エレン・イェーガー ~ダジャレを極めし者~ (7)

それはエレンがまだ幼い頃であった。

父グリシャ・イェーガーがハンネスと酒を飲み交わしていた時、グリシャがダジャレを言ったのだ。

ハンネス、母カルラ・イェーガー、そしてエレンは皆固まった。

しばらく誰も声を発しなかった。

エレンは自分の背筋がゾクゾクと震えるのを感じた。

今まで感じたことの無い感覚であった。

それ以来、エレンはダジャレの虜となった。

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エレンはグリシャに何度も教えを乞うた。

ダジャレの極意を教えてほしいと。

しかしグリシャは頑なに教えようとはしなかった。

仕方なく、エレンは自分で考えていくことにした。

毎日エレンは考えた。

だが何も思いつかなかった。

そして一週間が経った。

ある日、エレンは晩飯を食べながらダジャレについて考えていた。

その日のおかずは納豆である。

納豆を題材に何か思いつきはしないか、エレンは思案していた。

しかし、やはり何も思いつきはしなかった。

そして無意識につぶやいた。

「わからなっとう。」

その時、一瞬であったがその場の空気が変わった。

エレンはそれを見逃さなかった。

今までどうしても辿り着けなかった領域に、一歩足を踏み入れた感覚があった。

エレンは喜んだ。

自分一人の力で、ダジャレの道を進むことができたのだ。

エレンはその感覚を忘れないように、他の題材にも挑戦してみることにした。

「家ーい!」

「いい壁んにしろ!」

「んで俺はその時こういってやったんだ、お前の巨人を削いでやろうか、ってな?」

何故だろうか、全くキレが感じられない。

残念に感じながら、エレンは飯を食べ終えた。

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