淡「セーコの海岸物語!」 (87)

  白糸台高校麻雀部部室にて

照「ふむ……」ペラッ

  ガチャン

菫「……」

部員一同「「「「弘世様こんにちは!!」」」」ペッコリン!

菫「こんにちは」ニカッ

部員1「見た見たいまの弘世様!わたしのほう見てほほ笑んだわよ!!」

部員2「なに言ってるのよ菫様がスマイルをくれたのは私よ!!寝言は寝てから言いなさいよね!!」

部員3「先輩こそなに言ってるんです弘世先輩は私を見て微笑を浮かべたのですよぉ?」ヤレヤレ

部員2「おだまり!!下級生は黙ってなさい!!」

部員4「あんたこと黙りなさいよ!このポンポコピー!!」

照「また菫のことでみんな喧嘩してる」ペラッ

菫「まぁいつものことだ……ところで照はなにを読んでるんだ?」

照「ミステリー小説」ペラッ

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菫「またミステリーかよく飽きないな……」

照「私の知的好奇心を満たしてくれる……」ペラッ

菫「知的好奇心って……それ意味分かって使ってるのか?」

照「わからない」ペラッ

渋谷「……」ズズズズッ

菫「尭深いたのか……どうだ調子は?新部長として頑張れよ」

渋谷「……」コクン

菫「しかし3連覇したかったな全国大会」

白糸台高校は最後の最後に清澄高校に逆転され全国大会は準優勝で終わったのだった

照「しょうがない咲は強いから」

菫「お前の妹だからな」

照「うん、ポッキー食べる?」スッ

菫「では一本」スッ

照「で、明日はどうする?」

照「もちろん行く」ポリポリ

菫「せっかくの夏休みだしな、たまには息抜きをしなければ身がもたないぞ」

照「私は別に麻雀してても疲れない」ポリポリ

菫「お前は根っからのジャンキーだな……」

照「寒い……」ポリポリ

菫「どうしたひょっとして夏風邪でも……」

照「ジャンキーと雀鬼を掛けるとか寒い」ポリポリ

菫「掛けてないわ!!なんだか私がすべったみたいではないか!」

照「実際すべってる」

菫「すべってない!というか元々ダジャレなんか言ったつもりは毛頭ない!!」

渋谷「ジャンキーと雀鬼……う……」プププッ!

照「尭深にはウケてるみたいだよ」ポリポリ

菫「意外と笑いのツボが浅いんだな尭深……」

  ガチャン

淡「いやっほー!みんなこんにちくわ!」ピョーン!

淡「ああポッキー!テルーわたしにもポッキーを一本頂戴!」

照「……」スッ

淡「ありがとうテルー!」ダキィ!

照「……」ポリポリ

菫「淡は昼前だというのに元気だな……」

淡「これでも今日はテンション低いほうだよ~朝からうんざりだよほんと~」ブー

菫「なにがあったんだ……」

淡「聞いてよスミーレ!ユーチューブで音楽聞こうとしたら本人たちの歌じゃなくて素人のカバーだったんだよ!」

菫「は、はぁ……」

淡「カバーならカバーってちゃんと書いておいてよすごくがっかりするじゃんもう!」プクーッ!

菫「すごくどうでも良い話だな……なぁ照」

照「分かる、それすごくイライラする」ポリポリ

渋谷「……」コクン

菫「共感出来てないのは私だけか……」

淡「フフンフフンフフーン♪」

淡「スミーレはユーチューブとか見ないの?」

菫「見ないな、私の場合聞きたい音楽はCDで買うからな」

淡「このブルジョアめ!」

菫「そもそも買って聞くのが普通だからな……」

淡「じゃあ今度私にもCD貸して!」

菫「ああ良いけどなにが聴きたいんだ?」

淡「[たぬき]主題歌集!」

菫「[たぬき]はちょっと無いな……」

照「きんつば食べたい」ポリポリ

菫「しかしあれだな、曲聴きたいにカバーばかりではこのバカーって感じだな」

淡「え……」

照「またすべった……」

菫「だ、だからすべってないと言ってるだろ!そもそもダジャレを言ったつもりは……!」

淡「いくらなんでも今のは狙ってたでしょスミーレ……」

渋谷「う……ぷぷぷ……!」プルプル

淡「ところで私からみんなにお話しがあります!!」ビシッ!

菫「またろくでもないことでも言い出すのか……」

淡「違うよー!ちゃんとしたことだよー!」プクーッ!

渋谷「7?8?9?」

菫「……6でもないって言いたいのか?」

渋谷「うぷぷっ!」クククッ!

菫「……」ジトーッ

照「それでお話しって」

淡「みんなで明日海に行こうよ!!」

菫「海?」

淡「そう海!!みんなひと泳ぎしに行こうよ!せっかくの夏だもん!」

照「スイミングより睡眠のほうがいいって菫が……」

菫「言ってない!!」キッ!

照「……」ポリポリ

菫「海に行こうという話はたしかに魅力的なんだがそれはちょっとできない相談なんだ淡」

淡「えーなんでー!?夏だよー!海に行こうよー!」

菫「実はな……」

照「私と菫は明日から2週間軽井沢に行くから」ポリポリ

淡「軽井沢?!なんでまたそんなとこ行くの?!」

菫「夏の東京は暑いから涼しい軽井沢にしばらく滞在しようと思うんだ」

淡「ええー!良いなぁ私もテルー達と一緒に軽井沢に行く!」

菫「ダメだ、お前たちはまだ部活があるだろ、私たちはもう引退だからそんな長い期間軽井沢で過ごせるんだ」

淡「ずるーいテルー達だけ!私もそんな天国みたいなとこに行きたいよー!ねぇたかみー!」

渋谷「……」ズズッ

照「でも淡は軽井沢に行っても一日もしないうちに帰りたいって言うと思う」

淡「そんなことないよー!私そんな子供じゃないもん!」

菫「たしかに静かな軽井沢は淡には合わないかもな……」

淡「ふーんだいいもん!私はたかみーと明日海に行くから!ねぇたかみー?」

渋谷「私も明日用事があるから行けない……」ズズズッ

淡「ええそんなひどーい!」

菫「コラ淡!尭深にだって事情というものがあるんだ!なんでも自分の都合で物事を考えるんじゃない!」

淡「ごめんなさい菫先輩……」シュン…

照「明日の用事って?」ポリポリ

渋谷「秋季大会の抽選です……部長だから行かないと……」ズズズッ

菫「新部長として期待してるぞ」

淡「ああもう海に行きたいよーあさってからは練習ばかりだしこの機会を逃したららっという間に秋になっちゃうよー」ブーブー

菫「なんだよらっという間って……」

照「誠子と行けばいい」ポリポリ

淡「え!!」

菫「そうか亦野がいたな、たしかにあいつなら毎日暇そうだし……」

淡「亦野先輩はちょっと……」オロオロ

菫「ん?亦野と一緒に海に行く嫌なのか?」

淡「そ、そういうわけじゃ……」

  ガチャン

亦野「こんちゃーす!!」


淡「!!」ピッ!

照「噂をすれば影」ポリポリ

亦野「遅れてすいません!」 菫「練習はまだ始まってないから大丈夫だ」

亦野「担任に呼び出されてまして、あ!宮永先輩ポッキーわたしにもひとつください」

照「いま食べてるので最後」ポリポリ

渋谷「また亦野さん先生に呼び出されてたんだ……」ズズズッ

淡「ま、亦野先輩どうせ赤点でも取ったんでしょ!ダメだよちゃんと勉強しないと来年わたしと同級生だよぉ!」

亦野「大星も赤点ギリギリだったらしいじゃん、そんなんじゃまた来年一年生からやり直しだな」ニヤッ

淡「わたしは頭悪くないもん!少なくとも亦野先輩よりかは頭良いと思うよ?」フフン

亦野「じゃあ私が今から問題を出すからそれに正解したら私より勉強できるってことでいいよ?」

淡「へへーんばっちこいだよ私は麻雀も得意だけどクイズなんかも大大大得意なんだよぉ!」

亦野「じゃあ問題!こじかとおやじか、大きいのはどっち?」

淡「もちろんおやじか!」

亦野「ブッブー!おやじかは蚊の親父でこじかは鹿の子供!鹿のほうが大きいに決まってるじゃん!」

淡「なにその問題酷すぎるよぉ!!なんで亦野先輩は私にいつもそんな意地悪するのぉ!!」プクーッ!!

亦野「やっぱり私のほうが頭良かったな」ニタリ

淡「ブー!!亦野先輩のバカッ!もう知らない!」プイッ!

菫「おいおいケンカやめろよ……」

照「まるで小学生」

淡「ぐす……」

渋谷「よしよし」ナデンコナデンコ

亦野「ところでなんの話をしてたんですか?今後東京ヴェルディが復活するにはどうすればいいのかって話ですか?!」

菫「そんな話はしてないぞ……」

照「淡が明日海に行きたいって話をしてたよ」

淡「テ、テルーそれは……」

亦野「海?海なら明日私行きますよ」

淡「え!」

菫「本当かそれならちょうど良いな」

渋谷「良かったね淡ちゃん……」ズズズッ

淡「亦野先輩とは……ううう……」

菫「どうした亦野と行くのが嫌なのかさっきからおかしいが」

淡「そ、そういうわけじゃないよ!で、でも……」

照「デモもパレードもない」

亦野「そうか私と海に一緒に行くのはイヤなのか……」ショボン

淡「ち、違うよ!亦野先輩イヤじゃないよ!」

菫「お前がちょっと淡をからかいすぎるからじゃないのか?」ジトッ

亦野「だって大星をからかうの楽しいんですもん!」ニヒヒ

淡「私は楽しくない!」プンッ!

照「それで明日はどうするの?」

亦野「私は全然OKですよ、よくよく考えたら大星と遊びに行くのって初めてですし」

淡「わ、私も大丈夫ですよ!ふんっ!しょうがないから亦野先輩の遊びに付き合ってあげる!」フフン!

菫「なんで上から目線なんだ……」

照「これで一件落着」ポリポリ

亦野「あ!まだポッキー残ってるじゃないですか!」

照「誠子をからかうのは楽しい……」ポリポリ

   放課後

淡「ロン!」

部員5「かはっ!」

淡「ふん!口ほどにもないやつだな」ニヤリ

部員5「なんだと!」キッ!

渋谷「はい今日の練習はここまでですよ」パンパン

淡「次やるまでには私に少しでも太刀打ちできるようにしといてくださいね先輩」

部員5「くそお……」

淡「私は雑魚には興味な……」

渋谷「……」パコン!

淡「デスパ!!ってなんで急にたかみー私を殴るの!?」ウルウル

渋谷「先輩に対してその口の聞き方はよくない……」

淡「ううう……」

亦野「やーい叩かれてやんの!」ケラケラ

渋谷「……」パチコン!

亦野「ギニヤ!!」

渋谷「あまり囃し立てない……」

菫「さぁもう時間だし帰るぞ」

照「早く帰ろう」ポリポリ

部員一同「お疲れさまです!弘世様!!」

菫「うむ」スタスタッ

照「……」ポリポリ

淡「スミーレは今日も馬で帰るの!?」

菫「断じて言うが今の今まで馬で登下校したことなどない……」

照「リムジンだもんね」ポリポリ

菫「それはたしかにそうだが……」

淡「今日もリムジンに乗せてねスミーレ!」ダキィ!

菫「しょうがないなぁ……」ヤレヤレ

亦野「それじゃ私はこれで」ギギッ

淡「亦野先輩はいつもママチャリだよね~すごく庶民派だよ~」

亦野「明日ちゃんと遅れるずに来いよ!遅れたら置いてくからな!」ギコギコギコ!

淡「こっちが置いてってやるもん!イーだ!」

渋谷「亦野さんを置いてったら意味がない……」ズズズズッ

淡「あ~早く泳ぎたいな~」ルンルン

菫「大丈夫かな……心配だな……」

照「……」ポリポリ

今日はここまで
寝るお


末原改造の人かな?

なんで亦野さん呼びやねん

たかみー部長は珍しいな

期待
白糸台は寮だったような?まあ学校から寮への移動にリムジン出してるってことなら辻褄は会うな。
むしろそのほうがらしいという気さえしてくる

再開キボンヌ

俺からも希望を出しておこう

待ってるよー

照菫の軽井沢旅行はよ

色々とルールを理解してなかったのでまた最初からしますお

  白糸台高校麻雀部部室にて

照「ふむ……」ペラッ

  ガチャン

菫「……」

部員一同「「「「弘世様こんにちは!!」」」」ペッコリン!

菫「こんにちは」ニカッ

部員1「見た見たいまの弘世様!わたしのほう見てほほ笑んだわよ!!」

部員2「なに言ってるのよ菫様がスマイルをくれたのは私よ!!寝言は寝てから言いなさいよね!!」

部員3「先輩こそなに言ってるんです弘世先輩は私を見て微笑を浮かべたのですよぉ?」ヤレヤレ

部員2「おだまり!!下級生は黙ってなさい!!」

部員4「あんたこと黙りなさいよ!このポンポコピー!!」

照「また菫のことでみんな喧嘩してる」ペラッ

菫「まぁいつものことだ……ところで照はなにを読んでるんだ?」

照「ミステリィ小説」ペラッ

菫「またミステリーかよく飽きないな……」

照「ミステリーじゃないミステリィ」ペラッ

菫「はぁ……」

照「私の知的好奇心を満たしてくれる……」ペラッ

菫「知的好奇心って……それ意味分かって使ってるのか?」

照「わからない」ペラッ

渋谷「……」ズズズズッ

菫「尭深いたのか……どうだ調子は?新部長として頑張れよ」

渋谷「……」コクン

菫「しかし3連覇したかったな全国大会」

白糸台高校は最後の最後に清澄高校に逆転され全国大会は準優勝で終わったのだった

照「しょうがない咲は強いから」

菫「お前の妹だからな」

照「うん、ポッキー食べる?」スッ

菫「では一本」スッ

照「で、明日はどうする?」

照「もちろん行く」ポリポリ

菫「せっかくの夏休みだしな、たまには息抜きをしなければ身がもたないぞ」

照「私は別に麻雀してても疲れない」ポリポリ

菫「お前は根っからのジャンキーだな……」

照「寒い……」ポリポリ

菫「どうしたひょっとして夏風邪でも……」

照「ジャンキーと雀鬼を掛けるとか寒い」ポリポリ

菫「掛けてないわ!!なんだか私がすべったみたいではないか!」

照「実際すべってる」

菫「すべってない!というか元々ダジャレなんか言ったつもりは毛頭ない!!」

渋谷「ジャンキーと雀鬼……う……」プププッ!

照「尭深にはウケてるみたいだよ」ポリポリ

菫「意外と笑いのツボが浅いんだな尭深……」

  ガチャン

淡「いやっほー!みんなこんにちくわ!」ピョーン!

淡「ああポッキー!テルーわたしにもポッキーを一本頂戴!」

照「……」スッ

淡「ありがとうテルー!」ダキィ!

照「……」ポリポリ

菫「淡は昼前だというのに元気だな……」

淡「これでも今日はテンション低いほうだよ~朝からうんざりだよほんと~」ブー

菫「なにがあったんだ……」

淡「聞いてよスミーレ!ユーチューブで音楽聞こうとしたら本人たちの歌じゃなくて素人のカバーだったんだよ!」

菫「は、はぁ……」

淡「カバーならカバーってちゃんと書いておいてよすごくがっかりするじゃんもう!」プクーッ!

菫「すごくどうでも良い話だな……なぁ照」

照「分かる、それすごくイライラする」ポリポリ

渋谷「……」コクン

菫「共感出来てないのは私だけか……」

淡「フフンフフンフフーン♪」

淡「スミーレはユーチューブとか見ないの?」

菫「見ないな、私の場合聞きたい音楽はCDで買うからな」

淡「このブルジョアめ!」

菫「そもそも買って聞くのが普通だからな……」

淡「じゃあ今度私にもCD貸して!」

菫「ああ良いけどなにが聴きたいんだ?」

淡「ドラえもん主題歌集!」

菫「ドラえもんはちょっと無いな……」

照「きんつば食べたい」ポリポリ

菫「しかしあれだな、曲聴きたいにカバーばかりではこのバカーって感じだな」

淡「え……」

照「またすべった……」

菫「だ、だからすべってないと言ってるだろ!そもそもダジャレを言ったつもりは……!」

淡「いくらなんでも今のは狙ってたでしょスミーレ……」

渋谷「う……ぷぷぷ……!」プルプル

淡「ところで私からみんなにお話しがあります!!」ビシッ!

菫「またろくでもないことでも言い出すのか……」

淡「違うよー!ちゃんとしたことだよー!」プクーッ!

渋谷「7?8?9?」

菫「……6でもないって言いたいのか?」

渋谷「うぷぷっ!」クククッ!

菫「……」ジトーッ

照「それでお話しって」

淡「みんなで明日海に行こうよ!!」

菫「海?」

淡「そう海!!みんなひと泳ぎしに行こうよ!せっかくの夏だもん!」

照「スイミングより睡眠のほうがいいって菫が……」

菫「言ってない!!」キッ!

照「……」ポリポリ

菫「海に行こうという話はたしかに魅力的なんだがそれはちょっとできない相談なんだ淡」

淡「えーなんでー!?夏だよー!海に行こうよー!」

菫「実はな……」

照「私と菫は明日から2週間軽井沢に行くから」ポリポリ

淡「軽井沢?!なんでまたそんなとこ行くの?!」

菫「夏の東京は暑いから涼しい軽井沢にしばらく滞在しようと思うんだ」

淡「ええー!良いなぁ私もテルー達と一緒に軽井沢に行く!」

菫「ダメだ、お前たちはまだ部活があるだろ、私たちはもう引退だからそんな長い期間軽井沢で過ごせるんだ」

淡「ずるーいテルー達だけ!私もそんな天国みたいなとこに行きたいよー!ねぇたかみー!」

渋谷「……」ズズッ

照「でも淡は軽井沢に行っても一日もしないうちに帰りたいって言うと思う」

淡「そんなことないよー!私そんな子供じゃないもん!」

菫「たしかに静かな軽井沢は淡には合わないかもな……」

淡「ふーんだいいもん!私はたかみーと明日海に行くから!ねぇたかみー?」

渋谷「私も明日用事があるから行けない……」ズズズッ

淡「ええそんなひどーい!」

菫「コラ淡!尭深にだって事情というものがあるんだ!なんでも自分の都合で物事を考えるんじゃない!」

淡「ごめんなさい菫先輩……」シュン…

照「明日の用事って?」ポリポリ

渋谷「秋季大会の抽選です……部長だから行かないと……」ズズズッ

菫「新部長として期待してるぞ」

淡「ああもう海に行きたいよーあさってからは練習ばかりだしこの機会を逃したららっという間に秋になっちゃうよー」ブーブー

菫「なんだよらっという間って……」

照「誠子と行けばいい」ポリポリ

淡「え!!」

菫「そうか亦野がいたな、たしかにあいつなら毎日暇そうだし……」

淡「亦野先輩と二人きりはちょっと……」オロオロ

菫「ん?亦野と一緒に海に行く嫌なのか?」

淡「そ、そういうわけじゃ……」モジモジ

  ガチャン

亦野「こんちゃーす!!」

淡「!!」ピッ!

照「噂をすれば影」ポリポリ

亦野「遅れてすいません!」 

菫「練習はまだ始まってないから大丈夫だ」

亦野「担任に呼び出されてまして、あ!宮永先輩ポッキーわたしにもひとつください」

照「いま食べてるので最後」ポリポリ

渋谷「また亦野さん先生に呼び出されてたんだ……」ズズズッ

淡「ま、亦野先輩どうせ赤点でも取ったんでしょ!ダメだよちゃんと勉強しないと来年わたしと同級生だよぉ!」

亦野「大星も赤点ギリギリだったらしいじゃん、そんなんじゃまた来年一年生からやり直しだな」ニヤッ

淡「わたしは頭悪くないもん!少なくとも亦野先輩よりかは頭良いと思うよ?」フフン

亦野「じゃあ私が今から問題を出すからそれに正解したら私より勉強できるってことでいいよ?」

淡「へへーんばっちこいだよ私は麻雀も得意だけどクイズなんかも大大大得意なんだよぉ!」

亦野「じゃあ問題!こじかとおやじか、大きいのはどっち?」

淡「もちろんおやじか!」

亦野「ブッブー!おやじかは蚊の親父でこじかは鹿の子供!鹿のほうが大きいに決まってるじゃん!」

淡「なにその問題酷すぎるよぉ!!なんで亦野先輩は私にいつもそんな意地悪するのぉ!!」プクーッ!!

亦野「やっぱり私のほうが頭良かったな」ニタリ

淡「ブー!!亦野先輩のバカッ!もう知らない!」プイッ!

菫「おいおいケンカやめろよ……」

照「まるで小学生」

淡「ぐす……」

渋谷「よしよし」ナデンコナデンコ

亦野「ところでなんの話をしてたんですか?今後東京ヴェルディが復活するにはどうすればいいのかって話ですか?!」

菫「そんな話はしてないぞ……」

照「淡が明日海に行きたいって話をしてたよ」

淡「テ、テルーそれは……」

亦野「海?海なら明日私行きますよ」

淡「え!」

菫「本当かそれならちょうど良いな」

渋谷「良かったね淡ちゃん……」ズズズッ

淡「亦野先輩と二人きり……ううう……」

菫「どうした亦野と行くのが嫌なのかさっきからおかしいが」

淡「そ、そういうわけじゃないよ!で、でも……」

照「デモもパレードもない」

亦野「そうか私と海に一緒に行くのはイヤなのか……」ショボン

淡「ち、違うよ!亦野先輩イヤじゃないよ!」

菫「お前がちょっと淡をからかいすぎるからじゃないのか?」ジトッ

亦野「だって大星をからかうの楽しいんですもん!」ニヒヒ

淡「私は楽しくない!」プクッ!

照「それで明日はどうするの?」

亦野「私は全然OKですよ、よくよく考えたら大星と遊びに行くのって初めてですし」

淡「わ、私も大丈夫ですよ!ふんっ!しょうがないから亦野先輩の遊びに付き合ってあげる!」フフン!

菫「なんで上から目線なんだ……」

照「これで一件落着」ポリポリ

亦野「あ!まだポッキー残ってるじゃないですか!」

照「誠子をからかうのは楽しい……」ポリポリ

   放課後

淡「ロン!」

部員5「かはっ!」

淡「ふん!口ほどにもないやつだな」ニヤリ

部員5「なんだと!」キッ!

渋谷「はい今日の練習はここまでですよ」パンパン

淡「次やるまでには私に少しでも太刀打ちできるようにしといてくださいね先輩」

部員5「くそお……」

淡「私は雑魚には興味な……」

渋谷「……」パコン!

淡「デスパ!!ってなんで急にたかみー私を殴るの!?」ウルウル

渋谷「先輩に対してその口の聞き方はよくない……」

淡「ううう……」

亦野「やーい叩かれてやんの!」ケラケラ

渋谷「……」パチコン!

亦野「ギニヤ!!」

菫「さぁもう時間だし帰るぞ」

照「早く帰ろう」ポリポリ

部員一同「お疲れさまです!弘世様!!」

菫「うむ」スタスタッ

照「……」ポリポリ

淡「スミーレは今日も馬で帰るの!?」

菫「断じて言うが今の今まで馬で登下校したことなどない……」

照「リムジンだもんね」ポリポリ

菫「それはたしかにそうだが……」

淡「今日もリムジンに乗せてねスミーレ!」ダキィ!

菫「しょうがないなぁ……」ヤレヤレ

亦野「それじゃ私はこれで」ギギッ

淡「亦野先輩はいつもママチャリだよね~すごく庶民派だよ~」

亦野「明日ちゃんと遅れるずに来いよ!遅れたら置いてくからな!」ギコギコギコ!

淡「こっちが置いてってやるもん!イーだ!」

渋谷「亦野さんを置いてったら意味がない……」ズズズズッ

淡「あ~早く泳ぎたいな~」ルンルン

菫「大丈夫かな……心配だな……」

照「……」ポリポリ

  翌日 バスの中にて

淡「うわー!!すごいよ亦野先輩!海だよ海!オーシャンだよ!」

翌日、大星淡と亦野誠子は二人で湘南の海へとやってきたのだった

淡「潮の香りが心地いいよ~」キャッキャッ

亦野「あまりはしゃぐな他の乗客に迷惑がかかるだろ……」

淡「ええ良いじゃん海だよ海!亦野先輩は感動しないの!?母なる海だよ!お母さんだよ!」

亦野「私はしょっちゅう来るからね海に」

淡「湘南ボーイじゃん!」

亦野「ボーイじゃないから!そんなことより今年のヴェルディのことだけど……」

淡「ええまたその話!もう1時間以上その話してるじゃん!」

亦野「いいからいいから!今年の東京ヴェルディはかつてユースを率いていた冨樫さんが監督に就任してからというもの絶好調絶好調!
   このままいけば来年は8年ぶりにJ1に復帰できそうなんだよ!8年ぶりだぞ8年ぶり!当時は私まだハイハイしてたぞ!」

淡「そんなわけないじゃん亦野先輩いま何歳なのさ……」ジトーッ

亦野「この躍進を支えてるのは冨樫監督のユース時代の教え子たちで
   まさに自分らで育成した選手がチームの柱というJのクラブとして理想的な……」

淡「ああもうサッカーのことは全然わからないよぉ!」ブー!

亦野「スタジアムの雰囲気もすごく良いんだ今度一緒に行こうよ!」

淡「ううう……東京ヴェルディの話をするときの亦野先輩目がキラキラしててなんか怖いよぉ……」

亦野「私には緑の血が流れてるからね」キラキラ

淡「それは気持ち悪いよぉ……」

亦野「ラモスの影響で朝はいつもお茶漬けだしな」キラキラ

淡「どんだけ阪急ブレーブスが好きなのさ……」

亦野「東京ヴェルディ!ほとんど間違ってるじゃないか!」

淡「そんなことより海だよ海!そんな見飽きるほど海に来てるの?」

亦野「ほぼ毎週来てるんじゃないかな」

淡「毎週?!どんだけ海好きなのさ!もはや海坊主じゃん!」

亦野「意味が分からないから……」

淡「それにしても週一で行ってる割にはあまり焼けてないね」

亦野「まぁいろいろ対策はしてるからね」

淡「その海と東京ヴェルディにかける情熱を少しでも麻雀に傾けたほうがいいんじゃないの……」

亦野「は、はてなんのことやら……」ピーピー

淡「それにしても荷物多いね?それ何に使うの?」

亦野「これはまぁ海でいろいろとな」

淡「ふーん……あ!」

亦野「ん?どうかしたか?」

淡(わかったわかった!きっと浮き輪が入ってるんだ!亦野先輩泳げないんだ!)プププッ!

亦野「なに笑ってるんだ私の顔になにかついてるのか……」

淡「ううんなんでもないよ!えへへ!」

淡(亦野先輩カナヅチだったなんで!プププ!意外と可愛いとこあるじゃん!)

亦野「?」

淡「大丈夫大丈夫気にしない気にしない!私と一緒に練習しようね!」

亦野「??あ、うん…」

淡(ん?でも待って、毎週海水浴に来てカナヅチっておかしくない……)

アナウンス「次は稲村ヶ崎~稲村ヶ崎~」

淡「あ!海に着いたよ!降ります押すよ!」ググッ!

亦野「ちょっとダメダメ!ここじゃないよ!」ガシッ!

淡「ちょっと離してよ亦野先輩!なんでよ!もう!!」

  ブロロロロロロロ・・・・・・

淡「なんで降りないの?!稲村ヶ崎だよ!ジューンだよジューン!」

亦野「それを言うならジェーンだろ……ジューンなら北の国からだよ……」

淡「ああ稲村ヶ崎がどんどん遠ざかる……」

アナウンス「次は~……」

亦野「ここだ!」ピンポーン

淡「え、ここって……」

  ポロロロロロロ・・・ポロロロロロロ・・・

亦野「フフンフフン♪」ルンルン

淡「ね、ねぇ亦野先輩ちょっと待ってよぉ!」トコトコ

亦野「フフーン♪」

淡「だから待ってって!」ガシッ!

亦野「うわなんだなんだ!」

淡「なんだじゃないよもう!なんでここなの?おかしくない?!」

亦野「なんでここなのって言われても……」

淡「だってここ漁港じゃん!!いったいここのどこで泳げって言うのさ!」

亦野「泳ぐ?なんで?」

淡「なんでって!海に来たら泳ぐに決まってるじゃん!」

亦野「私一言も今日は海で泳ぐなんて言ってないんだけど……」

淡「ええ?!じゃあなにしに海に来たの?!」

亦野「そりゃもちろん釣りさ!」

淡「釣り!?」

    ポロロロロロロ・・・ポロロロロロロ・・・

亦野「そう釣り」

淡「釣りって……なに?」

亦野「え?!釣り知らないの?!」

淡「まったくもって!」

亦野「信じられない……釣りって言葉を聞いたこともないのか?」

淡「ネットで嘘の情報を流してそれに騙された人を笑うということなら……」

亦野「なんでそっちの釣りを知っててこっちの釣りを知らないのかな……」

淡「ならクリスマス釣りー?ナーンチャッテ!」

亦野「……まぁいいや実際見てもらったほうが早いし」トコトコ

淡「置いてかないでよ!」

亦野「釣り知らない人間初めて見たよ……」トコトコ

淡「じゃあフィンランド式の野球をなんて言うか知ってる亦野先輩は?!
  知らないでしょ!知らないことは恥ずかしいことじゃないんだからね!」プンスコ

亦野「知ってるよそれペサパッロでしょ?」

淡「なんで知ってるの!?」

亦野「我々の業界では常識だよ」ニヤリ

淡「我々の業界ってなんなのさ!って歩くの早いよ亦野せんぱーい!」スタッスタッ!

亦野「ここがポイントだな」

淡「はぁ疲れた……」

二人は漁港の先端のほうまで足を運んだ

  キュイー!キュイー!キュイー!

淡「見て見て亦野先輩カモメが飛んでるよ!見て見て!」ピョンピョン!

亦野「はいはい」カチャカチャ

淡「なにしてんの?棒?」

亦野「釣り竿だよ、これで魚を釣るの」キュッキュッ

淡「それで魚を捕まえるの?どうやって?ぶっさすの?」

亦野「モリじゃないんだから……糸の先に付いてる針に餌をつけて魚を食いつかせて引っ張るんだよ」

淡「へぇーそうなんだ、手で取ったりしないの?」

亦野「しないよ熊じゃないし……」

淡「そんなんでいつも魚を捕るとかすごいじゃん亦野先輩」

亦野「魚を釣りあげたときの快感と言ったらたまらないね
   まさに満貫を和了ったときに匹敵する気持ちよさだよ」フフフ

淡「普段満貫和了ることもないからね」

亦野「満貫ぐらいちょくちょく和了ってるよ!ふん……」カチャカチャ

淡「じゃあ午前中は釣りで午後からは海水浴だね!楽しみだなぁ!」ワクワク

亦野「ん?なに言ってるの今日は一日中ずっと釣りだよ?」

淡「ええなんで!ずっと釣りなんて聞いてないよ!」

亦野「だから私は泳ぐなんて一言も……」

淡「だって海だよ!亦野先輩水着持ってきてないの!?そんな鞄大きいのに?!」

亦野「えへへこの中ぜーんぶ釣り用具」

淡「うぐ……」

亦野「釣りキチや」ニコニコ

淡「うわーんイヤだよ!なんで海までわざわざ来て泳がないのさ!そんなのつまんないじゃん!」ジタバタ

亦野「楽しいよ釣り、大星も一度烏賊釣りの楽しさを知ったらハマるって絶対」

淡「イヤだよ烏賊釣りなんて!うら若き女子高生がするような趣味じゃないよ!」プクーッ!

亦野「その釣った烏賊をすぐにさばいてちゅるってやるのが美味いんだなこりゃ」

淡「完全におじさんだよ!もう泳ぎたい泳ぎたい泳ぎたい泳ぎたいよぉ!」ジタバタ

亦野「じゃあ一人で泳いでくればいいだろ!私はここで釣りしてるから!」

淡「一人で海水浴とか怖いもん……亦野先輩も一緒じゃなきゃ意味ないし……」

亦野「じゃあそこで大人しくしてるんだな」

淡「ブー」ブー

亦野「えい!」ビシュッ!

  ポチャン

亦野「……」

淡「ハァ……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「横になろう……」ゴロン

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「ねぇ亦野先輩ほんとにこれ楽しいの……?」

亦野「楽しいけど?」

淡「ずっと糸垂らして座ってるだけじゃん!それのなにが楽しいのさ!」

亦野「大星は我慢強さが足りないなぁ」

淡「面白くないよこんなのやっぱり……」ゴロン

亦野「大星もやるか?もう一本竿あるし」

淡「しない!魚臭くなるし!」

亦野「じゃあそこで寝てな」

淡「ふん……」ゴロゴロ

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」ゴロン

亦野「……」

淡(はぁつまんないな……)

亦野「……」

淡(なにが釣りさもう……こっちは泳ぐ気マンマンできたのにさ……)

亦野「……」

淡(せっかく夏の貴重な休みの日なのになにが悲しくて釣りなんて……)ゴロン

亦野「……」

淡(せっかく先輩のために新しい水着を……ってなんだあれ?)

亦野「フフーン♪」

 ガサゴソガサゴソ ガサゴソガサゴソ

淡(先輩の隣に置いてある袋なんか蠢いてるよなんだろ……)

亦野「……」

淡「……」ジーッ

亦野「……」

淡「……」ジーッ

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡(なんか気になるなぁ……)

 ガサゴソガサゴソ ガサゴソガサゴソ

淡(よし見てみよ!)スクッ!

亦野「どうした大星、トイレにでも行くのか?」

淡「亦野先輩!その袋なに入ってんの?ちょっと見して!」ガサッ!

亦野「あ!それは!」

淡がその袋の中を覗くとそこには……

淡「ギャーーー!!!ムカデ!!ムカデがいっぱいいるよ!!」ドテン!

亦野「ほら言わんこっちゃない……」

淡「オエー!!なにそれ超キモイよ!ムカデがウジャウジャいるよ!」

亦野「ムカデじゃないよゴカイだよ」

淡「なにが誤解さどう見たってムカデじゃん!この怪人ムカデ女!」

亦野「誤解じゃなくてゴカイ、魚の餌だよ餌」

淡「魚ってこんなの食べるの!キモイキモイ!!頭おかしいよこれ!!」

亦野「もっと見る?」ササッ

淡「見ないよ!!もう嫌だ帰りたいよぉ!!」ウルウル

亦野「これぐらいで怖がってちゃ釣りなんてできないぞ」

淡「釣りなんかしたくないもん!」プクーッ!

亦野「ハハハ、膨れっ面がフグみたいで可愛いな」

淡「褒めてないよそれ!もうそんなの触れる亦野先輩もおかしいよ!」

亦野「たくましいと言ってほしいね」

淡「うううえんがちょえんがちょ……」

    キュイー!キュイー!キュイー!

淡「フフンフフン♪」

亦野「……」

淡「海岸で若い二人が恋をする物語~♪」

亦野「また古い曲を知ってるな……」

淡「わたし古い曲いっぱい知ってるよ!いまの曲はもんた&オールスターズでしょ?!」

亦野「違うよサザンだよ……」

淡「恋は南の島へ飛んだ~♪」

亦野「なんだかんだで楽しそうじゃん鼻歌なんか口ずさんで」

淡「楽しくないよ退屈だから鼻歌歌って気分を紛らわせてるだけだよもう……」ゴロン

亦野「こんなに楽しいのに……」

淡「実に無駄な一日だよ……」ゴロン

亦野「実に有意義な一日だな」フン

淡「……」

亦野「……」

淡「……」ゴロン

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「ふわぁぁ……」ゴロン

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「ハァ……」

亦野「……」

淡「……」ゴロン

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「ねぇさっきから全然魚が釣れる気配がないんだけど……」

亦野「う、うるさい……」

淡「全然魚掛からないじゃん……もうここに来て1時間ぐらいするよ……」

亦野「こ、こういう日もあるから!いつもなら2匹や3匹バケツの中で泳いでるし……」

淡「本当かなぁ~!本当は亦野先輩釣りが下手っぴなんじゃないの~?」ニヤニヤ

亦野「下手じゃない!麻雀は下手かもしれないけど釣りだけは自信があるんだよ!」

淡「そこは麻雀も自信持とうよ……」

亦野「まぁたしかに大星に勝ったことのある数少ない雀士だしな私」ニヤリ

淡「あれは亦野先輩がズルしたからじゃん!普通にやったら私のほうが強いし!」ブーブー

亦野「ズルじゃないよ頭を使ったんだよ頭を」コツン

淡「ただのズルだってだから!亦野先輩そんな頭良くないじゃん!」

亦野「なんだと!?」カチン

淡「知ってるよ私!亦野先輩1学期の成績ほとんど赤点ギリギリだってこと!
  数学に限っていえば3らしいじゃん!私だって5ぐらいは取れるよ!」ニヤニヤ

亦野「い、1年生と2年生じゃ授業のレベルが違いすぎるんだよ!私だって1年のころは数学6だったよ!」

淡「私は亦野先輩より頭も良いもん!」

亦野「じゃあ私の出す問題に答えられたら私より賢いと認めてあげてもいいよ」

淡「またそれぇ……亦野先輩ふざけた問題しか出さないんだもん……」

亦野「今度はちゃんとした問題だから!んじゃいくよ!」

淡「うん!」

亦野「おおざるとこざる、喧嘩して勝つのはどっち!」

淡「またそれ系統か……うーんおおざると言いたいとこだけど引っ掛けっぽいし……こざる!」

亦野「ブー!笊は喧嘩なんかしないよ」ニタリ

淡「ムキー!!また意地悪問題!!なんでくだらないのばっか出すのさ!!」プクーッ!

亦野「やっぱ大星をからかうのは楽しいし……」ニコニコ

淡「もう本当に知らない!!」プイッ

釣り人1「んー楽しいそうだねぇお嬢さんたちー」

淡「え、あ、はい……」ピッ

釣り人1「こんな若い子たちが釣りしにくるとはおじさん感無量だよねぇ本当ねぇんー」

亦野「ど、どうも」テレテレ

釣り人1「将来楽しみだよねぇんー、それにしてもまだ一匹も釣れてないみたいだねぇ、お嬢さんだけど坊主だなこりゃ」

亦野「まだ調子が出なくて」

淡「坊主?亦野先輩やっぱり海坊主じゃん!」

亦野「だから意味分からないってそれ……」

釣り人2「ハマちゃん早くこっち来なさいよまったく……」

釣り人1「ごめんなさいねぇスーさんねぇいまJKとコミュニケーション取ってたからねぇ、そいじゃあ釣りを楽しんでねぇ」トコトコ

亦野「どうも」ペコッ

淡「ねぇねぇ亦野先輩!坊主ってなに坊主って!ウルトラソウル!?」

亦野「それB'zでしょ……坊主というのは魚が全然釣れないことを坊主と言うんだよ」

淡「へぇー、なんで坊主なの?」

亦野「いろいろと説があるらしいけどよくわからないな」

淡「ペサパッロとかどうでもいいこと知ってるくせに釣り関係のことは知らないんだ……」

亦野「う、うるさい!集中が途切れるから静かにしてて!」

淡「やーいやーい坊主!海坊主!」

亦野「坊主って言うな!」

淡「じゃあハゲ!!」

亦野「もっと悪いわ!くう……」

  ミーンミーン・・・ ミーンミーン・・・

亦野「……」

淡「ふぁああ、まだ釣れないのぉ?」

亦野「シーッ!」

淡「海だけにシーってこと?」

亦野「うるさい!」パチコン!

淡「ギニヤ!!ひどい!殴ることないじゃんもう!」プンプン!

亦野「今日はたまたま運が悪いだけなんだからまったく……」ブツブツ

淡「まだお昼前なんだし気長にやってればそのうち釣れるよ大丈夫大丈夫」

亦野「ああ、釣り素人の大星に慰められるなんて屈辱……」

淡「私は亦野先輩のことをジッと観察しといてあげるから」ゴロン

亦野「あんまに見られるとプレッシャーだな……」

淡「見つめあうと素直にむちゃぶりできないってやつだね」

亦野「おしゃべりな……なんだよむちゃぶりって見つめ合わなくてもやめてほしい……」

淡「そういえばここってなにが釣れるの?ブラックバス?ブルーギル?それともアリゲーターガー?」

亦野「なんで全部外来魚なのかな……しかも淡水魚だし……」

淡「淡水魚には私の名前が入ってるからね!」フンス!

亦野「それって嬉しいことかな……」

亦野「……」

淡「心から好きだヨ~セーコ抱きしめたい~♪」

亦野「きゅ、急に恥ずかしい替え歌歌うなよ!」

淡「だけども~セーコは~釣れなくて~♪」

亦野「うるさい!いつもは大漁大漁で抱えきれないほどの釣れっぷりなんだからな!」

淡「亦野先輩っていつもの一人で釣りに来るの?」

亦野「だ、大体はね、たまにお父さんと一緒に行くよ」

淡「ファミコンじゃん!」

亦野「ファザコンだよ!ってファザコンでもないから!」

淡「いいっていいって誰にも言わないからさ、私の心の金庫に大切にしまっておくからさ」

亦野「ちゃんと警備は厳重なんだろうなその心の金庫とやらは……」

淡「ばっちしだよ象が踏んでも壊れないから……」

 プルルルルルルルル

淡「あ、テルーから電話だ!もしもしテルー?亦野先輩ってファザコンなんだって!」

亦野「言ってるそばからバラしてるんじゃねぇ!貸せ!も、もしもし宮永先輩!」

照『……』モッキュモッキュ

亦野「(なにかまた食べてる……)あ、あの宮永先輩いまの大星の言ったのは誤解でして……」

照『釣り餌の……』モッキュモッキュ

亦野「そっちのゴカイじゃないです!私のその……」

照『ファルコン?』モッキュモッキュ

亦野「誰がネバーエンディングストーリーですか!ファザコンですよ!」

照『へぇ誠子ファザコンなんだ』モッキュモッキュ

亦野「だ、だ、だからファザコンじゃないですって!誤解ですから!」

淡「亦野先輩慌てすぎでしょ……」

  ビガービガー ビガービガー

淡「はいはいはい!じゃあまた今度ねテルー!」ガチャツーツー

亦野「ハァ……」

淡「お父さんによろしくだって亦野先輩」ニコニコ

亦野「だからファザコンじゃ!……もういいや」

淡「ちょっとお父さんと仲良いだけだよねぇ」ニヤニヤ

亦野「もうそれでいいよ……」

淡「仲良くできる親ができるだけ良いよね……」ボソッ

亦野「え?なんか言ったか?」

淡「なにも言ってないよ、って亦野先輩見て!ダンゴムシの大群だよ!」

亦野「ダンゴムシじゃなくてあれはフナ虫だよ……」

淡「うう気持ち悪いよぉ……海の生き物ってなんであんなに気持ち悪いのぉ……」

亦野「フナ……」

淡「あれどうしたの亦野先輩?」

亦野「な、なんでもないよ……(フナって聞くと準決勝副将戦のトラウマが……)」

淡「テルーたちいま軽井沢で乗馬中だって!優雅な話だよね!」

亦野「たしかに弘世先輩は馬とか似合いそうだな……」

淡「亦野先輩もう釣りなんてやめて遊ぼうよ~全然釣れないじゃん」

亦野「シャーラップ!私は釣りに集中するから静かにしてろ!」

淡「はいはいわかりましたよーだ」ゴロン

亦野「絶対釣ってやるんだから……」

 ミーンミーン・・・ ミーンミーン・・

亦野「……」イライラ

淡「ふぁああ……」ゴロン

亦野「……」イライラ

淡「……」チラッ

亦野「くっ……」イライラ

淡「ねぇ亦野先輩あれからまた1時間も経ったよいつになったら一匹ぐらい釣れるの~?」

亦野「……」イライラ

淡「スルーなんてひどいなぁもう……」ゴロン

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「いたたたたたた!!!足が足が!」

亦野「……」

淡「痛い!痛い!足がおかしくなっちゃったよぉ亦野先輩!」

亦野「……」

淡「これがホントの足を釣る!ってね!」

亦野「……」チラッ

淡「えへへ」

亦野「……」プイッ

淡「プイッするのやめてよ!せっかく場を盛り上げようとしたのに!」

亦野「……」

淡「ハァ暇だよ……」グスン

亦野「私のポケットにゲーム機入ってるからそれでもやってなよ」

淡「ゲーム!?やるやるやるよ!」ガサゴソ!

亦野「く、くすぐったいな……」モジモジ

淡「うわぁゲームギアだ懐かしい!」

亦野「私はゲームボーイよりそっち派だったからね」

淡「すごーいアルカノイドやろう!」

亦野「まぁ電池入ってないけどね」

淡「ならできないじゃない!!じゃあなんで持ってきたのよもう!」プクーッ!

亦野「大星のそういう顔が見たいから」ニコニコ

淡「亦野先輩嫌い!もう知らない!」プイッ

亦野「そう拗ねるなよ……」

淡「フーンだ!」

亦野「大星はいつもそういじけるよな……」

淡「ふん……」ゴロン

亦野「しかし釣れないな……」

淡「日頃の行いが悪いからだよまったく……」ブツブツ

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「……」ゴロン

亦野「……」

淡「……」

亦野「……」

淡「ハァ……」

亦野「……」

淡(こんなハズじゃなかったのになぁ……)グスン

亦野「……」

淡(本当は海で亦野先輩とワイワイやりたかったのに……)

亦野「……」

淡(せっかくの亦野先輩とのデートなのに……)

亦野「なぁ大星、帰りたかったらほんと帰っていいよ」

淡「え……」

取りあえず今日はここまで

おつ

なんで亦野さん呼びやねん

切ないなぁ

いいところで切るなぁ……


待ったかいがあったわ

続き期待

保守

淡「きゅ、急になにを言ってるんの亦野先輩……」

亦野「だって退屈だろ釣りなんて?さっきからずっとつまらなさそうにしてるし……」

淡「たしかにそうだけど……」

亦野「釣りが好きな女子高生なんて変わってるしさ……やっぱ友達を誘うべきじゃなかったかな……」ハハハ…

淡「そ、そんなことないと思うよ!巨人応援せずにヤクルト応援する人だっているんだよ!」

亦野「よくわからないなその例え……それに大星はさ」

淡「私がどうしたの?」

亦野「私のことそんな好きじゃないみたいだし……」

淡「は?!なんで私が亦野先輩のことを嫌ってるの?!」

亦野「だって本当は私と一緒に海に行きたくなかったんだろ……昨日そんな態度だったし……」

淡「そ、それは……」

淡≪亦野先輩と二人きりはちょっと……ううう……≫

淡「あの時のあれはそーゆー意味じゃなくてその……」

亦野「……」

淡「亦野先輩と二人きりだと照れるというか恥ずかしいというか……」

亦野「恥ずかしいんだろ?やっぱ私と一緒じゃ……」ブツブツ

淡「だ、だからそーゆー意味じゃ……!」

亦野「だから良いよ帰って、ごめんなこんなつまらないことに付き合わせちゃって……
   最初から私一人で行けば良かったんだけどな……うーん……」ブツブツ

淡「むむむ……!」ギリッ!

亦野「元々私は友達が少ないし人とコミュニケーションを取るのも苦手だしだから……」ブツブツ

淡「ああもう面倒くさいなもう!このいじけ虫うじうじ虫!」

亦野「なんだと?」カチン!

淡「さっきから違うって言ってるのに一人で勝手にうじうじしちゃってさ!亦野先輩はうじうじ虫だよ!」

亦野「べ、別にうじうじしてない……!」

淡「してるね!そんなうじうじしていじけるから友達少ないんじゃないのぉ?」

亦野「うぐ……」

淡「そんなボーイッシュでかっこいい見た目してるのにうじうじ虫なんてまさにあれだね!ギャップ萌えだね!」

亦野「え?」

淡「あ、いや今のはなんでも……とにかく!うじうじして卑屈な亦野先輩は地味でおじさんくさい釣りがぴったりだよ!」

亦野「私の悪口はいいけど釣りの悪口はやめろ!それだけは絶対に許さない!!」

淡「自分の悪口にも怒ろうよそこは……」

亦野「ああもう帰れ帰れ!!一人で釣りゃいいんだろ一人で!ふん!」

淡「それがお似合いだよ亦野先輩には!麻雀部じゃなくて釣り部に入ればいいよ!」

亦野「そういう大星だって友達少ないじゃんか、人のこと言えるのかぁ?」ニヤリ

淡「う、う、う、うるさい!!!来年も東京ヴェルディはJ2だよ!良かったねっ!!」

亦野「J1に昇格するに決まってるだろ!ヴェルディの悪口も許さ……!!」

淡「うるさいうるさい!!それじゃあバイバイ!!」スタタタタタタッ!

亦野「あ!待て大星っ!!」

  スタタタタタタタタッ・・・・・・

淡「ハァハァ……」スタタタタタッ!

  スタタタタタタタタッ・・・・・・

淡「ハァハァ……」スタタタタッ!

  スタタタタタタタタッ・・・・・・

淡「ハァハァ……疲れた……」

いつの間にか淡は港の入り口付近に来ていた

淡「ホントに亦野先輩のバカ!おバカ!もう知らないもん!ふんだっ!」プクーッ

淡「……」

淡「ハァ……」

淡「……」

淡(どうしよう亦野先輩にひどいこと言っちゃったよ……)

  キュイー!キュイー!キュイー!

淡「ううう……こんなハズじゃなかったのに……」ジワッ

淡「……」

淡(どうしようどうしようこのまま喧嘩別れっていうのは嫌だよう……)

亦野≪帰れ帰れ!!一人で釣りするからもういいよ!!帰れ!≫

淡(凄い怒ってたよ……顔がフグどころかハリセンボンだったよ亦野先輩……)

淡「ううう私がもっと素直だったら……」グジュッ

淡「でも亦野先輩も悪いよ!亦野先輩があんな卑屈マシーンだとは思わなかったよ!」プンプンッ!

淡「……」

淡(元はと言えば私が勘違いしたのが悪いんだよね……
  私が勝手に泳ぎ行くと勘違いして駄々こねて亦野先輩に迷惑を掛けて……)

淡「……」

淡(亦野先輩だっていい迷惑だったハズなのに嫌な顔せずに私に付き合ってくれて……)

淡「うううバカなのは私だよ……」

淡(戻って亦野先輩に謝ろう……私は亦野先輩と仲良くなりたくて今日ここに来たんだし!)フンスッ!

淡「よし善は急げ!釣り場に……!」

チャラ男1「お!可愛い子いんじゃん!」ヒューッ!

淡「!!」

チャラ男2「うひょー!!なにこれマジ可愛い!!」

チャラ男1「君さぁここでなにしてんのさ」ニヤニヤ

淡「な、なにもしてないよ……」オドオド

チャラ男2「ひょっとして俺らに誘われるのを待ってたとか!?」ニヤニヤ

淡「んなわけないじゃん!バカなの?!」

チャラ男1「おいバカとか言われてるぞお前!」

チャラ男2「そうでーす俺バカでーす(笑)」ニヤニヤ

淡「ううう……」ビクビクッ

チャラ男1「君ヒマそうじゃん俺たちと遊ばない?」

チャラ男2「三人で楽しいことしようぜ!」ガシッ!

淡「は、離してよ!」ブルッ!

チャラ男2「もう波に乗るのも飽きたしよお、他のモノに乗りたくなっちゃったんだよねぇ」ニヤニヤ

淡「ええ意味分からないよぉ……」ウルウル

チャラ男1「このあとじっくり意味を分からせてあげるよ」ニタニタ

淡「イヤだ!!あっち行ってよ!!」バッ スタタタタタタッ!

チャラ男2「あ!待ちやがれ!!」ダダダダダダッ!

淡「ハァハァ……」スタタタタタタタッ!

チャラ男1「ねぇ待ってよぉ」ヤレヤレ

淡「ハァハァ……」スタタタタタタッ!

チャラ男2「止まれっつってんだろ!ゴルァ!」ガシィッ!

淡「うううっ!」ズズズッ!

チャラ男2「大人しくしてろや!」

チャラ男1「もう逃げられないよぉ」ニタニタ

淡「ひっぐはぁぐ……」ポロポロ

チャラ男1「そう怖がることないって俺たちこう見えて超優しいから」ニタニタ

チャラ男2「だからほらこっちおいでったら!な!」ニヤニヤ

淡「だからイヤだって!」バッ!

チャラ男1「逃げたって無駄だぜぇ」

淡「あ!もう道がない!」

気づかぬうちに淡は港の先の先へと追いやられていたのだ……!

淡「うぐ……」

もう先に海しかなかった……

淡(ど、どうしようこれじゃ本当に逃げられないよ……)ガタガタ

チャラ男2「観念するんだな!」ガシッ!

淡「イヤだよぉ……」ポタポタ

チャラ男1「ほら早く来いよコラッ!!」

淡「亦野先輩助けてっ!」ボロボロ

亦野「お前らなにしてるんだ」

淡「ま、亦野先輩!!」

チャラ男1「ああ?!なんだテメェ!!」

亦野「……」

チャラ男2「何様だテメェこの野郎!!」

淡「亦野先輩早く助けて!」

チャラ男1「なんだよ男いたのかよ」

亦野「……」

チャラ男2「いやこいつ女だぜ!」

チャラ男1「おいマジかよちょうどいいじゃねェかよ!」ニタリ

亦野「……」

チャラ男1「オレ意外とこういう女も大好物なんだよ」ニヤニヤ

チャラ男2「マジ半端ねェオマエ!」

亦野「……」

チャラ男1「おら早くこいやこちとら早くしたくてウズウズしてるんだよ!」

チャラ男2「今日はホントついてるぜ!」ニタァ!

淡(先輩……)グジュッ!

亦野「さっきから……」

チャラ男1「あ?!」

亦野「さっきからゴチャゴチャうるせぇ!!」ビシュッ!!

叫ぶやいなや亦野誠子は懐の袋からなにかを掴みチンピラ達に何かを投げつけたのだ……!

チャラ男1「うげぇ!!なんじゃこりゃ!!」

チャラ男2「ムカデ!ムカデじゃねェかこれ!!」

亦野「ムカデじゃないゴカイだ!!」

チャラ男2「おげー!!オレこーゆーのマジ苦手!!」

チャラ男1「テメェマジ調子こくんじゃ……」

亦野「黙れ!!」ビシュッ!!

チャラ男2「チャコ!!」バシン!

チャラ男1「こいつあんなキモイもん素手で投げてんじゃんマジやべぇよ……」ガタガタ

亦野「くらえっ!!」ビシュッ!!

チャラ男1「ジルバ!!」バシン!

淡「亦野先輩……」ウルウル

亦野「おりゃ!!」ビシュッ!!

チャラ男1「ギニヤアアアアア!!!」

チャラ男2「オレキモイのもう無理!!帰るわっ!!」スタタタタタタッ!

チャラ男1「おい待てやタコ!!置いてくんじゃねェ!!」スタタタタタタッ!

亦野「ハァハァ……」

淡「ううう……」ウルウル

亦野「もうチンピラはいないから安心しろ大星」

淡「亦野先輩!!うわあああああん!!」ダキィ!

淡「びえええええん!!怖かったよおおおおお!!」ボロボロ

亦野「ここらへんはああいう輩が跋扈してるからな……」ナデンコナデンコ

淡「うううごめんね亦野先輩……さっきはあんな酷いことを言って……」ポロポロ

亦野「いいよもう気にしてないから、そんなことよりさっきの場所に帰ろう」ニコニコ

淡「うん……」グジュ

亦野「大星を一人で帰らせようとした私も迂闊だったよごめんな」

淡「亦野先輩は悪くないよ……そんなことより手つないでいい?」

亦野「い、いいけど……」

淡「ううう怖かったよぉ……」ギュッ

亦野「も、もう大丈夫だって……」テレッ

淡「それにしても亦野先輩かっこよかったよヤンキー追っ払ったとき!」

亦野「それほどでもないって……」テレテレ

淡「ゴカイを投げる姿なんて審判にボールを投げつけるガルベスみたいだったよ!」

亦野「それはちょっと嬉しくないなぁ……」

淡「えへへ」

淡「海岸で若い二人が恋をする物語~♪」

亦野「またその歌か……」

二人は先ほどの釣り場まで戻り一息つく

亦野「しかし危なかったな私が助けに行ってなかったらどうなってたことか……」

淡「あいつらがまた戻ってきたらどうしよう……」

亦野「その時は私の古武術で返り討ちにしてやるから安心しな」

淡「すごい亦野先輩!ロシアの傭兵だったって噂は本当だったんだね!」

亦野「そんな話は無いから……誰がそんなデマを流したんだよ……」

淡「私だよ!」フンス!

亦野「……まぁもうあんな目に遭いたくないんだったら私のそばを離れるなよ」

淡「うんずーっと離れない!ずっとそばにいるよ!!」ギューッ!

亦野「あ、暑苦しいから離れろって!」テレテレ

淡「それにしても相変わらずお魚釣れてないんだね!やっぱり下手っぴなんじゃないのぉ?!」ニヤニヤ

亦野「こんな日もあるから……大星だって全然和了れない日とかあるだろ……」

淡「ふんっ!私をそんな凡人と一緒にしてもらっちゃ困るね、私は将来を約束された麻雀界のニューヒロインだよ」フフン!

亦野「はいはい……」

淡「亦野先輩なんて私の腰元にも及ばない存在だからね!」

亦野「なんなのその中途半端に及んでる感じは……」

淡「そうだっ!私が亦野先輩の釣りを手伝ってあげるよ!」

亦野「え……」

淡「一人で釣るより二人で釣ったほうが効率が良いと思わない?」

亦野「大星が釣りたいって言うなら良いけど……大丈夫か?」

淡「当たり前じゃん!麻雀でも釣りでも私が上だということを見せつけてあげるよ」ニヤッ

亦野「そこまで言うならやってもらおうじゃないか!はい予備の釣り竿!」サッ!

淡「これで魚を突き刺すんだよね」

亦野「だからモリじゃないから……さっきまでの私を見てないのか……」

淡「うううエサは亦野先輩が付けて……ゴカイ気持ち悪いよぉ……」

亦野「別にゴカイ使わなくてこの練り餌で釣れるから大丈夫だよ……」ネリネリ

淡「ゴカイ使わないの?」

亦野「今日はね」ネリネリ

淡「じゃあなんで持ってきてるの……」

亦野「だって可愛いし……」

淡「これが!?うううやっぱ亦野先輩おかしいよ……」

亦野「鹿島アントラーズを応援せずに水戸ホーリーホックを応援してる人だっているんだからおかしくないって」ネリネリ

淡「その例えはよくわからないな……」

亦野「フフンフフン♪」

淡「……」

亦野「フフーン♪」

淡「私今日亦野先輩と一緒に海に来れて良かったよ……」

亦野「そ、そうか?」

淡「うん、なんか前より仲良くなれた気がするよ」

亦野「そう思ってもらえたなら私も嬉しいよ」

淡「前々から思ってたけど亦野先輩って私に対してよそよそしくない?」

亦野「そんなことはないと思うけど……」

淡「たまにからかいに来るぐらいであまり一緒にいようとしないじゃん、だから私亦野先輩に嫌われてるのかと……」

亦野「そんなことないって!むしろ大星のほうがあまり私と関わろうとしない気がするけど……」

淡「全然嫌いじゃないよ!むしろす……」

亦野「す?」

淡「す……亦野先輩って笑点で言うところのピンクだよね!」

亦野「私のどこか好楽なんだよ!てか『す』はどこ行った……」

淡「亦野先輩は甘くてすっぱい人だからね」

亦野「だから意味分からないって……ところで前から思ってたけど大星って私のこと苗字で呼ぶよね
   ほかのみんなのことは下の名前で呼ぶのに、テルーとかスミーレとかたかみーとかセホーンとか」

淡「最後誰さ……だって亦野先輩も私のこと苗字で呼ぶじゃん」

亦野「私は基本あまり人を下の名前で呼ばないし」

淡「ずるいよ!もっと仲良くなるためには苗字呼びじゃよそよそしすぎる!下の名で呼んで!
  そしたら私も亦野先輩のこと苗字じゃなくて名前で呼んであげるから!」

亦野「わかったわかった、じゃあいくよ」

淡「うん!」

亦野「あ……」

淡「ふふん♪」

亦野「あ……」

淡「うんうん!」

亦野(なんだろう……意識するとすごく恥ずかしい……)

亦野「あ……」

淡「どうした早くしてよぉ」プンプン!

亦野「せ、急かすなよ……あ……」

淡「うんうん!!」キラキラ!

亦野「(は、恥ずかしい……)あわ……」

淡「海岸で若い二人が恋をする物語~♪」

亦野「あわ……」

淡「うん!!」

亦野「……淡口憲治」

淡「それ元巨人の選手じゃん!!私そんな名前じゃないよ!!」

亦野「わかったよ淡!!淡淡淡!!淡!!」

淡「よくできました!やればできるじゃん!!」

亦野「ううう下の名前で呼ぶの意外と恥ずかしいんだな……」

淡「イコけっこう恥ずかしがり屋なんだね」

亦野「セを抜くな!!私の名前はセ・イ・コ!!」

淡「分かってるよぉ!セーコセーコセーコ!!」

亦野「ああもう面倒くさいな!はい餌つけたからさっさとっと釣れ!」

淡「釣りデビューだよ!えいっ!」ビシュッ!

亦野「まぁどうせおおほ……淡のことだしすぐ飽きるだろうな、お前はこらえ性がないしな」ニヒヒ

淡「侮れってもらっちゃ困るね!私は釣り仙人が泣いて羨むほどの腕の持ち主なんだよ?」

亦野「釣り仙人ってなんだよ……そんな素人がすぐに釣れるほど釣りは甘くは……」

淡「うわうわ!!なんかすごく引っ張られてるよ!!な、なにこれセーコ!!助けて!!」グイグイグイッ!

亦野「うそっ!!はやっ!!」

淡「た、助けて落ちちゃう!!」グイグイグイグイグイ!!!

亦野「ま、待て!!絶対離すなよ!!」ガバッ!!

淡「すごい力だよ!うぐぅ!!」ググググググググッ!

亦野誠子は急いで大星淡と一緒に釣り竿を引っ張る

亦野「ホントにすごい力だっ……!!」ググググググッ!!

淡「初めての共同作業だね!!」ギィーーー!!ギィーーーー!!

亦野「そんな洒落たもんじゃないから!!うぐっ!これは大物だよ!!」ギィーーー!!ギィーーーー!!

淡「えい!!えい!!」ギィーーー!!ギィーーーー!!

亦野と釣り竿を持ちながら淡は改めて思う

淡(やっぱり!!今日は!!海に来て!!良かった!!な!!)

亦野誠子と距離が縮んだことが淡はとても嬉しかったのだ……

亦野「おりゃ!!せい!!そりゃ!!」グイグイグイッ!!

淡(海で泳ぐことはできなかったけどセーコと仲良くなれたし今日は満足だよ!)

亦野「あ、淡!力を抜くな!!」

淡「セーコって麻雀の時とは違ってお魚釣ってるときはかっこいいね!!」

亦野「麻雀の時もかっこいいから!そろそろ釣れそうだ!!ひさと!!そりゃ!!」

淡「フフンフフンフフーン♪」

亦野「キターーー!!!釣れたァァァ!!」バシャーン!!

亦野誠子と仲良くなれた……今日は淡にとって忘れられない夏の一日になったのだった……

淡「うわぁすごい大きな魚だね!!」

亦野「くぅぅぅぅ!!この瞬間がサイコーなんだよ!!大物を釣り上げたこの瞬間がさァ!!」ニシシ!!

淡「でも私のおかげで釣れたんだからねぇ」ニヤニヤ

亦野「わかってるわかってるって!3割は淡のおかげだな」

淡「8割は私のおかげだよ!ンモー!!」プクーッ!!

亦野「これで淡も釣りの魅力に病みつきだろう!どんどん釣ろうどんどん!」ニシシ!

淡「ところでそのお魚はなんてお魚なの?」

亦野「これはそうだな……鯉だなこの魚」

淡「鯉?!鯉って川のお魚じゃん!なんで海にいるの?!」

亦野「なんでだろうな……あ!!」

淡「ん?どうしたのセーコ?」

亦野「きひひ……」ニヤニヤ

淡「どうしたのセーコ……とうとうヴェルディが勝てなさすぎて頭が……」

亦野「これがホントの……」

淡「これがホントの?」

亦野「これがホントの海岸で若い二人が鯉を釣る物語ってね」ニヤリ

淡「さむっ……」

       淡「セーコの海岸物語!」   カン

以上ですお
読んでくれた人てんきゅー

寝るお

おつ
サザンか

乙乙

おつ
また改造シリーズも書いて欲しいな

なんで亦野さん呼びやねん

ぜひまた書いてくれ

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