部室
絵里「ラブライブのカードゲームを考えたわ!」
真姫「か、カードゲーム?どういうこと?」
絵里「アイドルのブロマイドをただ集めるだけじゃなくて、それで遊べたら面白いでしょ?」
真姫「アイドルの写真は大事にとっておく物だから、それで遊ぶのは流行らないんじゃない?」
絵里「…………」
真姫「じゃあ、帰るわよ?」
絵里「…………ルールだけでも聞いていかない?」
真姫「……」
絵里「……にこと希には逃げられるし……、そんなに駄目なのかしら……」シュン
真姫「……分かったわよ!聞いてあげるから!」
絵里「ありがと」
真姫「簡潔にね」ハァ
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絵里「では!さっそくルール説明から始めるわよ!!」
真姫「"から"って……。ルールを聞くだけじゃ済まないの?」
絵里「せっかくテンション上げなおしたんだから、ツッコミをいれないで欲しいわ」
真姫「……じゃあ、一切ツッコまないわよ」
絵里「説明するわよ!
まず、このゲームはカードに描かれたアイドルどうしを戦わせて遊ぶの。
アイドルの種類はいっぱいあって、それぞれ多様な個性を持っているわ。
第一に、アイドルには属性があって……スマイル、クール、ピュア、キュート、パッション、火、水、土、風、氷、雷、光、闇……」
真姫「……………………」
絵里「炎、岩、桜、日本、神、仏、亡者、宇宙、奴隷、怒り、双子、血液、骨、泥、記憶、植物、アイドル、に分かれているの」
真姫「………………………………うん」
絵里「それから、攻撃力と守備力も設定されているの。高い方が強いわ。
アイドルカード以外の種類が、テンションカードとシュトゥーレンとドゥシアー。
テンションカードは、アイドルに様々な能力を付与するカードで、シュトゥーレンは相手の行動を阻害するカードね。
ドゥシアーは……これは後で詳しく説明するわ。セメタリーに行かない特殊なカードよ」
真姫(セメタリー……、「共同墓地」?カードを捨てる場所かしら)
絵里「次に、ゲームの流れを言うわよ。
ゲーム開始前に、お互いにカードを5枚引いて始めるの。
自分のターンになったらステージを順番に進めて、一通り終わったら相手にターンを回していくの」
真姫「ステージ……っていうのは?」
絵里「ステージは……、各段階っていうか……、ターンを区切った物よ」
真姫「……そういう言葉って全部覚えなきゃダメ?」
絵里「ダメよ。置いて行かれちゃうわ」
真姫(希とにこちゃんが逃げるのも納得ね……)
絵里「自分のターンが来たら、最初のステージである"ファーストステージ"が始まるわ。
このステージでは、ドローとドゥシアーのアチーストゥカをするの」
真姫「ドシャーの……何?」
絵里「"ドゥシアーのアチーストゥカ"よ。
リハーサルラインに予め置いてあるドゥシアーを場に出す事を言うの。
この時、手札にあるアイドルカードを一緒に場に出すわ。
このドゥシアーがそのアイドルのリュボーフィになるから気を付けてね」
真姫「気を付ける?」
絵里「ええ。アイドルとドゥシアーには相性が合って、反発することさえあるの。
例えば、宇宙属性のアイドルと大地のエレメンタルセクションを持つドゥシアーをフラストナイズ……、
ああそうそう、アイドルにドゥシアーを関連付けすることをフラストナイズと言うんだけどね?
この組み合わせでフラストナイズをすると、ネガキャンが起こってゲームに負けてしまうわ」
真姫「…………ネガキャン……」
絵里「ネガティブキャンペーンよ」
真姫「………………なるほど…………」
真姫「ええっと……、アイドルとドゥシアーを場に出すのがアチーストゥカで、
それを括り付けるのがフラストナイズ?」
絵里「そ、そうよ!その通り!」
真姫「最初の手札にアイドルが無かったらどうするの?」
絵里「手札を相手に開示して手札を山札に戻す事で、最初の枚数より一枚少ない枚数を引き直せるわ。
でも、アイドル無しでも戦えるの。場にアイドルを出さない戦術だってあるんだから!」
真姫「……まあよく分からないし、ネガキャンにだけ気を付ければいいわね」
絵里「ええ、そうよ!」
真姫「……何か凄く楽しそうね……」
絵里「だって真姫が、私が考えた言葉を話してるから、なんだか嬉しくって……」フフッ
真姫「…………///」プイ
絵里「あっちょっと、帰ろうとしないで?」
真姫「……聞いたらすぐ帰るからね?」
絵里「……じゃあ、次のステージ、セントラルステージについて教えるわよ」
真姫「手短にね」
絵里「このステージでアイドルどうしを戦わせる、”ライブ”を行うの。
基本的に、ライブの勝敗はこっち側の攻撃力と相手側の守備力を参照して決まるわ。
高い方がライブの勝者で、負けたアイドルは数値の差分のディスエナジーが溜まってしまうの」
真姫「それが溜まるとどうなるの?」
絵里「400DE毎に200DEが追加されてしまうわ」
真姫「…………で、それがさらに溜まるとどうなるの?」
絵里「10000DEが溜まると、メンタルオーバードライブが起こって、ディスエナジーが30000点も上乗せされてしまうわ!!」ヒャー
真姫「………………そう…………」
絵里「気を付けてね」
真姫「ウン」
絵里「ライブが終わったら、フィニッシュステージに入って、そのターンは終わりよ」
真姫「……そのステージでは何もしないの?」
絵里「ええ。終えるだけよ」
真姫「それ要るの?」
絵里「フィニッシュステージに効果を発動するカードもあるし、効果を記述するのに何かと便利なの」
真姫「ふ~ん……」
絵里「ハイ!これで大体のルール説明は終わりよ。
どう?面白そうでしょ?」
真姫「……まあ、素人が考えたにしては……ってトコロかしら」
絵里「実際にやってみる?」
真姫「…………」
絵里「やらないの…………?」
真姫「分かったわよ!やるから泣かないで」
絵里「別に泣かないわよ……、たぶん」
絵里「はい、これが使うカードよ」
真姫「大きさとか裏面とか、バラバラなんだけど……」
絵里「スリーブという入れ物に入れるから大丈夫よ」
真姫「ふ~ん、……って、ごく普通のブロマイドじゃない」
絵里「そうだけど?」
真姫「いや……、属性とか効果があるんでしょ?」
絵里「大丈夫よ。予めカード毎にステータスを決めてあるから」
真姫「…………私はどのカードにどんなステータスがあるのか知らないんだけど」
絵里「それも大丈夫。……ほら、パソコンにメモしてあるから、カード名で探せばステータスも分かるわ」
真姫「じゃあ私は、カード毎にいちいちステータスを調べなきゃいけないの……??」
絵里「覚えてもいいんじゃない?」
真姫「そんな本気でやるつもりないわよ……」
絵里「さて!準備は出来たし、始めるわよ!」
真姫「……どうでもいいんだけど、名前は無いの?」
絵里「名前?このゲームの?」
真姫「そう。
ここまでルールを考えたなら、名前だって考えたんでしょ?」
絵里「あー、考えて無かったわね……。
じゃあ、記念に真姫が付けていいわよ。名付け親にしてあげる」
真姫「全く嬉しくないんだけど……」
絵里「真姫のセンスに期待してるわ!」
真姫(どうしよう……、出来ればカッコいいのがいいわよね……。
さっきの"ドゥシアー"は、多分ロシア語よね。それに合わせて……。
……いや、駄目ね。よく考えたらステージやらセメタリーやらは英語だし、
"シュトゥーレン"はドイツ語っぽいし……、バラバラじゃない!)
絵里「……♪」ワクワク
真姫「え~っと………………」
絵里「何かしら!」ドキドキ
真姫「……………………………………あ、アイドル・マスターズ……とか?」
絵里「それいいわね!決まり!」
真姫(……………………………………………)
絵里「略してアイマスね」
真姫「ややこしいからこれはナシで」
絵里「さあ、ゲームスタート!」
真姫「一回だけよ?」
絵里「まずはデッキをシャッフルして」シャッシャッ
真姫「……それで、5枚引くのよね?」
絵里「ええ。じゃあ、私から行くわよ。ファーストステージ!」
真姫「……///」
絵里「ドロー!」
真姫「ちょ、ちょっと!その、叫ぶヤツは私もやるの!?///」
絵里「ステージの宣言をしない場合はスキップされるわ」
真姫「今決めたでしょ……」
絵里「意外と楽しいわよ?」
真姫「私はやらないからね……!」
絵里「行くわよ!『ラピスラズリのドゥシアー』をアチーストゥカ!
『矢沢にこ(月刊リフレイン8月号付属ブロマイド/str-150714)』でフラストナイズするわ!」
真姫「……それにはどんな効果があるの?」
絵里「ステータスはパソコンのメモ帳に書いてあるわよ」
真姫「本当に面倒ね……、え~っと……」
絵里「私はステージを進めるわ。テンションカード『ラブノベルス』を発動!」
真姫「ちょっと待って」
絵里「何?今からとっておきのコンボを見せてあげるのに」
真姫「そのにこちゃんの属性は何?」
絵里「『宇宙』よ」
真姫「『ラピスラズリのドゥシアー』のエレメンタルセクションは?」
絵里「……『大地』ね」
真姫「…………はい、ネガキャン」
絵里「………………………………しまった!!」
真姫「………私の勝ちね」
絵里「……………………………………」
真姫「………………………………じゃあ、帰るから……」
絵里「あと一回だけ!」
真姫「……………………仕方ないわねー」ハァ
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絵里「こっちの『穂乃果』でそっちの『穂乃果』を攻撃!!」
希「ああっ!!これで真姫ちゃんの負けや!」ウワー
真姫「インターセプト!!シュトゥーレン発動、『青春の始まり』!」
希「おおっと!ここでインターセプト!上手い!」
絵里「くっ……、このフィニッシュステージで、『もぎゅっと“love”で接近中!』の効果は消えるわ。そして、真姫のターンよ」
希「でも、真姫ちゃんの手札はゼロ!場の『穂乃果』ちゃんのDEは40000!絶体絶命やん!」
真姫「ファーストステージ!ドロー!!!!」
絵里「……ッッ!」
希「ごくり……」
真姫「来た!私は場の『穂乃果』をセメタリーに送って、手札の『高坂穂乃果(1stライブ限定ブロマイド)』をブロードイン!」
絵里「どうして!?そのブロマイドは私が持ってないヤツよ!」
希「信じる力がカードを創り出したんや……」
真姫「効果発動!『プレイヤーはこのゲームに勝つ』!」
絵里「うぅ……!わ、私の負けよ……」
真姫「勝った…………!!」
希「真姫ちゃんおめでとう!」
真姫「口ほどにも無いわね!」フフン
にこ「ヴァイスシュヴァルツやれば?」
*おわり*
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