―鎮守府、駆逐艦寮―

曙「どう思う？」

霞「どう思うって何が？」

曙「あのクソ提督のことよ！毎日毎日遠征と演習ばっか！出撃なんて一切なし！艦娘ってもんをナメてるんじゃないの!?」

霞「またその話？毎回毎回よく飽きないわね」

曙「・・・あんた、ここに来てどのくらい？」

霞「五か月と少し・・・くらい」

曙「そう、私は私は六か月と二週間、無駄に多かった演習と遠征のおかげで練度は５９であんたは５３、正面海域どころかキス島だって平気なはず」

曙「なのに、私たちは敵と火砲を交えたこともない、実戦海域へ行ったこともない、おかしいと思わない？」

霞「私だって文句はあるわ、敵・・・深海棲艦を見たことがないなんて、あり得ない」

曙「でしょう？」

霞「でも、闇雲に噛み付いたってあしらわれるのがオチよ？」

霞「那智さんだって何してくるかわかんないし・・・」

曙「分かってるわ、そこでこれよ」

霞「・・・何？その用紙の束？」

曙「抗議文よ、かなりの人数分集めてきたわ」

霞「ふーん・・・、それで？」

曙「これを片手に提督の下で直談判、呑まないなら大本営に直訴するって問い詰めるの」

霞「・・・あんた、大本営にコネなんてあるの？」

曙「う、うるさいわね、ただの脅しよ」

霞「はあ・・・、で、誰がやんの？それ」

曙「あんたよ」

霞「私!?」

曙「そう、抗議文集めるときに誰が適任か聞いたらあんたが一位だったわ」

霞「ちょ、ちょっと！」

曙「じゃ、私はもう行くわ、怯ませるくらい怒鳴り散らしてくるのよ！」

　　　　　　　　　　　　－バタン！－

霞「・・・はあ、まったく・・・」

霞「とりあえず執務室に上がり込むしかないわね・・・」