武内P「美城常務と……仲良く?」 (139)

部長「やあ、今日も頑張ってるね」

武内P「いえ……まだまだです」

武内P「今度の企画は必ず成功させてシンデレラプロジェクトを継続させないと……」

部長「真面目だねぇ」

部長「君も美城常務も仕事に熱心すぎてすれちがっている気がするんだよね」

部長「どちらの言い分も間違っちゃいない」

武内P「はぁ」


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部長「そうだ、今度二人で飲みに行ってみたらどうだい?」

武内P「美城常務と……ですか?」

部長「お酒を飲んで腹を割って話せばより良い企画が浮かぶかもしれないよ?」

武内P「ですが……」

部長「まぁまぁまぁまぁ、一度行ってごらんよ」

部長「お金は僕が出すから」クシャ

武内P「こ、こんなにもらえませんよ」

部長「いいんだよ会社のためさ」

武内P「美城常務はお忙しいのでは?」

部長「大丈夫、セッティングは僕がしておくからがんばって」

武内P「はぁ……」ポリポリ

後日

武内P「ここが今西部長の行き付けの居酒屋……ですか」

カランカラン

店員「いらっしゃいませー!」

武内P「予約をしていたものですが……」

店員「はいご案内いたいまーす!」

武内P(10分前……ちょうどいい時間ですね)

店員「こちらになりまーす!」

武内P「ありがとうございます」

店員「ごゆっくりどうぞー!」

武内P「ふぅ……」

美城常務「遅いな」

武内P「!」

武内P「も、もういらしていたのですか」

武内P「申し訳ありません!」

常務「冗談だ」

常務「10分前程度がクライアントにも失礼の無い無難な時間だろう」

武内P「は、はい」

常務「さて、君はこの後仕事は?」

武内P「ありません、全て終わらせてきました」

常務「そうか、なら酒を飲んでも大丈夫ということだな」

武内P「あ、あの、常務は……?」

常務「私も今日は全て終わらせてきた」

常務「さぁ、何を飲む?」

武内P「私は烏龍茶を……」

常務「なんだ、君は酒を飲まないのか?まぁ構わないが」

武内P(腹を割って話し合う……)

武内P「び、ビールを!ビールを飲みます!」

常務「そうか、無理はするなよ」

武内P「大丈夫です」

常務「では店員を呼ぼうか」

武内P「私がやります」

常務「では乾杯といこうか」スッ

武内P「はい!」スッ

チンッ

武内P「……」グビッグビッ

常務「お、いい飲みっぷりじゃないか」

武内P「ぷはぁ」

常務「顔が赤いが大丈夫か?」

武内P「は、はい」

常務「……」ゴクッ

武内P(何を話していいか分からない……)

武内P「おかわりをします」

常務「……そうか」

武内P「……」グビッグビッ

常務「そんなペースで飲むと潰れてしまうぞ」

武内P「だ、大丈夫です」グビッグビッ

数時間後

武内P「笑顔が!アイドルには笑顔が大事だと思うんです!」

武内P「ですからシンデレラプロジェクトは!彼女たちは!」グビッグビッ

常務「熱くなりすぎだ」

武内P「常務が行っている改革が正しいことはわかっています!」グビッグビッ

武内P「笑顔……笑顔笑顔……zzz」

常務「潰れてしまったか……言わんこっちゃない」

翌朝

武内P「う、頭が……」

常務「起きたか」

武内P「じ、常務!ここは!?」

常務「私の家だ」

常務「君が酔い潰れて寝てしまったから連れてきた」

常務「君の家が分からなかったからな」

武内P「わ、私はなんてことを……申し訳ありません!」

武内P「お、お代も払っていません!」ゴソゴソ

常務「私が払っておいたよ」

武内P「お返ししなくては!」

常務「別にいい、私のおごりだ」

武内P「で、ですが!」

常務「そうだな……では、次は君のおごりで飲もう」

武内P「へ?」

常務「それよりもそろそろ準備しないと君は遅刻するんじゃないか?」

武内P「!」

常務「プロデューサーの遅刻はプロジェクトの存続にも影響するかもしれないな」

武内P「そ、それは!」

常務「冗談だ、早く準備して出勤しなさい」

武内P「は、はい!」

武内P「何とか間に合った……」

武内P(まだ頭が痛い……昨日の記憶もほとんどない……)

みく「Pチャンおはよー!」

李衣菜「おはよう、プロデューサー」

武内P「……おはようございます前川さん、多田さん」

みく「Pチャンどうかしたの?」

武内P「いえ、何でもありません」

みく「なーんか、いつもと違う匂いがする」

李衣菜「高そうなシャンプーの匂いだ」

武内P「え!?」

みく「シャンプー変えたの?」

武内P「あ、いえ、これは……」ポリポリ

多田「ちょっ!」グイッ

みく「痛いにゃ!ひっぱるにゃ!」

多田「ばか!これはお泊まりだよ!」ヒソヒソ

みく「えぇーっ!Pチャンがお泊まり!?」ヒソヒソ

部長「昨日はどうだったかね?」

武内P「実は……情けないのですが、酔い潰れてしまい……」

部長「はっはっは!それでお泊まりか、随分と仲良くなったじゃないか!」

武内P「いえ、そんなことは……」

武内P「途中で寝てしまった挙げ句、家にまであがってしまい怒っているかもしれません」

部長「いやいや、美城常務の今朝の機嫌は良さそうだったよ?」

武内P「そ、そうなんですか?」

ちひろ「た、大変です!」

部長「どうかしたのかい?」

ちひろ「美城常務からプロデューサーさんにこれを渡して欲しいと……!」

武内P「私に……ですか?」

ちひろ「はい!もしかしてシンデレラプロジェクトの存続に関わるようなことが……?」

武内P「拝見します」

常務『昨日は君のアイドルに対する想いが聞けて非常に有意義だった。今度は君のおごりで私の意見も聞いてもらおうか。空いている日時を下に書いておく。場所は前回と同じで構わない。美城 090-××××-××××』

武内P「!」

ちひろ「どんな内容でしたか!?」

武内P「い、いえ、特に重大な内容では……」ポリポリ

ちひろ「どんな内容なんですか?」

武内P「ええーと、ですね……」ポリポリ

ちひろ「言えないことなんですか?」

部長「つ、次の企画に関することなんじゃないかな?ほら、極秘に進めたいこととかもあるかもしれないし……」

ちひろ「そうですか、私に手伝えることがあったら何でも言ってくださいね?」

武内P「は、はい、もちろんです」

武内P(予定は合わせられそうですが……)

武内P(前回のように失敗してしまうのが怖い……)

武内P(とりあえず1週間後にしましょう)

プルルル……ガチャ

常務『美城だ』

武内P「わ、私です」

常務『君か、ということは』

武内P「はい、1週間後の○曜日はいかかでしょう?』

常務『分かった、楽しみにしているよ』

武内P「はい!」

ガチャ ツーツー

武内P「ふぅ……」

凛「誰と電話してたの?相当緊張してたようだけど?」

武内P「!」

武内P「み、美城常務です」

凛「クローネのこと?」

武内P「そ、そのへんも含めて話し合いをする予定です」

凛「みくから聞いたんだけどさ」

武内P「は、はい、何でしょう」

凛「誰かの家に泊まったって話、本当なの?」

武内P「そ、それは……」ポリポリ

凛「みくの言う通り、普段と違う匂いがする」

武内P「こ、これは、今朝遅刻しそうになり、準備をするときに誤って香水をこぼしてしまっただけです」

凛「シャンプーじゃなくて香水なんだ?」

武内P「そ、そうです」

凛「普段香水使ってないよね?」

武内P「も、もらいものの香水です」

武内P「使い道が無くて置いていたものをこぼしてしまっただけです」

凛「ふーん」

未央「しぶりーん!こんなところで何してるのー?」

卯月「凛ちゃんおはようございます!」

凛「未央、卯月」

武内P「で、では、私はこれで……」スタスタ

未央「プロデューサーと何の話?」

凛「何でもないよ」

武内P「ふぅ……」

武内P(何とかごまかせました……)

かな子「あ、プロデューサーさん!」

智絵里「おはようございます!」

武内P「三村さん、緒方さんおはようございます」

かな子「あれ?プロデューサーさんの匂い……どこかで……?」

武内P「どうかしましたか?」

かな子「さっきすれ違った美城常務さんと同じ匂いがします!」

武内P「!」

智絵里「言われてみれば……」スンスン

かな子「ちょっとおいしそうな匂いだなって振り返っちゃったので覚えてます」エヘヘ

智絵里「でも何で同じ匂い……?」

武内P「ご、誤解です」

かな子「なるほど、たまたま使ってる香水が同じなんですね」

かな子「とってもいい匂いですねその香水、どこに売ってるか教えて下さい!」

武内P「もらいものなのでそこまでは……申し訳ありません」


みく「李衣菜ちゃん聞いた?」ヒソヒソ

李衣菜「ばっちり!」ヒソヒソ

みく「二人で真相を……」

凛「ふーん、美城常務と同じ匂いなんだ」

李衣菜「い、いつの間に!?」

みく「凛ちゃんもみく達と真相を解明するにゃ?」

凛「私はいいよ」スタスタ

みく「そ、そうかにゃ」

李衣菜「行っちゃった」

翌日

武内P「ふぅ……」

武内P(視線を感じる……前川さんと多田さんなのは分かるのですが)


みく「ぜーんぜん動かないにゃ」ヒソヒソ

李衣菜「やめちゃう?」ヒソヒソ

李衣菜「ま、あのプロデューサーがお泊まりデートとか考えにくいし」ヒソヒソ

みく「確かに」ヒソヒソ

みく「結局、みく達の勘違いってことかにゃ……がっかりにゃ」ヒソヒソ

1週間後

武内P(今日は美城常務との約束の日)

武内P(そろそろ行かないと待たせてしまう)

「そんなに急いで……どちらへ行かれるんですかぁ?」

武内P「!」ビクッ

武内P「は、話し合いの用事がありまして」

「うふ……こんな夜遅くからお仕事なんですねぇ?」

武内P「え、ええ……」

「他の社員さんはみんな帰られたのに……ねぇ?」

武内P「……い、急いでいますので」

「うふ……『お仕事』……頑張ってください」

武内P「あ、ありがとうございます」スタスタ

「……」

まゆの名前入れ忘れた……
まぁいいか

武内P「ふぅ……」

店員「いらっしゃいませー!」

武内P(今回は前回より早めに、常務よりも先に来るようにしました)

武内P「予約していた者ですが」

店員「はいご案内いたしまーす!」

店員「こちらになりまーす!」

武内P「ありがとうございます」

武内P(流石にいませんね)

武内P(先に来ることができてよかった)

武内P「……」

武内P「……」

武内P「……」チラ

武内P(前回、私が来た時間ですが……)

武内P「……」チラ

武内P(約束の時間……ですが……)

武内P(何かあったのでしょうか)

武内P「……」チラ

武内P(電話を……いや、突然の仕事などで手が離せない可能性もある……)

武内P(向こうからかかってくるかもしれませんし)

武内P「……」

武内P(もうすぐ約束の時間から30分ですね)

武内P(やはり電話を……)

常務「待たせたな」

武内P「常務!」

常務「急な案件が入ってしまって遅れた、申し訳ない」

武内P「い、いえ、全然待ってません」

常務「なんだ?君も遅刻したのか?」

武内P「そ、そういうことでは……」ポリポリ

常務「冗談だ、ふふ、君はからかいがいがあるな」

武内P「そうでしょうか……?」

常務「それよりも、早く飲もうじゃないか」

武内P「はい!」

常務「今日も遅くまで飲めるんだな?」

武内P「はい、大丈夫です」

常務「私もだ、では、乾杯しよう」スッ

武内P「はい」スッ

チンッ

武内P(今日はペースをおさえて控えめに……前回のような失敗はしないように……)チビチビ

ゴクッ ゴクッ

常務「はぁーっ……」

武内P「す、すごい飲みっぷりですね」

常務「前回の君もこんな感じだったよ」

常務「今日は潰れた私を君に介抱してもらおうか」

武内P「そ、それは……」

常務「できないのか?」

武内P「で、できます!」

常務「良かった、安心して酔っぱらえるな」グビッ

武内P「はぁ……」

常務「アイドルには昔の芸能界のようなスター性が必要だ!」グビグビ

武内P「スター性も重要ですが、アイドルにはファンの皆さんに身近に感じてもらえるような個性も大事だと思います!」ゴクゴク

常務「君のやり方でアイドルの個性を伸ばすのは構わないが、その方法では時間がかかりすぎる!」

武内P「ですが!」

常務「なんだ!」


エガオガダイジデス! スターセイコソガイチバンダ!


店員「あのー、他のお客様の迷惑になりますので……」

武内P「も、申し訳ありません……」

常務「私に真っ向から対立するのは君だけだ……ふふ……気に入ったよ」フラ

武内P「美城常務……大分酔ってらっしゃるのでは?」

常務「まだだ……まだ酔っていない」グビッ

武内P「そろそろ帰りましょう、明日にも響きます」

常務「そうだな……う……支えてくれ」フラフラ

武内P「やはり酔っているのでは?」

常務「酔っていない!」ガシッ

武内P「はぁ……分かりました」

常務「うぅ……」

武内P「タクシーを呼びました」

武内P「自宅はどちらですか?」

常務「……」

武内P「常務、聞こえていますか?」

常務「……君の家だ、君の家に連れていけ」

武内P「!いえ、そんなことはできません!」

常務「では私は帰らない」

武内P「じ、常務……」ポリポリ

武内P「分かりました」

常務「ここが君の家か」

常務「生活感がほとんど無いな、大方、仕事にかまけて家では寝るだけなんだろうな」

武内P「常務に言われたくありませんよ」

常務「なんだと!」ヒック

武内P「お水です、少し落ち着いてください」

常務「ん……」ゴクッ

武内P「常務はここで寝てください」

常務「君は?」

武内P「私は向こうのソファで寝ます」

常務「……そうか」

武内P「では、失礼します」

武内P「……zzz」

常務「起きてくれないか」

武内P「常務……?」

常務「すまない」

常務「……身体が暑くてな、クーラーの温度を下げてもらえないか?」

武内P「そうでしたか、気がつかず申し訳ありません、すぐに下げます」ピッ

武内P「!」

武内P「じ、常務……上着は……?」

常務「ん?」

常務「汗で張りついて気持ち悪かったので脱いだよ」

武内P「そ、その格好はいけません……」

武内P「私の上着を貸しますので」

常務「そうか、何から何まですまないな」

武内P「い、いえ……」

翌朝

武内P「……っ」パチッ

武内P(二日酔いはしていない、記憶もはっきりしている)

武内P(昨日は前回のような失敗しなくてよかった)

武内P(常務を起こさないと)

常務「……zzz」

武内P「常務、朝です、起きてください」

常務「……んん」

武内P(常務の汗と香水とアルコールの匂い……)

武内P(はっ、何を考えているんだ)

常務「昨日は世話になったな」

武内P「いえ」

常務「とても楽しかった」

武内P「!」

武内P「わ、私もです!」

常務「ふふ、ありがとう」

常務「……出勤は別々にしよう、私が先に行く」

武内P「は、はい!お気をつけて!」

常務「プロジェクトクローネのみんな、よく集まってくれた」

常務「君達は近々本格的に活動していくことになるわけだが……」

凛「あの」

常務「なんだ?渋谷凛」

凛「その中のシャツ……男物ですよね?」

常務「……」

常務「それは、プロジェクトクローネの今後と何か関係があるのか?」

凛「……っ」

凛「関係……ありません」

常務「では、これまでのユニットと平行してがんばって欲しい」

常務「これからの活動内容については決定次第連絡する」

常務「今日は解散だ」

クローネ「「「はい!」」」

凛「……」

常務「調子はどうだ?」

武内P「秋の定期ライブに向けて士気も高まっています」

常務「そうか」

武内P「秋の定期ライブ、絶対に成功させます」

常務「期待している」

常務「……秋の定期ライブが終わったら」

武内P「なんでしょう?」

常務「また、二人で飲みに行かないか?」

武内P「!」

武内P「はい!」

常務「今度は君と私で新しい企画を考えてみないか?」

武内P「それは……!」

常務「君となら、最高の企画ができあがりそうな気がしてな」

常務「また、酒を飲みながら徹底的に議論しようじゃないか」

武内P「はい!」

常務「ただし」

常務「そのためには定期ライブの成功が絶対条件だ」

常務「私は君を気に入ってはいるが、このことに関しては決して甘く見るつもりは無い」

武内P「もちろんです!絶対に成功させてみせます!」

常務「ふふ、君とまた飲みに行けることを期待しているよ」


今西部長「どうやらうまくいったようだね」

今西部長「あの二人の熱心さならきっといい企画がうまれそうな気がするよ」

「……」

「……」

今西部長「き、君たち?あ、アイドルがそんな顔しちゃいけないような気がするよあは……あはははは……」


終わり

美城常務美しすぎ
でも苦難も多すぎ!

アニメまで待ちきれなくてSS書きました
やっと一週間……

読んでくれてありがとうございます

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