矢矧「深海棲艦がつけてくる」提督「知ってる」 (6)

よろしければ、お付き合いをお願いします。
書き溜めは知らない言葉です。
シリアス気味なので閲覧注意です。
なお、この世界では提督はぷかぷか丸で同行していることが多いです。

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提督「艦娘をたくさん沈めれば、いつかは戦艦になれると思っている駆逐艦どうってことないよ」

矢矧「水平線のギリギリに、こちらの電探の精度が低いとみて侮ってますね」

提督「こちらが秘匿している集結地をつきとめるつもりだな」

矢矧「夜戦でも仕掛けようってことでしょうね」

ぷかぷか丸の見張りを妖精さんに任せて、俺(提督)は、海図に目を通す。

提督「この北にある環礁にいけば確認できるだろうさ、それまでの命」

俺は、船の周囲を一緒に進む艦娘たちを見渡す。
6隻の編成の中で、唯一の戦艦に装備を確認する。

提督「比叡、徹甲弾は積んでるよな」

比叡「……! ね、寝てません! はい、間違いなく装備しています」

提督「(寝ながら航行できるとは、相変わらず器用な)ああ、積んでるならいいんだ」

矢矧「提督さん、どうするの?」

提督「ああ、みんな比叡を残して先に進むんだ。矢矧、頼んだぞ」

矢矧「ええ、艦隊しっかり預かります」

……2時間あまり、俺は比叡と共に環礁で待ち構えていた。

提督「見えるか?」

比叡「えーっと、ようやく電探に感ありですね」

提督「目視は?」

比叡「今日は、波も穏やかなので次第に近づいてきているが見えますね」

提督「まだ早いか?」

比叡「ちょっと自信ないですね」

提督「なら待とう」

比叡「あーっ、だいぶ近づいてきたので、いいですか」

提督「任せる。当たればいい」

比叡「じゃ、遠慮無く行かせて頂きます。主砲、斉射、始め!」

比叡の主砲が一気に火を噴く。双眼鏡を覗くと水柱が立っているのがわかる。
至近弾。いや、この距離で初っぱなから至近弾を狙えるのも練度のたまものだ。
深海のほうは3隻。予期せぬ砲撃に混乱しているのが、手に取るようにわかる。

比叡「撃ちます!当たってぇ!」

三度目の砲撃は確実にヤツらを捕らえていた。
双眼鏡に見えていたのは、轟音と共に沈んでいくヤツらのうめきだった。

比叡「私の活躍、見ていてくれました?」

いつもの比叡の言葉。俺は煙草に火をつけた。
敵が沈む。それは自分たちの命が一秒でも長らえること。
それだけに、安堵の一服はなによりも美味い……。


最前線も随分と近くなったパラオ泊地。
ここに来てからずいぶんになるが、戦況がよくなったという話はまったく聞かない。
内地の横須賀や佐世保がどうかは知らないが、ここじゃ毎日を生きるのが必死だ。

家具もほとんどない執務室の窓から外をみれば、
駆逐艦たちが今日も畑仕事に必死だ。

「遠征で資源を獲得して自活せよ」

資源を要求する度に、司令部からは通り一遍の返事が戻ってくるだけ。
そもそも、近所を深海棲艦がうろつく泊地では輸送船団もおいそれと
近づけないのは当然。遠征だってままならない。

それでいて、艦娘たちは資源も喰らうが、普通に三度の食事を食べる。
だから、食糧くらいは自活しておかなければと不安は募るのだ。

そんな泊地でも、決済しなければならない書類仕事はある。
幸いにも、秘書艦の矢矧をはじめ妙高、霧島らが揃っているので
困ることはない。

それでも、少ない資源の配分等々、頭の痛い仕事は多い。

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