それはエレンがまだ幼い頃であった。
父グリシャ・イェーガーがハンネスと酒を飲み交わしていた時、グリシャがダジャレを言ったのだ。
ハンネス、母カルラ・イェーガー、そしてエレンは皆固まった。
しばらく誰も声を発しなかった。
エレンは自分の背筋がゾクゾクと震えるのを感じた。
今まで感じたことの無い感覚であった。
それ以来、エレンはダジャレの虜となった。
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エレンはグリシャに何度も教えを乞うた。
ダジャレの極意を教えてほしいと。
しかしグリシャは頑なに教えようとはしなかった。
仕方なく、エレンは自分で考えていくことにした。
毎日エレンは考えた。
だが何も思いつかなかった。
そして一週間が経った。
ある日、エレンは晩飯を食べながらダジャレについて考えていた。
その日のおかずは納豆である。
納豆を題材に何か思いつきはしないか、エレンは思案していた。
しかし、やはり何も思いつきはしなかった。
そして無意識につぶやいた。
「わからなっとう。」
その時、一瞬であったがその場の空気が変わった。
エレンはそれを見逃さなかった。
今までどうしても辿り着けなかった領域に、一歩足を踏み入れた感覚があった。
エレンは喜んだ。
自分一人の力で、ダジャレの道を進むことができたのだ。
エレンはその感覚を忘れないように、他の題材にも挑戦してみることにした。
「家ーい!」
「いい壁んにしろ!」
「んで俺はその時こういってやったんだ、お前の巨人を削いでやろうか、ってな?」
何故だろうか、全くキレが感じられない。
残念に感じながら、エレンは飯を食べ終えた。
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