安価で能力バトルものSS書くよ (145)

主人公 :赤崎アキラ 能力>>2
ライバル:坂東 坊  能力>>3
ヒロイン:千葉チアキ 能力>>4

あらすじ→中学三年生の夏休み、僕たちに異能力が授けられた……突如として僕らの前に姿を表す謎の男。
彼はこういった――「あなたのクラスの中に、未来からきて今のこの世界を崩壊させ、未来を変えようと企んでいる者がいます」

僕らに課された使命は……『未来から来た者を暴き出すこと』

好評なら続く

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1438000381

多重影分身

古今東西のあらゆる兵器を四次元空間から取り出せる

ブラックホール

赤崎(俺の能力は多重影分身……おそらく全員に同じような能力が渡ったはずだ……。もし未来人が本当に俺たちを滅ぼすつもりなら、そいつがわからない以上、派閥を組むのは危険だよな……)

千葉「あっ! 赤崎くん!!」
坂東「よぉ」

赤崎「あっ、千葉」(坂東もいるのか……)

坂東「俺さ、すげえ能力なんだぜ」ドン

空間を切断するように、指で円を描くと、その中からハンドガンが出てきた。ハンドガンを構える坂東。

坂東「どうやら古今東西のあらゆる兵器を四次元空間から取り出せる能力らしい。まだ能力が未熟だからこんなのしか出せねーけどな」

千葉「私はブラックホールみたいになんでも吸収する能力だよ!!」

赤崎(えッ……こんなにしゃべっていいものなのか……もしかして未来人云々のこと信じてない?)

確かに信じるほうがおかしい、と赤崎がふと笑うと、彼の後ろからおちゃらけた声が聞こえた。

堂島「おーい! お前ら能力なんだった!!? 俺>>6なんだよね!!」

※堂島ダイスケ:赤崎アキラの親友。バカで素直なやつ

視界ジャック

赤崎「視界ジャックってすげえんじゃねえの?」

堂島「だろ? だろ?」

藤原「やぁ、偶然だねみんな」

千葉「あっ、フウマくん! 遠藤くんも一緒なのね」

藤原フウマ:頭と要領のいい秀才タイプの男 ちなみに能力は>>8
遠藤エイジ:イケメン。赤崎たちとは結構仲がいい。能力は>>9

遠藤「こりゃどうも……」

堂島「あれ? 坂東のやつどこいった?」
赤崎「どっか行ったみたいだな」

藤原(……これは都合がいい、坂東くんは空手部。喧嘩が強いと噂だ。クラスメイトを襲い、未来人を暴くなら今だ!)

両足を操る

念じた瞬間、周囲を水中に変える
最大半径10メートルくらい
泳いで移動できる

藤原が両手を赤崎と堂島に向けた。勝手に浮き上がる赤崎の右足と堂島の左足。隣どうしにいた二人は片足だちをしている。

赤崎(な、何だ!?)
堂島「や、やべ! 足が勝手にぃ!!?」

藤原「ふふっ、どうやらさ……倒されたやつは能力を剥奪されるらしい。そして、能力が剥奪された瞬間、時空が歪曲し、未来に存在を飛ばされるらしいのだ」

藤原の言葉に、赤崎は驚く。

赤崎(つまり何だ……負け=未来へ強制連行? どうしてこんな方法で……)

未来人とやらがいる時点でトンデモ科学があることは予測できていた。与えられた能力が未来からの恩恵であることも。
なぜ、藤原はそれを知っている?

そう赤崎が思っているのも束の間、堂島の両足が、自らの元へ飛んできた。

赤崎「ダイスケ! 何蹴ってるんだよ!!」
堂島「すまねえって! 制御きかねえの!! こいつに操られてる!!」

赤崎(畜生……こうなったら……)

赤崎の両足も勝手に動き始め、堂島を蹴り始めた。

藤原(このまま二人が潰し合いをしてくれればあとは女を精神的に追い詰めるだけ……一気にライバルを減らせる……)

赤崎(こうなったら使うしかねえ、多重影分身!!)


あと数レス安価は無さそうです。また出すときは予告します。

赤崎の体が3重に別れ、それぞれが自我を持つかのように動き始めた。どうやら影分身によって作り出された分身2つは、藤原の能力による干渉を受けていない。

藤原(まさか……こいつの能力、影分身か? となると……こいつら個人個人足を操らないといけないのか!!?)

藤原の両手の動作によって赤崎本体と堂島の両足が本人の意思関係なく動き出す。藤原と対峙していた場所から走り出し、遠くへと離れていく。

赤崎(え、マズイ!! 離れても俺の影分身って機能するのか!!?)

走ってその場を離れていく赤崎の心配をよそに、藤原は落ち着いた様子で襲いかかる赤崎の影分身のひとりの足の操作権を取った。

藤原(よしッ!! うぐっ!!)))

心臓が揺れるかのような酔いに襲われる藤原。その刹那、足の操作がまだ自由なもうひとりの赤崎の分身が藤原に殴りかかる。
赤崎の分身の打突の応酬に藤原は完全にペースを奪われ、防戦一方となる。足の操作権はどうやら2人がギリギリだったらしい。三人目を操作しようと思うと、頭のキャパが足りないようだ。

藤原(くっ……くそっ!!)

藤原は苦渋の選択の末、堂島の足の操作を解除した。少し余裕ができた藤原は、赤崎の分身体の攻撃に対応できるようになってきた。

堂島「アキラ! 俺の能力、ここで使えるかな!?」

赤崎「んなもんしるか! やってみろ!!」

堂島が目を力強く瞑る。

藤原「う、目が見えないッ!!」

堂島に視界をジャックされた藤原は動揺し、体が言うことを聞かなくなったかのように防御に乱れが生じた。

藤原「遠藤! 助けてくれ!!」
遠藤「……」

黙りこくって眺める遠藤。視線の先には、鋭い目を向ける千葉チアキの姿。

遠藤(どうやら俺の能力はこの女と相性が悪そうだ……そんな予感がする……それに)

藤原の顎に、赤崎の分身体の拳がクリーンヒットした。彼が吹っ飛んでいくと共に、赤崎の足が自由になった。

赤崎(良かった……)

遠藤はほっと一息つく赤崎と堂島を見ながら笑った。

遠藤(こいつらのほうが面白そうだ)

藤原は顎を抑えながら意識を失っている。

堂島「すげえじゃんアキラ! 真面目に空手部で頑張ってて良かったな!!」

赤崎「ああ……」(でも坂東には一度も勝ててない。僕はそんなに強くない)
千葉「それより……藤原くんの言ってた言葉が本当なら、藤原くんこのままだと未来に飛ばされちゃうんじゃ……」

??「そのとおりでございます!! それでは、藤原フウマさんの能力を剥奪、および未来に飛ばして尋問を行いたいと思います!」

突如現れた男。そう、彼こそ、赤崎らクラスメイトに能力を与えた男。差詰、未来からの使者といった立場だろう。
堂島「なんでわざわざ未来で尋問するんだよ!? ここでやってもいいじゃないですか!!?」

??「未来の方が設備が整っているから、以上。現代に置いといても危険しかないし」
赤崎「あの…藤原と戦う前から思っていたんですけど、わざわざこんな方法取らなくても、裏切り者は探せたと思うんです……」

??「んー、君の行っていることは間違いじゃないね。ただその裏切り者の未来人さあ、どんな力を持っているかわからないから、君たちに能力を与えて、『君たちに倒してもらう』という方法を選んだだけさ」

遠藤「面白いじゃん。ちょうどアキラも退屈してたろ?」
赤崎「ん、だけどさ……」

未来からの使者は藤原を抱えて未来へと戻っていった。

遠藤(さて、藤原フウマ脱落か……)
赤崎(藤原は何故あそこまでルールについて知っていたんだ?)

翌日、>>14(場所の名前)にやってきていた千葉チアキ。昨日の藤原VS赤崎、堂島の戦いを見ていて腑に落ちないことがあった。

千葉(藤原くんの性格的に私を後回しにする理由はわかる……でも遠藤くんが何もせずに見ていたのはどうしてなんだろ……)

早川「ちょっとチアキ! 私の話聞いてる?」

千葉「あっ、ごめん」

千葉はちょうど、親友の早川ホノカ(能力>>15)の話を聞いていたところだ。

早川「能力さあ……あんた使ってる?」

千葉「お掃除のときとか?」

早川「お、お掃除!!?」

千葉「便利なんだよ。 戦いとか未来人を暴けとか言われてもピンと来ないから、日常生活で使っていくのがよくない…?」

千葉と早川の会話を少し離れたところから眺めている伊藤イノリ(能力>>16)。

伊藤(甘えたこと言ってんじゃないわよ……リア充め……。なんかムカつくから倒して未来へ連行してやる)

食堂

一日に7回まで自分(と自分の手を握っている者)に超ラッキーなことを起こせる

相手を猛烈な下痢にする

伊藤(漏らしたっていう噂であの二人を社会的に抹[ピーーー]る! 能力発動!!)

早川「ちょ、チアキこのクソ暑い時期にカレーなんて食べるの?」
千葉「何言ってるのホノカ、暑いからこそカレーを食べるんでしょ!」

食堂で会話している二人に、伊藤の能力である『相手を猛烈な下痢にする』力、つまり、猛烈、激烈な便意が襲いかかってきた。


早川(ぐおおおおお!!! 何だこの腹の痛みはぁあああ!)

先に効果が現れたのは早川の方だった。悶絶し、腹を抱える彼女を見て伊藤は笑う。

伊藤「ふふふ……社会的に抹殺されれば精神を病む。あるいは猛烈な下痢のせいで意識を失う可能性だってある……」

そして千葉の方にも効果が現れ始めた……。

千葉(やばい……漏れる……カレーなんか食うんじゃなかった)

早川は千葉の様子の変化に気づいた。

早川「もしかして、チアキもお腹痛いの…?」

千葉「食あたりかな……」

早川「ありうるわ……」(仕方ない……一日七回だけど、能力を使って免れるぞ……)

千葉(いっそ漏らしてブラックホールで吸い込んでやろうか……)

千葉チアキと早川ホノカは親友だ。小学生のころから仲がいいという、女子の中ではかなり稀有な交友関係をたどってきた二人。その絆も言わば異様だった。

早川「今、あんたにだけ伝えるけど、私の能力ね……自分と自分の手を握っている者に超絶ラッキーなことが起こせるっていう能力なの」
千葉「助けてくれるの……ほのか」

早川「当たり前でしょ……こんなときに能力使うの惜しんでどうするのよ…」

早川の手を強く握る千葉。もうすがるかのような思いだ。早川はそんな彼女の顔を見て汗を流しながら笑うと、奇跡が起こるようにと強く念じた。
みるみるうちに引いていく便意。奇跡は起きた。

早川(能力温存しといてよかった……)
千葉「ありがとうホノカ」
早川「いいってことよ」

遠くから二人の様子を眺める伊藤は、胸中穏やかではない。

伊藤(さすがうざいわ……でも甘いわよ。私がこの能力をかけたのは、この食堂にいる人物全員よ!!)

異臭がみるみるうちに食堂内を包んだ。千葉はカレーを眺めていたら、その異臭と混じりあったそれに吐き気を覚え、その場に嘔吐してしまうのだった。早川も気分が悪くなる。
それを食堂の外から眺めるひとりの男。

権藤「カオスだ……。>>19しないとまずいぞ……」

※権藤ギン:何考えてるかわからないが、いつも何か考えてる変な奴。能力>>20

すまんご

安価ずらします
権藤「カオスだ……。>>21しないとまずいぞ」彼の能力→>>22

これを引き起こした能力者を仲間に

スギ花粉をブロックする能力

権藤は思い立った。食堂に入ろうと扉に手をかけた。

権藤(いや待てよ……いまこの状況で俺が入っていけば俺は確実に…… 死!!?)

入ろうにも入れず、やきもきしている権藤。そのひとり慌てる変な姿を見て、たまたま近くを通りかかった坂東は彼を狙う。

坂東(おっ、こんなところにカモがいやがる。能力がどこまで進んだか、試させてもらうか)

彼は、赤崎らと別れてから一日、ずっと自身の能力の限界を探っていた。

坂東「さあて……この距離ならアサルトライフルで余裕だ」

坂東は四次元空間からアサルトライフルを瞬時に取り出す。構える。狙いは権藤ひとり。

権藤「よし、入るお!」

鼻をつまみながら食堂の中に入って言った権藤。スギ花粉をブロックする能力を持つ彼だったが、この異臭は一切ブロックできなかったようだ。入った瞬間に意識が朦朧とする。

権藤(く……)「伊藤さん……ぜひ、俺と……俺と……」

彼の細くなる声をわずかに聞き取った伊藤。

伊藤(え!!? 嘘でしょ、まさか、愛の告白……!?)

ドキドキが止まらない伊藤。意識が朦朧とし続けている権藤を瞬時に食堂から出す。

伊藤「ど、どうしたの権藤くん!!?」
権藤「……僕と……な、なか……」

権藤「>>25ください……」

権藤の言葉を伊藤が確かに聞き取ったとき、それを狙っていたかのように坂東によって放たれたアサルトライフルの弾丸が、伊藤の腹を貫いた。

僕をトナカイに会わせて

早川と千葉は気分が悪くなる中、千葉の能力『ブラックホール』で異臭の原因を次々に吸引していく。

早川「お掃除ってこういう意味だったのね……」

思わず苦笑する早川。千葉の嘔吐物も吸収されていった。

千葉「これで私完全にゲ○インなんですけど……」

早川「気にしちゃだめよ……漏らすよりマシだわ……」

漏らしてしまって意気消沈している他の食事客を置いて食堂をあとにする二人。そこに広がる光景……

権藤「トナカイに会わせてください、ください……」
伊藤「僕をトナカイに会わせてってどう言う意味よ……」バタッ

早川「ご、権藤くんに、伊藤さん!!? 権藤くん至っては狂ってしまっているわ!!」

異臭に意識を朦朧とさせる権藤、そして坂東に撃たれて意識を朦朧とさせる伊藤。千葉はとっさに周囲を見渡す。坂東の影を探したがいなくなっていた。

千葉(坊くん……)

早川「……私、今日あと5回、能力を使えるわ。これって使うべきときだよね!!」

早川が千葉に問いかける。千葉は大きく頷く。

「いや、違うね!!」

早川が能力を遮るのを止める一人の男。クラスの麒麟児で天才児で風雲児、神野条壱だ。(能力>>27)

神野「いいか、これはクラスメイトの中に紛れる未来人を暴くための戦いだ。そうやってクラスメイトひとりひとりに情けをかけていては埓があかないぞ。それに、食堂での混沌とも呼べる悲劇を作り出したのは、この伊藤だ!」

千葉「そんなことより、権藤くんの元にトナカイを持ってこないと!! なんとかならないの!!?」

早川・神野(ピュアか……)

なんでいきなりトナカイかと思ったら と・・・な、なか・・・からかw

動物に変身する

安価ずれちゃったか。
申し訳ありませんが応用効きそうな>>29採用させていただきます。

神野(どうする……俺の能力は動物に変身する能力……ここで見せてしまうのは得策ではないし、クラスメイトを救うことにも消極的になってしまうものだ…)

神野(しかしだ!! 権藤を心配して純粋にトナカイと会わせてあげたいと思う千葉チアキのピュアな心、実に素晴らしい、愛おしい!!)

神野(変身! トナカイ!!)

神野の体を光が包む。大きな角に、分厚い毛皮。トナカイに変化した!

権藤「と、トナカイ……」

安らかな顔をして、権藤は息絶えた。そして、伊藤も権藤の安らかな顔を見ながら息絶えた。
そして…

神野(暑い……暑いぞ畜生!!)

今は夏真っ只中。気温は余裕で30度を越えている。

早川「神野……あんたいいとこあるじゃん……」

早川に労いの言葉を授けられた神野だったが、暑さでそれどころではない。

??「あらら、権藤ギンに伊藤イノリ、一気に二人脱落かぁ…… 意外と手際いいのねこのクラス」

未来からの使者が二人を抱えて未来へと帰っていった。千葉はうつむいた。

千葉「あの二人、息絶えてたけど大丈夫なのかな…」

神野「未来の超技術できっと助かるだろう……それより、動物の変身は解けないのか…?」

神野の能力による動物の変身時間は絶対>>33(時間)だ! 神野の熱中症との戦いが始まった。

今晩のところはこれまでとします。時間ができる限りくるので安価どんどん参加してるとありがたいです!
おやすみなさい!!

3分間

神野は暑い中、トナカイの姿のまま町を闊歩する。となりで歩く早川と千葉は好奇の目に恥ずかしさを覚えている。

早川「ここじゃとりあえず暑いから、どこかに行かない?」
千葉「賛成! 神野くんどこがいい?」

神野「よし、プールだ、プールに行こう」



プールには既に赤崎、堂島、そして二人の共通の友人の北川コウタが来ていた。

堂島「あっちーなあ」

北川「ねえ、アキラもダイスケもせっかくプールに来てるのにどうして泳がないんだよ……」

堂島「可愛い子いないかなー」
赤崎「それなー」

北川「お前ら……ダイスケはまだしもアキラまでそう言っちゃうのかよ……」

赤崎「しかし、もっと人呼べなかったのかよ、三人じゃ退屈だろ?」
堂島「坂東誘ったんだけどさー『プールはいや』って断られた」

北川「俺もさっきからギンに連絡してるんだけどなあ」

赤崎(坂東は来なくていいよ……チアキこねえかなあ……)

北川コウタ:モブみたいに地味な男。赤崎や堂島とは仲が良い。能力>>37

相手をホモにする

雑談している赤崎らの元に千葉、早川、そしてトナカイの姿をした神野がやってくる。

千葉「近場にプールがあってよかったね! もうかれこれ二分は歩いたけど神野くん大丈夫なの?」

神野(俺の見積もりではこの能力の持続時間は3分間……本来ならそろそろ解けるはず……)「ああ」

早川「権藤くんのためにトナカイになれるなんて、あんたマジもんの男だよ」

神野(褒められたいのは早川じゃないんだなそれが……)

赤崎「おっ、千葉と早川じゃん!」
堂島「なんでトナカイ!!!?」

堂島が驚いた瞬間に、神野の能力である変身が消える。

神野「トナカイじゃなくて俺なんだな」

北川(な、何!? 神野の能力はトナカイに変身する能力か!!? にしても汗だくすぎて気持ち悪いぞ!!)

赤崎(トナカイの姿で近づいてくるってことに違和感がある……)
堂島(すげえ!! 超かっけえ!!)

千葉「アキラくんたちいるならちょうどいいじゃん! みんなで遊ぼうよ!!」

早川「賛成! じゃ、あそこの>>39なプールに行こうよ!」


北川(これはまずい……このままじゃ赤崎や堂島がリア充路線だ……ホモは好きじゃないが能力を使うか……)

北川(>>40>>41に能力をかけてくっつけてしまえばチアキちゃんもホノカちゃんも俺のもの!!)

宝石が散りばめられたゴージャス

赤崎

堂島

北川が能力を赤崎と堂島にかけた。早速変化は起きる。

堂島「っし、神野! 早く行こーぜ!!」

肩を組んで神野をゴージャスプールに誘う堂島。赤崎は頬を赤くして離れていった。

北川(よしっ!! 堂島と神野で二人で遊ばせ、赤崎はすっかり照れて離れていったぜ!! これで俺はホノカちゃんとチアキちゃんと遊べるぜ!!」

早川「途中から心の声漏れてるんですけど」
千葉「北川くん正直すぎうける」

神野「……堂島、冷静になれ。お前は北川の能力でホモにされているようだぞ」
堂島「いいんだって俺はそんなこまけえこと! あれ、アキラどこにいったんだ?」


赤崎(ったく何だよ……さっきまでダイスケのこと何とも思ってなかったのに……)

吏部「……どうしたの赤崎くん」

そこにたっていたのはクラスメイトの吏部リカ。>>44が大好き。能力は>>45。なかなかイカレた性格の持ち主だ。

赤崎(何だ……吏部か。どうでもいいや)

吏部「あんたのこと、助けてあげる」

堂島

催眠術

赤崎「は?」

吏部「あなたはノンケ、あなたはノンケ、あなたはノンケ……」
赤崎「!!」

赤崎にかかっていた北川の能力によるホモ洗脳は、吏部による催眠洗脳がかかり、上書きされ、元の状態に戻った。すぐさまゴージャスプールに戻る。

北川「だって、せっかく宝石が散りばめられたゴージャスプールに来ているのに、女子と遊べないなんてそんな悲惨なことあっていいわけ!!」

早川「あんたが一番悲惨だよ……」

早川は捨て台詞とともに、千葉を連れて去っていった。すれ違いざまに現れた吏部と赤崎。

北川「り、吏部!!」(まずい、こいつの能力は催眠術……)

吏部「北川は精神折れる、堂島は私のこと好きになる、神野は泳げない」

吏部が能力を三人の男にかけ始めた。赤崎は彼女の様子を見て驚愕する。

赤崎(こいつ……能力のキャパがすごい……一気に三人に催眠術をかけられるなんて……そういえば北川も俺と堂島をホモにしたってことは二人同時に能力をかけられるってことか……)

彼女の能力にかかった三人。北川はそのまま跪き、堂島は吏部に見とれて棒立ちしている。神野の肩にかかっていた腕はいつの間にか自身の腰に行っていた。
そして、神野はひとりパニックに陥る。

神野(やばい! 俺はどうして泳げないのにプールに入っているんだ!!?)

気が動転した神野。溺れそうになるが、すぐさま機転を聞かせて能力を使用。

神野(イルカに変身だ!!)

突如プールに現れたイルカに、ゴージャスプールに入っていたレジャー客は沸く。
「管理人さん呼んでこい!!」「うわああイルカだああああ」「やべえよまじやべえよ!!」

混乱に乗じて吏部はプールから逃げていくかのように走り去る。それを追う堂島。そして完全に意気消沈している北川を悲哀の目で眺める赤崎。
そして、神野が起こした混乱に乗じた男がここにもいた。

坂東「ホント、警戒心の薄いやつらだ……クラスメイトで集まりすぎなんだよ」

坂東坊は、クラスメイト脱落に奮起しており、先程伊藤と権藤を脱落させた張本人である。そして、次に狙うターゲットは、北川、赤崎、神野の三人だ。

坂東(まずはイルカの姿をしていて見つけやすい神野からだ。この距離ならスナイパーライフルで一発!)



今晩のところはここまでとさせていただきます。
また後日よろしくお願いします!!

坂東が引き金に手をかけた。息を殺し、真っ直ぐに神野を見据える。

坂東(もらった!!)

引き金を引く。しかし、プールの管理人がゴージャスプールに、イルカ化した神野をプールから追い出すかのように、急な流れを発生させた。間一髪でジャストミートは避けた神野。しかし、尾びれに掠った。

神野(何だ!!?)

急激な痛みが衝撃波と共に襲ってきた。赤崎はそれを見逃さない。

赤崎(な、何だ!!? 今確かに誰かが神野を狙撃した!!?)

弾丸の飛んできた方向を見たが、プールのフェンスのそのまた向こうの街路樹が道を阻み、何も見えない。

「イルカを捕まえろー!!」「なんでこんなプールにいるんだよ!」

混乱に乗じて行われた、『意識的狙撃』に、戦慄を覚えた赤崎と神野。
坂東は赤崎の様子に気づき、プールを足早にあとにしていた。

坂東(畜生……厄介な野郎だ)

村田「ちょっと、坂東くん?」

坂東「?」(村田 マリカ?)

坂東の背後に現れたのは村田マリカ:能力>>53。クラス一の美人で学年でも有名だ。

村田「坂東くん、今の一部始終見てたわよ」

麗しい瞳はまっすぐ坂東を見つめ、色気ある唇がかすかに動く。坂東はその美貌に思わず息を呑む。

坂東(この距離なら殺れるか……!? だが相手の能力がわからない以上、迂闊には動けねえ)

村田「そんなに警戒しなくてもいいのよ。 あなたには、>>54するのを手伝って欲しいだけなの。協力してくれないかしら?」

相手を一日幼児化させる

私のあとをつけている透明人間を殺害

坂東(は? こいつの後ろにいる透明人間?)「透明人間つったって、見えねえ以上俺には殺りようがねえ。無理なお願いだな」

村田「そんな冗談きついことはよしてよ。あなたなら適当に銃ぶっぱなしてれば当てられるじゃない。それにもしかしたら未来人が透明人間化の能力持ってるのかもしれないじゃない」

坂東「ふっ、それはねえよ。だいたい何でお前は透明人間に付けられてるってわかるんだ?」

村田「あら? 坂東くんそんなことも気づけないの? 私は気づけるわよ」

坂東「俺に話してていいのか? もし俺が断った時のリスク考えてないな? それこそ透明人間に『お前が』殺されるぞ」

村田「ふふッ……あなたはやっぱり面白いわ。だから余計にお願いしたくなっちゃった。お願い」

視線で誘惑してくる村田マリカ。美人であることはどんな近代兵器よりも強力であると思わず口をへの字に曲げる坂東。直視できず目を逸らした。
村田は近づいてきている。


新田「あははー バレちゃってたかー」

村田がゆっくり振り返ると、後ろから急に現れた声の高い新田ナツキ。クラスメイトでショートカットで細身だ。坂東は目を見開く。

坂東「!?」

新田「村田さんにはかなわないや。ただ単に村田さんがどんな一日過ごしてるか気になってあとつけてただけなんだけどなあ」

坂東(ストーカーじゃねえか)

新田「ごめんなさい! さすがに坂東くんに殺されるのは好まないからバイバイさせてもらうよ!!」

そのまま踵を返し、曲がり角を曲がっていった新田ナツキ。村田は笑いながら坂東を見る。

村田「少しは信用してもらえたかしら?」

坂東「……まあな」

心外ではあったが、渋々村田の言っていたことが事実であると納得した。

村田「その上で、実はもう一つ頼みたいことがあるのよ。さっきのお願いよりハードルは高くないわ。>>58してくれないかしら」

私用に武器をくれ

一方、プールをかなり先に出て行っていた早川と千葉は、行く先もなく道を歩いていた。
早川「しっかし、北川コウタがあんな奴だとは思わなかったわ」

千葉「能力を悪用してあんなことするなんて最低よね!」

早川「そうよそうよ!」(そう思うと、私こんな能力でよかった……あまり悪用できない能力だし……)

早川は千葉を見つめる。千葉はアホみたいにへらへらしながら道路をあるく。

早川(その点チアキはブラックホールなんてクソやばい能力持ってるくせに悪用しようとか一切思わないんだもんな……ある意味頭おかしい)

千葉「ホノカの能力ってラッキーなこと起こす能力じゃん? 一日7回使えるじゃん? 他人にもラッキー起こせる能力ってことは、7回人を幸せにできるんだね」

早川は千葉の心に胸撃たれた。

早川(そうか……私はあの未来からきた使者の言葉に惑わされていたわ……未来人なんて本当は嘘、この能力を使ってどれだけ善を施せるかを試してるのかしら……)

早川「そっか……わたしは愚かだったわ……この能力でクラスメイトの中にいる悪い奴を暴こうだなんて……)
千葉「……」

千葉は黙り込んだ。表情は笑顔なので、早川も違和を感じてはいない。

千葉「……お」

遠藤「愚かだな、早川ホノカ」

早川「え、遠藤くん!!?」

遠藤「そのお前のお花畑的思考回路に現実見せてやるよ」

遠藤は冷徹な目をして二人の前に立った。千葉も鋭い目を向ける。どうやらひどく警戒しているらしい。

遠藤(能力、発動!!)

瞬間、道路の隙間を覆うように、水がドーム状に現れた。早川と千葉、そして遠藤は瞬く間に、周囲に気体のない液体空間に放り込まれたのである。

遠藤、早川、千葉が対峙している間にも、坂東と村田の間に交わされた取引はことを終えていた。

坂東「ほらよ、ハンドガンだ。銃弾も20発分くらいの替えやるから護身用に持ってろ」

坂東が快くハンドガンと銃弾を渡すと、村田は笑顔でそれを受け取った。

村田「あなたいいところあるじゃない」

坂東「透明人間殺害とかいうゴルゴでも出来るかどうか微妙なことやれって言われるよか楽勝だ。ただしこちらとて条件がある」

村田「何かしら?」

坂東「>>62してくれよ。それを受け取る以上はやってもらわねえと納得できねえぜ。俺は」



そして、少し離れて遠藤ら。遠藤の能力に、完全に油断していた早川は呼吸する術を失い、パニックに陥る。

遠藤(これが俺の能力、周囲を水で覆う能力だ。泳いで自由に動けるのさ!)

水のドームは半径10mの半球体に及ぶ。周囲の建物は見境なくそのドームに飲み込まれている。

早川(ラッキーなこと、おこれおこれおこれ!!)

千葉「!!」

千葉が早川の慌てように目を見開いた。ドルフィンキックを巧みに使って一気に早川との距離を詰める遠藤。トドメを刺すつもりのようだ。
しかし、次の瞬間――

遠藤「いてッ!」バタッ

遠藤は地に倒れていた。そして、早川は呼吸を大きく乱して咳き込む。ひとり余裕の表情の千葉チアキ。

遠藤(俺の作った水のドームは!!?)

いつの間にかなくなっている遠藤の作った液体空間。何が起きたのか理解するのに時間がかかっていた。

千葉「能力悪用はダメよ! 遠藤くん!!」

千葉チアキの『ブラックホール』の能力が発動したようだ。周囲の『水』を全て吸い込んだらしい。

遠藤(周囲のもの見境なく吸い込むのではなく、対象物を選り好みして吸い込めるだと……相性の悪い能力だとは勘づいていたがここまでとは……)

早川「……ありがとう……ありがとう」

体がどぼどぼに濡れている早川から流れる涙は千葉には認識できていない。早川にしてみれば、能力の使用のプロセスに入る前に奇跡が起きたも同然なのだ。
2VS1で分が悪いと察した遠藤は、その場からすぐに立ち去った。

千葉「二度とこんなことするなーっ!」

彼女の言葉が、青空にただただ響いていた。

能力を披露

取引を行っていた坂東と村田。坂東の要求に、村田は笑った。

村田「能力を披露って、それだけでいいの?」

坂東「ああ、もちろんだ」

村田「もし、あなたを『巻き込んでしまうような』能力だとしてもいいの?」

坂東「もしそうなりゃライフルで瞬時にブチ抜いてやるから安心しろ。とりあえず今は黙って能力を披露しろ」

村田「わかったわ」

村田は妖艶な表情で坂東に近づいていく。彼女の頭の中が半端に読めない坂東だった。

坂東(やつの能力は何だ……これを知るだけで大きく変わるはず……)

村田は坂東の手をそっと、そして強く握った。

村田「小さくなあれ♪」
坂東「ッ!!」

ライフルを構えたが遅し、坂東のカラダはみるみる小さくなり、幼児化した。服も幼児用のサイズに縮小するという便利機能付きだ。反撃を試みた坂東も、これは計算外。

坂東(くそっ! ライフルが重てぇ!)

村田「そんなわけでお疲れ様、坂東くん。あなたにもらった銃は大切に扱うわ」

坂東「おーっと、ここで俺を[ピーーー]と、せっかく俺があげた武器が消えちゃうぜ?」

村田はその言葉に引き金に指をかけるのを止めた。そのできた一瞬の隙間の間に、坂東は四次元空間から手榴弾を三個取り出した。

坂東「信じられねえなら撃ってみな。俺はこいつを盾にするだけだ」

手榴弾をシャツの胸ポケットに入れ、残りの二つを両手で持った。

村田(くっ、この距離で撃てば……私諸共……)

動きが止まった村田を見て、坂東はにやりと笑った。

坂東「じゃあな村田マリカ! てめえの能力はよおくわかった!」

捨て台詞と共に手榴弾二つ。ピンをしっかり抜いて投げ込み、そのまま踵を返して全力疾走して逃げていった坂東。村田は咄嗟に後ろにのけぞって爆発を逃れた。

村田「うっ!!」

爆風と、それによる熱風に当てられ、村田は一瞬で満身創痍となる。これではせっかく幼児化にした坂東を仕留められない。

村田はある人物に二人に電話をかけた。

まずは一人目。

村田「もしもし、ナツキ? さっき坂東があんたの帰っていった方向と同じ方へ逃げた! 幼児化してるけど、胸ポケットに手榴弾入れた坊主の子どもだから確実に仕留めてよね!」

新田「了解!」

新田ナツキ――非常に女子っぽいが男子だ。村田マリカとは昨日から手を組んでいた。そして本当の能力は>>64。透明人間を騙り、坂東をうまく二人で手を組んで騙していたのだ。
そして、もうひとり電話をかけた相手、それは――

村田「もしもし、>>65(まだ脱落していない既存キャラあるいは新キャラにする場合、警察、マフィア等非クラスメイトの誰かでお願いします)? お願いしたいことがあるの」

存在感を消す

吏部

吏部「マリカじゃない。どうしたの……はあ? こっちは今忙しいっての!」

村田「忙しいって言ったってどうせ堂島ダイスケ追いかけてるだけでしょ?」

吏部(残念ながらそうじゃないんだなー)「違うの~。ダイスケくんに『追われてる』の!」

村田「はぁ? 妄想もとうとうここまで来たのね……あんたの催眠術は強いんだから、堂島ダイスケ使おうと何でもいいから坂東を封じ込めて! 今幼児化してて叩くのにはこの上ないチャンスなの!」

吏部「その催眠術でダイスケくんを射止めたのよ!!」

村田「おっけ、じゃあ尚更使って頂戴」

電話を切った村田。吏部は困った顔で追ってきたダイスケに微笑みかけた。

吏部(まあいっか……)「堂島くん、ひとつお願いしていいかしら」

堂島「どうしたんだい!? 俺、吏部さんのためなら何だって……」

吏部「村田マリカを消してくれないかしら?」

堂島「もちろんさ! 消すって具体的にどうすればいいんだろ?」

吏部(やっぱ馬鹿だわ……でもそこがいいところなんだけどね!!)「そうね……」

吏部(ダイスケくんは赤崎や北川、遠藤とも仲がいいから彼らを使う方法はたくさんありそう……っていうか仮に使えなくても催眠使えば大丈夫か)

吏部は堂島にあることを任せた。赤崎、遠藤など友人と協力して村田マリカを倒すこと。そして吏部自身の課題は、新田もしくは村田の見ていないところで坂東と接触すること。
――そして、これを聞いていたひとりの女―否、見た目は完全に女だが、男。

新田(これはまずいよね……まあボクの見ていないところで坂東と接触なんてことは無理だよ)

新田「僕は吏部リカ、君を追いかけるからね」

つぶやき声は、誰にも聞こえていない。


赤崎「堂島のやつどこいったんだろな。大丈夫か神野」

神野「ああ、かすったところが尾びれでよかった。尾びれだと、人体でいう〇〇ってところが見当たらないからね。実質腰に擦り傷ができたくらいのモンだ」

神野はイルカの状態から解かれ、赤崎によって助けられていた。

神野「ところで、北川は大丈夫なのか?」

赤崎「ああ、メンタルブッ壊れてる。もうダメかもな」

赤崎が北川のいた方を見つめると、未来からの使者が、北川をつれて未来へと帰ろうとしているところだった。

赤崎「お、おい! お前、コウタをどうする気だ!!?」

??「どうするって、北川コウタは、ここにいた織田オウジくんによって先程脱落させられたところですよ」

赤崎「織田……オウジ!!」

織田オウジが使者の影から姿を顕した。爽やかな前髪と甘いマスク。イケメンとも言える顔立ちは、クラスメイトの女子たちの心を射止め、『王子』の名前に恥じない評判っぷりである。能力は>>68

織田「赤崎くんじゃん」

赤崎「よ、よくもコウタを……」

織田「ああ、だって彼、もう死にたいみたいな顔してたから……未来人暴くためには、少し非道いこともしないと」

神野「リアリストだな」

織田「赤崎くんに、神野くん……君たちはきっとこのサバイバル生き残ると思ってる。言わば僕にとっては強敵、ライバルだ。だからこそ、ここで仕留めておこう」

織田は笑った。よほど自身があるのだろう。余裕の笑みに、赤崎は暑いのか汗を垂らしながら身構えた。

息を吐いている間、無敵になる能力(すでに自分にかけられている能力も無効化できる)

織田と赤崎、神野は互いに向かい合って構えた。神野、織田は他の二人の能力を知らない。

赤崎(つまりは……俺が神野の能力をうまく利用できるようにサポートしつつ、織田の能力に対応していかなきゃならねえのか)「行くぞッ!」

赤崎は走って一気に距離を詰める。織田は大きく息を吸った。

赤崎(なにかくるッ!!)

火を噴く、大きな音で攻撃してくる、膨らむ……様々な能力を想像した。そして、能力を使うタイミングはここだと悟った。

赤崎(今しかねえ!)

多重影分身を利用した赤崎。7つに別れる。神野も能力を使った。

神野(うしッ! サソリに変身だ!)

一撃で仕留める生物に変身した神野。体も小さいためそこまで警戒させずに近づける――神野ならではのよく考えられた変身だ。
目の前で7つに別れて多方面へと移動していく赤崎の空手を利用した殴打の応酬に合わせて毒針で仕留めるという算段だ。

織田(今だな)

赤崎「分っ!」

6つの方面から殴りかかる赤崎、息を大きく吸って横隔膜が広がった織田は、大きく息を吐いた。

織田(無敵時間!!)

赤崎の拳に、細い腕を合わせて動く織田。もちろん間に合ってないが、まるで聞いていないのが赤崎にもわかった。

赤崎(なぜだ!?)

少し離れていたところから眺めていた本体の赤崎。勝手に格闘技は素人だと思っていたのか――と自分を疑った。

赤崎(仕方ねえッ!!)「神野!!」

神野(おうよ!)

サソリの姿のまま織田に近づいていく。そして、しっぽの毒針で織田のすねを刺した。

神野(入った!)
赤崎(勝った!)

織田「ふー」

織田は息を吐き終えるよりも早く、しゃがみ込み、赤崎の分身たちの足の間から前転して抜け出した。

織田「危ない危ない……」

神野(効いてない……無敵系能力か!?)

赤崎「なるほどな……毒に対する免疫でも持ってるってやつかよ……」

神野「だとしたらこの姿ではやつに有効打が打てないな。俺の変身が解けるまで時間を稼いでくれないか。

赤崎「わかった。わりぃけど、時間稼ぎは超得意だぜ」

織田「……僕相手に有効打ひとつも当てられなかった空手の有段者が、時間稼ぎ……笑わせてくれるねッ!」

>>71「笑わせてもらってるのはこっちだぜ……王子様よぉ」

赤崎「>>71!!?」

別府「ちょっと待ちなさいよ~。王子様をいただくのは私なのよ~ん。あんたたちと戯れてる暇は、王子様にはないのよ~ん」

神野「べ、別府ピーター!!」

別府ピーター:ハーフでオカマ。織田オウジにぞっこん。能力>>72

>>71「別府ピーターの助けがきたところで織田オウジに勝目はねえ。俺の能力の前にお前は何もできないからな」

神野「あいつがテンション上がってるだと……?」

神野と赤崎は別府に警戒するとともに、>>71の助太刀に、一縷の希望を見出した。

遠藤

筋肉倍加

助太刀にきた遠藤。そして、逆に織田の仲間となり、対峙することになった別府ピーター。

別府「アタシの能力、見せるわよ~ん!!」

遠藤「アキラ、お前はあのオカマを頼む」

赤崎「わかった」

遠藤「神野、サソリの毒は通用したか?」

神野「一切だめだ」

織田「ふふっ……遠藤くん、テニスで鍛えた筋肉を今使わなくていいのかい?」

遠藤「……せっかく与えられた能力があるのに使わないなんて馬鹿だろ」

神野「よしっ!」

遠藤「まだ待て……赤崎、お前、分身能力だよな? あの織田と試しに少し戦って欲しい」

初めから多くの分身を作ってそうするつもりだった赤崎にとってその願いは簡単なものだった。

赤崎「7×3分身!」

21人の赤崎の分身ができた。そのうち10人が織田の方へ向かう。

織田「何人来ても無駄だ!」

また息を大きく吸った。遠藤と神野は織田の無敵の理由を観察している。

先程より多くの人数にリンチされてる織田だが、悠々と息を吐いているだけだ。
そして、またリンチされている中からうまく逃げ出し、また息を吸う。

次は、織田の方から殴りかかる。赤崎の分身は織田の殴打に耐えられない。分身は増やせば増やすほど耐久力が減っていく仕組みのようだ。

織田(思った以上に赤崎くんの分身は雑魚だ……これはもらった!)

息を吐き終わると同時に残り一つの分身に殴りかかる。しかし、その拳は、最後の分身に止められた。

赤崎「お前の能力、単純な肉体強化か? それにしちゃああまりに強すぎるから、なにか制約があるはずだ」

織田は、彼の言葉に冷や汗を流した。


今晩のところはここまでにさせていただきます。先日は寝落ちしてしまって申し訳ありませんでした

赤崎は、端から別府とまともにやりあうきなどなかった。初めから、遠藤の作戦に乗っかるつもりはなく、むしろ自ら織田の能力を暴くくらいの気概でいた。

別府「この私に11の分身ごときで勝とうとするなんて何て生意気なのぉおおお」

別府は能力を使用した。彼の能力、『筋肉倍加』によって別府の75kgの鍛えられた体のうちの60kgを超える筋肉が倍増し、100kgをゆうに超える筋肉が彼の体に鎧のようについた。

別府「甘く見ないでちょうだいよ!!」

別府は立ち向かってくる赤崎の分身を次々にぶちのめしていく。瞬間消えていく分身たち。

赤崎(バケモンだろ……あんなのとやりやったって勝てるわけねえ…!)

赤崎は別府の暴れようを傍目に見て冷や汗を流す。目の前で織田は息を大きく吸った。

織田「ふっ!」

織田は大きく腕を振り赤崎の手を振り払った。瞬間、息を吐きながら赤崎に殴りかかる。左腕でガードした赤崎だが、連打に押される。
反撃のパンチはまるで聞いていない。

運動は俺のほうがしてきた……そのはずなのに……と言わんばかりの絶望感。

赤崎(くそっ! 分身は全部消えたッ!)

別府「後ろよ♪」

別府ピーターがすぐ後ろで両手拳を頭の上に掲げていた。織田のアッパーを顎にくらい、赤崎は自然と視線が上へと移動する。嗤う別府が見えた。

別府「死んじゃいなさい!」

赤崎が織田の右足を反射的にけたぐりした。油断していたのだろうか、織田にダメージが見られる。瞬時に床に寝転ぶようにして別府の拳を避けた。


2VS1で戦っている赤崎を見ながら神野は焦る。

神野「よし、元に戻った! 早く助けに行こう!!」

遠藤「待て神野。お前、タコに変身してくれ」

神野「は? 水中じゃなきゃクソの役にも立たんぞ。 まさか今からプールに突き落とそうとか無茶言い出すんじゃないだろうな?」

遠藤「それは得策ではない。確かアキラは泳げたよな?」

神野「問題ないはずだ」

遠藤(アキラがリンチしている間、全くダメージを受けている様子のなかった織田だが、ある間隔で必ずリンチから抜け出す。そして、さっきの蹴り、完全に織田が息を吸っているタイミングだった)

遠藤(彼のあの能力が、『呼吸に関する』能力ならば……呼吸を封じれば良い!!)

遠藤が能力を発動した。周囲が液体に包まれた。織田と別府、赤崎に神野。そして遠藤の5人が、半径10mの水中ドームに包まれたのである。

遠藤の能力が発動した直後、神野はタコに変身する。遠藤は、織田に絡みつくように指示した。タコ化した神野は水中を猛スピードで移動し、織田に絡みついた。
完全に織田は呼吸と移動を制限された状態にある。

赤崎(影分身!)

2つに別れた赤崎。呼吸を封じられた織田は、能力が使えない。息を吐き出せば最後、この空間では戦うことができなくなる。

織田(くそッ……詰みか……)

別府(王子が……よくもッ!!)

動こうとする別府。しかし、彼の体は自身の想像以上に重い。

赤崎(まさか……別府の野郎、体が重すぎて水中ではロクに身動きすら取れないんじゃ……)

まさに赤崎の予想通りだった。別府は筋肉売価による体脂肪率の極端な低下と体重増加により、普段の自分の水泳の感覚では動けない状態にあった。まともに動けない別府と織田は、もはや水中で遠藤と赤崎の分身のサンドバックになるしかなかった。


織田(くそっ! 赤崎のパンチは……こんなに重かったのか……)
別府(悔しいわ……)


数分後、能力を解除した遠藤。織田も別府も倒れ込んでいた。

遠藤「サンキュ、アキラ、神野」

神野「構わん。それより……」

赤崎「ああ。このふたりはおそらく脱落だろう」

赤崎の言葉のあと、すぐに使者がやってきた。

??「ったく……今日は忙しいですねえ。織田オウジ、別府ピーター脱落、と」

二人を抱え、未来へと帰っていく使者。赤崎は哀しそうにその様子を見ていた。

神野「遠藤、よく織田の能力を見抜けたな……」

遠藤「まあな。言っておくが俺はこの一件、ゲーム感覚ではやってないぞ。本気で生き残るつもりでやってる」

赤崎「そうか……」
神野「おっ! それじゃあ一緒に未来人暴こうぜ!!」

遠藤は神野の言葉に、眉尻を下げて笑った。イケメンたる所以を見たようにも感じるような爽やかな笑顔だった。

遠藤「……ああ」

神野が乾く前にプールに移動させた赤崎。

神野「サンキュ」

赤崎は神野に笑いかける。

赤崎「しかし、遠藤、今回はお前のおかげで助かった。コウタの仇をとってくれてありがとう」

遠藤「礼には及ばねえよ。それより、あそこ見ろよ」

遠藤が差した先に、堂島ダイスケが立っていた。先程吏部リカを追っていったはずだった。

赤崎「ダイスケ!」

堂島「よっ、アキラ。遠藤も一緒じゃねえか。むしろ都合がいい。お願いしたいことがある」

赤崎・神野・遠藤「?」

堂島「村田マリカを一緒に倒して欲しい!」

久司「その話、私も乗ったわ!」

堂島「ヒメちゃん?」

久司ヒメ:お嬢様。どうやら村田マリカとは美人ランキング1.2を争う中であるため相当仲が悪いとか悪くないとか。能力>>79

久司「私にも協力させて堂島くん。この人数で襲撃すれば勝てるわ!」

突如として現れた久司の言葉に士気が高まる赤崎たち。しかし、二人の声がそれを止めた。

竜崎「悪いね……さすがに女子一人をリンチは認められないな」
>>80「私も同感よ」

遠藤「>>80……竜崎と一緒にいたのか」

>>80「さっきそこで会ったからね」

竜崎レン:性格イケメン。博愛主義者だが、同時に壊れること、失うことを極端に怖がる男。能力>>81

竜崎「……さすがに、これは止めなきゃだね……。覚悟してもらおうか」

赤崎「てめえがその気なら仕方ねえな。やってやるよ」

武久美子(たけ・くみこ)

電気をあやつる

無機物の形を変形する
ある程度は質量保存則を無視できる

>>79>>80入れ替えでいいですかね
武久美子がどんな人物かはこちらで設定させていただきます。
彼女の能力>>83

自分と自分が身に着けているもの以外の時間を止める
1.時間が止まっているものは動かせない 2.止められるのは9秒まで 3.止めた秒だけ再発動に時間がかかる

>>1
>>80みたいなのって既存キャラでも新キャラでもいいの?

>>84
大丈夫ですよー
今回は特に指定もしてなかったので。
次からはしっかり指定して混乱招かないよう努めます

久司「ダメよ! こいつらは村田マリカによって送り込まれた刺客みたいなもの! かまってたら時間が……!」

武「久司さん……バラさないでくれないかしら……? 竜崎レンはともかく、私にとっては事実なんだから!」

堂島(こいつらみんなやべえよ……)

竜崎は武の言葉に笑いながら、床に手をついた。

竜崎「僕の目的はあくまでも足止め。彼らがリンチにいかないように防ぐだけだから。武さん、別に彼らを脱落させようなんて考えないでね」

彼が右手に力を込めると、プールの床が海面のように波打ち始めた。

赤崎(うわッ……やべえ)

波打つ床の上でバランスを取るのも一苦労な赤崎ら5人。

武「いい能力じゃない」

余裕の表情で笑う武に対して、赤崎は走って近づいていった。

赤崎(何事も先手必勝!)

波打つ床。ジャンプしてうまく近づいていく。武はにやりと笑った。

武「Stop!」

赤崎が武に対して正拳突きをしようとしたそのタイミングだった。武の能力が発動し、波打つ床も、赤崎も、その他大勢もその動きを止めた。

武「女相手でも容赦なく殴りかかるアキラ、嫌いじゃないわ」

武が持っていたカバン(中にかなり重いものが入っていた模様)で赤崎の頭を数回叩き、時を再開させた。

赤崎(う……あ、これは痛え……)

鈍器で殴られたかのような鈍痛。赤崎はふらついて倒れた。

堂島(やばいッ! アキラが!!)

走って赤崎の元へ駆け寄る堂島。親友のピンチなのだ。動かないわけには行かない。
しかし、堂島が駆け寄るよりも早く、赤崎は影分身した。

赤崎(これで次の一撃までの時間は稼げるッ!)

竜崎(厄介だな……武の近くは床揺らせないからなあ……)

竜崎は赤崎の存在を危惧しながらも仕方なく無視し、堂島を足止めすることに全力を注いだ。

武(時間稼ぎのつもりかしら……無駄よ!)

武はまた時間を止めた。先程は5秒しか止めていない。そして、次発動するには止めた時間の2倍の時間が立つ必要がある。

武はほぼ鈍器のカバンで赤崎の分身たちを叩き潰していく。このなかに本体が入れば確実に仕留められると踏んでのことだ。


時間が再開した。2つだけ残った赤崎の分身。どちらかが本体だ。時間が動くまでに倒すことはできなかった。

赤崎(一瞬で数体がやられたッ!! くそっ! 時間を止める系能力の可能性だな。意識外のうちに攻撃がされてるしな)

竜崎「武さん! アキラくんの方何とかできる?」

武「勿論よ」

赤崎(だったら俺と堂島で戦う相手を変えるべきだ!!)

赤崎は武と対峙していた体を後ろに向け、竜崎のもとへ走っていった。

遠藤と久司は少し離れたところから様子見するしかなかった。竜崎が倒すつもりがないこと、武が赤崎を一方的にぼこっていることから助太刀すらも危ういと警戒させていた。
神野もタコの姿ではどうしようもない。

神野(畜生、何とかしてやりたいが……)

心配する神野をよそに、赤崎は勝算を見出していた。

赤崎「堂島! 俺が竜崎の相手をしてやるから、武に能力をかけてくれ!」

堂島「わかった!!」

どうやら堂島も波打つ床に対応し始めたらしい。7つに影分身して一気に近づいてくる赤崎に対し、焦りの色を見せ始めた。

竜崎「やば!」

竜崎はプールの床を壁のように変形させ、赤崎の行く手を阻もうとした。しかし、赤崎とその分身たちは、壁を超える、回り込むなどして竜崎の元にたどり着く。
助太刀に入ろうと赤崎に近づいた武。その隙に堂島は能力をかけた。

堂島(視界ジャック!!)

武の視界が映る堂島。ジャックしているため武は視界を失っている状態だ。焦る彼女。能力を使っても何も見えないため動きようがない。何もできないまま徒に止まった9秒の時間が過ぎた。

武(な、何も見えない……)

武の動きを封じた。時間を止めても無駄だと悟らせるには視界を奪うのがちょうどよかったようだ。

竜崎(何してるんだ武……あんなに高を括っていたのに……)

赤崎の分身を勝手に無機物だと仮定して能力をかける竜崎。分身たちはものの見事に変形しては消えていく。これが効かない者が本体だ。そう悟った。

竜崎(仕方ない……少し体力を使うが、奥の手を使うか……)

竜崎がそう思った瞬間、赤崎の本体から腹部を殴られた。大きく飛ぶ彼だったが、油断した赤崎の足元の床を変形させ、遠藤らのいたところまで追い返した。

遠藤「すごいじゃないか赤崎……あの武を封じ込めたぞ!」

赤崎「ああ……。おそらくチアキとか神野だったら視界ジャックしようとどうしようもねえけど、これなら何とかなりそうだ」

堂島が赤崎を心配して引き返す。目をつむっているためこちらは見えていない。

堂島「おい! 武! 動かない方がいいぞ! 目の前にはプールがある! 目が見えていないお前が今落ちたら溺れて死ぬぞ!!」

嘘の情報をつたえ、完全に武の動きを封じている。周囲がプールであったことが幸いしたのかもしれない。しかし、竜崎は不敵に笑った。

竜崎「みんな一気に固まってくれてサンキューだぜ!」


竜崎は両手をプールの床につけた。すると、一気に跳ね上がるプールの床。壁が一気に広がり、4人の周りを囲う。

遠藤「囲まれた……な」

10mくらいの壁が遠藤らを囲った。これでは完全に身動きがとれない。竜崎の言っていた『足止め』が完成しつつあった。

今晩のところはここまでとさせていただきます。これからも何卒よろしくお願いいたします

遠藤「あーあ。壁張られちゃったな」

堂島「畜生……能力も溶けちまったよッ……」

赤崎「どーすんだこれ……頭いてえし」

久司「神野さんがプールの中にいたはずでは?」

堂島「この高さじゃどちらにせよ……」

遠藤「お前ら……何諦めてるんだ?」

赤崎・堂島「え?」

遠藤「見てろ」

遠藤が水中ドームを形成した。半径10mに及ぶ水中ドームは高さも10m。つまり、泳いで10m上まで行けるということだ。

遠藤が泳ぎながら上を指差す。彼に誘導に従い、堂島、赤崎も続く。久司もそれに続く。

竜崎(あ、あれは……遠藤エイジの能力だと言うのか……?)

竜崎が思わず身構えた。しかし、壁の向こうで唯一笑顔だった久司が、その状況を打ち壊した。

久司(もらった……!!)

久司ヒメの能力は電気を操る能力。球体の中にわずかに発生する静電気たちをある一箇所に集める。
その一箇所は……

堂島(うっ!! しびれるッ!!)

堂島の体が電気によりしびれが走る。その電気は水の中を自由に飛び回り、赤崎、そして遠藤の体にも電気がヒットした。

しびれて底に沈んでいく三人。久司はひとり上へと泳ぎ込み、竜崎の作った壁の上に立った。

竜崎(久司ヒメ……上がったのはひとりだけか……)

久司が滑り台状になっている壁を滑って降りる。身構える竜崎。武は飽きたのか既にプールを去っている。

久司「竜崎くん……あなたの甘い考えで未来人を暴くことは不可能よ。既に坂東坊やマリカや遠藤たちもクラスメイトを脱落させている。この戦いは、もう取り返しのつかないところまで来ているわ」

竜崎(そ、そんな……)

久司「私はマリカについていく。マリカは未来を創る人物になるわ……きっとね」

竜崎は息を呑んだ。久司は仲が悪いふりをして村田と手を組んでいたというのか……。見抜けなかった自分に罪悪感が募る。久司は竜崎を無視してプールを去る。向かったのは武の向かった先だ。

坂東坊……伊藤イノリ、権藤ギンを脱落させ、神野条壱を襲撃した他、村田マリカと交戦するも、彼女の幼児化の能力にかかり、戦える状況になかった。

坂東(あんにゃろ……舐めやがって……絶対にあとで爆散させてやる……)

坂東は怒りに任せて小石を蹴った。その蹴った先に立つ、ひとりの少年。

佐々木「おっ、坊主! 石けったら危ないぞ!」

その少年は佐々木翔太:スポーツ万能な足の速い少年。能力>>92

佐々木「お前……もしかして坂東の弟か? 俺さ……坊のアンちゃん探してるんだよね。どこいったか知らねえか?」

坂東は佐々木に合わせて弟の振りをする。

坂東「兄ちゃんなら向こうへ行ったよ。兄ちゃんになにか用?」

佐々木「いや、大した理由じゃないんだ。ちょっと戦いたいだけよ。お前の兄ちゃん強いだろ?」

坂東「まあね! ちなみに兄ちゃんは>>93と一緒にいたよ! >>93に聞くのが一番じゃないかな?」

佐々木「サンキュ!」

佐々木が走り去っていった。坂東はにやりと笑って佐々木の向かった方と逆へと歩いて行った。

>>93は未脱落の登場済キャラでお願いします!
安価ずれたので佐々木の能力→>>93
佐々木の向かった場所>>94の元でお願いします

物と物の場所を入れ替える
生物でも可能

村田マリカ

坂東は歩きながら過去のことを思い返していた。赤崎とは中学一年生のときに出会い、同じ空手部に入った。
坂東は出会ったときに、本能的に感じた。『赤崎アキラはいずれ自身のライバルとなること』を。
一度も赤崎には負けたことがなかったが、彼はいつも自らのすぐ後ろをついてくる男だった。

坂東(しっかし……こんだけ俺は動いているというのにアキラは一切俺に構おうとしねえ……どうなってやがる)

小さな身体を少しずつ動かしながら、家を目指す坂東。その坂東をつけている二人の人物。

吏部(あれが坂東……幼児化しても生意気そうな姿してるわ……堂島くんはこないわ……もしかして洗脳とけちゃったかしら)

新田(マリカのために……あのクソ餓鬼をやればいいよな……)

坂東「おい、あんたさっきから俺をつけてるけど何者だ?」

吏部(私だということを認識してない……)

新田(僕の能力のおかげで坂東には気づかれてはいない…)

坂東、吏部、新田の三人が対峙している。坂東と吏部は互いに認識し合っているが、新田は二人に気づかれずに立っている。

坂東「お前……兄ちゃんの同級生の……」

吏部(弟!? どうなってる……?)
新田(いや違う……胸ポケットに確かに手榴弾を入れてる……)


坂東(吏部は何考えてるのかマジでわからん……迂闊に近づくのは危険だし……村田マリカみたいに明らかな敵意がある方がまだやりやすいよな……)

吏部「坂東くんの弟くん? お願いがあるの……」

吏部は幼児化した坂東と目線を合わせる。耳元で誰にも聞こえないような微かな声で囁く。

吏部「村田マリカを私と協力して倒して欲しいの。お願い聞いてくれるかしら?」

坂東は目を見開いた。しばらく考えた後、小さく頷いた。新田ナツキはその様子を遠くから眺めながら村田に連絡しようと携帯電話を取り出す。

村田「もしもし、ナツキどうしたの?」

新田「吏部リカが坂東坊と接触に成功したみたい。何とかうまくいけそうだわ」

佐々木「おい、お前、誰と喋ってるんだ?」

新田「……あとでかけ直す」

新田が村田との電話を切ると、目の前にいた佐々木の法を見た。

新田「よく僕に気づいたね」

佐々木「喋ってたら普通気づくだろ。さっきから坂東の弟と吏部見ながら何してたんだ?」

新田「いや……ちょっとね。坂東を狙ってるんだ」

佐々木「同じだな……村田マリカがどこにいるのか、お前知ってるか?」

新田(手を組もうとしてるのかしら……マリカなら歓迎するかな)「いいよ、連絡しといてあげる。こっからちょっといった先の公園にいると思うわ」

佐々木「そーか」

佐々木は笑いながら公園へ向かった。しかし、複雑な人間関係を理解できない佐々木はよくわからないまま後頭部を掻いた。

高木「おいおい、一体どういうことだオラ」

高木「みんな俺を差し置いて未来人とやら……俺は高木テツヤ!! この学校最強の男を差し置いて……能力を使い好き放題をするなど許せん!!」

ビクトリア「but……未来人ってDangerって聞いたよ……テツヤ勝てるの?」

高木「俺が勝てない人間などいるわけなかろう!」

高木テツヤ:学校で一番喧嘩が強い男。坂東とは喧嘩ライバル。能力>>97
ビクトリア:留学生。めちゃくちゃ背が高い。能力>>98

高木「未来人とやらを早く暴かねえとな……さあて、誰からぶっつぶそうかな!」

ビクトリア「meも協力していいかな?」

高木「勝手にしろ」


村田「リカ、ナツキ、久美子、ヒメ……あとひとりくらい有能な部下が欲しいと思ってたところなのよねえ……ちょうどあなたが来てくれてよかったわ。>>97。」

>>99は佐々木、吏部、新田、武、久司、坂東以外のキャラでお願いします)

>>99「……村田さんさあ……ぶっちゃけ言っていい? 未来人でしょ?」

自分の身体を発火させ、全身火達磨になって行動でき、腕や足を振るって炎を飛ばせる

偉人を現代に召喚して従属させる

ホノカ

村田「何言ってるの? 私が未来人?」

早川「だって……村田さんだけ完璧超人すぎるじゃん。ナツキくんに吏部さんに久美子さんに……たくさんの人があなたを慕っているわ」

村田「そんな理由だけで私を未来人するなんて浅はかすぎるわ」

早川「じゃあ質問していいかしら? あなたはどうして坂東くんを狙っているの?」

村田「!?」

早川「未来人を暴くことがこのクラスの多方の目標。坂東くんは曲がりなりにもしっかりとその目標のためにも戦ってるのよ? まだやられないように身を守ろうとするならわかるけど、襲われると決まったわけでもないのに無力化して潰そうとしてるの?」

村田(早川ホノカ……千葉チアキとか言うバカと一緒にいるからバカだと思ってたけど結構切れ者だったのね)

佐々木「よぉ村田……おっ、早川も一緒か」

早川「さ、佐々木くんどうしたの?」

頬を赤くする早川。佐々木は笑って早川に離れるようにうながす。

佐々木「離れとけ。今から俺とこいつはガチの戦闘をする」

村田(さっきナツキから連絡があったときはそんなことは一言も……こいつ、私をつぶしにかかってる?)

早川「ど、どうして!?」

佐々木「俺はバンドーが未来人じゃねえかと疑ってる。理由は単純! 大勢のクラスメイトを潰してるからだ!! だから坂東と手を組んでいるらしきお前を潰す」

村田(私があいつと……!? 一体どんなバカなの!? でも……確かに銃を彼からもらったし……そう思われる可能性も)

佐々木「どうなんだ? 言ってみろ。あいつと手を組んでいるのか……?」

村田「それは違うわ……」

佐々木「……まあいいや、どちらにせよ怪しい奴は叩くべき!」

佐々木が右手を早川の方に向け、左手を公園のベンチに向けた。
そして、ベンチと早川の場所が一瞬で入れ替わる。

佐々木「やろうぜ!」

竜崎「遠藤……大丈夫か?」

遠藤「りゅ、……竜崎」

プールの床は平たく戻っていた。竜崎が三人を助けたらしい。

竜崎「すまなかった……僕も浅はかだったよ」

遠藤「気づけばいいんだ。な、アキラ」

赤崎「ああ……」

遠藤がダメージを受けて数十秒で能力が解けたおかげで、赤崎も堂島も無事だった。

遠藤「しかし……久司が仲間のふりをして俺達を襲撃してくるとは」

赤崎「危ないな……武久美子も危険な存在だし、俺たちが真っ先に倒すべきは」

堂島「うん……」

遠藤・赤崎・堂島・竜崎「村田マリカだな」

裏川「少し気になる話してるわね」

堂島「ウミちゃん!」

裏川ウミ:ロリ。身体が小さい。能力>>102

裏川「私にもその話聞かせてほしいな」

赤崎が警戒心を見せた。遠藤がその肩を掴んで首を横に振る。

遠藤「大丈夫だ。裏川は俺たちの考えに同意してくれる」

赤崎「わかった……」

遠藤「俺たちの考えを説明する。俺は村田マリカが何をしたいのかが理解できない。クラスメイトの中の未来人を暴くことが目的なのにクラスメイト同士で徒党を組んで反乱因子を潰しているのは非常に非効率的だ。よって何か良からぬ目的を持っている可能性が高い」

赤崎「なるほど」
堂島「なるほどわからん」

竜崎「簡単に言えば、村田マリカが未来人じゃないかって疑ってるってことだよ」

裏川「私も遠藤くんの考えには同意だわ……」

裏川はにやりと笑った。赤崎はその笑顔にもどかしさを感じる。蟠りを抱きながらも、5人は動き出した。

脱落した生徒のお面が手元に出現し、そのお面を被るとその生徒が持っていた能力を使える


佐々木「……畜生! てめえ俺に何しやがった!!」

幼児化している佐々木。村田との戦いが佳境を迎えた今、村田が能力を佐々木に決めた。

村田(勝った!)

早川は口をあんぐり開けている。

佐々木(畜生……入れ替える物ミスって一気に近づかれた時に気づくべきだった……これでは圧倒的に不利だ)

村田「さよならね……佐々木。私を侮辱したのが間違いだったようね……」

銃を構える村田。佐々木は絶望した表情を見せる。両者の間に少し距離はあるが、戦いで疲弊し、幼児の身体となった佐々木にとっては、とてもじゃないが避けることはできない。

佐々木(……ちっ、ここで俺も脱落か……結構早かったなあ)

佐々木は笑った。諦念による笑みだったというわけではない。むしろ、一縷の希望を見出したかのような、そんな笑みだった。
村田が引き金に手をかけた。銃弾がまっすぐに飛んでいく。

早川「やめて!!」

早川の叫び声。佐々木は能力を使った。
銃弾と、村田の後ろにあった植木の場所を入れ替えた。

佐々木「終わりだ村田!」

佐々木に抱きつくようにして覆いかぶさった早川。佐々木は勝ち誇った顔をしていた。しかし

村田「あんたの能力は既にわかってたのに、対策していないわけ無いでしょ」

村田を狙って植木と銃弾の場所を入れ替えた佐々木だったが、村田はそれを読んで銃弾を避けるように少し横に立っていた。

佐々木「やべえ!」

瞬時、早川を守るように身を乗り出した佐々木だったが、早川は本能的、反射的に佐々木を突き飛ばした。

佐々木(あ……やべえ……変なとこ触ったかな……)

小さな身体の佐々木が地面に腰を落とした瞬間、早川は脇腹に被弾した。

早川(い、痛いッ)

佐々木「……早川!!」

村田にも少なからず動揺が見られた。狙いとは全く違う人物を撃っていたからだ。

早川「……佐々木……くん」

佐々木「な、なんで? 離れてろって言っただろ!!」

早川「だって……佐々木くんが……戦ってるのに私だけ離れたところから指咥えて見てられないよ……」

佐々木「なんで助けるんだよ……! なんで……おかしいだろ」

早川「……おかしくないよ……。好きだから……って理由じゃダメかな?」

早川の目には涙が溢れる。一筋零れた涙が地面について濡らす。

佐々木「……くっだらねえ……」

鼻をすすって少し顔を赤くした佐々木。思わずこみあげる感情に耐えられず青空を見上げる。

早川「……はあ……そんなに仲良くもなかったのに、ただ運動できて男らしく気遣いできるところが好きだったってだけで命投げ出すなんてさすがにおかしいかな」

早川は目から涙をたくさん流しながら笑った。

佐々木「おかしくねえよ……てか早川が俺のこと好きだったなんて知らなかったし。ふざけんなっての」

早川が虫の息になったところで、村田は立ち去るように公園から走って出て行った。

佐々木「……にげんじゃねえよ!」

叫ぶ佐々木の声も無視して走り去っていく村田マリカ。
すぐに未来からの使者が脱落者である早川ホノカを迎えに来たようだ。

??「安心しな、佐々木翔太。未来でしっかり治療してやっから。こいつが未来人かどうかは未来の方で判断するから」

佐々木「……なんでこんな形で……」

??「俺達が極力働かなくていいからだ」

そんな理由で……とぶん殴りってやりたかった。今の佐々木の小さな拳ではカスの役にも立たない。

佐々木(ぜってえこんなやり方を選んだ未来のやつらをぶっとばす!)


赤崎が一人泣く幼児体の佐々木を見つけた。

赤崎(迷子かな……)

村田を探していた彼には、迷子を構う暇などなく、村田と交戦した男の前を通り過ぎ去っていった。赤崎は>>105へと向かう。

>>105は場所の名前でお願いします。既に出た場所でも初出の場所でも構いません)

すみません、今晩はここまでとさせていただきます
安価下でお願いします

赤崎が向かった土手。そこに神野がいた。

神野「赤崎、お前ら俺を忘れてどこに行っていたんだ? 俺はお前を探して大変だったんだぞ」

赤崎「ああ、わりぃ」(やっべえ、素で忘れてた……)

神野「まあいいや。お前さ……未来人のこと本当に信じてるか?」

神野が流れる川をみながら土手に座り込んだ。
赤崎も無言で隣に座る。

赤崎「……」

言葉に詰まって何も言えない。正直、村田マリカが怪しいと思っているが、もし、未来人のことが本当ではなかったら、どうなるのだろう。
未来から来た使者、脱落した大勢のクラスメイトは何のために争って傷ついたのか……。

赤崎「……わからないや」

今の自分にも向けて放った言葉その言葉は、神野にとっても大変説得力のあるものだった。

神野「そっか……」

神野が晴れやかな表情で立ち上がった。

神野「俺さ、チアキちゃんに告ろうと思ってるんだ」

神野条壱の思わぬ発言に、赤崎の心の中がどよめいた。

赤崎(なんで今……!?)

神野「アキラ、どう思う?」

赤崎「まあ……>>109だしな。いいんじゃねえの」

思い立ったが吉日

神野「思い立ったが吉日か……サンキュ……!」

神野が走っていった。夕陽が沈んでいくのを眺めながら赤崎は浮かない顔で川に丸い小石を投げた。
水面を数回跳ねたのち、ちゃぽんとこ気味良い音を立てて水の中へと潜っていく小石。

八代「いいわねいいわね恋の三角関係! どーするの、このあと?」

八代ユミ:クラス一の恋愛体質の持ち主。色恋沙汰に興味津々なのだ。能力>>111

赤崎「どーもこーもしねーよ」

八代「でもチアキちゃんのこと好きなんでしょ?? でしょ?」

赤崎「……アホか……んなわけねえだろ」

八代「いいじゃんいいじゃん! せっかくだからこの夏休みで決着つけちゃいなよ!」

赤崎「だいたい、俺が仮にチアキのこと好きだとして……チアキのこと無視して神野と俺で話すすめるのもよくねえだろ」

八代「……それもそっか。 あんた意外に考えてるのね」

赤崎「……何が言いたいんだよ」

八代「>>112ってことよ」

赤崎「!!」

異性を興奮させる

私はあなたが好き

赤崎「……お前何言ってるんだ!?」

八代「私の能力は『異性を興奮させる能力』だから……乱れに乱れたあなたを見ながら私は……」

赤崎(怖い……怖いよこの人……)

八代「……ふふふふふふふふふふ」

赤崎(あれ、何だかおかしいぞ……)

身体の内側からこみ上げてくる何かを感じる赤崎。

赤崎(何だ何だ……何なんだこのExcitingな感情はあああああ!!!!)

八代(ふふふふふふふふふふ……)

千葉(あの人たち……どうしたんだろ?)

エキサイティングする八代と赤崎を土手から少し離れた河川敷で見ていた。このあと、早川との約束として、公園に向かう予定だった。

千葉(アキラくん……ユミちゃんとできてるのかな……)

河川敷の小石を蹴る。赤崎らのいる方とは逆の川の水面へとまっすぐ向かっていったのち、水中へ飛び込んだ。

千葉(公園行かないとな)

公園にて。

千葉「……あれ、ホノカ先きてるって言ってたはずなのに……」

一箇所、土が濡れているのが見えた。

千葉(あれ……ここだけやたら濡れてる……)

千葉が顔を近づけてみる。そのしゃがむ姿に声をかける一人の男。

神野「……チアキちゃん……」

千葉「あれ、神野くん? どうしたの??」

千葉チアキは何も気づいていない。神野はうつむいて目を閉じる。

神野(いいんだ……アキラだって応援してくれたじゃないか……思い立ったが吉日……そうだろ?)

神野「……チアキちゃん……実は……」


佐々木「実は、その濡れた土…………っつうか、お前にはなさなきゃいけないことがある」

千葉「え??」

佐々木「お前、早川と仲良かったろ」

千葉「ま、待って……君誰?」

神野の後ろにやってきて千葉に話しかけた佐々木翔太だったが、村田マリカの能力によって幼児化している。

佐々木「どうでもいいだろそんなこと」

佐々木「早川ホノカが脱落した……!」

千葉・神野「……!!」

佐々木「じゃあな……」

千葉「ま、待って!」

神野(この事情を知ってるのはクラスメイトのだけはず……ってことは何者かが何者かの能力によってこの姿になっている……よくみたらこの姿見……佐々木か!?)

佐々木「俺はもう待たせられない……」(すぐにでも助けに行かなきゃだぜ)

神野「待て佐々木……その能力、誰にかけられた? おそらく、早川を脱落させたのもそいつなんだろ?」

佐々木「さすがだな神野。そんなお前にサービス情報をやるよ……」

佐々木「実は>>115なんだ」

佐々木はこの言葉を吐くと、公園を去っていった。

今晩はここまでとさせていただきます
ここのところこれてなくて申し訳ありません

村田マリカ

翌日。夏休みも残すところあと一週間となった。蝉時雨を浴びながら読書感想文用の本を自習室で静かに読みふける一人の女子。
学級委員町の渡辺ワコだった。

渡辺(虫の声と雀のさえずりが僕の目覚まし時計だ。火照った顔に洗面所の水をかけて冷やす…じんわりと冷たさが顔中に広がるが、その心地よさも束の間。一瞬のうちに汗のようにへばりつく生温かい水は、僕に不快感を与えた)

渡辺(難しすぎてよくわかんないやこの本……何が面白いのやら……)

渡辺ワコ(能力>>120)は分厚い本を閉じると窓から外の景色を眺める。こうして自習室に籠って課題ばかりしているせいか、プール、海にいくだの花火を見に行くだのは全く無縁だった。
もちろん、未来人を暴くことにも無関心。

渡辺(未来人がどうとか騒いでそれこそ何が面白いのやら……)

この自習室、いつも一人で使っているというわけではない。いつもクラスメイトの沿ヒロアキがよく使っているはずなのだが、今日は見当たらない。

渡辺(しっかし、みんな課題終わるのか……あと一週間だぞ……)



高木テツヤと留学生のビクトリアは、近くのコンビニでアイスを貪りながら作戦会議をしていた。

高木「まずは……戦う上で危険なやつを探すぞ。とりあえず坂東坊は強いから無しだ。かないっこねえ」

ビクトリア「いいのかい? テツヤは最強なんだろう? きっと勝てるよ」

高木「そ、そうか。じゃあほかに誰かいるか?

ビクトリア「うーん、そうですねえ。そういえば、昨日ウミから連絡があったヨ。マリカが怪しいらしいデス」

高木「村田マリカか……確かにあいつは信者連れてるし、いざ対峙すると危ないかもな。後回しリストに入れておこう。必然的に新田ナツキ、吏部リカ、久司ヒメも後回しだな」

ビクトリア「ヒメはマリカと仲悪いと思ってました。Don't you?」

高木「俺にもわからん。女の世界は複雑だ」

ビクトリア「なるほど……あと夕べ、ナツキから連絡ありました。ボウを狙うなら今のうちだそうです!」

高木「それを早く言え。なぜだ?」

ビクトリア「Umm……何しろ、今彼childrenmodeらしいでーす」

高木(こいつのルー大柴みてえな話し方なんとかならねえのか)

高木「よし、じゃあ誰から攻めるかはくじ引きで決める!! こうだっ!!」

引いたくじに書かれていた名前。それは>>121だった。

道端に落ちてる軍手の持ち主がわかる能力

赤崎

赤崎は昨日の八代とのやりとりを思い返して不思議な気持ちに陥っていた。

赤崎(昨日……なんで俺はあんなにエキサイトしてたんだろ……八代を見た途端に……)

腑に落ちないことが最近多すぎる。神野が千葉に告白すると知った時に感じたもどかしさもそうだ。

赤崎(俺は一体……)


高木「いたぞビクトリア……あいつひとりだ」

ビクトリア「でもテツヤ……アキラもカラテ強いよ」

高木「なあに……坊ほどじゃねえ」

高木が両手に炎を纏って一気に走って赤崎との距離を詰める。
赤崎がその気配に気づき、後ろを振り返る。

赤崎(え!?)

影分身で瞬時に3つに別れ、高木の右ラリアットを避ける。赤崎本体以外の分身はその攻撃を受けて消滅してしまった。

赤崎「……かあ……そのガタイ……テツヤか」

高木「よくわかったな……」

赤崎「火ダルマになる能力とか卑怯だぜ……触れられねえじゃん」

高木「そうだ! お前は俺に一方的にぼこられるだけだ!!」

赤崎(うわー、やっべえ)


ビクトリア(僕の出る幕なさそうだな……)

退屈そうに傍から座り込んで高木と赤崎の戦いを眺めるビクトリア。

高木「うらっ!」

高木の拳を赤崎は早い反応で何とかかわす。いつもならここでカウンターを打ち込むところだが、彼の身体は何せ火で覆われている。
一発打ち込めば大やけどは免れない。そう思って反撃を諦めた瞬間、炎の塊が自分の目の前に飛んできた。

赤崎(やべっ!!)

火を顔に受ける赤崎。焼けるような痛みが顔を襲った。すぐにTシャツの袖で無理やり消化したが、袖が少し黒っぽくなってしまった。

赤崎「あーあー、せっかくいい店で買ったやつなのに」

高木「知るかそんなこと。俺の敵になっちまったことが運の尽きだ」

赤崎「そーかい」

赤崎は影分身で高木を覆い囲う。おそらく25人はいるであろう人数。

赤崎(分身ならワンチャン)

大勢で攻撃すれば、一撃で自分を仕留められることはないだろう。そう思い至って一発でも分身によってでもいい。とりあえず一撃いれれば素人の高木にダメージを与えることはできる。

赤崎「「「いくぞ!!」」」

25人の赤崎が一斉に走り出した。

ビクトリア(僕の出る幕なさそうだな……)

退屈そうに傍から座り込んで高木と赤崎の戦いを眺めるビクトリア。

高木「うらっ!」

高木の拳を赤崎は早い反応で何とかかわす。いつもならここでカウンターを打ち込むところだが、彼の身体は何せ火で覆われている。
一発打ち込めば大やけどは免れない。そう思って反撃を諦めた瞬間、炎の塊が自分の目の前に飛んできた。

赤崎(やべっ!!)

火を顔に受ける赤崎。焼けるような痛みが顔を襲った。すぐにTシャツの袖で無理やり消化したが、袖が少し黒っぽくなってしまった。

赤崎「あーあー、せっかくいい店で買ったやつなのに」

高木「知るかそんなこと。俺の敵になっちまったことが運の尽きだ」

赤崎「そーかい」

赤崎は影分身で高木を覆い囲う。おそらく25人はいるであろう人数。

赤崎(分身ならワンチャン)

大勢で攻撃すれば、一撃で自分を仕留められることはないだろう。そう思い至って一発でも分身によってでもいい。とりあえず一撃いれれば素人の高木にダメージを与えることはできる。

赤崎「「「いくぞ!!」」」

25人の赤崎が一斉に走り出した。


高木「全員で襲いかかり、あわよくば一発ってつもりか? そういう甘い男が俺に勝てるわけなかろう!!」

高木が真後ろに炎を背中から飛ばした。赤崎の分身が一つ吹き飛ぶ。

高木(さすがに真後ろなんてわかりやすいところにはいねえか)

赤崎(もらった!!)

高木「24発のパンチ!!?」(素人の一発ではない……これは凄まじい攻撃になる予感!!)

高木は体中の炎の火力をあげた。火柱が上がる。分身は一発殴ったすぐにその炎に包まれて消えていった。唯一残ったのは、正面に立つ黒焦げの男ひとり。


普通、物体を殴ると、その物体はまっすぐ殴られた方向とは逆の方向へ飛んでいく。それによって衝撃を和らげているという部分もあるのだ。
しかし、全方向から24発それぞれの正拳突きを受けた高木は、その衝撃を逃がす先が無く、その衝撃を、身体の中で全て受け止めたのだ。

しかも、空手経験者の赤崎アキラのものを……。

高木「ぐへあああ!!!」

高木は腹回り一周に受けた衝撃に耐え切れず倒れ込んだ。身体をまとっていた炎は消えている。

赤崎「甘い男じゃお前には勝てなかったかもな……」

赤崎「でもな……俺はお前の炎真正面から受け止めるくらいの覚悟はとっくにできてたんだよ!」

高木(ふっ……負けたな……お前のことを甘く見すぎた俺が甘かったというわけか……)
高木(クラス統一の夢……一人目で潰えたり……)

無念と言わんばかりに目をつむった高木の前に立つ赤崎。

赤崎「なんか、お前と戦ったらもやもやがふっとんだぜ。サンキューな」

高木を迎えに来た未来人が赤崎の後ろ姿を見ながら笑った。

??「いやー、赤崎さん結構仕事してくれますねえ……助かります」

ビクトリア(テツヤが負けちゃった……これからどうしようかな……)

ビクトリアは立ち上がると、赤崎とは逆の方へと歩いて行った。

図書館にて静かに集う村田とその仲間たち。

村田「一体全体どうなっているのよ……」

新田「とりあえず、この状況はまずいよね」

武「マリカが未来人だなんてありもしないことをばら撒きやがって……」

久司(遠藤も堂島も赤崎も消せてなかったか……やられたな)

新田「僕が調べた中でマリカを疑っているのは、佐々木、赤崎、堂島、遠藤……」

武「私は坂東を疑ってるんだけどなあ」

久司「私は赤崎を疑っているわ。あとは竜崎とかビクトリアとか」

村田「確かにあの三人は当たり障りのない性格をしているわね……」

新田(マリカ……)

新田は浮かない顔をして少し離れたところにいた吏部を見た。

新田「リカ、坂東と接触できたみたいだけど、うまく能力かけられた?」

吏部「かけたけど解けてるかもしれないわ。何てったって彼の精神力の高さは……」

久司(なんやかんやで吏部も怪しいのよねえ……)

武(っていうか未来人って一人なのかしら……)

新田(とりあえずマリカ……あなたを今どうするべきなのか、僕は今困っている……)

沿「ちょっと……」

ある男が村田らを見かねてやってきた。指差す先には『図書館ではお静かに』の貼り紙。

村田「沿……」

沿ヒロアキ:クラスメイトの無口な男。能力>>125

沿は注意したあとすぐに踵を返して去っていく。それを呼び止める武。

武「ちょっと……あんたも私たちと同じクラスだったはずよね? 能力持ってるんでしょ。 未来人じゃないでしょね!!」

武の安っぽい挑発に、沿は無言のままため息をついて去る。

武「ちょっと! 沿!!」

村田「……久美子! やめときなさい」

武「ん……」

村田「彼はいつも一人……私たちにはどちらにせよ勝てないわ」

新田(そうかなあ……マリカは自分を過信しすぎてる……いいところだけどそこが危険なところだ)

他人に成り済ます能力

クラスメイト26名。キャラ全員登場したのでおさらいします。脱落者は現在8名。

赤崎アキラ:主人公。元空手部で坂東とはライバル。冷めてていつでも冷静沈着。多重影分身の能力と空手の技術を使って戦う。高木テツヤを倒したあと、村田一派を探しに。

坂東坊:赤崎とはライバル関係にある。ドライな性格で四次元空間から武器を取り出せる能力を使いクラスメイトたちを次々に脱落させた。プールに誘っても絶対に来ない。村田と接触して幼児化したため身を隠している。

千葉 チアキ:ヒロイン。神野に好意を持たれている。明らかに天然で、ブラックホールのように吸収する能力を持っているが悪用することを嫌い、掃除に利用。早川脱落の事実を佐々木から聞き、失意に落ちている。

堂島ダイスケ:赤崎の親友。バカで単純で思考回路がわかりやすい。視界ジャックの能力を持っているが、せいぜいサポート役でしか活躍できない。赤崎、遠藤らと協力して村田一派を探している。

遠藤エイジ:イケメンでなかなかの切れ者。周囲を水で満たす能力を使い、様々な応用を聞かせて戦う。意外にもリアリストで冷酷な一面を持つ。現在、村田一派を探すために遁走している。

藤原フウマ:勉強を毎日頑張っていた秀才。両足を操る能力を巧みに使って赤崎、堂島を追い詰めたが赤崎の拳を受けて気絶し、脱落する。

権藤ギン :いつも何か考えている少年。哲学的なことを考えているように見えるが何を考えているのかわからない。伊藤イノリの脅威に怯え仲間に取り込もうとするが、下痢の臭いと坂東の狙撃の流れ弾を受けたのち、最後の願いのトナカイを見て気絶し脱落した。

早川ホノカ:チアキの親友。チアキの考えに感化されるいい人。村田マリカを未来人と疑って接触を試みるが、彼女の放った弾丸から佐々木を守り脱落した。佐々木翔太に恋をしており、脱落際に思いを告げた。

伊藤イノリ:リア充っぽい千葉と早川に嫉妬していた女子。権藤に『仲間になりたい』と思われていたが、告白と勘違いするほど免疫がない。結局坂東に狙撃され脱落した。

神野条壱:時代が生んだクラスメイト一の天才児。動物に変身する能力でさまざまな応用を聞かせて戦う。千葉に恋している。現在、千葉に告白しようとしていたが、佐々木から早川が脱落したことを聞き、失意の千葉のために共に戦おうとしている。

北川コウタ:モブみたいな男。赤崎らの友人。堂島と赤崎がリア充になるのを防ぐためにホモにする能力を使うが、千葉や早川にドン引きされ、吏部の洗脳によりメンタルを壊され最終的に織田によって脱落した。

武久美子:村田マリカに心酔する女子。時間を止める能力を使う。村田マリカに接触を試みる赤崎らの前に立ちはだかるも、様々な制約があり、赤崎と堂島のペアに攻略されてしまった。現在村田一派全体で図書館で作戦会議中。

吏部リカ:堂島に恋する女子。洗脳能力を使って堂島の心を射止めるも、ゴタゴタのうちに洗脳が解かれた。村田一派のフリをしているが、坂東を利用し裏切ろうとしている。

村田マリカ:クラス、学年一の美女。幼児化する能力を巧みに使い、対峙した坂東、佐々木を幼児化させた。坂東から取引としてもらった銃により早川を脱落させている。仲間を多く連れていることから、多くのクラスメイトに未来人だと疑われている。現在図書館で作戦会議中。

新田ナツキ:村田の側近である男の娘。存在感を消せる能力を使って隠密行動に徹する村田の右腕的存在。

織田オウジ:王子のような爽やかな男子。別府ピーターに好かれている。北川を脱落させたあと、遠藤、赤崎、神野と戦うも、遠藤と赤崎と神野に『息を吐いている間無敵になれる』という能力を看破され脱落。

別府ピーター:筋肉倍加能力を持つハーフのオカマ。オウジにぞっこん。織田と手を組んで遠藤、赤崎、神野と戦うも、重量の多さ故、水中で身動きがとりづらいという弱点を赤崎に見抜かれ敗北し、脱落した。

久司ヒメ:お嬢様。村田マリカと仲が悪いと思われており、その印象を利用して遠藤らと手を組む。電気を操る能力を使って水中の遠藤らを襲撃して裏切ることに成功するも、脱落させることは叶わなかった。現在村田一派として図書館で会議中。

竜崎レン:性格イケメン。村田一人をみんなであぶりだして襲撃しようとしている赤崎らを足止めするために『無機物を変形させる能力』を使って彼らを追い詰めたが、久司の裏切りと村田の真意を知り、赤崎らと共に村田を探すことに。

佐々木翔太:運動神経がいい少年。モノの場所を入れ替える能力を持つ。坂東を未来人だと疑っている。幼児化した坂東に騙され、村田と戦うことになるが、幼児化の能力を受け、その上自分を守ろうとした早川が脱落してしまい、村田や未来人に復讐を誓った。

高木テツヤ:頑固者のガキ大将。自分が強いと信じている。全身から発火させ、火ダルマになれる能力を持っており、ビクトリアと共にクラス最強を目指そうとし、最初に赤崎を狙ったが、慢心したために敗北し、脱落した。

裏川ウミ:ロリみたいに身体が小さく童顔。遠藤とは仲がよく、彼のよき理解者らしい。脱落者の能力を、その仮面を被ることで使えるようになる能力を持っている。現在赤崎らと協力し村田一派を探している。

ビクトリア:留学生。背が高い。偉人を召喚し従属させる能力を持っている。高木と共に行動していたが、彼が脱落したため、現在単独行動中。裏川とよくメールをしている。

渡辺ワコ:学級委員で真面目な少女。夏休み残り一週間でずっと課題をしていたため未来人のことにも能力のことにもあまり興味がない。落ちていた軍手の持ち主がわかる能力を持っているが、馬鹿げているとして信じていない。

八代ユミ:恋愛体質の持ち主。赤崎のことが好き。異性を見ると興奮させる能力を持っており、赤崎をエキサイトさせて恋に落とさせようとした。  

沿ヒロアキ:無口な少年。他人になりすます能力を持っている。いつも一人でいる。


今晩のところはこれまでとさせていただきますが、これからもよろしくお願いします!

堂島「ったく……村田一派探すっていう俺達の目的はどこへ行ったんだ?」

赤崎「仕方ねえだろ……いつも懇意にしてもらってるんだから、チアキの父ちゃんには」

堂島と赤崎と神野は千葉の家の工務店の作業の手伝いをしていた。軍手につなぎをつけてとても忙しそうに働いている。

神野「黙々と働かねえかお前ら……」

堂島「だいたい神野が簡単にひょいひょいと引き受けるから……俺達のすることじゃねえじゃん」

赤崎「だからいつも懇意にしてもらってんだろ」

千葉「ごめんねみんな! 何かほんと悪いね!」

千葉の両手にあるお盆の上に置かれた麦茶のコップ5つとスイカバー。働く4人を労って持ってきたものだ。

神野(早川が脱落したってのに……健気だ……そこがいいところなのだがな……)

赤崎「……」

赤崎は千葉に見とれる神野を見ながら浮かない顔を見せた。

千葉「赤崎くんどうしたの?」

そんな赤崎の些細な様子の変化にも気づく千葉は気にかけてアイスを渡した。

千葉「ねえお父さん! みんな働かせすぎだよ!」

千葉父「うお、そうか! 休みたい時はいつでも言えよ!!」

千葉の天然で大胆なところは父親似だなと思わず笑う三人。


千葉の家のある通りに坂東が歩いていた。

坂東(もうすぐで幼児化が溶けるな……早速村田をぶっとばしてやろうじゃねえか)

そんな坂東の目の前に向かってくるひとつの人影。同じくらいの背丈だ。

佐々木「よお」

坂東(誰だこいつ……あっ、同じ年齢くらいだから友達だと思ってるのか)

佐々木「坂東、お前、そういえば一人っ子だったよな」

坂東(!?)

佐々木「俺ぁずっと坂東を疑ってたんだぜ。この上ないチャンス、絶対ものにしてやら! 未来人ぶっ殺して、未来に連れてかれたやつ取り戻して未来のやつ全員ぶん殴ってやる!」

佐々木は道端に落ちていたいくつもの石ころを坂東めがけて蹴り飛ばす。

坂東(ちっ、この体だと目の高さまで飛んできてあぶねえな……)

ハンドガンを召喚して佐々木の目の前に構える。待っていましたと言わんばかりに佐々木はにやりと笑った。
弾丸が佐々木めがけてまっすぐ飛んだ。佐々木はよけられず一発被弾してしまう。

佐々木(うああ!)

空中を一回転するかのように勢いに負けて体を飛ばした佐々木。

佐々木(負けるかああ!!)

次々と飛んでくる弾丸。佐々木は能力を使った。坂東の足元に落ちていた石ころと弾丸の位置を交換する。

交換された石ころは勢いを落ちしてすぐに地面に落ちる。対して地面から発射されたかのように坂東の頭めがけて弾丸が下から上へと飛び交った。

坂東(んなッ!!)

弾丸をハンドガンで受け止めた坂東。勢いで飛んでいったハンドガン。佐々木はすぐ近くまで迫っていた。

坂東(これはまずい! 完璧にやられたっ!!)

佐々木(ぶっ飛ばす!!)

瞬間、坂東の幼児化が解けた。佐々木の小さな拳は、坂東のひざ下で受け止められた。

佐々木(畜生……)

被弾した箇所から血が流れてくる痛みと坂東の幼児化が解けた絶望とですっかり気分を沈めてしまった佐々木。

佐々木(何でだよッ!! くそっ!)

渡辺「ちょっと坂東!! 何子どもいじめてるの!!?」

坂東「渡辺ワコか……何の用だおめえ」

渡辺「私は……宿題が終わって図書館から帰ってきたところです! そこであなたが子どもをいじめているところを見たから注意したまで!」

坂東「ああそうかい……どうしようもねえな委員長さんは……」

皮肉たっぷりに込めた言葉を放って笑った坂東。佐々木の頭をぽんぽんしてその場を去っていった。

渡辺「げっ! 血出してんじゃん!!」

渡辺は傷ついた佐々木を見かねてすぐに救急車を呼んだ。

佐々木「ありがとうな……渡辺」

渡辺「あ、ああ、どういたしまして」

救急車に佐々木(幼児体)を乗せて見送った渡辺。名前を呼ばれて動揺しつつも、ほっと一息ついて辺りを見渡す。

渡辺(坂東みたいなやつに能力なんて渡したらどんな悪用の仕方するかわからない……危険だわ本当に)

裏川「ほんと、ああいうバカって許せないわよねえ」

渡辺「ウミさん……」

裏川「だから、ああいうやつを倒すために、あなたにも一役買って欲しいの」

裏川は仮面を背負っていたリュックから取り出した。高木の顔に少し似ている。

渡辺「ウミさん?」

裏川「んじゃ、ばいばい」

裏川は仮面をかぶって高木の能力を使えるようになった。炎を両腕から噴射して渡辺に当てて気絶させた。
裏川はにやりと笑うと、未来からの使者が渡辺を回収しに来るよりも早く去っていった。

裏川「さあて……次は誰の能力を使えるようにしようかなー。>>133とかいいかなあ」


長い間音沙汰なしですみませんでした!
これからもよろしくお願いします

ヒロアキ

遠藤(赤崎たちは千葉に捕まって家の手伝いか……裏川は多分何も言わなくても動いてくれてるはずだし、俺は俺でどっか別の場所あたってみるか)

図書館目指して歩き始めた遠藤。赤崎とすれ違った。

遠藤「あれ、赤崎、お前……千葉の家で手伝いしてたんじゃ……」

赤崎「あ、ああ。終わったんだ」

遠藤「そうか……いつの間に……」

赤崎「じゃ、じゃあな……」

遠藤「村田マリカは見つかったか!?」

赤崎「ああ、図書館の中に……」

遠藤「早く言えよそれを!!」

赤崎(ま、まずいな……)

遠藤が図書館に走っていくのを見て赤崎の姿が変わった。

沿(あれってバレたのかな……まあいいや。どっちみちあの人数相手だといくら遠藤くんでも……)


裏川「しっかし、沿をどうやって探そうかしら……」

赤崎「おっ、裏川! どうだった?」

裏川「全く見つからないわ」

堂島「そっか……わりぃ、俺ら千葉の家で手伝いしててさー」

堂島が軍手をぶるぶる回しながら笑った。裏川はそれを見て目を見開いた。

裏川「その軍手、貸して!」

堂島「あ、ああ……いいよ」

裏川は軍手を堂島から受け取ると、物陰に隠れて渡辺の仮面を被った。

裏川「……これだ」

裏川はにやりと笑った。

ビクトリア「やあレン」

竜崎「おお、ビクトリア」

ビクトリアと竜崎が喫茶店で密会していた。

ビクトリア「偉人と故人のボーダーラインってなんだろうね」

竜崎「日本史の教科書に載ったか否かじゃないかな」

竜崎はカバンの中から日本史の教科書を広げて言った。

竜崎「例えば美空ひばりは数十年前は生きてたし、数年前まで日本史の教科書には載っていなかった。でも、今僕たちが持ってるこの教科書には載ってるじゃん?」

ビクトリア(なるほど……ヒバリミソラが死んだのってそんな最近だったのか……)

ビクトリア「サンキューレン」

竜崎「おう」

ビクトリア「出てよムサシミヤモト」

竜崎「は?」

ビクトリアの後ろに現れた武者の姿。宮本武蔵だ。彼の能力は偉人の召喚。そして従属できる。

竜崎「ちょっと待ってよ何事?」

ビクトリア「HEY」

召喚された宮本武蔵が刀を竜崎に向かって振り下ろした。竜崎は無機物変形の能力を使って刀をぐにゃぐにゃに曲げて切れなくした。

竜崎「ビクトリア。ここはカフェテリアだ。バトルの場所じゃない」

ビクトリア「オーケー。じゃあ外に出よう」

竜崎とビクトリアはカフェを出て、>>136へと向かった。

採石場

採石場にやってきた竜崎とビクトリア。もうかなり古くなっていて、今では使われていない。

ビクトリア「雷電為右衛門召喚! そして従属!」

雷電為右衛門――江戸時代最強の力士と謳われ、身長197cm、体重172kgの大巨漢。価値率は驚異の9割超え。現代人にとってはもはや脅威の何者でもない。

竜崎(あ、あははあはは……こんな化物相手に勝てるわけねえ……採石場に来たから無機物変形で叩き潰して……全部考えてた手筈が一気に無駄に……)

ビクトリア「ここの石はだいぶ古くなってます……こいつの力を使えば崩壊は免れられません」

竜崎(こいつ……やっぱ危険だよな……つうかなんでこいつ外国人なのに日本の偉人ばっか……そっか、留学してくるくらいだから日本が大好きなのな)

ごつごつとした岩肌をつっぱり一発で破壊した。伝説とも思われていたはずの男の怪力は半端ではない。

竜崎「こりゃ参った……」

竜崎は無機物変形の能力を発した。岩肌が鋭く尖ってビクトリアめがけて伸びる。

ビクトリア「ライデン!」

雷電為右衛門は鋭く尖った岩肌を受け止めた。

ビクトリア「折れ」

それを折った。竜崎に向けて振り回す。

竜崎(あ)

頭部に強い衝撃を受けた。

ビクトリア「We Are Winner!」

竜崎は口から血を流していた。

竜崎(畜生……こんなんじゃ……村田一派を探すどころじゃない……)

ビクトリア(ったく……今マリカを潰されたら僕が困る……)

裏川ウミからのメールを確認したビクトリアは携帯電話を手に取る。

ビクトリア「それじゃ……戻るか」

未来人が来るよりも早く立ち去っていったビクトリア。竜崎レンの脱落を知るのは、まだ彼だけだ。


赤崎「裏川、その軍手何に使うんだ」

裏川「赤崎、何とかみんなに軍手配ってくれない?」

赤崎「ああ、いいよ」

赤崎は裏川から軍手を数枚受け取ると、影分身化して手分けしてクラスメイトたちに配りに行った。

裏川(どうやら離れても機能するらしいな、赤崎の影分身……)「実はさ……軍手の持ち主がわかる能力っていうのを持っているの。そうすれば赤崎がクラスメイトたちに渡した軍手をひとりひとり回収すれば、他人になりすます能力を持つ沿ヒロアキを見つけ出せる」

赤崎「なるほどな」

唯一残って裏川の近くに居座る赤崎本体は納得した。堂島も同様だ。

裏川「それじゃ、なるべく早く回収いくよ!!」


本日のところはここまでとします。
これからもよろしくお願いします

遠藤(村田一派の5人が一同に会している……とりあえず神野と裏川に連絡だな……赤崎はあの様子だと戻ってこないし)

神野「ああ、わかった。今千葉の家にいるからすぐ迎えると思う。裏川は赤崎と堂島と一緒にいるからすぐ来るんじゃねえのか?」

遠藤「わかった、ありがとう」

神野に連絡して、全員を呼んでもらった。
数分後に神野が現れる。

神野「遠藤!」

遠藤「おお、神野」

神野「他はまだか?」

遠藤「ああ……そうみたいだ」

周囲を見渡した遠藤。そう、それもそのはず、今裏川らは沿ヒロアキの探索に力を入れていて図書館に集まろうとはしていない。

神野(全く……裏川のやつ……)

遠藤「まあ、しばらく待てば来るだろ……」

そこにやってきた赤崎。

赤崎「よお遠藤。それに神野も」

遠藤「どうした?」

赤崎「この軍手をもって、あとで裏川のもとへ向かって欲しい。この軍手を裏川に渡すだけでいいからさ」

遠藤「それよりだアキラ。村田一派が今目の前の図書館で一気に集まっている。叩くなら今じゃないか?」

赤崎は遠藤の言葉に少し悩み気味だ。

赤崎「多分だけど、裏川はしばらくこないし、レンとも連絡がとれない。ダイスケだとここに来るまで時間がかかるから、俺達三人でなんとかしなければならないかも」

遠藤「……」

いたずらに時間だけが過ぎていった。


お久しぶりです。更新遅くて申し訳ありませんでした。
二学期が既に始まっており、さらに更新速度遅くなることと思いますが、これからも何卒よろしくお願いします。

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