P「……そうか」
菜々「ああ、ちょっと引かないでください!!」
P「もしかしたら俺はすごい子……いや、女性をスカウトしたかもしれないな」
菜々「そこは直さなくていいんですよ! 女子高生ですから!」
P「よもやなんとなく訪れたメイドカフェにいた可愛い子が地球人じゃないとは思わなかった」
菜々「ええ! ナナはウサミン星人ですから!」
P「しかしこういうのもいいな。どうだい、改めて聞くけどうちでアイドルやらない?」
菜々「こちらからお願いしたいくらいです!
歌って踊れるメイドアイドルを目指して頑張らせていただきます!」
P「ところで干支はなんですか?」
菜々「…………」
P「…………」
菜々「……ウサミン星には干支はありませんでした」
P「そうきたか」
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菜々「でもナナが本当にアイドルになれるなんて……」
P「最初から食いつきがよかったけど……憧れてたの?」
菜々「はい! はるばるウサミン星からアイドルになるためにやってきたのですから」
P「ということはオーディションとかは受けた事あるんだ」
菜々「はい。でも結果は芳しくなく……。ウサミン星人には厳しい世の中です」
P「俺はいいと思うんだけどなぁ。可愛いし」
菜々「そんな褒めないでください。照れるじゃないですか」
P「ちなみにここから電車でどのくらいなの?」
菜々「電車で……えーっと一時間?」
P「近いな。銀河鉄道はさすがだな」
菜々「え、ええ! そうなんですよ! びゅーんとひとっとびですよ」
P「横浜とかあっちのほう?」
菜々「ウサミン星です」
P「千葉のほうかな」
菜々「ウサミン星なんです……」ウルウル
P(かわいい)
P「ここがうちのプロダクションだ」
菜々「わぁ……小さい……」
P「そしてうちの事務員だ」
ちひろ「よろしくお願いします! 早速ですがお得な」
P「販促は結構です。最後にうちのアイドルたちだ」
凛「よろしく」
卯月「よろしくお願いします!!」
未央「よろしくー」
菜々「よろしくお願いします! 安部菜々、17歳です!」
凛「……じゃあ菜々って呼ぶね。私も凛でいいから」
卯月「菜々ちゃんですね! メイド服可愛いですね!」
未央「17歳……?」
菜々「少数精鋭って感じですね」
P「まだ出来たばかりだからな。
よーし、じゃあトップアイドルを目指して頑張るぞー!!」
四人「おー!!」
ちひろ「ひな祭りが開催されました!!」
菜々「いいですねー。華やかなイベントで」
P「お、あっちでライブバトルしてる。ちょっと見学しにいくか」
凛「……私達も本来あの舞台に立つべきなんじゃないの?」
卯月「凛ちゃん凛ちゃん! 雛あられおいしいよ!」
未央「よーし、お手製の雛壇でも作るかー!!」
柚「手伝うよ」モグモグ
P「ま、そんなに気負いすることはないさ。ゆっくりと俺達のペースで進めめばいい」
凛「そっか。うん、そうだね」
菜々「ひな壇のしまい忘れに注意しないといけないですね」
ちひろ「17歳なら婚期を気にする必要なんてないのでは?」ニヤニヤ
凛「ちひろさんはいいの?」
ちひろ「私はお金と結婚したので」
P「ひねくれた大人だな」
卯月「ちらし寿司おいしー」モグモグ
ちひろ「プロダクションマッチフェスティバルが開催されました!!」
P「これが地獄の宴か」
菜々「そういえばうちの事務所は他のプロデューサーはいないんですか?」
P「うむ。こういう事務所単位のイベントはきついな」
ちひろ「大丈夫です! プラチナオーディションをしてエナドリを買い込めば
一騎当千できますよ! さぁ! やりましょう!」
P「一体どれだけの犠牲を払えと言うんだ……」
卯月「まだ諦めるのは早いですよ! 出来る限りのことをやりましょう!」
未央「そうだぞー! 例えまだひよっこでも甘く見るなー!」
P「そうだな……。ま、俺達には秘密兵器があるしな」
菜々「秘密兵器ですか?」
P「見て驚くなよ……そろそろ来るんじゃないかな」
凛「お待たせ。どうかな」
卯月「凛ちゃん可愛いー!!」
未央「おお、新しい衣装!! かっこいい!」
P「前に来てた衣装を豪華にしてみたんだ。おかげでお金はすっからかんだ」
菜々「私もいつかあんな衣装を……!」
凛「みんな準備はいい? 行こうか、私達のステージへ!」
ちひろ「……その後ぼろぼろに負けた彼女たちの姿がありましたとさ」
P「変なナレーション入れないでください」
ちひろ「花見祭りですよ! スタドリを買って走りましょう」
P「おお、綺麗に咲いてるな」
菜々「そうですね」
志乃「……」ゴクゴク
P「……志乃さん。飲むのは構いませんが歩きながらは止めましょう」
未央「お酒の匂いが……」
卯月「凛ちゃ〜ん凛ちゃ〜ん」
凛「うわ、卯月が匂いだけで酔ってる。ちょっとこっち来ないで」
菜々「未成年組に悪影響ですね」
志乃「じゃあ菜々ちゃんも飲む?」
菜々「あ、菜々も未成年なんで」
P「俺もお酒は苦手でね」
志乃「つまらない……。いや、あの人なら」
ちひろ「え、私ですか? しょうがないですね。少しだけですよ?」
志乃「ウフフ……」
〜数時間後〜
ちひろ「ぷろでゅーさーさんも飲みましょうよぉ〜」
P「酒くせぇ!! この人酒くせぇ!!」
菜々「ナナもいるだけで酔いそうです……」
友紀「……」グデー
志乃「ウフフ……」ゴクゴク
P「なんか関係ないアイドルまで酔い潰れてるし」
ちひろ「ぷろでゅうさぁさんはわたしのスタドリが飲めないんですかぁ!」
P「タダなら頂きますよ」
ちひろ「一本百円になります」
P「なんで商売するときだけ正気に戻るんですかねぇ……」
菜々「とりあえずこの子を避難させないと……」
志乃「ウフフ……」
P「京都なんて修学旅行ぐらいでしか来たことないな」
菜々「アイドルというよりも舞妓さんとか芸者さんって感じですよね」
未央「プロデューサー。散歩してきていい?」
P「天狗にさらわれるなよ。あと時間厳守。菜々も行くか?」
菜々「いえ、ナナはプロデューサーと一緒にいます」
凛「ふーん……」
未央「ほおほお」ニヤニヤ
卯月「……?」
菜々「な、違いますよ! 別にそんな意味で言ったわけじゃないですー!」
未央「そういうことにしといてあげよう。ほら、卯月行こう」
卯月「どういうこと?」
凛「縁結びのお守りいる?」
菜々「いーりーまーせーん!! 早く行きなさい!!」
P「……行ったか。あんまり大声出すと注目されるぞ」
菜々「ぐぬぬ。だってあの子達がナナをからかうからー」
P「年上なんだからそこは余裕を持って対処とか出来るだろう」
菜々「……たしかにナナは十七歳で彼女たちよりも年上かもしれませんけど
女子高生だから恥ずかしいことだってあるんです」
P「女子高生なら仕方ないか」
菜々「そうですよ。花も恥らう乙女なんですから。
そういえばさっき天狗とか言ってましたけど」
P「ああ、なんかそんなオカルトを聞いた気がするからさ。
天狗にさらわれて時間を越えてどうのこうの。
それになんか天狗に気をつけろのほうが京都っぽいじゃん?」
菜々「そうかなー……」
P「そういえば凛。仕事が入ったぞ」
凛「へぇ、どんなの」ゴクゴク
P「CDだってさ」
未央「ぶおふぉっ」
凛「ふーん。というか未央驚きすぎ」ゴクゴク
未央「げっほげっほぐっほ」
卯月「未央ちゃん大丈夫?」サスサス
菜々「だってCDですよ!? すごいじゃないですか!」
凛「まぁそうだけどさ」
未央「げっほ……凛、いつまで飲んでんの」
凛「え、いや」
卯月「そうですよ。篭ってて聞きにくいですよ。口からコップを話して」
凛「あっ」
菜々「CDですよ。CD!」
凛「……」ニヘラ
未央「あっはっは。変な笑い方ー!」
菜々「素直に喜べばいいのに」
卯月「もう一杯飲む?」
凛「大丈夫。ありがとう。ちょっと現実感ないよね。いきなりCDって言われても」
菜々「何言ってるんですか。今までの凛ちゃんの、私達の活動が認められたってことなんですよ。
もっと素直に喜んで。そして私達の代表として胸を張って。お仕事を受けてください」
P「ああ。さりげなく言ったが俺だって今手が震えてるんだ」
卯月「どんなCDになるのかな。楽しみですね!」
未央「凛に先を越されちゃったか。おめでとう!」
凛「みんな……ありがとう」
ちひろ(CDの印税ってあまり入らないんですよねぇ)
ちひろ「アイサバinテーマパークが開催しました……ってあれ? プロデューサーさんは?」
菜々「さっきまで居たんですけど」
卯月「テーマパーク中にプロデューサーさんがいますよ!」
未央「アイドルのプロデューサーはみんな同じ格好しなきゃいけない法律でもあるのかな」
凛「携帯も通じない……。どうしたんだろう」
〜観覧車内〜
「ムフフ」
P「……」
「ムフフフフ」
P「あー……日菜子」
日菜子「どうしたんですかぁ?」
P「携帯を返してくれないか?」
日菜子「もうちょっとだけ二人っきりにさせてくださいよぉ……。
密室で二人っきりですよぉ!」
P「わかったから興奮するな」
日菜子「なんだかあまり嬉しそうじゃないですねぇ……」
P「いや、嬉しくないわけじゃないんだが……」
日菜子「抱きついてきても……ムフフ」
P「それも一考しとかないとな」
日菜子「そんな大胆な……!」
P「うわー! 揺らさないでくれ!」
日菜子「……」
P「……」ソッポムク
日菜子「……もしかして絶叫系とかダメな人ですか〜?」
P「それどころか観覧車も怖い」
日菜子「それじゃあ仕方ないですねぇ。隣に座らせてもらうだけでいいですよぉ」
P「ああ、そのくらいならお安い御用だ」
〜地上〜
菜々「あー! いたー!」
未央「今までどこに……日菜子も一緒だったんだ」
日菜子「むふ」
凛「なんかプロデューサーげっそりしてない? ジェットコースターにでも乗って来たの?」
日菜子「観覧車の密室で二人っきり、肩を寄り添いながら……」
菜々「ちょっ」
卯月「観覧車ですか! 景色よかったですか?」
凛「……」
未央「……」
菜々「……」
日菜子「……よかったですよぉ。むふ」
卯月「よーし! じゃあみんなで乗りましょう!」
P「俺は地上にいるよ……」
卯月「じゃあ五人で! ほら、行きますよ!!」
P「……卯月はいい子だな。ちょっとアレだけど」
ちひろ「そうですね。あ、スタドリいりますか? 有料ですが」
P「いりません」
ちひろ「ブライダルショーが開催されました……」
P「さすがの長雨にちひろさんも弱ってるな」
菜々「こんな雨の季節に結婚式なんて大変ですよね」
凛「もともと外国の文化だしね」
卯月「ああ! 取っておいたアンパンにカビが!」
未央「早く夏にならないかなぁ」
菜々「まだ五月……。あれ、ジューンブライドの季節でもないですね」
P「一応終わりが六月の初めだからいいんだろう」
ちひろ「私からすれば儲かればなんでも……おっと電話ですね」ガチャ
未央「こんなイベントやってるせいで梅雨が長く感じられる」
卯月「うぅ。さよならアンパン」
凛「卯月、最近太ったよね」
卯月「え、そ、そんなことないですよ」
P「体重計持って来たぞ」
菜々「えーっと公表された数値だと45キロですね」
卯月「う、卯月! 行きます」ガチャァ
「…………」
凛「ダイエットだね」
卯月「いや、まだこの体重計が壊れている可能性も」
未央「いや、大丈夫みたいだよ。私合ってるし」ガチャァ
卯月「いや、でもおやつ。あ、服。う、卯月脱ぎます!」ヌギッ
菜々「わー! プロデューサーさんはあっち向いてて!」
凛「現実を受け入れて!」
卯月「おやつ食べたいよー!」
未央「あんたはかなこちゃんか!」
P「平和だなぁ」
ちひろ「プロデューサー。大変です」
P「こっちもだ」
ちひろ「卯月さんに仕事の依頼が。それもメインとしての」
P「……衣装の詳細は来てますか?」
ちひろ「体育祭で衣装は体育服とブルマだそうです」
菜々「ブルマって随分前に廃止されませんでしたっけ」
P「卯月。ダイエットだ。成功すればお前は一躍トップアイドルになれるかもしれんぞ」
卯月「……ガンバリマス!」
〜そしてスポーツ祭り当日〜
卯月「頑張りました!! 一キロも余計に痩せちゃいました!」
P「あとはリバウンドに注意しないとな」
未央「いーなー。私もあーいう役したいなー」
菜々「この歓声全てが卯月さんのためになんですね」
凛「行っといで。みんなの歓声に答えるために」
卯月「はい! 卯月、行きます!」
ちひろ「これが後に語られるナタマラ事件と卯月ガチャの始まりです」
P「ちひろさんどこにむかって喋ってるんですか」
ちひろ「アイサバin動物園ですよ!」
菜々「ああ、ウサギ可愛い……!」
P「可愛いなぁ……」
未央「キリン首長いなー」
卯月「あんなに長いと寝るとき大変そうですね」
凛「……あのまるまってるのって寝てるのかな」
卯月「すごい! あんな風に私は寝れませんよ」
未央「いつから卯月はキリンになったの」
凛「ところでプロデューサー」
P「なんだぁ……」
凛「三船さんをいつまで見てるの?」
美優「……」カァー
P「恥らう姿も可愛いじゃないか」
菜々「ぐぬぬ。ナナにはない大人の色気……!」
P「三船さん。がぉって言ってください」
美優「えぇっ……!?」
P「ほら! せっかくの衣装なんですから! ほら!」
美優「が……がおー……うぅ、恥ずかしい」
P「女神か」
菜々「ほら! プロデューサー! ウサミミナナですよ! 構ってくれないと寂しくて死んじゃいますよ!」
P「仕方ないなぁ。ほーら、よしよし」ナデナデ
菜々「えへへ……」
美優「あの……私はそろそろあっち行っても……」
P「だめ。ポーズ決めてがおーって言って」
美優「えぇっ……!?」
凛「大丈夫なのかな。このプロデューサー……」
未央「りーん! トラ見に行こー!」
ちひろ「七月はイベント盛りだくさんですよ! さぁかk」
P「水泳大会にサマーライブ。そして総選挙か……」
菜々「水泳大会ってポロリもあるんですかね」
P「ないだろう。時代的に」
菜々「そ、そうですよね! ありませんよね! 時代的に!」
未央「新しい水着買わないと」
卯月「え? 学校のがあるじゃないですか」
凛「いや、さすがに学校のはちょっとないかな」
卯月「そうなんですか?」
P「俺に聞かないでくれ。菜々も水着買うか?」
菜々「……見たいですか?」
P「……見たいかな」
菜々「そ、それじゃあちょっと買いに行かないとですね!」
P「ついでに選挙の投票もするか」
未央「誰に投票するの?」
P「四枚あればみんなに一票ずつが出来たんだが……二枚だ」
凛「……」ドドド
菜々「……」ゴゴゴ
未央「……」ドドドドドド
卯月「?」
ちひろ「回していただければ四枚と言わず四十枚でも四百枚でも」
P「いや、回さないしこの投票券は……茄子さんと三船さんに上げよう」
未央「オー、ウェイトウェイト。プロデューサー」
凛「三船さんはまだわかるけど……なんで鷹富士さんが?」
P「俺さ……今年初詣行ってないんだ」
菜々「投票券はお賽銭じゃないんですよ!?」
P「でもご利益ありそうじゃないか」
未央「まぁ確かにありそうだけど」
P「来年はちゃんと初詣行かないとなー。さてと水着買いにいくぞー」
凛「え、今から行くの?」
P「お前らもそこそこ予定詰まってて四人揃う日も少なくなってきたからな。
ちゃっちゃと行っちまおう。それで経費はプロダクションに」
ちひろ「自費でお願いします」
P「ですよね……。って、ちひろさんも着いていくんですか」
ちひろ「ええ。私もたまには、ね」
ちひろ「ついにこのプロダクションから! 二人目のCDデビューです!」
卯月「どやぁ!」ドヤァ
凛「おめでとう、卯月」
未央「ぐぬぬ」
菜々「ぐぬぬ」
卯月「ついに私もトップアイドルの仲間入りなんですね!」
P「いやいや、まだまだだぞ。アイドルの道は険しいんだ」
凛「私達はやっと入り口に立ったんだよ」
未央「ぐぬぬ」
菜々「ぐぬぬ」
卯月「どんな曲なんでしょうねぇ」
凛「卯月だし元気な曲なのかな」
P「王道っぽい曲じゃないか?」
未央「ぐぬぬ」
菜々「ぐぬぬ」
卯月「大丈夫です。未央ちゃん。菜々ちゃん。きっと、いや、絶対にCDデビュー出来ますよ!」
未央「卯月……」ウルウル
菜々「卯月ちゃん……」ウルウル
卯月「ただ私が少し早かっただけですよ!」ドヤァ
未央「卯月いいいぃぃ!!」
菜々「髪の毛ぐしゃぐしゃにしてやるー!!」
凛「なんだかんだで仲いいよね」
P「そりゃな」
卯月「やめてくださいー! 髪がー! あ、脇はだめぇ!」
未央「コノヤロー! おめでとうー!」
菜々「おめでとー!」
卯月「ありがとー! ぐしゃぐしゃとくすぐりやめてー!」
菜々「見てください!! この衣装!! 可愛いですよ!!」
P「……」
菜々「ほら! 晶葉ちゃんが作ったウサちゃんロボもすごいですよ!」
ちひろ「……」
菜々「ああ、こんなにお月見が楽しみだなんて初めてです!!
……どうしました? もしかして引いてますか?」
P「……」
菜々「? なんで上見てるんですか? ナナを見てくださいよー」
ちひろ「菜々ちゃん」
菜々「はい?」
ちひろ「今はそうさせてあげなさい」
P「……」
菜々「はぁ……。あれ、もしかしてプロデューサー……」
P「……な゛な゛」ナミダゴエ
菜々「ははっ……ひどい声ですね」
P「おめでどう」
菜々「やめてくださいよ……なんナナまで泣けて来ちゃいましたよ……」ウルウル
ちひろ「菜々ちゃん。おめでとう」
菜々「うっ……ぢひろざん……うわああああん」
ちひろ「よしよし」ナデナデ
P「……クッ」
〜ビル屋上〜
卯月「入って祝ったほうがいいですよ」
凛「ほんっとに卯月は卯月だね」
未央「今はあれでいいんだよ。今は」
卯月「?? よくわからない……」
未央「しっかし菜々さんにも先越されちゃったか……」
凛「未央……」
卯月「大丈夫ですよ。未央ちゃんも来ますよ!」
未央「……もちろんだよ。きっと攻コス比1000越えで片面単色攻撃極大アップが!」
凛「未央。その発言は良くないと思う」
卯月「トリック!」
凛「オア」
未央「トリート!」
菜々「さぁ選んでください」
ちひろ「ガチャを回すかドリンクを買うかを!」
P「ちひろさんはちょっと黙っててください。ほら、お菓子……。
いや、いたずらしていいぞ」
菜々「ちょちょっちょ。そのお菓子出せばいいんですよ?」
P「いやいや、お菓子惜しくなったからさ。いたずらどうぞ」
卯月「何をすればいいんだろう……」
未央「携帯の言語設定を英語にするとか?」
凛「……菜々。ちょっと」
菜々「なんですか…………へっ!? いや! 無理ですよ!」
凛「じゃあ私がやるね」
菜々「だめぇ!!」
卯月「え、何をやるんですか? お茶にぞうぎんの絞り汁を入れるとか?」
未央「卯月すごいこと言うね」
凛「そんなことじゃないけど……どうする?」
菜々「うぅ……ナナが……ナナがいきます!」
P「さぁ来い! 俺を倒してみるがいい!」
菜々「あ、ちょっとしゃがんでもらえます?」
P「はい」
菜々「……えいっ」ダキッ
P「えっ、なに。抱きつきというかちょっと顔近いんじゃ」
菜々「……ガブ」
P「」
菜々「耳、噛んじゃいました」
P「」
菜々「あ、あれ? プロデューサー?」
未央「なんか幸せそうな顔で固まってる」
卯月「どうしちゃったんでしょう」
凛(本当はキスだったんだけどね)
菜々「プロデューサー? 起きてください。プロデューサー?」
P(幸せだ)
ちひろ「祝一周年! 記念セット販売中ですよ!」
P「一年かぁ」
卯月「あっと言う間でしたね」
未央「なんかもっと経ってる感じがする」
凛「思い返して見れば色々あったね」
菜々「本当に色々ありましたね……」
P「個人的には菜々と出会ったことが一番大きいかな」
菜々「またまた〜」
P「いや、マジで」
菜々「真顔で顔見ながら言わないでください。照れるんで……」
凛「菜々が二回目の京都で迷子になったり」
卯月「菜々ちゃんが合宿で夜中にお菓子食べているのがバレて怒られてたり」
未央「菜々さんがアメリカで外人に囲まれてテンパったり」
三人「色々あったねぇ」
菜々「待ってください。なんで私の失敗談ばかりなんですか」
P「それだけ菜々が愛されてるってことさ」
菜々「それは嬉しいんですけど! こういういじられかたはちょっと!」
未央「菜々さん。これからも楽しみにしてるよ!」
菜々「その楽しみは何を期待しているんですかね……!」
未央「へへ、お待たせ。似合ってるかな?」
P「未央……。ああ、似合ってるぞ。立派になったな」
未央「ずいぶん待たせちゃったね。ちょっと準備に手間取っちゃってさ」
P「長い準備期間だったな」
未央「うん……でもそのおかげでこんな素晴しいステと特技のSRになれたよ!!」
凛「未央……」
卯月「その発言はちょっとダメですね」
未央「いやーテンション上がっちゃってさー!
でもこれで胸を張ってニュージェネレーションって言えるよ!」
P「うん。本当にいいアイドルになれたな。本当に……」ホロリ
菜々「プロデューサーって結構涙もろいですよね」
P「そりゃ最初にスカウトした三人娘の晴れ姿なんだぞ。感動もするさ」
未央「えっへっへ。ほらー、娘の晴れ姿だよー」クルクルー
P「あと胸がでかい」
未央「食らえ! 天性の魅力!!」
P「ぐぇふぇっ」
未央「平然とセクハラ発言するな!!」
凛「天性の魅力って飛び蹴りだったんだね」
卯月「腹部にめり込みましたね」
菜々「プロデューサー、大丈夫ですか?」
P「」チーン
菜々「ダメそうですね……」
凛「ま、プロデューサー置いて未央のお祝いしに行こうか」
卯月「そうですね! どこに行きましょうか!」
未央「というかこの時期に普通の店って空いてるのかな」
菜々「適当に買って事務所で祝うって手もありますよ」
ちひろ「それなら経費ぐらいは出しましょうか」
四人「わーい!」
ちひろ(プロデューサーの給料から天引きですけど)
P「」
P「明けたね」
菜々「明けましたね」
P「ああ、このまま寝転んでいたい」
菜々「事務所にこたつはよくないですよ。やっぱり」
P「もう一回寝ようかなぁ……」
バンッ
凛「プロデューサー。初詣行くよ」
卯月「行きますよ」
未央「行くよ!」
P「おお、元気だな。三人娘」
凛「ほら、立って。菜々も新春ライブがあるんでしょ?」
菜々「ありますねぇ。だからぼけっとしてられないんですよ。よっこらしょっと」
卯月「新年早々ライブなんていいですね!」
未央「とは言っても私達も仕事があるんだけどね」
菜々「毎日レッスンで大変ですよ。それじゃあ行きますか」
P「おー……。菜々、それじゃあさすがに寒いだろ。ほれ、これも着とけ」
菜々「え、これプロデューサーのコートじゃないですか。プロデューサーはどうするんですか」
P「俺は別のを着るよ。それとも菜々が別のにするか?」
菜々「いえいえ! ナナはむしろこれがいいです!」
P「そうかそうか。んじゃ俺はこれを着てと……」
凛「結構混んでたから時間かかりそうだよ」
卯月「その間に何をお願いするか決めておきましょう」
未央「私はCDデビューかなー」
P「それならもう決まってるぞ」
未央「えっ?」
P「決まってる。まだ言ってなかったっけ」
未央「聞いてない聞いてない。そうなんだ。嬉しいけど寒すぎてテンション上がらないよ」
卯月「戻ったらお祝いですね」
凛「未央のお願いもう叶ったね」
未央「ほんとだよー。神様に感謝しないと」
菜々「ナナもCDデビュー出来るように祈ろう……」
P「そうだな。凛、卯月、未央と来てるし次は菜々かもな」
菜々「でもその前に新春ライブが成功するように祈りましょう……!」
ちひろ「バレンタインですよ。バレンタイン。プロデューサーは担当アイドルから
さぞかしたくさんのチョコを貰うんでしょうねぇ」
P「0です」
ちひろ「えっ?」
P「0です」
ちひろ「……いります?」
P「さすがに自分用のチョコを買いたくはないです」
ちひろ「ちっ」
凛「プロデューサー。チョコ貰ってないの?」
P「おう。意外か?」
凛「うん。菜々が上げると思ってたから」
P「ああ、菜々なら『手作り用意しようとしたら失敗しました』って虚ろな目で言ってきたぞ」
凛「そっか。そうなんだ……」
P「別に失敗してもいいと思うんだけどな」
凛「……Pさん」
P「え?」
凛「あの、これ……心を込めて作りました。これからも私のチョコを貰ってください!」
P「」
凛「……あれ? プロデューサー?」
ちひろ「フリーズしてますね」
未央「簡単に固まるなぁ」
卯月「壊れかけのPCみたいですね」
凛「でもこれだけ恥ずかしい思いしてやった価値はあるの……かな」
未央「やっぱり凛がじゃんけんで負けて正解だったね」
凛「ほんっとに恥ずかしいんだからね」
卯月「ふふ、凛ちゃん顔真っ赤」
P「……はっ。なんだ罰ゲームだったのか」
ちひろ「復活した」
凛「ま、ね。でもこれ一応手作りだから」
未央「はい、私も」
卯月「私もですよ。プロデューサー」
P「ああ、ありがとう。三人とも。大切に食べるよ」
バタッ
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