社長「ティンと来た!」ミスティア「?」 (98)
初めてSSを書きます。
VIP初心者ゆえ書き込みはかなり遅めです。悪しからず
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370269328
社長「なかなかいい面構えをしとる。君、是非ともウチの事務所に来てくれたまえ!」
———そう言われて早くも3日。
私、ミスティア・ローレライは765プロの一員になっていた。
春香「香菜ちゃん、おはよう!」
ミスティア「おはよう春香。今日も頑張ろうね!」
———こちらでは“水地香菜(みずち‐かな)”を名乗っている。
私はいわゆる“異世界人”。いくらなんでも本名を名乗るわけには行かないと思ったからだ。
春香「そういえば香菜ちゃん、昨日の“生っすか!?”に私出てたんだけど見た?」
ミスティア「そうなの!?知らなかったわ。」
———いや、知らない訳がない。ただそれを見る“テレビ”なる道具が無いだけだ。
こうなることがわかっていれば、にとりがくれた“携帯テレビ”を持ってきたのに…。
私にも、なぜ自分が外の世界に来たのか分からない。
散歩していたところを幽々子に追われ、何とか逃げきったものの今度は急に意識が薄れて気づいたら765プロの前にいた。
そこで高木と名乗る変なおっちゃんにスカウトされて……今に至る。
経歴や住所などは適当にごまかした。
チルノちゃんにりぐるん、大ちゃんたちは今ごろ何をしているかな。
幻想郷とは何もかも全てが違うこの世界、私には分からないことがいっぱいだ……。
———ちゃん、香菜ちゃん!
春香の声でふと我に帰る。
いつの間にか全員揃っていた。
春香「朝礼始まるよ?」
P「———以上で確認は終わり。それじゃあ今日も張り切っていこう!」
全員「はいっ!!」
〜〜〜
千早「香菜、おはよう。」
ミスティア「おはよう、千早。」
貴音「香菜、千早、おはようございます。今日もれっすん頑張りましょう。」
ミスティア「ええ、お互いに頑張りましょう。」
———スケジュールに依ると私と千早、そして貴音はレッスンらしい。
千早「貴女とレッスンする日は本当に楽しいわ。歌唱力を高めるには貴女のような存在が必要不可欠なのよ。」
ミスティア「そう言ってもらえると嬉しいわ。私としても色々勉強になるし。」
———千早は私と同じように歌に全てをかけているようで、私をライバル視しているようだった。
@レッスン場
千早「蒼い鳥〜♪もし幸せ近くにあっても〜♪…」
貴音「やはり千早は“蒼い鳥”が一番いめぇじに合いますね。」
ミスティア「……。」
貴音「…香菜?」
ミスティア「あっ、ごめん。集中してたから気づかなかったわ。」
貴音「……まあいいでしょう。ところで香菜。」
ミスティア「何?」
貴音「そろそろ貴女の番のようですよ?準備をされては如何でしょうか。」
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軽い発声練習ののち、レッスンが始まる。
今回、私が歌うのは<a href="http://m.youtube.com/watch?client=mv-google&gl=JP&hl=ja&v=okz91ayL_7o">Phantom Liberation</a>という曲だ。
スタッフ「音響オーケーです!それでは、始めま〜す。」
スピーカーから前奏が流れてきた。
ミスティア「無機質な〜♪匣の中〜♪」
ミスティア「…無機質な〜♪匣の中〜♪連れ出して〜♪魂を〜♪」
スタッフ「はいOKで〜す。」
ミスティア「ふう…やっぱり歌は最高ね♪」
千早「香菜…貴女、いつの間に腕を上げたわね!?」
貴音「面妖な…。」
ミスティア「え?何?どうしたの!?」
歌い終えて戻ってくると二人が驚いていた。
千早「だってまだ貴女レッスン2日目じゃない?そうとは思えないくらい上手いわ!」
貴音「千早と同じく、私も貴女の学習能力の高さに驚いていたのです。あれはそう、まるでずっと歌の練習をしていたような歌声…。あいどる3日目のものとはとても思えません。」
ミスティア「そうかしら?まあ、この世界に入る前にもライブなんか開いていたからね。」
———そういえば久々に気分よく歌えた気がする。
幻想郷にいた時は『やかましい』という理由だけで霊夢に退治されたり、幽々子に見つかって追われたりして満足に歌えないこともよくあった。それが今、こうしてのびのびと自由に歌うことができる。
貴音や千早に誉められたこの歌声は、それだけフラストレーションが高まっていたという証しなのだろう。
<a href="http://dic.pixiv.net/a/%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%A9%E3%82%A4?guid=on">ミスティア・ローレライ</a>
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昼食休憩中@ラーメン二十郎
千早「貴音は相変わらずがっつり食べるのね。」
貴音「そりゃもう。らぁめんに目がないと言いますか私の場合、“らぁめんは別腹”なので。」
千早「…どちらかといえば貴音はパスタのイメージなのだけれど。」
貴音「そうですか?まあ確かにぱすたも好きですが。」
ミスティア「これがラーメンかぁ。」
ちはたか「えっ!?」
ミスティア「あっ…。」
———しまった。思わず口に出していた。
貴音「香菜、貴女はらぁめんを知らないのですか?」
ミスティア「いやいや、知ってるわよ?ちょっとボケてみただけ!」
———もちろん嘘だ。幻想郷でも香霖堂に行けばラーメンの亜種(カップラーメン)が手に入るらしいが、私は一度も食べたことがない。
千早「何か目が泳いでる気がするのだけれど…。」
ミスティア「気のせいよ、うん!」
私がそう言うと千早はあっさり引き下がった。
ミスティア「(危なかったわ〜。)」
貴音「(……。)」
駄目だ眠い…。一旦落ちます。
構想自体はまとまっているので、起きたらまた書きます。
グダグダですみませんが、何とぞよろしくお願いします。
おはようございます。
再開します。
@765プロ事務所の屋上
貴音「呼び出してすみません。」
ミスティア「いいえ、構わないわ。」
———貴音に屋上に来るよう言われた私は今、屋上にいる。
屋上には私と貴音の二人きりで他は誰もいない。まるで別世界にワープしたようだった。
ミスティア「それで話しって何?」
貴音はひとつ深呼吸してから言った。
貴音「……香菜、今から私がする質問に正直に答えて下さい。」
「貴女はこの世界の人間ではない。違いますか?」
ミスティア「え?今なんて———
貴音「貴女は別世界の住民ではないのですか?」
ミスティア「……。」
貴音「これは“まだ今のところ”私の憶測にしか過ぎません。ですが証拠はあります。まず、貴女に会った時からただならぬ気配と言いますか、何か違和感を感じておりました。」
貴音「それだけではありません。貴女は住所はおろか、生い立ちや家族構成など自分に関することを語ろうともせず、私や他の皆から質問される度にはぐらかしていましたね?」
貴音「さらにてれびやぱそこんの使い方を知らない、こんびにやらぁめん、挙げ句の果てには車や信号の存在を知らないなど、文明社会と言われる現代の常識から大きく逸脱している……そこでおかしいと思った訳です。」
貴音「私の推理は以上です。間違っていれば否定して頂いて構いませんよ?」
貴音はそう言ったきり、黙りこんでしまった。
前に真美から『お姫ちんはね、何か知らないけどちょ→鋭いんだYO』と話しは聞いていたが、まさか私の正体まで見破られるとは思ってもいなかった。
貴音「・・・。」ジー
貴音はあれから何も言わず、ただじっとこちらを見つめている。
悪いことをしたわけではないが冷や汗が止まらない。心を見透かされているのではないかという気持ちになり、一気に現実逃避したくなる。
ああ、夕日が綺麗だなあ…。
貴音「肯定も否定もしない、ということは———」
ミスティア「お見事よ、貴音。……やれやれ。どうしてこう、すぐに見破られるかねえ。」
———ついに私は観念した。
観念した私は本名はもちろんのこと、ここに来た経緯、自分の種族と能力、“幻想郷”の存在、スペルカードルールなど……。
洗いざらい貴音に話した。
ミスティア「———以上が私、ミスティア・ローレライの全てよ。」
話し終えたあと、静寂が世界を支配する。
時間にして1分程度だったと思うが、まるであのメイド長が時間を止めているのではないかと勘ぐってしまうほど長く感じられた。
“面妖な…。”
それが貴音の第一声だった。逆光で表情は分からず、紫色の目だけが妖しく光っている。
貴音「まさか貴女が、私のお慕いする方がいらっしゃる場所の出身とは…。まこと面妖な話しです。」
ミスティア「……へ?」
貴音「実は私、こう見えて月の民なのです。」
な、なんだってー!
ミスティア「月の民…ってことは永遠亭メンバーと繋がりが!?」
貴音「ええ。特に貴女たちの言う八意永琳(やごころ‐えいりん)様…。あの方とは特に親交が深いのですよ。」
話しを聞くと、貴音は月にいたときにあの薬師(永琳)から教育を受けていた時期があり、今も密かに連絡を取っているそうで。
その後、私たちはしばらく幻想郷談義で盛り上がった。
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【参考】
<a href="http://dic.pixiv.net/a/%E5%85%AB%E6%84%8F%E6%B0%B8%E7%90%B3?guid=on">八意永琳(ピクシブ辞典)</a>
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何故か先ほど貼れていなかったのでもう一度。
<a href="http://m.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&client=mv-google&v=okz91ayL_7o&fulldescription=1">レッスンの時にミスティアが歌った歌(Phantom Liberation)</a>
<a href="http://dic.pixiv.net/a/%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%A9%E3%82%A4?guid=on">ミスティア・ローレライ(ピクシブ辞典)</a>
———ひとしきり話し終えると貴音に礼を言われた。
貴音「ふふふ。今日はまこと良き話しができました。ありがとうございます。」
ミスティア「こちらこそ。まさか貴音まで幻想郷を知っているとは思わなかったわ。」
貴音「これも何かの縁なのでしょう。さて、夜が迫っております。そろそろ戻りましょうか。」
気がつけば日が暮れようとしていた。これ以上長居をすれば流石に怪しまれるだろう。
ミスティア「あの…。」
貴音「何でしょう?」
ミスティア「くれぐれもこのことは内密に…。」
———古来、人間は妖怪の存在を怖れ、忌避してきた。
“内密に”と言った理由はそこにある。人から嫌われることを恐れたためだ。
貴音「大丈夫ですよ、人には秘密の一や百はあります。それにかくいう私も妖怪が嫌いですから。」
ミスティア「ええっ!じゃ、じゃあ私のことは!?」
貴音は少し考え、そしていたずらっぽく微笑んだ。
貴音「……とっぷしいくれっと、です。」
物語の展開を決めたいので1か2、どちらか好きな数字を選んで下さい。
>>40くらいで決めたいと思います。
@朝の事務所
やよい「うっうー!香菜さんおはようございますー!」ガルーン
ミスティア「おはよう、やよい。」
伊織「おはよう、香菜。」
ミスティア「おはよう、でこちゃん。」
伊織「誰がでこちゃんよっ!!」
ミスティア「冗談よ、ごめんね。」
———あれから一週間が過ぎた。
“とっぷしーくれっとです”と貴音は言っていたがあれから他言した様子はなく、お陰で私は平穏な日々を過ごせている。
ガチャッ
響「はいさーい!やよい、伊織、香菜さん。」
ハム蔵「ジュイッ!」
またドアが開いて響が入ってきた。ハム蔵も一緒である。
やよい&伊織&ミスティア
「おはよう(ございますー)。」
ミスティア「今日は一段と元気ね、響。」
響「自分はいつでも元気さー!」
胸を張る響。
なんだか騒霊三姉妹の次女を思いだすわね。懐かしいわ。
響「そういえば香菜さん、明日から休みだろう?」
ミスティア「ええ、そうね。」
響「明日もし良かったら自分の家に泊まりに来ないか?自分も休みで暇なんだ。」
ミスティア「あら、そうなの?それじゃあお邪魔させて頂こうかしら。」
響「よーし決まり!明日が楽しみだぞー。」
———翌日、地図を頼りに響の家へ行った。
ミスティア「こんにちは、響。」
響「おお〜!待っていたぞ!」
響はアパート住まい。
その中で犬や猫、ハムスター、果てはブタやワニなどを飼っているのだから家の中は賑やかでいつも騒がしい。
ワイルドだろぉ〜?
お昼近かったので響が作ったゴーヤーチャンプルーを食べたのち、二人でショッピングに出かけた。
———そしてショッピングから帰ってきたあと、事件は起こった。
これから仕事なのでいったん落ちます。
18時までには戻る予定です。
了解
待ってる
響&ミスティア外出中@響宅
ブタ太&ハム蔵以外の動物
「zzz…」
ブタ太「ブヒィ…」ノソノソ
ハム蔵「ジュイッ?ジュイジュイッ!」
ブタ太「ブヒ…ブヒブヒブヒヒ!」グイグイ
ハム蔵「!」
カラカラ…
ハム蔵「ジュイッ!!」
ブタ太「ブヒッ!」トコトコ
ハム蔵「ジュイ・・・。」
〜〜〜〜
※ミスティア視点
響「いやぁ今日は楽しかったぞ!これも香菜さんのお陰さー。」
ミスティア「響、貴女それ買いすぎじゃないの?(汗」
響「大丈夫さー!香菜こそ買いすぎたんじゃないか?」
ミスティア「そうでもないけど…。」
およそ三時間後、私と響は大量の紙袋を手に響宅に戻ってきた。
荷物を置くと響が『動物たちに餌をやってくる』と言って部屋を出ていった……が、程なくして血相を変えて戻ってきた。
響「どうしよう香菜!ブタ太が…ブタ太が居なくなっちゃったんだ〜!」
動物たちがいる部屋を見ると、確かにブタ太だけ居なかった。
ミスティア「部屋の窓が開いているわね・・・。」
響「うわーんどうしよう!自分がきちんと戸締まりを確認していなかったからだー!」
響は今にも泣き出しそうだった。
ミスティア「落ち着いて響。貴女は動物と話しができるんでしょう?動物に聞いてみたら?」
響「そ、そうだな!ハム蔵、何か知らないか?」
ハム蔵「ジュイッ、ジュイジュイジュジュジュイイ!」
響「えっ、“お腹が空いたから食べ物を探して来る”って言ってブタ太が出ていった!?」
ハム蔵「ジュイッ!!」
響「うがー!こうしちゃいられないぞ!香菜さん、探しに行こう!!」
ミスティア「ええ!」
———こうして私と響はブタ太を探しに街に出た。
何か面倒ごとに巻き込まれていなければいいのだけれど・・・心配ね。
〜〜〜〜
@街中
ミスティア「ブタ太〜!」
響「ブタ太ぁ〜。出てきておくれ〜。……うぅ、自分が悪かったさー。」
ブタ太を探しに街へ出てから20分。未だブタ太は見つかっていない。
響「香菜さん、そっちはどう?」
ミスティア「…見つからないわ。」
響「・・・はあ〜。なかなか見つからないもんだなあ。」
ミスティア「響、一度警察に届け出たほうが———」
男1「おい、変なブタ見つけたぜ。」
男2「マジで!?」
響&ミスティア「!!」
声のしたほうを見ると、確かにブタ太が居た。
ミスティア「あ…。」
響「ブタ太だ〜!」
男「あー?」
響「あのっ!その豚は自分…いや、私のなんです!」
男1「へえ〜。この豚、お嬢ちゃんのなんだ。」
響「はい!だからその、返して頂けないでしょうか?」
男2「……ってか君、アイドルの我那覇響ちゃんだよね?」
響「はい、765プロの我那覇響です!」
男2「おお、そうかそうか〜!……じゃあ、やめた。」
響「…え?」
男2「響ちゃんが一般人ならこの豚を返してあげたけどやめた。この豚をペットショップに売りに出すわ。」
男1「なるほど、そういうことか。」
響「それってどういう…」
男1「お兄さんたち悪い人だからね、この豚をペットショップで売るんだよ。“アイドルのペット”を売る訳だから相当な高値で売れるだろうな〜…って言いたいんだろ?」
男2「流石だな。伊達に中学ん時から一緒に行動とってるだけあるぜwww」
男1「だろ?“僕らはいつも以心伝心♪”ってなwww」
響「返して下さい!ブタ太は自分の大事なペットなんさー!」
男1「ムリだね。それにペットの多い響ちゃんのことだ、代わりはいくらでもあるだろ?」
男2「そーゆー訳だから。それじゃwww」
ブタ太「ブヒィ…。」
響「ブタ太ぁ〜!うぅ……。」
———よほどショックを受けたのだろう、響は泣き崩れてしまった。
この状況を黙って見過ごすわけにはいかない。
ミスティア「ちょっと、貴方たち!」
男1「おや、見慣れないガキだな。響ちゃんのお友達かい?」
ミスティア「まあそんなところよ。それより、それ響のものでしょう!今すぐ返しなさい!!」グイッ
男2「触んな!」バシッ
ミスティア「きゃあっ!」ドテッ
響「香菜さん!」
力づくでブタ太を奪取しようとしたが失敗した。
男2「この豚は俺らのものなの。分かる?人の物を取ったら泥棒なんだよ?」
男1「だいたいよォ、“ただの乳臭いガキ”が大の男二人に敵うと思ってんの?頭大丈夫?」
ミスティア「……今、なんて言った?」
男1「ああ!?“ただの乳臭いガキ”っつったんだよ!」
男2「だってそうだべ?髪の毛ピンクに染めちゃって、如何にもおバカさんって感じだぜウハハハ!」
男1「ひょっとして自覚してなかったのかな?どう足掻いても勝てる訳ないのにな!ワハハハ!」
ミスティア「………」ピクピク
パンクロッカーぎゃーてーちゃんはでますか?
———妖気が集まるのを感じる。
それは幻想郷(むこう)ではしょっちゅう意識していた感覚。外の世界(こっち)に来てからは一度も感じていなかったので懐かしくすら思えた。
ミスティア「へえー・・・じゃあ、これを見ても貴方たちは“ただの乳臭いガキ”と言えるかしら?」
男&響「(さっきまでと雰囲気が違う!?)」
翼が生えてTシャツの背中の部分が破れて、鍵爪が生える。
こっちに来てからずっと封印していた妖怪「夜雀(よすずめ)」としての本性が今、姿を表した。
>>48
予定には入っていませんでしたが、出そうと思えば出せなくもないです。
どうしましょうか?
男1「ひぃ…。」ガタガタ
男2「化け物だぁ…。」ジョワアアア
私の真の姿を見た男たちは恐怖感からか腰を抜かし、一人は粗相までしている。
全く、情けないったらありゃしない・・・。
ミスティア「化け物?それで結構よ。そうだ、冥土の土産に教えてあげる。私は夜雀のミスティア・ローレライ。歌うことと人を食べることが大好きな妖怪よ。」
響「」ポカーン
ミスティア「本当は一度にのしちゃいたいところだけど、せっかくだから一人ずつ相手してあげる。……それじゃあ幻想郷の歌姫、ミスティア・ローレライのソロライブの始まりよ!」
※響視点
ミスティア「…それじゃあ幻想郷一の歌姫、ミスティア・ローレライのソロライブの始まりよ!」
香菜さん……いや、ミスティアだっけ?はそう言って一枚のカードを取り出してこう言ったんだ。
ミスティア「スペル発動!」
〜鷹符「イルスタードダイブ」〜
するとまだ17時にも関わらず、周りが一気に暗くなったんだ。
しばらくしてこの闇はミスティアが作り出したものだと気づいた。
自分、何が起こったか分からなかったから、取り返してもらったブタ太をぎゅっと抱きしめていた。
恐かったぞー。
男2「なんだこの暗闇は!」
男1「おい男1、どうした!大丈夫か?」
男たちの会話を聞いていると、どうやら男1以外を除いてみんな視界を奪われているらしい。
何でかは分からないけどなんか不気味さー。
どこからかミスティアの歌が聞こえてくる。
\苦しめ♪苦しめ♪苦しめよ〜♪地獄に堕ちちまえ〜♪/
すると、男1が突然叫んだ。
男1「うおっ、なんか迫ってくる!」
男1以外を除いてって何だよ…(′・ω・`)
正しくは“男1を除いて”です。
実は今日が誕生日で、あちこちからお祝いのメールや電話が来ているのでちょっと電話してきます。
しばらくお待ちくださいm(_ _)m
男2「おい、何が迫ってきてんだ!?俺は何ともないぜ?」
男1「なんか知らんけど…わっほい!弾幕が!迫ってくる!すごく!恐い!…あひょうっ!」
弾幕?なんだそれ?
ニ○動なんかで流れるあの文字のことか?
男2「おい落ち着け!お前が何言ってんのかさっぱり分からねえ!」
男1「綺麗!じゃなかった!恐い!当たった!痛い!痛いよママ!助けてよママ!あぎゃああああああ〜!」
男2「男1ィィィ!!」
なんてこった…。
男1はマザコンだったのか。自分、ちょっと引くぞ…。
\ピチューン♪/
ほどなくして、何かの破裂音が聞こえた。
※再びミスティア視点
視界を戻すとボロボロになった男1がうずくまっていた。
男2は…いたいた。
ミスティア「さて、次は貴方ね。どういたぶってやろうかしら?」
男2「命は…命だけは…」ブルブル
ミスティア「大丈夫。命までは取らないわ。それにあの男も死んでないから安心して。」
———ヤバい。今の私なら霊夢だって簡単に倒せる気がするわ!
ミスティア「よし決めた。それじゃあ———」
その時、聞き慣れた声(大声)がした。
?「ミスティアさ〜ん!」
緑の髪に緑の瞳。
小柄な犬耳の少女は箒を持っていなくともヤマビコの幽谷響子(かそだに‐きょうこ)だと分かった。
強固「おはよーございます!」
ヤマビコ特有の大声もかなり懐かしかった。
……まあ今は夕方だけどね。
ミスティア「あら響子じゃない。どうしてここに?」
響子「ミスティアさんがどこにもいないから探し回ってたんです!そしたら紫(ゆかり)さんが『もしかしたら外の世界にいるんじゃないかしら』って送ってくれたんです。」
響子「そしたら人間を襲撃しているミスティアさんを見つけて何か面白そうだなーって!」
ミスティア「え?……ああ、こいつらはね———」
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<a href="http://dic.pixiv.net/a/%E5%B9%BD%E8%B0%B7%E9%9F%BF%E5%AD%90?guid=on">幽谷響子(ピクシブ辞典)</a>
響子「へえ〜。じゃあこの二人は悪いやつなんですね。」
ミスティア「そうよ。さっき一人は私がのしたけど、もう一人は貴女がやって良いわ。」
響子「本当ですか!嬉しいです!ミスティアさん、ありがとうございます!」
響子は男2の前に立ち、自己紹介を始める。
響子「こんにちはー!私はヤマビコの幽谷響子っていいます!ミスティアさんが貴方を倒していいと言って下さったので倒しますね!」
……響子。それ、笑顔で言うことじゃないと思うわ。
男2「あ……ああ…」ガクガク
響子「それじゃあ響子、いっきまーす!スペル発ど———」
———その時、響が叫んだ。
響「もうやめるんさー!」
ミスティア「響?」
響「…そこの二人!」
響は男たちを指して言った。
響「これで懲りただろう?」
男「」コクコク
響「じゃあ、二度とこんな真似はしないこと!分かった?」
男「はいっ!すみませんでしたぁ!」ピュー
男たちは私たちに謝ると、ものすごいスピードで逃げていった。
……そんなに恐かったのかしら?
しばらくの静寂ののち、響が口を開いた。
響「香菜さん………あの話し———」
ミスティア「ええ、本当よ。私の名前はミスティア・ローレライ…雀の妖怪よ。」
響「そんな……。」
ミスティア「響。今から私がする話し、よく聞いてね。」
響「……分かったぞー。」
それから私は、また貴音にした時と全く同じ話しをした。
なぜ私がここに来たのか、そしてなぜ素性を隠していたのか———
響にはできるだけ分かりやすく話したつもりだ。
響「そうだったのか…。」
———言いたいことは全て言ったつもり。響は最後まで真剣に話しを聞いてくれた。
さて、響から何を言われるのかしら…。
響「自分、妖怪ってもっとおどろおどろしいものかと思っていたから意外だったなー。」
ミスティア「ごめんなさい、今まで黙っていて…。」
響「謝る必要なんて無いさー。妖怪だろうがなんだろうが自分、そんなので嫌ったりしないぞ。」
……え?
私は顔をあげた。
ミスティア「嫌いになったりしないの?」
響「何でそのぐらいで香菜さんを嫌わないといけないんだ?香菜さんは香菜さん。それだけさー。」
ミスティア「………響!」ガバッ
響「おわぁ!?」
気づけば私は響に抱きついていた。
ミスティア「ありがとう…ありがとうひびぎぃ」エーンエーン
響子「私だけ蚊帳の外・・・。(いい話しだなー)」
ちょっとお風呂入ってきます。
親から電話があって長々と話し込んでいました。
再開します。
響「香菜さん、落ち着いた?」
ミスティア「ええ…響は本当にいい子ね。ありがとう」グスン
響「ななっ!いい子だなんてそんな……///」カァー
響子「(赤面する響さん可愛い)でもよかったですね!これで素性を隠す必要がなくなりましたよ。」
ミスティア「そう…ね。」
———事務所の皆も良い人そうだし…。
もうそろそろ事務所の皆に打ち明けてもいいかも知れないわね。
ミスティア「響。私、素性を事務所の皆に明かしたいのだけれど…。」
響「けれど?」
ミスティア「みんな分かってくれるかしら?」
響「なんだ、そんなことかー。」
響は満面の笑みで答えた。
響「なんくるないさー。」
———2日後。
朝礼の際に私は打ち明けることにした。
P「以上が今日の皆の動向だ。よし、それじゃあ———」
ミスティア「すみませんプロデューサーさん、少しお時間良いですか?」
P「香菜?……まあ今日はみんな予定は午後からだし、良いぞ。」
ミスティア「ありがとうございます。」
プロデューサーさんに促され、前に立つ。
……言わなきゃ!
ミスティア「あのっ!実は皆さんに謝らなくてはいけないことがあります。」
ミスティア「私はこの世界の住人ではありません。幻想郷といって人間と妖怪や神、吸血鬼、鬼などが共に暮らしている世界の住人で、私自体妖怪です…今から証拠をお見せします。」
“封印”を解き、翼と羽のついた耳、鍵爪が生えた夜雀本来の姿を見せた。
雪歩「真ちゃん、あれ何?」
真「ボクにも分からないよ。」
美希「ミキも見たことないの。」
ワイワイガヤガヤ
ミスティア「これが私の本当の姿…。私は夜雀という雀の妖怪のミスティア・ローレライです。」
ミスティア「私がもともと居た幻想郷は“忘れ去られたモノたちが集う場所”です。古来より人は私たち妖怪を恐れ、忌み嫌ってきました。妖怪は次第に迫害されるようになり、ついには存在を忘れ去られ、そしていつの間にか幻想入り(※簡単に言えば幻想郷に取り込まれること)していた。私もそうです。」
ミスティア「幻想入りしてからは私がやりたいことが以前よりも出来るようになり、割と自由に暮らせていました。しかし、やはり私の存在を快く思わない者も若干名いて、そういった“天敵”に追い回されることも少なくありませんでした。」
ミスティア「ある日私は散歩していたときに天敵に会い、追い回されました。その天敵から何とか逃れることができましたが急に眠くなって寝てしまい、目が覚めたら何故かこの事務所の前に居ました。どうしようか思案していた時に偶然出勤途中だった社長と会ったことがきっかけでアイドルのオーディションを受けることになり、結果765プロのアイドルとして採用されて今に至ります。」
社長「君にはそんな経緯があったのかね・・・。」
ミスティア「はい。前から皆さんに打ち明けようとは思っていたのですが、また昔のように忌み嫌われるのではないかという恐怖心からなかなか打ち明けられずにいました。ですがこの話しを聞いた響さんに励まされ、今日打ち明けた次第です。」
ミスティア「今まで黙っていて誠に申し訳ありませんでした。“妖怪の分際で”と思われるかもしれませんが、どうか今後も芸能活動を続けさせて頂けたらと思います。よろしくお願いします!」
社長「言いたいことはそれだけかね?」
ミスティア「はい。」
言いたいことは全て言った。私の想いを一言一句全てに託したつもり。
これでダメなら……まあ仕方ないわよね。
社長「……あー。初めは度肝を抜かれたが、君が“普通の人間じゃない”ことは薄々気づいていたさ。それに765プロとしても君が妖怪だという理由だけで君を解雇するようなことは絶対ないから安心したまえ。」
P「そうだぞ香菜。お前は他の誰にも負けない素晴らしい才能がある。そりゃまあ、妖怪だという事実はあるけどそんなの気にしなけりゃ良いじゃないか。」
小鳥「そうよ香菜ちゃん。そんなの気にしてたらいつまでたっても始まらないわ。」
律子「良く勇気を出して打ち明けたと思うわ。偉いわよ、香菜。」
響「香菜さん、良く頑張ったさー!」
伊織「そんなことで見捨てると思った?私たちはそこまで酷くないわよ。」
やよい「逆にわたし、香菜さんに憧れちゃいますぅ!」
亜美「妖怪とか何とか、そんなのど→だってい→じゃん!」
真美「亜美の言う通り!香菜ぴ→は香菜ぴ→なんだから。」
貴音「香菜。私は貴女が自ら素性を明かすのを心待ちにしておりました。大変嬉しゅうございます。」
雪歩「香菜さんは度胸がありますぅ!それに引き替え、私なんかひんそーでちんちくりんでダメダメで……。うぅ、こんな私は穴掘って埋まってますぅ!」
真「雪歩!床に穴掘っちゃダメだってば!」
あずさ「あらあら今日も平和ね〜。香菜ちゃんももっと気楽にいきましょう?」
美希「あずささんの言う通りなの。ミキ、難しいこと考えてたら体が持たないって思うな。」
春香「そうですよ。過去なんか気にせず、今を見ましょう今を!」
千早「私も全く気にしていませんよ香菜さん。これからも良きライバルでいて下さいね。」
ミスティア「皆さん…。」
社長「そういう訳だよ香菜君。まあ、これからもよろしくお願いするよ!」
ミスティア「はい…ありがとうございます!」
私は、にっこり笑っている社長に負けないような満面の笑みで答えた。
〜〜〜〜
ミスティア「それと、今日は是非紹介したい仲間を連れてきているんです……響子、入ってきて。」
ドアがガチャリと開いて響子が入ってきた。
ミスティア「紹介します。私の知り合いで、ヤマビコの幽谷響子です。」
響子「初めまして、幽谷響子です!お経の暗唱が特技です!まーかーはんにゃーはーらー…」
いつも通りの大声。
響以外の人はさぞや驚いたことだろう。
社長「なんちゅう大声……。しかしこれは売れるぞ!きょうこ君、オーディションはいいから今日から我がプロダクションの原動力になってくれたまえ!」
響子「はい!よろしくお願いします!」
社長の鶴の一声によって、響子もアイドルデビューを果たすことになった。
P「(また忙しくなるなあ…まあいいか。)」
———二ヶ月後。
P「響子、香菜、やったな!“幻想Girls”の人気があのジュピターを抜いて断トツ一位ランクインだぞ。」
週刊誌の一面を見せながらプロデューサーが言う。
ミスティア&響子「やったぁ!」パシッ
ミスティアと響子はハイタッチで喜びを分かち合った。
社長「どうだね君ィ、私の見立てに狂いはなかっただろう?」
P「はい。最初社長が『響子と香菜でユニットを組めば間違いなく売れる』と仰った時は半信半疑でしたが、現実に大ヒットしましたね。」
ミスティアと響子は、はじめソロで活動していたが社長の意向もあって“幻想Girls”というユニットを結成した。
『売れる』と予想した社長の勘は見事に的中。
愛くるしい顔立ちと貴音とはまた違ったミステリアスな雰囲気が話題を呼び、今や961プロのジュピターをも越えるほどの絶大な人気を誇っている。
P「二人がいることによって事務所にも良い影響が出ているようです。」
社長「ほう…。」
ミスティアは真面目で面倒見が良いため年下のアイドルから頼りにされており、また響子はやよいに負けず劣らずの明るい性格をしている。
二人の存在は765プロに所属するアイドルたちにとってもプラスになっていた。
P「ちょっと二人の様子を覗いてみましょうか。」
社長「うむ。」
@ダンスルーム
この時間帯のミスティアと響子はフリーらしく、雪歩にダンスの稽古をつけていた。
ミスティア「雪歩、そうじゃないわ!タン、タン、タンで飛んでクルっとターン!」
雪歩「うぅ〜何回やっても出来ません…。」
響子「大丈夫です、雪歩さんなら絶対できますよ。頑張りましょう!」
〜〜〜〜
社長「いやあ、我ながら近年稀に見ない逸材をスカウトしたと鼻が高いよ。」
P「香菜はおろか響子までも指導者の片鱗がうかがえる……。これは将来が楽しみですね。」
———社長とプロデューサーは、まだまだ伸びるであろう二人をずっと見守っていた。
(完)
前に小説を書いていたこともあって思っていた以上に長くなってしまった…。
最後までお付き合い下さりありがとうございました!
そういえば、何だかんだで結局パンクロックみすちー&おかみすちー描けなかったな…。
すみませんでした!
乙
鳥獣伎楽じゃないんか
>>95
「鳥獣妓楽」でしたね!忘れてました^ ^;
またアイディアが浮かんだら東方×アイマス書きたいです。
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