【スプライトSS】スー「ただいま」 (15)


※「スプライト」原作終了後の話



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―――――!


…声が聞こえる……ああ、この声は………



―――ちゃん!





トキオ「お姉ちゃん!」

スー「…!!」バッ

トキオ「良かった…目が覚めた…」

スー「う…トキオ……?」

トキオ「ど、どうして…」

スー「え?」

トキオ「どうして僕についてきたんだよ!あのまま皆と一緒に帰れたかも知れないのに」

スー「…」

スー(そうだ……私はあの時、トキオを追って…)

トキオ「お姉ちゃんも、もう…元の時間軸に帰れるかわからないのに」

スー「…トキオを置いていけるわけないじゃん…」

トキオ「…」

スー「…皆には悪いと思うし…本当は一緒に帰りたかった…でも」

スー「トキオを一人にするのも辛かった」

トキオ「…馬鹿だよ、お姉ちゃんは…」グスッ

スー「…ごめん…」ポンッ




スー「…」



スー「そういえば、ここは…山の中?」

トキオ「わからない。またどこかに来たみたいだけど」

ザッザッザッ

スー「…あ、こっち来て見てトキオ」

トキオ「え?」

スー「あの街並…私達の元いた場所と同じような時代じゃない?」

トキオ「本当だ…でも…見た目が似てるだけかも知れないよ」

スー「行ってみようよ」

トキオ「うん」

―――――――


ザッザッザ…


トキオ「はあ…山降りてたら疲れたよ…」

スー「…コンビニがある。ちょっと待っててね、飲み物買ってきてあげるから。何がいい?」

トキオ「じゃあ、お茶でいい」

スー「えー、ジュースじゃなくていいの?」

トキオ「いいよお茶で」

―コンビニ―

スー「…あ、新聞。何年か見てみよう」バサッ






スー「…2015年…」


―――

スー「はい、どうぞ」

トキオ「あ、ありがとう」

スー「…ここ、2015年だってさ…」

トキオ「え、元いた時代よりちょっと先?」

スー「いや、でも…おじさんや哲ちゃん、キリちゃん、ミキちゃんに会えるかも…」

トキオ「でも、お姉ちゃんが知ってるより年は取ってるんだよ?」

スー「まあ、ね……でも…」

トキオ「それにそもそも…」

ザッザッザッ

「スー!」

スー「!!」

トキオ「え?」



キリコ「おーい、スー!」

トキオ「え、あの人…」


スー「き、キリちゃん!!」バッ


ダッダッダ!

スー「!!」


好子「キリちゃ~ん、ごめん、待たせたー!」

キリコ「おう、遅刻すんなよスー」

好子「ごめんごめん、へへへ」



スー「………え………」

トキオ「お姉ちゃんが…もう一人……」

キリコ「仕事はどうだよ?」

好子「だいぶ慣れてきたよ。そういえばミキちゃんは?」

ザッザッザッ…


スー「う、嘘……どういう事…」ガクッ

トキオ「…たぶんここは…僕やお姉ちゃんがいたとことは…似てるだけで全く違う時間軸なんだ」

スー「…そんな……せっかく会えたと思ったのに…」

トキオ「…ごめん…僕がこんなことに巻き込んだようなもんだ…」

スー「ち、違うよ!トキオは悪くないから!」

トキオ「…でも、こんなとこに居たらつらそうだし、あまり長居はしない方が良さそうだよね…」
スー「…うん……」



スー「はぁ」


―――

スー「…どうしよう…お金ちょっとしか無いからどっかに泊まる余裕もないし…」

トキオ「どこかのファミレスで時間潰す?」

スー「いやぁ…ずっと居たら迷惑そうだし…」


ゴゴゴゴゴ…


スー「ん?」





┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!!


スー「きゃっ!!!」


トキオ「地震!?」


グラッ


スー「トキオ、危ない!!」

トキオ「!!」

バッ!!!



ズシイイイインッ!!!

スー「危ない、下敷きになるとこだった…」

トキオ「お、お姉ちゃん…ごめん…」

スー「大丈夫大丈夫。それより広いとこに避難にしよう。確か近くに公園があった」

トキオ「うん」

タッタッタ…






―――――


好子の家


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!!

好子「わ、地震!!」

ミキ「揺れが強いよ!ど、どうしよう…!!」

キリコ「落ち着け!どっかの下に隠れ…」


ガラガラ!!

ミキ「きゃあっ!!」

好子「ミキちゃん!!」バッ

ピシッ!ピシッ!!


キリコ「…!ヤバい、崩れる!早くしろ!!」


好子「!!」

ドオオオオオ!!!

―――――

スー「う…なにこれ…町が…」

トキオ「…崩れてる建物もある…僕達はたまたま広い場所の近くにいたから良かったけど…」

スー「…」

スー「あ、そうだ…元いた時間軸でもこの近くに私達の家が…」

トキオ「気になるの?」

スー「何かあったら嫌じゃん!」ダダダッ

トキオ「あ、待って!」


ザッザッザッザッザッザ………





スー(キリちゃんも確かこっちの方角に歩いていった…もしかしたら…)


―――――

好子の家



キリコ「…う…」

キリコ「いて!くそ…足が…」

ミキ「う、うう…」グスッ

キリコ「ミキ…平気か?」

ミキ「たぶん、大丈夫だけど…動けない」

キリコ「私も足が痛んで動けない」

キリコ「おい、スー…スー!」

好子「…」

キリコ「おい、スー!」

ミキ「スーちゃん!!」

好子「…」

キリコ「やべぇ…返事がない。しかもあいつ出血が酷い…」

ミキ「そんな…このままじゃ…」

キリコ「ちくしょう!誰か助けてくれ!!」



ザッザッザッ!!


スー「キリちゃん!ミキちゃん!!」ダダダッ


キリコ「……………え!!?」

ミキ「!!?」

キリコ「す、スーが、もう一人…え?」

ミキ「!!?」

スー「二人とも瓦礫に挟まれてる…トキオ、手伝って!!」

トキオ「うん!」

スー「せーーのっ!!」

ガラガラ!!

スー「あー、重たい!」

トキオ「な、何とか持ち上がった…」


スー「キリちゃん、ミキちゃん、もう大丈夫だよ!」

キリコ「…助けてくれたのはありがたいが……あんた、何者だ?」

スー「え?」

ミキ「な、何でスーちゃんが…二人…」

スー「え、いや…たまたま似てるだけじゃないかなぁ………ははは…」

キリコ「…」

ミキ「あ、それより!スーちゃんが一番危ないの!!」

好子「…」

トキオ「本当だ、出血が多いよ!早く助けなきゃ!」

スー「うわ!待ってて、すぐ助けるから!!」ダッ

スー「せーの!」

ガラ!!

好子「…」

トキオ「とにかく最初は血を止めなきゃ…」

スー「……お願い……助かって………」グッ


キリコ「スー…」ザッザッ

ミキ「死なないでよ!お願いだから!!」





好子「…う…」

スー「!」

ミキ「スーちゃん!」

キリコ「おい、大丈夫か!」

好子「…波…」

スー「え?」

好子「黒い波が来る…」

トキオ「!」


┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!


スー(時間が来た!?こんな時に…)

好子「…あなたにも見えてるんだね…」

スー「!」

好子「私は大丈夫だから、心配しないで…それよりあなた、時間に飲み込まれる前に逃げた方がいいよ」

キリコ「…なに言ってんだお前…」

好子「気にしないで、この人に話してることだから」

スー「…」

好子「あなたはここの時間軸の人じゃないでしょ?なら…早く、時間から逃げて…」

スー「…無事でね…」

好子「大丈夫」

好子「私達を助けてくれてありがとう」

スー「うん………トキオ、行こう」

トキオ「うん」



スー「…じゃあね」



キリコ「…助けてくれてありがとうな!」

ミキ「ありがとー!!」



ザッザッザッ!!

スー「はあ…はあ…トキオ、早く!!」

トキオ「うん!」


ドオオオオオ!!






どぷん…


スー「はあ…はあ…危なかった……」


トキオ「…こっちの世界のお姉ちゃんも時間が見えてたみたいだね…」

スー「うん…」


どぷん どぷん



トキオ「…これは…時代ごと飛ばされるかも知れない」

スー「…まだろくに話もしてなかったのにな…仕方ないか」

トキオ「…お姉ちゃんは…どうする気なの?」

スー「トキオが戻りたい時間まで一緒に…」

トキオ「その後はどうするの?」

スー「!」

トキオ「…僕がもし自分の戻りたい時間に行けたとして、お姉ちゃんはその後どうしたいの」

スー「………みんなの所に帰りたい……」

トキオ「…」

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