みくりーな「ポッキーゲーム?」 (34)
※百合あり
※アニメ準拠
です
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―事務所―
杏(あ~、今日も仕事めんどいな~)ダラー
杏(おっ、まだ誰も来てないじゃん)
杏(レッスン始まるまで寝るしかないね)コテン
杏(ふわぁ~、おやすみ~)
杏「…………」スヤスヤ
ガチャ
みく「おっはよー!」
李衣菜「私たちが一番みたいだね」
杏(うぇ~……寝ようと思った矢先に~)
杏(気付かれてないみたいだし、このまま隠れとこ)
李衣菜「みんながいるとあんなに賑やかなのに、二人だけだと静かだね」
みく「ん~、なんだか落ち着きすぎて眠くなっちゃうにゃ……」ポフッ
李衣菜「み、みく?急に寄りかかってきてどうしたの?」
みく「みくは学校で疲れちゃったの、りーなチャンの胸で寝かせて欲しいにゃ」
李衣菜「もぉ、しょうがないなぁ」ギュッ
杏「……?」
杏(えぇ~、なにこれ、いつもケンカしてるくせに二人の時はこんな感じなの?)
杏(何も見なかったことにして、立ち去りたいよ……)
杏(まぁいいや……寝てしまえば問題ない……)
李衣菜「あれ?みく、いつもとちょっと匂いが違うね」スンスン
みく「うんっ、シャンプー変えてみたの!どうかな?」
李衣菜「甘くてすごくいいと思うよ」
みく「えへへ、今度うちに来た時、りーなチャンにも使わせてあげるにゃ~」
杏「…………」ゴロン
杏(ああ~!会話が気になって眠れない……!)
ガチャ
未央「みんなー!おっはよー!」
卯月「おはようございます!あ、みくちゃんと李衣菜ちゃん……?」
みく「にゃあああああ!ねこアッパーにゃあぁぁぁ!」ブゥン
李衣菜「うわっ!あぶなっ!」サッ
杏(え~……)
みく「にゃふふ、このみくにあれだけ間合いを詰めさせたら危険に決まってるにゃ!」
李衣菜「なに~、あんなに油断させといて!卑怯だぞ!」
卯月「なるほど!ボクシングの練習をしてたんですね!」
凛「二人ともかなりのインファイターなんだね」
杏(一部始終見てた身としては、恥ずかしくてしょうがない反応なんだけど……)
かな子「おはよう~、今日もにぎやかだね~」
智絵里「おはようございます、みくちゃんと李衣菜ちゃん、やっぱり仲良しさんですね」
みく「ぜんっぜんそんなことないにゃ!」
李衣菜「そうだよ!仕事の仲間としては認めてるけど、それだけだから!」
みく「ぐぬぬ……それはこっちのセリフにゃ!」
杏「あー……めんどくさい……」
智絵里「あっ、杏ちゃん、いたんですね」
杏「ねぇ、あれめんどくさくない?」
かな子「みくちゃんと李衣菜ちゃんのこと?」
杏「うん、めんどくさいよね」
かな子「そ、そうかな……?」
智絵里「仲良しで微笑ましいと思うけど……」
杏「なんかさ、恥ずかしくて素直になれないみたいな……そういう青春みたいなやつ?イライラしない?」
智絵里「ご、ごめんなさい、よく分からないです……」
杏「そっかぁ、ならいいんだ」
杏(二人とも、そういうの疎そうだからな~……ここは、杏が一肌脱ぐしかないか)
杏(なるべく杏が頑張らなくていい方法で……)
杏「かな子ちゃん、ちょっとバッグの中見せてくれない?」
かな子「うん、お菓子ばっかりだけどいい?」
杏「大丈夫大丈夫~」ガサゴソ
杏「おっ、これもらっていい?」スッ
かな子「いいよ~、でも珍しいね、杏ちゃんがキャンディー以外を欲しがるなんて」
杏「まぁ、ちょっとね~」
ガチャ
美波「おはよう、今日来れる人は全員集まってるかな?」
アーニャ「レッスン、いきましょう!」
―レッスン後―
智絵里「お、お疲れさまでしたっ」
かな子「うぅ~、糖分補給しなきゃ~……」ムシャー
李衣菜「あー、みくのせいで全然合わなかったじゃん」
みく「あ、あれはちょっと勘違いしてただけで……!李衣菜ちゃんが早く教えてくれれば良かったのにー!」
未央「ひゅーっ、相変わらずお熱いねー!」
李衣菜「ち、違うって!」カァァァッ
みく「そうにゃ!みく達はお弁当の残りを夜に食べるくらい冷え切ってるにゃ!」
杏(顔赤らめてるくせに否定して……ほんと見てらんないよ……)
杏(でも、この辺りでおそらく第一の計略が……)
アーニャ「ミナミ、ポッキーゲームしましょう!」
美波「え!?」
みんな「!?」
美波「えっと……急にどうしたの、アーニャちゃん?」
みく「ポッキーゲームって何か知ってるにゃ?」
アーニャ「ダー、二人でポッキーを両側から、折らずに食べるゲームですね」
李衣菜「な、なんでやりたいの?」
アーニャ「ニホンでは、大切なヒトとやるゲームだと聞きました。それなら、ミナミとやってみたい、です」
美波「そんなこと、誰から教わったの……?」
アーニャ「アー、それは、言えません、ヒミツです」
美波「手に持ってるポッキーは……?」
アーニャ「その人からもらいました!さぁ、やりましょう!」キラキラ
美波「……うーんとね、こういう所でやるのはあんまり良くないような……」
アーニャ「ミナミ……もしかして、アーニャは大切じゃない……ですか?」ウルウル
美波「そ、そんなことないよ!やろっか!」
凛「ちょろいね、美波……」
アーニャ「よろしく、お願いします」パクッ
美波「うん……いくよ……」パクッ
アーニャ「……」ポリポリ
美波「んっ……」ポリポリ
アーニャ「……」ポリポリ
美波「……っ!」ピタッ
アーニャ「んー……」ポリポリ
美波「……っん……!」ボキッ
アーニャ「アー…………」シュンッ
美波「……ぅぅ……」カァァァッ
アーニャ「……残念、シッパイですね」
美波「……う、うん……惜しかったね」
アーニャ「でも、ミナミの顔、ちかくで見れて、良かったです」
美波「も、もう!アーニャちゃんも綺麗だったよ!」
みく「アーにゃん、さすが大胆にゃ……」
智絵里「あぅ、見てるだけなのにドキドキしました……」
かな子「だよね~、キスしちゃうかもって思っちゃった」
アーニャ「ミナミ、もう一回……」
美波「だ、だめ!今日はもう終わり!」
アーニャ「ダー、わかりました……」
李衣菜「わ~……なんかすごいな~……」ゴクッ
杏「ロックだよね」コソッ
李衣菜「え?」ピクッ
杏「キスにも怯まず、ポッキーゲームするのってロックだよね~、さすがロシアとのハーフなだけあるよね~」
李衣菜「そうなの?ポッキーゲームってロックなの?」
杏「杏はそう思うな~、夏樹ちゃんもそう言ってたな~」
李衣菜「ほんと!?」ガタッ
杏「アーニャちゃん、まだポッキー持ってるんじゃないかな~?」
李衣菜「ね、ねぇ、アーニャ、それもらっていい?」
アーニャ「ダー、どうぞ」スッ
李衣菜「ありがとっ!」パッ
李衣菜「さて……と」
杏「ゲームするなら相手がいないとね~誰にするの~?」
李衣菜「そ、それは……やっぱり……」チラッ
みく「にゃ?」
李衣菜「みくちゃん!やろう!」ガシッ
みく「にゃああ!?」
李衣菜「お願い!私、もっとロックになりたいんだ!」
みく「いやいやいや!だからって何でみくなの!?」
李衣菜「そ、それは……ほ、ほら、身長同じだから!やりやすそうだから!」
みく「はぁ~!?それだけ?」
李衣菜「いいじゃん、理由なんて何でも!」
みく「み、みくはやらないからね!アイドルとしてそんな破廉恥な……!」
李衣菜「へ、へぇ~、ビビってるんだ~、キスするかもしれないからって~」
みく「……にゃ?」ピクッ
李衣菜「たかがキ、キスくらいで!子どもだな~みくちゃんは!」
みく「な、なにを~!?」ガタッ
李衣菜「あっ、もしかしてしたことなかったり?それじゃ怖いのも仕方ないよね!」
みく「……言っとくけど……キスくらい全然平気にゃ!」パクッ
李衣菜「よーし、どっちが多く食べられるか勝負だからね!」パクッ
未央「おーっと!これは面白い戦いになりそうだー!」
凛「いや、そんなルールだったっけ?」
みく「っ……!」ポリポリ
李衣菜「……!」ポリポリ
未央「両者一歩も譲りませんなー!」
智絵里「わー……」ドキドキ
みく「んー……」ポリポリ
李衣菜「……!?」ピタッ
李衣菜(か、顔近いって!お、折らないと……あー、でもそれじゃロックじゃない……?)
みく「ふ……っ!」ポリ
李衣菜「……!」
李衣菜(というか、もう間に合わな――)
みく「…………」
李衣菜「…………」
李衣菜(……人の唇って、こんなに熱いんだ)
未央「あ、ま、まさか本当に……い、いやー、今のはみくにゃんの勝ち!かなー!あははは……」
智絵里「……っ!」キュー
かな子「智絵里ちゃん、大丈夫!?」
李衣菜「み、みくちゃん……あのさ……」
みく「……帰る……」フラッ
李衣菜「えっ……」
みく「帰るにゃ……」フラフラ
ガチャ
李衣菜「ま、待って!私が悪かった!」タタッ
バタン
卯月「二人とも、行っちゃいましたね……」
美波「やっぱり恥ずかしいよね……」
凛「ちゃんと見てたけど……完全に触れ合ってたね、あれは……」
かな子「だ、大丈夫かな……?」
杏「杏が見てくるよ」スクッ
未央「杏ちゃん、お願いっ!」
凛「任せたよ、本当に解散したら嫌だから」
杏「うん、みんなはちょっと待っててね」スタスタ
杏(な、なんてこった~!杏の作戦が~!)
杏(公の場でくっつけちゃえば、めんどくさい関係見せられなくて済むと思ったのに~!)
杏(余計ややこしくなってるじゃん!杏の安息を返せ~!)
みく「…………」タッ
李衣菜「みくっ!」ガシッ
みく「……なに?」
李衣菜「えっと……ごめん」
みく「……みく、怒ってたんだよ」
李衣菜「……うん」
みく「怒ってたの、キスしちゃうかもしれないのに、ポッキーゲームやろうなんて軽々しく言い出すんだもん」
李衣菜「そう……だよね」
みく「怒ってたから……りーなチャンの唇に噛み付いてやろうって気持ちでポッキーくわえたの……」
李衣菜「ごめん……」
みく「それくらい怒ってた……怒ってたのに……!」
みく「りーなチャンとキスしたら……全部消えちゃって……!今でも心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしてるの……!」
李衣菜「……え?」
みく「どうしてくれるにゃ……怒りたいのに、りーなチャンが追いかけてくれたのが嬉しくて、笑顔になっちゃうの!」
李衣菜「そ、そんなの、私もだよ!」
みく「え……?」
李衣菜「私だってドキドキしてるよ、キスなんてしたことなかったもん……!」
みく「は、はぁ~?みくを挑発する時、あんなこと言ってたくせに!?」
李衣菜「う、うるさいなー、あの時はみくとポッキーゲームしたくてしょうがなかったから……」
みく「……そうなの?」
李衣菜「ラブライカの二人を見てたら、私もみくと……してみたいなって……」
みく「ほ、ほんとに?」
李衣菜「杏ちゃんにロックだって言われてすぐに乗っかったのも……いい口実ができたって内心嬉しくて……」
みく「はぁ……りーなチャンは本当にヘタレにゃ」
李衣菜「初キスで恥ずかしくなって帰っちゃう誰かさんよりはマシだと思うけど」
みく「なにを~、えへへっ」コツン
李衣菜「やったな~、ふふっ」ペシッ
みく「ねぇ、ちゃんとしたの……欲しいにゃ」
李衣菜「……いいよ、目つぶって」
みく「ん……」キュッ
李衣菜「いくよ……」グッ
みく「…………」
李衣菜「…………」
みく「りーなチャン、甘いにゃ」
李衣菜「ポッキー、食べたばっかりだからね」
みく「それだけじゃないと思うっ」
李衣菜「……みくちゃん、好きだよ」
みく「うん、みくも李衣菜ちゃんのこと好き……」ギュッ
杏「…………」コソッ
杏(な~んだ、杏が心配する必要なかったじゃん)
杏(あんなに幸せそうな顔が見れたなら、アーニャちゃんに協力してもらった甲斐もあったかな)
杏(ともかく、これで明日からは平穏な日々が過ごせそう)
杏(双葉杏はクールに去るぜ)
―事務所―
杏(よーし、今日も一番乗り!思いっきり寝るぞ~!)コテン
杏(ふぅ~、あのバカップルも来ないし快適快適~)スヤスヤ
ガチャ
???「杏ちゃん」
杏「…………なに?」
???「聞いたよ、アスタリスクのために杏ちゃんが暗躍したって噂」
杏「どこからそんな噂が……」
???「今度はアタシのために、協力してくれないかな?」
杏「……その声は……!」
???「アタシをみりあちゃんとキスさせて!」
杏「帰れー!!」
おわり
読んで下さった方はありがとうございました
とりあえずこの二人をいちゃつかせたかったんです
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