【モバマス】輝子「今度の週末は仕事を入れないで欲しい……」 (71)

キャラ崩壊注意



モバP(以降P)「ど、どうした輝子?! まさかアイドルが嫌になったのか?!」

輝子「ち、ちがう……」

輝子「その日は用事があるから、お仕事できないだけ……」

P「あぁ、なんだ、そういうことか。俺はてっきり、輝子がイジメられたのかと思ったぞ」

輝子「みんなイイ人……フヒ……」

P「それなら構わないよ。休みにしておく」

P「でも、輝子が用事って、珍しいな。親戚でも来るのか?」

輝子「ううん、私が出掛けるんだ……」





輝子「その日は学会発表の日だからな……」





P「」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448518613

P「俺が気を失っている間に、輝子は帰ってしまった」

P「どういうことだ? 学会? あいつまだ大学生じゃ無いよな?」





晶葉「お困りのようだな」ヒョイッ

P「君は、池袋Pのあきえもん!」

P「……輝子と仲良かったっけ?」

晶葉「昔、発明関係でキノコを調べたことがあるのだが、そこに見知った名前があってね」

晶葉「そのまま仲良くなったのさ」

P「あきえもんは何でも知ってるなぁ」

晶葉「君も気になって仕方ないだろう? 私が会場へ案内してあげよう」

晶葉「彼女の最新の研究は、私も注目しているからね」

P「天才あきえもんが注目している……だと……?!」





P「輝子……お前は一体、何者なんだ……?」

週末――
某キノコ系学会会場――



P「このSSは実在の団体とは一切関係ありません」

P「さぁ! というわけで、会場までやって来たわけですが……」

晶葉「君も芸能界の人間だな」

P「このホールに、本当に輝子がいるのか?」

P「さっきから行く人来る人、おっさんばっかりなんだが」

晶葉「君はすぐ敵を作るタイプと見た」

P「だって輝子は、今年だけで3回も大きなライブをした、トップアイドルなんだぞ?」

P「俺が疑うのは当然だろ」

晶葉「まぁ、気持ちは分からなくもない、とは言っておこう」

晶葉「ホラ、この部屋だ。もう発表は始まっているぞ?」ガチャリ





【毒菌クサウラベニタケと食菌ウラベニホテイシメジの明確な判別法について】

輝子「――以上のように、ベテランでも見分けが難しいクサウラベニタケ――通称メイジンナカセですが」

輝子「これを自然界に存在する火と水と風を用いて判別する方法を研究しました」

輝子「氷も用いた手法は、昨年の秋に私が論文で発表した通りでありますが、これは冬場でなければならないという欠点が存在しました」

輝子「本論文では、その氷を用いた手順を、火と乾燥を用いて代用し、どのような環境でもキノコを判別できる手法を提案します」

輝子「結論から申し上げますと、本手法では、約8時間の作業により、両キノコの判別を可能にしました」

輝子「まずはその手法を紹介し、その後、その結果になった理由を、成分の変化から解説いたします」

輝子「では、従来の手法をおさらい致しますと――」





P「」

P「輝子がめっちゃペラペラ喋ってる」

P「こんな輝子、俺見たこと無いんだけど……」

P「なぁあきえもん、あれは本当に輝子なのか?」

P「俺をからかうために、わざわざ輝子型ロボットでも作「しっ!」あっすみません……」

P「……」





輝子「――この毒素が、本手法によって、キノコ内部に微細な気泡を作り――」



※本論文は実在しません。キノコの判別は、専門家に任せましょう

輝子「――以上で、発表を終了します」





「「おぉぉ~……!!」」パチパチパチパチ

「さすが博士!」パチパチ

「これは素晴らしい!」パチパチ

「また新たな伝説(毒茸伝説的な意味で)が誕生したか……」パチパチ





P「え、何このスタンディングオベーション?!」

P「なぁあきえもん、何なんだこの空気は……?」

晶葉「Brava! Brava!!」パチパチパチパチ

P「え~……」

全プログラム終了後――



P「おーい、輝子!」

輝子「……えっ、親友!?」

P「はっはっは、驚いただろう?」

輝子「え……どうしてここに……?」

輝子「関係者じゃないと、会場には入れない……フヒ……」

P「今日はあきえもんと一緒だったからな」

晶葉「やぁ、星博士」アクシュ

輝子「フッフヒ……晶葉……久し振りだな」アクシュ

晶葉「あの手法は素晴らしかったよ。どこであの着想を?」

輝子「焼き椎茸を作っているときに……汗かいているのを見て……」

晶葉「成る程、その思考回路は賞賛に値する!」

輝子「フフフ……それほどでもない」

晶葉「君ほどの才能を持っている天才が、いつまでも在野にいるのは勿体無いな。どこか良い研究室を紹介しようか?」

輝子「ううん、今のが性に合っている……」





P「俺の話題が、一気に吹き飛んだ……」

P「それにしても輝子、いつからこの活動をしていたんだ?」

晶葉「おいおい、君は輝子のプロデューサーだろう?」

輝子「まぁ、隠してたから……」

輝子「スカウトされる2年前から……だったかな」

P「えっ、そんな昔から?!」

晶葉「その頃からすでに、彼女の才能は発揮されていたんだよ」

晶葉「全論文を読ませてもらったが、実に独創的な着眼点を持っている。そして非常に有意義だ」

P「マジかよ、俺の輝子が天才だったなんて……」

輝子「お、俺の……///」

晶葉「ふむ……」ニヤニヤ

某日――
事務所――



P「……ということがあったんだ」

小梅「輝子ちゃん、凄い……」

P「キノコ業界のアイドルっていう話は知っていたが、マジでアイドルだった」

P「帰り際に挨拶をする学会員だけで、1時間の列が出来たからな」

P「職業病で、俺が列整理をしてしまったよ」

小梅「あ、あのPさん……今週末、空けてもらえますか……?」

P「ん? 小梅も用事か?」

小梅「うん」

P「その日は丁度休みだな、新しい仕事は入れないでおくよ」

P「しかし、小梅も用事って、珍しいな。よく行くのか?」

小梅「うん、よく頼まれるから」

P「お手伝いか。小梅の人望のおかげだな。ま、楽しんだら良いのさ」

小梅「うん」





小梅「慰霊会……楽しみ……」クスクス





P「」

P「またもや気絶している間に、小梅は帰ってしまった」

P「慰霊? 慰問じゃなくて? 楽しみってどういうこと?」





芳乃「私の出番と伺いましてー」ヒョイッ

P「君は、依田Pのよしのんじゃないか!」

P「……小梅と仲良かったっけ?」

芳乃「昔、お仕事で地方を回っていた時に偶然知り合いましてー」

芳乃「小梅さんとは、そのころからお付き合いがありましてー」

P「マジか、偶然ってすごいな」

芳乃「小梅さんは私の依頼を受けて、今週末出掛けるのでしてー」

P「よしのんの頼みだったのか……俺だって絶対断れない」

芳乃「その日は私もご一緒するので、ご同行しますか?」

P「あぁ! どっちにしろ、よしのんの頼みじゃ断れないからな!」





P「小梅……一体、何があったんだ……!」

某日――
某田舎の山中――



P「このSSは実在の地域とは一切関係ありません」

P「さぁ! というわけで、現場までやって来たわけですが……」

芳乃「ですがー」

P「なぁ、よしのん……小梅のその、正月の神社で踊っている人が着てるようなうっすーい巫女服みたいなのは何だ?」

芳乃「そなたのその認識は的を射ているのでしてー」

P「だよな! うっすーい巫女服だよな!? ウッヒョー!」

小梅「嬉しいの……?」

P「小梅はまだ小さいからな、衣装は厚い生地だったり長袖だったりして気を遣っていたのさ」

P「ちなみに、ここまでしているのは、今のところ小梅だけだ。……他のやつらには内緒な?」シー

小梅「私のために……///」

芳乃「あらあらー」マアマアー

P「しかし、こうして見ると、こういう透け透けな衣装もバッチリ着こなせるのが分かって、俺は嬉しいよ」

小梅「あの、Pさん……」

小梅「今度、こんな衣装でも……良いよ?」

P「え、マジで? やったー!」

小梅「えっと……カイロ、つけて良いなら、大丈夫」

P「急に生々しい話になりましたな」ホッホッホ...

P「それで、結局これはなんなんだ?」

P「俺もよしのんも、仰々しい格好になって……」

P「あと、目の前のいかにもな古いトンネルは、どういう意味でしょうか?」

芳乃「ここは、近付く者を幾度となく憑り殺してきた、モノホンの心霊スポットなのでしてー」

P「ファッ?!」

芳乃「今回、住民の依頼を受け、悪霊を無効化することになりましてー」

P「え、ちょ、ま――」

芳乃「そなたは桶のお神酒を撒き続ければ、心を蝕まれることはありませんので、ご安心をー」

芳乃「ただー、今日は1時間を予定していますので、それまでお神酒を絶やさぬようにー」

P「え!? これ、1リットルくらいしか入ってないんですけど?!」

芳乃「小梅さんはいつも通り、癒しの心を持って歌い舞っていただきたくてー」

小梅「うん……久しぶりのライブだから、楽しみ……」

芳乃「それでは、参りましょうー」

P「……えっ、1秒に0.27ミリリットル?! 無理無理無理、こんなの死ぬって! ちょ、ま――!!」

某日――
事務所――



P「ということがあったんだ」

幸子「よく無事に帰ってこられましたね」

P「お神酒を撒かなくても、器ごと振り回すだけで効果があると分かったからな。後半はずっとその場でくるくる回ってた」

幸子「なんですか、その格ゲー初心者特有のレバガチャ理論は」

P「まぁでも、めったに見られない光景だったから、今となっては貴重な経験だったな」

幸子「というか、どうして小梅さんだったんですか?」

P「よしのんも鎮魂の儀はできるらしいが、土地神だったり奉納された神だったりで、要するに1柱専門なんだそうだ」

P「感情を歌に乗せ、広範囲の複数の霊を鎮魂させることができるのが、よしのんのネットワークをもってしても、小梅ただ1人らしい」

幸子「小梅さんの力ってすげー!」

P「小梅のパフォーマンスにあわせて、無数の悪霊たちが邪気を昇華させる光景は、神秘的だったな」





幸子「というか、Pさんって見える人なんですね」

P「だってお前、小梅のプロデューサーだぞ?」

幸子「なんか納得しました」

幸子「でも、毎回参加するのも、大変じゃないですか? 小梅さんは立派なトップアイドルですよ?」

P「そうなんだよ。本人は乗り気なんだが、そこだけが心配だ」

幸子「寺生まれのTさんみたいなお知り合いとかいないんですか?」

P「地球(テラ)生まれの7さんしか知らないな」

幸子「……どう違うんですか?」

P「言った後で俺も思った、今度よしのんに紹介しよう」

幸子「『伽破ァ!』とか言って光弾出しそうですね」

P「出来るだろ。ウサミンパワーは万能だからな」

幸子「あ、そうそう、今週末はちゃんと休みを入れてくれていますか?」

幸子「故郷まで戻るんで、急に仕事を入れられても無理ですからね?」

P「安心しろ、ちゃんと届出をもらってるから」

幸子「それを聞いて安心しました」

P「久しぶりの帰郷か? ずっと寮住まいだったからな」

幸子「まぁ、それもありますが……」





幸子「やっぱりボクが来ないと、他の信者さんたちが不満がるんですよねぇ……」ヤレヤレ





P「」

P「例のごとく気絶している間に、幸子は帰ったようだ」

P「あいつら、人が1人気絶しているのに、情け容赦ないな」

P「しかし、どういうことだ? 信者? あいつ宗教に入っていたのか? まさか、怪しげな新興宗教?!」





茄子「ナスじゃなくてカコですよ~」ヒョイッ

P「君は、鷹富士Pのカコさんじゃないか!」

P「……幸子と仲良かったっけ?」

茄子「私は昔から運が良かったので、あちこちでセミナーを依頼されていたんですが……」

茄子「その時に、幸子ちゃんと知り合ったんです」

P「なんと、2人にそんな奇妙なご縁があったとは!」

茄子「偶然、私もその日はお休みなので、一緒に見に行きませんか?」

P「偶然の力ってすげー!」





P「幸子……お前を信じていいんだよな……?」

某日――
富士山を一望できる高級ホテル――



P「このSSは実在の団体とは一切関係ありません」

P「さぁ! というわけで、会場までやって来たわけですが……」

茄子「わぁ~」パチパチ

P「あのカコさん、これはちょっとまずいんじゃないですかね?」

P「名目がやばいですよこれ、ガチのやつじゃないですか」





【カワイイ真理教 定期会合 ○○年冬の部】





茄子「新興宗教だからって、何もかもが危険というわけではないんですよ?」

茄子「民衆の幸せのために尽力している方がいらっしゃる事を、私は知っていますから」

P「カコさん……!」

茄子「大抵お金が目的でしたけど」

P「カコさん……?!」

P「というか、あれか? いつもいつも『カワイイ』を連呼していたのは、あれがこの宗教の決まりだからか?」

茄子「まぁ、それはそうなんですけど……」

P「そうなのかよー、やだー!」

茄子「でも、折角ここまで来たんですから、覗いていきませんか?」

P「やだよー、俺この中に入りたくないよー」

P「熱心にお祈りする信者幸子の姿なんて、俺見たくないよー」

茄子「信者……とは違うというか……」

P「それじゃ、幹部?! だからあいつ、カワイイに熱心だったのかよー!」

茄子「あ、いえ、それ以上でして……」ガチャリ





【カワイイ真理教 教祖・輿水幸子の挨拶】

幸子「まったく……皆さんも、少しはボクの苦労を分かってくださいよ」

幸子「芸能界は、生き馬の目を抜く世界なんですよ? ボクだってたくさんお仕事したいんですから……」

幸子「でも、皆さんに『カワイイボクの姿を見たい』なんて言われたら……」

幸子「来ない訳にはいきませんよね、ボクはカワイイですから!」ドヤァ・





「さっちゃんカワイー!」

「いよ! カワイイ!」

「こっち見てー!」

「キャー! 目があっちゃった!」

「幸子さまちっちゃくてカワイイ!」





幸子「誰ですか、ちっちゃいとか言った人は?!」

幸子「これでもボクは、気にしているんですからね?!」

幸子「でも……」

幸子「そんなボクって、カワイイですよねぇ!」ドヤァ・





「カワイイー!」

「カワイイー!」

「ちっちゃカワイイー!」





P「」

P「あの、コレは何ですか?」

茄子「幸子ちゃんを愛でているんです」

P「いや、この微笑ましい光景を見れば、それは分かりますが……」

茄子「Pさんは、幸子ちゃんをカワイイと思いますか?」

P「え? まぁ、一応は。他にも色々言いたいことはあるけれど……」

茄子「そうです、そこなんです」

茄子「以前、好奇心で、幸子ちゃんがカワイイかどうかのアンケートをとったことがありまして……」

P「カコさん何してはるんすか」

「たくさんの人に――それこそ1000人くらいに協力してもらったんですけど……」

P「カコさん何してはるんすかホンマ」

茄子「幸子ちゃんをカワイくないと答えた人は、1人もいませんでした」

P「なんやて?!」

茄子「これはつまり、幸子ちゃんがカワイイのではなくて、カワイイが幸子ちゃんなんです」

茄子「ここは、そんなカワイイの化身・幸子ちゃんを崇めるための場なんですよ」

P「カワイイは正義だな」

茄子「つまり、幸子ちゃんは正義、ということですね」

P「世も末だぜ!」

高級ホテル内レストラン――
カワイイ真理教昼食会――



幸子「あ、茄子さん! それに……Pさん?!」

P「ハッハッハ、驚いただろう?」

幸子「そりゃ驚きますよ!」

信者「驚く幸子ちゃんカワイイ!」

幸子「まったく、Pさんはもう……茄子さんの前なので、不審人物として放り出すのは勘弁してあげます」

信者「優しい幸子ちゃんカワイイ!」

P「いやぁ~……それにしても、なんだか凄いな」

P「こんな立派なホテルでバイキングを開くなんて……お前まだ14だろ」

幸子「スケジュールや場所は、幹部の皆さんがするんですよ」

幸子「『教祖様の手を煩わせる訳にはいきません』とか言って……」モグモグ

信者「食べてる幸子ちゃんカワイイ!」

幸子「ホラ、そこで突っ立ってる幹部の皆さんも、少しは食べてくださいよ?」

信者「気遣いのできる幸子ちゃんカワイイ!」

P「幸子って、人望あるイメージ無いなぁ……」モグモグ

信者「ディスられる幸子ちゃんカワイイ!」

幸子「ちょっとPさん、立ちながら食べないでください! 行儀悪いですよ!」

信者「怒る幸子ちゃんカワイイ!」

信者「たしなめる幸子ちゃんカワイイ!」

P「お前らうるせぇ!!」

信者「ごめんなさい幸子ちゃんカワイイ!」

P「語尾か!!」

P「お前はいつから教祖なんだ?」

幸子「えっと、中学進学のお祝いに教祖になったから……2年前からですね」

P「まるで意味が分からんぞ」

幸子「それまでは父が教祖だったんです」

幸子「その頃のカワイイ真理教は、カワイイボクをご神体として崇める宗教でした」

P「お前それ今と変わらねぇじゃねーか」

幸子「そういう意味でしたら、生まれてすぐからですね」

P「……お前、生まれてから14年以上も、人々から崇められる存在やってるのか……」

幸子「ボクにとっては、それは普通のことなんですけどね」

P「あー、だからお前、出会ったころから『カワイイ』連呼してたのか。なんか納得した」

P「生々しい話で悪いが、ここの財政はどうなっているんだ?」

P「見たところ、金儲けって感じじゃないし」

幸子「さすがPさん、鋭いですね!」

幸子「カワイイ真理教では、入会金も会員費も、一切ありません」

幸子「信者の皆さんから頂いたお布施は全て一つに集めて、こうした集会やパーティのために使われます」

P「新興宗教のわりには、珍しいスタイルなんじゃないのか?」

茄子「私が調べた中では、そうですね」

幸子「もしボクが積極的にお金を取ってしまったら、世界中のカワイイにロイヤリティが発生してしまいますからね!」ドヤァ

P「そっちかよ」

幸子「Pさんも、タダでカワイイボクを見られることを光栄に思ってください!」ドヤァ!

P「でも、こんだけ昔から大盛況なら、なんでアイドルになろうと思ったんだ?」

P「お金が目的じゃ無いなら、もう十分だろ」

幸子「確かに、父はそう考えていました」

幸子「でもボクは、このカワイイをもっと広めたかったんです」

幸子「だからボクが教祖になってからは、ボク自身が広報として、アイドルとなることにしたんですよ」

幸子「なにしろボクは、何をしてもカワイイですからね!」ドヤァ!!

信者「幸子ちゃんドヤ顔カワイイ!」

茄子「ちなみに、私が大学のフィールドワークとして、各地の宗教を調べていたのが、そのころですね」

茄子「犯罪数を減少させた現人神の近況を書いたことで、高評価を貰えました」ブイ

P「芸能界に進出する教祖兼ご神体とか、トチ狂ってるな」

茄子「Pさん、言い過ぎですよ」

P「おっと失礼、今のは幸子だけに言いました」

幸子「ボクにも配慮してくれませんか?!」

P「いやでも、おかしいだろ」

P「俺、トンデモ企画ばっかりお前にさせてるのに」

幸子「自覚があってアレですか?!」

P「なのに、よく信者が離れないな」

P「自分の信じる神様が、パラシュートの着地に失敗して宙ぶらりんになったら、俺なら金返せって激怒するね」

幸子「普通はそうでしょう。でもボクは――」

幸子「何をしても『カワイイ』ですからね!!」ドヤァ!!

信者「幸子ちゃんカワイイ!」

P「まぁ、お前がカワイイのは、認めるけどさぁ……」

幸子「ぁ……はい……///」

茄子「ふふ……ご馳走様」ニッコリ



P「なーんか、納得いかないなぁ……」モグモグ

某日――
事務所――



P「……ということがあったんだよ」

乃々「あの、なんで私に……」

P「お前が俺の机の下にいるから、仕事できないんだよ。話の1つや2つ聞くくらいしても、罰は当たらんぞ」

乃々「あ、はい、じゃあ我慢します」

P「いや、お前が出れば済む話なんだよ、分かるか森久保ぉ!」

乃々「今外に出るとか……むーりぃー……」

乃々「ところで……週末の休みなんですけど……」

P「ん? あぁ、ちゃんと休みにしてるけど、何か?」

乃々「あ、いえ、何でもないです……」

P「週末の休暇申請もこれで4回目だ、しかもこの一月の間に……」

P「さぁ、お前はどういう理由だ?! 机の下学会か?! 引きこもり推進委員会か?!」

乃々「机の下学会なんて……ないし……」

杏「引きこもり推進委員会は杏の組織だよ」ヌッ

乃々「杏さんじゃないですか……」

杏「ソファで寝ていたのだ」

乃々「まったく気付かなかったです」

杏「暇を持て余した」

乃々「アイドルの」

2人「遊び」

P「お前はもうすぐ仕事だろ森久保ぉ!」

乃々「週末はただ、町に出なきゃいけない用事があって……」

P「都会に繰り出す乃々……か」

P「いや、別にダメとは言っていないぞ? イメージがなかっただけで、健全じゃないか」

乃々「そ、そうですよね……」

P「あぁ。やっぱりたまには外に出るべきだ」

乃々「わかりました……週末はしっかり、外に出ます……」





乃々「それに……これ以上、編集長に怒られるのは……うぅ……」





P「」

P「三度の飯よりも気絶が好きな俺にかまわず、乃々は帰ったらしい」

P「……あいつは帰るな、うん」

P「というか、編集長って誰だよ! うちにそんな肩書きを持つ人はいないし……」





比奈「お困りのようっスね?」ヒョイッ

P「君は、荒木Pの先生! サインください! ドリッピング画法で!」

比奈「またその依頼っスか……最近そればっかりなんスよね」ドギャァッ!!

P「ぜひお願いします!」

比奈「――と嘆いている間に、ホラ、描いたっスよ。若干仕事が遅かったっスけど」

P「荒木の血筋ってすげー!」ウッヒョー!

P「ところで先生! 先生は乃々のことを知っているみたいだったが……」

P「……乃々と仲良かったっけ?」

比奈「漫画関係のお仕事が多いんで、いろんな出版会社にお邪魔したんスけど」

比奈「そこで見知った顔に偶然出会ったって訳っスよ」

P「アイドル使いはアイドル使いに惹かれ合う――か」

比奈「同じ日に、私も連載中の漫画の原稿を提出しに行くんで、ついてくるっスか?」

P「ぜひご同行いたします!」





P「乃々……お前の正体は、まさか……!」

某日――
某出版社――



P「このSSは実在の企業とは一切関係ありません」

P「さぁ! というわけで、オフィスまでやって来たわけですが……」

比奈「Pさん、お待たせしましたっス」トコトコ

比奈「私の仕事は終わったんで、もう大丈夫スよ」

P「話によると、この会議室の中に乃々がいるらしい……」

比奈「ここ、結構立派な会議室っスよ」

P「マジかよ……あいつ、どんだけ凄いんだよ」

比奈「あるいは、凄いことをやらかした、とか?」

P「まぁ、どっちにしても、俺には楽しみでしかないがな!」

比奈「鬼畜っスか」

比奈「それじゃ、入るっスよ?」ガチャリ





乃々「このまま大団円にもっていきましょう。ただ作者は制御してください、あの人すぐ鬱作品にしたがるので」ペラペラ

乃々「これは設定が平凡すぎます、男性キャラを見直してください」バサバサ

乃々「パンくらいでヒロインが落ちるとかバカですか、精々芋けんぴが関の山ですね、はい描き直し」パラパラ

乃々「奇抜すぎませんかこの設定、私は好きですが。あと3人に聞いて1人でも良いと言ったら、ゴーサイン出しましょう」シュッシュッ

乃々「引き伸ばしがくどいです、とにかくヒロインの留学問題を出してください、一刻も早く」シュバババ

乃々「ストーリーは上手ですが、絵が下手です。特に目が離れすぎです。シナリオ専門が妥当ですね」カキカキ





P「」

P「今まで見たことがないくらい、乃々が動いている……!」

比奈「早すぎて、3人分くらい残像が見えてるっスね……」

P「あのフィジカルを、アイドル業にも活かしてくれたら……!」

比奈「いや、使ってるじゃないスか。Pさんから逃げる時とか」

P「そっちはいらねぇ!」

P「よぉ……大忙しじゃないか、森久保ぉ!」ヌッ...

乃々「ひえっ?! ……え、Pさん……?!」

P「トップアイドルのくせに、随分余裕があるじゃぁないか……」

P「そういえばお前に特番の『アイドル大運動会~ドキッ! ゴールデンなのにポロリを狙うよ!~』の依頼が来ていたんだが……この分なら大丈夫そうだなぁ?!」

乃々「ひぇっ! 無理、無理無理無理!!」ブンブン

比奈「乃々ちゃんの首が高速移動っス」

P「それにしても、どうして乃々がここにいるんだ? 別にここの社員でもないんだろ?」

乃々「あ、その……ここに、親戚が勤めていて……あの……」

比奈「あー……私が説明するっス」

比奈「乃々ちゃんは昔、その親戚の担当していた漫画の欠点を的確に指摘して、人気作にしたんスよ」

P「マジかよ。お前、編集者の才能があったのか」

比奈「それが編集部に知れ渡って以降、月1くらいでこうして、様々な作品を監修することになったんスよね?」

乃々「は、はい……」

P「1人であの量を捌いてんのかよ……乃々が凄いのか、それだけため込む編集部が凄くないのか……」

P「それにしても、あれだけの量だってのに、顔色一つ変えずに全てこなす乃々は、格好良かったぞ!」

P「お前はやっぱり、俺が見込んだアイドルだ!」

乃々「あ、はい……ありがとう、ございます……///」

比奈「さすがPさん! 私たちにできないことを平然とやってのけるっス!」ヒューヒュー

P「だから明日から、今までの2倍の仕事を入れておいたZE☆」

乃々「む……むーりぃー……!!」

比奈「そこにシビれる仕事量! あこがれないっス!」

某日――
事務所――



P「……ということがあったんだよ」

美玲「ふーん、乃々がねぇ……」ゴロゴロ

P「というか、お前もソファ暮らし長いよな。ホラ、座って雑誌を読め」

美玲「こっちのほうがくつろげるんだよ」ゴロゴロ

P「杏みたいになるぞ」

美玲「そっかぁ……」ムクリ



美玲「いや……あれだけ売れるなら、なってもいっかな」ゴロン

P「ちくしょう」

P「……お前はないよな?」

美玲「何が?」

P「いや、今の話の流れで分かるだろ?!」

美玲「……あぁ、そういうこと?」

美玲「みんなみたいな、天才的な才能とか、神業的な技術とか?」

P「そうそう」

美玲「……お前はウチに、そんなのがあると思ってるのか?」

P「……まぁ、ないよな」

美玲「そうそう、ないない」





美玲「ウチはただの、Pのお嫁さんだぞ」

P「まだ許嫁だけどな」

美玲「でも、一緒に暮らしてるじゃんか」

P「暮らしてるだけだろ」

美玲「お風呂もベッドも一緒なのに?」

P「それは、あー……」

美玲「この間なんて、えっちぃこともしたくせにー」ニヤニヤ

P「あれは迂闊だった」

P「でもあれは、誘惑するお前が悪いって。2時間も粘るなよ、理性崩壊するに決まってるだろ」

P「あんなんされたら、女性でも堕ちるっての」

美玲「ふふん……そのためにたっぷり勉強したからな」

P「お前は、アレか、こんなおっさんが良いのか?」

美玲「まだアラサーだろ? それくらい女子だったら、許容範囲内だって」

P「でもお前が二十歳過ぎたころには、俺40代突入だぞ?」

美玲「それくらいよくある話じゃんか」

P「確かにな」

P「年上が好きなら、お義父さんに甘えてやれよ。この間あいさつにいったら、寂しがっていたぞ?」

美玲「えー……だって父さんは最近、臭いんだよなぁ」

P「そりゃ、お前が成長したってことだな、うん……」

P「あとそれ、絶対本人に言うなよ? 悲しむ通り越して泣いちゃうから」

美玲「無茶いうなよ、生理的にキツイんだぞ、アレ?!」

美玲「……それに比べて、Pは良いにおいだな」クンクン

P「ちひろさんからは『おじさん臭がしてきましたね。そんな時はスタドリが一番ですよ!』って言われたけど」

美玲「む……ちひろは分かってない……」クンクン

美玲「……てかウチは、年上が好きなワケじゃないって、何度も言ってるだろ!」ガオー

P「お、そうか?」

美玲「そう! ウチはPが好きなだけだからな♪」クンカクンカ

美玲「……なぁ、P。お前、みんなに何か言ったか?」

P「何かって、何だよ?」

美玲「こっちが知りたいよ。週末にお前と会って以来、みんなの調子がおかしいんだよな……」

美玲「なんか、心ここに非ずって言うか……とにかく気持ちがフワフワしてるんだよ」

P「悪いが、俺にはまったく見当がつかない」

美玲「どうだか……どーせ気付かないうちに、告白まがいのことでも言ったんだろ?」

P「えぇ~……もしそうだとしたら、それはチョロいにもほどがあるぞ」

P「実際、美玲もそれになびいたクチだから、心配なのは分かるが」

美玲「……バカ///」

P「とにかく、俺たちの関係は他言禁止だからな。同じユニットの輝子たちや、幸子たちにもだ」

P「お前はトップアイドルなんだから」

美玲「それくらい分かってるよ! 引っ掻かれたいのか!」シュッシュッ

P「わかっているなら、俺の方からは特に問題無し……っと!」ッターン!

P「ふぅ……今日はこれで終了~」

美玲「よし、早く帰るぞ。今日はレッスンしたから、早く体洗いたいんだ」

P「お前、いい加減背中洗えるようになれよ。体柔らかいクセに」

美玲「うるさいな! お前に洗ってもらうのが好きなんだから、しょうがないだろ!」

P「背中だけならいいけど、お前全身洗わせるだろーが!」

美玲「だから、ウチもPの全身洗ってあげてるだろ!」

P「それもそうだな。それじゃ、今のは引き分けってことで」

美玲「ふん! 今日はこれで許してやる!」プイッ

P「それじゃちひろさん、お先に失礼します~」

美玲「おい、ちゃんと手をつなげよ!」

P「お前、自分がアイドルだって忘れていないか?」

美玲「アイドルの前に子供だからな」

美玲「大きく手を振って、笑顔で『わーい』って言ってれば、ごまかせるって」

P「なるほど」





美玲「わーい!」ブンブン

P「わーい!」ブンブン





P「お、これは良いな!」

美玲「良いだろ!」

P「なんかバカっぽくて、スキャンダルにはならなさそう!」ガチャリ

美玲「このまま家まで帰るぞ!」





P「わーい!」ブンブン

美玲「わーい!」ブンブン

バタン>

ちひろ「……」カタカタ

ちひろ「……」カタカタ

ちひろ「……」





ちひろ「辞めてぇ……」ガクッ...

初めてのss投下でした

面白くなるように念じながら書いたのですが、
その気持ちが一割でもサイキック届いたなら嬉しいです

この5人大好きなんだけど、この5人を一言で言い表せられないのが困る

今ちょっと立て込んでるので、終わったらHTML化依頼してきます

美玲「今度の週末は休みにしろよなっ!」

美玲「産婦人科の予約が入ってるから!」

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