【それがSS!】鈴「恋人ごっこ」 (42)




いちご「何で買っちゃうのかしら・・・」

いちご「あぁ・・・私は・・・なんて心が弱いの・・・」

グシャ

いちご「うぅっ・・・つい買ってしまった・・・宝くじ・・・」

いちご「絶対当たるはず無いのにぃ・・・夢だって分かってるのにぃ・・・」

いちご「う・・・うわぁーん!!」

双葉「わかるわかる」

双葉「まあでも、まだ当たらないと決まったわけでは・・・」

いちご「決まってるわよ!」

いちご「宝くじの還元率は約45パーセント!高額配当を平均してもこの数字なのよ!?」

いちご「ハズレの確率は約90パーセント・・・金ドブよ!」

双葉「そ、そうなんだ・・・詳しいね・・・」

鈴(これは調べましたね・・・)

鈴「宝くじ・・・魅力的な響きですよね・・・」

鈴「つい『夢を買って』しまうのでしょうか・・・」

双葉「違うよ」

鈴「えっ」

双葉「お金が欲しいから買うんだよっっ!!」

双葉「一生遊んで暮らせるような大金がっっ!!」

いちご「うん・・・その話はやめない?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437561262

鈴「えと・・・一体何枚買ったんですか?」ワクワク

いちご「・・・いちまい」

鈴「えっ?一枚だけですか?」

いちご「だけって・・・300円は一食・・・いや二食分なのよ・・・!?」

双葉「わかるよ・・・痛い出費だよね・・・300円は・・・」

鈴「??」

いちご「・・・もう、いい!忘れる!なかったことにする!」

双葉「でも当たったら教えてね~」

いちご「だから当たる訳ないってば!」

―いちごルームー

いちご「・・・」スマホスイスイ

いちご「・・・」

いちご(・・・)

いちご(宝くじの高額当選は・・・身を滅ぼす)スイスイ

いちご(高額当選の受け取り方・・・)スイスイ

いちご「・・・」スイスイ

いちご「・・・はっ!私は何を!?」

いちご「こんなことしてないで・・・晩御飯の支度しないと・・・」イソイソ



―発表日―

いちご「・・・」ソワソワ

いちご「・・・み、見るだけならタダなんだから・・・」

―――

いちご「いやっほぉーい!!」ピョーン

双葉「うわっ!?なんか今日テンション高いねぇ」

鈴「あっ・・・まさか!」

いちご「そのまさかよ!あったっちゃったー」キャルーン

双葉「す・・・すごい!どれくらい?」

いちご「じゅう・・・まーん!」ピョーン

双葉「じゅうまんえん・・・ははぁー」ゲザァ

いちご「おもてをあげーい」ケラケラ

鈴「それで、何に使う予定なんですか?」

いちご「んーとね、欲しかったいちごグッズ買って、切れてる調味料とか補充して・・・」

いちご「あとは、楽しく遊ぶ!」

双葉「えっ?貯金しないの?」

いちご「うん・・・なんかギャンブルで得たお金で生活するって、違うというか・・・」

いちご「なによりいちごのイメージに合わない!だから残りはパーッと使っちゃうわ!」

いちご(残りといってもすでにわずかしか残ってないけど)

双葉「そ、そうなんだ・・・」

いちご「こういう振って沸いたお金には、固執しないほうが良いのよ」フフン

いちご(ネットの受け売りだけど)

鈴「そういうものですかー。さすがいちごさんです!」パチパチ

いちご「もっとほめて」フフン


いちご「というわけで、今日仕事がはけたら三人で飲みに行くわよっ!もちろん私のオゴリっ!」

鈴「わーい!ありがとうございます!」

双葉「やったぁ!・・・でも本当に良いの?」

いちご「いいのいいの、さっきも言ったとおりよ」

いちご「私の幸運をおすそわけ~」

いちご「みんなにハッピーをおすそわけ!ミラクル・い・ち・ご!ベリー!」キュピーン

双葉「え、えっと・・・わーい?」

鈴「・・・」ポカーン

いちご「い、いやその・・・流してよっ」カァァ

鈴「え、えとっ・・・ミラクル・リンリン!」リンリーン

いちご「や、やめてぇー!」ウワー

―居酒屋―

双葉「・・・」

鈴「・・・」

いちご「らからねぇ、きょーのいちごにはミラクルがついへるわけよー」グデングデン

いちご「きっろまだ、いいことがあるひゃよ~」

鈴「ちょ、ちょっと大丈夫ですか?飲みすぎでは・・・」ジュース

いちご「うるはーい!おかねはあるんだからもんくないでしょー!?」

双葉「やばいよ・・・これ完全にリミットオーバーしてる・・・」

鈴「目が据わってます・・・」

いちご「にゃんだー!あらひはよってないぞー!」

鈴「うう・・・酔っ払いが言う言葉ナンバーワンです・・・」

いちご「なによぉすましたかおしちゃってぇ・・・」

いちご「あんたものめのめぇ~!」

鈴「い、いえ私は・・・」

いちご「わらしの酒がのめないのかぁ~!?」

鈴「ひぃ!み、未成年ですって!」

いちご「ふたばもぉ~、ちびちびじゃなくがっといかんか~!がっと~!」

双葉「酒グセ悪っ!」

いちご「にゃはは~!もっとおさけもってきて~!」

鈴「こ、このままじゃお店にも迷惑が・・・」ヒソヒソ

双葉「だね・・・よし、強制連行っ!」ガシッ

いちご「ふぁ・・・?にゃに、する~!?」

双葉「鈴ちゃんそっちもって」

鈴「あいあいさー!」ヒョイ

いちご「うわーはなせー!」バタバタ

双葉「ひゃあ!とりあえずここは私がたてか・・・」ゴソゴソ

双葉「・・・」スカスカ

双葉「・・・連れ出すから、立て替えといてくれる・・・?」ズーン

鈴「わかりましたっ!」

―――

アジャジャシター

いちご「うー・・・」

双葉「よっ・・・ほっ・・・」

鈴「あそこにベンチがあります!とりあえず座らせましょう!」

ドサッ

双葉「つかれたー」

鈴「重かったですか?」

双葉「とても私の口からは言えないよ~」

鈴「あははっ」

いちご「あれが~、いちご星~、となりのが~、りんごせい~!」

いちご「あっははははっ!」ケラケラ

鈴「どうしましょうか、いちごさん・・・」

双葉「流石にほっとけないよね・・・」

いちご「うたっておどれる、すーぱーアイドル~!」フラフラ

双葉「奢ってもらった恩もあるし、家まで送ろうか」

鈴「わかりました!・・・いちごさん、お家どっちですかー?」

いちご「ん~?んーとー、あっちー!」

鈴「あっち、じゃわかりませんよー?」

双葉「まだまだ大変そうだなぁ・・・」ハハ

―いちごハウス―

チュンチュン…


いちご「んー・・・」

いちご「朝・・・かな・・・?」

いちご「わたしのベッド・・・」ボー

いちご「・・・さむい」モゾモゾ

いちご「・・・ん?」モソ

いちご(服を・・・着ていない!?)

鈴「・・・んー」ゴロン

いちご「」

いちご(・・・昨日三人で飲みに言ったとこまでしか記憶が無い)

いちご(ベッド・・・裸・・・いっしょ・・・)

いちご(・・・)ヒヤアセブワッ

いちご(どど・・・どうしよう)

いちご(一体・・・昨日何が・・・)

鈴「ふあぁ・・・」ムクリ

いちご「」ビクッ

鈴「あ、いちごさん、起きてますね?」

いちご(目のやり場が・・・!)

鈴「もー、酔いはさめましたか?」

いちご「う、うん・・・」

いちご(すっごい頭痛いけど)ガンガン

鈴「昨日はびっくりしましたよ?いきなりあんなことするんですから・・・」

いちご(あんなこと!?)

鈴「まぁ・・・いいんですけど・・・」

鈴「ちゃんと責任は、取ってくださいね♪」

いちご「」

いちご(つまりつまり・・・)

いちご(いちごが、りんちゃんのいちごをいちご狩りしちゃっていちごいちご・・・?)

いちご(うわぁぁぁぁ・・・!)ガンガン

いちご(責任!?責任ってどういう・・・!?)

鈴「・・・」

鈴(なんかドッキリって切り出しにくい雰囲気になってきちゃいました・・・)

いちご「・・・」

鈴「・・・」

いちご「・・・」ムムム

鈴(・・・そろそろネタばらししなきゃ・・・)

鈴「あのっ」

いちご「よし!決めたっ!」

鈴「!?」

いちご「せきにんとったるー!」ギュッ

鈴「ええっ!?」

いちご「お酒入ってたとはいえ、自分の行動の責任を取るのがしゃかいじん・・・」プルプル

鈴(ちょっと尻すぼみに・・・)

いちご「り、鈴ちゃんの理想の相手になれるよう、がんばるわ!」

鈴「え、えっと・・・」

鈴(双葉さん!『ドッキリでした~!』はまだですか!?)チラッ

双葉「ぐすっ・・・」ポロポロ

鈴(何で感動してるんですかー!?)

鈴(このドッキリ言い出したの双葉さんですよね!?)

いちご「・・・」ドキドキ

双葉「・・・ん」スッ・・・

鈴(何で『空気を読んで出て行く・・・』みたいになってるんですかー!)

いちご「そういえば双葉は?」

鈴「え、えーと・・・いちごさんを送った後帰りましたよ」

鈴(うぅ・・・こんなの知りませんよぉ双葉さん・・・)

いちご「そっかー・・・いろいろごめんね・・・」

鈴「いえいえ、どんとこい、ですよ!はは、」

いちご「あはっ、なにそれー」

いちご「あっそうだ、奢るって言った分のお金、渡さなきゃ」

いちご「あとタクシー代とかもっ」

鈴「・・・まずは服を着ましょうか」

いちご「あっ・・・」カァ

―――

いちご「さて。身支度も整えたところで」

鈴「はい」

いちご「今日は私たち暇なのよね」

鈴「仕事が昨日になって消えちゃいましたからね」

いちご「つまり予定が無い・・・」

いちご「じゃあどっか遊びに行かない?一緒に!」

鈴(つまり・・・)

いちご(デートよね・・・)

鈴「はっはい!行きましょう!」

いちご「じゃあ仕度・・・っと、鈴ちゃん服は?」

鈴「あ、昨日洗濯機使わせてもらいましたっ。いちごさんの服も洗っときました!」

いちご「ほんとだ・・・ありがとねっ」

鈴「いえいえ」

いちご「じゃあお外にレッツゴーよ!」

鈴「ぉ、おー!」

鈴(どうしよう・・・)

―街中―

いちご「もう十時過ぎだったのね」

鈴「ぐっすり寝てましたから」

いちご「おなかすいたわー・・・鈴ちゃんは?」

鈴「えっと」グー

鈴「あぅ・・・」カァ

いちご「うふふ、じゃあそのへんの・・・ファミレスでもっ」

鈴「は・・・はいっ♪」

いちご(二日酔いだから味噌汁とかが良かったけど・・・女子二人で牛丼屋行くのはちょっとね・・・)

鈴「わ、わーいっ!」テテテッ

いちご「・・・」

―レストラン―

鈴「そういえばこないだテレビで見たんですけど」

いちご「何?」

鈴「不規則な食事は太りやすいそうです・・・」

いちご「・・・食べ終わってからそれ言う?」

鈴「あのっ、食べる前に言ったら食べにくいかと思って・・・」

いちご(食後に言われるほうがキツイと思うけど・・・?)

いちご「・・・まあいいわよねー、鈴ちゃんはまだまだ成長期だし」

鈴「いやいや、わたしもウエストとかいろいろ・・・」

いちご「私もあの頃はなぁ・・・いくら食べても何時に寝ても大丈夫で・・・今はもう・・・お肌・・・」トオイメ

鈴(これやばいやつです!)

鈴「えーっ、えーっと!そうだ!ちょっと話したいことがっ!」

いちご「?」

鈴「えーとえーと・・・どうしたらおっぱい大きくなりますかっ!?」

いちご「・・・」

鈴「・・・」

いちご「・・・何でそれわたしに聞くのよ・・・」ハァ

鈴「ですよね・・・」ハァ

いちご「ですよねってなによ」

鈴「ごめんなさい」

いちご(鈴ちゃんなりに、話題を変えようとしてくれたのかな?)

いちご「・・・」

いちご「じゃあ、これからどこに行くか、決めちゃおっか」

鈴「あ・・・そういえばデートでしたね・・・」

いちご「行ってみたい所とかある?」

鈴「うーん・・・あ!わたしゲームセンターに行ってみたいです!」

いちご「ゲーセン?いいけどそんな・・・」

鈴「わたしゲームセンターなんてほとんど行ったことないんです!お母さんがいつもダメって・・・」

いちご「あー・・・」

いちご(なんとなく分かる。お母さんの気持ち)

鈴「プリクラとかかわいいぬいぐるみとか、いっぱいあるそうですね!」

いちご「まぁ・・・あるわねー。いっぱい」

鈴「行ってみたいです!」

いちご「じゃあ決まりね。出ましょう」

いちご「たくさん食べた分たくさん歩かないと・・・」ブツブツ

鈴(・・・まだ気にしてた!)

鈴(・・・はっ!どうしよう。また言うタイミング逃しちゃった・・・)

―ゲーセン―

グワングワンジャカジャカ

鈴「きゃー!すごい音ですー!」

いちご「ちょ、ちょっと音ゲーから離れましょ!」

いちご「叫んでたらのど痛めちゃうわ!」

鈴「そうだった!いけないいけない」

いちご「プリクラ・・・」

いちご「ねぇプリ撮ろう!プリ!ベリー!」

鈴「!?・・・いいですけど・・・」

いちご「よっしゃあ!この台もーらいっ!」

鈴(テンション高いです・・・私も負けてられません!)

ゴソッ

いちご「わー、しばらく来ないうちに色んなフレームとか出てる・・・!」キラキラ

鈴「意外と狭いんですね・・・」

いちご「そーお?多いときは四人とか五人とかで入ったりもするわよー!」

鈴「そんなに!」

いちご「んーと・・・一緒にフレーム選ぼっ!」グイッ

鈴「はっはい!」

鈴(ちかいです・・・)

鈴(せまくで二人きり・・・こういうの、慣れてなくてどきどきします・・・!)ドキドキ

いちご「どれがいーい?私これなんかかわいいと思うけどっ!」

鈴「そっそうですね!わたしもそれが良いです!」

いちご「よーっし、フィルターとかは、ちょいちょい・・・っと!」

いちご「さあ、とるよー!」

鈴「わあっ」

サンカイトルヨー ワラッテー

いちご「ほらポーズポーズっ!」

鈴「はっ!えっ・・・とぉっ!」

カシャー

いちご「あはは、何それー?」

鈴「きゅ、急に言われても・・・ってもう次!?」


いちご「・・・えいっ」ギュ

鈴「っ!?」

カシャー

いちご「ふっふっふっ、びっくりした?これぐらい普通よっ」ギュー

鈴「え、えぇぇ!?」

鈴(でも、それなら・・・)ウズウズ

鈴「・・・」

いちご「ほら、三回目、来るよー!」

鈴「・・・」チュッ

カシャー

いちご「!?」

鈴「ほっぺにちゅーも・・・普通ですよね?」

いちご「う・・・うん、ふつう・・・かな?」

シャシンヲエランデー

いちご「えっとー・・・この中から一枚選ぶのよ」

鈴「一枚だけなんですか?」

いちご「一番写りがいいのを選んで、デコレーションとかするのよ」

鈴「・・・じゃあ・・・わたしは、最後のが良いです」

いちご「う、うん・・・じゃあこれで・・・」

いちご(・・・私がカメラ目線で抱きついて、鈴ちゃんが目を閉じて私のほっぺに・・・)

いちご(なんというか、よく撮れてるなぁ・・・)カァ

鈴「・・・いちごさん?」

いちご「あ、あぁ!・・・この写真に、文字を書き込んだりスタンプを押したりして、完成よ!」

鈴「もじ・・・?」

いちご「んー、『なかよし!』とか『ずっと一緒!』とかが流行り・・・かしら?」

鈴「へぇー・・・」

カキカキ

『だいすき!』

鈴「え、えへへ、文字にすると、ちょっと恥ずかしいですねー」

いちご「そ、そうね、ちょっとダイタン・・・ねっ?」

いちご「・・・よっし私もっ!」

『いちごいちえ!ベリーハッピー!』

鈴「わあっ、素敵ですっ!」

鈴(どうしてもいちごって入れたかったんでしょうか・・・)クス

いちご「ふ、ふふん・・・」

いちご(どうしよう。ノリで書いちゃったけどすっごい恥ずかしいわ・・・)

鈴「あっ!出てきました!」

ウィーン

鈴「すごい・・・きれい・・・」キラキラ

いちご「わぉ・・・」

鈴「・・・はい!半分こです!」ヒョイ

いちご「ありがとー」

鈴「携帯に張っちゃいましょうか!?」

いちご「う・・・それは恥ずかしいかなぁ」アハハ

鈴「いっそカバンとかに」

いちご「やめなさい」

鈴「・・・大切にしますねっ!」

いちご「うん・・・私もっ!」

―――

いちご(年甲斐も無くはしゃいでしまったわ・・・)

鈴「おー、UFOキャッチャーがいっぱいです!」

いちご「あー・・・取れるわけ無いからやめといたほうが・・・」

鈴「あー!この人形・・・カワイイ・・・!」

いちご(早速釘付けになってる・・・!)

鈴「ほしい・・・」ジーッ

いちご(もう・・・!)

いちご「あのねぇ・・・これワンプレイ百円ってことは・・・」

いちご「五回やったら五百円なのよ!?」

鈴「・・・」

鈴「?」ヒイフウミイ・・・

鈴「そうですね・・・?」

いちご(なっ・・・五百円に対する価値観が全然違うっ・・・!)

いちご(圧倒的実家暮らしっ・・・!)

いちご「・・・取れるか分からないものより雑貨屋さんとかで買ったほうが確実よ。選べるし」ゴゴゴ・・・

鈴(有無を言わさぬ迫力を感じます・・・!)

鈴「そ、そうですね・・・!」

鈴「しっかり者のいちごさんらしいです!」

いちご「大人の知恵よっ」

いちご(もうこの手の後悔は十分すぎるほどしてますから・・・)ハハハ・・・

いちご「じゃあ、あとはお店回って・・・えーと・・・映画でも見ましょうか!」

鈴「はいはーい!行きますっ!」

―映画館外ー

いちご「やっぱ映画に出るくらい有名な声優さんは、すごいわねぇ・・・」

いちご「いつかは私も・・・!」

鈴「ふふふ、きっといちごさんなら・・・」

鈴「・・・ってあれ、もうだいぶ暗いですね」

いちご「ほんと、もう七時過ぎだものね」

いちご「あっという間だわー・・・」

鈴(いちごさんと、並んで歩いてると・・・)

鈴(どこか、全く知らない場所に来たみたいな気分・・・)

いちご「・・・ね、手、つながない?」

鈴「は、ひゃいっ!」

ギュッ

いちご「おぉー、あったかい。それにちっちゃい!」

鈴「いちごさんの手も・・・きもちいいです・・・」

いちご「お世辞でも嬉しいわよ?」

鈴「お世辞なんかじゃないです・・・!もっと・・・!」

いちご「ん?」ニコ

鈴「・・・」

鈴「ちょっとお話があるので、人気の無いところに行きましょう」

いちご「・・・わかったわ」

―――

いちご「で、話って何?」

鈴「えっと・・・その・・・」オドオド

いちご「言ってくれなきゃ分からないわよー?」

鈴「・・・ごめんなさいっ!」バッ

いちご「またずいぶんと唐突ね」

鈴「その・・・べ、別にだますとか、そんなつもりじゃなくて・・・ただ切り出すタイミングが・・・」

いちご「あーはいはい、何のことか一から順番に話してっ!はい!」

鈴「えと・・・その、実は昨日の夜、いちごさんが・・・」

いちご「そこまで戻るのね」

鈴「わたしと双葉さんで家まで運んだら、その・・・いちごさんが・・・」モゴモゴ

いちご「ん?聞きづらいわ。もっとはっきり言って」

鈴「吐きましたっ!」

いちご「」

鈴「ご・・・ぉめんなさい!それでその、わたしといちごさんの服が、わーってなって・・・」

いちご「あちゃー・・・」

鈴「裸のわたしたちが布団で、双葉さんがソファで寝ました・・・」

鈴「それで・・・朝になっても、いちごさんがなかなか起きてこないので・・・その・・・双葉さんが・・・」

いちご「ドッキリを考えた、ってわけね」

鈴「それだけです!別にその・・・何もしてません!」

鈴「・・・怒らないんですか?」

いちご「んー・・・別に・・・」

いちご「なんとなく気づいてたし・・・」

鈴「えっ!?どこからですか!?」

いちご「朝、タンスの陰から双葉っぽい足が見えてたから」

鈴「なっ!ほ、ほとんど最初からじゃないですか!」

いちご「起きたときは本当に大パニックだったのよ?」

いちご「あと時々何かモゴモゴ言いたそうにしてたのもあるわ」

鈴「うぅ・・・バレバレでしたか!?」

いちご「それが鈴ちゃんの良いとこだと思うわ」

鈴「ごめんなさいでした・・・」

鈴「でも・・・なんで言わなかったんですか?」

いちご「うーん・・・」

いちご「なんというか・・・いや、違うか・・・」

いちご「・・・ちょっと楽しそうだったから・・・かなっ!」

いちご「実際、私今日は久しぶりにものすごーく楽しかったわ!」

いちご「お金じゃ買えない楽しさ、ってこーゆーのかしら?」

鈴「わたしも・・・とっても楽しかったです!」

鈴「いちごさんのこと・・・いっぱい知れましたし・・・!」

いちご「ん、そういうこと!」

いちご「双葉は今度あったときにしばくとして・・・」

いちご「別にもう申し訳ないとか思う必要、ないわよ!」

鈴「はい!」

いちご「・・・じゃあ、また今度ね!」

鈴「ん・・・ぁ・・・はい・・・」

いちご「・・・」

鈴「・・・」

いちご「うん・・・それじゃぁ・・・おやすみ?」

鈴「お、やすみなさい・・・」

いちご「・・・」

いちご「・・・じゃあまた、」クルッ

ガシッ

いちご「・・・」

鈴「やっぱり・・・もうひとつ、話したいことがありました・・・」

いちご「・・・」

鈴「わたし・・・もしかしたら・・・」

いちご「待って」

いちご「本当に、言うの・・・?」

鈴「ぅ・・・」

鈴「ダメ・・・ですか?」

いちご「・・・」

鈴「いえ・・・言います!」

鈴「いいます・・・」

鈴「い、いぃ・・・」

鈴「うーっ・・・」プルプル

鈴「っはぁ、はぁっ、はぁっ・・・」

いちご「・・・よしよし」ナデナデ

鈴「なんでなでるんですかぁ・・・」

いちご「・・・撫でたいって思ったから」

いちご「・・・今は、これでいいかな?」

鈴「・・・そういうことにしときます」

いちご「・・・」

鈴「・・・」

鈴「では・・・」

いちご「うん・・・」

鈴「あの・・・最後に・・・名前を呼んでくれませんか?」

いちご「・・・えーと、鈴ちゃん?」

鈴「じゃなくって・・・その・・・呼び捨てで」

いちご「鈴・・・」

鈴「ん・・・はいっ!」

いちご「こ、これでいいわよねっ!」

いちご(なんかすっごいドキドキしたんですけど!)

鈴「はい・・・それじゃあ・・・」

鈴「・・・とおっ!」ガバッ

いちご「!?」

ギューッ

鈴「お、ぉ、・・・おやすみなさぁ~い!」ピュー

いちご「・・・」

いちご「・・・♪」ドキドキ

いちご「ほとんど・・・言ったようなものじゃないっ」

いちご(ほんと・・・かわいいんだからっ♪)

―――

鈴(こうして・・・)

鈴(わたしといちごさんの、『ごっこ遊び』は終わりました)

いちご「ふぅ~たぁ~ばぁ~!」

双葉「ちょっ・・・!ギブ!ギブ!」ギリギリ

いちご「こないだは、私達をおちょくりおって~!」

双葉「いやぁ・・・なんかいい感じの雰囲気だったから、お邪魔かなって・・・っ!入ってる!入ってる!」ギギギ

いちご「そんなわけないでしょうが~!」

鈴「ま、まあまあいちごさん、そのへんで・・・」

いちご「ん・・・まぁ鈴がそういうなら・・・」スルッ

双葉「助かったよ鈴ちゃん~」

鈴「ちゃんと反省はしてくださいねっ♪」

双葉「・・・あれ?いちごって鈴ちゃんのこと呼び捨ててたっけ?」

いちご「うっ、そ、それは・・・な、なんとなく・・・?」メソラシ

双葉「ふーん・・・じゃあ私も呼び捨てに――」

いちご「それはダメッ!」

双葉「なんでいちごが怒るの!?」

いちご「えっ・・・あっ・・・うぅ」カァ

鈴「うふふっ」

鈴(・・・あの日言えなかった事、)

鈴(自信を持っていえるようになるまで、あと、もう、少し・・・)

鈴(そんな気がしますっ!)


おわり

日常系を書いていたらいつの間にか百合になっていた。
後悔はしていない。

いちごと双葉の年齢は明らかになってなかったので勝手に二十歳ぐらいだということにしました
(WEB四コマではもののけ姫を小学生のころ見たという描写が・・・つまり?)

毎週更新のそれが声優!WEB四コマ、過去話も無料配信!見てね!

ご覧頂きありがとうございました。依頼出してきますー

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom