ナナ「はい、クロちゃん。あ~ん♥」クロ「…」(71)

サイボーグクロちゃんのss

単行本持ってないからミスあっても許して

【重要】11月20日にサイクロ新装版出るよ(宣伝)


―ゴミの島:昼―

ミー「剛くん、コタローくん、ご飯だよ~!」

Dr.剛「ちょっと待ってて、ミーくん。すぐ行」

――どっかーん!!!

Dr.剛「なっ、なんだ、今の爆発は?」

コタロー「ちょっとボク見てくる!」ダッ

ミー「コタローくん! ボクも一緒に――」

ヒュー・・・・

ミー「ん? 何の音だろ」

Dr.剛「なんかイヤな予感・・・・」

チュドーン!!

Dr.剛「ちょ、直撃・・・・」ばたっ

ミー「うわあああ剛くぅうーん!!! ――誰だこんなことしやがったのはーっ!?」

クロ「うぅっ・・・・」

ミー「って、クロぉ!? なんで天井突き破って降ってきてんだよ!?」クロ「み、ミーくん・・・・」


ミー「しかも、よく見たらボロボロじゃないか。何があったんだ!!?」

クロ「・・・・おまえらの仕業だろうが」

ミー「は?」

クロ「しらばっくれてんじゃねーぞ!」

ミー「え?」

コタロー「ッわああああああー!!!」

ミー「!? コタローくんの悲鳴?」

クロ「ちっ、もう来やがった・・・・」ヨロッ

ドア ばこーんっ!

Dr.剛「!?」

ナナ「・・・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴ

ミー「な、ナナ、ちゃん・・・・?」

どうしてクロちゃんがボロボロで空から落ちてきたのか。いったい、ナナちゃんに何が起こってしまったというのか。

事の始まりは、ほんの数時間前にさかのぼる―――。

―ゴミの島:朝―

コタロー「クロちゃんにそっけなくしたいィー!?」

ナナ「だ、だってぇ。いくらアピールしても、クロちゃん全然嬉しそうにしてくれないから・・・・。それで、めぐみちゃんに聞いてみたら、《押してダメならひいてみろっ! 思いっきり!》て言うから、こないだ試してみたんだけど・・・・」


ナナ「クロちゃーん!」

クロ「ん? 何の用だよ」

ナナ「つーんッ!」

クロ「いや、だからなんだっつーんだよ」

ナナ「つーんッ!」

クロ「意味わかんねーよ・・・・」

ナナ「つーんッ!」

クロ「zzzz・・・・」

ナナ「つ、つーんッ・・・・」

クロ「zzzzzz」

ナナ「ああーんもう! クロちゃん起きてよぉおー!!!」

クロ「だから何なんだよオメーはよぉ!!!」


ナナ「アタイのやり方は中途半端で、結局ケンカになっちゃうし・・・・」

Dr.剛「いやー、しかしな。あのクロには何をやってもムダだと思うけど」

ナナ「なによー! やってみなきゃわかんないじゃない! ・・・・あーあ、クロちゃんとアタイ、逆だったら良いのにな」

コタロー「!!!」ピコーンッ!

ミー「ど、どしたのコタローくん。いきなり豆電球なんか点けて」

コタロー「ひらめいたっ! ボクひらめいたんだよミーくん! ねぇ剛博士、クロちゃんの予備マイクロチップって、まだある?」

Dr.剛「ん? あ、ああ。確かそこの引き出しの中にいくつか・・・・」

ミー「さっすが剛くーん! 用意がいいねえ」

Dr.剛「いやぁ、ゆくゆくはクロの戦闘能力をニャンニャンアーミーに使おうと思ってたからなぁうん」テレテレ


コタロー「ボクの持ってるナナちゃんの予備チップをクロちゃんに、クロちゃんの予備チップをナナちゃんに、行動パターンのとこだけ組み込めれば・・・・!」

ナナ「アタイとクロちゃんのやることが逆になるってワケね」

コタロー「そのとーり!」

Dr.剛「しかし、そう上手くいくかね?」

ミー「そーだよコタローくん。そもそも、クロにどうやってナナちゃんの予備チップを埋め込もうっていうのさ」

コタロー「え? そんなの、決まってるじゃないかァ」

ミー&Dr.剛「「?」」


―フジ井家―

Dr.剛「コタローくんから最初に聞いたときは、クロにチップを埋めてくるー、なんて、無茶な計画だと思ってたけど・・・・」

クロ「くー、くー」zzz

ミー「・・・・どうやらクロの奴、ぐっすり眠ってるみたいだね、剛くん」

Dr.剛「そうだねミーくん。今なら、ひょっとするとイケるかも・・・・」ギラッ!

マタタビ「なにをやっているんだ、お前ら」


Dr.剛&ミー「「どっひゃあああー!!?」」

マタタビ「生垣でコソコソしやがって。拙者かキッドに、何か用か?」

ミー「あれ、もしかしてー! マタタビくんも、クロの寝込みを襲おうとしてた?」

マタタビ「一緒にするなー! そんな卑怯な真似ができるか!」

Dr.剛「あんまり大きい声出さないでくれるかね。せっかく寝込みを襲おうとしてるのに」

マタタビ「キッドの野郎なら、とっくに起きてるぜ」

ミー「え」

クロ「おいおいマタタビぃ。ばらすなよ面白くねーなー」

Dr.剛「げっ! クロ、いつの間に後ろに」

クロ「てめーら、今度はなに企んでやがったんだ? あん?」グリグリ

Dr.剛「うええーん許してぇー」

ミー「こらっ、クロー! 剛くんをいじめるなぁあー!!!」


クロ「確か、チップがどうとか言ってたよなぁー!?」

ミー&Dr.剛「「う・・・・」」ギク

クロ「おら吐けや」

Dr.剛「わ、ワシはただ!」

クロ「なんだよ」

Dr.剛「この世の中と、グスッ、高齢化を解決したかっただけだぁ、グズッ・・・・命がけでぇ・・・・ドゥアッッヘッヘエエェエェエエイ!!!」ベソベソ

クロ「野○村かてめーは! ネタが古いんだよ!!!」ガトリング じゃきっ

ミー「抜いたな、クロ・・・。そっちがその気なら、こっちだってー!」ガトリング じゃきっ

ドドドドドドドドドドドドッ

マタタビ「おっ、おいっ! てめーら暴れるならここじゃなく外で――」

――どっかーん!

フジ井家 大破


クロミーDr.剛「「「・・・・・・・・」」」

ミー「剛くん、おなか減ってるよね!!?」

Dr.剛「うんうんワシもうペコペコだよミーくん!!!」

ミー「じゃー急いで帰ろうか剛くん! じゃーなクロ!」ビュンッ!

クロ「・・・・・・・・」

クロ「いやー悪いなマタタビ! オイラ用事あるから、家の修理頼むわ!」

マタタビ「・・・・き、貴様らあ・・・・」プルプル

チェーンソー ビィイイイインッ!!!

マタタビ「力づくで手伝ってもらうからなぁああ!」

クロ「ひぇええ来やがった」


―フジ井家の残骸―

バーさん「ジーさん、生きとるかー?」

ジーさん「そうじゃのう。死んどるような気がするのうバーさん」

バーさん「死んどったら、返事なんてできんがな」

ジーさん「それもそうじゃのー」


マタタビ「待てキッドぉおお貴様だけは許さん!!!」ガガガガガッ

クロ「ギャアアア来るなー! ・・・・なんつって。反撃だー!」

マタタビ「--ん?」キキーッ

クロ「どわぁっ!?」ガンッ

マタタビ「?」キョロキョロ・・・

クロ「ま、マタタビてめぇ! 急に向き変えんなよ空振りしたじゃねーか!」

マタタビ「おい、キッド。あれ見ろ」

クロ「ん? ・・・・なんだ、ありゃぁ。野犬がのびてら」

マタタビ「落ちてきた石で頭を打ったようだな」

クロ「で? それがなんだっつーんだよ」

マタタビ「いや。気になっただけだ」

クロ「それより、この匂いはまさか・・・・」クンクン

マタタビ「どうしたキッド」

クロ「こっちだな」タタタッ

マタタビ「待てキッド貴様そんなこと言って逃げる気だろ!? 待たんかこのー!」


クロ「おーい、居るんだろー?」

ナナ「・・・・・・・・」ヒョコッ

クロ「何してんだ? こんなとこで。あっ、もしかして。野犬に追われて怖くて隠れてたのかぁ?」ニヤニヤ

ナナ「・・・・」ガトリング スチャ

クロ「ん?」

パパパパパパパパパッ!!!

クロ「うおっ!!? あだっ、あだっ、あだっ? ・・・・いやBB弾だし痛くねぇ! つーか痒い!」

ナナ「・・・・・・・・」タタタッ

クロ「てめぇケンカ売ってんのかナナ! 待たんかてめぇー!」ガトリング ドドドッ!

ナナ「・・・・・・・・」スルッ

クロ「待てっての・・・・!! ナナのヤロー、こんな狭いとこに入り込みやがって! これじゃほとんど身動きとれねーじゃねーか」ガトリング ポイッ

クロ「・・・・あ、やべ。はまっちまったァ。ちくしょーこれじゃ抜けねぇー!」ジタバタ

ナナ「・・・・・・・・」


クロ「あっ、この気配は! おい、ナナ! 後ろに居るんだろー? さっさと手伝えよ、お前のせいで挟まったんだぞ!」

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「・・・・OK、OK。あー。何だか知らんが一時休戦といこうじゃないか。な? 続きはオイラを出してからってことで!」

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「出せやこらー! ふざけんなよナナー!」

ナナ「・・・・」ジャコンッ!

クロ「あり? この音、もしかしてオイラのガトリング・・・・」

ドドドドドドドッ!!!

クロ「ぎゃあああああああああああっ!!!」


マタタビ「・・・・道の端に、キッドのガトリングが落ちてるが・・・・。罠か? とりあえず行ってみるか」ソロー・・・・

クロ「・・・・・・・・」プスプス

マタタビ「―――キッド!?」

クロ「・・・・・・」

マタタビ「おい、しっかりしろキッド! くたばっちまったか!?」

クロ「ま、マタタビ・・・・とりあえずオイラをこっから出してくれ・・・・」

マタタビ「三回まわってワンと鳴けば助けてや」

クロ「んなこと言ってる場合じゃねーんだよぶっ飛ばすぞ!!?」


クロ「くっそー。しっぽが無いからバランスがとり辛ぇ」フラフラ

マタタビ「ハチの巣にした上に、しっぽまで撃ち落とすとはな・・・・。いったい何をしたらそんなに女を怒らせられるんだ?」

クロ「ナナのやろー・・・・見つけ次第やり返してやる・・・・! やられたらやり返す! 倍返しだぁあー!!!」

マタタビ「ダメだ聞いてねえぜ」

クロ「むっ! このビルの中だな!」クンクンッ!

ドルルルルッ!

クロ「ナナぁあー!!!」どがごんっ!

マタタビ「待てキッド! この建物、何かおかしいぞ!」

クロ「なにっ?」

マタタビ「・・・・むむむ・・・・っ」カンカンッ、コツンッ

クロ「・・・・・・・・」ごくり

マタタビ「・・・・・・・・こ、こいつは!」

クロ「!」


マタタビ「すごいぞキッド! この建物、入り口以外、壁から床から窓ガラスまで全部防弾仕様になってやがる・・・・!」キラキラ

クロ「だぁから! どーでもいーんだよそんなことはよぉ!!」


―警備室―

ビーッ、ビーッ!

警備員3「せっ、センパイー! かっ、監視カメラに、不審な黒猫が映っています!」

警備員1「ついに来たか・・・・『黒い悪魔』が」

警備員2「ようやく、この建物の性能を試す時が来たようですな」

警備員1「度重なる桜町のビル倒壊・・・・繰り返される建て直し作業・・・・」

警備員2「この現状を打破するため、大工組合と商店街が全力で手を組み、民間自衛隊の協力も経て完成させました、この『対破壊のプリンス壊せるもんなら壊してみろってんだバーカバーカ!ビル』が倒壊を免れれば・・・・その時こそ!」

警備員1「桜町は元の平和で安全な街に戻れるのだよ・・・・!」

警備員1&2「「ふふふふふふ・・・・!!!」」

警備員3(・・・・このバイト、変えようかな)


ナナ「・・・・・・・・」タタタッ

クロ「見つけたぞ待て待て待て待てオラオラオラオラオラァアー!!!」

ドドドドドドドドドドッ!
ピュンピュンピュンッ!

マタタビ「のわぁあ!? 跳弾かっ」

クロ「ふーっ、ふーっ・・・・!」

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「へっへっへ。追い詰めたぞォナナ」

ナナ「・・・・・・・・」ピョコンッ

クロ「あっ! しまった排気口に・・・・っ! 逃がすか!」

ドルルルルルルッ!

マタタビ「むやみに撃つなキッドぉ!」


キンキンキンッ、ピュンピュンピュンピュンピュンッ!

クロ「うおっ!? ――あだだだだだだだだっ!!?」

おおーっと、なんということでしょう! 以前は粉々になっていた壁も、ガトリングの弾を跳ね返せるほどの強度へと生まれ変わっていたのです! クロちゃん、弾が当たって地味に痛そう。

マタタビ「おおっ。この壁、なぜか回転する収納まで付いてやがる」パカッ

クロ「ふざけやがって! 劇的ビ○ォーアフターじゃねーんだぞ!?」

マタタビ「この収納、絶対すぐ忘れちまうよなぁ」

クロ「こうなりゃ、このビルぶっ潰して外に出させてやらぁー!!!」巨大剣 シャキーンッ!

マタタビ「えーもったいねー」

クロ「SHINE! SHINE! SHINE! SHINE! SHINE! SHINEEEEEEE!!!!!!!!!」

ズバババババババババババッ!!!!!


―警備室―

ズズズズズ・・・・ッ!

警備員3「ほらっ、センパイ方も早く逃げないと・・・! 鉄骨が切られたから、もう時間の問題です!」

警備員1「やっ、やめろ離せぇー! 我々があきらめたら、平和は・・・・桜町の平和はぁあー!」

警備員2「わたくし、とっくの昔に、ビルと共に沈む覚悟はできているのですよー!」

警備員3「黙ってください!」

警備員1&2「「!」」

警備員3「ビルなら、また作ればいいじゃないですか・・・・! こんな、何もしないまま、猫の壊したビルの下敷きになるなんて・・・・情けないと思わないんですか! やり返したいと思わないんですか!」

警備員3「生きていれば、何度だって・・・・! また、ビルは立て直せるんですよ!」

警備員1&2「「ば、バイト・・・・!」」

警備員3「では、僕は一足先に逃げるんで!」ピューンッ

警備員1&2「「まっ、待て俺らを置いていくなー!」」ダダダッ


クロ「と、ど、め、だぁあああー!!!」ドカンッ!

マタタビ「・・・・」


ビル ――ガラガラガッシャァアアアアーンッ!!!
パラ、パラ、パラ・・・・

警備員1&2&3「「「・・・・・・・・」」」


マタタビ「あーあー」

クロ「どこ行きやがったナナのやつー!!! ・・・・まさか生き埋めになってねーだろーな?」キョロキョロ

マタタビ「よし、建て直すぞキッド。使えそうな木材もってこい」

クロ「やってられっかよT○KIOじゃあるめーし」

ナナ「・・・・・・・・」タタタッ

クロ「いやがったぁあー!!! 待ちやがれぇえええ!!!」ドドドドドッ

マタタビ「ん? 逃げてる方向・・・・。マズい、あのままじゃ車道に飛び出すぞ!」

クロ「げっ、ナナ、止まれ! 止まれってのー!」ドドドドッ

マタタビ「撃ちながら言うなー!」

クロ「なにやってんだあのバカ! ナナぁあー!!」ダッ

マタタビ「よせキッド、間に合わねえ!」


ナナ「・・・・」ぺたんっ

クロ「へ? 伏せた・・・・?」

マタタビ「あー、なるほど。あれなら車体の下もくぐれるな・・・・。ってそういう問題じゃねーっ!!!」

キキーッ! ドンッ!

マタタビ「うわあああキッドぉおー!!!」

クロ「ふぃー。あぶねーあぶね―」ムクッ

マタタビ「おい、キッド! キッド!」

クロ「んだよマタタビ・・・・」

マタタビ「後ろからあと三台来てるぞ」

クロ「ぎゃああああ!?」

ドドドガンッ!!!

クロ「そーいうことは、はやふいえっての・・・・」ヘロヘロ~


車 キキーッ!

鈴木「その声まさか・・・・。うわぁあっやっぱり師匠だぁー!」

クロ「そう言うお前は鈴木じゃねーか・・・・元気してたかー」

鈴木「ボクは全然元気ッス! けど、それより師匠のしっぽが!」

クロ「って、ああーっ! しまったナナを見失っちまった・・・・!」キョロキョロ

鈴木「すみません師匠―! 気づかなかったとはいえ師匠を車で跳ね飛ばすなんて、この鈴木一生の不覚ッス!」

クロ「いたーっ!!!」

鈴木「大丈夫スか師匠!?」

クロ「鈴木、車だせっ早くっ今すぐにだーっ!」

鈴木「えっ? あっ、は、ハイ!」

クロ「追えー! 前の車を、全ッ速力で追えぇー!!!」

鈴木「なんだか分かりませんが分かりましたーっ!」ブゥーンッ!

クロ「こっちの道っつうことは、剛のとこに向かってんのか? あいつ」


マタタビ「まっ、待てキッド―! 貴様、またしても拙者から逃げるのかー!」

クロ「わりぃなお前は走ってくれーマタタビー」

マタタビ「貴様おぼえていろぉぉーキッドー・・・・」

鈴木「師匠、足も曲がってますけどホントに大丈夫スか?」

クロ「黙ってろよ今直してんだから」カチャカチャ

鈴木「しっ、師匠ぉおー!!?」

クロ「黙ってろっつたろーが! どうしたんだよ!!」

鈴木「前の車が、荷台に積んである木材を投げてきますー!!」

クロ「なぁにぃいー!?」

ナナ「・・・・っ、・・・・っ、・・・・っ」ポイポイポイーッ!

鈴木「・・・・師匠? あれ、ナナちゃんですよね!? ナナちゃんが投げてきてるんスよね!!?」

クロ「いーから避けることに集中しろ!」


車 キュルキュルキュルキュルッ!

ナナ「・・・・」ミサイル ボシュッ!

クロ「げぇっ!? オイラのしっぽの・・・・!」

鈴木「師匠―! ミサイルまで撃ってきちゃってますけど!?」

クロ「何のつもりなんだよコンチキショぉー!」ガトリング ジャキッ

ガガガガガガッ、

ミサイル ボカァアーン!

鈴木「やりましたね師匠! さすがっス!」

クロ「気ぃ抜くなよ鈴木! ・・・・オイラも今ので弾切れだ」ガスンッ・・・

鈴木「了解ッス師匠!」

クロ「・・・・ナナの奴、今回はさすがにやりすぎだろ? なんか妙だな」

鈴木「あれ? 今度のは木でもミサイルでもない。・・・・って、うわっ!?」

バシャッ!


クロ「うおっ!? な、なんだこれペンキか!? これじゃ前が見えねぇ!」

鈴木「し、師匠! さすがにこれじゃ運転が」

クロ「いーからとりあえずアクセル踏みやがれー!」グイッ

ガードレール バキッ!

鈴木「おろっ」

クロ「あ」

崖下 ヒュルルルル~・・・・・・・・

鈴木&クロ「「あああああああああ~~~!!!!!?」」

ドカーンッ!

鈴木の車、またしても大爆発だ!


鈴木「中古車でしたから少しはマシですけどね・・・・」

クロ「後でもっとカッチョイイのに直してやるよ。ここまで送ってくれりゃ十分だ。帰っていいぞ」

鈴木「いえっ! ボクもお供しますよ!」

クロ「鈴木・・・・。お前には、ここの後片付けという重大な使命があるだろう?」

鈴木「えっ・・・・師匠、手伝ってくれないんスか?」

クロ「さらばだ!」ダダダッ

鈴木「了解ッス師匠―! グッドラック!!」グッb


―その頃、ボロ小屋では―

Dr.剛「いやー危なかった危なかった」

ミー「また家の建て直しで一日が終わるとこだったね、剛くん」

コタロー「二人ともお帰りー!」

ダンク『コマネチコマネ・・・・ああっ』コケッ

コタロー「どうだった? 成功した?」キラキラ

Dr.剛「えっ、あ、いやぁ、その」

コタロー「ナナちゃんってばノリノリでさ。あの後すぐチップはめて、クロちゃんのとこに行っちゃったから、もしかして鉢合わせしちゃったんじゃないかなーなんて心配したけど大丈夫だったみたいだね!」

Dr.剛「それがだねコタローくん、実は」

コタロー「あれ? でも変だよね。ほんとに行動パターンががクロちゃんになってるなら、会いに行ったりしないんじゃ・・・・。ねぇ剛博士、渡してくれたのって、ホントにクロちゃんの予備チップ?」

ミー「そのはずだけど・・・・。ん? おっかしいな。剛くーん、クロの予備チップ全部残ってるみたいだよー」

Dr.剛「いやいやそんなはずは。・・・・妙だなー。数え間違えてたのかな?」

ミー「それと、ここにあったチップが無くなってるけどー」


Dr.剛「アレは捨てようと思ってたんだ。組み込まれたロボがみんな戦闘マシーンになる、クロの戦闘データも詰め込んだ『改良型Kチップ』なんて、今は必要なくなっちゃったからね」

ミー「そっかー。なら、別に問題ないね剛くん」

コタロー「クロちゃんの方はどうなったの?」

Dr.剛「い、いやー。それが言いにくいんだけど、ばれちゃって失敗しちゃったんだよね。あはは・・・・」

コタロー「なァんだ、ボクたちどっちも失敗してたんじゃないか。せっかく面白いもの見れると思ったのになー」

ミー「・・・・そういや、今頃クロの奴、何してんだろうな」

Dr.剛「家の建て直しでもさせられてるんじゃないのかな?」


―その頃、クロちゃんは―

―ゴミの島―

クロ「・・・・」ザッ

ナナ「・・・・・・・・」ピクッ

クロ「さーて、そろそろワケを聞かせてもらおーか? ナナ」ピキピキ・・・・ッ

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「あのなぁ・・・・お前いー加減にしろよ! オイラが何したっつーんだ!」

ナナ「・・・・・・・・」タッ

クロ「あっ! 待てコラ逃げるんじゃね――」ズボッ!

クロ「へっ? 地面があぁぁぁ・・・・!?」

ヒューッ、ドスンッ!

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「てめぇナナ! いつの間に落とし穴なんて作りやがった。ちきしょー結構深いぞこれ! やたら火薬臭ぇし・・・・」ガリガリ


クロ「ん? ・・・・この下に敷き詰められてる粉って、もしかして」

ナナ「・・・・・・」ドバドバドバ

クロ「うわっぷ!? 上からなんか降って来やがった!? ・・・・なんだこれ? ガソリン・・・・」

ナナ「・・・・・・・・」スチャッ!

クロ「オイラのしっぽ――!!?」

ミサイル ドシュッ!

クロ「ナナっ――」

ドッカァアアアアアーンンン!!!!!


そして、お話は冒頭の、空からクロちゃんが降ってきた場面に戻るのであった。

一方、その頃マタタビくんは――


―熊牧場―

マタタビ「・・・・・・・・」ヒュルー

ヒグマ「ガルルル・・・・」

ヒグマ「グルルル・・・・・」

マタタビ「ここは、どこだ・・・・?」



いろいろな不安を残しつつ、後半に続く!

みたいなのって、需要はあるんだろうか・・・・?
読んでくれた人いたらありがとう!

ちなみに、新装版はまだだけど、「サイボーグクロちゃんガトリングセレクション」は絶賛発売中!

再開


―ゴミの島―

Dr.剛「ssが長すぎて、最初のことなんて皆忘れちゃってるんじゃないのかなミーくん」

ミー「そんなことないよ剛くん!」

クロ「つまんねーメタ発言してる場合じゃねぇぞナナに何しやがったんだ剛! あれじゃただの戦闘マシーンじゃねーか!」

ナナ「・・・・・・・・」ガトリング パパパパパパッ!

クロ「ほらほら撃ってきてるしよォ!」

Dr.剛「えー、でもBB弾だし」

コタロー「クロちゃん達ー! 早く小屋から出てェー!」

ミー「コタローくん! 大丈夫!?」

コタロー「BB弾だったから、なんとか。あっ、クロちゃーん、早くー!」

クロ「・・・・」タタタタッ

クロ「コタロー!? お前もなんか知ってんのか? 知ってんのか!?」グイグイ

コタロー「そ、そんなに引っ張んないでクロちゃん! くるじい・・・・!」

ダンク『まぁまぁ』


Dr.剛「えっほ、えっほ」

ミー「全員出たよ、コタローくん!」

Dr.剛「ナナは出てこないな。中で武器の調達でもしてるのかね。あー怖い怖い」

クロ「てんめぇえええ他人事みたいな言い方しやがって」

コタロー「よし、じゃ、いっくよー!」ボタン カキィンッ!

コタロー「・・・・博士、ごめんねー!」

Dr.剛「え?」

ミー「あーっ!」

小屋 ズグワアアアンッ!!!

パラパラ・・・・

Dr.剛「ま、また・・・・」

ミー「おうち吹っ飛んだ・・・・」


Dr.剛「おうち・・・・」

ミー「ご飯も・・・・」

クロ「さすがにやりすぎじゃねーのかァ!?」

コタロー「いやァ、中身がクロちゃんならこれぐらいしないと・・・・」テヘッ

クロ「ちょっと待て。お前、そりゃ一体どういう意味だ」

コタロー「そうですよね? 剛博士ー」

Dr.剛「ミーくん! ホースで放水だ!バケツリレーだぁ!」バシャバシャッ

ミー「・・・・ダメだよ剛くん。もう・・・・」

Dr.剛「うわぁああ!!」バシャバシャバシャーッ!

バキンッ! ブシャァアアーッ!!

クロ「おら。これで消火できたろ」

Dr.剛「何も蛇口まで壊さなくても・・・・」

ミー「でっ、でもほら! 一発で消火できたよ剛くん!」

クロ「ゴミみてぇに小さい小屋だったからな」


Dr.剛「火が消えても、全焼には変わらないし・・・・」イジイジ

クロ「イジイジしてんじゃねーよ! さっさと説明しやがれー!」グリグリ

Dr.剛「あー・・・・。手違いで、クロ、お前の戦闘データの入った最凶のチップを組み込んでしまったようなんだ」

クロ「んなっ・・・・!?」

ミー「ってことは、つまり、極悪非道で血も涙もない、悪魔みたいなやり方で、ナナちゃんが破壊の限りを尽くしてくるってこと!?」

クロ「オイラってそんなヤツだったっけ?」

コタロー「ううん、多分今回は違うよ。ナナちゃんの標的はクロちゃんだけだ」

クロ「なんで?」

コタロー「それは――」


ナナ「ねぇ、コタロー。アタイのチップとクロちゃんのチップを交換するってことなの?」

コタロー「違うよナナちゃん。ナナちゃんのチップとは別のとこで、回路だけ別に繋げるんだ。飽きたら、チップを外すか壊すかすれば、すぐ元通りだよ」

ナナ「そうなんだー。ちょっとドキドキしちゃうなぁ」ソワソワ

コタロー「ナナちゃんは、ホントにクロちゃんのこと好きなんだねー。ま、ボクもファンだけどさ・・・・。ほら! 済んだよー」

ナナ「・・・・・・」パチッ

コタロー「今度こそ、クロちゃんを仕留めちゃえ!」

ナナ「・・・・・・わかった、ワ」

コタロー「あれ?」

ナナ「・・・・・・・・」タタタターッ

コタロー「ナナちゃん? そんなに急いでどこ行くのォー!?」


コタロー「ってことがあったから」

クロ「って、ほとんどお前のせいじゃねーか何してくれとんじゃァ!」

コタロー「過ぎちゃったことは仕方ないよ、クロちゃん! 今できることをやらないと!」

クロ「その通りなんだがお前には言われたかねーよ」

ミー「・・・・なぁ、クロ」

クロ「あ?」

ミー「出てこないな、ナナちゃん」

クロ「た、確かに」

シーン・・・・

ミー「中身がクロなら大丈夫だろうけど」

Dr.剛「ボディはナナだしなぁ・・・・」

クロ「ちょっくら見てくる!」巨大剣 シャキンッ


ガラガラ・・・・

クロ「こっちが地下室か? ・・・・あだっ、いでっ! なんも見えねぇっ! 電源が落ちちまってて何が何だか・・・・」ハッ!

電球 ポワーッ

クロ「へっ、バレバレなんだよ」ソロソロ

クロ「しっぽの電球見ーえてっぞ! ――おらそこだァ!」剣 チャキッ!

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「・・・・・・・・え?」剣 カランッ・・・・

クロ「な、ナナ・・・・?」

クロ「潰されちまったのか!? おいっ、おい!」

ナナ「・・・・・・・・」

クロ「ナナっ! 返事しろ、おい! ――待ってろ、今出してやるから!」ゴトッ

・・・・キラッ、

クロ「っ!」

――ズバァンッ!


クロ「っ、ぐぁああっ!!?」左腕 ボトッ!

クロ「い、いででででぇ・・・・っ!! 後ろに居たのかっ!?」

ナナ「・・・・・・・・」with 巨大剣

クロ「ご丁寧に、電球に電池までつけやがって・・・・。さすがのオイラも騙されたわ」

ナナ「・・・・・・・・」フルフル・・・

クロ「おいおい、楽しもうぜ、ナナ・・・・」

クロ「ケンカってのは、泣きながらやるもんじゃねーぞ?」

ナナ「・・・・・・・・」巨大剣 グググッ、

ミー「クロ、危ないー!」ガトリング ガガガガッ!

クロ「ミーくん!?」

ナナ「っ!」キィンキィンッ!


ミー「立てるか、クロ」

クロ「オイラは全然大丈夫だ、ミーくん。・・・・それより、ナナだな」

ミー「え?」

ナナ「・・・・・・・・」ヨロヨロ・・・

クロ「あらら~? 重すぎて、その剣扱えてねぇぜェ~? ハイ没収!」パッ

ナナ「っ!」

クロ「もう手加減してもらえると思うなよ・・・・! こっからはマジでやらせてもらうぜぇえ!!!」ズパパパンッ!!!

ナナ「~~~!!!」タタタターッ!

ミー「うわっ!? クロッ! こっちに切りかかってくるなよ危ないだろォッ!」

クロ「オラオラオラオラ待て待て待て待てぇ~~!!!」キンキンキンキンッ!

ミー「ぎゃぁっ!? お、おいクロ!? お前適当に攻撃してないか!?」

クロ「黙ってろミーくん! これは、オイラとナナのケンカじゃぁあ~っ!!! ギャーハッハッハッハッ!」ズババババ

ミー「こりゃ・・・・完全にキちゃってるよ、クロのヤツ」

クロ「さぁーさ、隠れてちゃ楽しくねーだろォ? 出てこいよナーナーちゃーんーよぉ~!」


ナナ「~~~っ!!」タタターッ!

クロ「みぃつけたーっ! ヒャーハハハハッぶっ潰せぇー!!」ズバズバズバッ

ミー「ねぇねぇ、これが主人公なんだよ信じられる? よい子は真似しちゃダメだからね!」

クロ「オラオラオラオラァー!」

ミー「絶対だよ! ミーくんとのお約束ね!」

ナナ「・・・・・・・・っ」タタタッ、ピョーンッ

ミー「しまった、ナナちゃんが武器庫に!」

クロ「逃がすかっ、って、あれぇぇ~・・・・・・・・?」フラッ、パタンッ

ミー「クロ!? いきなりどうしたんだ、しっかりしろっ」

クロ「し、しまった・・・・燃料切れだぁ・・・・」

ミー「えーっ! 今ー!?」

クロ「ミーくん、どっかに燃料とかねーのか? このままじゃ一歩も動けねぇ・・・・」

ミー「えーっと、確かこっちに燃料が」


クロ「おー、この一斗缶か・・・・。では、ちょっと拝借してと」ゴクゴク・・・

クロ「・・・・・・・・・ブゥーッ!!? なっ、なんだこりゃ!?」ゲホゲホ

ミー「あっ、ごめーんクロ。そっちはオレのオリーブオイルー。燃料はこっちー」

クロ「こんなに大量になんに使うんだよ! も○みちかおめーは!?」

ミー「いやぁ、まとめ買いするとそうなっちゃって」

ドガンッ、ドゴン!!

クロ&ミー「「うわああっ!?」」

ミー「ナナちゃんがなんか撃ってきてるぞ! クロ、早くこっから出るんだ!」

クロ「まぁ待てよ。あとちょっとだけ」燃料ゴクゴク

ミー「もう十分だろ!? 急げバカーっ!」

クロ「あっはっは、暗くて何も見えねェ」

ミー「ああもうっ! おらよ、明かりを点ければいいんだろ明かりをよ!」ピカーッ

クロ「おう、ナイスだミーくん」

ナナ「・・・・・・・・」武器 キラーンッ


ミー「ぎゃーっ! グレネードランチャー!」

説明しよう! グレネードランチャ―とは、手りゅう弾を遠くに撃ちだすことのできるデッカイ銃のことである!

クロ「なんつー物騒なもんを選ぶんだよ。オイラっていうより、ありゃナナの趣味じゃねぇのか?」

ミー「言ってる場合かー! 早く逃げるんだよっ」

ナナ「・・・・・・・・」タタタタッ

ミー「わーっ来たァー!!!」

ナナ「っ!?」ツルッ

クロ「ん?」

ミー「あ」

ナナ「~! ~!? ~!!?」ツルッ、コケッ、ツルッ、コケッ!

ミー「・・・・なぁクロ。めちゃくちゃ滑ってないか、ナナちゃん」

クロ「あー、そういやオイラ、オリーブオイルの栓締めんの忘れてた」


ナナ「・・・・・・・・」ジタジタッ

ミー「・・・・チャンス、だな」キラーン

クロ「ああそうだな」ギラーン

ナナ「・・・・!」ギク

クロ「――どぉりゃぁー! 歯ァ食いしばれェエ!!」グアッ、

ナナ「・・・・・・・・」紐 グイッ

金盥 グワァアーンッ!!!

クロ「・・・・・・・・」バタッ

ミー「うわぁクロぉー! くそっ、いつの間に金盥なんか!?」

ナナ「・・・・・・・・」ムクッ、タタタタッ・・・

ポーンッ、ポスッ

ミー「ん? なんだこれ? 思わずキャッチしちゃったけど・・・・」

つ手りゅう弾

ミー「えええーーっ!!?」

ボカァアンッ!


ミー「・・・・あ、危なかった・・・・。ギリギリ、脱出できた・・・・」ゼーゼー

ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!

ミー「うひゃぁあーあっ!?」

ナナ「・・・・・・・・」マシンガン 乱射

ミー「クロ、もたもたしてないで逃げるぞ! ・・・・クロ?」

クロ「」

ミー「クロっ! お前いつまで気絶してるきだァー!」

ボシュボシュボシューンッ!!

ミー「ミサイル? ・・・・コタローくんたちか!」

ナナ「っ!」

どかーんっ!

コタロー「今のうちだよ! ミーくん、こっちへ! ダンク、クロちゃんをお願い!」

ダンク『まかせて!』


クロ「」

コタロー「一体ぜんたい、どうしちゃったのさ? クロちゃん」

ミー「わからない。金盥にやられたとしか」

Dr.剛「今までのダメージが大きすぎたんだな。ほれ、ここなんか。まるでガトリングでハチの巣にされた後、車に何度も轢かれた上に、爆薬で打ち上げられた跡みたいだ」

コタロー「直せる? 博士」

Dr.剛「うーん、なにぶん道具がないからな。まぁ応急処置くらいなら・・・・」カチャカチャ

ドルルルルルルルッ!!!

コタロー「あちゃー、またナナちゃん撃ってきてるよー」

Dr.剛「よし、これでとりあえずは動けるだろう」

ビィイイイーンッッ!!

ミー「今度はレーザービームだよーっ!」

クロ「・・・・どいてな、ミーくん!」


ミー「クロ!?」

クロ「いくぜ! オイラのとっておきだぁあ!!!」バーンッ!

コタロー「あー! あれは、レールバスターだッ!」

説明しよう! レールバスターとは、なんかカッコいい、連射とミサイル発射ができる武器のことである!


Dr.剛「いくら何でも武器の説明が雑すぎじゃないか?」

クロ「あぁーたたたたたたたたたた!!!!!」ドルルルルルルルルルルルルッ!!!

ナナ「・・・・・・・・っ、」ピタッ

Dr.剛「おおっ、ナナの方がちょっと怯んだな」

クロ「おら乗り込むぞッ! オイラに続けーっ!!」ダッ

コタロー「待ってクロちゃん!」ガシッ

クロ「もげぇっ!?」ズシャーッ


クロ「てめー何すんだコタロー!」

コタロー「よく見てよ、まるっきり罠じゃないかァ!」

クロ「うるせー! どこがだ!」

コタロー「ナナちゃんが撃つのを止めるのが早すぎるし、狙いだってまるでわざと外してるみたいだし、それに何より――」

クロ「何より?」

コタロー「そこらじゅうに爆弾が仕掛けてあるじゃないかー!」

ミー「あっ、ホントだー。周りじゅう毛糸だらけだよ剛くん」

Dr.剛「触った瞬間、つながった手りゅう弾のピンが外れて爆発するってわけか。いつの間にこんなことを・・・・」

クロ「んなもん、切って進みゃぁいい話だろうが! おら行くぞ」巨大剣シャキン

コタロー「落ち着いてよクロちゃん! そういうことじゃないんだってばァ!」ガシッ

クロ「だーから何だっつーんだよ!!」

コタロー「今日のクロちゃんおかしいよ! いつもならこんなの、真っ先に気づいてるはずだろ! 冷静じゃなくなってるよ!」

クロ「んだよオイラはいっつも冷静だろーが!」


Dr.剛「いっつもガチギレしてるくせに・・・・」

クロ「なんか言ったか」チャキ

Dr.剛「いえ何も」


コタロー「ここに来る前だってそうだよ。相手は、BB弾のガトリングしか持ってないナナちゃんなんだよ! なのにそんなにボロボロになるなんてどうかしてるよ! 自分から自滅しにいってるみたいだ!」

クロ「てめぇいい加減にしろよコタロー!」

コタロー「何をそんなに焦ってるんだよッ? クロちゃん、いったい何と戦ってるつもりなのさ!」

クロ「っ、」


ミー「何って、ナナちゃんだろ?」

Dr.剛「んもー、コタローくんってば、そんなわかりきってることクロに聞いてどうするんだ」

コタロー「ミーくんと博士は黙っててー!」


クロ「・・・・で? 結局何が言いたいんだ? コタロー」

コタロー「クロちゃん一人でやらないでってこと!」ポチッ

 チューッ チューチューチューッ チューッ! ワサワサワサ

ミー「あっ、コタローくんのネズミロボだ」

Dr.剛「毛糸を噛み切ってるな」

ネズミロボ「チューチューチュッ!!!」

ナナ「~~~~っ!!」タタターッ

Dr.剛「追っかけてるね、ミーくん」

ミー「確かに、アレならクロより効率いいね、剛くん」

クロ「ほーう」

コタロー「へへん。クロちゃん一人じゃ、心配だからねー。ナナちゃんがこうなったのは、ボクの責任でもあるんだ。だから、いつもみたいに、ボクにもやらせてよ!」

ネズミロボ「チューチューチューッ!!!」(放水の)水たまり バシャバシャ

ナナ「・・・・」ピタッ

クロ「? 止まったぞ」


ナナ「・・・・・・・・」バチバチッ

Dr.剛「あれ? ・・・・ミーくん、ナナが持ってるアレって、小屋の電線だよね?」

ミー「そうだね剛くん。漏電しちゃってるねー・・・・」

コタロー&クロ「あーっ!! まさか――」

バチバチバチバチバチィッッ!!!!!

ネズミロボ「」プスプスプス・・・

コタロー「あああーッ!!! チュウゾウ、チュウスケ、チュウタ、チュウベエ、チュウヘイ、みんなぁあー!!!」

クロ「くっそ、やっぱりこうなったか!」銃 ガルルルルルルッ!

コタロー「み、みんなの、みんなのカタキ、ボクが取ってやるゥウー!!!」

ダンク『まぁまぁ』

コタロー「ミーくん! クロちゃんが撃ってる間に、ナナちゃんを!」

ミー「OK! ダンク、手伝ってくれ!」ヒラリッ

ダンク「アオン!」←背中にミーくん


クロ「いやっふぅううー!!! 撃て撃て撃て撃て撃っちまっくれぇええー!!!」ドルルッルルルッルルル

Dr.剛「あー、クロ、そろそろ弾が無くなるぞ」

クロ「ヒャッハァー!!!」ドシュンドシューンッ!

Dr.剛「聞いてないんだもんなぁ・・・・」

ミー「うおおおおおおっ!」巨大剣 シャキーン

ダンク「アオオオオーン!」タタタタッ

ナナ「・・・・・・・・っ!」

ミー「はぁあああっ!」スパパパパパパッ

武器 ドカドカドカーンッ!

ミー「ふふーん。これで丸腰だね! つーかまーえたっ!」ガシッ!

ナナ「っ!? ~~~っ!」ジタバタジタ

ダンク『チップはここ』

ミー「なるほどサンキューダンクー」カチャカチャッ、パカッ!

ナナ「~~っ!」ガブッ!

ミー「イターっ!?」


ナナ「・・・・っ、・・・・っ!」タタタタッ

ミー「しまった、逃げられ」

コタロー「今だよダンクー!」

ダンク「ァアオオンッ!」グワッ

がしぃっ!

ナナ「~~~~~っ!!!」

コタロー「クロちゃん。ダンクが抑えてるうちにー!」

クロ「よしっ、このまま一気に――」ガスンッ!

クロ「・・・・あり?」

Dr.剛「ほらやっぱり。弾切れだ」

ナナ「・・・・っ! ・・・・っ!」ゲシッ、ゲシッ

ダンク『はやくーっ』イタイイタイ

ナナ「・・・・・・・・っ!」油 ヌルンッ!

ダンク『しまったすべった!』

ナナ「・・・・・・・・」タタタタターッ


クロ「ならば直接叩き壊してやる! ミーくん! 合体だぁ!!!」大ジャンプッ!

ミー「おう! ・・・・って!?」

ナナ「・・・・・・・・っ、」クロしっぽ スチャッ

ミー「うわわあっ!? まだ武器持ってたのー!?」

ミサイル ドシュッ!

Dr.剛「クロー! さすがのお前でも、それ以上食らうとマズい! 避けるんだー!」

ミー「だめだ、空中だから避けられない!」

コタロー「でもこのままだと、またナナちゃんに逃げられちゃうー!」

ミー「とりあえずミサイルを防げ、クロー!」ガトリング ガガガガ

クロ「くっ・・・・」チャキッ、

ナナ「・・・・」タタタッ

ミサイル ゴゴゴー

クロ「――当たれぇええええー!!!」ロケットパンチ どーんっ!


ロケットパンチ ヒューンッ・・・!
  ミサイル ゴゴゴーッ!

ミー「ああっ!」

Dr.剛「外した!?」

クロ「・・・・・・・・」

クロ「いーや、狙い通りだ」ニヤッ

ナナ「っ!?」ドカッ!

パキィ・・・ンッ!

Dr.剛「クロの手が」

コタロー「ナナちゃんのチップに・・・・!」

クロ「このケンカ――オイラの勝ちだぜ、ナナ」


クロ「――って、あああしまったぁ! 手が無いから剣が持てね」

ボッカァアアーンッ!!!!!


ナナ「――っクロちゃぁあああああーん!!!」

ミサイルがクロちゃんに直撃! 

クロ「」ヒューッ、

どっかぁあーんっ!!!


スクラップの山に猛スピードで突っ込んだクロちゃん。大量の粗大ごみの山も巻き込んで、またしても大爆発だ!


コタロー「クロちゃんが瓦礫の下敷きにー!」

ナナ「クロちゃんが、クロちゃんがァ!」タタッ

ダンク『あぶないよ!』

ナナ「ダンク、ダンクってば放してっ! アタイなら隙間から入れるもん、早く行かないとっ!」ドンッ

ダンク『コマネ・・・・』コケッ

ミー「クローっ!? どこ行ったんだーっ!?」ガッチャガッチャ

Dr.剛「クロのヤツ、完全にスクラップの山に生き埋めになっとるな」

コタロー「うわァんクロちゃぁーん! まさか死んじゃってないよねェ!?」スクラップ ポイッポイッ


ナナ「クロちゃーん! クーローちゃぁーん!」

ナナ(真っ暗・・・・。そうか、アタイのしっぽ、切り離しちゃったから・・・・)

ナナ(何も見えない・・・・。でも、クロちゃん・・・・! クロちゃんを見つけないと・・・・!)

ナナ「クロちゃぁーん! お願い、返事してぇー!!!」

 ぽわー・・・・

ナナ「えっ!」

ナナ「この光・・・・アタイのしっぽの・・・・?」

ナナ「あっちの方からだ・・・・。隙間ができてる。クロちゃんが入れるくらいの・・・・!」

ナナ「クロちゃん? ・・・・クロちゃん!」タタタタッ!

電球 ポワー

クロ「」


ナナ「クロちゃん! ・・・・アタイのしっぽ、持っててくれたんだ・・・・」

クロ「」

ナナ「クロちゃん! しっかりして、クロちゃん! クロちゃぁん・・・・!」

クロ「」

ナナ「・・・・・・・・クロ、ちゃぁん・・・・・・・・」ポロポロポロ

ポタッ・・・・

クロ「・・・・うっ・・・・」ピクッ

ナナ「クロちゃんっ!?」

クロ「・・・・よぉ、遅かったじゃねぇか。ナナ・・・・」

ナナ「・・・・クロちゃぁん・・・・・・・・アタイ、アタイ・・・・!」

クロ「相変わらず、騒々しい女だぜ、まったく・・・・」


ナナ「クロちゃんが! アタイのせいで! ・・・・うええええ~~ん!」

クロ「おいおい・・・・、べそべそ泣くなっての。涙拭けよ・・・・」

ナナ「うわああ~ん止められないー!」ベソベソ

クロ「・・・・あーもうっ! オイラ、泣かれんの大っ嫌いなんだよ!!」

ナナ「えーんえーんえぇ~ん! バカぁ・・・・バカクロぉおー・・・・なんでアタイなんか追っかけたのよぉ・・・・!」エーンエーン

クロ「・・・・ったく、もう、あーあもうっ! うっとうしいーんだよ!!! ちょっと顔かせ、ナナ!」

ナナ「きゃっ」

ぺろんっ

ナナ「・・・・っ!??」

クロ「ほれ、もう気はすんだろ? さっさと助けろよな」


ナナ「く、く、クロちゃん・・・・い、今の、え、ええええっ、え!!?」

クロ「仕方ねーだろ手が無ぇんだから! オイラ猫だし別にどうってことねーだろうがよ・・・・」

ナナ「ほっぺにチュー・・・・♥」

クロ「いや、違うからな。濡れてたから拭いただけだ。他意は無いからな」

ナナ「そんなこと言って、ホントは『食べちゃいたい♥』とか思ってたんじゃ」

クロ「妙なこと言ってんじゃねーよさっさと助けやがれェ!!!」


―翌日、フジ井家―

Dr.剛「いやー、悪いなクロ。まだ腕の修理がな」

コタロー「研究所が吹っ飛んじゃったから、備品も無くてさー。ごめんねクロちゃん」

ミー「ま、しばらくは、ナナちゃんにお世話してもらうってことで!」

クロ「いらねーよ自分でできる」

ミー「手も無いのにか?」

クロ「まだ足があるだろ」

Dr.剛「猫が手も借りたい、なんつって・・・・。プ、ププ、クスクス・・・・」

クロ「踏まれて―のかてめぇは」グリグリ

Dr.剛「もう踏んでるし・・・」

ナナ「クーローちゃーんっ! 見て見てっ、ジャーンっ!」バーンッ

クロ「・・・・あー、ナナ。一応聞いとくけどよ。なんだ、その得体のしれない物体は?」

ナナ「もうっ、クロちゃんったら照れちゃって! 決まってるじゃない、アタイの手料理よー♥」


クロ「・・・・・・・・」

ナナ「こないだのお詫びに、腕によりをかけて作ったのー!」

クロ「い、いや、オイラ、今腹一杯だから・・・・」

ナナ「ウソウソ! アタイ知ってるんだから。クロちゃん、朝からほとんど何にも食べてないんでしょ? ほらほら、いぃーっぱいあるから、たくさんお代わりしてね!」大鍋ドンッ

クロ「・・・・・・・・・・・・」汗ダラダラ

ナナ「はーい、クロちゃん。あ~ん♥」

クロ「・・・・・・・・」

ナナ「あぁ~~ん♥」

クロ「・・・・・・・・」

クロ「・・・・・・・・あーん」

ぱくっ


クロ「・・・・・・・・」もぐもぐ

ナナ「おいしーい?」

クロ「・・・・死にそーなくらいにな」ボガンッ!

おわり



ロミオ「・・・・・・・・ちょっとぉおお! ボクの出番はぁあああ!!?」

おわりったらおわり!

お目汚し失礼しました

もし読んでくれた人いたらありがとうございました!

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