戦士「今日から戦闘力ってのが導入されるらしい」 (17)

戦士「今日から戦闘力ってのが導入されるらしい」

格闘家「戦闘力? なんだそりゃ?」

戦士「一言でいや、俺たちの強さが数値化されるってことだ」

戦士「で、その数値はこの装置で測定できるんだと」

女「へぇ、面白そう! さっそく測ってみようよ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444151254

戦士:100

格闘家:110

女:85



格闘家「お、オレが一番だな!」

戦士「くそっ、二位か」

女「むうう……納得いかない。けど、数字で出てる以上、仕方ないか」

戦士「とにかく、今後はこの戦闘力なる数値が重要になるらしい」

戦士「積極的に戦闘力を上げていこう!」

格闘家「おう!」

女「そうね!」

怪物「ガアアアアッ!」



格闘家「強そうな奴だ……あの怪物の戦闘力はいくつだ?」

戦士「えぇと、270だ!」

女「あたしたちより上じゃない!」

戦士「だけど、全員でかかれば俺たちの戦闘力は295になるから、勝ち目はある!」

戦士:120

格闘家:140

女:95



戦士「今回の戦いで、俺たちの戦闘力も少し上がったな」

格闘家「お、やったぜ!」

女「こうして強さが視覚化されるってのはいいことね」

戦士「うん、きっと俺たちの戦いもますますヒートアップしていくことだろう!」

戦士:350

格闘家:400

女:250



格闘家「あの竜の戦闘力はいくつだ!?」

戦士「1000だ! 俺たちの合計戦闘力と全く同じだ!」

女「強敵ね! いよいよ、この戦いの旅も佳境に入ってきたって感じね」



竜「グオォォォォォン!!!」

戦士:1300

格闘家:1500

女:1090



戦士「いよいよ俺たちの戦闘力も1000の大台に乗ったな!」

格闘家「ああ、ようやく“一流”になれたって気がするぜ」

女「もっともっと戦闘力を上げましょ!」

破壊神「グギャアアァァ……!」ボシュゥゥゥゥゥ…



女「はぁ、はぁ、やった! 戦闘力8000の破壊神を倒せたわ!」

戦士「うん、俺たちはますます強くなってるぞ!」

格闘家「成果が具体的な数値で見られるから伸びが違うな!」

戦士:13800

格闘家:15000

女:12500



戦士「ついに、全員戦闘力1万突破か……」

女「今のあたしなら、前倒した破壊神を一人で倒せるってこと? 実感ないなぁ……」

格闘家「だが、事実だぜ! 数字は嘘をつかねえからな!」

格闘家「やったぜ、戦闘時のみ戦闘力を50倍にする奥義を会得できた!」

女「つまり、あたしたちの戦闘力は今測定できる数値の実質50倍ってことね!」

戦士「そういうことだ。これでますます俺たちの戦いは有利になる!」



戦士:160000

格闘家:195000

女:147000

※ただし戦闘時は50倍

戦士「あの奥義を会得したら、戦いはもっと楽になると思ってたが……」ハァハァ…

女「敵もどんどん強くなっていくわね……」ハァハァ…

格闘家「今のは強敵だった……なかなかうまくいかねえもんだな……」ハァハァ…

戦士「うおおおおおおおっ!」ゴゴゴゴゴ…

戦士「どうだ? 今の俺の最大戦闘力は!」



格闘家「おおっ、すげえ! 3000万を超えたぞ!」

女「1億が見えてきたわね!」

戦士:76000000000000

格闘家:81000000000000

女:65000000000000

※ただし戦闘時は300倍



戦士「俺たちもだいぶ強くなったが、敵もどんどん強くなってるな」

格闘家「ああ、だがへこたれてる場合じゃねえぜ!」

女「そうよ! 頑張りましょ!」

――――――

――――

――

一般人「え? 私の戦闘力ですか?」

一般人「1000000000000000000ですよ」

一般人「なんでこんなことになったかっていうと、
    戦士さんたちが強くなったから、戦いに巻き込まれる我々のような人間も、
    このぐらいの戦闘力は持ってなきゃすぐ消滅しちゃうからってことらしいです」

一般人「誰がこんなことを、ですって? さぁ、きっと神様の仕業じゃないですか?」

一般人「これがインフレってやつなんですかねえ……」

数年後、数値の巨大化は収拾がつかなくなり、ついに戦闘力は“廃止”された。

これにより、インフレはようやく終息を迎えた。



ちなみに最終的な戦士たちの戦闘力は……



あまりにも莫大でとても書き表せる数値ではないため、残念ながら割愛させていただく。






― おわり ―

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