一ノ瀬志希「存在の耐えられない軽さ」【R-18】 (32)

※P×志希、R-18
※ダメ。ゼッタイ。
※エロだけでいいんじゃ! という方は●4以降から読んでください


※一ノ瀬志希
セブンス・ヘブン
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制服
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●00


だが重さは本当に恐ろしいことで、軽さは素晴らしいことであろうか?

その重々しい荷物はわれわれをこなごなにし、
われわれはその下敷きになり、地面にと押さえつけられる。

しかし、あらゆる時代の恋愛詩においても女は男の身体という重荷に耐えることに憧れる。
もっとも重い荷物というものはすなわち、同時にもっとも充実した人生の姿なのである。

重荷が重ければ重いほど、われわれの人生は地面に近くなり、
いっそう現実的なものとなり、より真実味を帯びてくる。



それに反して重荷がまったく欠けていると、人間は空気より軽くなり、空中に舞い上がり、
地面や、地上の存在から遠ざかり、半ば現実感を失い、その動きは自由であると同様に無意味になる。


(ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』第Ⅰ部)



●01

俺が今立っているマンションの一室は、ライフライン以外では、
大きめのベッドと化粧台しか家具がない。
現代日本人が住居とするスペースにしては、最低限以下だ。

そのことが部屋の用途を暗示していた。



「にゃーっはっはー! 必殺の志希ちゃんだーいぶ♪」

俺が部屋の照明をつけると、背中に志希が飛びついてきた。
志希の体にかなり勢いがついていて、棒立ちだった俺はあやうく転びそうになる。

「……仕事中みたいなテンションだな」

「最近、キミには仕事に疲れたダウナー志希ちゃんしか見せてないしー。
 だから、こーゆーエネルギッシュなテンションで、シたくなっちゃってさぁ……♪」

志希は俺に腕を思いっ切り絡みつかせて、肢体を俺に擦りつけながら息を弾ませる。
グラビアで男から目を奪う曲線美が、リアルな柔らかさをもって俺に迫る。

「ふっふー、今日はあたしがプロデューサーに、いっぱいサービスしちゃうから……♪」

志希は、まるで自分の体であるかのように、俺を両手で無遠慮に撫で回し、
ズボンごしに俺の股間の感触を知覚すると、粘っこい吐息をうなじに吹き付けてきた。

「スーツはココが目立つから、まさか……とは思ってたけど。これはこれは……
 部屋に入った時には、もう期待してた? まだナニもしてないのに、んー?」



俺が大人しく志希に従う素振りを見せると、
志希によってベッドに座らせられ、あっという間にペニスを露出させられる。

「さーて、プロデューサーをもーっと元気にしてあげちゃうからねー」

俺の正面で膝立ちになった志希が、両手を俺のペニスに触れさせる。
利き手の右は亀頭をさわさわと包み込み、反対の左は茎をマイクのように握る。

「ツンツン♪ わーお、あったかーい! それを……しゅしゅしゅーっと♪」

膝立ちから俺を見上げてニヤニヤ笑いを見せると、志希は俺のペニスに挑みかかった。

志希の細く繊細な指で、ペニスをいいように弄ばれながら、
俺はその指が、つい数十分前まで志希の顔を覆っていたのを視界にダブらせた。




●02

このマンションにたどり着いて、駐車場に車を置く前の光景。

道中、俺がハンドルを握る横の助手席で、
志希は顔をハンカチで覆ってスーハースーハーとやっていた。

手製りのアッパー系フレグランスを摂取しているのだろう。

「珍しいな。仕事が終わって、事務所にも寄らない直帰なのに、キメるのか?」

「ヘンなコト聞かないで……ニオイだけで良いカンジにトリップするには、精神統一しなきゃなの」

志希は俺の質問をまともに取り合わず、両手でハンカチを抑えながら目を閉じた。
その様子は、ほんの少しだけ祈りに似ていた。



一ノ瀬志希は、容貌・スタイル・運動神経・頭脳と、どれをとっても才能に満ち溢れたアイドルである。
そんな彼女が『おもしろそーだね! あたしにも教えて教えて~♪』とアイドルに興味を持って、
俺に声をかけてきたとき、俺はまさしく天啓だと思った。

志希なら、俺の手で国民的アイドルにしてやれると疑わなかった。
実際、今の彼女は過労寸前になるほど仕事が舞い込んできている。

ただ、今の志希はとても危うい状態だ。
ほんの少しでも歯車が狂えば、アイドルから転落してしまう。



「……なんで黙っちゃうのさ、プロデューサー」

「いや、志希よ。お前さっき『ヘンなコト聞かないで』って」

「キミがナニか喋ってくれないと、志希ちゃんのキモチが昂ぶらないんだよー」

志希はハンカチと手に抑えられて、くぐもった声で俺に抗議してくる。



「……今日の志希は、もう仕事終わりだよな。
 いつもなら、クスリが抜けるのに任せたまま、泥沼テンションになってるのに、
 今日はどういう風の吹き回しか、クスリをスーハーやってるから」

志希は、自家製のドラッグがなければ、仕事ができない状態になっていた。


●03

志希は『おもしろそーだね!』という理由でアイドルの世界に足を踏み入れた。

最初のうち、仕事は何でも上手く行った。やはり才能は本物だった。
それに、志希にとってアイドルという体験が新鮮そのものだったためか、
クスリなんてキメなくても面白おかしく仕事してくれた。



けれど、志希がアイドルとしてステップアップしていくうちに、状況が変わってきた。

プレッシャーがかかったり、理不尽な扱いをされたり、不本意な仕事もこなさなければならない。
また、ほとんど下積みなしで人気を掴んだ志希の立場や、
あるいは志希の才能そのものへの嫉妬が、ほかのアイドルから飛んでくる。
そして売れっ子になればなるほど、息抜きをする余裕も失われていく。

こうした環境では、志希の持ち味であるあのキャラを維持するのは困難だった。
メンタルコントロールについては、志希も普通の女の子以下だった。



ストレスが限界に近づくと、志希は仕事中でも失踪した。
そのたびに、俺があちこち探し回って、やっと志希の首根っこを捕まえて、現場に戻した。
つまり俺は、対症療法しかできなかった。

よく志希にアイドルを続けさせる気になった……そう言われても仕方ない。

なまじ才能があるために、志希へ諦めをつけるのがズルズルと遅れた。
こんな失踪が何度か続いた。

俺もやっと、志希をアイドルにするのは無理があったのでは、という考えが意識にでてきた。



だが、俺が諦める寸前で、志希はパッタリと失踪をやめた。

アイドル・一ノ瀬志希に未練があった俺は、
なぜ志希が失踪しなくなったのか、深く追求しなかった。



志希は失踪する代わりに、クスリで自分のテンションをムリヤリ引き上げるようになっていた。

クスリは香水にカモフラージュされた。
志希なら、ナニかスーハーやってても、『いつもの奇行が出た』で済ませられた。
慣れとは恐ろしい。



もちろん、クスリで高められたテンションは、
クスリが抜けてシラフへ近づいていくに従い、泥沼のように沈んでいく。
志希はそれをひた隠しにする。

でも、俺の目は早々に志希の異変を察してしまった。
そして、今は隠蔽の共犯。状況を悪化させてる。これじゃ薬物乱用のイネイブラーだ。

最近の仕事終わりの志希は、いつも泥沼じみたローテンションだった。

だったのだが、今日は勝手が違う。



「ふっふー、おっきくなってきたね……志希ちゃんでコーフンしてくれて、あたしも嬉しいよー♪」

積極的な志希の姿が――声が、ニオイが、感触が――とても懐かしく感じられる。
アイドルらしい志希の姿――いや、アイドルになる前の志希の素だ。


●04

鼻歌を歌いながら、俺のペニスに頬ずりする志希を見て、つい呟きが漏れる。

「そのテンション、出会った頃を思い出すな……」

「うーん? そーいえば、キミとあたしが出会った時、
 あたしはいきなりキミのニオイを嗅ぎに行ったんだっけ」

志希はかつて――まだ志希がクスリに依存していなかった頃――を思い出したのか、
俺を見上げながら一瞬遠い目をしたが、すぐに焦点を取り戻して、

「でも最初は、アイドルのコトもちょっとだけオモシロそーだなーって気がしただけだし、
 キミのコトもちょっとだけいいニオイがするなー程度の認識だったねー」

志希は、からからと空中に舞い上がる笑い声を上げた。



「だから、あの時はこんなに長くキミに世話になるとは思ってなかったし……
 もちろんこんなヘンタイごっこなんてするつもりも無かった」

それが今や、志希はドーピングしてまでアイドルの仕事をこなし、
別にいいニオイもしないであろうペニスを、俺のためにいじり回している。

その変化を、俺は喜んでしまっている。



「さぁて、今日はあたしがキミを引っ張って、どんどん盛り上げていっちゃうから♪」

志希はそう宣言して、裏筋を舌でべろりと舐め上げた。
ぬらつく粘膜の感触が、指よりも熱く伝わって、俺はつい腰を反応させてしまう。

「ふふーん♪」

ステージ上から投げキスを送るのに負けないほど、媚びをたっぷり込めて、
志希が亀頭にくちびるを落とす。上目で得意気に投げつけてくる視線も愛らしい。
さすがはアイドル、視線の弄び方をわかっている。

「ちゅ……ちゅっ、んん……ふぁ、はあぁ……」

まだペニスはくちびると舌に触れただけで、口内には届いていない。
それを活かして、志希はペニスを愛撫しながら、わざとらしいほど悩ましい吐息を俺に聞かせてくる。

「ふっふー……生暖かいので、どろどろになっちゃえ~♪」

にじみ始めた先走りに、志希が溜め込んだヨダレが垂らされて、
亀頭をてかてか光らせるほど塗りたくる。
一気に滑りが良くなって、志希の手もくちびるも動きが活発になる。

「んちゅ、じゅっ、ちゅーっ、んむむ……」

刺激が強くスムーズになり、志希の手管に俺のペニスも素直な反応を見せる。
血と体温が集まり、角度が高くなり、海綿体が張り詰めて、神経も敏感になっていく。

「ふふっ……キミは、黙ってても饒舌。あたしには、すぐ分かるの。
 盛り上がってくれると、あたしのサービスにも、力が入っちゃうね……」

志希は俺の反応を窺いながら、俺の弱点を見通そうとする。
隠し通すのは無理だ。彼女の観察力は、科学実験以外にも発揮されるらしい。

「それっ、もっと……あたしが、キミを、気持よくしちゃうんだから……♪」


●05

志希は膝立ちのまま上着を肌蹴て、下着をぱさりと床に落とし、上半身の素肌を晒す。

「ねぇ、見てプロデューサー、あたしのおっぱい……ちょうど、去年の今と同じ頃に、
 本格的な水着グラビアのシゴト、キミが取ってきてくれたよね……」

志希のバストは、俺が片手で覆うには少しだけ溢れるか、というボリューム。
お椀型の整った形は、下着や水着の戒めから解き放たれて、
若々しい弾力と成熟した包容力の混じった果実を、惜しげも無く俺に見せつけていた。

「ファンの皆を釘付けにしちゃうこのおっぱいで……キミのソレをむにゅむにゅっ、
 としてあげたら……とっても、ステキだよねー。ふっふー♪」

志希の肌は、既にうっすらと汗が浮いていた。俺の鼻腔にも、志希の甘さがかすかに伝わる。
志希はくちびるを半開きにして、さらにヨダレをたらし、汗ばむ肌に上塗りする。

「さぁ、立ってプロデューサー……もっとイイコト、してあげる♪」



ベッドから立ち上がると、志希が背中を曲げずともペニスに触れられる高低差になる。

「事務所には……あたしよりも、おっきいコがいるケド……負けないもん。
 カラダが全てじゃないよ? テクニックと……あとはトーゼン、愛情が大事!」

志希は自信満々の面持ちで、胸の谷間に俺のペニスを挟み込む。
すっかりペニスを覆い尽くす――には足りないが、
乳に包み込まれる柔らかさと、肉の向こうに潜む胸郭の硬さのコントラストが味わえる。

「愛情……? 愛情、か」

「ナニさ、その反応っ。志希ちゃん、プロデューサーのコト愛しちゃってるよー。
 ほらほら、もっとドキッと可愛い反応してくれちゃうと、もっと嬉しいんだけどなー」

志希は軽口を叩きながらも、膝から上の全身を使って、俺のペニスに胸を擦り付ける。

「志希ちゃんは、こー見えて純情なのだー。こんなイヤらしいこと、スキな人じゃなきゃ、できないよ」

志希のパイズリは、胸の膨らみばかりではなく、手も腕も使って俺の下半身を抱擁してくる。
上目遣いの視線が、俺の支配欲をゾクゾクとくすぐる。

「あー、プロデューサーっ、顔赤くしてるー!」

「これは、お前に興奮して……前からだよ、前から」

「実は、あたしの囁きにグッと来ちゃったりとか、した? した? んふふー♪」



もし、志希が俺のことを憎からず思ってくれているのなら。
それを利用して俺は、志希に無理を言ってアイドルを続けさせていることになる。

志希がアイドルに――それもトップアイドルに――なるのは、俺の望みだから。
失踪するのを止めたのは、俺のために志希が自分を押し殺すと決めたから――自意識過剰だろうか。

それでも、志希が『愛してる』と言ってくれた瞬間、俺は心が躍った。
そんな自分が、恥知らずで浅ましい。

「あっ、ふふーん……びくん、って動いたー、コレ、イイでしょ? プロデューサーっ」

志希がニコニコと笑いながら、胸で挟んだペニスを舐めた。
俺はまだまだ浅ましくなってしまう。



「志希……お前の乳首、コレに擦ってくれないか」

「うわぁ、またやらしーコトを。プロデューサーの、ヘンタイ、ヘンターイっ」

志希は、ケタケタとわざとらしく俺を罵った。



「その方が、志希も気持ちいいだろ」

俺の提案に、志希は挑戦的に応えた。

「コレであたしのおっぱいを楽しませてくれるのなら……すぐに出しちゃ、ダメだよ?」

●06


志希は両手で自分の乳房を寄せて俺のペニスに圧力をかける。
さらに、肌よりもほんの少し引っかかる乳輪と、既に硬くなり始めた乳頭がペニスをかすめる。

「ん……ふ、うっ、んんっ……♪」

「なんだ、志希も満更でもなかったか……なんだか、普段よりそこが敏感になってないか?」

「にゃははっ……一緒に気持ちよくなるのは、格別の気分だからねー」



しゅっしゅっしゅ、と肌がこすれ合う音が、汗や先走りやヨダレやらにまみれて、ぬらついてくる。
ローションも使っていないのに、志希の肌が妖しく照り返す。

「んっ、あっ、ふーっ、んんっ……ねぇ、どーかな、気持ちいい?」

志希は、俺のペニスの弱点を完全に把握した力加減で乳愛撫を加えつつ、乳首を執拗にこすりつけてくる。
俺を自慰の道具として使っている風の痴態を見せつけてくる。

売れっ子アイドルである――俺がその身分に志希を縛っている――にもかかわらず、
進んでこんな淫らな奉仕をしてくれる志希が愛おしく、それを自覚するのが苦しい。

俺は手を伸ばして、志希の頭を撫でた。

「可愛いなあ、志希……それに、とってもイヤらしい……」

「んもー、そっち? いや、嬉しいけどさぁ」

志希は愛撫の感想を聞きたがっていたが、同時に俺のありふれた賛辞に目を細めた。



「はぁ、んはぁ、あっ……ちくび、ジンジンしちゃう、よぉ……っ」

ダークブラウンの癖っ毛を振り乱しながら、志希はパイズリを続ける。

「ふっふー……出したいなら、言っちゃってー。志希ちゃんが、受け止めたげるから」

志希は、本気で射精させようという動きではない。
自分も楽しみつつ、もう少しで射精できる、という乳圧と動きを維持している。
まさに、お気に召すまま、という具合。

「んー……今は、志希に任せてもいいか? せっかくだし、志希にリードしてもらいたい」

「おーけー、さー! 志希ちゃんのスペシャルテクニックを披露しちゃうぞ♪」

言うのと同時に、志希は胸で包み込んだままのペニスをぱっくりと咥えた。
胸と、乳首と、加えてくちびると舌が一気にペニスへ襲いかかる。
総攻撃の快楽が急激で、俺はあやうく腰砕けになるところだ。

ああ、これは長く持たない――と思うと、内心が顔から漏れてしまって、
下からペニスを頬張りつつ見上げてくる志希の目が、心底嬉しそうに緩んだ。

志希は、スペシャルテクニックとか言いつつ、ペースはむしろ少し落としている。
動きを激しくしたりして、あからさまに射精を急かしたりしない。

が、志希の丹念な愛撫は、確実に俺を限界に押し上げていく。
しかも、俺一身のキャリアを懸けてプロデュースしている志希に、欲望をぶつけている――その背徳感が、
手足も胴体もふわふわと溶けそうな恍惚をもたらして、我慢しようという意地も曇る。

俺のペニスがまさに射精を迎える寸前、志希は合図もしないのに、ペニスを深く咥え込んだ。
俺は吸われるがままに、志希の口へ、舌へ、喉へ精液をぶっ放した。
焦らされたペニスは、もう二度、三度と震えて、志希が上体を軽く震わせ、ロングヘアが揺れた。



志希は俺のペニスを口内から解放すると、口元を両手で覆いつつ、ふぅ、はぁ、と妙な音を立てていた。
そして目を閉じ、そのまま呼吸の何回か分、膝立ちで惚けていたかと思うと、
ややあってコクンと喉を鳴らした。やっと俺の精液を嚥下したらしい。

「……ふふっ、ごちそーさま、プロデューサー♪」

ああ、口に精液を溜めたまま呼吸して、鼻でも味わっていたのか。
ここまで堪能してもらったら、精子だって本望かもしれない。


●07

志希は、角度を取り戻した俺のペニスを見ながら、ピリピリとコンドームの包みを開けた。
体液にまみれた俺と志希の間で、ビニールの裂ける音が、妙に乾いて聞こえる。

「ゴムってさ、えっちいよねー。セックスの意義のうち、生殖を完全に否定して、
 キモチよーくなるためだけの行為にしてしまうの」

「快楽主義の産物だよな」

ステージ上のように目をキラキラさせた志希が、べとついた素肌を晒しながらコンドームを弄ぶ。



「だからコンドームを触ってると、まさに理性が肉欲に妥協しちゃってるってカンジがするねー」

「俺の理性は、完全に欲望へ負けてしまってるな」

避妊をすることで、男の責任を果たした気分だけはあるが、それはただの誤魔化し。
プロデューサーがアイドルと肉体関係を持っている時点で、俺はもう真っ黒である。
格好だけで役に立たないところとか、まさに免罪符や贖宥状と同じ。

「だいたい、気持ち良くなるためだったら、オーラルのが融通利くのに」

「そーかもしれないけどさー、雰囲気ってものが……やっぱ挿入が、ゴムが必要だよー。
 えっちは、ココでつながらないと、ココロが満たされないってゆー、ねぇ?」

志希はコンドームをあっさり俺のペニスにかぶせてしまった。

「ホントはお触りNGのアイドル、キミだけは別だよ♪ ふっふー!」



志希は俺をベッドに仰向けで寝かせると、天井を向いたペニスの上にまたがった。

「ネムれない夜 こーの身をさいなむ煩悩~♪」

アイドルらしい雰囲気を盛り上げるためか、志希が歌を口ずさむ。
顔と声は作り物の媚態をふりまき、下半身は抑えきれなくなった欲望をあられもなく垂れ流す。

「焦燥感――耐えられないなら~♪」

志希を下から支えるため、俺は両手を上に伸ばす。
手が触れる。指が絡まる。握り合う。ぎゅっと力強く手のひらを合わせる。

「「その名はAgent――」

「そういう歌、好きか? 志希」

「ヒトをキモチよくさせるって、まさにアイドルらしいじゃない? カッコいいし」

「――恋と欲望、弄ぶ詐欺師、か?」

「それはどーかなー? じゃ、失礼して――♪」




●08

「んっ――あっ、ふぁああっ! カタいの、キちゃって……♪」

志希の中は、隙間をかき分けるようなキツさは感じない。
穴に突っ込むというより、手コキやフェラの延長線上で、
粘膜と肉によってペニスを包み込まれている感触。

「俺からは触ってもいないのに、もうこんなに濡れて、興奮してたのか?」

「だってぇ……しょうがないじゃないっ」

「最高じゃないか、志希」

俺がムードもへったくれもない賛辞を投げると、志希の笑顔にはにかみが割り込む。

「もっと褒めてぇ……褒めて褒めてーっ、キミのコトバで、まだ動けそうだから……っ!」

――『まだ』だって?



ああ、切れ始めてるのか。クスリが。
焦らしたら、志希は途中で息切れするかもしれない。



「あっ、ハ――あっ、だめ、ダメェ、切らしちゃ――」

俺は騎乗位で上になった志希を、腰を使って下から突き上げる。
焦燥感に憑かれた俺が、力を込めて抽送を始めると、
志希は俺の上で飛んでいってしまいそうなほど軽く弾む。

「あたし、キミのアイドル、だから――んああっ♪」

上からすぐさま志希の反撃。
俺の形に包み込んでくれていた粘膜が、襞の一つ一つを絡みつかせ、
コンドームの存在を忘れるほどに迫ってくる。

「あたしで、イカせて、あげたい、のっ!」

志希のペースが速まる。
肩で息をしながら、ウエストまで引き攣らせて上下にストロークを仕掛ける。
肌と肌の間で水が押し潰され、弾けて、ぱちゅんぱちゅんと音が散らばる。



「あっ、ふあぁあっ! ひっ――あ、っ、う――ああっ!」

「志希……パイズリのときから、焦れてるんだろ?」

切れる前に終わらせたいなら、先にイッてもいいのに、と語りかけると、
志希は長い髪が首に引っかかるほど、ぶんぶんと首を横に振る。

「だから、ダメだって……あたし、だけが、先に……イッちゃ……っ」

けれど、今の志希が欲情して高まっているのも明らかだ。
俺は志希ほど五感が敏感ではないが、見て、触って、聞いて、とこの3つだけで今の志希は分かる。

中が強く擦れたり、奥にペニスがあたったりすると、志希は何かへ耐える風に瞼を歪める。
締め付けてくる膣の感触が悲鳴じみた痙攣を起こす。高く細く空気を突き刺す嬌声が飛ぶ。

「あっ、ふぁ、はっ、あああっ、んん……っ」

いつもは勝手な志希が、今日は一緒にイキたいらしい。


●09

「プロデューサー……ねぇ、キモチ、いい? もっと、シちゃう……?」

覚束ない呼吸のまま、志希は騎乗位の追い込みにかかる。
ライブの最後の曲で、クライマックスまで観衆のテンションを持っていくときの顔つき。

今の志希を感じられるのは俺一人だが。

「アイドルは……自分がキモチよくなってるだけじゃ、ダメ……
 ヒトをキモチよくさせるんだって、キミが教えてくれたからね……♪」

志希は俺を見下ろしながら、両腿をもぞもぞと動かしたり、腰を前後に揺すったり、
下っ腹に力を入れたり緩めたり、膣内に突っ込んだ俺のペニスに絡んでくる。
俺もだいぶ射精が近づいてきて、志希にされるがまま反応させてしまう。

「あっ、んんっ、うご、いて……ふっふー♪ イイの? これ、スキ?」

この体勢で両手を握られているものだから、
本当に志希に手綱を握られ御されている気分だ。

「そーだよー! あたしが、キミを、スゴいとこまで、連れて行っちゃうの……
 あたしを本気にさせちゃったんだから、最後まで、付き合ってよね♪」



限界が見えてくると、志希はなお楽しそうに蠢く。
絶頂まで書かれた筋書きを、めいっぱい演じてこちらを高めてくれる。
志希の熱く湿った肌はこんなにいやらしいのに、動きがアイドルのパフォーマンスと重なる。

「そーよ、乱れるヨロコビをー♪ あっははっ、あ――んああっ♪」

志希が腰を使い、ぷるんぷるんと揺れる胸――さっきパイズリしてもらったのを思い出す――には、
志希がだらだらと垂らした滂沱のヨダレが跡を作っている。
あ、また一筋増えた。志希は、もう口まで緩んでしまってる。

「あ、っんひっ、んあっ、あっ、ふぁっ、ああっ!」

末期じみてきた嬌声が、耳殻から鼓膜を貫いて意識をくすぐってくる。
もやが立ちそうなほど火照った曲線が、俺を搾り取ろうと迫る。

「あ、んあっ! ひゃっ、んんっ、ふあぁああ……っ!」

鼻にかかっていた媚態の声が、余裕を失って張り詰めた糸と化す。
これが切れるとき、志希のアイドルも終幕となってしまう。


●10

「志希、いいぞ――お前は、最高のアイドルだ」

俺が最初に信じた偶像とは、大事なところが違って歯車が狂っていても、
志希は疑いようもなく最高のアイドルだ。

「……にゃはは……っ♪ キミに、そー言われただけで、イキそうに、なっちゃったよー……」

そして俺も志希に引っ張られて、体がガタつくまで突っ走る。

「あっ♪ んあっ、ひゃっ、はぁあっ! も――もう、イク、イッちゃう、よぉ……♪」

俺が達しそうな気配を察したのか、志希は最高潮で躍り回る。
志希の膣内は柔らかく力強く俺を催促し、ついに俺も耐え切れなくなる。

「あっ、んあっ、あっあっ――ふぁああっ――っ」

俺はこみあげてくる衝動に屈して射精した。
ほんのわずか遅れて、志希も媚びた嬌声を途切れさせる。
一瞬、驚いた表情でくちびるをぱくつかせ、やがて爆発的な悦楽にかんばせまで侵食されていく。



「あ――ん、あっ、やぁ……い、イクとこ、み、て……あっ……♪」

媚態――アイドル最後の衣装を剥がされながら、
志希はかくん、かくんと背中を反らしたり倒したり、
ふらふらと俺の上で彷徨わせたあと、不意に崩折れて前に倒れこんだ。

俺は志希の上体を受け止めた。

「あ……ふぁあ……ぷろでゅーさー……」

寝転んだまま、すぐそばで抱きしめた志希の体から、急速に意識が遠のいていく。

「あたし……ちゃんと、できた……? ねぇ……」

それから、志希の声はぷっつりと切れた。
志希の体重が俺へまともにかかっているはずなのに、不思議なほど重さを感じなかった。
ただ俺の腕に、ぜぇぜぇと息をつく行為の余熱が縋り付いていた。

中断します

いつもの人だ……嬉しい

再開します


●02-01

あたし、思うんだけどさ。

キモチいいって感覚は、ほかと比較にならないほど儚いよね。



たまに、フツーのコイビトの真似してプロデューサーと愛し合ってみる。
すると終わった後、沸騰するぐらいにアツかった体温があっさり引いていって、
それがとてつもなく物悲しいのに、抗う気力も体力もなくて、そのまま眠りに落ちてしまう。

そして目が覚めたら、全部ウソみたいになってるんだ。そしたらもーダメ。
肌のべとつきも、キミの男臭い残り香も、シラフじゃエグ過ぎる。



それに比べて、痛みってやつは、なかなかしっかりしてる。

ちょうど、キミに処女をあげちゃった翌日、
ズキズキしてヘンな歩き方になっちゃったように、シクシクと肉体にしつこく残る。
あたしは足取りに纏わりつく痛みで、やっと、ああキミにオンナにされちゃったんだ、と実感できた。

地に足が着いてるんだよ、痛みって。



快感は違う。
それに身を委ねたら体が軽くなって、飛んでいってしまう絶頂感の果ては、
イカロスみたいな死への墜落が待っている――そんな気がする。

こんなあたしは、無邪気に羽ばたくことができない。



それでも、キミがあたしに、ふわふわと舞い上がるアイドル役を望むなら。

あたしが全ての意味を失って絶え果てないように、
キミのその重さで、あたしを現実へと縫い止めておいて欲しい。





ねぇ、プロデューサー。

キミは学生時代に……学校でシたコト、ある?



あたしの今の高校は警備がユルイから、さ。
一回、シてみようよ。学校で制服JKとセックス。

オトコのヒトって、そーゆーのスキ、でしょ?




●02-02

プロデューサーは、静まり返った高校の廊下で、
外来用のスリッパをパタつかせてあたしの後ろを歩いている。

「誰かと顔を合わせても、しっかりフォローしてあげる。だからキミも堂々としてね。
 あたし、学校では品行方正なんだヨ? みんな信用するって」

学校は夏休みだから、ここに来るのは部活の生徒が大半。
運動部はグラウンドか体育館で声を嗄らし汗を流して頑張っている。

制服組の文化部も、校舎のどこかで活動してるのかな。
ま、しててもクーラーの効いた教室からわざわざ出ないでしょ。



目当ての場所は、学校の理科室――なかでも、化学室だ。
今日、化学部の活動がないのは、付き合いのあるコから把握してる。
あたしが化学アイドルで売り出してるから、みんな警戒心薄くてホイホイ教えてくれる。

学校にいる間のあたしは、フツーのJKなんだけどねぇ。



クラスの教室と違って、こーゆー各教科の教室はカギはかかる。
お邪魔虫が近づいてきても時間稼いでくれて、
あたしならカンタンに開けられるちょうどいいカギだ。



あたしがドアを開けた化学室は、誰もいなくて締め切られていた。
夏の熱気にされるがままムワムワとした空気を籠らせていた。

「外から声が聞こえるね……これは、サッカー部? 野球部? 雰囲気、あるじゃん♪」

あたしに化学室へ招き入れられたキミは、あたしが施錠するのを見て、喉を鳴らした。



それだけやる気があるなら、十分だね。
キミをソノ気にさせるために、あたし、ここまでお膳立て整えたの。
あとはキミがあたしを満たしてちょーだい。




●02-03

スラックスから解き放たれたキミのおちんちんは、
同じ人間の器官とは思えないほど暴力的に膨張してる。
現役JKと、学校でヤラしいコトしちゃうシチュに酔っちゃってるのかな。

「ねぇ……ガチガチにしちゃったソレで、どんなコト、シてくれる……?」

キミは無言で指図する。
それに従って、あたしは理科室の床に座り込んでおクチを開ける。

するとキミが、そのドロドロに性欲の漲ったおちんちんを、
あたしのクチに突っ込んでくれる。ツーカーだねーもー。



「んぐ……っ! ふ、うう、うぉおっ、んうっ……」

あたしは、おクチをキミのおちんちんでこじ開けられて、
奥深くまでグリグリねじ込まれるの、スキ。生易しい手つきのキモチいい愛撫とは違う。
あたしのままならないココロをねじ伏せて逃さない圧迫感がある。

息苦しさ。圧迫感。今は、炎天下を歩いてきた汗臭さもある。ねぇ、コーフンしてる?
あはは、学校に入るために制服着込んできたけど、
普段と違うあたしの服装が、キミを煽ってるんだ。

いつもと違う服着るだけでこんなに違うんだ。
そりゃ、キミも熱心に衣装を選んでくれるハズだよね。



「んぐっ、ウウっ、んうぉっ、んぐぅううっ……!」

粘膜をごりごりされる。あたしは、アタマを掴まれてシェイクシェイクっと。
頭蓋骨に詰まった脳漿がたぷたぷして、セットした髪もぐちゃぐちゃにされる。
反射でえずいても、酸素が足りなくて視界がクラクラしても、まだまだこれから。

キミがあたしのバイタルを乱すと、あたしの本能がアラームをやかましく鳴らして、
茫洋とした不安が意識の外に押しやられていく。

舌、使う? それとも、歯を立てちゃう?
痛いかな。でも、痛いって悪くないと思う。
キミなら、あたしのキズの印をつけてくれてもいいよ。

でも、あたしはアイドル。
人目に晒す肌へキズをつけちゃいけない。
前に首絞めをねだったら、アザが残っちゃって取り繕うのがタイヘンだったっけ。

だから、キミだけが触れてもいいトコに、あたしは痛みや苦しさを求める。
ああ、あとイラマチオだと、首をムチ打ちにされたり、アゴをガタガタにされるのもたまらない。



「あぐっ、うぁ、んっ、お、んぉっ――けほっ、かほっ――んぐうぅうっ」

クチに物を突っ込まれて……前後されて……反射で唾液が滲んで、溢れて、ぽたぽた落ちる。
呼吸ができなくて息苦しくなる。肺腑までキミのおちんちんに占領された気分が味わえる。

肺なら、いいよね。
ディープなファンだって、声さえ出てりゃ、あたしの呼吸器は気にしないでしょ。






●02-04

イラマチオ。あたしは、されるがまま。キミはあたしのためにヘコヘコ腰を使う。
あたしが手を握って合図を飛ばすまで、キミはオトコの凶器であたしのおクチを抉る。
あたしが涙目になっても、白目剥いても、失神して何か漏らしちゃっても、ずっと。

そーゆー約束でしょ? だから、止めないで。
ヒトが来ても、だよ。



キミがあたしを前後させる、乱暴な手の動き。強引で、気遣いを振り捨てて、
あたしを責め立てるために――正直、キミはイラマチオってフェラほどスキじゃないよね?――
ガンガン押してくる。あたしが沈められていく。呼吸ができなくて朦朧としてるのに、奇妙な安心感がある。

あ、おちんちんびくってなった。
近いね。そろそろ? いいよ。でも、出すときは、奥。喉、ね。



先走りの味。ニオイ。
ああ、近いね、間近だ。
この予感、ゾクゾクする。中まで、キミが届かせてくれる。



「んぐ――っ! ぐっ、ごぼっ、お゛っ、んお゛――っ!」

射精の前兆で、ぶるっと震えたキミの腰に、あたしは手を伸ばす。引っ張る。
奥、奥、もっと、詰まっちゃいそうなぐらい。アツくてオトコクサいそれで、満たして。

びゅー、びゅーっと、粘膜を、どろどろとした精液が襲う。
キミは息を乱してるね。でもそれは、あたしと違って、快楽のせい?

じゃなきゃ、こんなコトしてくれないか。
フツーは、痛いのとか、苦しいの、キラわれちゃうもんね。

ぐりゅっ、ぐりゅっって、吐き気がするほど、精液まみれのおちんちんで、ナカまでいじめて。
吐き気? キミにされるなら、いいもんだよ。
キミの熱さやニオイが、気道や食道の軋みを通して、心臓まで届きそうだもん。

アタマ、髪の毛、頭蓋骨――もっと、ガッと掴んで。振り回して。
あたしのオカシな頭脳は、リミッター飛んでるの。
放っておいたら、どこ行くか分からないよ。

だから、キミがしっかり捕まえて。
痛み、苦しさ――逃げようのない感覚で、現実とあたしを結びつけて。




●02-05

キミのおちんちん、上のおクチで堪能したら……次は、下だよね。
あたし、教壇に手を突いてみようか。ふふ、教室の椅子が並んでるの、見えるね。

普段は、あたしの同輩、ぴっちぴちの女子高校生や、ムラムラの男子高校生が、
ここで実験とかしてるの。そう妄想すると、公開セックスみたいな気分、ならない?

上の方ばっかり相手してもらってたら、下のほうが嫉妬して、
ぐずりだして……ちょうどいい濡れ方、かな?

あんまりしっかり濡れてると、ヌルっとスムーズに入っちゃって、
なんかおアソビみたいにキモチよくなっちゃうもんね。

痛みが無いと物足りない?
それもあるけど……あんまりキモチよくなっちゃうと、終わった後の落差が、怖い。



え、ゴム? ダメだよ、ナマじゃなきゃ。コンドームなんかつけたら、
あたしはキモチよくなるためだけのオモチャじゃない。そんなのアイドルと一緒。

だいたい、ここじゃコンドームなんて着けててもなんの免罪符にもならないの。
担当アイドルが通ってる学校で淫行とか……いやー、もー、ねぇ。

……それがいいんじゃない。ふっふー……。



もしあたしが、明日キミの前から消え失せたら、キミはあたしを探してくれるかもしれない。
けれど、そのときのキミは、あたしと同時に、あたしの代わりができるアイドルを探している。

そうじゃなきゃ、プロデューサーとしてちゃんとしたおシゴトができないでしょう。

プロデューサーから見たアイドルは、代替可能。そうじゃなきゃならない。

だから、アイドルやってると、ね。
自分がどんどん軽くされて幻想のなかで高く舞い上がって、
そのまま戻ってこれなくなっちゃうんじゃないかって、ゾッとする。

……あたしの場合、自分の意志だけじゃダメで、
おクスリ頼ってアイドル続けてるから、そのせいかもね……。



そー。これ、アイドル活動の副作用。
あたしをアイドルにした――アイドルを続けさせた、キミのせい。

それなら、キミがセキニンもって、あたしを引き戻してくれなきゃダメだよね。



そのおちんちん、あたしのナカ突っ込んで、キリキリと痛いぐらいにあたしを開いて、
子宮が跳ねまわっちゃうぐらいガンガンついて、アツいドロドロの精液、出して。

そしたら、あたしがココにいるって実感できるの。

ファンも、事務所のみんなも、だーれも求めてない、見られたらドン引きされちゃう、
そんなどよーんとした泥沼のあたしがココにいるって……いてもいいんだって、実感できるの。



●02-06


「あ゛っ――ふぁっ、あ、う゛――はいって、キた――っ」

あたしの催促に折れたキミが、さっきクチで味わったおちんちんを、あたしのおまんこにねじ込む。
あたしのナカが十分に温まってなくって、粘膜の摩擦で痛覚神経が掻きむしられる。

キリキリ、ミシミシ――これぐらいがいいんだよ。
濡れ過ぎず、ナカを傷付け過ぎず――痛くなきゃ、ダメ。



あたしは教壇の上に組み伏せられて、ひたすらキミに突かれるがまま。

シて、シて、激しく、クラクラするぐらい。
あたしの体、キミとつながって、どんどんワガママになる。
でも、まだ。もっと甘やかして。じゃないと、あたし、どこかイッちゃう。

キミが、制服のスカートごしに、あたしのお尻を鷲掴みにする。
そうだよ。そこ、オンナのコの、アタマやハートに負けないぐらい、大事なトコ。
しっかり、キミのモノにしておいて。



「ねぇ、奥まで、突いて。ぎゅーって、シて」

自分の体のコトは、ホントはよく分からないママ。
みんな、解剖学とかの知識を仕入れて、分かったと思い込んでるけど。

でも、自分の体を、ソコに突っ立ってる人体模型みたいに、
肌剥いて見る訳にはいかないでしょ。

いいや、肌を剥いたとしても――あたしのアタマに、ココロに、
突き刺さってくる神経のパルスは、目で見えないし、数値に還元した瞬間、
それは記号の羅列と化してしまう。これじゃ、もう体で感じられない。

こーしたら、こーゆー反応して、あたしはこーなるんだ、なんて。そんな単純じゃないんだ。
そこまで単純だったら、香水と同じように、あたしがカンタンに操作しちゃうのに。

度し難いんだよ、この体って。あたしのココロに、平気で逆らう。
クスリが無きゃダンスも踊れないし歌も歌えない。

でも、あたしのココロが入れるのは、この肉体だけ。



ホラ、もっと突いて。
横隔膜がひしゃげて、五臓六腑が潰れちゃうほど、突いて。
あたしが、余計なコト考えられないように、シて。



●02-07

パン、パンっとキミがストロークを続けてくれる。
乱暴なカンジ――サイコーだよ。キミ、あたしのコトよくわかってる。

あたしのナカのどうしようもないトコに、キミのおちんちんを釘付けにしてくれる。
乱暴なピストンで、えぐられて、ヒリヒリして、その感覚が、あたしをココに居させてくれる。



でも、あたしたちがやってるのは、セックス。
それも、勝手知ったるオトコとオンナ、体を委ねて重ねあってる。

叩きつけられたペニス、何度目かの衝撃。
あたしの痛みに、ノイズが混じる。本能が快楽を呼び覚ましてる。

「あっ……ふぁああっ! だ、ダメっ、もっと、ムチャクチャじゃなきゃ、ダメなのっ……!」

ダメ。
キモチ良くなっちゃ、幸福感に呑まれちゃ、ダメ。

「キモチ、いいの、ダメ、だって――んあああっ、はあぁああっ!」

だって、このキモチ良さは、持ち上げて、持ち上げて――でも、結局あたしを落としてしまう。
どんなトリップにも終わりがやってくるけど、
このトリップの終わりに、あたし、耐えられる自信が無い。



ああ、でも、キミは、もうキモチ良くなるコトでアタマがいっぱい。
あたしのワガママボディも、ナカをきゅんきゅんさせて、喉も声も肌も粘膜も筋肉も勝手に媚びて、
ヨダレをだらだら垂らして、犬みたいにハァハァ言ってる。

やだ、キモチ良過ぎる。
終わったあと、落差であたしが壊れちゃう。



腰、ガッて捕まえられてる。制服がぐしゃぐしゃに乱れちゃう。
スカートごしでも、そんなにされたら、もうメチャクチャ。

そんな奥を、強引に、パイルハンマーみたいにねじ込まれて、
内蔵までぐりぐりされて――痛い、苦しい――あれ? キモチ、いいの?

「あっ……ぐ、あ、ふぁっ、おおっ――ナカ、ひびいちゃ――あっ」




イヤ、やめて、キモチいいの、イヤ。
キモチよくなるだけなら、クスリで、できるの。
でも、キミはクスリと違う。代わりが利かない。

かけがえのないハズの痛みが、霞んじゃう。
お腹の奥をコツコツされて、子宮が震えて、脊髄がショートして、アタマを弾けさせる。

「んぁあっ! う゛ぁっ、あぐっ、あ、あっ、あっあっ、ふあああっ!」

教壇でもがく。足が震える。
キミがいなきゃ、もう立ってられない。


●02-08

キミは腰をぐりぐりと回して、ナカをまんべんなく擦り上げる。
一旦引いたあと、勢いをつけて一気に突き刺す。苦しさと快楽があたしをつんざく。

「こ、これ、や、やらぁっ! キモチ、よすいて……っ!
 イッちゃ、イッたら、あたし、あたしっ……こわれる、こわれちゃうっ」

あたしの哀願で、キミはさらに勢いづく。
ああ、煽っちゃった。でも、なんだろ。
この間、アイドルっぽくしてえっちしたときより、ガンガン強くシてくれてる。

あれ? キミは、こっちのあたしのが、スキ?

「――んああっ♪」

もう、そうとしか思えなくなる。願望が理性をねじ伏せる。



あたしのココロがどうであろうと、キミの愛撫の手つき、おちんちんの一突き一突きが、
あたしの体へ確かに焼き付いてて、それを掘り起こされる――あたしの体、もっとワガママにされる。

「そ、ソコ――ふかい、のっ! されて、あ、あっあっ――」



キミにシてもらって、イキたいって、あたしの体、叫んでる。
あたしの恐怖感さえ、麻痺させる。

「あ――ふあぁあっ♪ ひゃぁっ、あ、ああーっ!」

あたしの体――ホントに、勝手。
動いて欲しいように動かない。
感じて欲しいように感じてくれない。

「もっと、もっと――強く、シて、抱いてっ、あたしのコト――捕まえてて……っ」

ああ、だから、キミがそばに居てくれなきゃダメ。
キミを頼りにしないと、あたし、ちゃんと戻ってこれない。

どんなにふわふわと好き勝手舞っていても、戻ってこれるように、紐で縛り付けて。
体が弾けるほどイッちゃっても、戻ってこれるように、腕で苦しく痛いほど抱きしめて。



「ふあぁあ、おああっ、んんっ――うあぁあっ!」

ああ、近いんだ。射精。キミの、その動き。
分かる、覚えさせられちゃったもん。

「ぷろ、でゅーさー……っ、ナカ、だして、あたしの――」



ナカに出されたら、あたしは、アイドルじゃなくなっても、キミのそばに置いてもらえる?

たとえそれが、キミの罪悪感につけこむコトであっても。



「――あぁあっ」

朦朧とした意識に、最後の抽送と、キミの痙攣が入り込んでくる。伝導しちゃう。
ナカ、出してくれたのかな。あの、粘っこくてオトコクサい、アレ。

感じないなぁ、ナニも。精液の感触。当たり前か、ココ、そーゆー器官じゃない。
あたしは、キミの息遣いで、辛うじてソレが為されたと察する。



「……あはぁっ……♪」

キミが、あたしを教壇へ押し付ける。キミの体で下敷きにされる。
そのどっしりとした重さが、あたしを甘やかな眠りに誘う。

今なら、このまま眠っても、あたしのまま、キミのそばに帰ってこれる。
そうだよね――信じてる、から。


●02-09

とあるハコでのおシゴト前。
あたしは、ステージ脇で自作のパフュームをこっそりと嗅いだ。

シューコちゃんに見つかったけど、
『これはあたしなりのジンクス、願掛けなんだよ♪』って押し通した。

非科学的な理屈こねちゃったから、怪しまれちゃったかな。



ステージに上った。
スポットライトは、太陽のように眩しく熱い。
あたし手作りの蝋の羽は、この熱に耐え切れず溶けちゃうかもしれない。

でも、もう逃げられない。
ここは空気より軽く、光より華々しい存在だけが舞える特別な空。



メロディが始まる。
これは、この輝かしく茫洋としたキミの声が届かない空間で、
あたしに指図してくれる唯一の声だ。



『たとえ 孤独が滲み始め 足が震えていても』

アイドルとしてステージに立ってしまえば、
キミはあたしのそばにはいられない。
このステージから降りた時、あたしはあたしのままで、キミの元に戻ってこれる?

『遠い日の約束 叶えなきゃ 掴まなきゃ 絶対』

出会ってすぐ、キミがあたしに言ってくれた。
志希のこと、絶対にトップアイドルにしてやる――って、約束してくれた。

トップアイドルの座は、今よりも、もっと太陽に近いのかな。
熱くて、眩しいのかな。

そこから泥沼まで一気に落ちたら、イカロスみたいに死んじゃうかな。



ステージのボルテージが上がる。
Cメロだ。メロディ――唯一の道標が、あたしを空高くまで衝き動かす。
光にあぶられた肌の下で、あたしのナカのクスリが溶けていく。

『シャボン玉 みたい夢が 膨らんで いろんな想いを乗せて 旅立つ』

あたしは、キミがあたしを受け止めてくれると信じてる。
信じてるから、ココからもっと高いトコまで、行っちゃうよ。



『どこまでも 遠くへと』

その代わり、キミにお願い。



どんなにふわふわと好き勝手舞っていても、戻ってこれるように、紐で縛り付けて。
そうしてくれたら、あたし、どんな高いステージにも羽ばたいていける。

体が弾けるほどイッちゃっても、戻ってこれるように、腕で苦しく痛いほど抱きしめて。
そうしてくれたら、あたし、キミの元にちゃんと帰れる。



頼んだよ、プロデューサー。





(おしまい)

お粗末さまでした



蛇足として一つ白状しますと
私は『存在の耐えられない軽さ』を読了してないです

とりあえず冒頭は飛鳥とかが食いついてくれそうな内容です

飛鳥にオススメして、途中でえっちぃ場面がでてくるところも読ませたいです


では

乙やで
まさかこの板でミラン・クンデラの名前を目にするとは思わなんだ


こう…うむ…良い…



>>29
子を産む良い?(難聴

乙です

志希がいとおしくなった

退廃的な良さがあった
イイ

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