雪乃ウルフ (84)
化物語のキャラ、怪異はでません
書きだめできなかった、すいません
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AがBに変化したとき、その存在はAとBのどちらに定義するべきなのだろうか。
どうでもいい?
いやいや敬遠することなかれ、これは身近な問題である。
例えば、単なるお馴染みが異性の対象になったり
友人と喧嘩して、口も利かなくなったりしたとき
これからどう接するべきなのか、我々は迷う。
だから我々は、深く、慎重にその存在の定義を考え直す必要がある。
ひとたびその定義を間違えれば、全てを失うことさえあるのだから。
「起きなよぉー、お兄ちゃん。朝だよ」
「あぁ…」
聞きなれた声に、俺は思わず返事をしてしまった。
だめだ、こういうことは気を付けないと。
「お兄ちゃんと呼ばないと約束しただろ」
「あっ、忘れてた」
こつんと自分自身の頭を叩くと、比企谷小町の名を冠した怪異は笑った。
そう、彼女は妹だった。
しかし今は怪異である。
それもつい先週まで俺の命を狙っていた敵だった。
だがいざこざを経てからというもの、今は朝起こしに来るほどに馴れ馴れしい。
今日こそ、その理由を聞いてみようか。
「小町。あのさ」
「なに?」
「どうして俺なんかに気をかけるんだ?先週までヤル気満々だったのに」
小町は呆れた表情で首を振って答えた。
「言っておくけど、怪異の中で私は至ってまっすぐな類なんだよ。
分かんないのは、お兄…ごみぃちゃんがねじれてるから」
怪異にまっすぐな奴があるかとよほど言いたかったが、百倍になって返ってきそうなので自重した。
怪異だからか、それとも性格的なものか、小町は中々に弁が立つ。
生まれてこの方、俺は小町との口喧嘩に勝った覚えがない。
それに、肉弾戦になったらミンチにされかねないし。
小町が階段へ下るのを俺は黙って見届けてから、小町の言ったことを咀嚼することにした。
『言っておくけど、怪異の中で私は至ってまっすぐな類なんだよ。
分かんないのは、お兄ちゃんがねじれてるから』
…つまり小町は俺を起こす理由になんらかの答えをすでに出していて
俺がそれに気づいていないだけだということか。
思い当たる節がないことを鑑みると、あの人が何か小町に吹き込んだに違いない。
雪ノ下陽乃。
命の恩人であり、天敵。
元々人間離れしているとは思っていたが、実は怪異の専門家でもあった彼女。
あの人に直接、聞くのだけは避けたい、それはもう色んな意味で。
臆病風に吹かれて、ひとまず
『親切にしてくれる小町の答えは実は出ていた』という収穫で俺は満足することにした。
それから小町と向かい合って朝食をとり、小町と共に登校をする。
学校の前で小町と別れてからは、俺は自転車をぶうんと飛ばす。
怪異に深く関わってはいけない。
あの忠告を守っていることを、雪ノ下さんに証明するかのように。
今日はここまでです。エタだけはしないよう頑張ります
>>5の一部が分かりずらいので下文に書きなおしました。
…つまり小町は俺を起こす理由になんらかの答えをすでに出していて
俺がそれに気づいていないだけだということか。
その理由に思い当たる節がないことを鑑みると、あの人が何か小町に吹き込んだのではないだろうか。
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