艦これとガンダムSEEDdestinyのクロス(アストレイの方がクロスしてるけど)です。
書きだめはあまり無いので、更新は不定期かもしれません。
ここの提督は提督というより隊長です。
オーブ軍に所属する吹雪をメインに進行しますが、他の艦娘も出てくるかも。
ストライクは連合の機体ですがストライクルージュのデータを参考に新技術をつぎ込んでオーブで作られました。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1442697553
C.E.71 オーブ
吹雪「ハァ…ハァ…ハァ…っ!」
ドオォォォン!
男「……!おーい!君!吹雪ちゃんだろう!?」
吹雪「! アスカさん!それに、シン!マユちゃんも!」
シン「吹雪!…お前も無事だったんだな…!早く逃げよう!父さん!母さん!マユ!」
シン父「あ、ああ!吹雪ちゃんも行くよ!すぐそこに避難用の船がいる!」
吹雪「はい!」
シン母「マユ!吹雪ちゃん!頑張って!」
マユ「あっ!マユの携帯!」
シン母「そんなのいいから!」
マユ「いやぁー!マユの携帯がー!」
シン「みんな!先に行ってて!すぐ追いつくから!」
吹雪「ちょっと!シン!逃げなきゃ!おじさん達は先に行っててください!シン!待って!」
シン「よし…って、吹雪!先に行っとけって言ったろ!」
吹雪「シンが勝手に走ってくからでしょ!ほら!早く逃げないと…」
ドガァァァァン!
吹雪「…いたた…シン、だいじょう…ぶ…」
シン「吹雪こそ… !」
オーブ将校「君たち!大丈夫か⁉︎早くこっちへ!」
シン「…父さん!母さん⁉︎マユは⁉︎」
シン「マユっ!」
シンの家族の遺体「………」
シン「う…うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
吹雪「う…嘘…いやぁぁぁぁ!」
…! …ぶき!
???「吹雪!」
吹雪「!…ハァ…ハァ…し、司令官…」
提督「相当うなされていたぞ。大丈夫か?」
吹雪「は、はい…あっ!護衛任務中に居眠りなんて…!」
提督「大丈夫だ。俺も大和もいるんだからさ。…まあ、大和は後から合流だが。それに護衛対象はまだ居ないし、来るまで休んでな。」
吹雪「いえ!吹雪、任務を全うします!」
提督「そうか、ならもう一度任務の確認だ。」
吹雪「はい!護衛対象の2名をアーモリーワンまで護衛し、アーモリーワンの視察。その後ジャンク屋さんの護衛を済ませた大和さんと合流、ミネルバ進水式に参加。その後ジェネシスαに護衛対象とジャンク屋さんを送り届けた後は…アメノミハシラに帰還です!」
※アメノミハシラ:オーブ所属のコロニー。宇宙エレベーターの計画が戦争で頓挫したため、天頂部のみ通常のコロニーとしてロンド・ミナ・サハクが居城として使用している。
※ジェネシスα:本編にも搭乗したジェネシスのプロトタイプ。放棄されていたがロウ・ギュールらが接収、宇宙船加速装置として使用したのち、ジャンク屋の本拠地として利用される。
提督「よし、覚えてたな。」
係員「同乗者のお二人をお連れしました。」
提督「おっ、ご苦労さん。」
ジェス・リブル「あんたが俺のボディーガードか?俺はジェス・リブルだ。んで、こっちが8(ハチ)。よろしく。」
8《よろしく頼むぞ!》ピボッ!
※ジェス・リブル:機動戦士ガンダムSEEDdestinyアストレイ主人公。MSに乗るフォトジャーナリストで、搭乗機体はストライカーシステムを持つアストレイアウトフレーム。
※8:謎の人工知能コンピューター
提督「よろしくお願いします。で、そちらが…」
カイト・マティガン「カイト・マティガンだ。ふーん、女の子が1人に、男が1人。ねぇ…」
提督「私の代わりに女性を呼んだ方がよろしかったですか?」
カイト「贅沢言えばな。」
ジェス「カイト!」
カイト「冗談だ冗談。で、そこの…吹雪だな、よろしく。」
吹雪「はい!よろしくお願いします!」
※カイト・マティガン:フリーのMS乗り。女好き。 主な搭乗機体はジン・アサルト テスタメントガンダム
カイト「こいつのお守りは楽じゃない。手伝ってもらえるならありがたい。影の軍神の差し金なら腕は確かだろ?」
提督(やはり見抜いたか。)「さあ?なんのことやら。私達はただの民間ボディーガードですよ。」
吹雪(…ばれちゃいましたよ⁉︎どうします⁉︎)
提督(大丈夫。遅かれ早かれあちらにはバレる。今から行く、プラントにもな。)
ジェス「影の軍神?なんのことだ?」
カイト「知らないなら知らないでいい。さっさと行こうぜ。カンヅメ生活が始まるんだ。焦らすなよ。」
提督「心配せずとも…」
『シャトル発進10分前。シートに座ってシートベルトを付けてください。』
提督「ほら。」
数時間後
吹雪「へぇ…ジェスさんってMSに乗るフォトジャーナリストさんなんですか…」
ジェス「ああ。変わってるだろ?」
『まもなくアーモリーワンです。』
ジェス「おっ、着いたか。」
提督「そのようですな。我々は軍の基地に入る事は許されていませんので、アーモリーワン観光でもしています。」
カイト「観光、ねぇ…」
ジェス「そうか。なら、式典でまた会おう。吹雪ちゃんも。」
吹雪「はい!」
ジェス「あ、そうだ。写真、いいかな?」
吹雪「いえ、そういうのは…」
提督「多少は大丈夫だろう。撮ってもらえ。」
吹雪「ありがとうございます!」
パシャッ!
ISとシンのクロス思い出した
支援
>>10支援感謝です
宇宙港ブロック
吹雪「わぁ…すごい人だかり…」
提督「式典が近いからな、軍の人間やプラント本国からのVIPも多い。ほら、あそこ。」
ミーア「はーい!勇敢なるザフトの兵士の皆さーん!ラクス・クラインでーす!」
ザフト兵達「「ラクス様ー!」」
提督「ラクス・クラインと共にアーモリーワンに入る事によって」
吹雪「オーブ所属である我々を目立たなくする…ですね!」
提督「まあ戦時中でもないし、そんな事する必要はないがな。」
天龍「おい隊長!どういう事だよ!ザクの受領は今日のはずだろ⁉︎」
イザーク「敬語を使え敬語を!進水式でゴタゴタしてるんだ、我慢しろ!」
竜田「天龍ちゃん、もうちょっとゲイツRで我慢しましょ?」
天龍「う…竜田がそう言うなら…」
イザーク「おい!竜田がそう言うならってなんだ⁉︎」
ディアッカ「おっ、あの子、けっこうイカしてんじゃねえか?」
イザーク「ディアッカはそのみっともない真似をやめろ!」
シホ「……胃薬、ありませんか…?」
店員「た、大変ですね…ほら、これ。お代は結構です。」
シホ「ありがとうございます…」
吹雪「うっ、なんかウィンクしてきた…」
提督「あ、吹雪。ほれ。」
吹雪「えっ?伊達眼鏡…ですか?」
提督「一応変装用にな。」
吹雪(伊達眼鏡)「はい、わかりました!」
提督「よし、じゃあどこ回るか?」
吹雪「え?視察じゃ…」
提督「さっき観光だって言ってたろ?」
吹雪「それじゃあ…
数日後 進水式前日
提督「あ、大和、こっちこっち。」
大和「遅くなりました。」
提督「いやいや、待ってないよ。そっちこそ任務お疲れ。」
吹雪「お疲れ様です!」
提督「よし、前夜祭までその辺ブラブラしようか。どこか行きたいとこある?」
大和「そうですね…海鮮ジョンゴル鍋…とか?」
提督「よし!そこ行こうか!」
アウル「…なにやってんの?あれ。」
スティング「浮かれてるバカの演出じゃねえの?お前もバカをやれよ。バカをさ。」
ステラ「うふふふ…」
シン「おっと!」
ドンッ!
シン「大丈夫?君…」
ステラ「…誰? ふんっ!」
シン「なんだよ…」
ヨウラン「胸、掴んだな?お前。」
シン「あっ!」
ヨウラン「このラッキースケベ!」
提督「? 風が…」
大和「けっこう強いですね…!」
吹雪「きゃあっ!」(スカ-トバッサァ-!)
シン「⁉︎」
ヨウラン「訂正するわ。このダブルラッキースケベ!」
シン「あっ!おい!待てよ!」
シン(あの後ろ姿…吹雪?いや、あいつがここに居るはずが…見間違いだろ。)
1時間後
提督「うまい!やっぱりプラントといえばこれ!って感じだな!」
大和「この海老なんか特に…!」
吹雪「スープも最高です!」
店員「ありがとうございます~」
ウゥーーーーウゥーーーーー!
提督「! これは…」
店員「避難警告だ!お客さんも早くシェルターに逃げな!」
吹雪「一体何が…」
大和「とりあえずジャンク屋の船へ…そこに私たちのMSも載せてあります。」
提督「ああ! 吹雪!行くぞ!」
吹雪「わかりました!」
ジャンク屋の輸送船
ユン・セファン「どどどどどうしましょう~」
大和「ユンさん!」
ユン「あっ、ボディガードの人たち~!アーモリーワンの基地で新型MS強奪事件です~!」
提督「なんだと⁉︎」
ジェス(通信)『輸送船のユンさん!聞こえるか!?あっ、ヤマモトさんに吹雪ちゃんも!』
提督「どういう状況なんです⁉︎」
ジェス『ミネルバに搭載される予定だったMSが3機暴れてる!』
カイト『ザフト軍のMSは取り押さえようとしてるが、撃墜される機体が結構ある!やり手だ!』
提督「そうですか… 大和!持ってきたM1アストレイ2機と、アレを起動!パイスーに着替えろ!吹雪も!」
大和・吹雪「了解!」
格納庫
大和「M1アストレイ、起動。」
吹雪「私も…」
提督「吹雪はあっちだ!来い!」
吹雪「えっ⁉︎」
ユン「いや~ん!ミラージュコロイドデテクターに反応です~!」
カイト「条約違反だろうが!姿を見せろ!」
カイトのジン・アサルトが虚空を撃ち抜く。その直後、何もない空間からNダガーNが現れた。
※ミラージュコロイド:ブリッツの光学迷彩システム。特殊なガスを磁場で機体周辺に定着させ、光学迷彩とする。ユニウス条約により使用が禁止された。ビームサーベルもミラージュコロイドの技術を応用したものだが、条約で禁止されたのは直接光学迷彩とする場合のみ。
※NダガーN:わかりやすく言えば量産型ブリッツ
種死だったらインパルス、ガイア、カオス、アビスのどれかでよかったんじゃ…もしくはザクシリーズとか
>>19あんまりそういうメイン張る機体に乗ると根本的にストーリー変えなきゃいけない気がしたので…ザクに乗る艦娘もちょいちょい出すので許して…
カイト「くそっ!なかなかやりやがる…!」
カイトのジンはピストルを向けるが、NダガーNは巧みにミラージュコロイドを使い、狙いが定まらない。
カイト「チッ!こいつは俺に任せろ!ジェスはさっさとジャンク屋とボディガード連れて離れろ!」
ジェス「おう! …うわっ!」
8《新手だ!》ピボッ!
NダガーNは腰の刀でジェスのアウトフレームに切り掛かるが、大和のM1アストレイが横からシールドで突っ込む。
態勢を崩したダガーは消えた。
大和「どこに隠れた⁉︎きゃあっ!」
突然目の前に現れたNダガーN。アストレイの左腕を盾ごとぶった切られる。
ジェス「大丈夫か⁉︎このパワー…まさか!」
提督「核だ!炉を潰せば大爆発するぞ!」
※もちろん核動力も条約違反
ジェス「ヤマモトさん!…吹雪ちゃんは⁉︎」
提督「吹雪の機体は今起動中です!」
吹雪「暗くてよく見えなかったけど…アストレイタイプのOSなら新型でも!」
吹雪「ストライカーシステム搭載機?装備は…ソードを選択!」
吹雪「この機体…ストライク⁉︎」
格納庫のハッチが開く。
NダガーNはそこに突っ込んでいくが、直後に頭を吹っ飛ばされる。
吹雪の機体のパンツァーアイゼンだ。
吹雪「これが私の機体…ストライク!」
天空のキラでキラがストフリを貰いに行くためにルージュに乗ってたし、ストライクはドミニオンの攻撃で壊れたし、データも削除されてるだろうから無理がある気がするんだよ
>>22 あれは「キラにはフリーダムがあるし、ムラサメやM1アストレイもあるのにもう一機ストライク建造する意味がなかった」と解釈してます。 さすがにルージュの設計データ削除するほどモルゲンレーテもアホじゃないと思います
同時刻 アーモリーワン内部
メイリン「インパルス、発進スタンバイ。」
メイリン「パイロットはコアスプレンダーへ。モジュールはソードを選択。シルエットハンガー2号を解放します。シルエットフライヤー射出スタンバイ。」
メイリン「プラットホームのセットを完了。中央カタパルトオンライン。気密シャッターを閉鎖します。発進区画、非常要員は待機して下さい。」
メイリン「中央カタパルト発進位置にリフトオフします。コアスプレイダー全システムオンライン。発進シークエンスを開始します。ハッチ開放。射出システムのエンゲージを確認。カタパルト推力正常。進路クリアー。コアスプレイダー、発進、どうぞ!」
メイリン「カタパルトエンゲージ。シルエットフライヤー、射出、どうぞ!続いてチェストフライヤー射出、どうぞ!レッグフライヤー射出、どうぞ!」
戦闘機とは似ても似つかない飛翔体が、ミネルバから飛び出す。
スティング「なんだありゃ⁉︎」
アスラン「あれは…」
それらは合体し、MSとなった。
シン「どうしてこんな事…また戦争がしたいのか!あんた達は!」
同時刻 アーモリーワン宙域
頭を潰されたNダガーNは輸送船から距離を取り、ミラージュコロイドを展開しようとするが不完全だった。
そこに吹雪が切り掛かる。
提督「足を潰せ!炉は傷つけるな!」
吹雪「了解!てぇぇぇい!」
吹雪のシュベルトゲベールが、NダガーNの足を切り裂く。
返す刀で両腕を落とす。
NダガーNはメインカメラをやられ、なすすべなく達磨にされた。
吹雪「接触回線で聞こえますね⁉︎」
ダガー「……」
吹雪「あなた達の目的は何⁉︎」
ダガー「……」
吹雪「答えなさい!」
ダガー「…く清……る世界の……に……」
吹雪「⁉︎ 今なんと言いましたか⁉︎」
ダガー「青く清浄なる世界の為に!」
ブルーコスモスの掲げるスローガンだ。
提督「まずい!自爆しやがる!離れろ!」
吹雪「えっ⁉︎あっ、はい!」
その直後、NダガーNは大爆発を起こした。
提督「吹雪!応答しろ!吹雪!」
吹雪「はい、隊長!」
提督「よし、損傷は⁉︎」
吹雪「特にありません!」
カイト「くそ、寸前でレーダーがイカれて逃げられた…」
大和「私も…変ですね…」
提督「…まぁ、無事だったんだからそれで良しとしよう。」
吹雪「そうですね。」
ジェス「なんだったんだ…あれは…」
※ここでジェスはレーダーに映らない謎のMSテスタメントガンダムを目撃しますが、それを拾っていくといつまでたってもdestinyに繋がらないのでテスタメントガンダムのくだりは割愛。
真相は単行本を◯mazonでポチろう。
>>28
アーモリーワン襲撃のファントムペインはブルーコスモスというかロゴス直轄の非正規部隊だからね。
ところで連合側にも誰か艦娘が出てくるのかな?
>>30勿論数名出しますが、まだ何処に配置するか迷ってます。
数日後 アメノミハシラ
加賀「ミナ様からの伝言は以上です。」
提督「ああ。ありがとう。」
???「隊長ゥゥゥ!!」
提督「うわっ!」
金剛「バァァニング!ラァァァァブ!」
提督「金剛かよ…おどかすなって…というか!お前本国で隊長やってんだろ⁉︎なんでここに居るんだよ!」
金剛「部隊に入れてもらいに来マシタ。」
提督「だからお前は隊長だろ!比叡と榛名と霧島は⁉︎」
金剛「本国でお留守番デース!」
提督「だったら帰れよ!」
金剛「マタマタ~嬉しいくせに~」
提督「嬉しかねえよ!」
金剛「あ、隊長!お土産持ってきマシタ!これで買収デース!」
提督「あー…なんだ?それ。」
もう突っ込む気も失せた提督であった。
金剛「ケバブデース!」
提督「おっ、ケバブか。」
加賀「いい食べ物ね。さすがに気分が高翌揚します。」
赤城「上々ね。」
大和「ありがたくいただきます。」
提督「赤城と大和は何処から湧いて出た!…まあいい。みんなで食おう。」
金剛「ソースは勿論ヨーグルトソースデース!」
提督「やっぱりケバブにはヨーグルトソースだよな!」
大和・加賀「は?」
加賀「頭にきました。」
大和「そ、それでケバブのつもりなの⁉︎」
提督・金剛「は?」
提督「冗談…だよな?まさか、チリソースかけようだなんて言うんじゃ…」
金剛「味オンチにもほどがありマースwww」
加賀「味オンチはどっちですか。」
大和「ケバブ復元しないと…チリソース急いで!」
提督「あああ!やめろ!ケバブがぁぁぁぁ!」
金剛「ファイヤー!」
金剛が大和の手のチリソースを殴り飛ばす。
大和「ああっ!チリソースがっ!」
提督「だいたい!あんな辛いだけのソースの何処がいいんだ!ヨーグルトには肉を柔らかくする成分が入っていてな…!」
大和「甘ったるいケバブなんかケバブじゃないでしょう!ほらっ!隊長もチリソースかけて…」
加賀「ここは譲れません。」
加賀がお返しとばかりに金剛の手のヨーグルトソースを奪い取る。
金剛「Shit!アンディに貰った大切なソースが!」
ワーワー!ギャーギャー!
赤城「おいしい…」
大喧嘩の中、1人で二種類のソースを楽しむ赤城であった。
高翌翌翌揚×
高翌揚◯
あっ、sagaしなきゃダメなパターン?
ダメなパターンですよ。
>>37ありがとうございます
吹雪「隊長!大変!大変です!」
提督「ん⁉︎吹雪か⁉︎今それどころじゃないんだよ!」
吹雪「ユニウスセブンが地球に向けて動いています!」
提督「そんな事でいちいち騒ぐな!今はケバブが先だ!大体ユニウスセブンが地球に落ちたところで地球が滅…え?」
部屋の中の全員が固まる。
大和「吹雪?今、なんと…」
吹雪「だーかーら!ユニウスセブンが地球に落ちそうなんですって!」
金剛「ブッキー!ついていいジョークと悪いジョークがあるデスよ?」
加賀「そうです。あれは数百年単位で安定する位置にあるのだから、万一にでも落ちるわけが…」
提督「いや、故意の事件かもしれん。」
大和「そんな!一体誰が…」
提督「んなこたぁ知らん!召集がかかるぞ!全員パイスーに着替えてドックに集合!」
一同「了解!」
その頃 ナスカ級戦艦 ボルテール
イザーク・天龍「はぁ⁉︎ユニウスセブンが地球に向けて動いているだと⁉︎」
シホ・ディアッカ・竜田(似てるなぁ…)
オペレーター「ええ、それも結構な速度で…」
イザーク「それで本国からの指令がユニウスセブン破砕任務だな?よし!メテオブレイカー積み込み急げ!積んだらすぐに出撃!」
天龍「ザクのスラッシュウィザードは間に合わないか…」
イザーク「そんな事を言ってる場合か!地球が滅ぶんだぞ⁉︎」
天龍「言われなくてもわかってる!」
イザーク「ミネルバも来る!新造艦に遅れをとるな!」
イザーク隊「はっ!」
今更だけど龍田だよぉ
>>41うわっやっちゃった…雷撃処分されてきます
ウズミさんが自爆したと同時にモルゲンレーテ社も壊れてるしデータ自体ないと思うんだよな…
ルージュ自体はストライクのデッドコピーだし
それならグリーンフレームとかにしたらいいような
グリーンフレームはまだパイロットいなかったし
>>44モルゲンレーテの研究データ諸々は自爆する前にコピーをとってクサナギに積み込まれました。それにグリーンフレームももうパイロット居るはず
ユニウスセブン
ディアッカ「こうして改めて見ると、デカイな…」
イザーク「当たり前だ!同じような場所に住んでるんだぞ!俺たちは!」
ディアッカ「それを砕けって今回の仕事がどれだけ大事か改めてわかったって話だよ!」
天龍「ちゃっちゃと始めようぜ!」
ユニウスセブンに取り付いたジュール隊が、メテオブレイカーのセッティングを開始する。
龍田「メテオブレイカーセット完了、そっちは?」
ゲイツR「もうすぐ完了で…うわぁ!」
作業中のゲイツRが突如爆散した。
龍田「えっ⁉︎」
天龍「なんだ⁉︎あれは…」
サトー「こんなひよっ子共に!」
何機かの黒いジンがビームを放ち接近する。
ディアッカ「ジン・ハイマニューバ2型⁉︎ザフトか⁉︎」
天龍「あんなポンコツ今時使うやつなんざいねぇ!海賊だ!」
龍田「天龍ちゃん!ライフル貸して!」
天龍「おうよ!」
龍田のザクに腰にマウントされたライフルを投げ渡す。天龍自身は盾からビームトマホークを抜き放つ。
天龍「お前等に邪魔はさせねぇ!」
的外れなこと言ってるかもだけど初期GATシリーズって全部再生産されてるからデータとか残ってるんじゃないの?会社が違うから関係ない?
>>47ストライク以外は連合系企業かライブラリアンしか再生産していないので、オーブはストライクのデータしか持っていないと考えています。
まあロンド・ギナとミナがソードカラミティやらを連合から貰ってるのでその辺はよくわかりません。
同時刻アメノミハシラ
オペレーター「第3カタパルト、M1アストレイ発進、どうぞ!」
提督「M1アストレイ、出るぞ!」
オペレーター「続いて、ムラサメ、どうぞ!」
金剛「YES!私の実力、見せてあげるネー!ムラサメ、Go!」
オペレーター「続いて、オオツキガタ・加賀機、どうぞ!」
加賀「加賀、オオツキガタで出ます。」
オペレーター「続いて、オオツキガタ・赤城機、どうぞ!」
赤城「赤城、オオツキガタ出ます!」
オペレーター「続いて、M1Aアストレイ、どうぞ!」
大和「大和、M1Aアストレイ、出撃です。」
オペレーター「続いて、ストライク、発進スタンバイ!ストライカーはランチャーを選択! どうぞ!」
吹雪「吹雪、行きます!」
※オオツキガタ:宇宙戦用にカスタムされたムラサメ。翼の代わりにレドームと大口径キャノンを搭載。
※M1Aアストレイ:宇宙戦用にカスタムされたM1アストレイ。狙撃用ライフルを持つ。
投下再開します。
ユニウスセブン
ユニウスセブンでは、ザフト、連合、テロリストの三つ巴の混戦になっていた。
天龍「くそっ!落ちろ!」
テロリスト「軟弱なデュランダルに騙された哀れなやつらめ!」
天龍「議長が軟弱だと⁉︎てめぇ!」
龍田「天龍ちゃん!抑えて!」
テロリスト「つい先日も新型MSを奪われたそうじゃないか!無様なものだな!」
天龍「うるせぇ!ペラペラペラペラと暴言ばかり!」
テロリスト達はザフトの回線で怒りの声を上げながら戦う。
自分達を下に見ている発言に天龍の堪忍袋の尾は切れる寸前だった。
テロリスト「ふん!先の大戦でパトリック・ザラが成し得なかったナチュラルの殲滅!今こそ!」
天龍「言いたい放題言いやがって…!」
龍田「天龍ちゃん!気持ちはわかるけど、今は抑えて。私たちの下にあるのは核すらかわいいレベルの兵器なのよ。」
その頃、作業を続けていた班は、イザークやシンたちに守られつつ、作業を終了した。
ゲイツRA「メテオブレイカー固定、よし!」
ゲイツRB「よし!」
ウィーーーン…ガガガガガガガガガガ!
メテオブレイカーが起動した。
轟音を立ててユニウスセブンに潜り込んだドリルが、数秒後大爆発を起こす。
ユニウスセブンに亀裂が入り、そのまま二つに割れた。
ディアッカ「グゥレイトォ!やったぜ!」
歓声が巻き起こる。
アスラン「だがまだだ!もっと細かく砕かないと!」
アスランの指摘はもっともだった。このまま落ちても大気圏で燃え尽きず、地球に与える被害は甚大。
アスラン(もしこれが一つでもオーブに当たれば…)
オーブは島国だ。その島々に直撃しようものなら、当たった島は消し飛ぶ。
ユニウスセブン宙域
メイリン「MS反応、さらに接近!」
タリア「テロリストの新手⁉︎」
メイリン「いえ、これは…オーブ所属のMSです!」
カガリ「オーブだと!?」
タリア「回線、繋げる?」
メイリン「繋ぎます!」
提督『…おっ、繋がった。こちらオーブ軍所属、ヤマモトです!』
カガリ「オーブ軍!来たのだな!」
提督『カガリ様!ご無事で何より。本題ですが、ジェネシスの破砕の護衛を手伝いたい。』
タリア・カガリ「⁉︎」
提督『我々はオーブの直撃コースにある石ころを排除または起動修正せよとの命令を受けています!ですがこのデカイのが落ちればオーブだのなんだの言ってられないのはお分かりでしょう?』
デュランダル「そういう事ならばかまわない。君たちの参戦を許可しようではないか。いいか?グラディス艦長。」
タリア「ええ、許可します。」
提督『ありがとうございます!そちらもある程度砕いてくださいよ!』
メイリン「通信、切れました。」
タリア「各機に通達!オーブ所属MSが参戦!ユニウスセブンの破砕を支援する!今は味方よ!」
ユニウスセブン
提督「散開!加賀、赤城はオーブ直撃コースの石を砕くかコースを変えるかしろ!」
提督「残りはザフトに加勢だ!」
一同「了解!」
ディアッカ「なんだなんだぁ⁉︎」
イザーク「アストレイ⁉︎」
シン「オーブ⁉︎味方なのか⁉︎」
提督「こちらオーブ軍!ジェネシス破砕を援護する!」
オーブの参戦は一瞬戦場の動揺を誘ったが、すぐに収まり、メテオブレイカーの取り付けを再開する。
テロリスト「オーブだと⁉︎地球人が邪魔をするなぁ!」
テロリストのジンが、吹雪のストライクに襲いかかる。
吹雪「くっ!どうしてこんなものを落とすんです⁉︎」
肩の対艦バルカンで牽制しつつ、吹雪は問いかける。
テロリスト「知れた事!ナチュラル共に天誅を下す!」
吹雪「地球に住むコーディネーターは無視するんですか⁉︎」
テロリスト「彼らは尊い犠牲となるのだ!」
吹雪「こんな虐殺に尊いもへったくれもありません!」
吹雪のストライクがバーニアを思いっきりふかし、ジンにタックルをかます。
テロリスト「ぐぉぉぉ!」
ジンはユニウスセブンに叩きつけられ、態勢を立て直そうとする。
吹雪「あなたたちが下すのが天誅なら!これだって天誅です!」
腰のアーマーシュナイダーを取り出し、ジンの頭に突き立てる。
テロリスト「メ、メインカメラが!くっそぉぉぉ!」
ヤケになったテロリストがストライクの足を掴む。
自爆する気だ。
吹雪「この子の足は蜘蛛の糸じゃない!」
コックピットにアーマーシュナイダーを突き刺す。
ジンは糸の切れた操り人形のように動きを止めた。
グリーンフレームについては「まだ」といったがこの時はって意味でいったんだが勘違いさせてすまんυ
今じゃトロヤが正式なパイロットだしな
最初はバリー・ホーがパイロットだったけどお亡くなりになられたし
>>54こちらこそ時系列の話と気づけず失礼いたしました。 なんでバリー・ホー殺したんでしょうね。解せぬ
ドォォン!ドォォン!
提督「信号弾⁉︎」
空に輝く3つの星、それは撤退を意味していた。
デュランダル「ほう、帰ってくれるか。」
ボギーワン、いやガーティ・ルーは撤退した。
破砕任務を理解したのではなく、高度の関係だろう。
天龍「行くぞ!龍田!」
龍田「追撃するね~。逃がさないから~」
テロリスト「パトリック・ザラのとった道こそが真の正しい道だとなぜわからない!」
龍田「そんな身勝手な理由で、」
天龍「世界を滅ぼされてたまるかぁぁぁ!」
天龍のザクがビームトマホークを投げつける。
テロリスト「くっ!だが所詮ひよっこのする事!」
ジンは盾でビームトマホークを受けるが、勢いに負けてのけぞる。
龍田「所詮ジンじゃこの程度?」
仰け反った隙に距離を詰めた龍田が天龍の投げたビームトマホークをキャッチし、袈裟斬りにする。
テロリスト「ぐぅぅぅ!ここで我々の願い、潰えるわけにはぁぁぁ!」
天龍「執念だけは凄いな。弱い犬ほどよく吠えるとはこの事か?」
テロリスト「くそぉぉぉぉ!」
テロリストのジンは爆散した。
天龍「このザクは世界水準軽く超えてるからな。」
>>55
あ、それは俺も思った
なぜあんな強い人を殺したのかと…
まあ考えられる理由としてはあの世界でただ一人のGFだからバランスブレイカー過ぎるためバランス取るために殺すしかなかったんだろうなと
>>57あの人丸腰ストライクダガーでダガーLの部隊圧倒したり機銃食らって「くっ!」で済ます人外ですししょうがないんですかね…
ゲイツRA「メテオブレイカー、起動!」
ゲイツRB「起動!」
メテオブレイカーが次々と起動され、だんだん小さくなっていく。
しかし大きいのが一つ残ってしまった。
オペレーター「高度限界近い!帰還を推奨!」
時間切れだ。
提督「くそっ!どうするんだこれ!」
吹雪「……」
~回想~
シン「…父さん!母さん⁉︎マユは⁉︎」
シン「マユっ!」
シンの家族の遺体「………」
シン「う…うわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
吹雪「う…嘘…いやぁぁぁぁ!」
~回想終わり~
吹雪(このままじゃ、このままじゃあの時以上に理不尽に殺される人が大勢生まれてしまう…)
吹雪(そんなことをさせないために私は軍に入ったのに、ここで手を出せなかったら…)
提督「吹雪!金剛!帰還だ!加賀、赤城、大和も!ミネルバが艦首砲で…っておい!」
吹雪は何も聞こえていない。視界にあるのは国一つ悠々と滅せる隕石と、メテオブレイカーだけだった。
吹雪「止めなきゃ…!」
提督「ああっ!吹雪!ランチャーストライクじゃ大気圏突破は無理だ!」
吹雪「やらなきゃ…」
M1アストレイで追おうとするが、M1アストレイで大気圏突破は不可能だ。
自殺行為ではなく、自殺。
提督「くっ!」
覚悟を決めて突っ込もうとするが、通信が入る。
タリア「何をやってるんです!そこだとタンホイザーで吹っ飛びますよ⁉︎」
提督「しかし…」
デュランダル「先ほどのストライクだね?我々が救出しよう。」
提督「!?」
デュランダル「無論、あの子の運がよければ、だがね。」
タリア「議長!」
デュランダル「彼らはユニウスセブン破砕に手を貸してくれたんだ、これぐらいやってあげるのが義理というものではないかな?」
タリア「……わかりました、善処します。議長はボルテールへ移ってください。早く!」
デュランダル「では、アスハ代表も…」
カガリ「いや、私はこのまま残る。アスランとオーブの軍人がいるのだろう?見届けるのが私の今の使命だ。」
デュランダル「…わかりました、お好きにどうぞ。」
提督「…吹雪…無事でいてくれ…!」
提督らは、アメノミハシラに向けて宙域を離脱した。
ユニウスセブン
シン「なにやってるんです!帰還命令が出たはずだ!通信も入ってるでしょう!」
アスラン「ああ、わかってる。君は戻れ。」
シン「一緒に吹っ飛ばされますよ⁉︎良いんですか⁉︎」
アスラン「ミネルバの艦首砲といっても、確実じゃない。これだけでも…」
シン「なんで貴方みたいな人がオーブに…」
サトー「うぉぉぉ!」
シン「こいつら!まだ居たのか⁉︎」
テロリスト「娘の墓標!落として焼かねば世界は変わらぬ!」
アスラン「娘…?」
サトー「軟弱なクラインの後継者どもに騙され、ザフトは変わってしまった!」
サトー「何故気付かぬか!我らコーディネイターにとってパトリック・ザラのとった道こそが、唯一正しきものと!」
アスラン「父上の…?」
アスランのザクの動きが止まる。
シン「危ない!」
ここぞとばかりに迫るジンがアスランを襲うが、直後に上からの砲撃で爆散する。
吹雪「……」
アスラン「あれは…ランチャーストライク⁉︎」
シン「オーブ軍…だったよな今は!なんでまだ離脱してない!」
吹雪「砕かなきゃ…」
シン「おい!答えろ!」
アスラン「ストライクのパイロット!」
アスランがストライクの肩を掴み、呼びかける。
吹雪「…あっ!はい⁉︎」
アスラン「メテオブレイカーを起動するんだ!ジンは俺たちが抑える!」
吹雪「わかりました!」
吹雪がメテオブレイカーを起動する。大気圏の熱やら振動やらでなかなかセッティングできない。
テロリスト「やめろぉぉぉ!」
シン「あっ!待て!」
テロリストのジンがストライクに突っ込む。
吹雪「これをこうして…きゃぁっ!あっ!メテオブレイカーが!」
メテオブレイカーが誤作動を起こし、ドリルは地中に飲み込まれた。そして爆発。
少し欠けただけだった。
アスラン「くそっ!破片から離れるんだ!」
シン「了解!…おい!ストライク!死にたいのか!」
吹雪「メテオブレイカーが…最後の希望が…」
シン「ああもう!」
ストライクの腕を掴み、強引にその場を離れる。その直後、破片がタンホイザーによって砕かれた。
シン「…危なかった…」
吹雪「これで被害も少なく…」
アスラン「ストライク!こっちだ!隕石を盾に大気圏突破する!燃え尽きるぞ!」
吹雪「あっ、はい!」
無事大気圏突破に成功し、3人はミネルバに収容された。
地球では各地に隕石が降り注ぎ、主要都市は壊滅、湾岸は高波の被害を受けている様子だった。
この事件は、ブレイク・ザ・ワールドと名付けられる。
ミネルバ 格納庫
ヴィーノ「しっかし、この船は部外者がよく乗り込むなぁ…今度はストライク?わけわかんねえよ…」
ヨウラン「おっ、降りてきたぜ。…女か。」
吹雪「……」
リフトを使って降りる吹雪。人だかりができていた。
吹雪(さすがにザフトの船に連合の機体が乗ればこうなるよね…まあこれはオーブ所属だけど。)
だが、憲兵が居ないのを見ると、カガリの影響もあるのだと理解できる。
アスラン「君!大丈夫だったか⁉︎」
吹雪「あっ、さっきは助けていただき、ありがとうございました!」
シン「なんだ、女かよ。」
吹雪「えっ?」
吹雪は聞き覚えのある声に驚く。振り向いて誰の声か探す。
シン「あ、いや、ごめん。結構いい腕してたからさ。どんなパイロットか気に…なって…」
吹雪「久しぶり、シン。」
シン「吹雪…なのか…?」
ミネルバ 甲板
カガリの存在もあり、吹雪は一部区画のみだが、自由に出入りできる事となった。
吹雪「そっか…インパルスのパイロットだったんだ…」
シン「吹雪こそ。お前が軍に入るなんて思ってもみなかった。」
吹雪「…おじさんたちが亡くなったあの日、私も居たでしょ?」
シンの瞳は海の方を見ている。
シン「…ああ。」
吹雪「その時、思ったの。『こんな理不尽、あってたまるものか』って。」
吹雪「その後フリーダムを見て『理不尽から人を守るには力しかない』って思った。」
吹雪「さっきも、『理不尽で人が死ぬ』って考えたら、視界がぐっと狭くなって。」
シン「…それで自分から大気圏に突っ込んだっていうのか?」
シン「死ぬかもしれなかったんだぞ?」
吹雪「軍人が『死ぬかもしれないからやらない』は通らないよ。」
シン「…なんでそんなにオーブ軍に…偽善者の国に従うんだ?」
吹雪「……」
シン「プラントに来いよ。」
吹雪「…私はナチュラルだから、できないよ。」
シン「そんな事…」
吹雪「そんな事、じゃない。ナチュラルとコーディネイターの対立が、前大戦のキッカケでしょ?」
シン「そうだけど…」
吹雪「ナチュラルとコーディネイターが対等に付き合える国が、オーブってだけ。」
吹雪「オーブの理念は偽善だってわかってる。」
吹雪の瞳は、真っ直ぐミネルバのブリッジを見据えていた。
オペレーター『オノゴロ、オートコントロール1より全ステーションに伝達。ズールアルファ、アライバルを確認。以後ズールアルファは誘導チャンネル、イオタブラボーにてナブコムとリンクする。入港シークエンス、ゴー。』
ウナト・エマ・セイラン「ザフトの最新鋭艦ミネルバか。姫もまた面倒なもので帰国される。」
ユウナ・ロマ・セイラン「仕方ありませんよ父上。カガリだってよもやこんなことになるとは思ってもいなかったでしょうし、国家元首と兵士を送り届けてくれた艦を冷たくあしらうわけにもいきますまい。今は。」
ウナト「ああ、今はな。」
投下、二日目行きますよー!
ミネルバ 格納庫
オーブ整備士「オーライ、オーライ…ストップ!そこでストライクを仰向けに寝かせて!」
吹雪「よいしょっ…」
迎えのカーゴに、ストライクを載せる。
オーブ整備士「よし、積み込み完了。君はお別れ言っときな。」
吹雪「ありがとうございます!」
カーゴから降りて、作業を手伝っていた整備士に話しかける。
吹雪「今回の件は助けていただき、ありがとうございました。」
ヨウラン「なに、ユニウスセブンの破砕を手伝ってくれたんだ、このくらい。他国の人間に言うことじゃないかもしれないが、その機体、大事に使えよ。」
吹雪「はい!」
辺りを見回す。
吹雪「あの…シンは…?」
ヴィーノ「シンか?あいつ、今日は自室からでてきてないみたいだな。」
吹雪「そうですか…」
彼なりに気を使ったのだろう。
提督「おーい!吹雪ー!」
吹雪「あっ、私はそろそろ行きますね。」
ヨウラン「おう、じゃあな。」
ヴィーノ「また何処かで会おう。」
吹雪は港の車に走っていった。
レイ「……」
それをキャットウォークから眺めるレイ。
ルナマリア「そんなにあの子が気になるの?」
レイ「いや?ストライクは誰を選ぶのか気になっただけだ。」
ルナマリア「???」
絵文字の?使ってるせいで何か緊張感が無くなる、ピンクだし尚更
>>68まじっすか
自分のやつだと普通に黒の?で出るんですが…
すいません、急用ができました。
夜まで更新できなさそうです
大淀「ブルー25アルファに敵機!」
提督「よし!先週の金剛の戦い方は見ているな?」
吹雪「見逃しました!」
提督「吹雪!今すぐフレッ◯スクエアを見ろ!」
吹雪「どうして誰も!教えてくれなかったんですかぁぁぁぁ!」
投下再開 大淀はまだ出る予定ナイヨー
オーブ オノゴロ島 港
基地に向けて提督は車を走らせていた。そのすぐ後ろにストライクを載せたカーゴがいる。
吹雪「隊長…」
提督「怒りゃしないよ。お前の判断は尊重する。」
提督「でもな、お前はスイッチが入ると周りの声が聞こえなくなるだろ?」
吹雪「はい…」
提督「それは治せ。上官命令だ。」
吹雪「了解です。」
提督「んで?どうだった?ザフト艦は。」
吹雪「どう…とは?」
提督「MS搭載数やら数えたかって話だ。」
吹雪「えっ?」
提督「次会うときはあの船敵だ。ミナ様からのメッセージによると、連合はまた核を使う。」
吹雪「⁉︎」
吹雪「核って…あの核ですよね⁉︎」
提督「そうだ、ユニウスセブン、ボアズを焼き、プラントを滅ぼしかけたあの核だ。」
吹雪は、前大戦終結後に入隊した。戦争に出たことはない。
だが核は何度も何度もビデオなどで見させられた。
「これは人類の過ち」だと。
吹雪「ニュートロンジャマーキャンセラーの軍事利用はユニウス条約で…」
提督「そう、そこだ。お前、アーモリーワンで戦った敵、覚えてるだろ?」
吹雪「敵って…あっ!」
提督「気づいたろ?」
吹雪「光学迷彩としてのミラージュコロイド、核動力、ジャンク屋への正当防衛その他特殊状況下以外での攻撃…」
提督「前の2つはユニウス条約違反、最後のは国際法違反だな。」
吹雪「でも、あれが連合所属って証拠は…」
~回想~
ダガー「青く清浄なる世界の為に!」
~回想終わり~
吹雪「青く清浄なる世界の為に…って!ブルーコスモス!」
提督「安直だがブルーコスモスって事は、連合が関与してる可能性が大アリって事だ。」
提督「それに、アーモリーワン新型MS強奪部隊の母艦がミラージュコロイドを使用したらしい。」
提督「これら全てが連合の仕業というのなら、もうユニウス条約は存在しない。」
ユニウス条約は、他ならぬユニウスセブンの残骸で締結された。
それが頭上から落ちてきて、大勢死人を出した。いや、大勢どころの騒ぎではない。
幸いオーブに直撃は無かったが、高波による被害が発生していた。
地球に住む人たちの怒りは相当なものだ。それは吹雪にもわかる。
提督「そしてこれだ。」
カーナビのテレビをつけ、チャンネルを操作する。
コメンテーター『見てください!この写真に写るジンを!これはザフトの仕業です!』
ユニウスセブンでの戦闘中であろう写真、フレアモーターなどという、人為的にユニウスセブンが動き出した証拠写真が公開されていた。
破砕作業中のザフト部隊の写真は一枚もない。
吹雪「なに…これ…」
コメンテーター『地球軍は必死に抵抗しました!見てください!ジンを撃墜する《ストライク》です!』
ジンのコックピットにアーマーシュナイダーを突き刺すストライクの映像。
これらは何者かに撮影されていたのだ。
吹雪は後頭部をバットで殴られた気分だった。
吹雪「これ…私ですか…?」
提督「お前のストライクはオリジナルと同じカラーだ。」
オリジナルのストライクは、連合の機体。
吹雪のストライクは青、赤、白のトリコロールだ。
吹雪のストライクがなければ、「地球軍は破砕作業を行わなかったのか?」という疑問が残っただろう。
それを避ける為には、ファントムペインを公にするしか無かった。
提督「お前は利用された。新型MS強奪部隊を公にせず、これらを全てザフトの仕業とする証拠にな。俺が迂闊だった。」
提督「連合はこれを口実に開戦する気だ。それも、短期決戦。直接プラントに核攻撃をかますだろう。」
提督「そうすれば後は残党狩りだ。プラントは消滅する。」
提督「オーブは今、大西洋連邦との同盟条約の締結を迫られている。表向きは被災地の支援を円滑にする為だが…」
吹雪「軍事同盟…ですか…」
提督「まあ、そうなるな。」
連合軍基地
オペレーター『ウィンダム、積み込み急げ!』
整備士「核ミサイルは慎重に運べよ!」
港湾ブロックでは、慌ただしくMSやミサイルが行き交っている。
司令部からそれを見ている将校は、口元に笑みを浮かべていた。
将校「攻撃準備はどうか。」
兵士「後3時間程度で完了する予定です!」
将校「開戦すればすぐに祝砲をあげるのだ、君も急ぎたまえ。」
兵士「はっ!」
兵士が部屋を後にする。
将校は端末を操作し、回線をつなぐ。
将校「長門隊、応答しろ。」
長門『こちら長門隊、長門だ。』
将校「敬語は意地でも使わんか。」
長門『貴様ら大西洋連邦に魂まで売ったわけではない。』
将校「ウィンダムを三機送った。自由に使いたまえ。」
長門『いいだろう。だが私が使うのはハイペリオンだ。』
将校「意地でもユーラシア連邦の軍人という事か。結構結構。」
長門『馬鹿にするな。切るぞ。』
アガメムノン級 ブリッジ
艦長「…怖知らずな女だ、あんたは。」
長門「この程度で恐れてるようでは戦争なんざやってられんよ…」
陸奥「あら、可愛いモノ好きの長門がいうことかしら?」
ブリッジ要員一同(えっ)
着信が入る。
長門「…早速か。」
陸奥「あら、さっきの将校さんのプレゼントかしら?良いものだと良いわね。」
長門「陸奥にはバスターがあるのだろう?」
陸奥「あら、バレちゃった?」
オーブ 慰霊碑
携帯『はーい、マユでぇーす!でもごめんなさい。今マユはお話できません。後で連絡しますので…』
シン「くっ…」
シンは、上陸許可が出たのでオーブの慰霊碑に来ていた。
ここにシンの家族が眠っている。
シン「…ん?」
横を向くと、青年がいた。その側には小さな墓石らしきものが。
シン「慰霊碑…ですか?」
青年「うん。そうみたいだね。よくわからないんだ。僕もちゃんとここに来るのは初めてだから…」
青年「せっかく花が咲いたのに、波をかぶったからまた枯れちゃうね。」
シン「誤魔化せないって、事かも。」
青年「…ん?」
シン「いくら綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす…」
青年「君…?」
シン「すいません、変な事言って。俺、そろそろ行きますね。」
シンがそそくさと立ち去る。まるで何かから逃げるように。
青年「行ったみたいだよ。」
吹雪「……ありがとうございました。キラさん。」
キラ「どういたしまして。…野暮だけど、彼は友達かい?」
吹雪「はい…」
キラ「…なんで隠れたのかは聞かないよ。ここにはよく来るのかい?」
吹雪「…私、悩んだらここに来るんです。」
キラ「僕でよければ相談に乗るよ。」
吹雪「…私が開戦のきっかけになるかもしれないんです。」
キラ「え…?」
流石のキラでさえも驚く。
吹雪「ユニウスセブンが落ちたのはザフトの仕業だ!って証拠に、私のストライクが使われたんです。」
キラ「じゃあ、あのストライクは君…?」
吹雪「はい、私はザフトの破砕作業の護衛をしてただけなのに…!」
一瞬静かになる。海鳥が飛んでいった。
キラ「うーん、そうなってしまったのなら、仕方ないよ。」
吹雪「え…?」
キラの返答に驚く。
キラ「君はこれから、多分大変な事になる。それでも、ストライクを信じればいい。」
キラ「ストライクは、僕自身と僕の大切な仲間を守ってくれた。…もちろん守れなかった人も居る。君のご両親の乗ったシャトルとか…ね。」
吹雪「あれは、仕方ないですよ。」
以外にも、吹雪は動揺しなかった。いや、ストライクの件で限界まで動揺しているのだ。
キラ「…優しさがあれば、ストライクはきっと君も守ってくれる。」
プラント ボルテール ブリッジ
天龍「よっしゃあ!スラッシュウィザード受領!ザクも紫に塗装!これで完璧だぜ!」
イザーク「うるさいぞ!周りの迷惑というのも考えろ!」
ディアッカ(あんたもうるさいよ…)
ジョキン
イザーク・天龍「⁉︎」
イザークと天龍が振り向くと、大きなハサミを持った龍田が立っていた。
龍田「二人とも少し声が大きいわねぇ…その髪の毛が邪魔でよく聞こえないのかしらぁ?涼しくしてあげましょうねぇ…」
イザーク「あー、これはだな…その…」
ディアッカ(イザークがビビってる…写真撮っとこ)
シホ(怖がる隊長最高です)
オペレーター「隊長!本国から電信です。」
イザーク「! なんだ?」
オペレーター「空母ゴンドワナに出頭せよとの事です!」
イザーク「了解したと返信しろ!ディアッカと天龍は一緒に来い!」
ディアッカ・天龍「了解!」
ゴンドワナ
ハイネ「ふーん、君達が今度新しく部隊持つことになった扶桑と、その妹の山城、ねぇ…」
扶桑・山城「よろしくお願いいたします。」
ハイネ「なーんか辛気臭いよなぁ…もっとテンション上げていこうぜ?」
扶桑「いや、私たちは…」
兵士「紅茶をお持ちいたしまし…うわぁ!」
兵士が椅子に足を引っ掛けて転ぶ。
その拍子で手から離れた紅茶が扶桑と山城の頭にかかる。
山城「…これですから。」
ハイネ「…なんか、無責任にテンションあげろなんて言ってすまんな。」
扶桑「いえ、そんな事は…大丈夫ですよ。」
ハイネ「本当に大丈夫か?」
山城「お姉様、テンション上げていきましょう。」
扶桑「そうね、山城。」
バツン!
ハイネ「うわっ!」
扶桑・山城「きゃっ!」
兵士「LEDライトがぶっ壊れた…?昨日取り替えたばかりだぞ…」
真っ暗の部屋でつぶやいた。
ハイネ「…不幸だな。」
扶桑・山城「不幸だわ…」
プラント評議会
地球側の要求は、わかりやすく言えば「テロリストを渡せ、さもなくば開戦」だった。
議員A「なにをバカなことを!テロリストどもは全員死亡したという報告書は地球側も受領しただろうが!」
議員B「奴らは開戦したいだけだ!」
デュランダル「皆さん!どうか落ち着いていただきたい!」
議会が静まり返る。
デュランダル「連合がなにを言って来ようが、我々は対話による和解を目指さなければなりません!」
議員C「だが、月の艦隊にも動きがある。迎撃態勢に入らなければ…」
デュランダル「でも、やむを得ませんか。我々の中には、まだ血のバレンタインの恐怖が残っている。」
デュランダル「軍のことは、国防委員会に任せる。しかし、戦端が開かれれば、ユニウスセブンを落とした犯人の思う壺だと言う事を忘れないでいただきたい。」
地下シェルター
ロード・ジブリール「それで?具体的にはいつから始まりますか?攻撃は。」
大西洋連邦大統領「そう簡単にはいかんよ。君もせっかちだなぁ。」
大統領「プラントも未だに協議を続けたいと様々な手を打ってきておるし、同盟に否定的な国も居るのだ。そんな中、そうそう強引には…」
ジブリール「おやおや。前にも言ったはずですよ?そんなものプラントを撃ってしまえば全て治ると。」
ジブリール「奴らがいなくなった世界で、誰が我々に逆らえるのです?赤道連合?スカンジナビア王国?ああ、怖いのはオーブですか。」
大統領「あの国は、まぁ…」
ジブリール「勇敢な、あのストライクに乾杯。」
ジブリールの視線の先には、ジンの頭を破壊し、コックピットを貫くストライクの映像が流れていた。
月面連合軍基地 アガメムノン級
艦長「よし、作戦行動開始。メインエンジン点火!」
長門「……」
長門(また戦争が始まるのか…軍人でしか稼ぎ方を知らない私の家系を恨むぞ…)
月面基地から次々と出撃した艦隊が、プラントを目指す。
その一部は先行して、奇襲のため別方向へ向かう。
それを見た長門は、静かに怒り、手に持っていた端末を握りつぶした。
長門(なぜあんなものをまた使うのだ!軍は何も学んでいないのか!)
それを横で見ていた艦長はちびった。
大統領「これより、全世界の皆様に、重大かつ残念な事態をお伝えせねばなりません。」
オーブ軍 基地 執務室
提督「始まったか…」
吹雪「…」
TV《この未曾有のテロ事件を行った犯行グループを匿い続ける現プラント政権は、我々にとって、明らかな脅威であります。》
ミネルバ ブリッジ
TV《よって先の警告通り、地球連合各国は、本日午前0時をもって、武力による此の排除を行う事を、プラント現政権に対し通達しました。》
メイリン「コンディションイエロー発令!以後、部外者の立ち入りは全面的に禁止します!全保安要員は直ちに配置についてください。」
シン「開戦…?そんな…!」
アガメムノンオペレーター「リニアカタパルト起動。MSは発進位置へ。」
長門「長門、ハイペリオン、出撃するぞ!」
陸奥「陸奥、バスター、出撃よ!」
後に続いて、三機のウィンダムが射出される。
長門「長門隊は前に出るぞ!」
長門隊「了解!」
ゴンドワナ
イザーク「結局はこうなるのかよ!やっぱり!こちらシエラ・アンタレスワン、ジュール隊、イザーク・ジュール、出るぞ!」
ディアッカ「ジュール隊、ディアッカ・エルスマン、ザク発進する!」
天龍「ジュール隊、天龍、ザクウォーリア、出るぜ!」
戦闘区域
ハイネ「そらぁ!」
ハイネのオレンジのザクファントムがビーム突撃銃を連射し、戦艦を撃沈する。
扶桑「山城、接近する敵は任せたわよ。」
扶桑のガナーザクファントムが、オルトロスを放つ。
ダガーL2機を一度に破壊する。
山城「流石お姉様!私だって!」
オルトロスの隙をつき、接近するダガーLをビームアックスで袈裟斬りにする。
長門「お前達は戦列を維持しろ!私はアルミューレ・リュミエールで撹乱する!」
長門隊「了解!」
長門「アリミューレ・リュミエール…展開!」
長門のハイペリオンは光の壁に包まれ、一切の攻撃を受け付けなくなった。
モニターに4:58と表示される。
長門「ユーラシア連邦の底力、侮るなよ!」
長門の機体が敵陣に突っ込む。
ゲイツR「な、なんだぁ⁉︎ 撃て!」
四方八方から攻撃を受ける。だが、ハイペリオンは傷一つつかない。
長門「効いていないぞ!こちらから行かせてもらう!」
ハイペリオンは内部からビームサブマシンガンでゲイツやシグーを撃ち落としていく。
その中に射撃をかいくぐり接近する機体があった。
長門「オレンジのザクだと!?…緋蝶だな!」
ハイネ「ビッグセブンか!今日こそ!」
山城「お姉様!あの機体は…!」
扶桑「ええ。おそらく、先の大戦で一度の戦闘においてこちらの戦艦を7隻沈めた伝説を持つビッグセブンよ…!」
大淀「装備はエールストライカーを選択。」
カガリ「吹雪、こんな時になんだが…」
吹雪「なんでしょうか⁉︎」
カガリ「お前、アニメで少し顔変わりすぎじゃないか?」
吹雪「どうしてカガリ様まで、チェックしてるんですかぁぁぁぁぁ!」
投下再開(寝落ちしました) 大淀はまだ出ないヨー
ゴンドワナ CIC
オペレーター「哨戒機が奇襲部隊を発見!このマークは…核ミサイル⁉︎」
プラント 議長執務室
将校「議長!」
デュランダル「…なんだと⁉︎」
戦闘宙域
長門「3対1とは!ザフトは卑怯な手を使う!」
ハイネ「そのバリア使うお前には言われたくないぜ!」
長門のハイペリオンにビームトマホークで切り込むが、アリミューレ・リュミエールは破れない。
ハイネ「クソッ、やっぱダメか…」
長門「ふん。所詮その程度か。」
扶桑「当たって!」
扶桑のザクがオルトロスを放つ。
長門「その程度では効かんぞ?」
山城「ここを潰せばっ!」
山城のザクは対ビームコーティングされた盾のスパイクで、アリミューレ・リュミエール発生装置を潰そうとする。
長門「狙いはいい!だが詰めが甘い!」
長門は寸前で機体の上半身をひねり、それをかわす。
長門(後30秒…!)
長門「ふっ!そろそろ終わらせるぞ!」
長門のハイペリオンがフォルファントリーを放つ。
ハイネ「⁉︎」
寸前でそれをかわす。
長門「ふん、やはりこの程度では落ちんか。」
ハイネ「俺たちをまとめて落とそうなど!生意気なんだよ!」
アリミューレ・リュミエールが停止する。
長門「時間切れか…さらばだ!ははは!」
ハイネ「くそっ!待ちやがれ!」
追おうとするハイネだったが、通信に遮られる。
オペレーター『緊急事態発生!連合軍別働隊出現!核ミサイルを確認した!』
扶桑「…なんですって⁉︎」
ハイネ「冗談じゃないぜ…!」
天龍「おらおらぁ!」
天龍のザクがダガーLを真っ二つにしていく。
ディアッカ「落ちろ!」
ディアッカのオルトロスが火を噴き、戦艦を貫く。
イザーク「この程度で!」
ジュール隊は、次々と敵を撃墜していく。
オペレーター『緊急事態発生!連合軍別働隊出現!核ミサイルを確認した!』
司令官『全軍!極軌道からの敵軍を迎撃せよ!奴らは核を持っている!一機たりともプラントを撃たせるな!』
イザーク「核攻撃隊⁉︎極軌道からだと⁉︎」
ディアッカ「じゃあこいつらは…全部囮かよ!」
天龍「おいおい、冗談だろ…?核なんて、そんな!」
イザーク「くっそぉぉぉ!」
イザーク達は戦場を放棄して核ミサイルの迎撃に向かう。
プラント 極軌道宙域
連合軍オペレーター「レッド22ベータにナスカ級3隻!…ですが、一隻は見慣れぬ装備をつけています!」
連合軍司令官「戦艦3隻ごとき、核で一緒に焼いてくれるわ!」
ウィンダム「そぉら!行け!青く清浄なる世界の為に!」
ウィンダムが次々にミサイルを発射する。
イザーク達はそれを見てビーム突撃銃やオルトロスを撃つが、当たらない。
「終わりだ」
誰もがそう思った。
イザーク「くっそぉぉ!間に合わん!ああっ!」
ディアッカ「くっ…!」
天龍「やめろぉぉぉぉ!」
その直後、ナスカ級の一隻から、閃光が放たれる。
核ミサイルが次々に爆発していく。プラントにはかすりもしない。
閃光が収まると、連合の艦隊は消滅していた。
扶桑「…⁉︎」
山城「お姉様、あれは…」
ハイネ「すっげぇなぁ…一瞬だ。」
ニュートロンスタンピーダー。
照射すれば核分裂を暴走させ、核ミサイルはもちろん、核動力MSなどは全て吹っ飛ぶ。
長門隊旗艦 アガメムノン級
オペレーター「核攻撃隊、消滅…!」
艦長「そんなバカな!何かの間違いだろう!」
エネルギー切れのハイペリオンをアガメムノン級に帰還させ、長門はブリッジに来ていた。
長門「しくじったか…これではこの戦争も泥沼と化すぞ…!」
陸奥から通信が入る。
陸奥『長門、これは撤退したほうがいいんじゃない?』
長門「今旗艦から撤退命令が出たところだ!…よし、陸奥たちも戻れ!撤退するぞ!」
艦長「あ、ああ。180°回頭!機関最大!現宙域から離脱!」
連合軍の艦隊は、月へ向けて撤退を開始した。
オーブ 基地内
モニターにはリアルタイムでアメノミハシラから送られてくる戦闘の映像が流れていた。
吹雪「……」
提督「…終わったな。フリーダムのようなヒーローは今は居ない。」
吹雪「私のせいで…」
提督「そう気負うな、老けるぞ。」
吹雪「女の子にそれ言いますか…」
映像のウィンダムがミサイルを発射する。
吹雪は目を背けてしまう。
吹雪(私のせいで…なんの罪もない人が…!)
提督「…なんだと⁉︎」
下を向いていた吹雪は、提督の驚く声に驚く。
提督「なんだ今の…核ミサイルが全て暴発…?」
吹雪「え…?」
提督「プラントの被害は…0⁉︎」
吹雪「そ、そんな事がありえるんですか…?」
提督「プラントの新兵器だ、おそらく!でも、これだと…」
吹雪(よかった…プラントは無事なんだね…)
提督「この戦争、泥沼直行だ…!」
翌朝
モルゲンレーテ
まだ港には、ミネルバが停泊していた。
提督「ミネルバはそろそろ出航しないと袋の鼠だぞ…」
明石「心配ありませんよ、もう30分後には出航するそうで。」
吹雪「明石さん。」
明石「吹雪ちゃん久しぶり。ストライクの件なら、こっちです。」
提督「わかった。」
格納庫に案内される。
吹雪「こ、これは…!」
明石「エール、ソード、ランチャーはもちろん、ライトニング、マルチプルアサルトだってありますよ!」
提督「頼んだのはランチャーの修理だけだが…」
明石「いいじゃないですか!モルゲンレーテの倉庫で埃かぶってたのを引っ張り出しただけですから!あ、もちろんテストも済んでますよ!」
オペレーター『ミネルバ出航10分前。非常要員待機。』
提督「お、出るみたいだな。」
明石「そうみたいですね。」
提督の端末に連絡が入る。
提督「…了解。出撃準備に入ります。」
吹雪(シン…)
提督「吹雪。」
吹雪「は、はい!」
提督「一応パイスーに着替えとけ。ミネルバが領海から出たら出撃だ。」
吹雪「えっ⁉︎」
提督「まだ決まった訳じゃないがな。」
(一応パイスーに着替えとけってこの書き方だと一応いらねーや)
ロゴスA「冗談ではないよ、ジブリール。一体なんだね?この醜態は。」
ジブリール「くっ…」
ロゴスB「しかしまぁ…ものの見事にやられたものじゃのぉ…」
ロゴスC「ザフトのあの兵器は一体何だったのだ…」
ロゴスA「意気揚々と宣戦布告して出かけていって、鼻先に一発食らってすごすごと退却か?君の書いたシナリオはコメディなのかね?」
ジブリール「くっ…ふざけた事を仰りますな!」
ジブリール「この戦争、ますます勝たねばならなくなったというのに!」
ロゴスA「ふん。」
モニターからロゴスメンバーが消え、世界各地の映像に移り変わる。
端末を操作する。画面に仮面の男が現れる。
ネオ・ロアノーク「はっ、なにかご用件でしょうか。」
ジブリール「ネオ、ファントムペインの補充要員がそっちに着くはずだ。到着したら地上に降りて、あのミネルバとやらを沈めてきてくれ。」
ネオ「了解。ですが、その…」
ジブリール「…なんだね?言いたまえ。」
ネオ「補充要員は到着しているのですが…三名。」
ジブリール「それならすぐにでも…」
那珂「艦隊のアイドル!那珂ちゃんだよー☆」
ネオ「この子、エクステンデッドでしょうか?」
ジブリール「……いや?」
連合軍基地
スティング「新顔だぁ?」
アウル「ふーん。ま、俺たちだけで十分だけどね。」
ステラ「女の子…?」
川内「ファントムペインに配属になった、川内よ。」
神通「同じく、神通です。」
ネオ(ここまではいい、普通だ。だが…)
那珂「艦隊のアイドル!那珂ちゃんだよー☆よっろしくぅ!」
スティングとアウルは「はぁ?」という顔で固まっている。
ステラはいつも通りどこか宙を見ている。
ネオ(ステラと同等かそれ以上の不思議ちゃんが来ちゃったよ…)
投稿再開
オーブから出航したミネルバ。
だが早速ピンチに陥っていた。
バート「これは…地球軍艦隊です!ステングラー級4、ダニロフ級8、他にも10隻ほどの中小艦艇を確認!本艦前方左右に展開しています!」
アーサー「ええっ⁉︎」
バート「後方オーブ領海線にオーブ艦隊展開中です!砲塔旋回、本艦に向けられています!」
アーサー「そんな…何故!」
タリア「領海内に戻る事は許さないと、つまりそういう事よ。」
タリア「どうやら土産か何かにされたようね、正式な条約締結もまだでしょうに。やってくれるわね、オーブも。」
タリア「コンディションレッド発令。ブリッジ遮蔽、対艦、対MS戦闘用意!大気圏内戦闘よアーサー。わかってるわね?」
アーサー「は、はいっ!」
メイリン「コンディションレッド発令。コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機せよ。」
シン「レッドって何で⁉︎」
ルナマリア「知らないわよ!何で私に聞くの⁉︎」
レイ「……」
オノゴロ島 MSデッキ
オペレーター『MBF-02-2、ストライク・吹雪機、カタパルトへ。』
吹雪「へぇ…ストライクルージュの2号機って事になるんだ…」
オペレーター『装備はエールストライカーを選択。作業員は退避。』
吹雪「でも…ミネルバに後ろから圧力かけるだなんて…」
提督『嫌なら留守番してるか?』
吹雪「…いえ、大丈夫です!」
オペレーター『進路クリア、発進よろし。』
吹雪「吹雪、ストライク行きます!」
カタパルトから勢いよくストライクが射出される。
後に続いてM1アストレイも飛び出す。空気抵抗を受けて一瞬ふらつく。
提督『おっと…宇宙に慣れるとシュライクは煩わしいな…そっちは?』
吹雪「大丈夫です!キラさんにストライクを信じろって言われましたから!」
提督『え?キラ?…あっ、やべえな…』
吹雪「どうしました?」
提督『俺、あいつに金借りっぱなしだわ。15アースダラーぐらい。ずっとモヤモヤしてたんだよなぁ…いやね?あいつと飯食いに行った時財布忘れて払ってもらったのよ。』
吹雪(しょぼっ!)
すぐ目の前に、オーブの艦隊が見える。
提督『まぁそれは兎も角、着艦するぞ!』
吹雪「了解!」
オーブ護衛艦 ブリッジ
トダカ「ほう…ストライクか…」
大和「ストライクに何か思い出でも?」
トダカ「いや、パイロットの方だ。」
大和「ああ、確かトダカ一佐は吹雪を大層目にかけていらしたようで。」
トダカ「…連合がオーブに攻め入った時、2人の子供を保護してな。その片方が吹雪だ。もう片方はコーディネイターだったんでプラントに行ったが、吹雪がオーブ軍に入ると言いだした時は驚いたよ。」
大和「あの子も信念というものを持っているようですから、止めるだけ無駄だったでしょう?」
トダカ「ああ。」
大和「彼女は優秀です。だからストライクが彼女に配備されたのでしょう。」
トダカ「それは違うかもしれん。」
大和「え…?」
トダカ「ストライクは乗り手を選ぶと思ってな。もちろん彼女は優秀だが、それ以前に真面目で素直だ。そういう者だけをストライクは選ぶのではないだろうか?」
大和「あら、フラガ大尉はノーカウントですか?」
トダカ「そうだな。この世に素直なおっさんなんか存在せんよ…俺もな。」
大和「女からすれば十分素直ですよ。」
トダカ「ならノーカウントにする必要はない…か。」
提督『着艦許可感謝します。我々はこのままMSで待機します。』
トダカ「ああ、了解した。」
連合の船からMSが次々に飛び立っていく。
提督「始まったな。」
吹雪「シン…」
提督「…ザフトに加勢しようとか考えてる?」
吹雪「い、いえ!そんなことは!」
提督「あんま無理すんなよ。ただでさえお前疲れてんだからさ。」
ルナマリア「ちょっと!この数冗談じゃないわよ!」
レイ「そんな口きいてる暇があるのか!」
ルナマリアとレイは、ザクでミネルバの甲板からウィンダムを狙撃していた。
シン「でぇぇぇぇい!」
シンはミネルバに取り付こうとするウィンダムを撃破していく。
一向に数が減る様子はない。
連合軍戦艦 ブリッジ
司令官「ほう、確かになかなかやる船だ。ザムザザーはどうした?あまり獲物が弱ってからだと効果的なデモはとれんぞ。」
兵士「はっ、準備出来次第発進させます。」
司令官「身贔屓かもしれんがね、これからの戦争、主力になるのはああいった新型MAだと思っている。ザフトの真似をして作った蚊蜻蛉のようなMSよりもな。」
司令官「ファントムペインに人形劇の出番はない。ここであの船沈めるのだ!」
オペレーター『ズールー01リフトアップ。B80要因は誘導確認後バンカーに退避。進路クリアー。発進よろし。』
ザムザザーが轟音をたてて飛び立つ。
メイリン「アンノウン接近!光学映像でます!」
ブリッジの全員が息を飲む。
アーサー「MA⁉︎あんなに巨大な…!」
タリア「あんなのに取り付かれたら終わりだわ!タンホイザー起動!」
アーサー「えぇ⁉︎」
タンホイザー。ミネルバ艦首の陽電子砲だが、陽電子砲は大気中で使用すると放射性物質が発生し、大気汚染される。
タリア「沈みたいの⁉︎」
アーサー「い、いえ!タンホイザー起動!目標、敵MA!」
吹雪「隊長、あれは…!」
提督「陽電子砲だと⁉︎大気中で使うのか⁉︎」
トダカ「甲板の作業員は全員退避!衝撃に備えろ!」
アーサー「てーーっ!」
タンホイザーが発射され、ザムザザーに直撃する。
ザムザザーは陽電子リフレクターで受け止めるが、後ろに押し戻されていく。
大爆発。巻き込まれた連合の戦闘艦が轟沈する。
だが、ザムザザーは無傷だ。
シン「あぁ…タンホイザーを…そんな、跳ね返した⁉︎」
シン「くっそぉぉ!何なんだこいつは!」
シンはザムザザーに迫るが、攻撃は陽電子リフレクターに防がれてしまう。
ザムザザー「クロー展開!」
ビーム砲が変形し、蟹のような爪があられる。
シン「これに掴まれたらフェイズシフトでも…!」
ザムザザー「そのひ弱なボディ、引き裂いてくれるわ!」
オペレーター「ミネルバ、あと数分で領海侵犯!」
オペレーター「本部より入電!『警告後、射撃を行え』!」
トダカ「以前国を焼いた国に味方し、懸命に地球を救おうとしてくれた艦を撃て、か。こういうのを恩知らずと言うのだと思うんだがね、俺は。政治の世界にはない言葉かもしれんが。警告開始。」
吹雪「ミネルバを撃つんですか⁉︎」
トダカ「命令だからな。砲はミネルバの艦首前方に向けろ。絶対に当てるなよ。」
オペレーター「…はい!」
大和「ですが、それでは命令に…」
トダカ「知るか。俺は政治家じゃないんだ。それにこれは威嚇射撃だ。当てるもんじゃないだろ。」
提督「…だとよ。よかったな。」
吹雪「トダカさん…!」
トダカ「だがミネルバは圧倒的に不利なのは変わらないぞ。」
オペレーター『ザフト軍艦ミネルバに告ぐ。貴艦はオーブ連合首長国の領域に接近中である。我が国は貴艦の領域への侵入を認めない。速やかに転身されたし。』
アーサー「えっ⁉︎」
タリア「でも、今転身したら確実に沈むわ!進路そのまま、ギリギリまで逃げなさい!」
マリク「はい!」
シン「あっ、ミネルバ!くそっ!」
ザムザザーパイロット「逃がさん!」
シンはザムザザーに追われ、ミネルバに戻ろうにも戻れない。
オーブ軍副司令官「主砲、うてぇ!」
護衛艦の主砲が放たれる。
それはミネルバの目の前に着弾し、大量に水しぶきを巻き上げる。
シン「オーブが、本気で……!しまった!」
シンがオーブの砲撃に気をとられていた隙に、インパルスの足をザムザザーが掴む。
ザムザザーはそのまま海に叩きつけようと急降下する。
シン「うわぁぁぁぁ!」
それを見た吹雪が叫ぶ。
吹雪「シン!」
トダカ「シン…だと⁉︎吹雪!シン・アスカか⁉︎」
吹雪「あのMSはシンです!助けなきゃ!」
ストライクが護衛艦から飛び立とうとする。
トダカ「まさかそんなことが…吹雪!行くな!」
吹雪「でも!このままじゃシンが!」
トダカ「行けば最悪銃殺刑だぞ!同盟締結前とはいえ、迂闊に動くな!」
吹雪「それでも!ああっ!」
インパルスのフェイズシフトが切れる。インパルスの足はクローに難なく切断され、そのまままっすぐ海に落ちていく。
シン「エネルギー切れ…?うわぁぁぁぁ!」
薄れゆく意識の中、シンは走馬灯のようなものを見た。
シン(父さん…母さん…マユ…)
家族が死んだあの日のビジョンが浮かぶ。
マユの笑顔は、もう二度と見ることができない。
奪ったオーブに何も仕返せていない。
こんな所で死ねるか!
シン「こんなことで…こんなことで俺はぁ!」
シンの中で、種が弾けた。
水面に激突する寸前で、インパルスはバーニアを思いっきりふかす。
ザムザザー「まだ落ちないか!」
ザムザザーはビーム砲をインパルスに撃つが、それは外れて水面に当たる。
シン「ミネルバ、メイリン、デュートリオンビームを!それから、レッグフライヤーとソードシルエットを射出準備!」
メイリン「シン…!」
シン「早く!やれるな!」
タリア「指示に従って!」
メイリン「は、はい!」
メイリン「デュートリオンチェンバー、スタンバイ。捉的追尾システム、インパルスを捕捉しました。デュートリオンビーム、照射!」
ザムザザーを振り切ったインパルスが、額にデュートリオンビームを受ける。
瞬時にバッテリーが充電され、インパルスはフェイズシフトを再起動する。
ザムザザーパイロット「なんだと⁉︎」
インパルスはそのままビームサーベルを抜き、ザムザザーへ突っ込む。
ザムザザーパイロット「うわぁぁぁぁ!」
とっさに反応できなかったザムザザーは、コックピットを貫かれた。
海に落ちて、大爆発。
メイリン「シルエットフライヤー、射出、どうぞ!続いて、レッグフライヤー、射出、どうぞ!」
ミネルバからインパルスのパーツが飛び出す。
装備を換装したインパルスはそのまま連合軍の戦艦に乗り、次々と二本のエクスカリバーで切り刻んでいく。
それは味方から見ていても、鬼が暴れているような形相だった。
吹雪「シン!やめて!」
吹雪はまた飛び立とうとするが、提督のM1アストレイが肩を掴み、静止する。
提督「さっきも一佐に言われたろうが!行くんじゃない!」
吹雪「どうしてですか⁉︎シンを抑えるのは連合の味方をする行為でしょう⁉︎」
提督「今のあいつにお前は勝てない!絶対にだ!」
吹雪「でも!」
提督「でもも糸瓜もない!死ぬぞ!今さらあいつに話に行った所で、あれはもうお前の友達じゃない!敵だ!」
吹雪「!」
確かにそうだ。ザフトはもうすぐ敵、いや、さっきの威嚇射撃であっちはオーブを敵と認識しているかもしれない。
吹雪「シン…!」
今の彼の様子を見ていても、話を聞いてくれそうにない。彼はおそらく誰の声も耳に入っていないだろう。
提督「お前はあいつの友達かもしれないが、今のお前はオーブ軍人だ。公私混同は死に綱がるぞ。」
吹雪「了解…!」
吹雪の手は震えていた。
この状況で手出しできない自分の無力さと戦争を始めた者たちに無性に腹が立った。
オペレーター「連合軍艦隊、撤退!ミネルバも領海から離れていきます!」
トダカ「よし、こちらも撤退だ。全艦に伝えろ。」
オペレーター「了解!
キャスター「今回の戦闘で連合、ザフト共に艦娘0、艦これ要素は吹雪が外からシンシン叫んでただけの艦これクロス詐欺の疑いで逮捕された>>1ですが、
「ザムザザーに艦娘乗せようとしたけど「誰かの嫁がビームサーベルで蒸発するのか」と考えてしまい、できませんでした。
ウィンダムに乗せるという手もありましたが、ウィンダムをインパルスと取っ組み合いさせるとザムザザーが出せなくなると考えたため、
このような結果になってしまったことをお詫びいたします。
ミネルバに艦娘を乗せなかったのは完全に失敗ですが、ハイネ加入と同時に扶桑か山城、若しくはそれ以外の誰かを乗せるので許してください。」
などと意味不明な供述をしており、精神鑑定も視野に捜査が進められています。」
ハイネ「ほーん。こんな凶悪犯も居るもんだねぇー世の中って。」
乙
まあ、艦娘は死なせないほうが良いんじゃないかな?
>>1も言うようにみんな誰かの嫁なんだし
すいません、>>120は兄貴みたいです…。
なんで兄貴まで、チェックしてるんだぁぁぁ!
自演みたいになってしまった…
もうしらんどうとでもなれ自演乙と言われようがのスタンスで最後まで行きたいです続きは明日で
兄貴は殴っておいた。
投稿再開
数日後、提督はラクス邸に来ていた。
マリュー「はい、どなた…ああ、ヤマモトくん。」
提督「ご無沙汰してます。」
マリュー「まあ、あがって。なにか用事でも?」
提督「ああ、キラに会いに来ました。」
応接間に通される。
マリュー「じゃあ、ここで待ってて。キラくん呼んでくるから。」
提督「お願いします。」
そう言ってマリューは部屋をあとにする。
提督「しっかし、ラクス・クラインはすげえなぁ…印税どれだけ入ってくるんだ…」
部屋中から漂うセレブの雰囲気。外見は古びた洋館のようだが、それでも自分のような貧乏人には手が出せないだろう。
キラ「多分一生暮らせますよ。いやらしい話ですけどね。」
提督「おっ、久しぶり。…聞かれた?」
キラ「少しですけど。まあ、もう入ってきてないみたいですね。」
提督「あの妙にハイテンションなラクスが居るからなぁ…デュランダル議長も、なかなか味な真似する。」
キラ「それで、今日は何の用です?」
提督「あぁ、これ。」
懐から封筒を取り出す。
キラ「? 何ですか?これ。」
提督「15アースダラー。借りっぱなしだった。」
キラ「あぁ…そういえば…でも、もういいですよ。」
提督「いや、返させてくれ。さっきまで忘れてたのが許せん。」
キラ「いや、大丈夫ですよ。」
提督「お願い頼む!受け取ってくれ!一生のお願い!」
提督は深々と頭を下げて封筒を渡そうとする。
キラ「ここで一生のお願い使うんですか⁉︎頭上げて!僕、ラクスから結構もらってますから!」
提督「そういうアレじゃないから!義理って奴だから!」
キラ「大丈夫です!というか1年経ってるんだから時効です!僕も忘れてたし!」
提督「確かにそうだけどこのままじゃ俺ダメ人間だから!金返さないダメ人間だから!1年忘れてる時点でダメ人間だけど!」
子供「おじさんうるさい…」
提督「あっ、ごめん、驚かせちゃった?」
子供「おじさん誰?キラの友達?」
キラ「まぁ、そんなところ…かな?」
ラクス「あらあら、いらしてたのですね。」
提督「あっ!これはラクス様、お邪魔してます。」
ラクス「ちょうどよかったですわ。お夕食の準備ができましたの。一緒に食べましょう?」
提督「いや、大丈夫です!帰りにどこかで済ませるので!」
キラ「じゃあさっきのやつ、夕食の後に受け取るって言ったら?」
提督「んー…これは…」
後ろでマリューがクスクス笑っていた。
同時刻 モルゲンレーテ 試験場
明石「じゃあ、装備してみて!」
吹雪『はい!』
吹雪のストライクに、I.W.S.Pストライカーが装備される。
明石「サマになってるなぁ。よし、シールドのガトリングを的に向けて!」
吹雪『了解です!』
コンバインドシールドのガトリング砲を言われた通り持ち上げる。
明石「撃てっ!」
吹雪『くらえっ!って、わわっ!うわぁ!』
ガトリングの反動と振動で、ストライクが体制を崩す。
明石「あちゃーっ、やっぱりガトリングの口径上げないほうが良かったかな?」
吹雪『普通30mmから60mmに変えたらこうなりますよ…!』
明石「よし、次はオオトリを試そう!こっちはビーム主体だからフェイズシフト機にも対応できるよ!」
吹雪『お願いします!』
カガリ「……」
ユウナ「すごいねぇ、カガリ。あの機体はきっとオーブの役に立ってくれるよ。」
カガリ「…そうだな。」
~回想~
カガリ『強すぎる力は、また争いを呼ぶ!』
デュランダル『いいえ、姫。争いが無くならぬから、力が必要なのです。』
~回想終わり~
カガリ「くっ…!」
ユウナ「ほら、見てみなよカガリ!的が真っ二つだ!」
子供のようにはしゃぐユウナと、デュランダルの言葉を思い出し、暗い顔になるカガリ。
政治家としては、どちらの態度が正しいのか、それはわからない。
提督は車でオーブ軍基地を走っていた。
焦っていた。
吹雪『今どこに居るんですか⁉︎もうすぐ私たちのシフトです!』
提督「急いでる!もう基地だから間に合う!着替えてすぐに向かう!」
吹雪『15アースダラー返しに行って遅れて始末書じゃ笑い話にもなりませんよ!』
提督「わかったわかった!切るぞ!」
吹雪『あっ、待って!』
提督「通信終わり!」
ロッカールーム
提督「253…253…ここ!」
ニシザワ「おっ、ヤマモトじゃねえか。そんなに急いでどうした?忘れ物か?」
提督「これから夜勤だ!あと20分!」
ニシザワ「おい、やべえじゃねえか。始末書書かされるぞ?」
提督「だから焦ってるの!」
提督は軍服に着替え、鏡の前に立つ。
提督「ふぅ…襟よし、裾よし、シワなし、階級章は歪んでない。」
提督「…急げぇ!」
ロッカールームから走っていく。
イケヤ「なんだ⁉︎スクランブルか⁉︎」
提督「違う!」
ブリーフィングルーム
吹雪「すいません!もう来ますので…」
トダカ「まったく、何をやっているんだあいつは…!」
部屋の自動ドアが開く。
提督「セーフ!」
トダカ「アウトだ!」
吹雪「アウトです!」
トダカ「何がセーフだ!軍人たるもの10分前には到着せんか!」
吹雪「そうですよ!あと2分遅れたら始末書でしたよ⁉︎」
トダカ「いーや、もう始末書だ!」
提督「うっ!」
トダカ「うっ!じゃない!明日までに書いてこい馬鹿者!」
ユウナ「その辺りにしておきなさい。」
ユウナが部屋に入ってくる。
提督「! ユウナ様!」
ユウナ「間に合ったんだ、別に軍規違反ではあるまい。」
トダカ「ですが…」
ユウナ「このカワイ子ちゃんに免じて、さ。」
吹雪(うぇっ…)
ユウナ「それより本題に移ろう。僕とカガリが結婚することになった。」
吹雪「えっ⁉︎」
吹雪(自分が結婚するのにあんな事言ったのこの人⁉︎)
提督「それはまたおめでたいことで…」
ユウナ「ありがと。それで、君たちには警備計画を立ててもらいたい。同盟の調印式の日にそのまま執り行う。間に合うかな?」
トダカ「はっ、間に合わせます。」
ユウナ「それじゃあ、あとはよろしくね~」
トダカ「了解。」
ユウナが部屋を後にする。
トダカ「ふぅ…」
吹雪(ウインクされた…忘れよう…)
提督「調印式って確か。」
トダカ「ああ、三日後だ。なぜ調印式と被せるんだ目立ちたがりのボンボンめ…」
吹雪「間に合うんですか?」
提督「間に合わせるのが軍人だ。」
トダカ「時間を守れんお前が言う筋合いはない。」
REの予定表みたいなのにガイアが載ってましたね。やったぜ
オーブの海岸に、10人程の男女が集まる。もう夜の帳は下りていて、レジャーという訳ではないだろう。
ヨップ「いいか。彼女の死の痕跡は決して現場に残すな。だが確実に仕留めるんだ。」
ヨップ「ユーはアッシュで待機、イムヤは裏から回れ。」
U-511・伊168「了解。」
U-511は他の隊員を見送り、アッシュを起動した。
U-511「大丈夫、かな。」
モノアイが光り、浅瀬に身を隠す。
オーブ軍基地 会議室
時計は午前2時を指していた。
大淀『マルフタマルマル。正面玄関、施錠しました。』
提督(今日の夜勤も大淀か。ご苦労なこって。ま、自分たちもこれを決めなきゃ帰れないんだがな。)
トダカ「金剛隊は待機として…」
提督「吹雪、大和、私で会場は警護しますよ。」
吹雪「……」
うつらうつらとしている吹雪を見て、トダカが声をかける。
トダカ「吹雪。」
吹雪「…は、はい!」
トダカ「寝てこい。計画立てるのは俺たち二人でやる。」
吹雪「いえ、そういう訳には…」
提督「一佐の言う通りにしとけ。開戦してから肩に力入りすぎだ。」
吹雪「そんな事は…!」
目はぱっちり見開いている。だがすぐに下がっていく。
吹雪の性格からして、引き下がらないだろう。
提督「…だったら吹雪の好きにしろ。ですね?一佐。」
トダカ「…ああ。」
三人は会議を再開した。
数分後、吹雪は机に突っ伏して寝息を立てていた。
吹雪「…zzZ」
トダカ「…寝たな。」
提督「寝ましたね。」
トダカ「まったく…毛布持って来い、あと適当にクッションとかも。」
提督「了解です。」
吹雪をソファに寝かせ、毛布をかける。
トダカ「しかし、こいつは頑張り過ぎてしまう癖があるな…」
トダカはまるで吹雪の父親のような口ぶりだ。
提督「そうですが、まぁ、ストライクのプレッシャーもあるんじゃないか、って。」
前大戦において、「伝説のMSは?」と人に聞けば、おそらく、「全てのMSの祖である、ジン」「大戦末期に伝説的な活躍をした、フリーダム」そして、
「大戦中期最強と言われ、その後のMSの装備換装システムの元になった、ストライク」のどれかを答えるだろう。
ストライクは、すべての性能が高いレベルでまとまっており、装備換装システムであらゆる戦況に対応できる万能機だ。
それ故に操縦にはセンスが問われる。
トダカ「ストライクを渡したのは失敗だったか?」
提督「まさか。私が使うよかマシでしょ。」
自嘲気味に言う。
自分自身、ストライクの性能をフルに扱えるとは到底思えない。
おそらく、いままで出会ったパイロット全員の中でも、一握りだろう。
トダカ「そうだな。」
あまりにきっぱり言われて、提督は顔をしかめる。
提督「そこは否定してくださいよ…」
ラクス邸
ハロ《ザンネン!ザンネン!アカンデェーー!》
ハロが騒いでいる。別にどこか故障したというわけではない。
それを聞いたバルトフェルドとマリューは目を覚まし、銃を取り出した。
バルトフェルド「…どこの連中かな?」
バルトフェルド「彼女と子供達を頼む。シェルターへ。」
マリュー「ええ。」
バルトフェルドはキラの寝室に向かい、キラを起こす。
キラ「! どうしたんですか!?」
バルトフェルド「早く服を着ろ。嫌なお客さんだぞ。ラミアス艦長と共にラクスたちを!」
キラ「あ、はい!」
ちょうどその頃、マリューはラクス達の寝室に到着した。
マリュー「ラクスさん…!」
ラクス「あ…」
マリュー「さ、みんなも早く起きて!」
子供達は睡眠の邪魔をしたマリューを責めるように文句を言いながら起き上がる。
マリュー「しーっ!静かにね。」
キッチンでは、バルトフェルドと暗殺者の銃撃戦が始まっていた。
バルトフェルド「ちぃ!」
不利な状況を打開するため、バルトフェルドは移動しようとするが、廊下に新手が現れる。
その暗殺者はバルトフェルドの左腕にナイフを突き立てる。
バルトフェルド「くっ!こいつ…!」
暗殺者「……!」
しかしバルトフェルドはナイフの痛みを微塵も感じないかのように相手を押し返す。
暗殺者はとっさに銃を向けるが、直後、バルトフェルドの左腕の仕込み銃に撃たれてその場に倒れる。
「ヒューッ!結構役に立つもんだなぁ、これも。」
バルトフェルドのそれは、紛れもなく奴さ。
暗殺者の通信機から音が漏れる。
《目標は子供と共にエリアEに移動。イムヤが向かっている。》
バルトフェルド「これは…」
《武器は持っていない。護衛は女一人だ。早く仕留めろ。》
バルトフェルド「ふん。」
目標。それはおそらくラクスだろう。
この世界、ラクスが邪魔な人物は腐るほど居る。
ブルーコスモス?地球連合?はたまたセイラン家?
答えはすべてNOだ。
この暗殺者は動きからしてコーディネイターだった。
恐らく全員コーディネイターなのだろう。それならば…
バルトフェルド「ザフトか。」
あの影武者を有効活用するために、か。
バルトフェルド「彼女の曲は好きなんだがねぇ…?」
バルトフェルドはいまここで言っても無駄なことを呟き、シェルターへ走る。
シェルターには、すでにラクス達も到着していた。
伊168(夜は私たちの世界よ。仕留めるわ…)
イムヤは通気口から銃を向けて、ラクスを仕留めようとする。
伊168(ラクスさんはプラントのアイドルだけど、2人も必要ないわ。デュランダル議長の為に死んで…!)
キラ「…!ラクス!」
伊168は銃を撃つが、寸前でキラがラクスを押し出し、外れる。
伊168(うそ⁉︎気づかれた⁉︎)
バルトフェルドとマリューが即座に銃を向ける。
伊168(やばっ!)
伊168はすぐに後ろに下がり、それをかわす。
その隙にラクス達はもっと奥のシェルターへ逃げていった。
伊168「こちらイムヤ。目標を取り逃がしました。」
ヨップ『ええい、仕損じるとは!アッシュを出せ!ユーに通信を!こうなったらやむを得ん!何としても、今ここでラクス・クラインの命、もらわねばならんのだ!』
通信を受けたU-511が、アッシュを浜辺に上陸させる。
後に続いて、パイロットの居ないMSを抱えたアッシュが、2機上陸する。
ヨップと伊168の機体だ。
二人はそれに乗り込み、生き残った他の暗殺者達は母艦へ戻る。
ヨップ「シェルターの一点を集中して狙え。壁面を突破できればそれで終わる!」
暗殺者達「了解!」
アッシュは両腕のビーム砲をシェルターの壁に集中して撃ち込む。
建物は破壊され、大きな音を立てる。
それはオーブ軍でも観測された。
大淀『緊急事態発生!金剛隊はMSで待機! 』
トダカが端末を操作する。
トダカ「大淀!状況説明しろ!」
大淀『オノゴロ島湾岸部でMSの攻撃とみられる爆発を観測!アンノウン、5!光学映像、送ります!』
送られてきた映像では、5機の水中用であろうMSが、ラクス邸にビームを撃ち続けている。おそらくシェルターに逃げたのだろうが、このままでは持たないだろう。
トダカ「ムラサメを出撃させろ!」
提督「私も出ましょうか?」
トダカ「いや、アストレイでは遅すぎる!お前は待機だ!」
提督「了解!」
吹雪が警報で目を覚ます。
吹雪「…これは…?」
提督「スクランブルだ。俺たちはここで待機。OK?」
吹雪「…はい。」
吹雪は寝起きで意識ははっきりしていないだろう。ぼんやりとしている。
ブリーフィングルーム
パイロットスーツのままでお茶会をしていた金剛たち。
サイレンが鳴り響くと、比叡は持っていたティーカップを落としてしまう。
比叡「ひえーー⁉︎」
榛名「出撃…?」
金剛達はムラサメのコックピットに乗り込む。
霧島「オーブ海岸でアンノウンMSが5機…?これって…」
榛名「ザフト系MSでしょうか…?」
さっきトダカが見ていた映像と同じものを見る。
金剛「oh⁉︎ここはラクスの⁉︎what⁉︎」
い
大淀『金剛隊は、出撃してください。』
金剛「YES!ラクスをHelp!デース!」
金剛隊「了解!」
滑走路に、4機のムラサメが侵入する。
大淀『ムラサメ、発進、どうぞ!』
金剛「金剛、行くネー!」
金剛のムラサメが発進する。それに続いて、三機のムラサメが飛び立つ。
今回の更新はここまでです。またそのうち更新します。
更新再開します
アッシュのレーダーに4機の機影が映り、
直後二機のアッシュが爆散する。
ヨップ「くっ、やはり気づかれたか!早く破壊するんだ!」
伊168「やってるわ!」
U-511「硬い…!」
シェルターは着実にダメージを受けているが、それでもまだ破壊されない。このままでは暗殺は失敗に終わる。
上空から霧島、金剛がビームライフルでアッシュを牽制する。
アッシュは攻撃を中断し、回避せざるをえなかった。
比叡「気合!入れて!いきます!」
U-511「…!ゆーは、負けません!」
U-511のアッシュに比叡がビームサーベルで切り込み、U-511はビームクローで受ける。
伊168「もうっ!厄介な…!」
焦った伊168が右腕のビームクローでシェルターを破壊しようとするが、
真上に居た榛名のムラサメのビームライフルで腕を破壊される。
榛名「勝手は!榛名が!許しません!」
伊168「ムラサメだからって!このアッシュは最新鋭機!」
暗殺者は左腕で地面に着地したムラサメのビームライフルを掴む。
そのままビームを撃ち、ビームライフルは爆発する。
榛名「やだっ⁉」
榛名はシールドで爆風を受け、後ろに仰け反る。
爆煙からアッシュが現れ、クローでシールドを弾き飛ばす。
伊168「ナチュラルにしてはやるみたいだけど!これで終わり!」
ビームクローでムラサメのコックピットを狙うが、背中にキックを受けて、その場に倒れこむ。
霧島のムラサメだ。
霧島「後ろがお留守よ!」
伊168「あぁん!ナチュラルの癖に!」
伊168はミサイルを発射し、霧島はすぐさま飛び退く。
榛名は反応が遅れ、ミサイルを喰らってしまう。
榛名「きゃぁぁっ!」
霧島「榛名っ!」
伊168「1機撃墜!」
金剛「Oh⁉榛名が!」
榛名のムラサメにミサイルが直撃し爆煙に包まれ、金剛はそっちに注意を向けてしまう。
ヨップ「よそ見の余裕があるのか!」
金剛「よくも…あぁあっ⁉」
突っ込んできたアッシュにギリギリで気づいたが、コックピットハッチが切り裂かれ、中が丸見えだ。
U-511「これで3対3!」
比叡「榛名がやられるなんて…!許さない!」
U-511はビームクローで横薙ぎにするが、比叡は体制を下げてそれをかわす。
比叡のムラサメはそのまま足払いをかけるが、U-511もまた飛び上がってそれをかわす。
U-511「この程度なら…倒せる!」
伊168「次はそっちのムラサメを…⁉アラート⁉」
後方から攻撃が迫っていることを示すアラートが鳴り響く。
榛名「まだぁぁぁ!」
バックパックの翼、片腕、頭部を失い、装甲がズタボロになったムラサメがビームサーベルでアッシュを切り裂く。
伊168「えっ⁉なんでまだ生きて…!」
伊168のアッシュが爆発する。
榛名「倒せたのね…いやぁっ!」
コックピット内で爆発が起き、榛名のムラサメが機能を停止する。
ヨップ「イムヤ!」
ヨップは金剛のムラサメを蹴り飛ばし、榛名の方へ向かう。
ヨップ「よくもイムヤを!」
霧島「榛名!」
榛名には今度こそ回避する手段はない。
榛名は爆発の衝撃で気を失い、ムラサメはピクリとも動かない。
ヨップ「もらったぁぁぁ!」
その時だった。
山の斜面をビームが内側から撃ち抜いたのだ。
金剛「⁉」
比叡「ひえー⁉」
ヨップは攻撃の手を止めてしまう。
ヨップ「なんだアレは…⁉」
青い羽を広げ、白い四肢のMS。
顔はムラサメやストライクに近い。
霧島「フリーダム⁉」
金剛「キラ!」
U-511「フリーダム!こんなところで!」
U-511はフリーダムにビームを撃つ。
フリーダムは最低限の動きでそれをかわすと急加速し、U-511のアッシュに突っ込む。
U-511「このっ!」
U-511はビームクローを展開し、応戦しようとする。
しかし、フリーダムはすれ違いざま、ビームクローには一切かすりもせずアッシュの両足を切断した。
U-511「はあぁん!」
アッシュは地面に転び、フリーダムはフルバーストを放った。
アッシュのミサイルポッドと両腕が一気に破壊される。
U-511「…‼ ギル、レイ、ごめんなさい…!先にラウの所へ…」
戦闘能力を完全に失ったU-511のアッシュは自爆した。
金剛たちは唖然としてそれを見ているしかなかった。
フリーダムはそのままヨップのアッシュの目の前に降り立つ。
ヨップ「うわぁぁ!」
ヨップのアッシュはビームクローを展開し、フリーダムに突っ込む。
フリーダムはそれを盾で受け流し、ビームライフルで腕、ミサイルポッド、足を一つづつ破壊した。
ヨップ「くっそぉぉ!」
ヨップのアッシュも、その直後自爆した。
フリーダムは直立不動でそれを眺めている。
金剛「これがフリーダムのパワー…じゃない!榛名は⁉大丈夫デスカ⁉」
霧島「大丈夫、生きてます!ただ、頭を打ったみたいで…」
比叡「早く医務室へ運ばないと…!」
金剛「なら、比叡と霧島は榛名を連れて行ってくだサーイ。私は後から帰還しマース。」
比叡・霧島「了解!」
少し再開します。
意識のない榛名を霧島のムラサメに移し、2人は基地へ向けて飛んだ。
それを見送った後、金剛がフリーダムに呼びかけた。
金剛「…キラ!」
フリーダムがこちらを向き、コックピットを開く。
キラ「あ…金剛さんですか?」
金剛「お久しぶりデース。さっきはありがとうゴザイマシタ。」
キラ「いや、僕は…」
金剛「妹を守ってくれた人に感謝してはいけまセンカ?」
キラ「…感謝なんてしないでください。僕はこのMSをまた使ってしまった。」
金剛「確かにそれはユニウス条約で禁じられた兵器デース。」
今まで登場した艦娘がナチュラルかコーディネイターかここに書いておきます。
ナチュラル
吹雪、金剛、比叡、霧島、赤城、加賀、長門、陸奥、明石、川内、神通、那珂
コーディネイター
大和、榛名、扶桑、山城、天龍、龍田、伊168
金剛「でも、人を見殺しにしていい条約はあってはなりまセン。」
キラ「ですけど…」
バルトフェルド「おーい、金剛!」
ムラサメの足元にバルトフェルドが近づく。
金剛「アンディー!無事デシタカー?」
バルトフェルド「ああ。なんとかな。お前らが来なけりゃ死んでた。」
金剛はキラに「ほらね」と言うようにウィンクする。
キラはそれを見てフリーダムに対する嫌悪感が薄れていった。
だが、心のどこかで嫌悪感が薄れていくことに恐怖を感じていた。
オーブ軍基地
軍医「慎重に運べよ!メットつけてたとはいえ頭打って気失ってるんだからな!」
榛名を乗せたストレッチャーが軍の施設に運ばれる。
霧島「大丈夫でしょうか…」
比叡「榛名…」
提督「おいおい、ちょっとはうちの医療チーム信用したらどうだ?」
霧島「あっ、ヤマモト三佐。」
比叡「こんばんは!で、あります!」
提督「もう、朝だけどな。」
東の水平線から、太陽が昇り始めていた。
提督「軍医が言うにはあの程度なら2、3日も寝てれば元どおり、コーディネイターはあの程度かすり傷だとさ。」
霧島「そうですか、良かった…」
比叡「大丈夫って聞いたら、ドッと疲れが…」
提督「久しぶりの実戦だったろ、とりあえずお前らは休みなさいな。用事があれば呼ぶから。」
比叡・霧島「了解!」
比叡は軽い足取りでロッカールームへ向かった。
提督「ふわぁぁぁ…ムラサメ回収にアンノウンの残骸調査にやることいっぱいだぁ…」
霧島「あの、三佐…」
霧島が他に聞こえないほどの声で話しかけてくる。
提督「ん?なんだ?どっか怪我か?」
霧島「いえ、そうではなく…」
提督「…フリーダム乱入か?それはこっちでも確認した。」
霧島「ええ。それです。フリーダム…どういうつもりなんでしょうか…」
提督「うーん…キラ達のする事はいい意味でも悪い意味でもこっちの予想を超えてくれるからなぁ…」
霧島「ここで『フリーダムはまだ残っている』ってユウナ様に報告すれば『接収しろ』とも言いかねないと思いますが…」
提督「そしたらそれこそラクス・クラインがどう動くかわかったもんじゃないな…」
提督「うーん、一応誰にも言わないようにしておいてくれ。責任は俺が持つ。比叡にも言っといて。ああ、大淀にも。」
霧島「了解です。あ、そういえば、吹雪は?」
提督「あいつは寝てるよ。さっきまで起きてたんだがな。」
霧島「そうですか。」
今日も少しだけです
プラント あのなんかよく覚えてないですけど薄暗くてチェス盤が置いてあってラウの幽霊が出る部屋
デュランダル「そうか…失敗に終わったのか…」
デュランダルは悲痛な面持ちで言う。
ザフト士官「はっ、18名のうち、12名が死亡したものと思われます。」
デュランダル「プラントのために、裏の世界の汚れ仕事を受けてくれた彼らに感謝しなくてはいけないな…そうは思わないかね?」
士官「はっ、その通りでございます。」
デュランダル「…下がりたまえ。すこし1人にさせてくれないか。」
士官「はっ!」
士官が退出する。
デュランダル「やはり彼女も一筋縄では行かないな…」
《思い通りにならないのは君が一番嫌うことだな》
デュランダル「それは自覚しているよ。だが、それは君のような存在を作った者達のエゴでしかないがね…」
《ふん、そんな事で君は諦めない男だろう?》
デュランダル「ああ、そうだね。」
扉をノックする音が聞こえた。
デュランダル「入りたまえ。」
入ってきたのはまだ幼さの残る少女だった。
呂500「ギル、呼びました?」
デュランダル「君か、早かったね。身体の方は大丈夫かな?」
呂500「大丈夫、特に病気になってないし、あのお薬も飲んでるから平気、ですって。」
デュランダル「そうか、それはよかった。早速要件を伝えるが、ハイネ・ヴェステンフルスの部隊と共にディオキアに行ってくれたまえ。その後はミネルバに配属される事になる。」
呂500「レイと会えるの?やった!うれしい、ですって!」
デュランダル「ああ。世界の為に、頑張ってくれたまえ。」
呂500「了解ですって。頑張る!がるる~!」
オーブ海岸
金剛のムラサメが帰還した後、ヤマモト、明石、大淀はムラサメの回収、調査に来ていた。
大淀「おぉ…これはまたこっぴどくやられて…」
提督「頑張ったんだなぁ、こいつも。」
立ち枯れした木のように膝をついているムラサメを見上げて言う。
ムラサメには、クレーンで吊るすためのロープがかけられていた。
明石「慎重に持ち上げてください!装甲はギリギリですから!」
作業員「了解!」
ヤマモトは砂浜を歩き回り、アンノウンMSの残骸を調べている。
いくつか部品を取り、何もない場所で並べる。
提督「明石、来てくれ。」
明石「はい、何かありましたか?」
提督「これ、どう思う?」
提督は明石にひしゃげた部品を見せる。
明石「うーん…映像と合わせてみても、ザフト機でほぼ間違いないですね。ほら、ここの刻印、プラントの会社ですよ。」
提督「ザフト機か…まぁ目的は【ラクス・クラインの暗殺】でファイナルアンサーだな。」
提督「あとは…フリーダムか…」
大淀「フリーダムは隠したみたいですね。周辺にそれらしき反応なし。」
提督「下手な動きをしないよう祈っとくかな… 」
作業員「ムラサメ、積み込みました!」
提督「ご苦労さん。じゃあ、部品何個かサンプルにとって帰ろう。」
作業員「了解!」
連合軍基地
ファントムペインの面々は、月面の基地で地上へ向かう輸送船の準備が終わるのを待っていた。
那珂「次!新曲行っちゃうよー!」
川内「ひーまーだー!なんでもいいから戦いたいー!」
ファントムペインに用意された部屋の真ん中で、那珂はライブをやり、川内は騒いでいる。かれこれ1時間は続いていている。
アウル「うるせぇって言ってるだろ!もっと静かにできねえの⁉なぁおい!スティングもなんとか言えよ!」
スティング「あーそうだな。わかるわかる。」
雑誌を読みながら適当に相槌を打つ。
微妙に話が噛み合っていない。
アウル「ちくしょう耳栓つけてる…!俺も買ってくる!」
アウルが部屋を飛び出し、売店へ走る。
ステラ「歌…楽しい…」
ステラはさっきから那珂のライブをじっと見つめている。
ネオ(本当に大丈夫なの?この部隊…)
ネオはたまらず不安になる。
窓の外の宇宙空間を、模擬戦だろうか、3機ほどがビームを撃ち合いながら飛び交っていた。
その機体は、川内達の目を釘付けにする。
那珂「え?なになに⁉那珂ちゃんより目立ってる!許せない!」
川内「ハイペリオン⁉ビッグセブンの長門!模擬戦だ!隊長行ってくるね!」
川内と那珂が部屋を飛び出す。
ネオ「おい!勝手に…ま、いっか。スティング、お前はどうするんだ?」
スティング「ああ、そうだな。ネオの言う通りだ。」
ネオ「まだ付けてるのか…」
格納庫
神通「はぁ…」
整備士「…で、これでノワールストライカーの説明終了だ。質問、注文は?」
神通「それは…一度飛んでみてからさせていただきますね。」
整備士「はいよ。あ、ちょうど模擬戦やってるな…混ざったらどうだ?」
神通「それなら、そろそろ…」
川内「やったぁぁぁ!待ちに待った模擬戦だぁぁ!」
那珂「ここは那珂ちゃんのステージだって教えてあげるんだからぁ!」
神通「来ました。」
整備士「よし、ならあの2人と嬢ちゃんで良いんだな。」
月面基地 訓練場
長門「貴様!そんな甘っちょろい狙いでは当たらん!」
ウィンダムA「すみません!」
長門「そして貴様は近接の対応が一瞬遅れてる!死ぬぞ!」
ウィンダムB「はい!」
長門「一発当てれば終わらせてやる!全力でこい!」
ウィンダムA、B「了解!」
格納庫
オペレーター『ハッチ解放、進路クリア、発進よろし。』
那珂「那珂ちゃん!ガンバレルスローターダガー!レッスン入りまーす!」
川内「川内!ディバインスローターダガー出るよ!」
神通「神通、スローターノワール出撃します。」
漆黒のダガーが、格納庫から飛び出す。
作業員A「うぉっ!ファントムペインだ!」
作業員B「あのストライカーパック…どれも見たことねぇ…!」
オペレーター『模擬戦闘ダメージリセット。試合形式変更。』
長門「なんだ?」
基地の方を向くと、スローターダガー3機が見えた。
川内「私たちも混ぜてぇ!」
那珂「そこのMS!那珂ちゃんより目立つなんて許せないんだから!」
神通「身内がすみません、模擬戦、お願い致します。」
長門「ほう、ファントムペインか…少しは楽しませてくれよ?お前たちはもういい!帰投しろ!」
ウィンダムA、B「はっ!」
川内「帰しちゃっていいの?1対3だけど。」
長門「1人で十分だ。では、始めようか!」
神通「行きます!」
スローターノワールが、バックパックのレールガンを展開し、ハイペリオンを撃つ。
長門「その距離で当たるかっ!」
川内「こっちにも私がぁ!」
ハイペリオンが避けた先に、川内のダガーが迫る。
右腕のトリケロス改で腕につかみかかるが、ビームシールドに阻まれる。
川内「くそっ!那珂ちゃんは援護を!神通!行くよ!」
神通「ええ!」
川内のディバインストライカーが変形し、巨大な鉤爪になる。
神通も、ノワールストライカーからビームブレイドを抜く。
那珂「いっくよぉ!那珂ちゃんライブステージ!」
ガンバレルが展開し、ハイペリオンに襲いかかる。
ビームの雨が降り注ぐが、ハイペリオンには当たらない。
川内のダガーが巨大な両腕でハイペリオンに襲いかかる。
川内「こんのぉぉぉ!」
長門「真っ直ぐすぎるぞ!囮だとバレバレだ!」
ハイペリオンの死角にビームナイフを投げ、回り込んでいたスローターノワールに当たる。
オペレーター『スローターノワール、ダメージ!』
神通「くっ…」
川内「神通!」
長門「浮ついたな!」
ハイペリオンがビームナイフで頭部を狙う。
那珂「川内危ない!」
ガンバレルで腕を撃ち、それを阻止する。
オペレーター『ハイペリオン、ダメージ!』
長門「くっ!ならば!」
川内「来る!」
長門「アルミューレ・リュミエール!」
ハイペリオンが緑の光に包まれる。
那珂「那珂ちゃんより目立っちゃダメぇぇぇ!」
ハイペリオンのアルミューレ・リュミエールが気に入らずガンバレルを撃ちまくるが、アルミューレ・リュミエールの前には分厚い強化ガラスを楊枝で突くようなもの、効くわけがない。
那珂「ウソ!那珂ちゃんスペシャルライブクライマックスが届かないなんて!」
神通「ビームコーティングされている武器ならば!」
川内「アルミューレ・リュミエールをぶち抜ける!」
アルミューレ・リュミエールにビームブレイドや、ディバインストライカーが食らいつく。
長門「くっ!このままでは…!」
川内「押し切る!」
長門「なんてな。」
アルミューレ・リュミエールを破ると思われた攻撃が、すり抜ける。
川内「えっ⁉」
神通「どうして…!」
アルミューレ・リュミエールが停止し、重い武器を思いっきり振り下ろしていた2人のダガーは体勢を崩す。
長門「よく居るんだ。私がアルミューレ・リュミエールを過信する女だと思い込む奴が!」
川内のダガーの頭にビームナイフが当たる。
オペレーター『メインカメラダメージ!ディバインスローターダガー、戦闘不能!』
川内「うぅっ!負けた…!」
長門「次は貴様だ!」
スローターノワールにビームマシンガンをありったけ打ち込む。
オペレーター『各部ダメージ甚大!スローターノワール、戦闘不能!』
神通「くっ…」
長門「終わったか。」
長門がビームナイフを納刀し、ビームマシンガンを下げた直後、
オペレーター『コックピット被弾!ハイペリオン、戦闘不能!』
長門「むっ⁉」
那珂「那珂ちゃんを忘れちゃダメだってばぁ!」
長門「…しまった…!」
模擬戦を終え、部屋に戻るが、那珂は忘れられた事にご立腹だ。
那珂「もう!失礼しちゃうよ!」
神通「まあまあ、落ち着いて…」
スティング「見てたぜ、模擬戦。なかなかやるじゃねえか。」
ステラ「ステラと同じくらい強かった…」
川内「そう?嬉しいよ!なぁ、神通?」
神通「ええ、皆さんの役に立てるか心配だったので…」
那珂「そんな事より!那珂ちゃん忘れられてたんだよ⁉ひどい!」
アウル「ギャーギャー騒ぐ割には地味だったんじゃねぇの?ハハッ!」
那珂「地…味…?那珂ちゃんが…? あ…いやぁ…」
顔が真っ青になり、狼狽える。
アウル「ダガーなんか使ってるようじゃ、まだまだだな。地味女!」
那珂「いやぁぁぁぁ!那珂ちゃんは!那珂ちゃんは地味なんかじゃぁぁぁぁあ!」
那珂がアウルの首に掴みかかる。
ネオ「ブロックワードか⁉やっぱりエクステンデッドじゃないか!保安要員を!」
スティング「おいおいアウル!何やってんだ!」
アウル「し、知らねえよ!こいつエクステンデッドじゃないはずだろ⁉…ん⁉首絞まってねぇ…」
那珂「なーんちゃって、嘘だよぉ☆騙された?那珂ちゃんってば、演技派☆キャハッ!」
部屋にいた全員が呆れて物も言えない。
警備兵「大丈夫か⁉…って、どういうことだ?」
警備兵に叱られた後、アウルと那珂はネオに別室に連れ去られた。
基本書きだめ無しでdestiny原作に沿って進んだ結果、前回の吹雪の戦闘、ユニウスセブン破砕作戦。そしてこのままだとダータネルス海峡まで実戦無し。 \ソンナッ!ヒドイデスゥ!/
ザフト兵でミネルバ所属にしたほうがよかったかなこりゃ
その辺考えたいので次からは艦娘の設定紹介(という名の時間稼ぎ)です。
あと、登場してほしい艦娘がいたら書いてください。
艦娘名、所属陣営、搭乗MS(MA)を書いてくださったら出しますんで
ほんとすいません。
すいません。
すいません。
あっ最後に、
完全なるワンオフはできればやめていただきたい。
2機以上生産されていた(かも)という設定ならなんでもいいです。(要はデスティニーはOK、フリーダムはアウト)
所属陣営とMSは統一してください。
まるゆ 地球連合軍 ストライクフリーダム
↑こういうの言われても出せませんのであしからず
ほんとすいません。こんな軽い頭でいいなら何度でも下げますんで
あっ、カガリ誘拐騒ぎで一戦交えられるか…
雪風をオーブ軍所属で戦闘妖精雪風からとって最初は、ムラサメあとから落とされたセイバーの残骸をムラサメに組み込んだ機体でお願いします。
綾波 地球連合 ソードカラミティ
敷波 地球連合 レイダー正式仕様 元切り裂きエドの部下みたいなのでお願いします。
ジャンク屋や傭兵はありなんだろうか…。
済まぬ
>>199
了解 でも>>1は戦闘妖精雪風見たことないです…
>>200
了解です
>>201
ありです
あっ、あと3人ぐらいで打ち切らせてもらいます。
このままだと吹雪の影が薄くなりすぎるという一種の原作再現になってしまうので
もう出る予定がある艦娘の場合はすいませんが却下させてもらいます
ありがとう
夕張 ジャンク屋 シビリアンアストレイJGカスタム でお願いします
ロウの知り合いっていう感じで
サーペントテールの連中も出るのかな?
提督とか吹雪はロンド・ミナの部下なの?
それとも、ただのオーブ所属兵なのかな
何回も申し訳ないです。
58 ザフト グフクラッシャー
大鳳 ザフト プロヴィデンスザク 対になるデスインパが複数機あるしこっちもあったんじゃね?
途中送信しちゃった
>>205
ヤマモト隊はいわばロンド・ミナの私兵で、「国が攻められている」といった緊急時を除けばロンド・ミナの命令が最優先で、ロンド・ミナの命令が無い時は通常の部隊と同様という感じです。
>>206
了解です。
>>207
了解です。
今回はここで募集を切らせてもらいます。
今度また募集するかも。
あっ、>>208の余裕あれば出すのはサーペントテールです!夕張は絶対出しますんで!
艦娘、提督の設定
オーブ編
ヤマモト隊
提督、吹雪、大和という構成だが、大和が来る事は結構稀。
吹雪
ナチュラル
年齢 16
搭乗MS ストライク
肩に力が入りやすい16歳。シンの幼馴染。
不幸にもイザークが撃墜したシャトルに両親が乗っていた。
理不尽な犠牲が大嫌い。最近影が薄い。
そもそもケバブにソースなんぞかけねえよ派
提督
ナチュラル
年齢 27
搭乗MS M1アストレイ
本名「ヤマモト」(山本五十六から)
極々普通の家庭で育ち、18で軍に入る。
ヤマモト隊の隊長。
ヨーグルトソース派
大和
コーディネイター
年齢 23
搭乗MS M1アストレイ M1Aアストレイ
サハク家の遠い親類。いわゆる完璧超人。
アメノミハシラに篭りきりのロンド・ミナの為に情報収集をしているので、ヤマモト隊として行動することは少ない。
チリソース派
金剛隊
本国所属のムラサメ部隊。
隊員全員が金剛を「お姉さま」と慕う。
暇な時はティータイムデース!
金剛
ナチュラル
年齢 23
搭乗MS ムラサメ
大西洋連邦育ちの帰国子女。
ヤマモト隊に入りたかったがもれなく比叡が付いてくる事を危惧したロンド・ミナにより阻止された。
アンドリュー・バルトフェルドとは親友。
適当そうでやる時はやる女。
アンディ印のヨーグルトソース派
比叡
ナチュラル
年齢 21
搭乗MS ムラサメ
よく差し入れを持ってくるが、顔色を変えずに食べられるのは金剛とカガリのみ。
「比叡カレーはバリー・ホーも殺す」
メシマズを除けば金剛思いのちょっとドジないい子。
自作ソース(という名のバイオハザード)派。
榛名
コーディネイター
年齢 19
搭乗MS ムラサメ→???
金剛隊でただ1人コーディネイターだという事にコンプレックスを抱いているが、他のメンバーは全く気にしていない。
ムラサメが大破したため、乗るMSが只今無い。
戦闘では切り込み役。
ヨーグルトチリソース派
霧島
ナチュラル
19
搭乗MS ムラサメ
暴走しがちな金剛と比叡を抑えるのが日課となっており、胃に穴が開くのは時間の問題。
定期的に(胃)薬を投与しなければいけないので、ある意味ブーステッドマン。
大淀とはメガネ友達。
ケバブにソースはかけませんよお姉さま派
赤城
ナチュラル
年齢23
搭乗MS オオツキガタ
アメノミハシラ警備隊の1人。
よく食う。とにかく食う。
食事の邪魔になるタイミングでの襲撃では15分以上戦った事は無い。
どちらのソースも美味しいです派。
加賀
ナチュラル
年齢23
搭乗MS オオツキガタ
アメノミハシラ警備隊の1人。
よくソキウスに間違えられる。
赤城を狙ったMSを逃した事は無い。
ピリッときましたチリソース派。
大淀
コーディネイター
年齢 20
搭乗MSなし
よく夜勤をするオペレーター。
イズモ級所属だったが、大戦終結後の人事異動で本国のオペレーターになった。
今や居なくなるとひっじょぉぉぉぉぉぉに困る存在となっている。
チリソース派。
明石
ナチュラル
年齢21
搭乗MSなし
モルゲンレーテのメカニック。頼んだ注文をこなしてくれるのはいいが、頼んで無いことまでやってくれる。たまに嬉しく、たまに困る。
マリュー・ラミアスは上司。
ヨーグルトソース派。
連合編
長門
ナチュラル
年齢 28
搭乗MS ハイペリオン
軍人家系生まれのユーラシア連邦軍人。
ガッチガチの幼少期を過ごした反動か独り立ちしてからは色々ヤバくなった。
自宅はトリィグッズで溢れかえり、軍事要塞アルテミス所属だった頃はカナードを撫で回すのが日課だった。
陸奥
ナチュラル
年齢28
搭乗MS バスター
長門を影からサポートする。
火遊び(意味深)しようとした将校は数知れず。しかし夜戦突入した者はいない。
その全員から一生ゆすれるレベルの弱みを握っている。
川内
ナチュラル
年齢19
搭乗MS ディバインスローターダガー (ディバインストライカー+スローターダガー)
那珂と共にいく先々で迷惑をかけまくったためファントムペインにぶち込まれた。
MSに乗れないと「戦わせろ」と騒ぐ。
神通
ナチュラル
年齢19
搭乗MS スローターノワール (ノワールストライカー+スローターダガー)
いたって真面目でなおかつ勉強熱心という模範的な軍人だが、川内と那珂の巻き添えを食ってファントムペイン入り。
これさえも「勉強の機会」と割り切ってしまう。
那珂
ナチュラル
年齢16
搭乗MS ガンバレルスローターダガー (ガンバレルストライカー+スローターダガー)
アイドルを起用した新兵募集ポスターを見てアイドル事務所と勘違いした。
暇さえあれば歌い続けるので川内と共にファントムペインにぶち込まれた。
「目標はラクス・クラインでーす!」と連合軍の基地内で叫んだ事がある。
気になったんだけど深海凄艦達もいるのかな。
そういえば戸田版のロウが艤装みたいなの開発してたようなしなかったような…
まあそれはともかく一週間空いてしまいましたが再開です
>>215オルガ達のプロトタイプって感じです
ザフト編
天龍
コーディネイター
年齢17
搭乗MS スラッシュザクウォーリア(紫)
ジュール隊に所属する赤服。
ファッションS。
眼帯は生まれつき見えない左目に視力を与える電子デバイス。
龍田
コーディネイター
年齢17
搭乗MSブレイズザクウォーリア(紫)
ジュール隊に所属する赤服。
ドS。
グフイグナイテッドとか渡しちゃダメなタイプ。
扶桑
コーディネイター
年齢20
搭乗MS ガナーザクファントム(白と朱色)
赤服で、ハイネを補佐する。元は考古学者。
物凄い不幸っぷりで、センサー範囲が誤作動を起こし数十センチ単位でズレているとかはザラ。だが、それを技量でカバーしている。
カタパルトで発進した直後にどこからか飛んできた隕石でメインカメラが破損した事がある。
山城
コーディネイター
年齢17
搭乗MSスラッシュザクウォーリア(白と朱色)
扶桑を心から尊敬する緑服。
不幸すぎて射撃が通らなかったりするので、近接戦闘に長けた装備を選択した。
ハイネ曰く「戦場では運のない奴から死んでいくのが普通だがあの2人にだけは適用されないらしい」
伊168
コーディネイター
年齢17
搭乗MS アッシュ
ザフトの特殊部隊の1人。
榛名のムラサメに撃破され、戦死。
デュランダル議長を心酔している。
カガリ・ユラ・アスハ ユウナ・ロマ・セイラン 結婚式当日
会場・記者席
上空から、シュライクを装備したM1アストレイ二機と、オオトリストライカーを装備したストライクが降り立つ。
結婚式の参列者やマスコミは空を見上げ、歓声をあげる。
ジェス「ストライクか。ならあのパイロットは…吹雪ちゃんかな?」
MSに乗るフォトジャーナリスト、ジェスも、結婚式の取材に来ていた。
実際は別件できていたのだが。
夕張「M1アストレイも居るわね。ま、当たり前ですけど。シュライク、1セット貰えないかしら…気になってるのよね。私のアストレイにも装備できそうだし…」
青葉「流石に正規軍の装備を分けてはくれないですよ?」
ジェスの同行者は、ジャンク屋組合所属の夕張、青葉。
青葉とジェスはカメラを向け、撮影を続ける。
夕張「ロウのアストレイのフライトユニット、あれ「M1アストレイのパーツを分けてもらった」って彼自身言ってたのよ。」
青葉「あれは確かプロフェッサーがM1アストレイ開発の重役と親友だかららしいです。」
夕張「そんな情報どっから仕入れてるのよ…あ、そういえばジェスもロウとは知り合いでしたよね?」
ジェス「ん?ああ、俺も彼にアウトフレームを貰ったんだ。俺も彼とは最近会ってないなぁ。」
青葉「ルキーニさんに聞けば何処にいるか一発でわかりますよ…ふふふ」
祭壇前
提督『ヤマモト隊、到着。』
大和『M1アストレイ、配置につきました。』
吹雪「ストライク、配置完了です!」
提督『オオトリの訓練は受けてるよな?』
吹雪「もちろんです!」
提督『テロリストの襲撃なんて事があれば一番忙しいのは俺たちだぞ。絶対にこの祭壇に攻撃を当てさせるわけにはいかん。』
吹雪「りょ、了解です!」
大和『隊長?そこまで脅かさなくても良いんじゃないですか?ふふっ。』
提督『こんなんで怯えて使い物にならなくなる奴なら一佐はオーブ軍に絶対入れないさ。』
吹雪「聞こえてますよ!」
提督『おっと、こりゃ失礼。』
大淀『カガリ様とユウナ様を乗せたリムジンが会場に向けて出発しました。あと30分程度で到着する予定です。』
提督『了解。俺たちはこのまま周りを見張りだ。』
吹雪・大和『了解!』
オーブ軍基地
医務室
TV『カガリ様とユウナ様を乗せた車は、先ほど軍本部を出発し、祭壇へ向けて走り出しました。多くの国民が、それを…』
榛名「すいません、お姉さま…私が迂闊なばっかりに…」
金剛「no problem. 問題アリマセン。ワタシたちに任せて、しっかり休んでネー?」
榛名「はい…」
霧島「お姉さま、そろそろ行かないと…」
金剛「そうですネ。ワタシと比叡はもう行きマス。」
榛名「あっ、あの…比叡お姉さまは?」
金剛「比叡は、あそこデス。」
榛名「え…」
金剛がテレビを指差す。
TV『おっと⁉ここでカガリ様とユウナ様が車を降りました!どういうことでしょうか…あっ、ムラサメ!ムラサメです!ムラサメがユウナ様とカガリ様を抱え…飛び立ちました!』
榛名「ええええ!?」
提督『あっ』
吹雪「なんですか?」
提督『言いそびれてたけど、カガリ様とユウナ様はムラサメで来ることになってるから。』
吹雪「重要事項じゃないですか!?それ!」
提督『大丈夫大丈夫。パイロットは比叡だから。』
吹雪「なんか心配なんですけど…」
ユウナ「うっ…!揺れて気持ち悪い…」
カガリ「だからやめておけと言っただろ… 比叡、すまないな。」
比叡『いえいえ!大丈夫ですよ!このくらい朝飯前…っ⁉』
カガリ「ん?どうかしたか?」
比叡『い、いえ…なんでもありません!』
比叡(なんだろう…今のイメージ…)
レポーター「ムラサメが祭壇前に降り立ちました!その手から、カガリ様と…ユウナ様が!ユウナ様は、すこし顔色が優れませんが、カガリ様と共に階段を登ります!」
提督『頼む…何も起きるな…このまま終われぇぇ…!』
大和『気が散ります!黙っててください!』
提督『うっ⁉あ、ああ、すまん。』
オーブ軍国防本部
大淀「えっ⁉アンノウン接近!数、2!」
司令官「第二護衛艦軍!出撃!」
大淀「アンノウン接近中!繰り返す!アンノウン接近中!スクランブル!」
オペレーターA「アンノウンって、これアークエンジェルだよな?」
オペレーターB「ああ。それにこっちはフリーダムだ。」
MSデッキ
オペレーター『金剛、霧島は出撃せよ。』
金剛「金剛!ムラサメ、行くネー!」
霧島「霧島、ムラサメ、出ます!」
ムラサメが飛び立つと、すぐにアラートが鳴る。
霧島「フリーダム!すぐに止まりなさい!止まらなければ発砲します!」
キラ『金剛さんに霧島さん!すみません!急いでるんです!』
金剛「たとえキラでも通すわけには行かないネー!」
キラ『仕方ない…!』
フリーダムはビームサーベルを抜刀し、ムラサメに迫る。
霧島「このぉぉぉ!」
霧島もビームサーベルを抜こうとするが、その前に腕を切断される。
霧島「えっ⁉」
キラ『霧島さん!下がって!』
フリーダムの蹴りがムラサメに直撃し、霧島のムラサメはバランスを失い落下する。
霧島「きゃぁぁぁぁ!」
金剛「キラ!止まりなサイ!」
キラ『金剛さん!僕を通してくれ!』
金剛「通せと言われて通す人がイマスカー⁉恩はアリマスガ、通せまセン!」
金剛がビームサーベルで斬りこむ。
キラ『くそっ!』
キラはそれをシールドで受け止めるが、金剛がシールドを叩き切る。
シールドが重力にそって落下し、ムラサメのカメラがキラのフリーダムをとらえた瞬間、腰のレールガンでムラサメの両腕が吹き飛ぶ。
金剛「what⁉キラ…!」
キラ『ごめんなさい!通してもらいます!』
フリーダムはムラサメの横をすり抜け、祭壇へ向けて飛んだ。
神父「この婚儀を心より願い、また永久の愛と忠誠を誓うのならば、ハウメアは其方達の願いを聞き届けるであろう。今改めて問う。互いに誓いし心に偽りはないか?」
ユウナ「はい。」
カガリ「……」
オーブ軍士官「緊急事態発生!みなさん避難してください!」
ジェス「なんだ⁉」
青葉「スクープの予感…!?」
夕張「なんなの!?何が起きたんですか!?」
オーブ軍士官「アンノウンMSが接近しています!直ちに避難してください!危険です!」
ジェス「あれは…」
カメラを向け、思いっきりズームする。
ジェス「フリーダムか⁉」
青葉「ますますスクープの予感…!」
夕張「なにやってんのよ!行きますよ!?」
再開します
大淀『フリーダム接近!迎撃してください!』
提督『キラぁぁ!?何やってんだ!』
吹雪「キラさん!?」
大和『何驚いてるんですか!迎撃しないと!』
提督『解ってる!行くぞ!キラは頭か武器をよく狙う!』
吹雪「はい!」
大和「了解!」
比叡「わ、私も…!」
提督『お前のムラサメ、今は丸腰だろうが!降りてカガリ様の避難を手伝え!』
比叡「…っ!了解…!」
3機のMSが大空へ飛び上がる。
オーブ士官「さあ、カガリ様はこちらへ!」
カガリ「キラ…!?なぜ…!」
キラ(このままじゃ間に合わない…!)
キラは焦っていた。金剛達の防衛に一瞬時間を取られ、タイムリミットが迫る。
そしてモニターに映し出される、防衛に現れたストライクとM1アストレイ。
キラ「吹雪ちゃんにヤマモトさんか…!」
これまた厄介な、と心の中で毒吐く。
ストライクの装備はおそらくオーブで新開発されたものだろう、キラに経験は無い。
倒せない相手では無いとキラは確信しているが、吹雪もまた、勝てる見込みは無いとわかっていた。
その予測が、吹雪を苛立たせる。
吹雪「どうするのよ…あれ!」
提督『吹雪、ドラグーンって知ってるか?』
不意に通信が入る。
吹雪「知ってますけど、今話す事では無いと思いますが!」
提督『怖い怖い…まあ、あいつはドラグーンをアホみたいに避けるから、多分俺たちがどれだけ撃っても当たらん。接近戦に賭けるしかないぞ。それだけ言っておこうと思ってな。』
吹雪「そんな事ぐらい!」
提督『あいつが仕掛けてきたら残った2人が後ろから一気に!両手両足、頭武器ウィングのどれか1つでも潰せれば儲けもんだ!』
大和『了解!』
吹雪「了解!」
提督のM1アストレイが、ビームライフルでけん制しつつ、距離を詰める。
大和のM1アストレイが左側、吹雪のストライクが右側から回り込む。
キラ「くそっ!」
フリーダムのモニターには、比叡達に連れられ、祭壇を降りていくカガリが映し出される。
提督『キラ!お前なぁ!この前飯食った時にくれぐれも変な真似はよせと言っておいたろうが!』
キラ「ヤマモトさん!通してください!僕はあなた達と戦いたくない!」
そう言って、キラはM1アストレイのビームライフルを撃ち落とす。
そのキラの行動が吹雪をまた苛立たせる。
吹雪「戦いたくないって!キラさんが仕掛けてきたんでしょ!」
提督『お、おい!いきなり作戦無視かよ…!?』
ストライクが対艦刀を抜き放ち、キラに迫る。
キラはストライクに乗った初めてのパイロットだ。ストライクを知り尽くしている。
だが、それは仇となった。
キラ「くっ…!」
回避が間に合わない。
普段ならば、絶対にかわせていた攻撃。
しかし、ストライクを知り尽くしていたキラは、2年のブランクで勘が鈍ったか、強化されたストライクの機動性能を、強化前のストライクと混同してしまったのだ。
つまり、回避し始めるタイミングが一瞬遅れてしまった。
0.1秒でもタイミングがズレれば、それは戦場では大きな痛手に繋がる。
その瞬間、キラの中で、種が弾けた。
キラ「……!」
フリーダムはビームライフルを上に投げ、ビームサーベルで対艦刀を受ける。
そのまま左手でもビームサーベルを抜刀し、ストライクの両腕を落とす。
吹雪「いやぁっ!」
相当な衝撃が吹雪を襲う。
提督『クソっ!SEEDってやつかよ!』
キラは吹雪を無力化し、そのまま提督のM1アストレイに切り込む。
M1アストレイのシールドを掲げるが、無駄。
キラ「ごめんなさい!」
頭部を破壊され、バランスを失うM1アストレイを足場に飛び上がったフリーダムは、大和のM1アストレイの方へ向かう。
大和は目の前で2人が一瞬にして無力化されたことに驚き、一瞬対応が遅れる。
前述したように、タイミングのズレは死に繋がる。
モニターに映し出されるフリーダム。ビームサーベルがコックピットに迫る。
大和「やられるの!?私が…!?」
とてつもない力の差には、やはり敵わないのか。
大和は走馬灯のようなものを見た。
海の上。
自分が居るが、それはMSの中ではない。海の上に立っている。
背負うものは、どうして女性が持つことができようかという大きさの大砲。
周りで飛び交うのは、大昔の戦闘機。
その走馬灯は、衝撃によって中断された。
両方のシュライクが破壊される。
揚力を失ったM1アストレイは、落下を始める。
大和「あぁぁぁ…」
意識が遠のいていく。
視界が暗くなり、アラートも聞こえなくなってゆく。
大和のM1アストレイの腕を咄嗟に掴んだ提督が叫ぶ。
提督『吹雪!撤退だ!大和が!』
吹雪『は、はい!』
吹雪達はオーブ軍基地へ逃げ帰った。
提督『オーブコントロール!聞こえるか!ヤマモト隊帰投する!医療班待機させてくれ!』
モニターの隅に、祭壇へ向かうフリーダムが見えたが、吹雪達にはどうすることも出来なかった。
二週間も空いてしまいました…
再開します
C.E.71 軍事要塞アルテミス
カナード「ハァ…ハァ…!」
???「逃げるなぁ…!」
何者かから逃げるカナード。しかし、逃げた先は出口の1つしかない倉庫だった。
使用されていないらしく、身を隠せるものは1つもない。
カナード「クソッ!行き止まりか…!」
転がっていた空き缶を蹴飛ばしても、もう1つ出口が出来るわけもない。
すぐに追いつかれてしまう。
長門「もう逃げられないな…ほら、姉さんが撫でてやるぞ…!」
追手は長門だ。手の指がイソギンチャクのようにぐにゃぐにゃと動く。
カナード「俺はお前の弟じゃない…!」
長門「何を言ってるのだ…?黒いロングヘアーに、その佇まい…私の弟でないはずがないだろう…?」
常人なら冗談でいう言葉だが、長門の目は大真面目だ。狂気すら感じる。
カナード「くっ…!」
拳銃を取り出し、長門へ向けたが、長門はまだまだ余裕だ。
長門「ふっ、そこまで抵抗されると流石に姉さんも凹むぞ…なぁ。」
カナード「だからお前の弟では無いと…むぐっ!?」
突然背後から誰かがカナードに抱きつく。
カナード「今度は誰だっ…!?」
愛宕「驚いた?うっふふ。」
カナード「こいつ…!さっきから見ないと思ったら…!あっ!?」
手に握りしめていたはずの拳銃が無い。抱きつかれた瞬間に奪われてしまった。
愛宕「こんな危ないものは人に向けちゃダメよ?」
カナード「銃を護身用に使って何が悪…おいっ!胸を押し付けるなっ!息がっ…!」
愛宕「カナードって、以外と甘えん坊さん?」
カナード「違う!」
長門「愛宕よくやった!縛るぞ!」
愛宕「は~い。」
いつの間にかカナードの体は縄でぐるぐる巻きにされていて、すでに抵抗などできなかった。
カナード「やめろ!縛るな!メリオル!高雄!陸奥!あああああ!」
カナード「…はっ!?」
目覚めたのは、カナード達の母艦、オルテュギアの自室のベッド。
カナード「とんだ悪夢だな…」
ふと懐かしくなり、彼女はどうしているだろうかなどと思う。
昔はさっき見た悪夢のような毎日だったのに、そう考えている自分がおかしく、カナードは笑った。
オーブ軍 軍港
提督のM1アストレイが港に着いた頃、護衛艦が発艦し始めていた。
港に着陸し、吹雪に大和の事を頼むと、トダカに連絡する。
提督「あー、こちらヤマモト、聞こえますか。」
トダカ『こちらトダカだ!何の用だ?』
提督「状況はどうなってるんです?」
トダカ『フリーダムにカガリ様が誘拐された。俺達はアークエンジェルを囲み、カガリ様を奪還するよう命令を受けている。』
提督「逃がした…って事か…ありがとうございました。通信切ります。」
トダカ『了解だ。』
吹雪『隊長!大和さんが!』
大和『う…』
提督「大和、体に異常は無いか?」
大和『ええ…大丈夫…』
提督「MSは動かせるか?」
大和『少しなら…』
MSは格納庫へと運んだ。
格納庫には、中破したムラサメ二機が居て、修理されている。
コックピットから出て待機室に入ってすぐに、大和は眠ってしまった。
相当疲れたのだろうなどと思いながら、気になっていた事を聞く。
吹雪「あの、カガリ様はどうなったんです!?」
提督「どうもこうも、フリーダムに攫われたよ。もう追っても無駄だ。」
深々とベンチに腰掛け、コーヒーを飲みながら答えられる。
吹雪「え!?だったらなんでそんな落ち着いていられるんですか!?」
提督「フリーダム、お前なら生け捕りにできるか?」
吹雪「あ…」
提督「そういう事だ。それに、犯人はキラ達だ。カガリ様に危険が及ぶことはまずないだろう。」
フリーダムを生け捕り。
撃墜ですら不可能に近いのに、無理に決まってる。
半ば諦めムードなのが気にくわないが、フリーダムに手も足も出なかった自分のせいでもあると、吹雪は無理やり納得した。
提督「それはそうと、明々後日にはカグヤに行くぞ。」
吹雪「え?まさか…」
提督「ああ。宇宙に上がる。天空の宣言、聞いただろ?」
~数日前~
オーブ兵A「おい!テレビつけろ!」
オーブ兵B「なんだなんだぁ?…誰だ?このババァ…」
オーブ兵A「バカ!ロンド・ミナ・サハク様だ!」
執務室
提督「始まったな…吹雪も見とけよ。」
吹雪「はい。」
ロンド・ミナ『世に、闇が広がっている…』
ミナ『人々は何も見えぬ中で怯え、そして他者の悲鳴を頼りに逃げ惑うばかりだ。人々は闇の奏でる悲鳴を伴奏に踊らされている。』
ミナ『だが、その闇を指揮している者がいるのだとしたら?』
ミナ『これが今日の政治であり、国家だ…闇を、敵を作ることで市民をコントロールする。』
ミナ『だが、聞いてほしい!』
ミナ『私はこれから、全く新しい世界の可能性を提示する。』
カーペンタリア基地 ミネルバ ブリッジ
タリア「ロンド・ミナ・サハク…」
メイリン「この放送は…停止すべきでしょうか?」
タリア「いえ、演説を途中で切るのはバカのやる事よ。流しておきなさい。」
メイリン「了解しました。」
ミネルバ レクリエーションルーム
放送が始まった途端、シンは不機嫌になる。
レイ「シンは、興味ないのか?」
シン「ああ。オーブのお偉いさんの顔なんか見たくもない。」
そう言うと、そそくさと部屋を出て行ってしまった。
ルナマリア「…ほんっと、子供ね。」
レイ「だが、あいつはオーブのニュースには特に興味を示していた。」
意外そうな顔で、ルナマリアが尋ねる。
ルナマリア「やっぱり、オーブが忘れられないのかしら?」
レイ「さあな。」
ミナ『自らの曲を奏でる者たちがいる。』
ミナ『彼らは、自分の信念を…真実を持つ。』
ミナ『故に、闇の中でも世界を見とおし、他者に踊らされることはない…』
ミナ『ただ自分の曲で踊る。』
地球連合軍 基地
基地司令「さっさとこの放送を遮断しろ!」
オペレーター「し、しかし…!」
基地司令「さっさとやれ!」
オペレーター「はい!」
アウル「なんだ?このばーさん」
ステラ「ステラ、この人知らない…」
神通「オーブの、影の軍神…」
スティング「たしか…ロンド・ミナ・サハクって…あっ、止まった。」
ネオ(こういうことばかり仕事が早いことで…)
ミナ『彼らと同様に、世界中の人間が自分のリズムを、メロディを持てたのなら…』
ミナ『もう、今のような国家としての枠組みは必要ない。政治もその役割を大きく変えるだろう。』
ミナ『もちろん彼らは一部の特殊な存在だとも言えるだろう。』
ミナ『私もそう思っていた…だが、そうではないことを私は知った。』
ミナ『ジェス・リブル。このジャーナリストを知る者は少ないだろう。』
吹雪「ジェスさん!?」
提督「……」
レイ「誰だ?」
ルナマリア「誰?」
シン「…誰だよ?」
結局自室のラジオで、演説を聞いていたシン。
ミナ『彼は平凡だ。しかし彼は、いくつもの大きな歴史の流れの転換に影響を与えている。』
ミナ『なぜ平凡な男がそんなことを成し得たか?』
ミナ『彼もまた、自分の曲で踊る者だからだ。』
ミナ『自分自身の持つ、信念というメロディで、真実というリズムで踊る者だからだ。』
ミナ『…そう。特別な存在でなくとも、誰もがそのように生きてさえいれば、世界が変わるのだ。』
シン「こんな理想論…!」
吹雪「だけど、これは理想論です!」
提督「理想論か… そうだな。理想論だ。でも、理想論に身を任せてみるのも、たまには良いんじゃないか?」
吹雪「そんなこと…!」
提督「ま、演説を聞き終えてからにしようや。議論はさ。」
ミナ『一人一人の生き方が変われば、世界も変わる。この新しい世界に国家も国土もない。』
ミナ『あるのはひとつ…理念のみ。』
ミナ『《他者の理想を妨げない限り己の信念に従うこと》それだけだ。』
ミナ『そのように生きる者ならこの新たな世界の一員たる資格を持つ。』
ミナ『ナチュラルもコーディネイターも関係ないのだ!』
ミナ『私は個々がバラバラになれと言っているのではない。理想を同じくする者同士がハーモニーを奏で、ともに手を取り、デュエットを踊ることもできるだろう。』
ミナ『私は、私の考えに賛同する者たちと新しい世界のために働こう。』
ミナ『もし、同志と呼べる者が危機にあるなら躊躇なく我を呼べ。』
ミナ『私と私の同志はその持てる力の全てを使い、その者を守ろう。』
ミナ『おそらくこの放送を聞いてもにわかには信じられまい。』
ミナ『それでいい。私は強制しない。』
ミナ『最後に今一度言う!己の信念に従って生きろ!』
ミナ『さすれば永遠と無限を持つ闇の恐怖にも打ち勝てる。』
ミナ『永遠の終わり、無限の境界…』
ミナ『それは個々の力で成せるのだから。』
ミナ『……サイは投げられた。』
この演説は、多くの人の心を動かした。
だが、権力はそれを良しとしない。連合、プラントは即時に注意するよう呼びかける。
また、シンの心にも届くことはなかった。
シン「こんなの!アスハが言ってた理念と同じだ!裏切られるに決まってる!」
レイ「やっぱり、聞いていたんだな。」
シン「!…レイ!一体いつから…」
レイ「『こんな理想論…!』って言っていた辺りからだ。」
シン「…結構最初じゃん。なんで隠れてたんだよ。」
レイ「出て行けば、お前はこの演説を最後まで聞かなかっただろうからな。」
シン「こんなの!最後まで聞いても一緒さ!オーブの言うことなんて!」
レイ「そうか。それもまた、考えだ。」
シン「…なんだよ。調子狂うな…」
レイ(それで、いい。議長の目指す世界のためにも…)
再開します
~時間戻って現在~
吹雪「ええ。聞きましたけど…」
提督「『あの放送を聞いた後、私と意見を共にするならば、アメノミハシラに来てくれ』というのが命令だ。…実を言うと、ミナ様の演説が悪い意味で効きすぎて、連合プラント双方から壮絶に恨まれてるそうでな?『正体不明の』襲撃が今までの比じゃないそうで。」
吹雪「まあ、ミナ様の考えには同意しますが…どうやって宇宙に上がるんですか?カグヤのマスドライバーは、来月まで使えませんよね?」
提督「プラズマブースターを使う。アレは元々イズモ級用だ。」
吹雪「プラズマブースター!?」
提督「いきなり叫ぶなよ…イズモ級を1隻、俺達に用意してくれてるそうでな。」
吹雪「ミナ様が?」
提督「いや、カガリ様だ。なにか大きな事が起きた時、自由に使えるよう手配してくれていたらしい。」
吹雪「カガリ様ぁ!?」
提督「大和が起きるだろうが!?」
大和「なんですか…騒々しい…」
提督「ほら起きた!」
大和「提督のせいですよ…もう…?」
きょとんとする大和。
提督「あ、すまんすまん。…提督?トダカ一佐と間違えた?」
大和「いえ、なんでも…」
その後、事後処理を終えると、もうすでに太陽は沈みかかっていた。
提督「俺はここで失礼する。」
大和「私も、隊長の付き添いに行かなければいけないので。」
吹雪「ああ、2人ともお疲れ様です。」
2人を見送った後、何かすることは無いか考えた吹雪だったが、特にやる事がない。
MSのシミュレーションをしようにも、ストライクの修理の邪魔になってしまう。
これから夜なのに外を出歩くのは危険だし、このまま寮に帰るか。
そう思い、MS格納庫のそばを通りかかった時、ふと声を掛けられた。
ジェス「おーい!吹雪ちゃん!」
吹雪「ジェスさん!オーブに居たんですか!?」
ジェス「ああ。結婚式の取材に来ていたんだが…大変なことになったな。」
吹雪「ええ、ユウナ様はカンカンで…」
ふと、ミナの演説の中に、ジェスの名前が入っていたのを思い出した。
吹雪(この人は、凄い人なんだ。)
吹雪は、目の前にいる人が、おおよそ他の大多数とは違うものを持つ人間だと感じた。
だが違うのだ。
ジェスは平凡な人間。キラのような天才的な才能を持つわけでも、ラクスのようなカリスマ性を持つわけでもない。
そんな人間でも、この様に『凄い人』という評価を下す事ができる。評価を下す、という言い方はあまりにも上から物を言いすぎているかもしれないが。
「何も持たない民衆からこそ、誰もがジェスになれる。」そうミナは説いた。
一度はたかが理想論と突っ撥ねたが、「いつでも自分を呼べ」との言葉に、吹雪は考えを変えた。
今まで吹雪が見たどんな青臭い理想論を放つ理想家も、自ら動こうとはしなかった。それを見て生きてきたため、理想論で物を語るのを忌避していた。だが、ミナは違った。
「彼女は本気だ。着いて行く価値のある人だ。」吹雪はそう思う様になった。
ジェス「ああ、そうだ。この前に撮った写真を現像しておいたんだ。いつか渡そうと思ってたんだけど丁度いい。立ち話もなんだ、バックホームに行こうか。」
吹雪「はい!」
2人がアストレイアウトフレームへ向かう。
その光景を遠くから眺める影。
青葉「…青葉、見ちゃいました!」
シンとジェスって、セカンドステージのテストパイロット時代に会ってるはずなんだが?
>>260忘れてましたチキショー
シン「…あの人か。」
という事でお願いします
会議室
大淀「繋ぎます」
提督「了解」
小さめのモニターに、無表情な男の顔が映し出される。男の名はソキウス。
ソキウス『お久しぶりでございます、ヤマモト三佐殿。ミナ様への伝言は私が預かります』
提督「ああ、久しぶり。元気だったか?」
ソキウス『我々はコーディネイターですので』
提督「ああ、そうだったな。早速本題に入るが、ミナ様に『明々後日宇宙に上がります』と伝えてくれ」
ソキウス『了解致しました。伝えておきます』
提督「頼んだぞ」
ソキウス『それはそうと』
提督「何だ?」
ソキウス『加賀様からの伝言です。『オーブ土産を用意しておいてください、と赤城さんが言っていました』と』
提督「それは抜かりない。大量に買い込んである」
ソキウス『伝えておきます』
大淀「シックス、久しぶり」
ソキウス『お久しぶりでございます。大淀様』
大淀「様はやめてって言ったでしょう。…フォーは?」
ソキウス『今はミナ様の護衛に着いております。伝言があれば伝えますが…』
大淀「なら、結構です。直接伝えます」
ソキウス『…了解致しました』
提督「え?てかこいつフォーじゃないの?シックスなの?」
ソキウス『私はシックスですが』
話が少しそれるが、彼らを初めて見た時、提督は目を疑った。
同じ顔の男が3人居て、その3人は顔立ち、体型はもちろん、仕草や口調まで一緒だったのだから誰でも驚く。
ファーストネームは、フォー、シックス、サーティーン。
彼らは地球連合軍の計画で生み出された、『戦う為のコーディネイター』。名前が数字なのもその為だ。
大淀「失礼な…簡単ですよ。クールで優しいのがフォー、冷淡なのがシックス、ドライなのがサーティーン。もちろん良い意味での冷淡やドライです」
提督「それ見分けついてんの?」
ソキウス『私のMSはM1Aアストレイなので、それを覚えていればいくらか分かりやすいかと』
提督「じゃあ、フォーがソードカラミティだったから、サーティーンが正式レイダーだな」
ソキウス『全員M1Aに乗ることもあります』
提督「もうリタイアしていい?」
ソキウス『いいんじゃないですか』
大和「隊長、お連れしました。」
ドアが開き、大和が顔を覗かせる。
提督「わかった、今行く。じゃあシックス、また今度」
ソキウス『さようなら』
提督が出て行き、部屋には大淀しか居なくなった。
ソキウス『それでは、私も失礼させていただきます』
大淀「ええ、それと、私も宇宙に上がります」
ソキウス『それは急なことで…フォーも喜ぶと思います。それでは失礼します。また後日』
通信が終わる。大淀は座っていた椅子の背もたれにもたれかかった。
大淀(『喜ぶ』…か。)
彼らに心は無い。何故なら、「戦うための道具に心は必要無い」と、ソキウスを作らせた者達が考えたからだ。
しかも、服従遺伝子による心理コントロールによりナチュラルに危害を加えることさえできない。
支配者から離れた今でも、彼らにはまだその呪縛が残っている。
応接室
特に変わったことのないソファーが置いてある。
トダカは提督に呼び出され、この部屋へと足を運んだ。
テーブルに置かれたガラスの灰皿を見てポケットからタバコを取り出そうとするが、さっき食後の一服で吸い尽くしたのを思い出した。
トダカ「大和」
大和「なんでしょうか?」
トダカ「これでタバコ買ってきてくれ。銘柄は…」
大和「マルボロでしたよね、わかりました」
トダカ「ああ。頼んだ」
ポケットから財布を出し、大和に渡す。
大和が出て行く丁度入れ違いに提督が入ってくる。
トダカ「何の話だ?急に俺を呼び出すとは」
提督「明日、解ってますよね?」
トダカ「…ああ。覚えている。吹雪の誕生日だ」
提督「ですが問題が1つ…」
トダカ「俺もどうにもならんことがあってな…」
提督・トダカ「あの年頃の女の子って何渡せば喜ぶんだ…」
トダカ「バッグか?」
提督「バッグならこの前新しいの買ったみたいです…他には…ネックレスとか…?」
トダカ「まだそんな歳でもないだろう… 化粧品か?」
提督「化粧品って肌に合わないと大変って聞きましたよ?しかもあいつ、薄化粧だし…」
提督・トダカ「うーーむ…」
提督「ケーキも比叡が用意すると…」
トダカ「うーむ…」
提督「これはこれで別の問題が…」
大和「トダカ一佐。タバコです」
大和が戻ってきた。二箱買ったらしい。
トダカ「ああ、ありがとう」
大和「ところで、何を話されていたのですか?」
提督「ああ。吹雪の誕生日プレゼント、何がいいのか全くわからなくて困っている」
トダカ「おっさんのは最近の若い女子の好みが全くわからん」
大和「ええ?それなら、最初から私に聞いてくださればよかったのに」
提督・トダカ「あっ」
男2人は今更気づいたらしい。
アメノミハシラ
ミナが執務をこなすのをドアの近くで椅子に座って警護するソキウス。
ソキウスの携帯端末が震える。
ミナ「フォー、どうした?」
フォー「いえ、なんでもありません。失礼いたしました」
襲撃者だったら、ミナの机の電話が鳴り響くだろうから、そうではない。
ミナ「掛け直せ。急用かもしれぬだろう?」
フォー「…すみません、少し席を外します」
執務室を出て、廊下で電話をかけ直す。
電話の相手はシックスだ。
フォー「何の用だ?」
シックス『大淀様が宇宙に上がるそうだ。伝えておいたほうがいいと判断した。後は、ヤマモト様の部隊が、明々後日宇宙に上がる』
フォー「それだけか。今はミナ様の警護中だ。8時までは電話には出れない」
シックス『わかっている』
電話が切れる。部屋に戻り、警護を再開する。
ミナ「もうよいのか?」
フォー「はい、ヤマモト様の艦は、明々後日宇宙に上がるそうです」
ミナ「そうか、彼達も賛同してくれるか…」
フォーはまた椅子に座るが、入りなれた部屋なのに、妙にキョロキョロしている。
ミナは不思議に思い、注意を向けてみる。
フォー「……」
首の後ろを気にしては、次は前髪の位置が気に食わないらしく、毛先が行ったり来たりする。
ミナ「……」
腕を組んでは、ハッとしたように戻し、足を組もうとしてミナの目の前だということを思い出し、挙げ句の果てのは貧乏ゆすりだ。
ミナ「…何故にそこまで落ち着けんのだ?」
フォー「えっ」
ミナ「さっきからそわそわそわそわと…何があった」
フォー「いえ、なんでもありません…」
ミナ「ならばよいが…」
喉が渇いたらしく、水さしの水を飲む。こんな事は一度としてなかった。
今度は立ち上がって椅子のそばをウロウロし始める。
ミナ「……」
フォー「……」
以前、ソキウス達に「暇ならばそこの本でも読んでいろ」と言ってみたことがある。
いつもは絶対に手をつけなかったが、今日は熱心に本棚を物色している。
このままではこっちが落ち着かず、するべきことも終わらない。
ミナはさっきから頭に浮かんでいるキーワードを言ってみることにした。
ミナ「……大淀」
フォー「…!」
一瞬ソキウスの動きが硬直し、取ろうとした本を落としてしまう。
フォー「し、失礼いたしました」
ミナ「…大方、ヤマモト達が宇宙に上がるのと一緒に、大淀も来るのだろう。さっきの電話はそれも伝えた…違うか?」
フォー「…そのとおりでございます」
それを聞いて、ミナは不敵な笑みを浮かべる。
ミナ「ほう…心を潰されたお前でも、惚れた女も出来るものなのか…」
フォー「ほ、惚れたという訳では…」
ミナ「よい。逆に私は嬉しくもある。お前に心が戻りつつあるということなのだからな」
フォー「そうなのですか」
ミナ「だが落ち着け。こちらが落ち着けんのだ。明々後日になれば会えるだろう」
フォー「…了解いたしました」
今日はここまでで。
取り敢えず、アストレイ方面はオリジナル展開が多め、本編の大筋は原作通りに進めます。
再開します
ザフト MS工廠
ハイネと共に工廠に訪れた扶桑と山城。
ずらりと並ぶメンテナンスベッドには、見たことのないMSが並んでいた。
奥には、一機の戦闘機が置かれている。
ハイネ達の目の前には、オレンジのMSと、赤いMS。
作業員は、オレンジのMSの前に誘導する。
山城「これは…ザク?」
扶桑「ではないみたいよ、山城」
作業員「これは、ザクファントムに変わるMSのZGMF-X2000『グフイグナイテッド』です」
ハイネ「ほぉー、グフ。近接戦闘に重きを置いてるタイプか…」
作業員「ええ。ビームソード『テンペスト』、射程距離は落ちますが、近接戦闘での取り回しが抜群の4連装ビームガン『ドラウプニル』。そして、この機体イチの特徴が、この『スレイヤーウィップ』です」
ハイネ「その、なんたらウィップってのは?」
作業員「お見せします。こちらの映像を…」
作業員の持つタブレット端末に、テストの映像が映し出される。
映像には、ストライクダガーのボディを模したダミーと、グフ。
グフの腕から伸びる鋼鉄の鞭がダミーに巻きつき、破壊する。
山城「砕けた!」
作業員「高周波パルスを発生させています」
扶桑「それを相手に伝達し直接破壊」
作業員「その通りです。一瞬触れた程度では電撃が流れるぐらいなのが難点でしょうか」
ハイネ「今乗れんの?これ」
作業員「ええ。すぐにでも実戦に投入できますが…」
ハイネ「じゃあ、模擬戦やっか。扶桑、付き合ってくれ」
扶桑「ええ。私でよければ」
ハイネ「じゃあ負けた方罰ゲームな」
山城「あっ!後出しなんて!」
扶桑「いいわ、山城。勝てばいいんでしょう?」
試験場
山城「扶桑姉さまー!ご武運をーー!」
扶桑「ええ。もちろん勝ちにいくわよ」
ハイネ「ご武運て…俺にはなんかないの?『頑張ってー♡』とかさ」
山城「あるわけないでしょ」
ハイネ「即答とか凹むからやめてくんない?」
オペレーター『扶桑のザクは、スラッシュウィザードのビームアックスのみ。ウィザードなし』
ハイネ「ウィザードなしかよ。ハンデのつもりか?」
扶桑『接近戦メインなのに、ガナーは悪手でしょう。本気で参りますので、そのつもりで』
ハイネ「ま、そうだわな」
オペレーター『戦闘区域に入った瞬間開始です。勝敗が決したとこちらが判断し次第、終了です』
ハイネ「OK!」
扶桑『了解』
オペレーター『グフ、ハイネ機、どうぞ』
ハイネ「ハイネ・ヴェステンフルス、グフ、いくぜ!」
格納庫から飛び出すグフ。隣にはザクがいる。
地面に着地し、戦闘開始。
扶桑『行きます!』
ビームアックスを構えたまま突っ込んでくる。
それをシールドで受け流し、ドラウプニルを撃ち込む。
扶桑『そんな豆鉄砲で!』
シールドを向け、ドラウプニルを受ける。そのままビームアックスで横なぎ。
グフは後ろに跳んでそれをかわす。
扶桑『初めて乗るのに、その動きは!』
ハイネ「伊達に赤は着てないんでな!」
扶桑『私だって赤でしょう!』
スラスターをふかし、距離を詰めるザク。
シールドからテンペストを抜き、アックスを受ける。
ハイネ「ちぃ…!」
扶桑『仕留めます!』
ハイネ「一か八か!」
グフが、シールドを捨てる。
そのまま左腕でアックスを掴み、ドラウプニルを撃ち込む。
ザクの右腕がダメージを受け、機能停止。
グフはすぐに飛び上がった。
扶桑『!』
ハイネ「こいつを!」
スレイヤーウィップがザクの腕に巻きつく。そして破壊しようとした時。
オペレーター『そこまで!』
終了の合図を受けてグフはスレイヤーウィップを巻き取り、着地する。
ハイネ「ふっ、俺の勝ちだな」
ビームアックスを停止させ、扶桑が答える。
扶桑『ええ。ハイネには敵わないわ』
ハイネ「山城になんて言われっかな?」
扶桑『私がなだめます。負けた罰ゲームはそれで』
ハイネ「それ罰ゲームになってないんじゃないの?山城は姉さまラブだし」
突然通信に割り込まれる。
山城『じゃあ貴方扶桑姉さまに何させようとしてたんですか!…はっ!? 不潔な!』
ハイネ「おいおいおいおい!?んなわけねぇだろ!?」
扶桑『えっ!?まさか…そんな、変態さんだったなんて…不幸だわ…』
わざとらしく失望する2人。
ハイネ「お前ら俺で遊んでるだろ!」
翌日
オーブ軍港
待機室
提督・大和・金剛・比叡・榛名・霧島「吹雪、誕生日おめでとう!」
吹雪「あ、ありがとうございます!」
スクランブルに備え、待機する吹雪達。
提督、大和、金剛、霧島のMSは、吹雪のストライクを優先させた為にまだ修復中だが、事務仕事の暇を見つけて来たらしい。
榛名も、MSを失った為事務仕事をしている。
提督「何歳になったんだっけ、…16か。あと、ほら。片方は一佐からだ」
ラッピングされた箱を2つ渡す。
吹雪「ありがとうございます、なんですか?これ…あっ!ハンカチとマグカップですか!?」
大和「私からは、これを」
大和が緑とオレンジに光るブレスレットを渡す。
大和「ハウメアの護り石と、マラカイトのブレスレットよ」
吹雪「綺麗…嬉しいです!」
金剛「ワタシからは、oh、隊長と少し被ってしまいマシタガー…ティーカップデース」
比叡「私は手作りケーキを!」
吹雪「金剛さんに、比叡さんも…本当にありがとうございます!」
提督(比叡のケーキ…大丈夫か)
金剛(昨日の夜にコッソリそっくりなワタシのケーキとチェンジシマシタ。味は保証しマース)
榛名(私も確認しました)
比叡「あれっ?煮干し入れてなかったっけ…」
提督(煮干し!?)
金剛「じ、時間が経ってケーキに溶け込んだんじゃナイデスカ!?」
金剛(アレ?煮干しなんて入ってマシタッケ…)
比叡「ああ、入れ忘れていました!今から入れますね!」
そう言って、懐から煮干しパックを取り出す。
比叡「カルシウム摂る用に持っててよかった~。ほら!吹雪ちゃんもカルシウム摂りましょう!」
間髪入れず、ケーキに煮干しが刺さる。
吹雪「あっ」
金剛・提督(oh…)
提督(ま、まぁ煮干し程度ならまだなんとか…)
金剛(なんか胸騒ぎが…)
吹雪「じゃ、じゃあ…いただきます」
比叡「金剛お姉さまが昨日の夜にお手本を見せてくれたので、絶対に美味しいですよ!」
金剛「what?」
比叡が切り分け、皆に配る。
吹雪が口にしようとした瞬間、警報に遮られる。
大淀『アンノウンMS接近!待機中のパイロットは出撃してください!』
吹雪「あっ!出ます!ケーキはまた後で!」
比叡「私も行かなきゃ!」
2人は走っていく。
金剛「マサカ…」
金剛が一欠片口にする。
金剛「……oh…ブッキー、命拾いシマシタネー…」
MS格納庫
格納庫では、寝かされたストライクと、戦闘機形態のムラサメがあった。
比叡はいち早く乗り込み、スピーカーで呼びかける。
比叡『ムラサメ出します!』
格納庫からカタパルトへと移動するムラサメ。
大淀『ムラサメ、発進、どうぞ!』
比叡「ムラサメ!比叡!行きます!」
ヘルメットを着け、走る吹雪。
吹雪「明石さん!」
明石「吹雪ちゃん、早く乗って!」
コックピットに入り、ストライクを起動する。
General
Unilateral
Neuro-Link
Dispersive
Autonomic
Maneuver
Synthesis System
吹雪(いつも思うんだけど、ガンダムって読めば良いのかなぁ?)
吹雪「まぁ、いっか!いけます!」
明石「よし!カタパルトへ!あと、色々アップグレードさせてるから!飛んでる間に確認して!それが誕生日プレゼントね!」
吹雪「明石さんも!ありがとうございます!」
大淀『カタパルト接続。ストライカーはエールを選択。』
大淀『吹雪ちゃん』
吹雪「はい!」
大淀『敵は単機。目的、所属は不明です。くれぐれも気をつけて』
吹雪「わかってます!」
大淀『よろしい。進路クリア、ストライク、発進、どうぞ!』
吹雪「吹雪、ストライク、行きます!」
カタパルトから勢いよくストライクが飛び出す。
デデデデ-ンデデデデッデ- (SEEDのアイキャッチ)
今日は吹雪の誕生(進水)日ですね
今書いてるこの辺りも、11月辺りらしいです
(アーモリーワン襲撃が10月、開戦のことをフォックスノット・ノベンバーと呼ぶそうで)
アスラン「もうそろそろオーブ領海に入るな…」
デュランダルから受け取ったMAでオーブに向かうアスラン。
レーダーに反応が。
アスラン「…?哨戒機か?」
レーダーに映った点は、2つ。まっすぐアスランのMAに向かって来ている。
ある程度近づいた頃、アラートが鳴り響く。
アスラン「ロックされた!?」
二機のMSの片方はムラサメ、そしてもう片方は。
アスラン「ストライク!何故!?」
ビームライフルで牽制される。アスランはそれを難なく避け、二機のMSとすれ違う。
アスラン「オーブコントロール!聞こえるか!オーブコントロール!」
大淀『こちらオーブコントロール』
アスラン「こちらに貴国攻撃の意志はない!何故撃ってくる!」
アスラン「くっ…こちらはザフト特務隊、アスラン・ザラだ!ミネルバと合流したい!」
大淀『ミネルバならとっくに出航しました!それに、今のオーブにとって、プラントは敵性国家です!』
アスラン「なんだと!?」
吹雪『そういう事です!速やかに転進してください!撃ちますよ!?』
アスラン「…なら、アスハ代表と話がしたい!こちらは市民番号2500474c、アスハ家のアレックス・ディノだ!」
オーブ軍国防本部 司令室
大淀「2500474c…本物です。カガリ様のボディガードのアレックス・ディノです」
司令官「ダメだ!許可できん!今入国させれば連合に弱みを握られるかもしれんのだぞ!それに今カガリ様は居ない!」
大淀「…許可できません。入国も不可です」
アスラン『なんだと!?オーブコントロール!』
司令官「最終警告をしろ!これで転進しないならば撃墜する!」
大淀「直ちに転進し、領空から出なさい!これを無視する場合、撃墜します!」
アスラン『アスハ代表に繋いでくれ!カガリなら…!』
司令官「しつこいぞ!撃墜を許可する!」
大淀「吹雪、比叡、撃墜を許可します」
吹雪・比叡『了解!』
コノテニノセルフクサシュノイロ~
アカギサンタノミスギ-!
ヒエ-!
吹雪「延長しますかですって!」
金剛「行くデショー!」
吹雪「何時間ですかって!」
金剛「朝までデショー!」
吹雪「ありがとうございますですって!」
大和「私は終電なので帰ります」
金剛「大和…」
再開します
吹雪「ユニウスセブンの時は助けてもらったけど!なんでザフトなんかに!」
ストライクのビームライフルでMA狙う。
アスラン『やめろ!攻撃の意志は無いと何度言えばわかる!』
比叡「このっ!」
空対空ミサイル『ハヤテ』が、アスランに襲いかかる。
アスラン『カガリを!カガリと話をさせてくれ!』
MAがMSに変形する。ZGMF-X23S『セイバー』だ。頭部のCIWSでミサイルを打ち落とす。
比叡「吹雪ちゃん!私が!動きを抑えます!」
吹雪「了解!」
ムラサメも戦闘機形態から変形し、ビームライフルで撃ち続ける。
アスラン『くっ…!』
それをシールドで防ぐ。
比叡「今よ!」
吹雪「やぁぁぁぁ!」
動きを止めたセイバーに、ストライクがビームサーベルを抜刀して襲いかかる。
アスラン『戦うつもりはないと言っているだろう!』
アスランもビームサーベルを抜き、ストライクとセイバーが組み合う。
イーゲルシュテルンを放つが、セイバーはPS装甲なので、ダメージが無い。
吹雪「ストライクはパワーアップしてるんです!」
フットペダルを踏み込み、セイバーは劣勢に追い込まれる。
負けじとセイバーもスラスターをふかすが、バッテリー残量が残り少ない。
アスラン(プラントからそのまま飛んできたんだ、もうパワーが!)
アスラン『仕方ない…!』
腕を弾き、ストライクの上に出るセイバー。
吹雪「なっ!?」
エールストライカーにビームサーベルが突き立てられ、爆散する。
吹雪「きゃぁぁぁぁっ!」
比叡「吹雪ちゃんを!ゆるさないんだからぁ!」
ムラサメとセイバーが正面からぶつかり合う。
ムラサメがセイバーのシールドを蹴って距離をとり、シールドを投げる。
アスラン『…! 君は!』
比叡「お姉さま譲りの!度胸を!」
アスラン(金剛に似ている!?金剛に妹なんて居たのか!)
ビームサーベルを抜きセイバーへ詰め寄るが、胴体を蹴られてバランスを崩し、落下する。
比叡「ひえーー!?」
アスラン『すまない…』
2人を倒し、アスランが注意を緩めたその時。
吹雪「終わったと思うなぁぁぁ!」
ストライクが水しぶきをあげながら飛び上がる。
アスラン『ストライク!?』
吹雪「さっきも言ったでしょう!ストライクはパワーアップしていると!」
突然現れたストライク。アスランの対応が遅れる。
アスラン(間に合わない!)
吹雪「ビームサーベルで!…えぇぇぇ!?」
スラスターが突然停止し、失速する。
アスラン『…不調か?』
比叡「吹雪ちゃん!乗って!」
吹雪「す、すみませぇん…!」
戦闘機形態のムラサメにストライクが乗っかる。
アスラン(今しかないか…)
セイバーはこれ以上戦闘できない程エネルギーを消費していた。
ギリギリカーペンタリアまでは行けるだろう。
その隙を見てセイバーはMA形態に変形し、カーペンタリアの方角へ飛んで行った。
それを見届けると、国防本部に連絡する。
吹雪「…MSの転身を確認。すぐに領空から出ると思われます…」
大淀『こちらでも確認。追撃は不要です。帰還してください』
吹雪・比叡「了解」
MS格納庫
ストライクがメンテナンスドッグに固定され、修理を受ける。
明石「うーん…エールストライカーが爆発した時にスラスターがイカれた…のかなぁ?」
吹雪「おそらく…」
明石「それと、吹雪ちゃんが想像以上に無茶なふかし方した?」
吹雪「それにも思い当たる節が…」
最後の海中からの大ジャンプはスラスターに絶大な負荷をかけたようだ。
明石「うーん…吹雪ちゃん用に調整したつもりだけど…ダメみたいね。やり直しやり直し!」
吹雪「ご迷惑をおかけして…」
明石「いいよいいよ。メカニックの仕事だからね。えーっと…スラスター周りを修繕して、データをもとに調整するのに…同時進行でアストレイやムラサメの修理も…あちゃー、完成する時には宇宙だ…んー、私も行くか!」
吹雪「えっ?」
明石「私も行くよ。アメノミハシラ。私もロンド・ミナ様の思想に賛成派だし」
吹雪「あの、モルゲンレーテやここの仕事は…」
明石「まー、何とかなるでしょ。今は一応戦時中って事になるし…モルゲンレーテの社員でも私たちみたいにオーブのMS弄ってるのは軍の階級持ってたりするし。ほら。転属願今から書いても間に合うかな…」
そう言って、胸ポケットから軍のIDを出す。
吹雪「あっ、本当だ…三尉!」
明石「吹雪ちゃんは曹長だっけ?」
吹雪「そ、そうであります!」
明石「かしこまらなくて良いよ、やり辛いから」
そう言うと、ムラサメの修理作業をしている方へ向き、叫ぶ。
明石「おやっさぁーーん!私、宇宙上がりますねーー!」
整備士「おーう!好きにしやがれ!」
おやっさんと呼ばれた整備士が、景気良く答える。
明石「引き止めなくて良いんですかー!」
整備士「うるさいのが減ってせいせいするわ!うぬぼれも大概にしろーー!」
明石「もう!失礼しちゃうなぁ!」
吹雪「はは… あっ、私はそろそろ行きますね。ストライク、お願いします」
明石「はいはい。バッチリ直しとくから!」
おやっさんってもしかしてアークエンジェルのマードックさん?
>>303マードックさんは今頃アークエンジェルですね
真夜中に再開します
アメノミハシラ
フォー「どうしたものか…」
クローゼットの中の服をすべて引っ張り出し、ベッドの上に並べている。
ドアをノックする音が。
フォー「どうぞ」
ミナ「フォーよ」
フォー「ミナ様。なぜここに…」
ミナ「シックスが『今朝からフォーの様子がおかしい』と言うので来てやったのだ。で、何をやっている」
フォー「服を選んでおりました」
ミナ「服を選んでいる…だと?ああ、大淀か」
フォー「からかわないでください」
ミナ「からかっているわけでは無い。…だが、その割にはベッドの上に並んでいるのはオーブの軍服しかないようだが… 他の服は?」
フォー「これしかありませんが…」
ミナ「はぁ?そんなはずがなかろう。部屋着や普段着の一着や二着…」
クローゼットを覗き込む。中には寝間着と下着しかない。
ミナ「無いではないか… 今日は休暇だろう。服でも買いに行くが良い。分からぬなら暇な者に選んでもらえ」
フォー「かしこまりました」
オーブ国防本部 指令室
司令官「大淀は今日で転属だったな」
大淀「ええ、明後日から宇宙なので、その用意をまだ何もしていなくて」
司令官「…大きな穴になるな。大淀が居なくなると」
大淀「そんな、買いかぶり過ぎです。あ、これはお返しします」
司令官「インカムか?それぐらい持ってけよ」
大淀「規則ですから。カガリ様にどやされます」
司令官「カガリ様か… カガリ様の居ないこの国は、何処へ行くのだろうか…」
大淀「戻るまで国を守るのが我々の仕事でしょう」
司令官「そうか」
大淀「…私は、もう行きますね」
司令官「おう、行ってこい。くれぐれも死ぬんじゃないぞ」
大淀「…死にませんよ。不謹慎です」
司令官「悪い悪い」
ザフト カーペンタリア基地
シン「このジュース美味いな。レイの分も買えば良かった」
シン「おまけにオモチャ…なんだって基地内のハンバーガー屋でこんなもの配るんだ?」
シン「『瑞雲』?大昔の戦闘機じゃん」
オーブを出て、カーペンタリアに入港したミネルバ。
ミネルバの兵士は、しばしの休息を取っていた。
シンは基地内のファストフード店で食べ物を買い、ミネルバへ向かっていた。
ジュースを飲みながら歩いていると、工廠のエリアに差し掛かる。
パイロット「設定Bを一度試せないか?」
作業員「設定Bぃ?使えんのか?あれピーキーだぜ?」
パイロット「まぁ、問題ないだろう。それで一度飛ぶ」
作業員「はいよ」
さっきとはうって変わって機械の音がやかましい。
シンは立ち止まってMS格納庫の前にそびえ立つMSを見上げる。
シン「新型? 空戦MSかな…」
???「気になるかい?」
誰かが声をかけてきた。
見た所同年代か。
シン「あ…」
最上「ボクは最上さ。君は?」
シン「俺は、シン・アスカ。ミネルバ所属のパイロット」
最上「ミネルバ…あの艦に乗っているんだ。大変だね」
シン「まぁね」
最上「ところで、あのMSが気になってたみたいだけど」
シン「ああ。あのMS、新型だろ?」
最上「そうさ。あれは、『バビ』。ディンの後継機さ」
シン「バビ…」
最上「ディンは実体弾の武器しかなかったけど、それじゃあPS装甲のMSには手も足も出ないだろう?だから、バビはビームライフルと、『アルドール』複相ビーム砲を持つんだ。胸に銃口が見えるだろう?」
シン「君のMSなのか?」
最上「いや、ボクのMSはまだディンさ。緑服だし、特に戦果もあげてないしね」
シン「そうなんだ…」
???「最上、そいつは?」
さっき作業員と相談していたパイロットが近づいてくる。
最上「日向さん。テストはいいんですか?」
日向「ああ。今設定を変えてもらっている。で、そいつは?」
シン「自分は、ミネルバ所属、シン・アスカであります」
日向「ミネルバ…ああ。あの艦だな。伊勢が気になっていた」
シン「バビのパイロットの方でありますか?」
日向「ああ。そうだが…」
その時、灰色のMAが飛んでくるのが見えた。
日向「ん? ミネルバに向かっているのか…」
シン「あれは… 」
最上「着艦したね」
誰だろうかと気になり、シンはミネルバに帰ることにした。
シン「自分は、失礼させていただきます」
日向「ああ、行ってこい。…それと」
シン「なんでしょうか?」
日向「それ、瑞雲だろう」
シン「瑞雲?ああ、これですか?」
さっきファストフード店で貰った瑞雲のフィギュアを出す。
日向「くれないか。好きなんだ。瑞雲」
シン「え?まぁ、良いですけど…」
最上「あはは…相変わらずですね、その瑞雲好きっぷりは…」
日向「これで47機揃う」
シン「47!?」
日向「ところで、行かなくて良いのか?」
シン「あっ、そうでした!失礼します!」
シンはミネルバへ向けて走り出した。
日向「瑞雲…ふふ 」
最上(なんでそこまで瑞雲にこだわるんだいこの人は…バビまで緑に塗りそうだよ…)
日向「そうだ、バビ、瑞雲カラーにするか」
最上「えぇ…」
今夜はここまでで。
アメノミハシラ居住区
加賀「何故私がこいつの買い物に付き合わされてるのかしら…」
ソキウス「こういう感じですか」←黄色と黒の市松模様のセーター
加賀「…今までで一番マシね、それにしなさい」
ソキウス「では、これにします。あ、後で食事でもいかがですか。フレンチでも…」
加賀「行きます」
ちょっと空いてしまいました 再開します。
ミネルバ カタパルトデッキ
ミネルバに着艦したセイバーだったが、エネルギーが完全に尽き、カタパルトの真ん中に立ちふさがっている。
ルナマリア「何!?この新型!」
メイリン「セイバーって言うみたい。セカンドステージシリーズだって。お姉ちゃん」
ルナマリア「ふーん…パイロットって誰かしら」
ルナマリアはコックピットから現れた紫色のパイロットスーツに身を包んだ男を見つめる。
ヘルメットをとると、アスランが顔を出す。
メイリン「アスランさん!…えっ!?フェイス!?」
パイロットスーツの胸のマーキングは、ザフト特務隊FAITHを示す。
メイリンは、アスランとまた会えたことに驚いたが、ザフトに戻ったこと、そして議長直属のフェイスに任命されていることにも驚いた。
ルナマリアとメイリン、近くにいた整備士達は、一斉に敬礼する。
アスラン「認識番号285002、特務隊フェイス所属、アスラン・ザラだ。乗艦許可を」
シン「なあ!さっきのって… !?おい!あんたどういう…」
ルナマリア「シン!言葉に気をつけなさい!」
ルナマリアは目配せでシンに彼がフェイスだと伝える。
シン「あっ!」
それに気づいたシンは、乱れていた服装を正し、敬礼する。
アスラン「ふっ。 艦長は艦橋ですか?」
ルナマリア「ええ。おそらく」
メイリン「私が案内して…」
ルナマリア「確認してご案内します」
アスラン「ああ、ありがとう」
ルナマリアがアスランを連れて行く。
シン「そういえば、なぁ、メイリン。レイ見てない?」
メイリン「見てないけど!」
不機嫌な様子でその場を立ち去る。
シン「? なにイライラしてんだよ。変な奴」
翌日 早朝
オーブ
ストライクを乗せたトレーラーが道路の真ん中で立ち往生している。
運転手は明石だ。
明石「渋滞してる… 海岸沿いに行けばよかった…」
大和「事故みたいですね…大型トラックが横転したそうで」
明石「えぇー!?当分動かないじゃんそれ…」
M1アストレイを乗せたトレーラーも後ろにいたはずだが、別の道で向かったようだ。
吹雪「ふわぁぁぁ…」
大和「大丈夫ですか?」
吹雪「あっ!す、すみません!」
大和「トレーラーはあと一時間ほどかかると思うので、寝ていればいいですよ」
吹雪「いえ、大丈夫です」
トレーラーの少し後ろでは、オーブ軍用の軽自動車が止まっている。
???「なんやねん…なんでこんな渋滞してんのや…あのトレーラーか?」
???「事故だってさ。後ろにも下がれないみたいだし、タイミング悪かったかもねぇ…もっと早く出りゃ良かったなぁ」
???「飛鷹にどやされんで…こりゃ酒も禁止されんのちゃうか?キミ」
???「そりゃないぜ…私のせいじゃないっしょこれ~」
再開します
カーペンタリア基地 ミネルバ
アーサー「ニーラゴンゴ、発進を確認」
タリア「ええ。我々も出港しましょう。ミネルバ発進。前進微速」
ミネルバが港を出て、先を行く潜水艦についていく。
アスランが持ち込んだ命令書により、ミネルバはジブラルタルへ向かうこととなった。
シン「ボズゴロフ級って、護衛にしちゃ大掛かりだな」
レイ「あくまで見送り、ずっと付いてくるわけじゃない」
シン「わかってるよ。それより、なんでこの艦がスエズの駐留軍の支援なんか…」
レイ「議長の命令だ。議長に間違いはない」
シン「あ、うん…まぁそうだけど…」
ドアがノックされる。
アスラン「アスラン・ザラだ。シン・アスカとレイ・ザ・バレル、居るか?話がある」
レイ「はい。どうぞ」
部屋に入ってきたアスラン。胸にはフェイスのバッヂが光る。
アスラン「早速だが、俺がこの艦のMS部隊の隊長をやる事になった」
シン「えっ!?」
アスラン「未熟な部分もあるかもしれないが、よろしく頼む」
レイ「よろしくお願いします」
シン「あっ、よ、よろしくお願いします」
アスラン「ルナマリアにも伝えてくる。それじゃあ、また後で」
シン「はい!」
部屋を出ていくと、シンはベッドに寝転がる。
レイ「…彼が隊長なのは妥当だと思うが」
シン「そうじゃないさ」
レイ「またオーブがどうこうか?」
シン「なんであの人、ザフトに戻ったんだよ。オーブじゃ無かったのかよ?」
レイ「直接聞いてみたらどうだ?」
インド洋
連合軍空母 J.P.ジョーンズ
ネオ「ステラはお留守番だ。お利口にしとけよ?」
ステラ「いいなぁ、みんな」
アウル「仕方ねぇじゃん。ガイア、空飛べねぇし海泳げねぇし」
スティング「そういうこった」
MS格納庫では、川内達が既に待機していた。
川内「………」
神通「全システム異常認められず…ビームライフル出力正常」
那珂「なんで那珂ちゃんのダガーがジェットストライカーなの!?アイドルが地味じゃダメぇ!」
整備士「そうは言ってもねぇ…お嬢ちゃん。ガンバレルは地球じゃ使えんのよ」
那珂「ヤダヤダヤダ!地味なのはやだぁぁ!」
那珂は整備士に突っ掛かり、川内はイメトレに勤しみ、神通は装備をチェックしている。
整備士「そうわがまま言われても無理なもんは無理なんだって…」
オペレーター『全MS、発艦準備。作戦開始まで、あと30分』
整備士「ほら!もう時間ないから!乗り込んで!」
ネオ「さっきから何話してんの?」
整備士「あっ、大佐!この子がね、ジェットストライカーが嫌だってゴネるんですよ」
那珂「ガンバレルストライカーがいいー!無いなら他の目立つやつ!」
ネオ「そんなこと言われても…ねぇ?」
整備士「ですよねぇ…」
ネオ「あ、そうだ」
整備士「なんです?」
ネオ「フォビドゥンヴォーテクス、無い?」
整備士「前線基地に確か一機だけ」
ネオ「それ呼出せ。那珂は遅れて出る」
那珂「えっ!?いいの!?」
ネオ「アビスとデュエットで水中戦さ。目立つぞ?」
那珂「やったぁ!」
ニーラゴンゴ
艦長「よし、潜行する。その前に最上のディンを出せ。ミネルバに着艦させろ」
オペレーター「はっ!」
格納庫
オペレーター『カタパルトスタンバイ。ディン、発進よろし』
最上「最上、ディン、行くよ!」
ディンが真上に打ち上げられる。整流用エアロシェルを被って翼を広げ、ミネルバへ飛ぶ。
ミネルバ
メイリン「ニーラゴンゴからレーザー通信。《これより潜水する。ひよっこを乗せてやってくれ》同時にディンの発進を確認」
タリア「ええ。着艦許可をあげて。カタパルトハッチ解放」
ミネルバにディンが着艦する。
最上『着艦許可感謝します』
タリア「どういたしまして」
搬入口
慌ただしく人やコンテナが動き回る。
その中を、2人の作業員が荷物を運んでいた。
作業員A「おい!そこの!なんの荷物だ!?」
作業員B,C「ギクッ」
作業員A「なんの荷物だと聞いているんだ!許可のない荷物は積めないからな!」
荷物を運んでいた2人は相当慌てている。
作業員B「ここここ、紅茶デース…」
作業員C「それとレトルトカレーです」
作業員A「なんだと?食料品はもう全て積んだはずだが…」
作業員C「や、ヤマモト三佐が急に頼んできて…」
作業員B「持ってキマシタ」
作業員A「…まぁいい。取り敢えず持っていけ」
作業員B,C「了解(デース)」
作業員A「おい。待て。中身を確認してからだ」
そう言うとガムテープを剥がし、ダンボール箱を開ける。
作業員A,B,C「あっ」
榛名「……」
作業員A「おい」
榛名「は、榛名は紅茶とカレーです」
再開します
格納庫
シン「ディン?」
ルナマリア「ニーラゴンゴの機体だって。潜水しちゃ出れないもんね」
最上「あっ、おーい!」
シン「最上!」
最上「また会ったね」
レイ「俺はレイ・ザ・バレルだ。よろしく。こっちはルナマリア・ホーク」
最上「初めましてだね、こちらこそよろしく、レイ。ルナマリア」
ルナマリア「よろしくね」
カグヤ島
マスドライバーカグヤ イズモ級格納庫
イズモ級 ブリッジ
???「…遅い」
基地ではトレーラーからM1アストレイが運び出され、イズモ級に運び込まれる。
???「アストレイは来てるのにストライクが来ない!隼鷹と龍驤も来ない!」
???「飛鷹、抑えて…出発は明日。いくらでも間に合うでしょう?」
飛鷹「ですけど、さすがに遅いですよ。鳳翔艦長」
鳳翔「確かに一時間も予定時刻を遅れるのは少し変ですが…」
飛鷹「おおかたあの2人は夜中まで酒盛りしてたんでしょうね!操舵手としての自覚あるのかしら…!」
鳳翔「あら…事故で渋滞しているみたいね…」
提督「失礼します」
ブリッジのドアが開き、提督と大淀が入る。
大淀「本日付けで配属になった、大淀です」
鳳翔「ようこそ、イズモ級戦艦『ワダツミ』へ。艦長の鳳翔です。階級は二佐。そしてこちらが…」
飛鷹「CIC担当の飛鷹よ。よろしく」
鳳翔「えっと…あと2人、操舵手が来るはずなんですが遅れています」
飛鷹「貴女たちのストライクもまだ来てないわよ?装備は来てるのに」
提督「それについては、車両事故による渋滞であと一時間ほどかかるかと…」
鳳翔「まあ、気長に待ちましょう」
連合軍空母 J.Pジョーンズ
司令官『ウィンダムだけでなくフォビドゥンヴォーテクスまで差出せだとぉぉ!?』
ネオ「んじゃ、そういう事だから。用意しといてくれ」
那珂「おじさん!ありがとね!那珂ちゃん、服にサインしてあげちゃう!」
司令官『おじっ…あっ!おい待て!切るな!』
ネオ「よし。那珂とステラ以外は出るぞ!」
オペレーター『カオス、アビス発進。続けスローターダガー及びウィンダム発進せよ』
アウル「ネオ、あの地味女にフォビドゥンなんてくれてやんの?まあいいや。アウル・ニーダ、アビス。出るよ!」
スティング「スティング・オークレー、カオス、発進する!」
川内 「ディバインスローター、川内、出るよ!」
神通「スローターノワール、神通、出撃します」
ネオ「ネオ・ロアノーク、ウィンダム、出すぞ!」
地球軍空母から次々とMSが発進する。アビスは海中に潜り、他は編隊を組んで飛行する。
基地からのウィンダムも合流し、空を埋め尽くすほどの数だ。
ネオ「さぁて。今日で沈めるぞ!」
ミネルバ
バート「ミネルバ進路方向から、MS反応!熱紋照合、ウィンダム、カオスです!数不明!」
タリア「ならアビスも居るわね。レイとルナには水中戦の用意をさせて!ブリッジ遮蔽、各員戦闘準備!」
ブリッジが下り、戦闘ブリッジとなる。
メイリン「コンディションレッド発令!パイロットはMSにて待機!」
アーサー「トリスタン1番2番、イゾルデ起動!ミサイル発射管、パルジファル装填!」
格納庫
アスラン「アスラン・ザラ、セイバー、出る!」
最上「最上、ディン、行くよ!」
セイバーに続いてディンも発進する。
シン「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」
ミネルバから次々と射出されるインパルスのパーツ。シルエットはフォースだ。
最上「おお…それがインパルスなんだね…」
シン「かっこいいだろ?」
アスラン「雑談している暇はないぞ!集中しろ!」
シン「…了解」
最上「はい!」
ネオ「ん? また新型か…ザフトは凄いねぇ」
スティング「ふん!力を見せてみやがれ!この新顔!」
川内「私も!」
カオスと川内のダガーがセイバーへ向けて飛ぶ。
ネオ「おい!勝手に…ま、いっか。俺は馴染みのあいつをやらせてもらう!」
ウィンダムが散開し、ビームライフルを撃つ。インパルスとディンはそれを巧みに交わし、防ぎ、距離を詰める。
ネオ「コンビネーションで攻めるんだ!」
ウィンダム達「了解!」
アスラン「俺はカオスをやる!君たちはウィンダムを落とすんだ!」
シン・最上「了解!」
セイバーが変形し、ミネルバから離れる。
最上「来るなら来い!相手してやる!」
シン「うぉぉぉ!」
ディンがショットガンをウィンダムの編隊に放つ。
回避しようと編隊が崩れたところにインパルスが飛び込み、次々と撃墜していく。
最上「ボクだってザフトの一員だ!」
シンが撃ち漏らしたウィンダムが最上のディンに迫るが、胸のミサイルで撃ち落とされる。
爆煙から飛び出した機体を突撃銃で撃つ。しかし…
シン「わわっ!?最上!俺だ!」
最上「え!?ご、ごめん!」
インパルスはフェイズシフト装甲なのでダメージはないが、驚いて隙ができる。
ウィンダムA「今だ!撃て!」
ウィンダムB「落ちろぉ!宇宙人がぁ!」
シン「うわっ!」
咄嗟にシールドで受ける。
後ろに回り込んだウィンダムがビームサーベルを振り下ろす。
最上「危ない!」
ショットガンでウィンダムを撃ち落とし、その間にシンは体制を立て直す。
シン「喰らえっ!お返しだ!」
立て続けに2機のウィンダムを撃つ。
ウィンダムA「うわぁぁぁぁ!?エリザベェス!」
ウィンダムB「宇宙人めぇぇ!」
最上「ボクたちこれまでで何機やったんだい!?」
シン「数えてない!減ってないだろこれ!」
どこかに基地でもあるのか? 2人にそういう疑問が湧いた。
タリア「レイとルナは!?まだ出れないの!?」
アーサー「トリスタン、照準10時方向のMS群!てぇーっ!パルジファル、1番から8番、てぇーっ!」
ミネルバも艦の武装で迎撃する。
ミネルバの近くを飛ぶウィンダムはミサイルを放つが、CIWSに遮られる。
ネオ「ちっ!アウルと那珂に任せるか…!全機!ディンとストライクっぽいのをやれ!艦砲射撃には注意しろよ!」
ウィンダム達「了解!」
すみません年末忙しくて全然更新できませんでした…
再開します
レイ「レイ・ザ・バレル、ザク、発進する!」
ルナマリア「ルナマリア・ホーク、ザク、行くわよ!」
カタパルトから水中に飛び降りる2機のザク。
装備はバズーカ砲だ。
アウル「はっはっはぁ!やっと出てきたな!暇してたんだよ!」
レイ「チィッ…!早い!」
ルナマリア「バズーカなんて当たらないわよ!」
レイ「それでもよく狙え!ミネルバがやられさえしなければいいんだ!」
まるで獲物で遊ぶシャチのように、アビスはザクを翻弄する。
ザクに魚雷を撃つが、ニーラゴンゴから出撃したグーンのフォノンメーザー砲で破壊される。
アウル「邪魔すんなよ!このスルメ!」
アビスの槍でグーンが真っ二つにされ、水圧に押しつぶされた。
アウル「ハッハッハァ!ゴメンねぇ!強くてさぁ!」
もう一機のグーンも沈めようと向かったその時、アビスを魚雷が追い抜く。
そのままグーンに直撃し、爆散する。
アウル「なんだ!?」
ルナマリア「何!?どこから!」
那珂「そろそろ那珂ちゃんの出番だよね!」
青い機体がシールドから展開されたクローでグーンを握りつぶす。
アウル「地味女!邪魔すんな!」
那珂「那珂ちゃん地味じゃないもーん!」
突然レイ達の目の前に現れたMS。フォビドゥンヴォーテクス。
レイ「新手か!?」
ルナマリア「ちょっと…!冗談じゃないわよ!」
アスラン「くっ!」
スティング「さっきからこいつ!全然当たんねぇじゃねぇか!」
ミサイルを撃ちまくるが、それを全てかわして、かわしきれないものは撃ち落とされる。
川内「ちょこまかと!」
スティング「お前の方に誘導する!機動性はお前より俺のが上だ!」
川内「オッケー!」
カオスが変形して、セイバーを追う。
スティング「オラオラァ!さっさと楽になっちまえよ!」
足のビームクローで掴みかかる。
アスラン「!」
セイバーがMS形態に変形し、ビームサーベルで受けたが体制を崩す。
アスラン「ぐぅっ!」
スティング「今だ!やっちまえ!」
川内「合点!」
よろけたセイバーの頭をディバインストライカーで鷲掴みにする。
川内「このまま握りつぶしてやる!」
アスラン「くそっ!しまった!」
シン「このぉぉ!」
川内「うわわっ!」
インパルスの牽制射撃で、セイバーの頭を離してしまう。
アスラン「シン!ありがとう。助かったよ」
シン「どういたしましてっ!」
シンは怒鳴るように返しつつ、川内のダガーを攻撃する。
アスランが体勢を整えると、シンはマゼンタ色のウィンダムへ飛ぶ。
神通「大佐!」
ネオ「残りのウィンダムは…っと!危ないじゃないの!」
ビームサーベルで切りつけたインパルスを寸前でかわす。
シン「こいつ!」
ビームライフルで狙うが、他のウィンダムのように当たらない。
シン「こいつさえ落とせば!」
ネオ「おっと!」
2人はビームサーベルを抜刀し、組み合う。
神通「大佐!援護を…!」
インパルスを後ろからビームライフルショーティーで撃ち抜こうとするが、ディンのショットガンに阻まれる。
神通「きゃっ!?」
最上「これ以上好き勝手させないよ!」
神通「このっ!邪魔をしないで!」
ビームブレイドを抜き放ち、ディンに切り込む。
神通「ディンなどという旧式で!」
重突撃銃をかわしつつディンに迫る。
最上「避けたっ!?あぁっ!」
ディンの右足を失いながらも、ショットガンを放ち、ダガーを牽制する。
神通「くっ…」
最上「こいつ!」
逃げた先にももう一度ショットガンを撃ち込む。
神通「避けきれない…!」
左腕を銃弾が貫き、爆散する。
最上「やった!」
川内「神通!」
神通「まだ…!このディンだけでも! 」
右腕に握りしめたビームブレイドで再度切り込むが、ネオのウィンダムに遮られる。
ネオ「神通!退がれ!川内とスティングも護衛しつつ撤退しろ!」
神通「ですが!」
ネオ「命令だ!」
神通「わ、わかりました…!撤退します…」
川内「了解!」
スティング「チッ、スコア0かよ…了解!」
神通のダガーを庇いつつ、川内のダガーとカオスが撤退する。
ネオ「くっそー、そろそろ潮時かな?」
シン「最上!退がれ!あとは俺が!」
最上「うん!頼んだよ!」
ディンがミネルバへ飛び、シンはマゼンタのウィンダムへ飛ぶ。
シン「お前っ!ちょこまかと!」
ネオ「こいつもなかなかしつこいねぇ…!まぁ、撤退まで付き合ってもらおうかな!」
アスラン「シン!退がれ!乗せられているぞ!」
シン「うるさい!やれる!」
ウィンダムとインパルスが飛び交っている近くの沿岸に、ガイアがいた。
ネオのウィンダムは若干押されているようだ。
ステラ「ネオ!このぉぉぉぉ!」
ステラはネオの助太刀をすべく変形して飛び上がる。
獲物に飛びかかる黒い狼が、インパルスに突っ込んだ。
シン「うわぁぁぁ!ガイア!?」
インパルスとガイアが海岸沿いの森へ落ちる。
ネオ「ステラか!そのまま撤退の時間を稼いでくれ!」
ステラ「うん!」
最上「すみません!被弾しちゃいました!」
タリア「ハッチ開けて、緊急着艦の準備を」
メイリン「インパルスのパワー、危険域です!」
タリア「シンは前に出過ぎよ!ルナとレイは!」
メイリン「二機と交戦中!」
アーサー「魚雷で援護は…」
タリア「ルナとレイに当たるでしょう!」
アーサー「ああっ!」
スローターノワールってどこにショーティーマウントするんだ?サーベルラックはずしてそこにつけたのか?
アウル「ほらほら!当ててみなよ!」
那珂「マーメイドな那珂ちゃんだよ~!」
二機のザクの周りをアビスとフォビドゥンヴォーテクスが舞う。
バズーカの弾は弾速が遅い為にかわされてしまう。
ルナマリア「このっ!避けるな!」
レイ「チッ…残弾はいくつだ!」
ルナマリア「あと1発しか…」
レイ「まずいな…」
ザクは水中用の機体ではない為、水中で有用な装備はあまりない。
ビーム兵器は使えない上に相手はフェイズシフト装甲だ。
ビームトマホークで殴っても効果はあまりないだろう。
ネオ「アウル!那珂!撤退だ!」
アウル「はぁ?なんで!」
ネオ「神通が中破!それに借りてきた連中も全滅だ!」
那珂「神通ちゃんが!?」
フォビドゥンヴォーテクスが全速力でJ.Pジョーンズへ逃げる。
アウル「ええ!?何やってんだよ!ボケ!」
ネオ「言うなよ…そういうお前だって、デカイのは何も落とせてないだろ?」
アウル「ふん!だったら!」
アビスもザクから離れていく。
だが、アビスの向かう先にはニーラゴンゴが居た。
ルナマリア「ちょっと…!まずいんじゃないの!?」
レイ「追え!」
ザクで追いかけるが、アビスに追いつけるはずもない。
アウル「沈め!」
魚雷を発射し、ニーラゴンゴに直撃する。
そのまま進み、通り過ぎざまに連装砲を撃つ。
レイ「クソッ!」
ルナマリア「あぁっ!」
ニーラゴンゴはそのまま真っ二つに割れ、爆沈した。
海面に大きな水柱が立つ。
最上「え…?」
待機室で戦闘の様子を見ていた最上は、その場にへたり込む。
最上「艦長…?みんな…?」
最上「うわぁぁぁ!」
>>349そんな感じです
ガイアが森を駆け回り、インパルスを翻弄する。
インパルスはビームライフルを撃つが、ガイアには擦りもしない。
シン「なんなんだよ!こいつ!」
ネオ「そろそろいいぞ!戻れ!」
ステラ「うん!」
ガイアを応戦していると、突然ガイアがインパルスに背を向け走り去っていく。
すると、どこからか機銃で攻撃された。
シン「なんだ!?」
後ろを振り向くと、リニアガンタンクと機銃の砲台がインパルスを狙っていた。
その先に見えるのは連合軍の基地だ。
インパルスは集中砲火を受けるが、ダメージは受けない。
胸の機銃でリニアガンタンクや砲台を潰していく。
シン「なんでこんなところに…建設中か?」
カメラをズームすると、このあたりの住民であろう男達が見える。
基地内で強制労働させられていたのだろう、インパルスの襲撃の混乱の中、脱走しようとしているようだ。
シン「あれは…!」
逃げ出そうとする人々がバタバタと倒れる。
連合軍の兵士が人々を撃ち殺したのだ。
シン「!」
シンの心に怒りがこみ上げ、基地の方へ進んでいく。
リニアガンタンクを踏み潰し、基地に踏み込む。
格納庫にビームライフルを撃ち、爆発させる。
メイリン「ニーラゴンゴ撃沈!」
シン「ニーラゴンゴが!?くっそぉ!こいつらぁぁぁ!」
アスラン「シン!何をやっている!彼らにもう戦闘能力はない!」
インパルスは次々に基地の施設を破壊していき、連合軍の兵士は逃げ惑う。
あらかた潰した後、住民達と基地を隔てるフェンスに近寄る。
住民達はインパルスを恐れ離れていくが、インパルスは住民達へ攻撃はしない。
シン「こんなもの!」
基地のフェンスを掴み、引っ張り上げる。
インパルスの力でフェンスは簡単に抜け、その下を男達が通り抜けていく。
女性「あなた!よく無事で…!」
男性「助かった…!しかし、あのMSは…?連合軍じゃないのか?」
住民達が再開を喜び、抱きしめ合うのを見て、シンの顔にも笑みが浮かぶ。
ミネルバに帰還したシンを待っていたのは、アスランの拳骨だった。
シン「殴りたいのなら構いやしませんけどね!けど!俺は間違ったことしてませんよ!あそこの人たちだってあれで助かったんだ!」
もう一度シンの顔にアスランの拳骨が入り、シンはひるむ。
アスラン「戦争はヒーローごっこじゃない!自分だけで勝手な判断をするな!力を持つものなら、その力を自覚しろ!」
シン「……!」
アスランはその場を立ち去る。
シンは不貞腐れてインパルスの整備を見ていた。
ヨウラン「なぁ、あの最上って子は?ニーラゴンゴのディンの子」
ヴィーノ「あの子なら、だいぶショック受けてたらしいよ。『すこし一人にさせてくれないか』って言ってたってメイリンが」
ヨウラン「まぁ…仕方ないかもな…自分の艦がやられたんだもん、そりゃあ堪えるよ」
シン「………」
戦争はヒーローごっこじゃない!!(後にヒーローごっこしながら
>>356そういう系のコメントは荒れそうなので出来るだけ控えていただければありがたいです
プラント MS工廠
工廠のライトは消されており、通路以外は真っ暗だ。
デュランダル「こっちだ。来たまえ」
呂500「ギル、新しいMS、ありがとうですって!」
デュランダル「どういたしまして。さて、これが君の新しい機体だ」
デュランダルが合図すると、灰色のMSがライトアップされる。
呂500 「ギル、これは…」
デュランダル「ZGMF-X56S/ε、アビスインパルスだ」
(アビスインパルスには型番の設定が無いそうなので/εは適当です)
呂500 「アビスインパルス…」
デュランダル「カオスインパルスやガイアインパルスもあるのだがね。君の遺伝子適性からすると、アビスが一番良いだよ。
水中では換装システムに不具合が生じるのだが、本末転倒かもしれんが初めからアビスシルエット装備を前提に調整したので、その点は問題は無いそうだ。どうかね?」
呂500 「強そう、ですって!これで頑張りますって!」
oh…議長が田舎者に…
×アビスが一番良いだよ
◯アビスが一番良いのだよ
今日はここまでで。
続きは年明けになりそうです…すみません。
アスラン「続きは年明けになると言っておきながら何だお前は!もう年が明けて一週間以上経ってるじゃないか!」
すいません、少し遅くなりました。
今回も少しだけの更新です。もう少し待ってて貰えるとありがたいです…
デブリ帯
偵察型ジンが狙撃銃のスコープを覗き込む。
その先には、連合軍の戦艦、アガメムノン級が居た。
デブリ帯では、戦艦の残骸に見えるよう巧妙にカムフラージュされているが、そのアガメムノン級に輸送船が向かうのが探知されたのだ。
ザフト兵「 マヌケなナチュラルめ。バレバレだっつーの…」
ザフトオペレーター「監視お疲れ様。交代の時間です。帰還してください」
ザフト兵「了解」
持ち場を離れ、母艦へ向かう。
その道中で、謎の通信が入った。
「…………………」
言葉という事はわかるが、ノイズが酷く何を喋っているかはわからなかった。
ザフト兵「何だこりゃ。ガキの声みてえだが…救難信号か?」
ジンは足を止め、辺りを見回す。
おおよそ通信が出来そうなものは存在しなかった。
不気味に思いながらも、母艦へ向かう。
また通信が入る。女の子の声だ。
「……素敵なパーティーしましょ?」
ザフト兵「あ?」
振り向いた次の瞬間だった。
夕立「だるまさんが転んだは夕立の勝ちっぽい?」
ジンのコックピットが鉄球で叩き潰された。
オーブ軍施設
龍驤「もう日暮れるやん…ほんま災難やわ…」
隼鷹「あのトレーラーも入ってったぞ?」
龍驤「あー…たしかストライクやらアストレイやら来るって言っとったな」
隼鷹「あれだろ?ヤマモト隊だかなんだかの。パイロットは大和かい?」
龍驤「ちゃうちゃう。たしかピッカピカの1年目がパイロットやと」
隼鷹「えぇー?ストライクなんて上物、新米に渡すかね?」
龍驤「そんなもんあれやろ。能力が高いとか…まあどうでもええわ。もう着くで」
門を通り、格納庫へと車を走らせる。
ユウナ『いやあ、先日の結婚式の時は世話になったねぇ』
提督「…いえ」
提督の持つノートPCには、ユウナ・ロマ・セイランの顔がでかでかと映し出されている。
ユウナ『ユニウスセブンの騒ぎの時も、命をかけてくれたと聞いている』
ユウナ『そこでだ。君にいい話をしてあげよう。転属の話だよ』
提督「…それはミナ様を通してからでないと、私は動けません」
ユウナ『ロンド・ミナ・サハクか…』
提督「彼女に話を通してください。それまでは私はヤマモト隊の隊長です。それでは」
ユウナ『…ヤマモト隊は先日解散したそうだが?』
提督「は?」
突然の発言に、ヤマモトは驚きを隠せない。
ユウナ『おいおい、しっかりしてくれよ。君の端末でも調べてみるといい』
言われた通りデータベースにアクセスする。部隊のリストからヤマモト隊の文字は消されていた。
提督「馬鹿な…!」
ユウナ『フリーな君には他の部隊で隊長をやってもらおうかな。たしか今期の候補生の首席と次席が居るらしいから、心配はいらないさ。吹雪ちゃんや大和ちゃんにお別れを言っておきなさい』
提督「…こんな事をミナ様がお許しになるとでも?」
ユウナ『おいおい。僕のバックに誰が居ると思う?』
同盟を結んだ地球連合軍だ。ロンド・ミナ・サハクを抑えることなど簡単だろう。
ユウナ『因みにだけど、僕の手にかかれば戦艦の出航許可を取り消しにすることなんてお茶の子さいさいみたいだね』
提督「!」
ユウナ『いや、そう怖い顔をするなよ。因みにだよ。ち・な・み・に!』
提督「卑怯な…」
ユウナ『ではそういう事で。じゃあね』
通信が切れる。
提督「くそっ!」
今日はこの辺りで終わりです。次はちゃんと更新します。
PSO2のEP4に熱中しすぎてこっちを完全に忘れてた事を懺悔させてください
再開します
イズモ級 ワダツミ 艦橋
大和「本日付で配属になった、大和です」
吹雪「同じく、吹雪です」
鳳翔「艦長の鳳翔です。よろしくお願い致します」
飛鷹「CIC担当の飛鷹よ。よろしく」
ドアが開き二人の女性が入ってくる。
隼鷹「いやぁー、遅れた!」
龍驤「もうちょい申し訳なさそうに入れんのかキミは…」
隼鷹「あっ、あんたが大和っしょ?あたしは隼鷹。んで、こっちが龍驤。よろしくな!」
肩に腕を回され、大和は隼鷹のペースに流される。
大和「え、ええ…」
隼鷹「そっちの新人ちゃんもよろしく!」
吹雪「あっ、よろしくお願い致します…」
吹雪の端末に着信が入る。
榛名『吹雪さん!早く来て!隊長さんの部屋に!』
吹雪「何をそんなに慌てて…ていうか、何で榛名さん?」
榛名『隊長さんが居ないの!』
吹雪「!?や、大和さん!」
大和「何?ああっ!引っ張らないで!」
吹雪が大和の腕を掴み、走っていく。
隼鷹「あーらら。行っちゃった」
飛鷹「隼鷹!あんたねぇ…!遅れてその態度はなんなのよ!」
隼鷹「悪い悪い。でも、不可抗力っしょ?な?艦長?」
鳳翔「ええ。確かに仕方のない事ですが、お酒は禁止ですね」
隼鷹「!?」
龍驤「調子乗るからやで…」
飛鷹「そもそも間に合ってたところでアメノミハシラに着くまで酒なんて一滴も飲ませないわよ?」
鳳翔「操舵手なんですから、自重してくださいね」
隼鷹「殺生なぁー!」
吹雪「榛名さん!」
榛名「吹雪ちゃん!これ…!」
ヤマモトに与えられた部屋に入る。
そこにヤマモトは居らず、机の上にメモが残されていた。
『俺は行かなければならない
詳しいことはミナ様が答えてくれるはずだ』
大和「これは…」
榛名「隊長さんが『少し席を外してくれ』って言うので出て行って、帰ってきたら!」
吹雪「何も黙って出て行くこと…! …大和さん?どうかしました?」
大和「…隊長の件は大体見当ついてますが…あの」
榛名「?」
大和「榛名が何故ここに?」
榛名「あっ、それは…えっとですね…」
~数時間前~
榛名の自室
榛名「次のMS支給は一ヶ月後…それまで指を咥えて待ってろっていうの…?」
「no problem!」
榛名「この声は!」
窓が砕けて金剛が飛び混んでくる。着地を誤り本棚に突っ込む。
金剛「イテテ…金剛デース!」
榛名「お姉さま…何か用ですか?今日は休暇ですけど…」
この程度でいちいちツッコんでいては身がもたないので、榛名は平然としていた。
金剛「榛名は…MSが欲しいデスカ?」
榛名「はい、出来る事ならすぐに…」
金剛「ならば…比叡!」
比叡「ガッテン!」
金剛が指を鳴らすと、比叡が窓の外からダンボールを持って入ってくる。
榛名「ダンボール箱…?」
金剛「フッフッフ…榛名を今から梱包シマース!」
榛名「ええっ!?ストップ!何を…!」
霧島「金剛お姉さま!榛名の異動願受理されました!」
金剛「OK!let's go!アメノミハシラでMSを貰ってくるのデース!」
~現在~
榛名「…という訳で…」
大和「それでこの艦で宇宙に上げるために運び込まれたと…」
吹雪「なんだか…大変ですね」
ギガフロート
ここは大海原に浮かぶ人口島。
連合にも、ザフトにも所属しておらず、オーブに所属している訳でもない民間の施設で、地球上におけるジャンク屋組合の本部の役割を果たしている。
最大の特徴はマスドライバーを持つ事だろう。
青葉「おぉっ…!今回の記事は結構な反響ですよ…」
夕張「着いたんだからパソコン仕舞う!先行ってるよ!」
夕張が先に輸送機を降りると1人の少女が駆け寄ってくる。
樹里「おーい!夕張!」
夕張「樹里!久しぶり!ロウは?」
樹里「ロウなら…ほらっ、あそこ。テスト飛行中」
指をさした先に、海上を飛び回るモビルスーツ。
アストレイレッドフレームだ。
しかし、バックパックには大きな武器が装備されていた。
夕張「あれっ?何あれ!?」
樹里「カレトヴルッフだって… MS用の工具だって言ってるけど…」
夕張「どっからどう見ても武器よね…あっ、戻ってきた」
ちょうどテスト飛行を終え、夕張達が乗ってきた輸送機の隣に着陸
ロウ「うーん…1本だとインパクトに欠けるな…2本増やすか? 」
8《そうなると今度は重量に問題が出るぞ》
ロウ「それはミラージュコロイドでなんとか…お?夕張じゃねえか!」
8《久しぶりだな!》
夕張「また色々弄くり回してるみたいね!」
ロウ「おうよ!後、お前のアストレイも俺が直しといた!」
夕張「えぇ!?変な機械くっつけたりしてないでしょうね!?」
ロウ「樹里が邪魔しなけりゃな!フレームから組み直して恐竜への変形機構を追加しようとしたんだが…」
夕張「要らないわよ!ジャンク屋のモビルスーツよ!?」
樹里「ほんとにロウはメカバカなんだから…」
青葉「褒め言葉になってますよ、それ」
樹里「青葉ちゃん。 …まあ、事実だし…」
その時、サイレンが鳴り響く。
作業中のジャンク屋達はシェルターに逃げていく。
ロウ「! なんだぁ!?」
8《襲撃だ!》
ロウ「んなこたぁわかってる!レッドフレームで向かう!」
夕張「私のアストレイは!?」
樹里「夕張!こっち!」
樹里と夕張がハンガーへ走っていく。
それを尻目に、赤いアストレイが飛び上がる。
ロウ「よっしゃあ!レッドフレーム!行くぜ!」
ジャンク屋A「そこのMS!武器を捨ててパイロットは出てこい!国際法違反だぞ!」
ジャンク屋組合製MS、レイスタ3機で襲撃してきたMSを取り囲む。
しかし、襲撃MSに止まる気配はなく、レイスタ達に襲いかかった。
ジャンク屋B「一機だけか?他にも…うわぁ!」
自衛用に持っていたビームライフルに鞭が絡みつき、直後爆発する。
ジャンク屋A「新兵器だ!注意しろ!」
ジャンク屋C「このっ!バラして売っぱらってやる!」
ジンの重斬刀で斬りかかるが、万力のようなアームでそれを掴み、へし折った。
ジャンク屋C「何!?ぐあぁっ!」
怯んだところに、トゲ鉄球が直撃する。
レイスタの胴体が無残に歪み、機能を停止した。
ジャンク屋A「やりやがったな!」
残った2機で一斉に攻めるが、襲撃MSが片方のレイスタを掴んでもう一方のレイスタに投げつける。
伊58「このグフクラッシャーのパワーに恐れおののくでち!」
その頃、ハンガーで寝かされたシビリアンアストレイを見た2人は唖然としていた。
樹里「えぇぇぇ!?昨日までは何もおかしなところなかったのに!?」
夕張「あの改造大好きメカバカ!…仕方ない、これで出ます!」
ロウ「このぉ!好き勝手やりやがったな!」
ロウはカレトヴルッフを構え、グフクラッシャーに突っ込む。
大振りの攻撃は難なくかわされ、鉄球がアストレイを襲う。
それをガーベラストレートで受け流す。
ロウ「8!カレトヴルッフのリミッター解除だ!」
8《バトルモード!》
リミッターを外し、本来の性能を取り戻したカレトヴルッフはビームライフルになり、
グフを狙う。
伊58「そんな刀はこれで打ち直してあげるでち!」
ビームをかいくぐり、レッドフレームに迫るグフ。
夕張「ロウ・ギュールぅぅぅぅぅぅ!」
伊58「でちぃぃぃぃ!?」
横から別のMSの跳び蹴りを受け、グフが倒れこむ。
夕張「ロウ!この外装はどういう事よ!」
ロウ「良いじゃねえか。イカすだろ?」
夕張のMS、シビリアンアストレイJGカスタムは、ロウの手によってアストレイレッドフレームそっくりに改装されていた。
夕張「良くない!終わったら戻してよ!私のシビリアンアストレイがこんな!」
8《俺は一応止めたぞ!》
夕張「物理的に止めないと止まらない男って知ってるでしょ!?」
8《無茶を言うな!》
ロウ「こんな言い合いしてる暇は無ぇ!早くこいつをなんとかしないと…あれ?」
伊58「きょ、今日のところはひとまず見逃してやるでち!今度は部隊で来るから覚悟しといてね!」
いつの間にか空を飛んでいたグフはどこかへと逃げていった。
遅くなりました、続きです
夕張「なんだったの…?あいつ…」
ロウ「俺が目的だろ。今じゃ全世界でお尋ね者だからな!」
8《威張ることじゃないだろ》
夕張「その割には一機だけだったみたいだけど…」
ロウ「見たところありゃ新型だ。それもザフトのな」
夕張「ふーん…鉄球か…それに電撃…」
ロウ「1つ欲しいな」
夕張「うん、欲しい」
樹里『夕張、ドッグに戻って。アストレイ戻すんでしょ?』
夕張「あ、うん!戻るわ。ロウも手伝いなさいよ!」
ロウ「えぇ?戻しちまうのか?」
夕張「当たり前でしょ!?明後日にはここのマスドライバーで上るんだから!一刻も早く戻すの!ロウも手伝う!」
ロウ「えぇ~?そりゃないぜ…」
ザフト軍 マハムール基地
ペルシャ湾に面する基地だ。インド洋での死闘を切り抜けここまで辿りついたミネルバ。
オペレーター「ナブコムオンライン。コンタクト。メリットファイブ。LHM-BB01ミネルバ、アプローチそのまま」
マリク「コントロール、BB01了解」
ミネルバが港に着けられると、タリアとアーサー、そしてフェイスのアスランが下船する。
シン「……」
艦に残ったシンは不満げに外を眺めている。
ルナマリア「睨んでばっかいないで、言いたいことがあるなら言えば?ガキっぽすぎるよそんなの」
シン「そうじゃなくてさ、最上だよ」
ルナマリア「最上ちゃん?」
シン「お前あれから会ったか?晩飯の時も居なかっただろ」
ルナマリア「気を使ったんでしょ。それに食事ならメイリンが部屋に持って行ったって」
シン「…そっか」
親しい人たちをいっぺんに失う悲しみは自分だって知っている。
だが、昔、オーブの士官にかけられた言葉をかけるには、自分は幼すぎた。
「君だけでも助かって良かった…きっとご家族はそう思っていらっしゃるよ」
マハムール基地 司令室
タリア「ミネルバ艦長、タリア・グラディスです」
アーサー「副長のアーサー・トラインであります」
アスラン「特務隊の…アスラン・ザラです」
まるゆ「アスラン…!?クルーゼ隊の!?」
兵士というにはあまりに幼い少女が問う。
アスラン「…はい」
アレか。シンに散々言われたが、まだ慣れていない。
まるゆ「あのジャスティスに乗って、ヤキンを駆け抜けた伝説の人が目の前に!まるゆ感激です!」
アスラン「え?…あ、ああ。ありがとう…?」
少女は目を輝かせている。とっさに言ってしまったがありがとうと答えて良かったのだろうか。だって自分は脱走兵だ。
脱走についての追求でもするのかと覚悟していたアスランは思いっきり不意をつかれた。
しかし、イージスに乗っていた頃の戦果に憧れるならともかく、ジャスティスなら完全にアウトだ。
まるゆ以外の全員はとんでもない失言を聞いて目を丸くし、まるゆも5秒ほど遅れて気付いて顔面蒼白。
特にまるゆの隣に立っている女性は握り拳に力が入りすぎだ。ギチギチという音がここまで聞こえてきそうだ。
司令官「…まるゆ君、コーヒーを頼むよ」
まるゆ「わ、わかりました!失礼しますっ!」
司令官が気を効かせてまるゆを退室させる。
ラドル「…失礼した。マハムール基地司令官のヨアヒム・ラドルです。遠路お疲れ様です」
タリア「いいえ」
まるゆがコーヒーを淹れて持ってきて一服する。
ラドル「…ふぅ。良いコーヒーでしょう?豆だけは上等なものが手に入るのですよ」
タリア「ええ。とても美味しいですわ。ところで、作戦の件ですが…」
ラドル「ああ。それは彼女に説明させます。あきつ丸君、頼む」
あきつ丸「はっ。説明させて頂きます。現状、スエズの地球軍基地とは小競り合いはあれど…」
机の上にホログラムで近辺の地形が映し出される。
このあたりは山岳地帯で、レセップス級を始めとした陸上戦艦は行動範囲が限られていた。
あきつ丸「…とまあ、このような状況であります。本来ならば衛星軌道から降下作戦が最適なのでありますが…議会で承認されないのであります」
タリア「ザフトには領土的野心は無い。だからその作戦は許可できないという事ですわね」
あきつ丸「残る手は基地の戦力、そしてそちらのミネルバの戦力を合わせたもので地上を進軍するといったものでありますが…ここにある砲台がそれすら困難にしているのであります」
アーサー「ガルナハン・ローエングリンゲート…」
あきつ丸「山の中を掘るような形で建てられたであろうこのガルナハン基地最大の特徴はこの陽電子砲台、ローエングリンでしょうな。これには我々も少なくない犠牲を払っているであります」
あきつ丸「山の上から攻めればMS隊に阻まれ、馬鹿正直に谷を進めば砲台の餌食。かといって長距離狙撃をしようにも近づくまで砲台は山の中で近づけば陽電子リフレクター装備のMAが盾になり…」
あきつ丸「……情けない話ではありますがほぼお手上げ、手は出せない状態であります」
ラドル「だが、ミネルバの戦力が加わればあるいは…」
タリア「なるほどね。そこを突破しなければ簡単にはジブラルタルへ行けはしないと。そういう事ね?」
ラドル「え?あぁ…まあ、そういう事です」
タリア「私たちにそんな道作りをさせようだなんて、どこのタヌキが考えた作戦かしらね。ま、良いわ。こっちもそれが仕事といえば仕事なんだし」
今日はこの辺りで…
ほぼ月1更新になってますが、気長に待っていただけるとありがたいです…
>>1です。続きは今日の昼から夕方頃に投下します
タリア、アーサーはミネルバに戻り、アスランはまるゆに案内されMS格納庫へと向かった。
まるゆ「あの、格納庫まで行くよりも、パイロットのみんなを呼び出せばいいと思いますけど…」
アスラン「いや、こっちから会いに行くさ。訓練終わりで皆格納庫なんだろう?」
まるゆはどこか不満げだ。憧れのパイロットはもっと堂々として尊大な態度の人間だと思っていたのだろうか。
アスラン「…あいにく、俺は人を顎では使えないんだ。失望したか?」
まるゆ「…いえ!そういことではない……です」
木曾「ん?なんだアンタ」
まるゆ「木曾さんっ!」
木曾「まるゆか。で、誰?」
アスラン「俺は、ミネルバ所属のアスラン・ザラだ。君はこの基地のパイロットかな?」
木曾「ああ、そうだけど…」
木曾の眼にフェイスのピンバッジが止まる。
木曾「え、アンタフェイスなのか!?」
アスラン「そうだが……」
木曾「アスラン・ザラってのもなんか聞いた事あるような気がするんだよなぁ…」
まるゆ「いつも話してるじゃないですか!!ジャス…イージスのパイロット!!」
木曾「あーあー!思い出した思い出した!ストライク撃墜の!」
痛いところをつくものだ。
木曾「まあ、立ち話もなんだ、姉さんのとこへ行こうぜ」
アスラン「姉さん?」
木曾「ああ。姉が4人いるんだ。そのうち下の2人は宇宙だけど」
アスラン「五人姉妹か…」
木曾「珍しいだろ?」
アスラン「ああ、聞いた事がない」
コーディネイター同士では、子供が生まれにくい。
遺伝子上相性が悪ければ結婚が許されないという法までできるほどに、プラントは切羽詰まっている。
その現状で、五人姉妹か。
その後、基地の戦力の説明を受けながら歩くと、すぐに格納庫についた。
まるゆは整備士に呼び止められ、2人で待機室へ向かう。
木曾「こん中に姉さん達が居るはずだ。ちょっと変わってる」
ドアを開けて入る。
球磨「クマ?木曾、その人誰クマ?」
多摩「お客さんだにゃ…」
アスラン「クマ…?」
木曾「変わってるだろ?」
オーブ カグヤ島
ミネルバがマハムール基地に着く少し前、太陽が昇り始めた午前6時。
朝焼けに照らされた戦艦が、プラズマブースターを装備して格納庫を出る。
隼鷹「ふああ……システムチェック…オールグリーン」
龍驤「操舵中に寝たら銃殺やぞ……こっちでもオールグリーンや」
大淀「MS管制システムオールグリーン。周辺に航行中の船舶無し」
飛鷹「各武装オンライン。いつでもいけます、艦長」
鳳翔「よし、ローエングリン起動」
艦の左右に装備した破城砲が展開される。
飛鷹「チャージ開始。完了まで10秒…9…8…」
吹雪(隊長、トダカ一佐。行ってきます)
飛鷹「3…2…1…チャージ完了!」
鳳翔「ワダツミ出港!ローエングリン発射!」
空に向けてローエングリンが放たれる。
直後、プラズマブースターからプラズマの道が生み出され、そこをワダツミが進んでいく。
これから宇宙へ向かうのだ。吹雪にはその実感が今更になって湧いてきた。
少し経つと、すでに宇宙だった。
大淀「…!MS反応!数12!機種特定!プロトジン10、シグー2!」
隼鷹「んだよガキ共か…」
今の時代プロトジンといえばザフトの教習機だ。
普通接触はありえないが、仮に接触したとしても教習機側から交戦を仕掛けることはない。
逆の場合はまた違うが。
龍驤「おかしい…なんで教習部隊がこんなところおるんや?」
ここから少し離れた宙域はデブリやアステロイドが多い。
危険だが、訓練にはもってこいとも言える。
だがそのデブリ群を抜けてここまで出てくるMSなんて、教習中にはぐれてしまった者ぐらいだろう。
部隊ごと出てくる事はない。
大淀「後続のMS有り!レイダー!?ジン一機やられました!」
その意味する事は1つ。
龍驤「追われとるんか!」
鳳翔「第1種戦闘配備、MSを出撃させて!ザフト機にコンタクトを」
大淀『MBF-02-2、ストライク。カタパルト接続。ストライカーパックはエールを選択』
大淀『吹雪ちゃん、ザフトの教習部隊が連合の所属と思われるMSに追撃を受けているわ。我々には関係ありませんが、救援要請があればすぐに行けるように』
吹雪「了解」
ワダツミのカタパルトからストライクが飛び出す。
後に続いてM1アストレイが発進し、その手には狙撃用のビームライフルが握られている。
鳳翔「あくまで我々は傍観します。救援要請があれば戦闘は始めます」
鹿島「なんなのこいつ!深追いが過ぎる!」
香取「固まってはダメです!纏めてやられ…」
その通信は遅すぎた。ツォーンでジンが3機纏めて撃墜される。
鹿島「デブリ帯にこんなのが居るなんて報告、無かったはずなのに!」
香取「あそこのオーブ艦に協力は仰げませんでしょうか…」
鹿島「そんなこと…」
鹿島の言葉が通信に遮られる。
鹿島「ええ!?『救援できるがどうするか』…!?」
香取「ええ、援護を頼みましょう!全滅するよりマシです!」
地獄に仏、香取達はワダツミにすがることにした。
大淀「返信、『救援を要請する』!」
大淀「大和機はこのままワダツミから狙撃を。吹雪機は接近して交戦!」
吹雪・大和「了解!」
大和のビームライフルがレイダーを掠める。
攻撃に気づいたレイダーがワダツミに迫る。
大和「来た!吹雪ちゃん!」
吹雪「はい!」
スラスターをふかし、ワダツミから離れていく。
吹雪「教習の訓練生を狙うなんて!」
ビームライフルを連射してレイダーを攻めるが、全てかわされてしまう。
吹雪「なにあの反応…!うわっ!」
破砕球ミョルニルがシールドに叩きつけられ、ストライクが揺さぶられる。
吹雪「直撃なら死ぬ…!」
ビームサーベルを抜きレイダーに突っ込むが受け流され、まともに攻撃を当てることができない。
吹雪「遊ばれてる!?」
訓練兵「あれは…ストライク…?」
訓練兵「た、助かった…!」
香取「見てないで逃げなさい!」
プロトジン達が全速力で逃げていく。
だが、レイダーはそれに気づかず吹雪の周りを飛び回る。
吹雪「調子に乗って!」
イーゲルシュテルンでの牽制もPS装甲を過信しているのか全く通用しない。
吹雪「避けない!?」
鳳翔「…! 対空榴散弾頭装填!」
大和「当たれえっ!」
大和の狙撃もまるで後ろに目がついているのかの如くかわされてしまう。
鳳翔「引きつけてる間に彼らは離れたようですね…」
飛鷹「装填完了!」
鳳翔「よし、てぇー!」
ワダツミから放たれたミサイルが吹雪のストライクを追い越す。
吹雪「これは…そういう事ね!」
直後弾頭が割れ、散弾となりレイダーに直撃する。
もちろんPS装甲にダメージは無い。
だが、PS装甲にだって弱点はある。
吹雪「 バッテリーがすっからかんになるまで削ってやる!!」
吹雪「大淀さん!バズーカ射出を!」
大淀『了解!』
明石「発射!」
カタパルトからバズーカのみが飛び出し、ストライクに渡る。
吹雪「いっけえええ!!」
バズーカを撃ちまくり、擬似的に弾幕を作る。
大和が撃ったのを避けたところへ撃ち、レイダーに当たる。
爆煙からMA形態のレイダーが飛び出し、ワダツミから離れていく。
どうやら逃げ帰らねばならぬ程度には削れたようだ。
鳳翔「逃げるなら追いません。MS部隊帰投せよ」
吹雪達はワダツミに戻り、進路をアメノミハシラへとる。
球磨「へー、フェイスかクマ…」
アスラン「失礼だが…そのクマっていうのは?」
球磨「口癖クマ」
アスラン「多摩も口癖なのか?」
多摩「そうにゃ」
そういえば、オーブにいた頃、TVで見た有名なネコの名前がタマだった。
アスラン「そういう事か…じゃあ球磨は…」
球磨「クマー」
アスラン「クマって鳴く動物なんかいたか…?」
木曾「直せって言ってんだけどな、直すつもりないってさ」
今回はここまで
このSSまとめへのコメント
SEED系列ってサーベルの斬り結びできない設定だよね
…忘れられやすいけどさ