女騎士「くっ、私の尻に餅米を詰めろ!」(16)

鳥「えぇ…」

鳥「逆やないですか。いや、逆というのも変な話ですが」

女騎士「ほう、貴様は尻に餅米を詰めるのは鳥の特権だと言いたいのか」

鳥「いや、そういう訳では。わいかて尻に餅米詰められるんは嫌でっせ」

女騎士「むぅ、そういうものか…」

女騎士「しかしだな、私にも譲れないものがある。幼少の頃よりの夢…サムゲタンになりたいという夢がな!」

バァ~ン!

鳥「えぇ…サムゲタンを食べたいんじゃなくて、なりたいんでっか…」

女騎士「ああ。あのほっこり温かいサムゲタンのように、なりたいのだ、私も!」

鳥「比喩とかじゃなく、物理的になりたい訳でっか…」

パンッ

鳥「よっしゃ、わかった。わいも男や。あんさんの夢叶えたる!」

女騎士「か、かたじけねェ…」

ポロ…ポロ…

鳥「泣くなよ、今からなれるんだぜぇ…憧れのサムゲタンによォ…」

女騎士「うれしゅうて、うれしゅうて…わて、わて!」

ドビュッシー

鳥「なんやこの汁ァ!」

女騎士「だ、出汁ィィィン!」

トリガラァ~スゥゥゥプ!

鳥「なんやて…」

ペロッ

鳥「!」

ミブルイ

鳥「う、うまい…うますぎる…なんやこの出汁は…あっさりで物足りないと油断していたら…旨味の暴力…そう、旨味の暴力がわいの口内を支配しよった!」

女騎士「それは我が家に伝わる秘伝の出汁…コッカトリスのガラスープだ!」

鳥「コッカトリスやて…道理で美味いはずや…これに比べたらわいを煮込んだ出汁なんぞカスも同然や…なんちゅうもんをだしてくれたんや…!」

女騎士「我が一族の女は、股からコッカトリスのガラスープを出せる体質を代々受け継いでいくんだ。私は十三代目になる」

鳥「一子相伝のスープか…だからこその、この味か!」

ペロッ

鳥「あかん…体がこの美味さに支配されていく…もう、この出汁無しでは…わいは…」

ドクン ドクン

鳥「はぁぁ…ぁ…ん…ナァァー…」

女騎士「ンフフフフ…どうやら虜になってしまったようだな」

ニマァ

鳥「もっと、もっと飲ませてくれや!」

ハァハァハァ

鳥「飲まな…早よ飲まな死んでまう…う、ぁ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

ハッキョー

女騎士「ンフフフフ…発狂してしまったか…ん?」

鳥「…」

ポゥッ…バシュゥゥゥゥゥ!

ゴウゴウゴウゴウゴウゴウ

鳥「…」

女騎士「と、鳥の体が金色に…な、なにものだ…」

鳥「とっくにご存知なんだろう?」

女騎士「ま、まさか?」

鳥「…」

プリンッ

ダババババ

女騎士「鳥の尻から何かが…これは!」

鳥「餅米と香草類を混ぜたものだ」

女騎士「で、ではこれを私の尻穴に詰めれば!」

鳥「その先は君自身の目で…体で確かめるがいい」

女騎士「はいっ!」

ムンズ

女騎士「はぁはぁ…詰めるぞ…詰め…ん?」

鳥「どうしたね」

女騎士「あの、これ…餅米と香草の他に…トウモロコシが入ってますが」

鳥「あちゃー。昼食べたトウモロコシが消化されずにでちゃったか。あちゃー」

女騎士「まじかよファックス!」

こうして女騎士は
トウモロコシ入りのサムゲタンになりましたとさ。
もろこし、もろこし。

【完】

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