ひかげ「もうひとつの入学式」 (31)
のんのんびよりのssです
2期の1話を見て思いついただけの話ですのでよければ読んであげてください
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~宮内家~
れんげ「いよいよ入学式なのん!」
一穂「ハッハッハ、まだ入学式まで数日あるのにれんちょんは張り切っているねぇ。」
ひかげ「まったくこれだからお子さまは…」
一穂「ところでひかげも引越しの準備は終わったのかい?」
ひかげ「モチのロンだよ。
荷物はとっくに業者に運んでもらったしあとは東京に行くだけだし~!
待ってろ東京!!」
一穂「張り切ってまあ…ひかげもれんちょんの事言えないねぇ…」
れんげ「そういえばひか姉も高校の入学式があるんな!」
一穂「あ、そうだった。れんちょんの入学式の事ですっかり忘れてたわ!」
ひかげ「おいおい、実の妹の入学式を忘れんなって!?
私のとこの高校の入学式はねえ…え~と確か4月〇日なんだよ!
家族みんなで来てね♪」
れんげ「わかったのん!みんなでひか姉の勇姿を見に行くのん!」
一穂「あれ?4月〇日…?」
一穂「ゲッ…」
一穂「これは…」
一穂「あちゃ~、まずったかも…」
ひかげ「あれ?姉ちゃんなんか青ざめた顔してるけど…どったの?」
一穂「あのね、ひかげ…よく聞いてほしいんだけど…」
一穂「同じ日にれんちょんの入学式があるんだわ…」
ひかげ「え…?」
れんげ「それってどういう事なん?」
一穂「つまり…二人とも同じ日に入学式があるって事なんよ。」
ひかげ「え…え~と…もう少し詳しく説明してくれるかな…?」
一穂「まあハッキリ言うとね…ウチらは二人同時に入学式には出席できないんよ。」
ひかげ「「なに―――――――――ッ!!???」」
一穂「考えてみれば当然かもねぇ。どこの学校も同じ日に入学式やるわけだし…」
れんげ「つまり姉ねえたちは…」
ひかげ「私かれんげ、どっちかの入学式に出られない事になるわけ?」
一穂「ま、掻い摘んで言うとそういう事かな。」
ひかげ「そんなぁ…じゃあ一体どうしたら…」
一穂「まあ最善の策としては、
お父さんとお母さんが分かれて二人の入学式を見に行けばいい事なんだけど…」
ひかげ「それっきゃないかな…ハァ…私の勇姿をみんなに見てほしかったなあ…」
れんげ「ひか姉…」
れんげ「それならひか姉の入学式にお父さんたちが行けばいいのん!」
れんげ「ウチは姉ねえがいるから大丈夫なんな!」
ひかげ「アホかー!
小学生の末っ子の入学式を放り出して高校の入学式を優先する親がいるかー!?」
一穂「でもどうするんだい?」
ひかげ「まあ仕方ないや。みんなはれんげの入学式に行ってやんなよ。
私は入学式なんて小中と経験してんだから今更高校の入学式なんて大した事ないっての!」
一穂「ひかげがそういうならいいけど…」
れんげ「ひか姉は一人で大丈夫なん?心配なのん。」
ひかげ「私は6歳児に心配されるほど頼りないんか…
まあ私だってもう高校生だし!入学式くらい一人でこなせるっての!!」
<それから数日後なのん!>
~ひかげの部屋~
ひかげ「ふへ~!」
ひかげ「これで引越しの荷物は全部片付いたな。」
ひかげ「さてと、今日からひとり暮らしだ!」
ひかげ「もう小うるさい連中はいないし、
これからは憧れの東京で立派なシティーガール目指して頑張るぞ~!」
((グゥゥ~))
ひかげ「あ、張り切ったらお腹空いた。ご飯でも作るか。」
((トントン カンカン))
ひかげ「よっしゃ、出来た。お~いれんげ、姉ちゃん起こしてこ~い!」
ひかげ「あれ…れんげ?どうした?返事しなよ!」
ひかげ「あ、そうか。ここはもう実家じゃないんだ。」
ひかげ「やべっ、姉ちゃんとれんげの分まで作っちゃったじゃん!?」
ひかげ「そういえば家じゃみんな仕事してるから料理当番はいつも私だったよなぁ…」
ひかげ「二人ともちゃんと食べてるのかな?」
ひかげ「いっただきま~す!」
ひかげ「うん、やっぱり私が作った料理は最高だわ!」
ひかげ「そう思うよね二人とも!」
ひかげ「…ってそうだよね。この部屋には誰もいないんだよね。」
ひかげ「ちょっと寂しいな…」
ひかげ「…って引越し初日からホームシックになっちゃダメだって!?」
ひかげ「こちとら猛勉強して東京の高校に入学したんだからね!」
ひかげ「明日から頑張るぞ~!」
ひかげ「でも…やっぱり寂しい…」
ひかげ「グスッ…このご飯なんかしょっぱい…」
ひかげ「涙の味がする…」
<そして入学式当日なのん!>
~高校~
((ざわざわ))
((ざわざわ))
ひかげ「さすがは東京の高校の入学式だわ!人がいっぱいいるし!」
ひかげ「この前の分校での卒業式なんて、
姉ちゃんと父さんに母さん、それに夏実や小鞠たちくらいしかいなかったのになぁ…」
ひかげ「やっぱり東京は違うわぁ~!」
ひかげ「でも…」
「今日から高校生なんてあなたも成長したわねぇ。」
「これからしっかり頑張るんだぞ。」
「うん、ありがとう!お父さん!お母さん!」
ひかげ「みんな親が来ているんだ。」
ひかげ「そりゃ高校の入学式なんだから親くらい来て当然か…」
ひかげ「うちの親は…仕方ないよね。」
ひかげ「まあ、可愛い妹のためだし!」
ひかげ「お姉ちゃんはこのくらいなんともないし!へっちゃらだし!」
~教室~
ひかげ「入学式も終わって教室に着いた。」
ひかげ「他のみんなは同中の連中とかと話し合っている。」
ひかげ「けど私は…」
ひかげ「正直ここに知り合いなんて誰もいない。」
ひかげ「分校じゃみんな最初から友達だったんだよなぁ…」
ひかげ「みんな…小学生になる前からの付き合いだったし…」
ひかげ「このみ…駄菓子屋…夏実…小鞠…それとえ~と…メガネ…」
ひかげ「ハァ…何で無理して東京の学校なんて来たんだろ…」
ひかげ「私…ダメじゃん…」
ひかげ「寂しい…もう村に帰りたい…」
??「あのぉ~」
ひかげ「うん…?」
??「大丈夫?」
ひかげ「え、私…?だ…大丈夫だし!
このくらいへっちゃらだし!高校生で一人暮らししてるんだし!」
??「え?あなた一人暮らしなの?それだったら…」
ひかげ「え…?」
ひかげ「えぇっ!」
ひかげ「えぇ――――――ッ!?」
<その日の夜なのん!>
~宮内家~
一穂「れんちょん、無事小学校への入学式おめでとう。」
れんげ「姉ねえ!ありがとうなのん!」
一穂「ところでもう一人の妹は大丈夫だったのかねぇ?」
れんげ「ひか姉一人で大丈夫なんかな?」
一穂「どうだろうかねぇ。
あの子は行動力はあるんだけど…意地っ張りというか素直になれないというか…」
一穂「本当は高校の入学式に来てほしかったんじゃなかろうかねぇ…」
れんげ「ひか姉…心配なのん…」
((トゥルルル))
れんげ「あ、電話なのん。」
一穂「番号は…東京のひかげからだねぇ。」
れんげ「ひか姉どうしたん?」
一穂「まさか一人ぼっちで寂しくなって電話してきたとか?」
れんげ「姉ねえ!出てみるのん!」
一穂「もしもし、ひかげかい?入学式は大丈夫だったかい?」
一穂「え?」
一穂「ふむふむ…」
一穂「おやまあ、それは…」
一穂「ほほぉ~!」
れんげ「姉ねえ!ひか姉どうしたのん!?」
一穂「なんでも今日知り合ったばかりの子と一緒に住みたいんだってさ。」
れんげ「えぇ――――――ッなのん!?」
れんげ「もしもしひか姉!一体どうしたん!?」
ひかげ『あ、れんげ?
お姉ちゃんねぇ久遠春風っていう子とルームシェアするんだわ!つまり共同生活よ!
入学初日でマブダチが出来るとかさすが私だよね~♪
どうどう?お姉ちゃん結構都会的じゃね?』
れんげ「でもひか姉は結構人見知りなん!大丈夫なん?」
ひかげ『おいおい、お姉ちゃんを引きこもりみたいに言わないでよ!?
こう見えてもシティーガール目指してるんだからね!村でも一番の社交派だったし!』
一穂「きっとルームシェアしてくれた子が心配して声掛けてくれたんだろうなぁ…」
一穂「でもお友達が増えたのはいい事だし女の子だけの一人暮らしより少しはマシかな。」
ひかげ『まあそういうわけだから!』
ひかげ『こっちはこれから高校生活3年間楽しくやってくからそういう事で♪』
れんげ「ウチも!ウチもこれから6年間小学生頑張るのん!」
ひかげ『ハハッ、れんげの場合は中学も含めて9年はお世話になるんだからね!』
れんげ「あ、そうだったのん!分校だから9年なん!」
一穂「ちなみにお姉ちゃんは彼此18年くらいあの分校でお世話になってるけどね…」
ひかげ『あ、そういえばまだ言ってなかった事があったわ。』
れんげ「ウチもひか姉に言いたい事があるのん!」
ひかげ『そっか、それじゃあ同時に言おうか!』
れんげ「わかったん!」
れんげ&ひかげ「 「入学おめでとう!(なのん!)」 」
お し ま い ♪ ♪
これにておしまいです
れんちょんの入学式の裏ではこんな話が展開してたとか思って読んで頂ければ幸いです
ちなみに最後のシーンですがひか姉携帯忘れていったよね?
という疑問があるかもしれませんが佐〇が特急で運んでくれたとかそう思ってください
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