フローレン「早く部屋から出てきなさいよ」
ムーミン「やだよ」
フローレン「おじさんもおばさんも心配しているのよ?」
ムーミン「心配なんかしてるもんか」
ミー「はー、アンタも強情ねぇ。ほらフローレン、もうこんな奴ほっといちゃいましょ」
フローレン「でも…」
スナフキン「まだムーミンは部屋に引きこもっているのかい?」
フローレン「ああ、スナフキン。そうなのよ」
ミー「まぁったく困っちゃうわよねえ」
ムーミン「…君たちはまだいいよ」
フローレン「ムーミン……」
スナフキン「……」
ムーミン「分かるかい?このボクの気持ちが…」
ムーミン「ママとパパがダブルスパイだと知ったときの気持ちが!」
フローレン「まあそりゃ驚いたけど…」
ミー「あんな優しそうなママがねぇ」
スナフキン「……」
ミー「というかエプロン着用なのかしらね?」
フローレン「それは目立つから流石に脱ぐでしょうよ…」
ムーミン「たまに二人で町へ出掛けるのはなんかおかしいとは思っていたんだ」
フローレン「あたしはてっきりデートだと思っていたわ」
ミー「ふん、ウブねアンタ」
ムーミン「あと、こんな大きい家を建ててたり」
ムーミン「冬眠したりしても収入が無いとかで生活に困ったことはないし」
ムーミン「なんかおかしいとは思っていたんだ」
ミー「あと変な機械作ったりね」
ムーミン「スパイなんてハイリスクハイリターンだもの」
ムーミン「たまに働けばたんまりお金が貰えるから贅沢しなければ普通に生活できる」
スナフキン「……」
フローレン「はぁ…今日はダメね、これは」
ミー「無理よ無理、なにいったって聞きやしないわ」
フローレン「うっかりムーミンパパが洩らすから…」
ミー「スパイ失格ね。気ィ抜いてたんでしょうけど」
スナフキン「…ムーミン」
ムーミン「何?スナフキン」
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