アリエラ「赤いリボンのおまじない」【銃ファフ】 (15)

アリエラ・ルー
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レン・ミヤザワ
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物部悠
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2から書きます

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九月二十七日、今日はボクがこの世に生まれた日だ
ボクは深月の宿舎の食堂に案内されると、皆がクラッカーを鳴らして「アリエラ、ハッピーバースデー!」と言って出迎えてくれた


「ありがとう、みんな。今日のためにこんなに頑張って用意してくれて」


ボクが感謝の気持ちを伝えると、口々に自分の担当したことについて話したりしていた。特に料理に関しては苦労した話をたくさん聞けた


「まずはアリエラさんにはこちらのケーキの蝋燭を消してもらいましょう」

「うん。そうだね」


ボクがケーキの前に立つと、皆はケーキの周りを囲む
沈黙している中でボクは息を大きく吸い込んでからゆっくりと吐き出し、一本ずつ蝋燭の火を消していく
全ての火が消えると歓声が上がり、少し落ち着いてから「では、用意した料理を食べましょう」と深月が言って、パーティーが始まった

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用意された料理を皆で食べ終わると、一人ずつボクにプレゼントを手渡してくれた。大きいものから小さなものまで、人によってまちまちだ
今ここで開けるにも持ち運びが大変そうなので、中身は部屋に戻ってから確認することにした


「本当にありがとう! こんなにいっぱいプレゼントを貰えて……夢のようだよ」


ボクはここに来るまでの間は反ドラゴン団体の人間だったり、レンの父親の研究所にいたりして祝ってもらったことはない
物部クンが来る前はクラスもバラバラだったからちゃんと祝ってもらったのは初めてだった


「大切にしてくださいね。では、パーティーもお開きにして、片付けましょう」

「ボクも何か手伝ったほうがいいかな?」

「いえ、ここは私たちに任せてください。荷物が重いと思うので兄さんに手伝ってもらってください」

「アリエラ、重い荷物は俺に任せてくれ」

「そうだね、物部クンに手伝ってもらわないと少し骨が折れそうだ」


物部クンはプレゼントの中でも特に重いもの、大きいものを積極的に持ってくれた
残りの軽いものと小さいものはボクが抱えて持っても随分と余裕があった
でも、この中にはまだ物部クンとレンからのプレゼントは無い


「じゃあ、女子寮前まで行こうか」

「うん!」


ボクと物部クンは、女子寮に向かって歩き始めた

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「じゃあ、俺はここで待っているから、アリエラは持っているプレゼントを運んでからこっちのプレゼントも運んでくれ」

「うん、部屋が遠いからちょっと待っててね」

「分かった。あ、その……全部運び終えたらまたここに来てくれないか?」

「いいけど……もしかして、ここで渡してくれるのかな?」


ボクが言うと物部クンは「ああ」と短く答えた


「とても気になるから、さっさと部屋に運んでくるね!」


ボクは何度かに分けて、部屋へプレゼントを運んだ

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ボクがプレゼントを運んでいる間に、物部クンは一度深月の宿舎に戻ってプレゼントを取りに戻っていた
ボクが運び終わる頃には戻ってきていて、腕を背中に回して隠していた


「ちょっと大変だったけど、運び終えたよ」

「お疲れ、アリエラ。じゃあ俺からも、アリエラにプレゼントだ」


回していた腕をボクの前に出して、プレゼント箱を手渡してくれた


「物部クン、ありがとう!」

「どういたしまして」

「早速、開けてもいいかな?」

「ああ、構わないぞ」

物部クンの目の前でプレゼントを開ける。箱の中から出てきたのは綺麗なブレスレットだった


「わあっ、綺麗なブレスレットだね!」

「それを選ぶのに散々悩んで決めたんだが、気に入ってくれたみたいだな」

「うんっ! ボクがつけるのが勿体無いくらいだよ!」

「ははは……大袈裟だな」


物部クンが苦笑すると、ボクもつられて微笑んでしまう。確かに、少し反応がオーバーだったかもしれないね


「これ、結構いい値段するんじゃないかな?」

「心配しなくても、ニブルで働いていたときのお金で足りたから平気だ」

ニブルという言葉を聞いて、ボクは少しドキッとしてしまう。ニブルに情報をリークして、裏切っていた後ろめたさがあったからね

それに気づいたからか、物部クンはスマンと一言謝る。ボクは慌てながらも大丈夫と言って話を切り替えるためにブレスレットを手首に身につけてみた


「……似合ってるかな?」

「ああ、よく似合ってるぞ」

「そっか……明日から早速、身につけてくるね!」

「そうか、大切にしてくれよ?」

「うん!」


満面の笑みで答えると、少し照れくさそうにしているのが面白かった

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アリエラの部屋


ボクは物部クンと別れた後、部屋で皆のプレゼントを開けて、その内容に驚いたり笑ったりしていた


「これで全部かー。皆個性的で面白いや」


いったいどんな経緯でこのプレゼントを選んだのかを考えると、面白い


「後はレンだけか……何をくれるのかな?」


全部のプレゼントを開けると、最後の一人が来るのを待っていた


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「お姉ちゃん、入っていい?」


ドアの前からレンの声が聞こえた。ボクが「入っていいよ」と言うと、ドアを開けて入ってきた


「随分時間がかかってたね」


ボクはレンをベッドに座らせながら、理由を聞いた


「うん……最後に渡したくて、待ってた」

「へー、だからこんな遅くなったんだね」

「んっ……お姉ちゃん、これ……」


レンは頷いて、手に持っていたプレゼントをボクに手渡ししてくれた


「ありがとう、レン。早速開けていい?」

「うん」

「何かな何かなー……これは、赤いリボン?」


プレゼントされたリボンは、レンの髪の色みたいな、鮮やかな赤色をしていた

「んっ……お姉ちゃんはいつもそのリボンつけてくれてたから、こっちもつけて欲しいと思った」

「そっか……早速、このリボンで髪を結ってもいいかな?」

「いいけど……わたしが、する」

「じゃあ、お願い」


ボクがお願いすると、レンは緑のリボンを手際よく解き、赤いリボンでまた髪を結ってくれた


「……うん、よく似合ってる」


レンが笑みを浮かべて言う。ボクは鏡で自分の姿を確認すると、自然と笑みがこぼれた


「うん、赤もいいね。レン、ありがとう」

「どういたしまして、お姉ちゃん」


ボクがベッドに座りなおして礼を言い合うと、レンがボクの膝の上に向かい合うように座ってきた


「実は……リボンが赤なのには理由が、あるの」

「へー、どんな理由だい?」

「それは、お姉ちゃんが……前のようにわたしの前からいなくなろうとしないように、おまじない」

「レン……」


レンはぎゅっと、ボクを抱きしめる。ボクも、腕を回して抱きしめ返した

あの日、ボクがレンから貰ったリボンを物部クンに渡して、一時的に敵側になったことがあった。
その時のことがレンにとっては辛かっただろうし、ボクも辛かった


「もう、わたしの前からいなくなろうと、しないで。お姉ちゃんがいない未来なんて……考えられない」


レンが更に力強く抱きしめてくる。顔は見えないけれど、きっと涙を堪えているだろうというのが伝わってきた


「……ごめんね、レン。これからはもう、絶対に置いていかないよ」


ボクはレンの背中を優しくさすってあげた


「……嘘、つかない?」


泣きそうになるのを堪えて、小さい声でレンはボクに問う
ボクはレンの問いに「もちろん」と強く誓った


「だから……我慢しないで、泣いていいんだよ?」


ボクがそう言うと、我慢できなくなったレンが大声で泣き始めた
背中をさすりながら堪えていたボクも結局、つられて静かに涙を流した

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「疲れて寝ちゃったみたいだね」


ボクは、泣きつかれたレンをベッドに寝かせる。すうすうと安らかな寝息を立てているレンを見つめながらレンとの過去を思い出していた


「……血の繋がりもないボク達だけど、もうかけがえのない家族なんだね。今日でそれを痛感したよ」


起こさないように小声で、自分に言い聞かせるように言った


「……これからも、ボクはレンを守ってあげないとね。いや、レンだけじゃなくて、教室の皆も、かな」


リーザが教室の皆は家族同然だと言っていたことを思い出した。ボク達は気づいたら、たくさんの家族に囲まれていたんだね


「……物部クンは、いったい誰を選んでくれるのかな? レンを選んでくれたらとても嬉しいけど、レンはきっとボクも一緒に選んでほしいっていいそうだなー」


でも、本当にそうなったらどんな関係になるんだろうと、頭の中で考えてみる。でも、明確にイメージが出来なくて途中でやめた


「……明日は学校だから、ボクもいい加減に寝ようかな」


ボクはブレスレットを手首から外し、リボンを解いて机の上に置き、レンの隣に寝転がって寝顔を見つめる。さっきまで泣いていたけど、今は穏やかそうだ


「貰ったこのリボン、大事にするね。それと……これからも、ずっと一緒にいようね」


寝ているレンに、ボクは小声で言ってから、目を閉じて眠りに落ちた

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アリエラ「赤いリボンのおまじない」 終わり


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ジャンジャジャ~ン!!今明かされる衝撃の真実ゥ!
と、いうわけで1はいつもこの作品のSSを書いてる者でした

ここまで読んでくださってありがとうございました
また次の作品もよろしくお願いします
では、HTML依頼をしてきますね

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