ピリ子「離れの保健室に行こう」【チェンクロ学園】(25)


 放課後

 高等部校舎
 エントランス


ピリ子「ごめん、ツカム!待たせちゃって!」

ピリ子「もー、なんで魔法使い課だけ最後の授業休講にならないんだろーね」

ピリ子「やっぱりオイラも戦士課に行けば良かったのかなー」

ピリ子「あ!笑うなって!そりゃあ剣なんて持つだけで大変だけど!そこはオイラ専用の剣を職人コースの人に頼んでさ!」

ピリ子「……わかったよ、わかってるって。オイラは後方支援。もー、本気で止めないでよ。言ってみただけなのに」

ピリ子「にしても……くんくん、」

ピリ子「くんくんくんくん、……ツカム、その紙袋から凄く良い匂いがするんだけど……まさか!」

ピリ子「やった、あれを貰えたんだね!通りで髪が焦げてると」

ピリ子「え?強かに脇腹うったって?――うししっ、どんまい!」

ピリ子「じゃあ、行こうか。離れの保健室へ」

ピリ子「約束、だもんね」


 離れの保険室


ピリ子「こんにちはー!お邪魔しまーす!」

トア「いらっしゃい。また来てくれたのね」

ピリ子「お土産あるよ!ツカムの戦利品だけどね!」

トア「ああ、本当。良い匂いがする」

ピリ子「ねぇ、ザラは――」


ザラ「いるわよ。広くない部屋なんだから来た事ぐらいわかる」


トア「ふふっ、私、お茶いれてきますね」


ピリ子「来たよザラ。相変わらず専用ベッドは豪華だね」

ザラ「当たり前でしょ。私の学園生活なんてほとんど学園の隅のここで済まさなきゃいけないんだから」

ザラ「せめて居場所ぐらい自分好みにさせてもらうわよ」

ピリ子「最初は一つだけ天蓋付きのベッドだ!って驚いたけどねー」

ザラ「まぁ、私だって初等部や中等部校舎の保健室にこれは置かせないわよ。離れのここだから好き勝手に出来る」


ザラ「学園側も黙認してくれるし、同情に近いものでもあるのかしら」

ザラ「なんせ、この保健室の利用者はよく死にかける生徒だもの。私だって明日には死んでるかもしれないし」

ツカム「そんなこと言うな。俺は明日からもずっと、ザラに生きていてほしい」

ピリ子「そうだよ、オイラたちザラが死んだら嫌だよ。悲しいもん」

ザラ「……はいはい、頑張って生きてみるわよ。……ふん、ただの冗談なのに」

トア「聞き流せない冗談だったもの」

ザラ「……なに?トア、お茶いれてくれたわけ?」

トア「はい、これはザラ物よ。ちゃんとお気に入りの銘柄だから」

ザラ「ありがと」

トア「ツカムさんもどうぞ。ピリ子も、はい。どうぞ」

ピリ子「わぁ!オイラのサイズにぴったりのカップ!ねぇ、これどうしたの!?」

ザラ「…………」

トア「ザラがピリ子用にと、持ってきたの」

ピリ子「ありがとう!ザラ!」

ザラ「別に。あんたのそのサイズに合いそうなカップが私のコレクションにあったから持ってきただけよ。礼を言われるほどじゃないわ」


ピリ子「うししっ、照れないでよ。感謝してるんだからさ!」

ザラ「うるさい。……ほら、ツカム。早く出すもん出しなさい。ここに手ぶらで来た訳じゃないでしょ?」

ピリ子「もちろんだよ!これがツカムの戦果!」

ピリ子「じゃじゃーん!限定販売!ドルチェのフルーツタルトだよ!」

ピリ子「予約しても一年以上待つのは当たり前!タルトのために抗争すら起きる!争奪戦は毎回壮絶!」

ザラ「そう」

ピリ子「ふふー、それだけじゃない。安心信頼本人は変人!イザヤの付与魔法を受けたタルト専用箱は!」

ピリ子「開けるまで何時でもどこでも食べ頃の温度を維持!」

ピリ子「ほら、見てよ!ひんやり食べ頃!」

ザラ「……ふん、いいじゃないの」

ピリ子「必ずゲットしてくるから、一緒に食べようって約束したじゃん。頑張ったのはツカムだけどね!」

ザラ「まさか本気だとは思わなかった。……うるさいわね、笑ってんじゃないわよ」

ピリ子「ししっ、ツカム、何も言ってないのに」

ピリ子「ほら、トアの。こっちはツカム、こっちのはオイラのー!」


トア「ありがとう。五個あるのは、もう一人の常連さんのために?」

ピリ子「うん。いないところを見ると今日は元気なんだね」

ザラ「……どうだか」

ピリ子「じゃあ、いただきまー」

ザラ「待ちなさい。ツカム、あんたその手の黒炭は何」

ピリ子「なにそれツカム!え!?マフィン!?それマフィンなの!?」

ザラ「若干引くぐらい無臭なんだけど、それ、食べるつもり?」

ピリ子「ああ、フィーナが作った奴なんだね」

トア「あ、食べた……お味は?」

トア「……無味…………?」

ピリ子「……無味無臭なら当たりなのかな、まだ」

ザラ「いつもどんな物作ってるのよ、あの子は」

ピリ子「知らない方がいいよ」

トア「……ほら、フィーナさんは高等部だけれど、中等部でも焦がしてしまう子はいるし……ね、ザラ」


ザラ「私はここまでやらないわよ。…………ん、これ、本当に美味しいわね」

ピリ子「美味しー!さすがドルチェ!」

トア「本当、美味しい……」

ピリ子「ツカムも食べなよ。フィーナには悪いけど口直しにさ」

ピリ子「………………え?うそお」

ピリ子「嘘だと言ってよツカム」

ザラ「タルトまで無味だと言うわけ?舌が死んでるんじゃないの?」

ピリ子「言われてみれば舌が痺れてるような、だって?」

トア「――安らかで暖かな光を」

トア「どう?」

トア「そう、駄目……」

ピリ子「コスト20完凸僧侶のスキルがきかないだと……!?」

ザラ「なんの話よ」

ピリ子「気にしないでよ」

ピリ子「まぁ、んー、本人はしばらくしたら治る気がするって言ってるし……」


ピリ子「ツカムは後で食べなよ。一口かじっちゃってるけど、無味で済ますには勿体無さすぎる味だよ」

ピリ子「そもそもタルトを手に入れるために、ドルチェのお手伝い頑張ったんじゃんか」

ザラ「そうしなさいよ。こんなに美味しいものを美味しいと感じられないなんてバカよ」

トア「もう一度癒しをかけてみる?」





トア「……ああ、やっぱり……駄目……」






ザラ「ねぇ、今戦士学課なにかしてたりするわけ?」

ピリ子「なにかしてるの?ツカム」

ピリ子「ふーん、戦士学課の一部が模擬試合してるんだね」

ピリ子「あー、誘われたんだ。千河と九領出身の生徒は血気盛んな人が多いからねー、暑苦しそうだなぁ」

ザラ「ああ、だから」

トア「私が来た時、ヨシツグさんはもういなかったから」

ピリ子「え、行っちゃったの?」

ザラ「部下を名乗る生徒が知らせに来てね。ここ、あまり知られてないはずなんだけど」

ピリ子「ヨシツグって九領の良家の息子で、おまけに次期当主らしいし」

ピリ子「大きな家だから生徒にも仕えてる家の子が多いんだよね。特に暗部コースの生徒は学生なのに忍ぶの上手いもん」

ピリ子「しっかしもー、止めにいったのか参戦しに行ったのかはわからないよねー、ヨシツグだもん」

ザラ「……私には関係無いけど、あの人、発作起こすわよ」

ピリ子「わかるの?」


ザラ「……初等部からここで顔あわせてるから、多少はね」

トア「…………先生を呼んで来なきゃ」

ザラ「いいんじゃない?自分の体調は自分が一番わかってるはずだもの。倒れたら自業自得ってやつだもの」

ピリ子「でも……、!」


 警報音


校内放送《全生徒に緊急連絡。繰り返します、全生徒に緊急連絡。これは訓練ではありません》


ピリ子「警報だ……何かあったのかな」
 
校内放送《北の壁から黒の軍勢、魔物が多数侵入との報告があります。実戦許可のおりていない生徒は速やかに避難して下さい》

校内放送《尚、風紀委員による戦闘部隊の交戦が許可されています》

校内放送《巻き込まれにご注意下さい》

校内放送《繰り返します》



ピリ子「北かー、ツカム、オイラ達はどうする?」


ピリ子「うん、わかった。行こうか」

ザラ「そう」

ピリ子「とりあえず、この保健室からは離れてるみたいだし、ザラは大丈夫だよ」

トア「ごめんなさい。私も行かなくちゃ、今魔法回線を通じて、僧侶学課の生徒に収集がかかったの」

ピリ子「怪我人いそうだもんね、トアは中等部だけど実戦許可おりてる生徒の一人だし」

トア「じゃあ、お先に」





ピリ子「トア、行っちゃったね。オイラ達もそろそろ手伝いに……って、それ、ほんと?」

ピリ子「模擬試合しているのは北の壁の近く?それって軍勢が侵入した場所じゃんか、これは軍勢に同情するね」

ピリ子「あはは、オイラ達必要ないかも」

ザラ「…………、はぁ、仕方ないわね」

ピリ子「ザラ?どうしたの?」

ザラ「行くんでしょ、ツカム。私も連れていって」

ピリ子「!――あ、そうか、模擬試合ってことは、そこに」



ツカム「心配?」

ザラ「……保健室の“死にかけ仲間”がいなくなるのは目覚めが悪い所の話じゃないわ」

ザラ「ほら、さっさと行くわよ」






 高等部校舎
 中庭


ピリ子「北に向かうのはこっちが近道だけど……あっ!」

ピリ子「ツカム!あれ、ヴェルナーじゃない?珍しいや、女の子連れてる!」

ピリ子「おーい、ヴェルナー!!」


ヴェルナー「あ"?」

ラナ「あー、ツカムおにいちゃん達だー。ザラおねえちゃんもいるー」


ラナ「ザラおねえちゃん、具合はいいの?」

ザラ「ええ、すこぶる良いわ。心配ありがと、ラナ」

ラナ「えへへ、良かった」

アルフィン「ツカムせんぱい!これからぼくたち、黒の軍勢や魔物さん達を撲殺しにいくんだけど、一緒にいくー?」

ヴェルナー「ちげぇよ、爆殺だ」

ザラ「……ラナ?」

ラナ「えっとね、ヴェルナーおにいちゃんやアルフィンおねえちゃんと一緒なら、いつでもきらきらで遊んでいいの!」

ピリ子「……ザラ、」

ザラ「……わかってるわ、後でリン達に連絡するから」

ヴェルナー「一応伝えておくが、そっちにはもう生徒しか残っていやがらねぇ」

ピリ子「戦士課の生徒いた?」

ヴェルナー「ああ。九領と千河の奴等が多かったな」

アルフィン「北西の方にはまだ残ってるって連絡があったんだあ!ねぇ、早く行こうよ!ヴェルナーせんぱい!」


ラナ「早くいこうよ!ヴェルナーおにいちゃん!」

ヴェルナー「すがるな、鬱陶しんだよ」

ツカム「ヴェルナーってロリコふがっ」

ピリ子「ひい!ツカムの口にヴェルナーの杖が!」
 
ヴェルナー「おいラナ、俺の“きらきら”が爆発するの見てぇか?」

ラナ「みたい!」

ピリ子「ツカム謝って!今すぐごめんなさいして!」

ツカム「ほべんなはい!!」

ザラ「……あんたって馬鹿なのか真面目なのか本当にわからないわ」


 学園北
 実地訓練用“荒野”エリア


ピリ子「うわあ、死屍累々……いや、誰か死んでるわけじゃないけど」

ピリ子「さて、ヨシツグはどこかな」

ピリ子「………うわぁ、ヨシツグ見っけ……」


ピリ子「ツカムー、ヨシツグいたよ」

ザラ「空を飛べるって便利ね」

ピリ子「ふふーん、そうでしょ?」

ピリ子「それで、ヨシツグはあっちにいるんだけど」

ピリ子「ちょっと引く見た目かも」






ピリ子「おーい、ヨシツグー!」

ヨシツグ「………………」

ピリ子「ヨシツグってばー!」

ヨシツグ「ああ、ピリ子、」

ヨシツグ「ツカム、……はは、こんな所で顔を合わせるこのになるなんてね、ザラ」

ピリ子「ヨシツグ、制服血まみれだけど……大丈夫?」

ヨシツグ「返り血だ、私のじゃない。ほとんどが魔物で、少しは生徒の物かな」

ヨシツグ「げほっ、ごほっ」

ツカム「…………」
ザラ「…………」
ピリ子「…………今のは?」

ヨシツグ「まぁ、今のは私の血であってる」

ザラ「発作起こしてんじゃないわよ。そもそも今日は調子良い日じやないでしょうに」

ザラ「ほら、薬。水」


ピリ子「さすがザラ。準備良いね」

ヨシツグ「すまない、……ちゃんと持ち歩いていたんだが、入れていた上着ごとどこかに行ってしまったんだ」

ザラ「……しっかりしなさいよ」

ザラ「戻るわよ、ツカム。さっさとその生き急ぎ男を寝かしてやって」

ヨシツグ「はは、まさか私を連れ戻しに?」

ヨシツグ「ツカム、てっきり君が、遅れて参戦してくれるのかと思ったよ」

ピリ子「この状況でまだ模擬試合のこと言うんだもんなぁー」

ヨシツグ「なんてね。冗談だ」

ヨシツグ「今日は止めに入る役、それだけのつもりだった。自分の調子はわかっていたしね」

ヨシツグ「それに、今日は相手もいない」

ピリ子「相変わらず、戦闘狂だなぁ」

ヨシツグ「でも一人だけ、手合わせ願いたいと思う者がいた」


 一時間前
 実地訓練用“荒野”エリア


ハルアキ「……僕に片膝をつかせるぐらいの男でないと、付き合うのは御免だ」

ハルアキ「そう、妹は言ったと」

ハルアキ「では、僕の前に立つ君達は」

ハルアキ「トウカと付き合いたい、そう思っている。そう考えていいわけか」

ハルアキ「……そうか、トウカと……僕の、可愛い妹の、トウカと、貴様らは付き合いたいと言うのか、はは、は…………」


ハルアキ「ならば死ね」







ヨシツグ「どういった経緯でああなったかのは知らないが」

ヨシツグ「彼も君と同じであまり本気を出す方ではないからね」


ヨシツグ「うっかり義弟候補に名乗りをあげる所だった」

ツカム「色んな意味で大問題だ」
ピリ子「本当にやめて」

ザラ「そのシスコン男にツッコミがない所を見ると普段からそうなわけ?」

ザラ「やっぱり変人ばかりね、この学園は」






ザラ「…………」

ピリ子「ザラ、もしかして疲れた?」

ザラ「疲れてない」

ヨシツグ「私が君を背負おう」

ザラ「瀕死が何を言うわけ?」

ヨシツグ「……フラれてしまったようだ」

ザラ「笑ってんじゃないわよ。……なによツカム。私の前でしゃがんで」

ピリ子「おんぶだよ、おんぶ」

ザラ「そんなの見りゃわかるわ。……仕方ないわね」

ザラ「揺らさないでよ、ツカム」

ピリ子「…………」
ヨシツグ「…………」
ザラ「…………」

ピリ子「戦闘音はあっちか、まだ終わってないのかな」


ヨシツグ「けほっ、……そうだな、怪我人が少ないといいが」

ピリ子「大丈夫だよ。ヴェルナー達も行ってるし、僧侶学課にも収集がかかってるし」

ピリ子「――あ、あそこ。シュザだ」

ヨシツグ「負傷者の回収をしているのだろう。私たち九領に属する者の代表だからね」

ピリ子「確かに九領の人多く転がってるよね、ってことは、千河の方はビエンタがやってるだろうなー」

ザラ「あの乳の大きい女生徒を連れたのがシュザ?」

ピリ子「……乳って……チヨメのこと?――でも、そっか、ザラはシュザを見るのが初めてなんだね」

ザラ「あれ九領の代表なら、この瀕死より強いってわけ?」

ヨシツグ「そうだね。……ふふ、何時かは首を取ってやるつもりなんだが」

ザラ「ふーん……まぁ、頑張りなさいよ」

ピリ子「何気に怖い話するのやめてくれない?」

ザラ「それにしても、あんたの部下っていう生徒、男ばかりなんだけど」

ザラ「何であのシュザって男みたいに女生徒を侍らせないの?」

ピリ子「シュザの言われよう……ごめんでもシュザの部下、チヨメを筆頭に美少女ばかりって有名だし……」

ヨシツグ「いないわけではないんだが……彼らにも力量による序列があってね。私の元へ来るのは男しかいない」


ザラ「そう」

ピリ子「力量が火力の問題なら、ザラはぶっちぎりで上にいけるかもだね!」

ザラ「……なんの話よ」

ヨシツグ「はは、“その”前提でならそうだな。なんせ彼女は学園トップレベルの魔法の才を持つ」

ヨシツグ「君を部下にするなら、なんて、考えた事はないがね」

ヨシツグ「こう言っては嫌がられるかもしれないが、保健室仲間である君のことは……そうだな、」

ヨシツグ「妹がいたらこうなんだろうな、と考えさせてくれる」

ピリ子「あ!弟はいるけど、妹はいないもんね、ヨシツグ!」

ザラ「……ふん、よく死にかける兄なんて御免よ」

ツカム「俺は?」

ザラ「黙ってなさいよ八方美人」

ツカム「酷いな、割りと本気なのに」

ピリ子「ツカムの妹なら私の妹でもあるのにねー」

ザラ「あんたにいたっては妖精でしょう。不思議兄妹に加わる気はないわ」


ツカム「お互いフラれちゃったなー」

ヨシツグ「そうだね」

ザラ「こんな時だけペラペラ喋んないでよ」

ザラ「…………、でも、」

ザラ「あんた達が兄弟なのは御免だけど、嫌じゃないわ」

ヨシツグ「…………」
ツカム「…………」
ピリ子「…………」

ピリ子「……ザラ、耳、赤いよ」

ザラ「うるさい」

ツカム「肩車する?」

ザラ「揺らすなって言ったでしょ、馬鹿」

ヨシツグ「替わろうか?……げほっ、ごほっ、」

ザラ「……あんたは早く安静にして寝るべきよ」



 後日
 離れの保健室


ピリ子「お邪魔しまーす!」

ピリ子「って、あれ?珍しいね、でも、この方がいいのかな」

ヨシツグ「彼女が元気なのは良いことだからね」

ピリ子「あ、ヨシツグ!体調どう?元気?」

ヨシツグ「私も良い方だ。今日は頼み事をされてね、君達を待っていた」

ピリ子「オイラ達を?」

ヨシツグ「これを渡すように、と」

ピリ子「なんだろう……あ!クッキーだ!!」

ヨシツグ「調理実習で作ったそうだ。和菓子以外はあまり食べないんだが、この前のタルトと同じぐらい、美味しかったよ」

ピリ子「そっか!うしししっ!!食べるのが楽しみだよ!」

ツカム「そうだな。……直接お礼して、また恥ずかしがらせないと」

ヨシツグ「はは、君も人が悪いね」

 同時刻
 高等部校舎
 魔法学課 戦闘魔法コース


ユニ「ヴェルナー」

ヴェルナー「あ?」

ユニ「カティアから伝言。『初等部生徒相手では擁護しきれん。お前の性癖に口出す真似はしたくないが、ロリコンはノータッチに徹してくれ」

ユニ「問題になれば私もお前に手を出さねばいかなくなる』以上」

ヴェルナー「…………、」

ユニ「ヴェルナー、『ロリコン』とは?」

ヴェルナー「……カティアに聞きやがれ。それと、『誤解だバカ野郎』と伝えろ」

ユニ「了解した」

ユニ「…………魔力の爆発的な上昇を確認。ヴェルナー、どこへ行く?」

ヴェルナー「ああ……ちょっとばかし、頭を吹っ飛ばしたい奴が出来たんだよ」




 おわり。
 チェンクロ楽しいよ。チャーノSR化はよ

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