【モバマス】添い寝オムニバス (29)
~持田亜里沙~
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お疲れ様でーす……って、事務所に誰もいない?
あ……もう、机に突っ伏して寝ちゃって。
寝るならちゃんと仮眠室で寝ましょうねー?
……。
起きそうもないわね。
仕方ない、仮眠室に連れて行ってあげましょう。
よいしょっと。
…………。
あー重かった。
って幼稚園児と同じに考えちゃダメよね。
ちゃんと寝てるのかしら……。
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スーツのままだと寝づらそうね……シワにもなっちゃうし。
ジャケットは脱がせて……ネクタイ緩めて……。
ベルトは…………。
えーい、ここまでやったら緩めちゃいましょう。
それから、シャツのボタンも外したほうがリラックスできるわよね。
あら、ごめんなさい。起こしちゃった?
お母さんじゃないですよー、ありさ先生ですよー。
うん、分かった。寝ぼけてるのね。
じゃあね、ありさ先生が……いえ、お母さんが子守唄歌ってあげますからね。
もう少しおやすみなさい。
あっという間に寝ちゃった。
いつも頑張ってるの、ありさ先生は知ってますよ。
だからたまにはゆっくり休んで下さい。
……。
お母さんなら、添い寝してもおかしくないですよね?
お邪魔しまーす。
はい、おはようございます。
お母さんに添い寝してもらってた?
それは夢ですよ。ふふふ。
いえ、なんでもありませーん。
~片桐早苗~
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うおお、頭痛い……。
あれ、なんでP君があたしのベッドで寝てるの?
いや、よく見たらここはあたしの部屋じゃない……ホテルとかでもない。
ということはP君の部屋か。
えーと、昨夜は居酒屋行って……。
酔いつぶれたあたしをP君が運んだ……っていういつものパターンかな?
……まったく。
こんな良い女がそばにいるのにグースカ寝ちゃうなんて。
女と思われてないんじゃないかしら。
…………なーんてね。
そこで手を出さないP君だから、あたしは信頼してるのよ。
まだ寝てよっと。
ん……しょ。
誰かと一緒に寝るのって久しぶりだな……。
へへ、P君抱きまくらー。
……。
…………いつか。
あたしの部屋にも泊まりに来てちょうだいね……。
~佐々木千枝~
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トントン……トントントン……。
お願い……お願いだから起きてください。
あっ、Pさん……よ、良かったぁ……うう、ぐすっ。
こんな時間にごめんなさい、でも、その。
は、はい。お邪魔します。
あれっ、Pさんの部屋のほうが狭いんですね。
……一緒なんですか?
じゃあ、不安で広く見えてたのかもしれませんね。
ホテルに一人で泊まるなんて初めてだから……。
それで、その、怖い夢見てしまって。
我慢して寝ようと思ったんですけど、どうしても寝付けなかったんです。
だから……Pさんと一緒に寝てもいいですか?
無理ですっ。一人でお部屋に戻っても……怖くて眠れません。
良いですか? ああ、良かったぁ~。
それじゃ、ベッド失礼します。
えへへ、Pさんの身体大きいですね。
はぁ~……これなら安心して眠れそうです。
このことは誰にも言わないでくださいね。
だって恥ずかしいじゃないですか。
怖い夢見て一人じゃ眠れないなんて、いかにも子供っぽいです。
千枝は早く素敵なオトナの女性になりたいです。
今度、ロケでお泊りがあったら一人で寝ますから……今日だけは。
え……? そうなんですか?
オトナの女性はわざと子供っぽく振る舞って甘えたりする……。
うーん、千枝にはよく分からないです。
でもそれなら、次もPさんと一緒に寝て良いのかな……?
もっといろんなこと教えて、千枝をオトナにしてくださいね……。
~伊集院惠~
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行き当たりばったりで旅行してればこんなこともあるわよ。
ちゃんと泊まれるところがあっただけでもありがたいわ。
……無計画にふらっと出かけるから、一緒に来てくれる人がなかなかいないのよね。
それでもPさんは、誘えば付いて来てくれるから嬉しいわ。
だから……。
同じ部屋で寝ることになっても、ちっとも嫌じゃないのよ?
たとえそれがダブルベッドでも。
観念した? そう、良かったわ。
私も一緒にソファで寝ようかと、本気で考えていたところだから。
だって一人でなんて寂しくて眠れない……Pさんのぬくもりが欲しいの。
ふふ、どうかしらね。もしかしたら本当に酔ってるかも。
……でもね。
確かに10代の子が多いけど、私だってまだ21よ。
どうも実年齢より上に見られることが多いのよね。
たまには年上の素敵な男性に甘えたくなるの。
分かってもらえた? ……うん、ありがと。
…………次の旅行でもPさんと添い寝できたら良いな……。
なんでもないわ、ひとりごとよ。
~クラリス~
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送っていただいてありがとうございました。
でもすっかり遅くなってしまいましたね。P様もお疲れでしょう。
良かったら泊まっていかれませんか?
え? ……あ、そうでした。
教会にいた頃は行く宛のない方を泊めてさしあげたりしてましたから、つい……。
ここは教会ではなく私の住んでるマンションでしたわ。
狼、ですか?
この辺りで出るとは聞いたことありませんが……。
あ、ああ…………そういう、意味でしたか。
でも大丈夫ですわ。
これでも人を見る目はあるつもりです。
誰でも泊めるわけではありませんから、ご安心くださいな。
……やはり、とても眠そうです。
どうかお願いですから私の部屋で休んでいかれてください。
もし帰る途中で事故にでもあわれたら……。
どうして強く引き止めなかったのかと一生後悔してしまいそうです。
せめて少しでも仮眠を……。
分かりました、1時間ほどしたら起こします。
私のベッドで申し訳ありませんが、ゆっくりお休みなさいませ。
……。
……嘘を、付いてしまいました。
せめてとびきりの朝食をご用意いたしますので、どうかお許し下さい。
ふふ、寝顔はまるで子供のよう。
……くしゅんっ。今夜は冷えるようですね。
っ! わ、私ったらなんて破廉恥なことを……!
P様と同じベッドで寝るなんて、ああ、でも……。
……。
P様は狼というより悪魔です。
私の心をこんなに惑わすのですから。
この誘惑に抗えそうもありません。まだまだ未熟ですね……。
P様、温めてくださいませ……。
~櫻井桃華~
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Pちゃま、眠そうですわね。少し休んだらいかが?
……そうですわ、わたくしが膝枕してさしあげます。
遠慮なさらないで。わたくしとPちゃまの仲ではありませんか。
ほーら。早く。
……うふふ、いかがかしら。
わたくしのために、いつも遅くまでお仕事してるPちゃまですもの。
ちっとも嫌じゃありませんわ。
……眠ったようですわね。
しばらくは起こさないようにしないと。
……っ! Pちゃま、ちょ、ちょっと……。
上を向いて寝てくださいまし。
さ、さすがに……お腹に顔を埋められると恥ずかしいですわっ。
よい……しょ。
ふう、これで……って、また!?
普段横向いて寝てるのかしら。
なんだかお腹の匂いをかがれてるようで、これは……。
ううっ、もう耐えられませんわ!
ごめんなさい、わたくしから言い出したことなのに……逃げてしまいましたわ。
あっ、Pちゃま。起きてしまいましたの……。
い、いえ、決して……膝枕が嫌になったわけではありませんのよ。
ただ、えっと、Pちゃまに……なんて言えば良いのかしら。
恥ずかしい思いをしたのはわたくし、だから……。
そうですわ、Pちゃまに辱められたんですの!
…………ちょっと違う気がしますわ。
ともかく、申し訳ないですけれど膝枕は中止ですわ。
そのかわり、今度は添い寝してさしあげます。
添い寝ならさっきのようなことは……あ、いえ、なんでもありませんわ。
さあPちゃま、わたくしと一緒にもう一眠りいたしましょう。
そんなに膝枕が良かったんですの?
薔薇のような香り……って、そ、それはひょっとして……!
たとえ褒め言葉でも恥ずかしいですわ!
やっぱりPちゃまはわたくしを辱めますのね!?
~三船美優~
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んっ……あ、いえ、大丈夫です。
ちょっとくすぐったかっただけです……。
とっても優しい手つきで、マッサージされてるみたいに気持ちいいです。
髪は女の命、なんて言いますけど……今私は、命をPさんに預けているのかしら。
ふふっ、おかしなことを言ってしまいましたね。
ただ、髪を乾かしてもらうなんて、母にしかやってもらった記憶が無くて……。
そうですよ、父ですら……少なくとも物心ついてからは無いはずです。
男性ではPさんが初めて……なんですよ?
私のいろんな初めてがPさんのもの、です。
乾きました? ありがとうございます。
では、あの……もう遅いですし、お休み……しましょうか。
ま、待ってくださいっ。
私が先にベッドに入りますから……Pさんはそのあとで……。
だ、だって私があとだと……その、ううう……。
どうしても言わなきゃだめ、ですか……?
さらっと流してくれればいいのに。いじわる……。
あとからベッドに入ると、Pさんを求めてるみたいだから……。
……やっぱりだめっ!
Pさんはソファで寝てください!
あぁ~私の馬鹿っ。なんであんなこと言っちゃったのかしら。
自分の言ったことで意識してしまって……。
きゃあっ、Pさん!?
だめって言ったじゃないですか!
だ、だめ……です。恥ずかしい……。
もうっ、強引なんだから。
……。
強引だけど、私にはちょうど良いのかも……。
だってせっかくなのに、一緒に寝られないなんて嫌です。
ふふ、Pさんがこんなに近くに……。
これからも強引に私を引っ張っていってください、ね……?
~財前時子~
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……あぁん?
バカなこと言わないで。
この私がなんで豚と一緒に寝なければいけないのかしら。
豚は豚小屋で寝るものよ?
屋根のあるところで寝られるだけマシと思いなさい。
……しつこい!
……。
そうね、時子様があまりにも魅力的でついそんな妄想をしてしまう、というのも分からないではないわ。
私にふさわしい男なら考えなくもないけど。
今のアナタは紛れもない豚よ。
どうすれば私にふさわしい男になれるか?
教えるわけないでしょう、自分で考えなさい。
……いえ、考える脳みそすら無いのよね、今のは私が悪かったわ。
じゃあ特別に教えてあげる。
いついかなるときも時子様の豚であり続けること。
そうねぇ……とりあえず10年くらい?
そうしたら第一ヒントをあげるわ。
クククッ、私にふさわしい男になれるまで何十年かかるかしらね。
おわり
最近ようやく時子様の魅力がわかってきました
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