高森藍子のゆるふわラジオ第13回 (20)


藍子「『高森藍子のゆるふわラジオ』のお時間です」

藍子「みなさん、こんにちは。高森藍子です」

藍子「今週も『ゆるふわラジオ』のお時間がやってきました」

藍子「この番組は、アイドル高森藍子が、リスナーのみなさんと一緒に日常の小さな幸せを発見していくラジオ番組です」

藍子「この番組はネット配信ラジオで、映像付きとなっています」

藍子「第十三回はちょっぴり特別ですっ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1443877203


藍子「いきなりスタジオの外の景色が見えて戸惑った方も多いのではないでしょうか」

藍子「私達は、今日はとある公園に来ています」

藍子「せっかく桜の季節なんですから、今回は放送時間一杯まで使ってお花見をしようと思います」

藍子「というわけで、今回は録画放送となります」

藍子「ちょうど今の時間にどうしても外せない用事があるってこともあるんですけど……」

藍子「時間的にも、編集しないと収まりそうにありませんから」

藍子「これからもイベントがあればお外にお出かけすることもあると思いますから、お願いしますね?」


藍子「今日はいいお天気になりましたね」

藍子「桜も満開で、絶好のお花見日和になりました」

藍子「たまに桜の花びらが舞っていて綺麗です」

藍子「そうそう、桜の種類ってたくさんありますよね」

藍子「色とか花の大きさや形とか、何種類か植えてあるところだとひとつひとつゆっくり眺めていくと楽しいですよ」

藍子「お花のことは夕美ちゃんと一緒に居るとよく話題に出るんです」

藍子「私はみなさんよりちょっとだけ詳しいと思いますよ? ふふっ」

藍子「それだけじゃなくて、もっと色々なお話をみんなから聞いてるんですけど……」

藍子「っていけない! そろそろ始めなきゃいけませんね」


藍子「いつも聴いてくれているみなさんはご存知だと思いますけど」

藍子「私は時間のあるときには街をお散歩するのが大好きなんです」

藍子「四季の変化を肌で感じて、気になったものを写真に撮ったり……」

藍子「まったりと過ごす時間って、いいですよね」

藍子「四月になると暖かくってお散歩をするのも快適です」

藍子「毎年、お花見も楽しみにしてるんですよ」

藍子「近所の公園には家族と一緒に行くんですけど」

藍子「他にもう一箇所か二箇所、好きな場所に行ってます」

藍子「この公園は初めて来たので、今日のお散歩もどんな出会いがあるのか楽しみです」


藍子「そういえば、服がいつもと少し違いますよね?」

藍子「ラジオブースでの収録のときと違って、今日は歩きますから。動きやすい服にしたんです」

藍子「靴も、今日はシンプルですよね?」

藍子「やっぱり長く歩くときには、歩きやすい靴がいいんです」

藍子「そうなると選ぶのも難しくって」

藍子「歩きやすさだけを考えたらランニングシューズみたいになってしまいますけど、普段着と合わせるのはちょっと……」

藍子「私は走るわけではないので、デザインから選んで、その中から足に合うものを選んでいます」

藍子「あとは、土の上を歩くこともあるので、なるべく汚れにくくて手入れが簡単なものにしています」

藍子「気に入ってその上機能的って、なかなか見つからないんですよ」

藍子「あれ? もう随分進んでしまいましたね」

藍子「ここまでの間に風景も映していたとは思いますけど、もう一度ゆっくり見てみましょうか」


藍子「この公園の桜は今私が通ってきた桜並木と、この先の広場にも植わっています」

藍子「一本だけとっても大きな木があるみたいですよ」

藍子「せっかく初めて来た公園なので、みなさんと一緒に新しい景色を見たいと思っていたので、下見はしていません」

藍子「どんなところなのか楽しみです」

藍子「今日は日曜日ということもあって、それなりに人が多いですね」

藍子「お花見をしている人が少ないのはまだ午前中だからでしょうか」

藍子「ブルーシートで場所取りはしてありますから、きっとお昼からは増えますよね」

藍子「あっ、ちょうどいいところにベンチがありました。ちょっとだけ休憩していきますね」

藍子「またお散歩を再開したらお会いしましょう」


藍子「ふぅ……朝から歩いていたのでちょっとだけ疲れちゃいました」

藍子「少し座って休むので、スタッフさん達も近くのベンチでゆっくりしてくださいね?」

藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」


藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

「ニャ」

藍子「あれ? いつの間に隣にねこさんが……?」

藍子「撫でてもいいかな? ほら、怖くないよー? にゃーん?」

藍子「やったっ。ふふっ、いい子いい子」

藍子「背中の模様、かわいいね」

藍子「? 立ち上がってどうし……わわっ、膝の上に」

「ミャーオ」

藍子「もう、急に動くと危ないよ?」

藍子「君もちょっとだけお休みしていくのかな」

藍子「それじゃあ、もう少しこのままで……」


藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

藍子「…………………………………………」

藍子「あっ、もう行っちゃうのかな?」

藍子「ちょっと待ってね。今、下ろしてあげるから……」

藍子「……これでよし、っと」

藍子「そうだ、最後に写真を一枚だけ……はいっ」

藍子「ありがとう。またここに来たら会おうねっ」


藍子「……行っちゃった」

藍子「スタッフさん? ……はい、もう休憩は終わりでいいですよ」

藍子「って、ええっ? ずっとカメラ回ってたんですか?」

藍子「そんな、私がボーっとしてるとこなんて放送しても見たい人はいませんって」

藍子「そ、それに……あんなところを見られるのは……恥ずかしいですし…………」

藍子「おいしいから放送するんですか? もーその面白いからって通すの禁止です。ダメです」

藍子「この後もっと本編に使えるところをたくさん撮りますから。次に行きましょう」

藍子「だから、ここはカットですっ」


藍子「それでは、続きといきましょう」

藍子「私が休んでいたこのあたりは広場のすぐ近くです」

藍子「もう少し歩くと到着ですよ」


藍子「さて、到着です」

藍子「それでは、カメラに反対側を向いてもらって……」

藍子「どうですか? ちゃんと見えてますか?」

藍子「広場の周りにも桜が植わってますけど、やっぱり真ん中の樹がとっても立派ですよね?」

藍子「とっても高くて、枝も広くて、花も満開で、綺麗ですねっ」

藍子「一枚写真に撮っておきますね……」

藍子「お待たせしました。それでは、近づいてみましょう」


藍子「この公園のお花見コースはここで最後になります」

藍子「時間が余ったら他のところも歩いてみようと思いますけど」

藍子「あ、ここが樹の真下ですね」

藍子「幹がすごく太いです。私じゃ五人くらいいないと抱えられないかも」

藍子「上を見上げるとピンク色の天井が広がっています」

藍子「ふぅ………………………………」

藍子「こうやって大きな樹に寄りかかって目を閉じると、リラックスできるんですよ」

藍子「森の中を歩いてるときみたいに、自然に包まれてる感じがして……」

藍子「植物にも、なにか不思議な力がありますよね?」


藍子「私の場合、お散歩って言っても、こんな風にのんびり立ち止まっている時間もけっこうあるんです」

藍子「ひなたぼっこもお昼寝も大好きですから」

藍子「日差しの柔らかい日はお散歩をして、木陰で休憩してるとあっという間に時間が過ぎてしまいます」

藍子「夏だけはちょっと日差しが辛いですけど……」

藍子「そうですね、日傘って便利なんですよ?」

藍子「最近は男性もよく差してますよね」

藍子「外を歩くときに強い陽の光を浴びると疲れちゃいますから」

藍子「長時間外にいたり、疲れたくないときには日傘を差して歩くといいですよ」

藍子「それだけじゃなくて、日傘の下は五℃くらい涼しくなっていたはずです」

藍子「夏のお出かけのために、今から選んでみるのはどうでしょうか」


「――ワン! ワン!」

藍子「あれ? 今度はワンちゃんですか?」

藍子「ええと……あっ、こ、こっちに走ってきてますっ」

藍子「逃げ――るのはここじゃ足場が……うぅ、大人しい子だといいなぁ……」

「ワンッ!」

藍子「きゃっ! 飛びつかないでってば、もう」

「クゥーン」

藍子「く、くすぐったいから脚舐めちゃダメですっ!」

「コラッ! メッ!」


「急に首輪が壊れちゃって……ごめんなさい、お姉ちゃん」

藍子「あなたが飼い主さんだったのかな。私は気にしてないから、大丈夫だよ」

「ありがとう……あれ? これってテレビなの?」

藍子「テレビ、みたいなものかな?」

「じゃあお姉ちゃんはアイドル? わたしも出れるの!?」

藍子「うん、私はアイドルだよ。ええと、出れるかは……あなたさえよければ、大丈夫みたい」

「やったあ! いつ? いつ放送なの!?」

藍子「今週なんだけど……このチラシに書いてあるような番組で、詳しいことはおうちの人に聞いてくれたらわかると思うから」

「うん、わかった!」

藍子「あ、ねえ、写真一緒に撮ってくれないかな?」

「じゃあ、わたしのカメラでもお願いしていい?」

藍子「大丈夫だよ。それじゃあスタッフさん、お願いします。ポーズして…………」

藍子「はい、撮れたよ。付き合ってくれてありがとう」

「わたしもありがと! 放送、絶対見るからねー!」


藍子「ふふっ、元気でしたね」

藍子「なんだか今日はアクシデントが多い日ですけど」

藍子「それじゃあ、続きを……え? もう十分撮れた?」

藍子「ちょっと少なすぎるような……もしかして、今までの分全部使う気ですかっ?」

藍子「それはちょっと番組的にダメだと思いますよ? だから、他のところも回りましょう? ね?」

藍子「……とりあえずここで一旦終わりの挨拶だけ撮影しておく、ですか?」

藍子「わかりました。でも、絶対残りのところも回りますからね!」


藍子「どこが放送されたか、どこまで放送されたかわかりませんけど」

藍子「予想外のことがたくさん起こるお散歩も楽しいものです」

藍子「まったりゆっくりお散歩するのも決して退屈ではありませんよ」

藍子「せっかくの桜の季節です。外に出たら特別な景色がたくさん見れます」

藍子「この機会にあなたもお散歩デビューしてみませんか?」

藍子「それでは、そろそろお別れのお時間です。『高森藍子のゆるふわラジオ』、お相手は高森藍子でした」

藍子「来週も同じ時間にお会いしましょう。次回はスタジオからお送りします。お聴きいただきありがとうございましたっ」

以上です。お付き合いいただきありがとうございました。
このシリーズにもお付き合いいただいた方もありがとうございました。
1クール目の話数に合わせて進行しようとしたのに半年も遅れてしまいました。
季節が冬~春なのもその影響です。
このシリーズは今回で完結にします。またいつか単発で季節も回も繋がりのないゆるふわラジオを書くかもしれません。
それでは、長々と失礼しました。

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