ヘッド「仕事をしろ仕事を！」

ガール「客がいないじゃないですか」

ヘッド「なら自分で仕事を見つけて来い！　他の連中はそうしてるだろうが！」

マジシャン「御頭……俺思うんだよ」

ヘッド「はっ？」

マジシャン「俺たちに仕事がないってことは困ってる人がいないってことになる」

ヘッド「……」

マジシャン「それは素晴らしいことだってな」

ヘッド「……」E.ピケルの読心術

マジシャン『モンハンやりたい』

ヘッド「はっ倒すぞこの野郎」

ガール「こ、怖い……」

ヘッド「給料減らされてもいいのかお前ら」

ガール「嫌です！」

マジシャン「遺憾の意を表明する」

ヘッド「なら仕事しろ」

マジシャン「わかったわかった。客が来たら本気出す」

ガール「右に同じ～」

ヘッド「来なくても本気出せや！」

マジシャン「お、落ち着けって」

ヘッド「はあ……お前ら、クラークの爪の垢でも煎じて飲んでみたらどうだ？」

マジシャン「そんな特殊性癖はないぞ」

ガール「うんうん」

ヘッド「そういう話じゃねえから」

ｺﾝｺﾝｯ

「失礼します」

ヘッド「よかったな。お客様がいらしたようだぞ」

ガール「混沌帝龍はお預けみたいですね」

マジシャン「そうだな……いっちょ仕事してやるか」

↓1　依頼人（遊戯王のモンスター限定、複数人有り）↓3　依頼内容

マジシャン「どうぞー」

ガチャ

ナノブレイカー「本日は相談に乗ってほしいことがありまして伺った次第です」

マジシャン「ちょっと待てどうなってる！？」

ガール「剣がしゃべったあああ！！」

マジシャン「てかどうやってドア開けた！？」

ヘッド「と、取り乱すんじゃないお前たち……どうぞこちらへ」

ナノブレイカー「はい……」

ガール「お茶出すべきですかね？」ﾋｿﾋｿ

マジシャン「錆の原因になりそうだしやめとけ」

マジシャン「それでお客さん、ご相談とは？」

ナノブレイカー「はい、その……」

ガール「……」ｺﾞｸﾘｯ

ナノブレイカー「じ、実は……マスターと恋人になりたいんです！」

マジシャン「マスターと……」

ヘッド「恋人？」

ガール「マスターって？」

マジシャン「ああ！」

ヘッド「黙ってろ」

ナノブレイカー「この写真の女性です」ｽｯ

マジシャン「どっから出てきた……？　しかし、ナイスバディだ」ﾏｼﾞﾏｼﾞ

ガール「何見惚れてるんですか先輩！」ｷﾞｭｰ!

マジシャン「あいたたたっ！」

ヘッド「みっともないからやめろ馬鹿ども！」

マジシャン「う～ん、何と申しますか……お二人の関係をお聞きしても？」

ナノブレイカー「剣とその使い手です」

マジシャン「ですよね」

ガール「具体的にどうこうしたいとかはあります？」

ナノブレイカー「ど、どうってそんな……恥ずかしくて言えませんよ」ｸﾈｸﾈｯ

マジシャン（何クネクネしてんだこの剣）

ガール（人には言えないようなことしたいんだ……とんだエロ剣っすね）

ナノブレイカー「お、オホン！　とにかくマスターと今以上に親密になりたいんです！」

マジシャン「なるほど」

ガール「恋人になれるかどうかはわかりませんが……この恋愛のプロと呼ばれているガガガガールにお任せください！」

マジシャン「呼びません」

ガール「やはり相手を惹きつけるには自分の魅力を最大限引き出すことが大切です」

ナノブレイカー「た、確かに」

マジシャン「お客様の魅力を最大限引き出すには……」

ガール「私に良い案があります！」



ガール「これをこうして……できた！」

ナノブレイカー「こ、これで……」

ガール「ええっ、マスターはあなたにメロメロです！」

マジシャン「止めなくていいのか？」

ヘッド「もう知らん」

マジシャン「とりあえずマスターって人のところに行ってくる」

――――

マジシャン「あれか」

ガール「間違いありませんね」

ナノブレイカー「本当に大丈夫でしょうか？」

ガール「大丈夫です！　自信持って！」

ナノブレイカー「は、はい！　行ってきます！」



マスター「むっ、やっと戻って来たか……ん？」

ナノブレイカー「マスター……ど、どうでしょうか？」

マスター「何だそのやたらと派手な装飾は？」

ナノブレイカー「マスターに気に入ってもらえると思って」

マスター「元に戻してこい……こんなみっともない剣を振るえるか！」

ナノブレイカー「ええっ！？」

――――

事務所

ナノブレイカー「……」ﾄﾞﾖｰﾝ

ヘッド「失敗したようだな」ﾋｿﾋｿ

マジシャン「まあ元々うまくいくとは思ってなかった」ﾋｿﾋｿ

ガール「ひどい……」

マジシャン「可愛くデコる路線が好きそうな人には見えなかったしな」



ナノブレイカー「私はどうすればいいんでしょうか……マスターのお怒りを買ってしまった」

ガール「ご、ごめんなさい」

ナノブレイカー「お気になさらず。ええ、やはり高望みした私が全部悪いんです……」

ヘッド（まずい……！　お客様がネガティブに！）

マジシャン「……お客さん。次は俺に任せてくれ」

ナノブレイカー「えっ？」

ガール「先輩？」

マジシャン「剣の魅力を最大限に引き出す……ならやることは一つだ！」



ゴゴゴゴ―レム（以下ゴーレム）「よお」

マジシャン「おう、よく来てくれた」

ナノブレイカー「この方は？」

マジシャン「こいつはゴゴゴゴ―レム。俺の友人です」

ゴーレム「んで、何の用？」

マジシャン「ひとまずうつ伏せに寝てくれ」

ゴーレム「？」

ガール「何をする気なんです？」

ゴーレム「これでいいのか？」

マジシャン「おう、ばっちり」

ナノブレイカー「あ、あの、いったい何を？」

マジシャン「お客様の魅力を引き出します」

ナノブレイカー「ど、どうやって……」

マジシャン「研ぎます」

ナノブレイカー「えっ？」

ヘッド「お前まさか」

マジシャン「いいかゴーレム。お前は砥石だ。動くんじゃないぞ」

ゴーレム「はっ……いったい何言って」

ｼｬﾘｰﾝｼｬﾘｰﾝｼｬﾘｰﾝ!

ナノブレイカー「んほおおおおおっ！？」

ゴーレム「てめぇ！　人の体で何しやがる！？」ｶﾞﾊﾞｯ

マジシャン「うおっ、危ねぇ！　動くなって」

ゴーレム「ふざけんなよ！」

マジシャン「ええい！　後輩、デモンズチェーン持って来い！」

ガール「はい！」

ﾔﾒﾃｸﾚｰ!!



ゴーレム「ちくしょう……ちくしょう」

マジシャン「お客さん、鏡です」ｽｯ

ナノブレイカー「これが……私？」

ガール「ピッカピカです！」

ヘッド「確かに美しい……」

ナノブレイカー「なんだか自身が湧いてきました！」

ガール「ヒューヒュー！」

マジシャン「よしっ、さっそく再チャレンジだ！」

ヘッド「悪かったね君……」

ゴーレム「くそう……くそう」

マジシャン「後でモウヤンのカレー奢ってやるから」

ゴーレム「……御替わりは？」

マジシャン「二杯まで」

ゴーレム「……もう一声」

マジシャン「ちっ、三杯でいいよ」

ゴーレム「しょうがない。特別に許してやるよ」

ヘッド（カレー食べるんだ……）

――――

マジシャン「見つけたぞ」

ガール「さあ、再アタックです！」

ナノブレイカー「はい！」



ナノブレイカー「マスター！」

マスター「……ほう」

ナノブレイカー「今の私はどうでしょうか？」

マスター「見事だ。剣というものはこうでなくてはならん」

ナノブレイカー「よ、よかった！」


マジシャン「好印象のようだ」

ガール「さすが先輩！」

ナノブレイカー「あ、あの！」

マスター「何だ？」



マジシャン「おおっ、告白か！？」

ガール「エンダアアアァ！！」

マジシャン「うるさいし早い！」



マスター「あちらの方が騒がしいな……それでどうしたというんだ？」

ナノブレイカー「好きです！　私の恋人になってください！」

マスター「！！」

マジシャン「エンダアアアァ！！」

ガール「イヤアアアアァ！！」

ウィンダ「なぁにあれ？」

アバンス「シッ！　絡まれたらどうすんだ！？」

ウィンダ「う、うん」

マスター「……残念だが、お前の気持ちに応えることはできない」

ナノブレイカー「な、なぜですか！？」

マスター「私は人間、お前は剣……恋人になることはできん」

マジシャン（まあそうなるわな）

ガール（可哀想だけど……）

ナノブレイカー「そ、そんな……」

マスター「だがな」

ナノブレイカー「？」

マスター「お前は私にとって最高の相棒、かけがえのない存在だ」

ナノブレイカー「！」

マスター「恋人にしてやることはできんが……生涯お前を我が相棒として愛してやる」

マスター「それでは満足できぬか？」

ガール（やだイケメン）

マジシャン（惚れちまいそうだぜ）