緋弾のオブジェクト (11)
結局、戦争はなくならなかった。
でも、変化はあった。
―――超大型兵器オブジェクト。
それが、戦争の全てを変えた。
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結局、戦争なんてものはオブジェクトとオブジェクトの戦いだ。
生身の身体でちっぽけなライフルを後生大事に抱えたところで、どうにかなるものではない。
一万、一〇万の兵が集まったところで、戦車や戦闘機を山ほど用意したところで、あの五〇メートル級の化け物は悠々と雑兵達を蹴散らしていく。ものによっては核兵器が一発二発直撃しても動き回るというのだから、もう真面目に戦おうとするのも馬鹿馬鹿しく思えてくるだろう。
だから、主役なんてオブジェクトに任せてしまえば良い。
主役なんて面倒臭い役割は化け物に押し付けおいて、脇役はそれをのんびり眺めていれば良いのだ----------------
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ゴッ!!!と一台の軽車両がハイウェイを120kmオーバーで疾走していく
「走れ止まるな武藤!死にたいのか!!!」
「わかってる!だがこっちはハンドル握ってるんだぞ、これが精一杯だ!!!」
「ちくしょう聞いてないぞあんなのが出るなんて!!!」
「俺だって予想してなかったぞあんなのは!!!」
突き抜けるような青空を巨大な影が滑空する。
『それ』は巨大なカマキリのような形をしていた
三本の銃身を電力により回転させ金属砲弾を撃ち放つもの。
前足保護カバーにはこう刻まれていた。
gatling₋Railgun,と。
三本に束ねられた銃身がキンジへ向けられた。
意識を向けられた。ロックオンされた。
「---―ッ!!」
恐怖がせり上がった。キンジは細かい標準を合わせずにとにかく引き金を引く。そして、
ゴッッッッッッッッ!!!!!!と、音すら消えた。
これまで経験してきた銃撃戦が豆鉄砲の撃ちあいに思えるほどの一撃だった。
一発の弾丸に憑き1m大の風穴。
それが一分間に4000発もの勢いで爆発的に増殖していく。
あまりにも巨大な爆音は世界を揺るがせた。
キンジたちの走行する車体が徐々に傾いてゆく。
gatling₋Railgunの大破壊はレインボーブリッジの基礎構造そのものにダメージを与えた。
巨大なブリッジそのものが傾き爆音とともに崩壊してゆく
「があああああああァァァァァァァァァァァァ!!!???」
ッッッドン!!!!!
と、ちょっとしたトレーラーくらいのサイズはある砲弾が全てを吹き飛ばした。
「・・・・・対物小口径機関レールガン?」
彼らは『それに』目をやった
全長は50m以上。左右に巨大な主砲を携えた紅い機体。
その名は『スカーレット・バレット』
『それ』は戦争の代名詞。
核の時代を廃絶し、新たなる新世紀を創造した特異点
その名は、
「・・・・オブジェクト」
end
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