググ

オグル「勘違いするなよ、てめぇの命令口調を許しているのはティタンが産まれる前提があったからだ…」ギロリ

巨人「クッ」ヒューン

オグル「ガッガッガ…つまり…もう、許してねぇ!」ボゴッ

巨人「グハッ…貴様ら…なにグチャ

オグル「…はっ!…行くぞ!退避だ、退避!」クイクイ

オグル達「「…ワー!」」ザッザッザッザッ…



巨人「…まさか…侵攻して…きた…?」

巨人「…!」

ワーウルフ「…おいおい、白服までいんぞ!」ギャハハ

グール「エルフも!増えてる!…殲滅隊が!合流しやがった!」グハハ

ワーウルフ「…あの、脳筋共は何やってんだぁ?仕事しねぇなぁ…」ギャハハ

グール「アイツラ!何でも!食うからな!腹でも壊したんだろ!」グハハ

巨人「良かったな…食料が…増えたぞ?」

ワーウルフ「…」

グール「…」

巨人「なんだ?」

ワーウルフ「俺は肉を食いにきたんだ!今思い出したぜぇ~」ギャハハ

グール「俺は!肉を!腐らせにきた!」グハハ

ワーウルフ「喰われに来たんじゃあねぇんだった」チラ

グール「腐りに!来ては!いない!」チラ

巨人「…?」

ワーウルフ「ギャハハ…獲物はでかい方がいいよなぁ」

グール「グハハ…腐れば!優に!10食はある!」

ワーウルフ「だぁから、それじゃ俺らの分がねぇだろうが!」

グール「だったら!半分!ずつだ!」クルッ

ワーウルフ「いいねぇ!平等だ!」クルッ

巨人「っ!!!」



少女「…っ!」ズキン

少女(あっ…針を刺されて…気絶してたんだ…!)

娘b「くぅぅ…ふぅぅ…死にたくない…死にたくない!!!」ギリギリギリ

光る巨人「耐える、耐える…もしや…当たりか?」ズパンズパンズパン

娘c「か…カハッ…ぎぃ…やべでぇ」ヒューヒュー

少女「むぅー!むぅー!」(やめて!やめなさい!)

光る巨人「…起きたか!」ズパンズパン…ドクン

娘c「…」ズルッ…ベチャ

少女(ぁあ…どうして…)ポロポロ

ドリアドa「…相変わらず、酷い臭いだね」

光る巨人「どうした…何かあったか?」

ドリアドa「戦況を把握してないのかい?情けない…」フゥ

巨人「大変だ!」ドスドスドス

ドリアドa「ほら来たよ」

巨人「攻めこまれている…エルフに…!」

光る巨人「他の…連中は!…何を…している!?」

巨人「オグルは…引いた…ワーウルフ…グールも…坑道入口の…暗人も…空を指差しながら…逃げた…」フゥー…フゥー

光る巨人「だが…まだだ…ティタンさえ…産まれれば!」

ドリアドa「でもそいつも無理なんだよね…」シュルル

ドリアド隊「「…」」シュルルシュルル

光る巨人「…何の…つもりだ…」ガチッ

巨人「うお…むぐ」ガチガチギチギチ

ドリアドa「教えてくれた奴がいたのさ…お前達がいない方が私たちが長生きするってね…」シュルシュル

光る巨人「俺を…他の…巨人と…同じと…考えるな」ブチブチ

ドリアドa「何て力だい!全員気合いいれな!」シュルルルル

光る巨人「ふぬぅぅ…」ブチブチ

巨人「…」ガクリ

光る巨人「所詮…貧弱…貴様らを…殺し…」ブチブチ

ドリアド達「「くぅぅ!」」シュルルルル

光る巨人「あの娘どもを…使えば…ハハハ…いつでも…いつでも」ブチブチブチ

ドリアドb「くっ」バタリ

ドリアドc「…ダメだ」バタリ

少女「んんむ!」(…駄目だ、このままじゃ…)

少女「むー!むぅー!」ポロポロ

ドリアドa「っ…まだまだ…!」

少女(誰か!誰か!)ポロポロ

光る巨人「終わりだ…ドリアド…共!」ブチブチブチブチ

ドリアドa「くっ…そ…」シュル…シュル

?「」ヒュルルル

光る巨人「舐めた…真…似…?」ザクッ

?「おっ、命中した…?…俺凄くない?」

少女(…!!!)

ドリアドa「遅いぞ、我々を焚き付けた本人が…」ハァ…ハァ…

?「悪い悪い」

少女(間違いない…やっと…やっと)

少女「んふぅ…むぅー!!」(オークaさん!!)

オークa「よう、人間!いや、少女だっけか?…少し待ってろ…また村まで送ってやるよ…」スタッ

オークa「俺は紳士だからな」ニゴッ


見ている方居ましたら、すみません寝ます。

頭の中のシナリオでは、今晩で終わる予定です。

もう少しお付き合いください。


オークa「…って、事なんだが」

ドリアドa「確かに…話が正しければこちらは負けるだろうね…」

ドリアドb「だがそちらの情報を鵜呑みにするほど愚かでもない…」

オークa「真偽を定めてからでいいさ…動くのはな…それともう1つ…」

ドリアドa「なんだい?」

オークa「巨人といて、ドリアドのメリットは限りなく低い…どちらも人を襲うから共闘すべきと言うが実は違う」

ドリアドb「…」

ドリアドa「…」

オークa「ドリアドの収穫規模は巨人の5分の1だ。すなわち巨人は5倍の人間を拐っている…収穫方法も違う…巨人は選り好みするのもあって村を襲う。あなた方は迷い人を拐うだけだ…人間側からみて両種族の被害規模がどれだけ違うと思う?」

ドリアドa「なるほど?」

オークa「確かに20年間の大繁殖はとても魅力的だ…だがこう考える事も出来る…『無駄に人間族を刺激する競争相手を滅ぼせる絶好のチャンス』だと…」

ドリアドa「…ふん、言いようだね…」

オークa「協力してくれるなら、他の種族には、始めから協力体制にあったと説明もする…どうか考えておいてくれ…」

ドリアドa「返事は聞かないのかい?」

オークa「行動で教えてくれればいい…」ヒラヒラ


ーー
オークa「むう、集落の動きがあわただしくなったな…始まったのか…」

オークa(あの人間はまだ無事なのか?…一人で動く以上バレずに奪還以外ない…期を待つしかないか…)


ーー
オークa「…駄目だ…」ハァ

オークa(出ていくのは監視用数人だけで巨人の大多数がここに留まってる…流石にそこまで馬鹿じゃないか…)

オークd「流石にそこまで馬鹿ではないですわね…」

オークa「あぁ、潜入は難しいな…」

オークd「お手伝いしましょうか?」

オークa「…」

オークa「…なんで居んの?」

オークd「あら手伝いに来ましたのよ?」ニゴッ

オークa「二人だからって、どうにかなるもんじゃ無い」

オークd「フフ…後ろにも気を配るべきですわ…」

オークa「!!」

オークf「置いてくつもりだったんですか?」

オークv「初めて村にきた人間くらい助けられなくちゃ…」ネー

オークm「キャンペーン何て成功しないっすよ」ネー

オーク達「「そうだ!そうだ!」」

オークc「おまかせくださいと…申したでしょう?…期待してくださいよ?」ニゴッ

オークd「では、行きますわ…班長は少女さんの元へ!」

オークa「死ぬなよ…」

オークc「死なせませんよ…」

オークa「…よし…うォオオ

オークb「…あ…待ってください…貴方にもこれを…」ヒョイ

オークa「ぁあ…ま、いいや…なるほど、槍ね」パシ

オークc「…オークといえば…槍、ですわ」フフ

オークa「確かに…よし…じゃあ行くぞ…うォオオ

オークb「…あ…見てください!巨人が移動しています!…エルフの部隊が来たみたいですね…」ビッ

オークa「…」

オークb「どうしました?私たちは引き付けに徹しますので先行してください?」

オークa「…そうダネ…じゃあ…行くぞ!…ぅうオルァアアアア!!!」ドドド

巨人「な…なんだ…オークの…大群…!!!…奇襲だ!…オークが…押し寄せて来たぞ!!」

巨人「挟み…撃ち…か!!?」

オーク達「「ワッショイワッショイ」」ドドド


ーー
オークa「俺は紳士だからな」ニゴッ

オークa(…決まった!)フフン

光る巨人「ウォオオオ!!」ボグンッ

オークa「槍をむしりとった?!」

オークa(…決まってなかった…)シュン

光る巨人「死ねん…死ねぬ…我々は…待ったのだ…人の姿を…持って生まれ…追いやられ…陽さえ…遮られて…」ブンッ

オークa「おっと…」(動きは鈍ってる…出血も酷い…長くはもたないはず…!)ヒョイ

光る巨人「なのに…500年…あまりに…長い…それすらも…奪われて」ブンッ

オークa「くっ」(動かすのは…執念か…)ガキッ

光る巨人「何故…何故!」グググ

オークa「…うるせぇよ…俺が知るか!」バキッ

光る巨人「グハァ!」ググ

オークa「…俺が…知るか!」ゴキッ

光る巨人「グゥッ!?」グ…グ

オークa「節操無さすぎんだよ!…ガキでも構わず拐いやがって!」ドカッ

光る巨人「グゥっ…何故…」ヨロ

オークa「そういう所が!…駄目なんだろぉおおがぁああぁぁぁぁ!!!」ドゴォ

光る巨人「グァアアアァァァ!?!?」ドサァ

光る巨人「…オークごときに…オーク…ごとき…が…」カヒュー…カヒュー…

光る巨人「ティ…タン…加護…は……」ガクッ

光る巨人「」

オークa「…ふぅ」

少女「あ…あの」ヨロ

オークa「おぅ!…無理すんな…枷外すからな…少し痛いぞ…」パキン

少女「…ンクゥ!」

オークa(…やはり拷問用の落とし枷だ…指に感覚が戻ればいいが…)ヒョイ

少女「…ヒャ!」ビクッ

オークa「歩けないんだから俺が運ぶぞ?」ニゴッ

少女「あ、はい…お願いします」ポロ

オークa「…悪い…どっか傷に触ったか?」

少女「いえ…私っ…酷いことを…目の前で人が…私も、ああなるって思ったら…ヒック…助けようとした人達を考えられなくなって…ただ死にたくない…助かりたい…ヒック…って…」ポロポロ

オークa「…」ポンポン

少女「ウェエエ…ヒック…ヒック」ボロボロ

オークc「あっ!泣かせました!」

オークd「まっ!泣かせてますわ!」

ドリアドa「オークが入ってきたって事は…終わったって事かい?」シュルシュル

オークd「…ですわ、エルフとも合流出来ましたし…協力感謝します」ペコリ

ドリアドa「悪いが、ぶっ壊れてる連中くらいは引き取らせて貰うよ」ヒソヒソ

オークc「はい、どぉぞ。とは言えませんよ…勝手に連れて行くのを止める事もしませんが…」ヒソヒソ

オークd「さあ、皆さん…怪我人をどんどん運び出してください…」パンパン

オーク達「「へーい!」」コワクナイヨ…テキジャナイヨ…ワイワイガヤガヤ

オークa「…いや~…なんか俺の事探してたんだって聞いてさ…」スタスタ

少女「グス…はい…でも大丈夫です。もう…お願い…叶えてくれましたし…そうだ…いろんな人が助けてくれて… オークdさんも… それから…… 胴上げを……… あとは…………ーーー


6.
やはり目も…耳も…2つ開ければ様になる…なぁ…そう思わんか?…

オークb「ファァ…」つミント

オークb「…よし」モグモグ

オークb「入ります」ガチャ

領主a「これはこれはオークb殿…貴方から出向くとは珍しいですなぁ」ニヤニヤ

領主b「きっと盟約の事で話したい事があるのでしょう」ニヤニヤ

オークb「そうですね、間違ってはおりません」

領主c「状況がわからんのか?…もったいつけるな!我々の調査と今回の巨人の件でもはや以前の口上は通じんぞ!」

領主d「貴方だけが特別などとよく言ったものだ!オークは総じて争いを好まぬ穏和な種族ではないか!」

領主a「もし仮に我々が不可侵条約を破ったとして…粗暴なオークとやらは攻めてくるのかね?」ニヤニヤ

オークb「何もしないでしょう。お気づきの通り、我々オークは争いを嫌う…強行策をとらない限り、森が切り開かれても武力に転じる事は無いですよ…」

領主b「ハッハッハ、まぁ我々も仲良くしたい思いはあるのですよ…ただ、何もなく条件だけを言われては…まぁ私は構わないのですが権力者の中には納得しない者も出る」

領主d「私は回りくどいのは好かぬ!…要求は町から深部地下坑道へのルート整備と鉱山資源の提供だ…安いものだろう?それで亜種共の巣は守れるんだ!」

領主c「私としてはどちらでも構わんよ…種族と森にたいしての不可侵条約がなければ出来ることも増える…たとえ共生関係を築くつもりでも…心無い者もいるわけだしな…最近は人以外の奴隷を望んでいる富豪も多いとか…な」ククッ

オークb「皆様の忌憚なき発言は心に止めおくとして…こちらの要求を伝えます…」

オークb「森の不可侵条約はかわらずに…種族の不可侵条約に関しては、こちらが全権管理の下で一部許可を設けさせていただきたいのです」

領主a「なっ…!より厳しいものになっているでは無いか!今回の件でも派兵しなかった事に不満が集中しているんだぞ!」ガタッ

オークb「不可侵条約を公表していないのは貴殿方の判断だ、それも利権や支持だけを考えての対応でしょう?…もし、公表していれば不満は森に向けられたはず…こちらの落ち度では無いはずですが?」

領主b「…よほどの見返りがあるんでしょうな?」トントン

オークb「変わりません…互いの安全の保証のみです」スタスタ

領主c「はっ!話にならない!攻めても来ないオークの軍勢が交渉材料に…脅威になると思ってるのか?!」ダンッ

オークb「いいえ…ですからその部分については、他の者に任せるつもりです」ガチャ

領主達「「!!!!」」ガタッ



スタ…スタ…

…はじめまして…とは言え…会うのは初めてでも…私を知らん事はあるまい…

領主a「まさか…枢…機卿…?」

領主d「枢機卿!?…こい…この御方が…」

領主c「竜の…王か…」

領主b「なぜ…なぜ枢機卿が…」ガタガタ

不思議に思っていた…

竜の峰の地下坑道資源…人間が求めぬはずが無い…と…

しかしいくら待っても…人は森を侵さなかった…

それが一人のオークの功績だと知った時は驚いたがな…

だがつい先日、そのオークがおかしな事を言い出した…我の助力を持って森と森の種族を守りたいと言ってきた…

故に…

戯れで…条件を出した…『手段は問わぬ、数多の種族の中、個で生きる5つ以上を束ねてみせよ』…と…

領主d「一時協定とみていたが…やってのけたのか…?」

オークだけの手柄では無いがな…随分と楽しませてもらった…文字通り目をつけた甲斐があると云うものだ…

まぁそんな訳だ領主諸君…

要求を受け入れるかね?

それとも…私の怒りを買い…

陽を浴びることを赦されず、同胞の肉を喰い、暗がりで…人間であった頃を夢に見続ける…

…南の人間共のように…『竜の火の呪い』を受けてみるか?




ーー
ーーー
オークa(あれから色々とあった…)

オークa(巨人を孕んだ女達は人間の所で摘出手術をするらしい…摘出手術って何だ?…まぁ、それをやれば命は助かるらしい…)

オークa(エルフaは最近、エルフcとよく一緒にいるようだ…エルフbが拗ねていた)

オークa(オークbは族長になった。かなり忙しいらしく会える時間が取れない…)

オークa(オークcとオークdは結婚した、俺の知らない所で何かあったんだろうな…)

オークa(ゴブリンとホビットは俺達が踏み拡げた深部への抜け道を泣きながら改修しているらしい…悪いことしたな…)

オークa(互いに種族の親交が深まり良い方向に向かっている…と、思う)

オークa「…」ネリネリ

オークa(…俺は、誰にむかって思いを馳せてんだ…?)ネチョネチョ

オークa「…」ネリネリ

少女「何やってるんですか?」キュッキュ…キコキコ

オークa「…建物の壁に使う土を練っている」ネチョネチョ

少女「良かったんですか?オークの村を出ちゃって…」

オークa「また、それを聞くのか?」ハァ

少女「…でも…私の足を気にしての事なら…」

オークa「違うさ…少し、別の世界で生きて見たかったんだ…」ナデナデ

オークa「技術とかでなく…様々な種族の心が知りたくなった…始めが人間ってだけでな…」

少女「じゃあ…いつか居なくなるんですね」シュン

オークa「村がある程度、復旧するまでは居るさ…」

少女「…うん…」

オークa「…だったら、一緒に来るか?」

少女「…!?」

オークa「色んな世界を見て生きるのも楽しいかも知れんぞ?」

少女「でも私…足…いつ…治るかどうかも…っ…」ギュ

オークa「何いってんだ?少女が行きたいかどうかだろ?行きたいんなら連れてってやるよ…人が多い方が楽しいしな」ハッハッハ

少女「…じゃあ…行きたい…です」

オークa「よっしゃ!一緒に行くぞ」

少女「…はい!」


オークa(オークb…暇はいつ出来るんだ?今度あったとき色々愚痴りたいことがあんだよ…)

少女「ほら、キビキビ働いてください!早く復旧させて…それで……」キュッキコキコ

オークa「…人間は働き過ぎなんだよ」ブツブツ

先生「オークaくーん、こっちもお願いしていいかーい?!」

オークa(お前しか、まともに聞いてくれる奴いねぇんだから…)

村人「オークaさんや~!」
村人「オークaちゃんはおらんのかね?」

オークa「おぅ!居るぞ!あと…俺は便利屋じゃねえからな!!」

少女「オークaさ~ん!リハビリの成果出てるみたいです!…ちゃんと歩けるようになるって!!」ニコッ


オークa(たまには暇を見つけて、話そうぜ…実は、最近さぁ…)

村人「あんたの力じゃ無いと、駄目みたいでなぁ…すぐに来てくれんか?」

オークa「ファァ…わかったよ…」

先生「朝からすまないね…それが終わったら、もう一つお願いしたいことが…駄目かい?」

オークa「…結局、お前らのが働いてるしな…で?なんだい?」ニゴッ

オークa(…俺に対する人間の扱いが軽い)



オークa「我々に対する人間の扱いが酷い」end

乙乙おもしろかった
枢機卿の言い回しがかっこよかった

url削ってみりゃわかるけどうpろだっていう種類のサイトを使ってる
ファイルをウェブ上にアップロードして他の人がダウンロードして見れる状態にしてくれるサービス
この掲示板には専用のうpろだは無いみたいだから適当にぐぐっていいの見つければいいんでない
もっと詳しく知りたければうpろだもしくはuploaderで検索すりゃ解説してるサイトあるんじゃないの

乙だったがあとがきが臭すぎる
コピペにされて晒されかねないレベル

>>184丁寧な説明ありがとうございます。やってみます

>>185ご指摘ありがとうございます。今後少し簡潔に書きますね。

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