陽乃「うん。比企谷くん知らなかったの?」
八幡「始めて知りましたよ。あいつの連絡先も何も知らないから知り様もないですしね。」
陽乃「由比ヶ浜ちゃんは知ってるはずなのに聞かなかったんだ?」
八幡「あいつとはたまに会いますけどそんな事一言も言ってなかったですよ?」
陽乃「多分、君に心配掛けたくないから言わなかったんだろうねぇ」
八幡「それで俺に頼みって何ですか?」
陽乃「雪乃ちゃんは私かお母さんが行っても部屋に入れてくれないんだよねぇ。雪乃ちゃんらしくない声で帰れ!って怒鳴るばっかでさ」
八幡「合鍵作るか管理人に頼んで開けちゃえばいいんじゃないですか?」
陽乃「でもそれじゃ根本的な解決にはならないでしょ?うちに無理やり連れ帰ったって同じ事だと思うんだ。」
八幡「まぁそれはそうでしょうね。で?引きこもりになった原因とか分かってるんですか?」
陽乃「それは本人から直接聞けばいんじゃないかなぁ?」
八幡「聞くって…俺雪ノ下と会うんですか?」
陽乃「君、丁度今日から冬休みでしょ?」
八幡「何で知ってるんですか?」
陽乃「由比ヶ浜ちゃんが言ってたから。」
八幡「まぁ…雪ノ下は知らない奴じゃないですし…ちょっと行くだけならいいですよ。」
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陽乃「雪乃ちゃ~ん。お姉さんですよ~」
雪乃「帰れ!とっとと帰れ!」
八幡「これ本当に雪ノ下ですか?」
陽乃「自分で確かめてみたら?」
八幡「俺の事覚えてますかね?」
陽乃「寧ろ忘れる理由がないんじゃないの?卒業式の日に校門の前でツーショット撮るぐらいだし。」
八幡「また恥ずかしい事を思い出してしまった…」
陽乃「雪乃ちゃ~ん。今日はスペシャルゲストを連れてきたよ?愛しの比企谷くんだよ~」
八幡「よう。久しぶりだな。雪ノ下…俺のこと覚えてるか?」
雪乃「今更何しに来たのかしら?どうせ姉さんに頼まれて来たんでしょう?そういうのは心底迷惑よ。今すぐ帰りなさい!」
八幡「って言ってますけど?」
陽乃「愛情の裏返しって言うでしょ?」
八幡「雪ノ下…無理に部屋に入れろとは言わん。ここからでも構わないから少しだけ話を聞かせてくれないか?」
雪乃「貴方だけ部屋に入る事を許可するわ…その代わり姉さんはすぐに帰って。」
陽乃「ねっ?言ったでしょ?じゃあ後はよろしく!またこっちから連絡するから!」
大学生の設定です。卒業から二年後ぐらいが目安です。
八幡「久しぶりだな…」
雪乃「今更、何しに来たのかしら?」
八幡「別に特にお前に用事があって来た訳じゃねぇよ。」
雪乃「じゃあ、何故来たのかしら?どうせ姉さんに頼まれたんでしょう?」
八幡「まぁそれは否定出来ないし理由のひとつではあるな。」
雪乃「じゃあ帰ったらどうかしら?」
八幡「少しぐらいいたっていいだろう。どうせ夕方からバイトだし長居するつもりはない。」
雪乃「貴方がバイト?何のバイトをしているのかしら?」
八幡「コンビニと某レンタルビデオ店の掛け持ちだよ…」
雪乃「貴方がコンビニでバイトって笑わせるわね、お客さんと会話出来るのかしら?」
八幡「お前に高校時代鍛えられたおかげでだいぶ話せてる。」
雪乃「それにしても貴方みたいなボッチがバイトをしたってお金の使い道が無いんじゃないかしら?」
八幡「やる事がないからバイトしてるんだよ…それに将来のために貯金とかもしてる。」
雪乃「貴方、考え方が大分大人になったのね。それと随分お洒落になったわね。」
八幡「まぁな…小町が大学生らしい格好をしろってうるさくてな。それなりには気を遣うようにはしてる。」
雪乃「久しぶりに紅茶、飲むかしら?」
八幡「そうだな冬で寒いし久しぶりにいただくとするよ。」
雪乃「今淹れるから待っていてちょうだい。」
八幡「悪いな、変に気を遣わせちまって。」
雪乃「貴方だって一応人間なのだからお客さんとしてきたならそれなりの振る舞いはするわよ。」
八幡「一言余計だぞ?」
雪乃「昔からよ?今気づいたのかしら?」
八幡「そうだったな…なぁひとつ聞いていいか?」
雪乃「何かしら?質問によっては今すぐに出て行って貰うけれど」
八幡「心配すんな。外に出ろだとか何でこうなったんだとか聞くつもりは一切ない。」
雪乃「そう…じゃあいいわよ。」
八幡「由比ヶ浜とはどうなんだ?」
雪乃「…毎週来てくれているのだけれどいつも追い返してしまうわ。それでもまだ来てくれているわ。」
八幡「そうか…」
雪乃「質問はそれだけ?」
八幡「今の所はな」
雪乃「紅茶淹れたわよ。」
このSSまとめへのコメント
期待してます!
続きが見たくて鼻水でますよ。