たったらかく
太平洋
熱低「ほいよっと……」
熱低「今年も台風になったと思ったらまだ弱いじゃねえか」
熱低「よし待ってろ!今すぐ勢力拡大して台風になってやるぜ!」ビュゥゥゥ
熱低「目指すはジパング!いやっほう!」
『ウォッチニュース10です。まずは気象情報から。太平洋に新たな台風が--』
台風「よし、これだけ勢力があれば十分だろう!」
台風「今年も朝からジパングに激突して、小中学校を臨時休校にさせる!」
台風「待ってろ全国のガキ共!今助けてやるからな!」
旋風「流石台風さん。俺達にできないことを平然と言ってのける」ビュゥゥゥ
竜巻「そこに痺れる憧れるゥ!」ゴォォ
鎌鼬「一生ついていきます!」シュバァッ
『台風--号はゆっくりとした速度で日本列島へと直進--』
台風「俺の予想だと、このまま行けば明後日の夕方5時には上陸できるな」
鎌鼬「え?その時間授業終わってますぜ?」
台風「バーロ、あくまで何もなければの話だ」
竜巻「台風さんに障害でもあるんすか?」
台風「ま、お前らは知らなくても無理はないよな」
旋風「どういう……ことですか……!?」
『小笠原諸島に台風が接近。暴風と高波に警戒を--』
台風「そろそろだ」
旋風「ざわ……ざわ……」
鎌鼬「この空気……何か来る!」
竜巻「一体何が始まるんです?」
台風「太平洋大戦だ……」
台風「よう、『高気圧』。また会ったな」
高気圧「この先へは、行かせん……」
高気圧「台風よ。誠にこの先へ行くつもりか」
台風「当たり前だろ?ガキ共が祈ってんだよ」
台風「『早く台風来て学校中止になれ』ってな」
高気圧「愚かな……」
台風「んだと?」ピキッ
高気圧「貴様は留まることを知らず、先へ進む台風」
高気圧「日本を過ぎ去ってしまえば、貴様の言う子供は再び願う」
高気圧「ゆえに、貴様の行為は意味を成さない」
台風「わかってなあ、高気圧」
高気圧「何?」
台風「人間ってのは休みが続くとダメになんのさ。俺はあくまで一日だけ休校にさせるのが目的」
高気圧「何を言い出すかと思えば……やはり頭も渦を巻いているようだ」
台風「うるせえ!」
高気圧「貴様が洪の一日だけでも日本にいるのならば、日本は被害を被る」
高気圧「子供だけの為に貴様を通すという訳にはいかぬ。学生の勉学を阻害することは、それこそ子供の為にならない」
台風「ぐっ……お前にはガキ共の苦しみがわからないのかよ!」
高気圧「感情的になることは、人助けにとってはいい事だ。感動的だな」
高気圧「だが無意味だ。考えよ、日本に台風が直撃し、喜ぶ輩はそれ以外と比べてどれ程の数か?」
台風「ぐぎぎ……やはり話し合いじゃ解決しねえみたいだな」
高気圧「そのようだ。こうなっては力ずくで貴様を止める他あるまい」
竜巻(あ、あれが台風さんの障害、『高気圧』……)
鎌鼬(なんて威圧……声を出すことすら儘ならない)
旋風(威圧ならぬ気圧じゃね?)
鎌鼬(こいつ……直接脳内に!?)
鎌鼬(いや、脳無い!)
旋風(さむっ……)
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