凛「しまむー愛を伝えたい」 (33)
・デレマスのSS
・他の作者さんに触発されて、うづりん百合
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──23話より──
スタスタ……
凛(ライブに出たくないって)
凛(どういうことなの、卯月……)
凛(会いたい)
凛(早く卯月に会いたい……!)
スタスタスタスタ
未央「ちょ、ちょっと待ってってば、しぶりん!」ハァハァ
凛「……?」
未央「足速すぎだよ、もう……!」
凛「……ごめん」
未央「あのさ。ねえしぶりん、思ったんだけど……」
凛「何?」
未央「しまむーに会って、直接話したとして……それだけで戻ってきてくれるかなぁ?」
凛「何言ってるの?……そのために行くんでしょ」
未央「でもしまむーってさ……何か、私たちに気を遣っちゃって、頑張ります!とか言っちゃってさ……」
未央「何となくだけど、本音で話してくれないような気がするんだよね」
凛「……」
凛(そうだ)
凛(早く卯月の顔が見たい……前みたいに笑ってほしい)
凛(だけど、もしあの笑顔が……キラキラだったはずの笑顔が、輝きを失ってしまっていたら)
凛(私は、どうしたらいいんだろう……?)
未央「で!しまむーに戻ってきてもらうには、何が必要か考えたんだけどさ」
未央「やっぱり、アレしかないよ!」
凛「アレ?」
未央「それはもちろん!私たちのしまむー愛を伝えるんだよ!」
凛「しまむー……愛?」
未央「私は舞台で、しぶりんはトライアドの活動で、最近しまむーとあんまり一緒にいられなかったじゃん?」
未央「だから、私たちがしまむー大好きだーっ!って気持ちが伝わらなくって、しまむー寂しくなっちゃったんじゃないかなって、思うんだよね」
凛「そういう問題……なのかな?」
未央「きっとそうだって!だから、それを思いっきり伝えようよ!」
凛「う、うん……でも、どうやって?」
未央「え?それはまあ……うん……フィーリング?なんかこう、胸の奥のパッション?をぶつける?感じで!」
凛「あんまりまとまってないのに自信満々で提案してきたんだ……」
未央「まあまあ、とにかくやってみよう!当たって砕けろだよ☆」
凛「砕けたら困るんだけど……!」
──養成所──
卯月「きっと、早かったんです」
卯月「私には、お城の舞踏会なんて、まだ早かったのかなって……」
凛(そんな……)
凛(やっぱりそうだったんだ)
凛(卯月は……卯月が、私たちから離れていこうとしてる……)
凛(そんなこと考えたことも無かった)
凛(私は……私は……!)
未央「しまむーっっ!」ダッ ギュウウッ!
卯月「ひゃあっ!?ななな、なんですか未央ちゃん!?///]
未央「ごめんね!しまむーが悩んでるって、私全然気づけなくって……!」
未央「私無神経だから、今までも知らないうちにしまむーを傷つけちゃって……」
未央「もしかしたら、これからも……だけど」
未央「でも……傷つけちゃってもやっぱり、やっぱり、しまむーのことが大好きだから」
未央「ニュージェネで一緒にアイドルしたいから!」
未央「だから何て言われても、絶対離さないよ!」
卯月「み……未央ちゃんっ……///」
未央(やった!しまむーがちょっと揺らいでる感じに!)
未央(”体当たりでしまむー愛を伝えよう作戦”効果アリだね☆)ニヤッ
未央(さあしぶりん!トドメの追撃、行っちゃって!)ウインクパチリ♪
凛(……)
凛(何か打算的な感じもするけど……)
凛(やっぱり未央はすごい……こんなに思った事をはっきり伝えられるなんて、羨ましい)
凛(でも……私だって)
凛(私だって……しまむー愛なら、負けてない!)キッ
ツカツカツカ
卯月「ふぇっ?あ、あの……凛ちゃん?」
ズイ
卯月「その、近づきすぎ……顔が近いです///」
クイッ
卯月「え、あの、何で私の顎持ち上げ」
チュゥゥーッ!
卯月「んんんんっ……!?///」
未央「」
未央(はぁぁぁーっ!?どうなっちゃってんのコレ!?)
未央(何いきなりしまむーの唇奪っちゃってんのしぶりん!?)ガガガーン
チュッ……チュッ……♡
凛(卯月の唇……柔らかい……)
凛(何かいい匂いする……リップの匂いかな……)
凛(もっと欲しい……卯月を……もっともっと味わいたい……!)グッ
チュルッ……チュパッ♡
卯月(な、何が起こってるんでしょうか……)
卯月(凛ちゃんの綺麗な顔が目の前に……///)
卯月(唇が柔らかくてあったかくて……)
ジュルッ♡
卯月(ふぇぇぇぇぇ!?な、何かが口の中に、は、は、入って……!///)グルグル
未央「し、しぶりんストーップッッ!」ババッ!
凛「っ……」
凛「……何するの未央」キッ
未央「いやいやいや、それこっちのセリフだし!」
卯月「はへぇぇぇ……///」ヘナヘナ
未央「だ、大丈夫?しまむー!」
卯月「わ、私……私……///」
卯月「もうお嫁に行けませーんッッ!」ダダッ!
凛「あっ!卯月……!」
未央「しまむーっっ!!」ガビーンッ
──翌日──
未央「もう何やってんのしぶりん!結局あの後しまむーと連絡つかなくなっちゃったじゃん!」
凛「だって……しまむー愛を伝えろって言ったのは未央でしょ」ムスッ
未央「愛の意味と重さが違う!RとSSRぐらい違うよ!」
未央「だいたいいきなりキスするとか、GOIN'GOIN'強引過ぎるにも程があるよ!」
凛「うっ……」
ガタッ
「あ、あの……お、おはようございます……」
未央「しまむー!来てくれたの!?」パァッ
未央「ありがとー!しまむーにあんなセクハラされたからもう来てくんないかと……良かったよぉ……」グスッ
凛「……セクハラじゃないし」ムスッ
卯月「あ、あははは……///」
卯月「あ、あのね?凛ちゃん……///」モジモジ
凛「う、うん……」
卯月「あの、えっと……昨日のこと……///」
凛「うん……」
卯月「あ、ありがとうございます!」ペコリ
りんみお「え?」
卯月「あの、私の事元気づけようとして、してくれたんですよね?」
卯月「ちょっとだけビックリしちゃったけど……でも、変な誤解とか、してませんから!大丈夫ですから!」
未央「しまむー……?」
卯月「これ以上凛ちゃんや未央ちゃんに心配かけないように、ちゃんと頑張りますから!」
凛「……」
卯月「だから、だからもう、無理に励ましてくれなくても」エヘヘ…
凛「ごまかさないでよ!」キッ!
卯月「!」
未央(へ?ここでそのセリフ!?)
凛「その……いきなりキスしたことは、謝る……」
凛「でも、そんな……嘘の笑顔で、ごまかすような言葉、聞きたくない」
凛「私の事、キモいと思ったんなら、キモいって言ってよ」
凛「怒ってよ」
凛「でも、私はもう、自分の気持ちをごまかしたりなんかしない」
凛「私は卯月の事が好き。大好き」
卯月「凛ちゃん……」
凛「友達としてなんかじゃない」
凛「たぶん、初めて会った時から……卯月の、キラキラ輝く笑顔を見た時から……」
凛「ずっと好きだったの……卯月が目の前からいなくなるかもしれないって思って、やっと気づいたの……」
凛「お願いだから……お願いだから、いなくならないで……」ツーッ…
凛「私の事、大嫌いでもいいから……それでも、わがままだって分かってるけど、一緒に居たい……!」
卯月「……凛ちゃん」ギュッ
凛「……卯月?」グスッ
卯月「私、嬉しいですっっ!」
凛「え……?でも私、あんな事して……」
卯月「ちょっとビックリしたのは、ホントです」
卯月「あの後、家に帰ってからも、ずっと凛ちゃんのことしか考えられなくって、眠れなくて……///」
卯月「恥ずかしくって、今も凛ちゃんの顔見られなくって……」
卯月「それでも、早く会いたい、凛ちゃんに早く会いたいって気持ちが抑えられなくて」
卯月「だから、寝不足で髪もぼさぼさのまま、やってきちゃいました」エヘヘ
凛「卯月……」
卯月「ごめんなさい、何だかかっこ悪いですね、私///」
凛「それは私もだから」
凛「卯月に会えなくなってから、ずっと卯月のことばかり考えてた……」
卯月「えへへ……///」
凛「……///」
うづりん「あの……!」
卯月「あ、ご、ごめんなさい!じゃあ凛ちゃんから……」
凛「う、うん……///」コホン
凛「卯月。私、卯月の事が好き……」
凛「だから、その。もしよかったら、付き合ってほしい……」
卯月「はいっ……!」グシッ
卯月「私、まだまだダメなところもいっぱいあるし、迷惑かけちゃったりするかもしれないけど……」
卯月「凛ちゃんの立派な彼女になれるように、精一杯頑張りますっっ!」ニコッ♡
凛「卯月……今すごく可愛かった」
卯月「そ、そんな……凛ちゃんの方がずっとずっと綺麗ですよ……///」
凛「またキスしたい……嫌?」
卯月「うぇぇっ!?そ、その……」アタフタ
卯月「ええと……イヤじゃ、ないです……///」ウツムキ
凛「卯月……」
卯月「凛ちゃん……♡」
チュッ……♡
未央(いやーこれ未央ちゃん完全に空気だわ、存在忘れられてるわー……)ドヨーン
ガタッ
P「……おはようございます。あ、島村さ……」
未央「はいはいプロデューサー、お邪魔虫の私たちはあっちでライブの打合せでもしよっかー!」グイグイ
P「え?あ……はい」
──舞踏会 ライブ会場 楽屋──
凛「卯月、緊張してる?」
卯月「いいえ!……あ、やっぱりドキドキはしてますけど……それはその、凛ちゃんが綺麗だからで……///」
卯月「ファンの人がすごく増えちゃって、凛ちゃんがトップアイドルになったら……何だか凛ちゃんが遠くなっちゃいそう、なんて」エヘヘ
凛「卯月……大丈夫だよ」ギュッ
凛「こんなこと言ったらアイドル失格かもしれないけど」
凛「私はアイドル以前に、卯月の一番の……一番最初のファンだから」
卯月「凛ちゃん……嬉しいです……///」
凛「それより私の方が不安かも。卯月が可愛すぎて、誰かに取られちゃうんじゃないかって」
卯月「もう、凛ちゃんったら///」クス
卯月「大丈夫ですよ♪」ホッペニチュ
卯月「私も……私は、アイドルである前に、凛ちゃんを好きな一人の女の子、島村卯月ですから♡」
凛「卯月……♡」
卯月「凛ちゃん……♡」
未央「あ~~も~~!甘酸っぱすぎて全身がかゆいい~!!」ボリボリ!
卯月「み、未央ちゃん!?」
未央「二人ともラブラブすんのはいいけど、ニュージェネの時はちゃんと私も混っぜろー!!」ギュウッ!
卯月「わぷっ!」
凛「ご、ごめん未央……苦しいってば!」
卯月「あのあの、私、未央ちゃんのこともちゃんと大好きですから!」
凛「うん、私も……まあ卯月の次だけど」
未央「とってつけたようなフォローいらないから!」クワッ
舞台助手「ニュージェネさん、そろそろお願いします!」
未央「さあ、これからはアイドルの時間だよ!準備はいい?」
凛「うん!」
卯月「はいっ!」
5,4,3……
卯月「生ハムメロンの……」
凛「チョコレートがけの」
未央「フライドチキン添えっ!」
ワァァァァァ!
舞台助手(何その謎のメニュー!?)ガビーンッ
──会場後方──
ワァァァァァ……!
P「……いい、笑顔です」
ツカツカ
美城「まだ、Power of Smile などという絵空事を信じているのか?」
P「……常務」
美城「突出した資質も無い、輝きも無い……取り柄と言えば笑顔だけ。そんな灰かぶりがこれから先、アイドルとしてやっていけると本気で思っているのか」
美城「待っているのは茨の道だぞ……君は、灰かぶりにとってもっとも残酷な選択をさせたんだ」
P「……私は、そうは思いません」
P「笑顔とは」
P「笑顔というのは、最強のコミニュケーションツールだと、私は信じています」
美城「……」
P「自分の幸せを、周りの皆に伝播させ……それが更に広がっていく」
P「彼女の笑顔は特別な、唯一無二の資質なんです」
P「彼女は、アイドルとして持ちうる最強の武器……いえ、魔法を。持っています。私はそれを知っているから」
P「だから、彼女が……彼女たちが星の彼方まで登り詰めていくのを、信じられるんです」
美城「ふ……今日はやけに饒舌に語るじゃないか」
美城「魔法を手にしたシンデレラか……さながら私は、魔法で打ち倒される敵役、悪いお妃と言ったところか?」
P「敵などここにはいませんよ」フルフル
P「いるのは、ただの崇拝者です。私もあなたも……ここにいる皆。輝ける笑顔と言う魔法に魅入られた、ね」
美城「やれやれ……私まで同類扱いするとは、君もよくよく失礼な男だな」フフッ
P「さらに失礼を承知で言わせていただければ……」
P「笑顔のあなたは、いつもよりずっと可愛らしくて、魅力的ですよ」ニコ☆
ズッキュゥゥーンッ♡
美城「…………っっ!?///」
P「……美城常務?どうされました?」
美城「……おまっ……ちょっ……!///」パクパク
P「常務!?大丈夫ですか!?」
ジョウム!? シッカリシテクダサイ!
卯月「シンデレラの舞踏会は満員御礼の大成功でした!」
卯月「何でかその後、346プロではプロデューサーさんの”笑顔禁止令”が発令されてみんなの疑惑を呼びましたけど……それはまた別のお話です」
卯月「島村卯月、これからもアイドル活動と、それから恋も……いっぱいいっぱい頑張りますっっ♡」
・終わりです
・読んでくれた人、レスくれた人さんくす
・それではおやすみなさい
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