~ 砂漠 ~
― 高台 ―
灼熱の太陽が照り付ける広大な熱砂を見渡せる高台の上に一人の狩人と一匹の獣人の姿があった。
黒メラルー「いたぞ…モノブロスだ」
頭部に生えた大きな一本角が特徴的な飛竜モノブロス…
その怪物の討伐こそがこの二人組に与えられた任務だ。
黒メラルー「…構えろ」
ガンナー「りょーかい!」
双眼鏡を手にした小柄な獣人が小声で指示を出すと狩人は静かに引き金に指をかけた
モノブロス「…」ズシーン…ズシーン…
黒メラルー「距離550…まずは動きを止めるぞ。ヤツの脚を狙え」
ガンナー「は~い」スッ…
…タァーン……ビスッ!……
モノブロス「…ツ!?」グラッ…
突然の姿なき襲撃を受け、怪物は思わずよろめいた。
黒メラルー「ヒット。…動きが止まった。次は胸に命中させろ」
ガンナー「ラジャー」グッ…
…タァーン……ブシュッ!……
モノブロス「ギャオォーーン!」
黒メラルー「ヒット…前のめりに倒れるぞ。」
…ズズーン…
獣人の言葉通り、怪物は地に横たわり、立ち上がろうと必死にあがく
黒メラルー「次で仕留めるぞ。ヤツの眉間を撃ち抜け」
ガンナー「はいは~い!」スッ…
黒メラルー「おい、最後まで集中しろ。お前はいつも詰めが甘…」
ガンナー「ふっふ~ん♪大丈夫ですよ…っと」ググ…
…タァーン……ガキィン!…
ガンナー「あーー!」
少女が自信満々に放った弾丸は怪物の眉間から僅か下方に逸れ、
鼻っ柱の立派な角に直撃し、それをへし折った。
黒メラルー「ほら見ろ…言わんこっちゃない」
ガンナー「ごめんなさいごめんなさい!次の一発でぜったい仕留めるから堪忍してくださいぃ~」アセアセ…
黒メラルー「いいから落ち着け…焦っても何も始まらんぞ」
二人がそんなやりとりをしている内に怪物は素早く体勢を整える。
飛竜モノブロスは先程の少女の叫び声からこちらの存在に気付き、猛烈な踏み込みと共に高台目がけて疾走する。
モノブロス「グオオォォォッ!!」
…ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!ズシン!…
あの巨体で今の勢いそのままにこの岩の高台にぶちかまされれば、どうなるかなど考えるまでもない。
ガンナー「お師匠~!なんかすんごい勢いでこっちに来てるんですけど~!!」ふぇぇ
黒メラルー「やれやれ…やはりまたこうなったか」
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