ペース遅いがそれでもいいなら書く。
ーーー目を覚ますと、俺は手足を大の字に縛られた状態で宙吊りにされていた。
男「な・・・なんじゃこりゃぁ!?」
???「お目覚めかしら?」
背後から声がした。首だけを反らせて振り返ると、そこには透き通るような糸で編物をする女性が妖艶に微笑んでいた。
今までの人生20年そこそこ。ここまで美しい女性は見たことがない。ただし、上半身だけで見ればだが・・・
???「気分はどうかしら?」
女が6本ある節足を器用に動かし、近づきながら尋ねる。
ーそう。女の下半身は、蜘蛛だった。
男「ひ、近寄るな!女郎蜘蛛!」
女郎蜘蛛?「あら、失礼な方ね。あなた自身の意思でここに来たくせに。あと、私は女郎蜘蛛じゃありませんわよ?」
男「じゃじゃじゃなんなんだよ!蜘蛛女なのは変わらないだろ!」
蜘蛛女?「だから失礼ですわよ?これでも私は元は人間なのですから。」
カチカチカチカチ
蜘蛛女?「だから怖がらなくてもあなたを食べたりなんてしませんわ。」
男「じゃあなんでこんなこと・・・」
蜘蛛女?「仕方ないですわ。なにせこのなりですから。ようやく来た獲物が・・・あら失礼。」
男「やっぱり食べようとしてんじゃねえか!」
蜘蛛女?「まあ確かに食べるという表現は出来ますからまちがってませんけど・・・」
男「こんなとこで死んでたまるか!ふんふん!」
蜘蛛女?「だから殺しませんて。あと、あなたの力じゃその糸は切れませんわよ?」
男「くそ、たかが蜘蛛の糸だろ!?なんでこんなに硬いんだよ!」
蜘蛛女?「蜘蛛の糸だからですわ。知りませんでしたか?蜘蛛の糸はすごく頑丈なのですよ?」
男「終った。詰んだ。」
蜘蛛女?「ようやく大人しくなりましたわね・・・じゃ自己紹介しますわ。」
アラクネ「私はアラクネ。あなたがアシスタントの面接に来たここ、スタジオ・アラクノフォビアのデザイナーですわ。」
そう、俺は最近人気が出だした新ブランド、アラクノフォビアのアシスタント募集を見つけ、
ここにやって来ていた。しかしまさかそのデザイナーがこんな化物とは・・・
アラクネ「何やらまた失礼なことを考えてらっしゃいますわね?まあ無理もないですけど。」
アラクネ「不服でしたらおかえりになりますか?一応私も今後の生活がありますし、」
アラクネ「記憶は消させてもらいますがこのままおかえししてもよろしいですわよ?」
男「嘘だ!そう言って気絶させてから食うつもりだろ!」
アラクネ「だから餌的な意味では食べませんて。まあいいです。どちらにしても命の保証はしますから、とりあえず話だけでも聞きません?」
男「ううう・・・」
アラクネ「もう聞いてませんね。」
アラクネ「仕方ない。じゃあちょっと仕事を体験して見てください。返事はその後聞きますから。」
男「やめてやめてぇ」ひぐひぐ
アラクネ「泣かれても困るんですけどね。まあいいか。じゃ、失礼しまーす。」カチャカチャ、ジー
アラクネ「あら、あれだけ怯えてたのにここはこんなに元気ですよ?」
アラクネ「生命の危機を感じての本能ですか?それともそういう趣味でしょうか?」
いきり立つ俺のモノをつつきながらアラクネは妖艶に微笑んだ。
アラクネ「じゃあまず味見から。あ、いきそうになったら我慢しないで出してくださいね。」はむ
男「うぁ!?」
アラクネ「んむ。ずいぶん・・・んちゅ、びんはんれふね。ジュル」
男「く咥えながら話すな、ふぁぁ」
アラクネ「もひかひへ、童貞でふか?なら給料、弾みまふよ?」ズボジュル
男「うぁぁ出る!?」
アラクネ「んん!?」ごく、ごく
アラクネ「うふふ、凄い濃厚。これは是非ともアシスタントに欲しいわぁ」
男「」ハァハァ
書き溜め分オワタ。仕事しながら続き書いてくる。
アラクネ「よいしょっと。」カチャカチャ、ジー
アラクネ「職場体験だとここまでですわ。仕事内容は理解していただけましたでしょうか?」
男「ハァハァ、いや、よくわからない。」
アラクネ「えーと、つまりは私の性欲の解消と、精液の提供をお願いしたいんです。」
男「ーpardon?」
アラクネ「何故英語・・・ふぅ、あのですね、男さん。」
男「なぜ俺の名を!?」
アラクネ「いやあなた、面接に来たでしょ?今日の予定はあなただけですし。」
アラクネ「そんなことより。男さんはうちの商品使ったことあります?」
男「まぁ、一応。」
アラクネ「それの原材料って何か知ってます?」
男「シルクなんじゃないですか?光沢も手触りもいいし。」
アラクネ「それ、私の糸なんです。つまりは蜘蛛の糸。」
男「ーうそだぁ。だって結構丈夫だぜ?」
アラクネ「さっきも説明したとおり蜘蛛の糸はかなり頑丈ですよ。束ねれば人の体重も支えられます。」
アラクネ「人サイズの私が出したものならなおさらです。」
男「・・・まじで?」
アラクネ「嘘ついてどうするんです。それに頑丈さはさっき自身で実証したじゃないですか。」
男「確かに、ぜんぜんきれないな。」
アラクネ「それでだいたい200キロくらいの力に耐えられるはずですよ。無理やり千切るのは無理だと思います。」
男「マジか・・・」
アラクネ「で、話に戻りますけど、蜘蛛の糸の原材料って何か知ってます?」
男「いや、そんなに蜘蛛にくわしくないし。」
アラクネ「良質のタンパク質です。粘り気が強いとなおよしですわ。」
男「それであんな条件を出したって?」
アラクネ「はい。まあ年齢とかは私の好みも含まれてますが。それでどうします?」
男「どうするって?」
アラクネ「ここに来た目的忘れてます?条件は満たしてますし、こちらとしては男さんを採用にしたいんですけど、」
男「うーん・・・まぁ、食べるってのも性的な意味ってわかったし断る理由はない。」
アラクネ「じゃあ!」
男「まあ待って欲しい。まず仕事はこの状態で?」
アラクネ「いえいえ。これは今回だけですよ。して欲しいなら話は別ですが。」
男「ok。プレイはどこまで?」
アラクネ「嫌じゃないないなら卵管に挿入して中出しまでです。好きな場所でできる限りです。」
男「ふむ。ちなみに今他にアシスタントは?」
アラクネ「いませんよ。募集には近いうちに大型の発注があって足りなくなりそうだからという事情も含まれてますから。」
男「ちなみに給料は?」
アラクネ「えーと、この程度。」かきかき
男「こんなに!?」
アラクネ「まあ体力のいる仕事ですから。忙しくなったら毎日空っぽになるまで絞らせてもらいますし。」
男「おおぅ、それはきつそうだ。でもわかった。契約するよ。」
アラクネ「ホントですか?!」
男「うん。給料いいし、アラクネさんみたいな美人とエッチなことできるなら断る理由はないよ。」
アラクネ「はじめは逃げようとしましたけどね。じゃ、契約書にサインしてもらいます。」
男「okなら降ろしてくれ。」
アラクネ「うーん。男さん、この後予定ありますか?」
男「いや、ないよ。」
アラクネ「じゃあ契約は後です。まずは男さんの性癖チェックをしましょう!」シャキン
男「ちょ!服切らないで!」
アラクネ「大丈夫、代わりの服は後でハンドメイドしてあげますから!」
男「そういう問題じゃ」
アラクネ「そんなこといいながらここはおっきくなってきてますよ?やっぱり男さんはどmですね。」
男「ちが・・・」
アラクネ「ほら、おっぱいで挟んであげます。」ふにゅ
男「んは!?」
アラクネ「ほらほら」ずりずり
ーこうして俺の甘いバイト生活は始まった。そして今日も、俺は縛られている。
男「んひぃ!!」
アラクネ「どうです?糸を編み込んで作った特製ディルドゥの味は」
男「やめ・・・あひん!」
おわり
せっかくスレ立てしたのにもったいないから続き考える。
すまない。元々モン娘のところに短編で投下する予定だったんだ。
男の仕事は、早い。
男「せんせ、ほら、もう朝ですよ。」
アラクネ「んんー・・・」ぷるん
男「またそんなかっこで寝て・・・風邪ひきますよ?」
アラクネ「んぅぅ・・・じゃ、温めて。」シュルルル
男「え?ちょ!ま!」ギチギチ
アラクネ「んふふー、朝一の濃ゆいのいただきまーす。」ズル!はむ
男「ん・・・くぁ・・・」
アラクネ「よしよし。大きくなったなった。んじゃ失礼ー。」ジュプ
男「んぁ!卵管が絡みつく!」
アラクネ「ん、はん!あぁん!」ズチュ、ニュチュ
男「いきなりそんなに激しくされたら・・・もう!」ビクビク
アラクネ「だーめ。まだだよ。」シュルシュル、ギュッ
男「出るぅ!・・・あれ?」ビクン、ビクン
アラクネ「私が満足するまで出させてあげません。と、いうことでー」ズチュズチュ
男「いひぃ!いったばっかで刺激がぁ!」
アラクネ「いってないですよーまだ出てないですから。」ズチュズチュ
ー10分経過
男「お願いします・・・もう出させてください・・・」
アラクネ「えー。まぁいいか。じゃあねぇ、これが言えたらご褒美に出させてあげる。」こしょこしょ
男「えぇ!?・・・マジすか?」
アラクネ「うん。私は別にどっちでもいいんだよ?満足したら出させてあげるし。」
男「うぅ・・・」
アラクネ「でもあと最低3回はいきたいかなー。」
男「」
アラクネ「どうする?」
男「・・・さい。」
アラクネ「聞こえなーい。」ズチュズチュ
男「おちんぽミルクでアラクネ様に種付けさせてくたしゃひ!」
アラクネ「よく出来ました。でもかんじゃったね。」ズチュズチュ
男「ううう・・・」
アラクネ「かんじゃったから、種付けさせてあげない。」ズチュズチュ
男「んあぁ!」
アラクネ「でもちゃんと言えたからご褒美あげるね。」ヌチュ
アラクネ「はむ。いひよ。全部飲んであげる。」プチ、ジュルルル
男「んはぁぁぁ!」ビクン!ビクン!
アラクネ「ん・・・ん・・・」コク、コク
ー数分後
アラクネ「はぁースッキリした。」
男「・・・失った。何か大切なものを失った。」
アラクネ「ドンマイ。」
男「てゆーか、今更ですけどなんか口調変わってません?」
アラクネ「んー?あぁ、身内には基本的に敬語使わない主義なの。男くんはもううちの従業員だから身内だよ?」
男「なるほど。」
アラクネ「さて、じゃあ仕事しますか。」
アラクノフォビアの朝。それは男がアラクネを起こすことから始まる。
アラクノフォビアのデザイナーは気まぐれである。
アラクネ「んー・・・」シャッシャッ
男「えーっと」かたかたかたかた
アラクネ「にゃー」
男「次はーっと」かたかたかたかた
アラクネ「むー。ねー、男くーん。」
男「はいはいなんですかー。」かたかたかたかた
アラクネ「飽きたよー。ちょっと休憩しよ?」
男「30分前にしたばっかですよー。」かたかたかたかた
アラクネ「だってさー。アラクノらしさを出しつつ斬新なウェディングドレスなんて浮かばないよー。」びりびりびり
男「それが先生の仕事ですーよっと。よし。顧客情報の整理とデータ化完了っと。」
アラクネ「終った?じゃあ・・・」
男「ダメですよ、先生。次は先生のタスク整理がありますから。」
アラクネ「ぶー!男くんのいじわる。ガリ勉!」
男「先生が不真面目すぎんの。タスク整理とスケジューリングを怠るといつかブッキングしますよ。」
アラクネ「ぶーぶー。男くんはおかんだね。」
男「はいはい。アラクネちゃんはわがまま言わないの。煮詰まってるなら糸でも紡いだらどうです?あって困るもんでも無いんですし。」
アラクネ「ま、男くんたらエッチ。糸が何処から出てくるかしっててそんなこというんだから。」
男「ぶ!そそそそんなつもりでいったわけじゃ・・・」
アラクネ「あーでもそれもいいかなー。こんつめてもいいデザインはでないし。」
男「ふぅ、やれやれ。」かたかたかた
ー数分後。
アラクネ「ねぇ、男くーん。」
男「ったくなんですか?・・・ってええ!?」
アラクネ「へへへ」
男「はぁ、なんで裸なんですか先生。」
アラクネ「んー、糸が出る穴って卵管の少し外側じゃない。ココいじって糸紡ぐのって、なんかオナニーみたいだなーって。」
アラクネ「だからちょっとそれっぽい雰囲気を出してみました。」えっへん
男「いや、いばられても。」
アラクネ「ほらみて?男くん。こうやって穴をいじって、糸を引っ張り出すんだよ?」
男「」ゴクッ
アラクネ「ほら見て、いっぱい出ちゃうよ?糸、いっぱいでちゃうの!」ハァハァ
男「せ・・・先生」
アラクネ「ダメだよ?男くん。お仕事しないと。」ハァハァ
男「う・・・」
アラクネ「男くんは、まじめーに、お仕事してねぇ。」ハァハァ
男「う・・・(集中出来ねぇ)」
アラクネ「でーもー、私の大好物くれたら、考えてもいいかなー」ハァハァ
男「うぅぅ・・・」
アラクネ「欲しいなぁ、くれないと・・・糸、足りなくなるかもねぇ」ハァハァ
男「そ、それは大変だ。急いで補給しないと・・・」ふらふら
アラクネ「食べさせてー。私の大好物、私に食べさせてぇ。」
男「は、はいぃ!」カチャカチャ
アラクネ「すっごい。おっきいのぉ!」はむ、んちゅぅ
男「ん・・・まるで、餌を誘う蜘蛛の巣だな。」
アラクネ「んちゅ。だって蜘蛛だもん。」
男「はは、違いない。う・・・出そう。」
アラクネ「いいよ。男くんの濃いぃザーメン頂戴。」
男「出るよ!」
ビュル、ビュル
アラクネ「ん。ご馳走様。さーて、浮かんだデザイン形にしようかな。」
アラクネフォビアのデザイナーは気まぐれである。しかし、そのデザインは、例外なく斬新で素晴らしい。
今日は以上です。
なお、このスレの話はオムニバス形式となっています。
ある程度時系列には沿っていますが、同じ日に起きた内容とはかぎりません。
アラクノフォビアには主(ぬし)がいる。
男「そういえば先生、このスタジオって他のスタッフを見ませんけど、何人ぐらいいるんですか?」
アラクネ「んー元々簡単な小物の少数販売と受注生産がメインだからねぇ。そんなにスタッフはいらないのよ。」
男「確かに。原材料の糸を出すのもデザイン作るのも加工するのも先生がやってますしねえ。」
アラクネ「元々針仕事は得意だったからね。もう神様に勝つくらい。」えっへん
男「それで怒り買ってそんな姿にされてたらしょうがないですよ。」
アラクネ「うぐ・・・言い返せない。ま、そういうわけだから従業員は男くんだけだよ。私は経営者になるし。」
男「え?他にスタッフはいないんですか?」
アラクネ「なーに?いないと悪いの?」じと
男「いやー、は・は・は。先生の生活力でサポートしてくれる人がいないのは意外かなーって。」
アラクネ「お主、言うではないか。」
男「先生のアシスタントですから。」
アラクネ「はっはっは。こやつめ。まぁでも確かに、私1人じゃ1週間もしないうちにここは腐海に沈むね。うん。」
男「自分でいいなさるか。でもならどうしてたんです?」
アラクネ「うん。従業員じゃないんだけどね、私をサポートしてくれる人がいるんだよ。」
男「へぇ、そんな人いたんですか。」
アラクネ「私はこんななりでしょ?事情を知ってる人じゃない限り面と向かって会えないじゃない。」
男「まあ確かに。(俺みたいに誰彼構わず拘束するわけにもいかんしね。)」
アラクネ「そんな時の交渉役とか、広報とかを時々お願いしてるのよ。」
男「そんな優秀な人がいたんですか。」
アラクネ「いたのですよ。」
男「で、その方は今どこに?」
アラクネ「あぁ、彼女は先週から海外の取引先との交渉に行ってるよ。そろそろ帰って・・・」
???「ただいま帰りましたわ。」
アラクネ「あ、帰ってきた。」
???「アラクネさぁーん、ちゃんと生きていますかしらぁ?」とたとたとた
玄関からスリッパで走る音がこちらに近づいてくる。
???「アラクネさん!」むぎゅ!
いきなり抱きしめられた。白いニットにハンドボールぐらいはあるんじゃないかという大きさの双球の谷間に挟み込まれた。
???「ちゃんと3食食べてましたか?こんなに髪質も肌も硬くなりまして。」
男「ふが!ふが!」じたばたじたばた
圧倒的な谷間の密度に呼吸がままならない。たまに息が吸えたかと思うと甘い匂いが肺いっぱいに広がる。
???「声もこんなに低くなられて、やはり1週間もうちを空けたのは失敗でしたわね!」
アラクネ「おーい、デュラハン娘ちゃん?」
デュラハン娘「言わなくてもわかっておりますわ。これからはもうどこにもいきませんから・・・あら?」
アラクネ「あ、気づいた?ならそろそろ離してやってくんないかな?彼。」
デュラハン娘「へ?え?」バッ
男「」ぐたー
デュラハン娘「えぇぇぇ!?」
谷間地獄から解放されて意識を取り戻すと、アラクネさんよりもかなり大人っぽい、おっとり系美人に謝罪された。
デュラハン娘「本当に申し訳ありませんでしたわ。なんとお詫びすれば良いのやら・・・」
男「いやいや、いいですよ。」テレテレ
アラクネ「ぶぅ、男くん。鼻のした伸びてるぞー」
男「そそそそんなことねえよ。」
デュラハン娘「男さん・・・とおっしゃるのですね。私はデュラハン娘と申します。」ぺこり
デュラハン娘「アラクネさんとは長くお付き合いさせていただいてまして、」
デュラハン娘「こうして今も身の回りのお世話をさせていただいておりますわ。」
男「あ、先日から先生のアシスタントとして働かさせていただいてる男です。」ぺこり
アラクネ「デュラハン娘ちゃんはね、見た目通りのおっとり屋さんでうっかりさんなんだよ。」
デュラハン娘「もう、やめてくださいアラクネさん!・・・わ、わわわ?!」どしーん
アラクネさんに抗議しようとして、フローリングの数ミリしかない溝で転んだ。
コロコロコロ
男「あ、首が取れた。」
アラクネ「彼女はデュラハンだからね。首もとれるよ。」
デュラハン娘「あー首、首ー」
メガネを探すごとくに首を探す体というのは実にシュールである。
男「ってデュラハン娘さん!?」
見えていないのか、いや、首がないんだから実際見えてないんだろう。
ふらふらと四つん這いで俺に近づくデュラハン娘さん。予想外のことで俺もよけきれなかった。
どしーん
デュラハン娘「ひゃあ!」
本日2度目の谷間地獄。しかも今度は仰向けに押し倒されている。
デュラハン娘「はう、はう、」あたふたあたふた
デュラハン娘さんは完全にパニック状態。そりゃそうだ。首がなく、見えないところで転んだのだから。
しかしだからと言って谷間に俺の顔を埋めたまま暴れられるのは困る。
というか、今度こそ死ぬ。急いで引き剥がさないと。と言っても俺も視界が塞がれて何も見えない。
ここは勘に頼るしかない。
男(えい!)むぎゅ!
顔が埋まっているデュラハン娘さんの胸を触るわけにはいかない。
デュラハン娘さんの体あると思われる場所に手を延ばして掴んだ。
デュラハン娘「ひゃん!」
驚き手を床につき、デュラハン娘さんは体をそらした。
そして俺は自分のしでかした過ちに気付いた。
アラクネ「男くんのすけべー」じとー
アラクネさんがジト目でみながらデュラハン娘さんの首を元に戻す。
そしてデュラハン娘さんも俺の犯した過ちに、気づくのだった。
デュラハン娘「もう、男さんったらどこを触ってるんですか?そこは私のお尻ですよ?」
男「」ぱくぱく
アラクノフォビアにはおっとりお姉さん系美人の主(ぬし)がいる。
しばらくの間アラクネさんにあだ名をムッツリくんにされたのは言うまでもない。
デュラハン娘さんには大切な相棒がいる。
ブー、ブー
とあるオフの朝、惰眠を貪る俺を現実に引き戻すように携帯のバイブが頭元で響いた。
男「誰だこんな朝っぱらから・・・」
時刻は10時。オフの人にとってはまだ早朝の領域だ。
男「なんだ、友かよ。」
犯人は腐れ縁の親友、友だったようだ。
男「はいはーい、どした。」
友[どしたじゃねぇ!なんだよあの送ってきた写メは!]
デュラハン娘さんには大切な相棒がいる。
ブー、ブー
とあるオフの朝、惰眠を貪る俺を現実に引き戻すように携帯のバイブが頭元で響いた。
男「誰だこんな朝っぱらから・・・」
時刻は10時。オフの人にとってはまだ早朝の領域だ。
男「なんだ、友かよ。」
犯人は腐れ縁の親友、友だった。
男「はいはーい、どした。」
友[どしたじゃねぇ!なんだよ機能送ってきた写メは!]
先日、デュラハン娘さんが帰ってきた時に突如写真を撮ろうという話になった。
当然ながらカメラなんて準備していなかったので、俺の携帯で数枚撮影したのだが、
その中で俺とアラクネさんの2ショット、俺とデュラハン娘さんの2ショット、
アラクネさんとデュラハン娘さんの2ショットを何気なくこいつに送って見たのである。
もちろんアラクネさんの下半身とかは配慮したものだ。
男「メールに書いてただろ?今の現場の経営者さんたちだよ。」
友[なにぃ!?貴様あんな美しいお姉様たちに囲まれて仕事してやがるのか!?]
友[なんつーうらやまけしからん。リア充め爆発しろ。]
男「言いたいことはそれだけか?んなら切るぞ?」
友[まままて!男様、俺の一生の願いを聞いてくれ。]
男「前に聞いてやったから生まれ変わって出直せ。」
友[そんなこと言わずに頼むよ、男えもーん]
男「友び太くん。君は本当にどうしようも無いやつだな。で、なんだ?」
友[あのお姉様たちを俺に紹介してくれ!つか俺もそこで雇ってくれるよう頼んでくれ!]
男「これ以上レギュラーが増えたら>>1の収拾がつかなくなるから無理。」
友[そんな幻想俺がこの手で・・・]
男「お前にそれだけのフラグ力があるなら紹介する必要はないだろ。」
友[なーたーのーむーよー。飯奢るからさ。]
男「いや、リアルに無理だって。そんなに大きいスタジオでもないし人手は足りてるからな。ただ飯は奢れ。この前の約束がまだだ。」
友[ならば貴様を殺してでも奪い取る]
男「よろしい、ではクリークだ。」
友[ち、わかったよ。けど忘れるなよ、俺は諦めたわけじゃないからな。]
男「はいはい。つーわけで今から飯奢れな。10分後駅前だ。」
友[へいへい。]
ー駅前
???「あら、男くん。」
男「あ、デュラハン娘さん。おはようございます。」
友「おーい、男ー。ってあなたは!?」
デュラハン娘「あら、男くんのお友達ですか?」
友「ははははひ!うううう産まれた時からの大ひん友でしゅ!」
男「かむな。つかお前とは小学校からの付き合いだ。」
友「かみまみた。」てへぺろ
男「かわいくねえ。」
デュラハン娘「くすくす。面白いお友達ですね、男さん。」
友「おっしゃー!好印象キター」
男「あぁ、相手しないでください。馬鹿なんで。ところでデュラハン娘さんはどうしたんですか?」
デュラハン娘「買い物ついでにコシュたんでちょっと散歩していましたの。」
男「こしゅたんって・・・そのセグ(0w0)ですか?」
デュラハン娘「そうです。私の相棒で、出かける時はいつも一緒なんです。」
友「も、ものに名前を付けるなんて・・・萌え」
男「黙ってろ。」
デュラハン娘「では私はいきますね、男さんもオフなんですからゆっくり体を休めてくださいよ。」
男「はい。お疲れ様です。」
ビューン
男「・・・セグ(0w0)ってあんなにスピード出たっけ?」
友「待ってくださいお姉さん、せめて連絡先だけでもぉ!」
デュラハン娘さんには大切な相棒がいる。その相棒はややじゃじゃ馬なようだ。
アラクネさんたちの貞操観念は低い。
アラクネ「んー?やー、まぁ長年こうやって生きてるとね、そういうのどうでもよくなるのよ。」
事が済んだ後のいわゆるピロートークで彼女はそう苦笑した。というのも、
デュラハン娘「ふふ、私達のような皆さんから見れば異形の者たちの1番の悩みはこういうプライベートなことですから。」
アラクネ「そそ。デュラハン娘ちゃんみたいに首が取れる以外変わらないならまだしも、」
アラクネ「私みたいなタイプだとそりゃ切実よ?」
デュラハン娘「ここ最近ではフェアリードクターも少なくなりましたしね。」
アラクネ「というわけで私達みたいなのを受け入れてくれる人は相手がokしてくれたらシェアする事も多いの。」
デュラハン娘「あ、あの、男さん。ご迷惑でしたか?」
アラクネ「そんなことないない。寧ろこんな美人とエッチ出来て役得と思ってるよ。」
男「こら、勝手な代弁しないでください。」
アラクネ「ん?違った?の割にノリノリだったじゃん。」
男「う・・・まあ、違わなくもないが。」
実際デュラハン娘さんとの情事には大興奮だった。何しろあの胸だ。
アラクネさんでも世間的には巨乳と言える大きさだが、デュラハン娘さんのはそれを大きく上回る。
まさに爆乳スイカップというやつだ。しかも張りがよく垂れずに上向きなのに
マシュマロのような柔らかさ。小さめの乳首と乳輪が可愛らしさを引き立たせている。
ウエストもしっかりくびれており、お尻は小さめだが十分扇情的である。
アラクネ「うわぁ舐めるように見てる。男くんやらしー。」
対するアラクネさんは、下半身が蜘蛛というハンデがあるものの、
美しさはデュラハン娘さんを上回る。いや、女性を見た目で優劣つけるのはよくないけどね。
おっぱいはギリギリメートルにのらないぐらいで腰回りには無駄な贅肉もなくスッキリしている。
こんな美人の裸が並んで誘ってるのにそこに飛び込まない男がいるだろうか。いやない!(反語)
デュラハン娘「なにか、力強く頷いてらっしゃいますね。それに・・・」
アラクネ「うん。また元気になってる。じゃあもう1回戦いっとく?」
男「イーネー!」
アラクネ「じゃ、次はこういうので。」シュルシュルキュッ
男「また縛りですか?」
アラクネ「好きな癖にー。デュラハン娘ちゃん、男くんをおっぱいで気持ちよくしてあげましょ。」
デュラハン娘「うふふ、よろしいですわね。」
男「夢にまでみたダブルパイズリ!?」
アラクネ「じゃ私は足からー。」
デュラハン娘「では私は胸から。男さん失礼しますね。」
アラクネさんたちの貞操観念は低い。そんな天国を一人じめている俺は恐らく幸せ者だろう。
短いけど寝る前に1本。
もう完全にタイトルと関係ない話になってきた。
アラクノフォビアには時折来客がある。
???「やっほーい。アラクネちん。いつもの受け取りにきたよー。」
彼女は猫娘。駅前にある今時珍しい老舗の遊郭の文字通り看板娘だ。
ここに勤めるようになって知ったのだが、この街にはアラクネさんたちのような人達がたくさん暮らしている。
彼女の勤める遊郭もそんな人達が勤める職場の1つだ。
沢山の人じゃない人たちが髪を結い、着物を着て客と夜を供にする。
そんな彼女達の髪結い紐がこのアラクノフォビアで作られていた。
男「ほい。みかんジュース。今デュラハン娘さんが品物まとめてるからもうちょい待ってくれ。」
猫娘「おー男っち気が利くねえ。さんきゅー。」
猫だった名残りの肉球がある手で器用にコップを持ち、ストローに口をつける。
猫娘「それにしても男っちもすっかりうちらの業界に溶け込んだよね。」
男「まあな。先生が先生だし、否応なしに付き合いは広がるよ。」
猫娘「うちでも噂になってるよ?1度遊びにおいでよ。お得意様だしオーナー に相談したら格安で泊めてくれるよ。」
男「はは、遠慮しとくよ。」
今でもアラクネさんとデュラハン娘の相手でいっぱいいっぱいだ。これ以上は煙も出ない。
猫娘「あらら残念。サキュバスさんたちも楽しみにしてるのに。」
煙も出ない・・・はず。
デュラハン娘「はい、猫娘さん。お待たせしました。」
猫娘「ほいほい姐さんありがとね。んーまぁこのレベル2人の相手してたらちょっとやそっとの女は霞むかー。」
デュラハン娘「褒めすぎですわ。私達なんかと比べたらリリスさんたちに失礼ですよ。」
猫娘「まぁ確かにリリス姐は別格だからね。んじゃ、ごっそさん。また注文した時はよろしくぅ」
にかっと笑いながらそう言うと足音もなく素早い動きで帰って行った。
男「まるで極地型の地震ですね。」
デュラハン娘「ふふ、可愛らしいいい子じゃありませんか。」
男「ところでそのリリスって人、そんなにすごいんですか?」
デュラハン娘「うふふ、気になりますか?男さん。」
男「う・・・まぁ、興味はあるかなぁって。」
デュラハン娘「なら一度お店に行ってあげてくださいな。私が語るよりも実際に見られたほうがよくわかりますから。」
男「うーん・・・でも・・・」
デュラハン娘「私たちの事はお気になさらず。でも、」
男「でも?」
デュラハン娘「ちゃんと帰ってこないと血の入ったバケツを頭からかけちゃいますから。」
男「心に止めときます。」
アラクノフォビアには時折、営業上手な来客がある。
普通の現代でもないのな
バイトとか言ってたから現代だと思ってたけど
あんまレス返すと荒れる元だが1つだけ。
>>67
「異種淫行技戦」つーサイトの「妖精学者」ってシリーズにかなりインスパイアをうけてた世界観になってる。
モン娘ものではこの作者の表サイトになる「幻想という名の空蝉」も個人的にオススメ。
気付いたら俺は目隠しされて何処かに寝かされていた。手足が動かないところを見ると手足も大の字に縛られているようだ。
それに口も。
男「ふが!ははふふぇふぁん!」
ギャグボールのようなもので塞がれているようだ。
男(なに?このデジャヴ)
またアラクネさんの仕業か。毎回毎回趣向を凝らしてくれるものだ。
???「あら、お目覚めかしら。」
聞き覚えのない声だ。アラクネさんでもデュラハン娘さんでもない。
男「ふぁふぇふぁ!」
???「ギャグボールで塞いでるからなに言ってるかわからないわよ。」
???「でもそうね。このまま何も見えないままってのは少しつまらないかしら。」
女はそう言うと目隠しを取り外した。
???「はーい。男くん。と言っても初対面よね。」
彼女の言うとおり、俺には見憶えがない女性だった。アラクネさんやデュラハン娘さんほどではないが、
色気のある美人。黒いエナメル質の下着の上に触り心地の良さそうなコートを羽織っている。
???「でも貴方が悪いのよ?うちのニャンコにアプローチかけさせてるのに一向にお店に来ないんだもん。」
ニャンコと聞いて猫娘が真っ先に浮かんだ。ということはこの人は遊郭の関係者か。
???「ちょっと強引な手を使っちゃったわ。でも、いいでしょ?こんな手でここに泊めたわけだからお金はいただかないし。」
ということはここは遊郭の一室ということらしい。
???「いっぱいサービスするから許してね。あぁ、自己紹介がまだだったわね。」
そう言うと彼女は羽織っていたコートを脱ぎ捨てた。すると、バサリと音を立て、こぶりな蝙蝠の羽が姿を現した。
サキュバス「私はサキュバス。ここ遊郭『幻想魔殿』の女郎の1人よ。コンゴトモヨロシクね。」
美人でスタイルもいいが、こういう強引な人とはあまりよろしくはしたくない。
サキュバス「それにしても流石ね。ここの中は私の匂いで充満してるのに意志を保ってるなんて。」
部屋の中には確かに甘い匂いが充満しているが、それがどうしたというのか。
サキュバス「あはは、言ってることが理解出来ないって顔ね。簡単に言うと私達の体からでる汗等の体液は貴方たち人間には媚薬なの。」
サキュバス「それもとびっきり強力で中毒性のあるね。エロ本なんかに出てくる魅了の魔力の正体がこれよ。」
サキュバス「普段お客さんには中和剤を飲んでもらうから中毒性は抑えられてるけど」
サキュバス「そうじゃなかったらこの匂いだけでも発情してケダモノになってもおかしくないのよ?」
そんなことを言いながら俺の顔に跨る彼女。たしかに匂いがより強くなっている。
サキュバス「でも直接匂いの元をかいで口から飲んだらそうはいかないよね?」
プシュッと音をならすように溢れ出した彼女の愛液だか聖水だかがギャグボールの穴を通して口の中に注がれる。
男「ごぶぅ!」
さらに鼻を塞ぐように陰部を顔に押し付けられると、酸素を求めるべく口の中身を飲み込んでしまう。
男「ふぐぅ!?」
彼女の汁が喉を通り過ぎた瞬間、高いアルコールを飲まされたかのように熱を帯びた。
男「ふ・・・ふぐぅ!」
サキュバス「凄い即効性でしょ?」
彼女の声が自分の脈拍の音で遠く感じる。もっと香りたい。飲みたい。もっと、もっと・・・
???「何やってるのあなた!」
誰かが部屋に乱入して彼女を俺から引き剥がした。
サキュバス「げぇ!?リリス様!?」
リリス「人を天才軍師みたいに呼ばない。もう1度聞くわ。あなたは何をしてるのかしら?」
サキュバス「え・・・えーと、我慢出来なくなって拉致って縛って逆レ?」
リリス「さーきゅーばーすーぅ!」
なにやらお説教が始まっている。そんなことはどうでもいいからさっきの匂いをもっと、飲み物をもっとくれ。
???「大丈夫ですか?男さん。」
また違う誰かにギャグボールが外された。朦朧とした意識で見えたその顔は、俺の見知ったデュラハン娘さんだった。
男「・・・デュラハン娘・・・さん。これ、外して下さい。」
デュラハン娘「わかりましたわ。すぐにお外しますね。」
手首の枷を外しながら腕に触れる豊満な乳房。いや、まだ早い。
足首の枷を外しながら揺れる小ぶりだが形のいい尻。いや・・・まだ早い。
最後に俺を起き上がらせようと近づいた。今だ。
デュラハン娘「ふむ!?」
力強く抱きしめ、キスで口を塞いで体を捻りながら彼女をベッドに押し倒し馬乗りになる。
デュラハン娘「お、男さん?」
彼女の戸惑いは応えず、自己主張の激しい乳房を隠すニットを捲り上げた。
脱がし切る時間も煩わしい。顔が抜けた時点で脱がすのをやめ、首筋に舌を這わせながら
フロントホックの白いブラジャーのほっくを外す。
サキュバス「あ、いいなぁ。」
離れたところでサキュバスの声がする。
リリス「誰の責任でこうなったと思ってるのかしら?いいわ。今日は徹底的にあなたを再教育してあげる。ついてきなさい!」
出て行くサキュバスたちを尻目に俺は赤子のようにデュラハン娘さんの乳首に吸い付いた。
デュラハン娘「あ、ひゃん!」
舌で乳首を転がし、時々甘噛みをしつつ、手はフレアなロングスカートを捲り上げて尻を撫でる。
男「デュラハン娘さん、ごめんもう辛いんだ。」
デュラハン娘「構いませんわ。男さんの好きなようにしてください。」
微笑んでそう答える彼女に俺の中の何かが切れた。
男「デュラハン娘さん!!」
スカートとショーツを纏めて剥ぎ取り、彼女の中に根元まで一気に突き入れる。
デュラハン娘「んはぁぁぁ!」
媚薬でたかめられた感度にその刺激だけで精液を吐き出してしまう。
しかし俺の腰は止まらない。ただ自分の性欲を治めるためだけの激しい抽送を繰り返した。
デュラハン娘「ひゃん!あん!お・・・とこさん、お願い、ギュッとしてください。」
無言で彼女の望みを叶えながら唇を塞ぐ。
デュラハン娘「ん!ふむぅ!」
パンパン、ぐちゅぐちゅと音を立てて繰り返される営み。もう何度彼女の中に果てたかわからない。
デュラハン娘「しゅごいれすぅ!また中で・・・あぁん!子宮にあたりゅにょぉぉ!」
後背位で突き上げながら彼女の大きな乳房を揉みしだく。
デュラハン娘「どうれすか?男しゃん・・・ひもひ、いい!れしゅかぁぁ!?」
騎乗位で彼女の腰を掴みながら腰を振り、谷間に顔を埋める。
デュラハン娘「・・・」
彼女が気をやり、ぐったりしても俺の意識が飛ぶまでその行為は繰り返されるのだった。
ー朝。
サキュバス「本当に・・・申し訳ありませんでしたぁ!」
遊郭で最高級の朝食をいただいていると、サキュバスさんがゴンと頭を床にぶつけながら土下座していた。
男「あーもういいですよ。幸い大事には至りませんでしたし。」
リリス「いえ、そうはいきません。アラクノフォビア様には後日再度謝罪に伺わせていただきます。」
リリスさんも土下座では無いものの最敬礼で深々と頭を下げている。
しかし、昨日は余裕がなく気づかなかったが、確かに凄い美人だ。流石は夜の女王と言える。
デュラハン娘「お願いいたしますね。うちのデザイナーは気まぐれですので幻想魔殿のような大型契約先を失いたくありませんから。」
今気づいたのだがデュラハン娘さんはかなり立腹なようだ。笑顔なのが尚更怖い。
男「ところで、アラクネさんは大丈夫ですか?」
デュラハン娘「大丈夫と思います?ミイラ取りがミイラになって朝帰りですよ?」
デュラハン娘「ここで販売されている1番強い媚薬を買いましたから今日1日は覚悟してくださいね。」
男「」
長い1日はまだ続きそうである。
アラクノフォビアのデザイナーがかなりご立腹である。
男「あれからもう1週間近くですよ?そろそろ機嫌直して仕事してください。」
俺と遊郭『幻想魔殿』との件から以降、ずっとこんな調子で彼女は不貞腐れていた。
アラクネ「だって、未だに謝罪に来ないし。」
男「来てます。つか翌日早々に謝罪に伺うアポの電話があったのに、感情に任せて「忙しいから無理」とか言ったのは誰です。」
アラクネ「ぶー、男くんはあんな阿婆擦れどもの肩を持つの?エッチさせてくれるなら誰でもいいの?」
男「なんでそういう話になるんですか。とにかく、相手さんもうちのためにいつまでも」
男「稼ぎ頭をフリーにさせておくわけにもいきませんのですから。謝罪受けて、この件ははやく御破算にしてください。」
アラクネ「ぶーぶー」
男「い・い・で・す・ね!」
アラクネ「ぶぅ、はーい。」
男「謝罪が終わったら俺もいっぱいお仕事しますから。ね?」
アラクネ「・・・うん!わかった!じゃあ早速しよう。すぐ呼ぼう!」
男「んじゃ相手さんに連絡いれて来ます。」
ガチャンと戸を締めるとクスクスと微笑んだデュラハン娘さんがいた。
デュラハン娘「男さんもすっかりアラクネさんの扱いに慣れましたわね。」
男「はは、もうどっちが雇い主なんだか。」
デュラハン娘「体で女を手玉に取るなんて、男さんはジゴロみたいですわよ?」
男「あはは、やめてください。」
デュラハン娘「じゃあ先方には私が連絡しますから。男さんは来客準備をしてください。」
男「わかりました。」
ーー
ー
リリス「この度は当店従業員が御社従業員の男さんに対して多大なご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。」
見るのは2度目のリリスさんの最敬礼。しかし今回はリリスさんもサキュバスさんも店内の衣装ではなく、黒のタイトなスカートのビジネススーツ姿だ。
しかし後頭部に編み込んでまとめられた髪型が見せる黒髪のうなじや、
スカートから見える脚線美、そして、大きさはアラクネさんに劣るが全体のバランスから絶妙な大きさの胸の膨らみは絵に書いた美しさだ。
アラクネ「男は弊社とって重要な人材です。以後、このような事態を起こさぬよう入念な従業員の再教育をお願いいたいます。」
アラクネさんも経営者モードで答える。素を知っていると普段とのギャップが面白い。
リリス「サキュバス?あなたは先にお店に帰りなさい。私はアラクネさんとまだお話がありますから。」
サキュバス「はい。アラクノフォビアの皆様、このたびは申し訳ございませんでした。お先に失礼いたします。」
そう頭を下げて退室するサキュバスさん。緩やかに巻かれた金髪もアラクネさんより大きなその胸も、
デュラハン娘さんより大きな尻も色っぽいタイトスカートなスーツ姿だが、
リリスさんのような出来る女の雰囲気はなく、どちらかと言うと下品な色気に感じるのは恐らく経験の差だろう。
リリス「さ、て・・・。ホントごめんなさいね?うちの馬鹿がとんでもないことしてくれちゃって。」
サキュバスさんが出て行くのを確認してから、リリスさんは俺とアラクネさんに視線を送りながらそう切り出した。
アラクネ「ほんとよ。すっこいヒヤヒヤしたんだからね。」
はぁーと息をはきながらアラクネさんも答える。
男「向こうでも言いましたけど大事に至らなかったんですからいいですよ。」
リリス「ありがとー。男くんは優しいいい男ね。今度うちに来たら目一杯サービスしてあげる。」
アラクネ「こらこら、うちの従業員を誘惑しないの。」
リリス「あら、こんな逸材をあなたたちだけで独占するなんてズルいわぁ。ねえ?」
流し目でこちらを見つめられドキっとする。やはりその魅力はサキュバスさんのそれとは比にならない。
アラクネ「ぶー、男くんの浮気性。」
男「いや、これは」
アラクネ「いいもーんだ。で、後輩を先に帰らしてまでこんな世間話がしたかったのかしら?」
リリス「そんなわけないじゃない。交渉よ。」
アラクネ「交渉?」
リリス「そ。うちの取引先の1つに魔女の工房があってね、今回のお詫びも兼ねてある薬を発注したのよ。」
アラクネ「薬?どんな?」
リリス「ちょっとしたポリジュース(変身薬)よ。使えるのは特殊な条件が合う人だけだけど。」
アラクネ「で、こっちの条件は?」
リリス「男くんの1日独占所有権。」
アラクネ・男「はい!?」
アラクネ「あんたねえ・・・この間のこと懲りてないの?馬鹿なの?今日はその件で謝罪にきてるんでしょうが。」
リリス「だってあんたを受け入れてデュラハン娘ちゃんを失神しても自分の気が済むまで抱き続ける人よ?興味深いじゃない。」
アラクネ「だからってねえ・・・」
リリス「いいわよ?断っても。その代わりあんたが断り続けて私が仕事出来なかった分の損害賠償に男くんの1日所有権を要求するから。」
アラクネ「ぐ!卑怯な・・・」
リリス「ちゃんとした営業戦術よ。ほら、どっちにしても男くんの1日所有権は確定なんだからもらうもの貰っときなさいって。」
アラクネ「くっそ、くっそ!わかったわよ。で、どんなポリジュースなの?」
よく思う。いつも当事者の俺を蚊帳の外にして話は進んで行く。拒否権はないのか。
リリス「名付けて『人にもどレール」よ。あなたみたいに人から姿を変えられたのを一時的に人に戻す薬。」
アラクネ「・・・マジで?」
リリス「マジよ。ちゃんとうちのスキュラちゃんでも試してるし大丈夫。効果はきっかり24時間。信頼出来る工房で作られてるから副作用の心配もなし。」
アラクネ「人にに・・・戻れる・・・」
リリス「あなたのそれは服で隠すには難しいからね、もう随分と外を出歩いてないでしょ?」
確かに、アラクネさん下半身はどんなに大きなスカートでも隠すのは難しいし、コスプレとごまかすには無理がある。
リリス「したい事いっぱいあるんじゃないの?誰かと街を並んで歩いたり、映画見たりレストランで食事したり。」
アラクネ「あぁ・・・」
リリス「ホテルで人らしいセックスだって出来ちゃう。誰かが誰かは言わないけどね。」
アラクネ「ううぅ・・・」
唸りながらこちらをチラ見するアラクネさん。その視線の意味はなんですか?
アラクネ「ok。飲むわ。その条件。」
リリス「毎度~。じゃあ早速今週末男くんは借りるね?」
アラクネ「ちくしょーもってけ泥棒めい!」
いや、俺を叩き売りのバナナみたいに扱わないで欲しい。
リリス「ちなみに返すのは月曜ね。」
アラクネ「な!?」
リリス「交渉はしたけどこっちの損害分の謝罪はまだじゃない。だから賠償にもう1日ってことで。」
アラクネ「ななな!?」
リリス「これが営業戦術よ。あんたも経営者ならこれ位やれるようになりなさいな。じゃ、そういうことで~」
いう事を言って立ち上がるリリスさん。アラクネさんには悪いが非の打ち所はない。
俺の扱いを除いては。来客の礼儀として玄関まで送る。
リリス「じゃ、土曜朝9時に店の前に来てね。私があそこのno1たる所以を教えてあげるわ。」チュ
去り際のキス。もう十分わかった気がする。彼女は完璧超人なのだ。
アラクネ「ちくしょー・・・ちぃぃくしょおぉぉぅ!」
あんたはセミ型の人造人間か。
アラクノフォビアのデザイナーがかなりご立腹である。この怒り、もうしばらくは治まりそうにない。
その日、柄にもなく俺はかなり緊張していた。
どれ位かと言えば、9時の待ち合わせ場所に8時になる以前から立っている位だ。
そして今、時計は約束の9時を刺そうとしている。
ガラララ。
純和風の外観に相応しい引戸を開け、待ち人が現れた。
リリス「うふふ、おはよう男くん。ちょっと待たせちゃったかな?」
男「あの、えっと・・・」
まさか馬鹿正直に8時には待ってたなどと言えるわけがない。
リリス「あは。知ってるわよ。1時間以上も前から来てくれてたね。それって今日を楽しみにしていてくれたって考えていいのかな?」
男「えっと、その・・・」
うぶでもあるまいと自分でも思うがこういう時になんと言えばいいのか心得ているほど経験はない。
リリス「ふふ、そういう時は嘘でも頷くものよ。まあ、そういうところもかわいいけどね。」
男「あ・・・う・・・」カァ
リリス「大丈夫?さっきから全然話せてないけど・・・」
男「ひゃい?!」
照れて俯く俺の顔を覗き込む彼女に思わず驚きの声をあげてしまった。
リリス「くすくす、とりあえず朝食を食べに行きましょうか。その様子じゃ、ろくに食べていないでしょ?」
男「う・・・はい。」
リリス「じゃ、行きましょ。美味しいモーニングを出すカフェが近くにあるのよ。」
くいっと腕が組まれ、柔らかい感触が伝わってくる。
リリス「そんなに照れないで気を楽に、ね?」
とは言えこういう事の経験が少ない俺には厳しい話だ。
リリス「戸惑っちゃって、可愛い。ツバメくんを飼うってこんな感じなのかしら?」
実際に買ってそうですお姉さん。
ーー
連れて来られたカフェのモーニングは確かに美味しかった。自家製食パンに
恐らく有機栽培の野菜を挟んだホットサンドと珈琲というシンプルなものだがその分素材の質がよく出ている。
リリス「ね、美味しいでしょ?」
しかし対面にこんな美人が座ってこちらを微笑みながら見つめ続けられると緊張して味が半分にしか感じられない。
リリス「あ、ごめんなさいね。こんなにじっと見られたら食べ辛いわよね。」
俺の雰囲気を察したかペロッと舌を出して苦笑する彼女。先ほどのお姉さん的な雰囲気とのギャップにどきりとさせられる。
リリス「普段は朝食に英字新聞やら10冊位読んでるからこういう時どうしたらいいか困っちゃって。」
朝から英字新聞等を10冊。夜の世界のトップを生きるには才能や外見だけでは無理ということか。
男「美味しかったです。すいません、気をつかわせちゃったみたいで。」
リリス「あはは、気にしないで私が余計な気をきかせただけだから。」ヒラヒラ
男「あ、悪いです!俺が払います!」
リリス「いいから奢られてなさい。こういうのは年上や収入が多い方が払うもんよ。」
男「ならせめて割り・・・」
リリス「デートで割り勘なんて以ての外。背伸びしないで大人しく奢られなさい。」
リリス「その分今日は1日たっぷり私に付き合ってもらうから。」
そこまで言われてまだ財布を出せば彼女に恥をかかせることになる。大人しく奢られることにした。
リリス「さって、どこいこっか。映画館であっまーいラブストーリーを見る?」
リリス「遊園地に行って騒ぐのもいいかな?あ、カラオケなんかもいいわね。」
リリス「それとも今からホテルでじーっくり楽しんじゃう?」
ころころ変わる彼女の表情をみると、先程までのお姉さんな雰囲気がまるで嘘のようだ。
今日は髪を纏めずブローしただけであろうサラサラのストレートロングを風になびかせ、
白いワンピースに淡いパステルピンクのカーディガンは彼女の行動により彼女を色々な雰囲気に変身させていた。
リリス「男くん?どうしたの?またぼーっとして。」
男「わっ・・・その・・・綺麗だなって思ったり・・・しまして」ごにょごにょ
言ってて恥ずかしくなる。
リリス「・・・もう!可愛い!ホント飼いたくなるわぁ!ねね、アラクノ辞めて私と暮らさない?割りとマジで。」
男「あ、あはは。考えときます。」
勢いに押されてつい曖昧な返事を返す。
リリス「おっしゃー!ノーではないのね、脈は0じゃない訳ね。燃えてきたー!」
なんとなく、とんでもないものに火をつけてしまった気がする。
リリス「そーとわかったら本気でいくわよぉ?」
ギュッと腕が組まれて彼女は歩き出す。
男「えっと、どこへ?」
リリス「とりあえず、ウィンドショッピングね。」ふん、ふーん
鼻唄までこぼれてる。まぁ、楽しそうだからいいか。
ーー等と考えていた俺が甘かったらしい。
リリス「ね、男くん?こんなのはどうかな?」
カップルでの利用が可能な少し広めの更衣室の中でリリスさんのプライベート生着替えファッションショーが繰り広げられていた。
リリス「ほら、これ見て?こんなところに穴が空いてるから脱がなくても入れれちゃうよ?」
くぱぁと秘部を開きながら見せつけるリリスさん。いや、大事なところを隠せてない時点で下着の意味がないのでは?
男「いいいいいんじゃないですか?」
普段アラクネさんやデュラハン娘さんで下着姿も裸も見慣れているはずなのに、
間近で見せつけられるとなぜこうも気恥ずかしいのだろうか。
リリス「男くんは、好き?・・・こういうの。」
立ったまま座っている俺の首に腕を回して覗き込まれる。
甘い匂いがする、顔が近い、てゆーかそのブラ下支えてるだけで丸出しやないですか!?
男「ききき、嫌いじゃない?かな?」
思わず目を反らせて答える。
リリス「男くん、おっきくなってるよ?あ・そ・こ」
男「」
耳元で囁かれ、慌てて下半身を押さえようとした瞬間、ギュッと抱きしめられた。
男「ふぐ?!」
柔らかい谷間の感触と、彼女の甘い体臭にクラクラする。
リリス「さて、じゃあこれ、買っちゃおうかな。着替えて会計済ませるから男くんは表で待ってて。」
男「・・・ふぅ。」
外の空気を吸ってようやく股間も収まった。しかし時間はまだ昼前。まだ1/4も済んでいない。
リリス「おーとーこーくん!お待たせ。」
もの思いに更けている内にリリスさんが帰ってきた。
リリス「はい。」
店のロゴが入った紙袋が手渡される。
男「???」
渡され戸惑う俺にまた腕を絡めて、
リリス「さっきまで着てた下着だよ?今着てるのはさっき買ったの。汗かいたり強い風が吹いたら全部見えちゃうよ。」
男「ぶ!?」
リリス「その下着もね、さっき着替えてる時に興奮しちゃってちょっと濡れちゃったかも」
男「」ぱくぱく
リリス「ね、どうしよっか。」
男「どどど、何処かに入りましょう!すぐに!」
ーー
ー
入ったのはカラオケチェーン店だった。なぜここに?わからない。とりあえず人目がつかないところに来たかったのだ。
リリス「ふふ、カラオケでするの?男くんも好きだね。知ってるこういうところって防犯目的の隠しカメラがあるんだよ?」
ストンと俺の横に密着して座るリリスさん。
リリス「男くんは見られながらするのが好きなの?あの時も私たちがいるのに関係なく始めちゃったもんね。」
男「ううう歌いましょ!せっかくなんですから。うん。」
リリス「歌うより、男くんに啼かせて欲しいなぁ」
男「時間はたっぷりあるんです!そそそんなに焦らないで・・・」
リリス「時間なんてあまり無いよ。だってたった2日で男くんに好きになって貰わないといけないんだもん。」
彼女の目は真剣だった。
男「あの・・・俺・・・」
リリス「歌いましょ!」
マイクをもって曲を探し始める彼女。
男「あの・・・俺・・・」
リリス「まだ返事は聞きたくない。ね、もう決めてるんだとしても明後日の朝からまで待って。」
真剣な声色に俺は頷くしかなかった。
ーー
ー
リリス「はー歌った。男くん歌上手だねー。」
男「いや、リリスさんには負けます。俺採点で100出たの始めて見ましたよ。」
リリス「ふふふ、毎晩腹式呼吸で声を出してるからね。さて、次どうしようか。」
男「うーん、リリスさん、お腹空いてません?」
リリス「そうだねー中途半端な時間にカラオケボックス来ちゃったし。」
リリス「んー、じゃ予約してるホテルいこっか。」
男「は・・・はい。」
リリス「心配しなくてもお楽しみは最後にとっとくよ。カフェでお茶しよ。」
男「そうですね。なら、行きましょうか。」
長くなったので一旦区切りました。
後半のホテル編は次回で。
リリス「へぇ、それが男くんとアラクネさんの出会いだったんだ。なんてゆーか、強引だね。」
カフェでパスタをつまみながらアラクノフォビアに勤めるきっかけ等を何気なしに話していた。
男「でしょ?まぁ確かにアラクネさんの見た目は特殊ですしわからないことはないですけど。」
リリス「けどそこまでされたのによく勤める気になったね。」
男「まぁ、そこは俺も男だし・・・というか。」
リリス「エッチなこと出来る上にお金も貰えるからって?男くんはやっぱりスケベたね。」
男「ももちろんそれだけじゃないですよ?服飾の業界に興味もあったし。」
リリス「なーんか後付けっぽい。ま、私個人はエッチなの大歓迎だし、こうして男くんと出会えたからアラクネさんには感謝してるけどね。」
男「あははは・・・」
こうもストレートに受ける好意というのは気恥ずかしいものなのか。
ウェイター「本日のデザートでございます。季節の果物のシャーベットとフォンダンショコラです。」
男「お、美味しそう。」
リリス「ふふ、1口食べますか?」
男「え?いいんですか?」
リリス「ええ。どうぞ。あーん。」
男「え?えぇ!?」
リリス「早く、溶けてこぼれちゃう。あーん。」
男「あ、あーん。ん、フォンダンショコラの苦味とシャーベットのさっぱりとした甘みが絶妙だね。」
リリス「満足してくれたのなら良かった。あら?」
男「あ、リリスさんの胸元にチョコレートが・・・」
リリス「ん、ペロッ確かにビターで美味しいわね。」
胸元のチョコレートを指ですくってそのまま口に・・・なんつーか色っぽい。
リリス「ふぅ、ごちそうさま。男くんは美味しかったかしら?」
男「とても。いつも食べてるパスタが偽物と思える位ですよ。」
リリス「ふふ、大げさね。でもこれで満足したらディナーには耐えられないわよ?」
男「うわぁ、今から楽しみです。」
リリス「ふふ、じゃ、準備に行きましょうか。」
男「じゅ、準備?」
リリス「そ、男くんには立派なジェントルマンに変身してもらいます。」
男「ええ!?」
ーー
ー
エステやら爪磨きやら、始めて受けた。これ女性がはまるのわかる。
リリス「ふふ、似合ってるよ。すっごくかっこいい。」
男「いやいや、リリスさんの美しさには負けます。」
赤い胸元の大きく開いたスパンコールのイブニングドレスが彼女の白い肌が際立たせ、
開いた胸元にはダイヤのネックレスが輝いている。髪にもラメストーンが所々に散りばめられ、
光でキラキラと輝いている。性別の垣根なく誰もが振り返り、羨望の視線を送る美しさだ。
リリス「手を出して?」
男「はい?」
リリス「こういう服装を着る時は男性がエスコートするものよ。」
男「あぁ、そうですね。では、」
膝を付いて手を差し出す。
男「姫、参りましょう。」
リリス「ふふ、キザっぽいわ。参りましょう。」
置かれた手の甲に口づけをし、腕を差し出す。こういった歩く時のマナーも準備している間に教わったことだ。
ー
ディナーホテルの最上階にあるレストランで振舞われていた。
リリスさんが、受付のギャルソンに招待状を見せると、内容の確認と2人の服装がチェックされる。
ギャルソン「お待ちしておりました。リリス様。お席にご案内いたします。」
キビキビとした動きで案内するギャルソンは素人目に見ても一流とわかるものだ。
席につき、しばらくすると今度は白いエプロンをしたウェイターが現れる。ソムリエだ。
ソムリエ「ワインはどのように致しましょう。」
リリス「男くんはワイン大丈夫?」
男「えぇ。」
リリス「じゃあ貴方に任せるわ。貴方が今日の料理に最も合うと思うワインを持ってきて頂戴。」
ソムリエ「かしこまりました。少々お待ちください。」
程なくしてソムリエがワインをワゴンに乗せて戻ってきた。
ソムリエ「本日のお料理は魚が主体でしたのでシャンパーニュ産の白を用意させていただきました。どうぞ。」
グラスに少量、試飲のために入れる。炭酸による泡が収まるのを待ってまず鼻を近付けるリリスさん。
リリス「うん。いい香りね。」
ソムリエ「お連れ様もどうぞ。」
言われるままにグラスを受け取り、見よう見まねで香りを楽しむ。
芳醇な濃いブドウジュースの香り・・・なんて言ったら怒られるだろうな。
その間にリリスさんはワインを口に含み、飲み込んだ。
リリス「味も文句なしね。いただくわ。男くんもいいかしら?」
男「えぇ。」
美味しいと思えるワインだが、正直に言えばそこまで味の違いはわからない。
ソムリエがお互いのワインを注ぎ、ボトルをテーブルの中央に置いて去るまで、お互いは無言だった。
リリス「ぷっ、ふふふ。男くん、今すっごく緊張してるでしょ」
男「当たり前じゃないですか。こんなところでディナーなんて始めてですよ。」
リリス「ふふ、あんまり緊張すると料理が美味しくないわよ。マナーなんて気にしないでいいから食事を楽しみましょ。」
男「はは、善処します。」
リリス「ふふ、じゃあ乾杯しましょうか。男くん、気の利いた一言を頂戴。」
男「え?そうですね。・・・じゃあ、今というリリスさんと過ごす素敵な時間に。なんてどうです?」
リリス「やっぱりキザっぽいわ。じゃあ、今という2人で過ごす素敵な時間に、乾杯。」
男「乾杯」
軽くグラスを挙げての乾杯。程なく前菜が運ばれて来た。
ーー
ー
ディナーは絶品だった。シンプルながらも素材の味が最大限に引き出された料理の数々に大満足させられる。
リリス「どう?満足した?」
男「大満足ですよ。こんな体験、もう2度と出来ないです。」
リリス「ふふ、私ならいつでも連れてきてあげられるわよ。」
男「それは魅力的ですね。ちょっと迷っちゃいます。」
冗談とわかる返事に冗談で答える。今はまだ、冗談で答える。
リリス「これからラウンジでってのもいいけど、どうせなら部屋で2人で飲まない?」
男「そうですね。」
時間は既に21時。今からの時間は部屋で2人で過ごすのも悪くない。
リリス「じゃ、行きましょ。」
腕を組み、エレベーターに向かう。半日行動することで腕を組むことにもずいぶん慣れたものだ。
ーー
ー
リリス「んーー!なんか疲れたね。」
部屋に入り、ヒールを脱ぎ捨てると、リリスさんは大きく伸びをしてベッドに倒れこんだ。
コンコン
程なく部屋の扉がノックされる。
リリス「あ、ルームサービスが来たみたい。男くん受け取りに行って。チップはこれね。」
何気なしに渡される紙幣が万札なところがすごい。
窓際のテーブルにワインとグラスをセットする。
夜景はレストランほどではないが十分美しいものだった。
『乾杯』
用意されたワインは今度は赤だ。しかし独特の酸味は少なく非常に飲みやすい。
リリス「ふふ、どうだった?今日は。」
男「なんか色々驚きの連続でした。」
リリス「楽しめ・・・なかった?」
男「まさか。凄く楽しいですよ。さっきまでも、今も。」
リリス「良かった。」
心底安心したような彼女の顔。本当は不安だったのだろう。
男「・・・」
リリス「・・・」
2人はしばらく無言でグラスを傾けた。お互いのグラスが空になったところで、
リリス「シャワー、浴びてくるね。」
そう彼女が切り出した。
男「うん。」
頷いた後、思わず生唾を飲み込んでしまった。
遠くでシャワーの音が聞こえる中、緊張を誤魔化すように俺はワインをグラスに注いで一気に飲み干した。
程なくしてメイクもすべて落としたバスローブ姿のリリスさんが出てきた。
男「じゃ、じゃあ次は俺が。」
スーツを脱ぎ捨て、頭からまず冷たいシャワーを浴びる。らしくない。何を今更緊張しているんだ?
いや、理由はわかってる。リリスさんの本気の気持ちが痛いほど伝わってくるからだ。
・・・今は深く考えないでおこう。俺はシャワーをお湯に変えて冷えた体を暖めた。
彼女と揃いのホテル備え付けのバスローブとパンツだけを履いてベッドルームに戻ってきた。
部屋は既にかなり暗めに設定されている。
先程までワインを飲んでいたテーブルの椅子の1つがこちらが正面になるように向きを変えられ、
そこに彼女が足を組んで座っていた。
リリス「そんなところに立ってないで、こちらにいらっしゃい。」
彼女の紅い瞳が妖しく光った気がした。俺はその瞳に吸い込まれるようにゆっくりと近付き、彼女の前で跪いた。
リリス「見て・・・」
そんな俺の目の前で彼女はゆっくりとバスローブをはだけさせる。
中はあの時買ったセクシー下着のみだ。薄暗い明かりと街明かりの光が彼女を妖しく彩っている。
リリス「来て・・・」
再び彼女が誘いの言葉を発する。俺はフラフラと導かれるままに立ち上がった。
リリス「キス・・・しよ?」
ヒールを履いていたため気づかなかったが彼女の身長は俺より目線1つ分ほど低い。
それはキスするのに丁度いい身長。少し背伸びして彼女は俺の唇を塞ぐと、そのまま腕に手を回して寄りかかり、舌を侵入させ始めた。
リリス「ん、んちゅ。はむ・・・」
寄りかかる彼女を抱きしめ支えながらも、ゆっくり後ろへ、ベッドの方へと後ずさる。
カツンと踵がベッドにぶつかったところで、彼女は俺をベッドに突き飛ばした。
リリス「いっぱい気持ちよくしてあげる。」
ぐいっとバスローブが脱がされる。股間は既に臨戦体制となっていた。
リリス「すっごいね。苦しそう・・・」
パンツの上から尿道の先をクリクリとつつかれ、思わず声を漏らす。
リリス「このホテルの防音設備は優秀よ。だから遠慮しないで声をだしていいのよ?」
パンツ越しに竿を掴まれ、上下に擦られる。もどかしいような気持ちいいような絶妙の力具合だ。
リリス「ふふ、じゃ男くんの本気、見せてもらおうかな?」
彼女の手がパンツにかかり、ゆっくりとズリ下げられる。途中下着から解放されたモノがピンとはね、自己主張した。
リリス「ふふ、なかなか大きいわよ?丁度私が好きなサイズかな。」
直接手で擦りながら、間近でじっくりとモノが観察される。
リリス「カウパー出てきたね。気持ちいい?」
男「き・・・もちい・・・です」
リリス「じゃ、こうしたら?」
彼女の舌が竿ではなく睾丸にのびる。
リリス「ん、ジュルル」
少し口を開いて袋に吸い付き、手で上下に擦りながら愛撫される。
男「ん!く・・・」
リリス「こっちもして欲しいかな?」
リリス「んむ、ジュルル!ジュボ」
激しい吸い付きに思わず腰が浮き上がる。が、それに合わせて彼女の口も上がりかわされる。
いっそ顔を抑えようかとも思うが、それも見抜かれているのか動きを見せた途端また激しくなり、身悶えるだけで終わってしまう。
リリス「もうカウパーてぐちょぐちょだね。今度は胸でしてあげるわ。」
ハーフカップで乳房が丸出しのブラジャーだが、挟むにはやはりワイヤーが邪魔になるのだろう。
プチっとおとを鳴らして外すとわざと俺の顔に被せた。
ニュチュ、ジュチュ・・・
ゆったりとしたリズムでされるパイズリは少し物足りない。しかし彼女は下手なわけではない。
試しているのだ。俺の反応を。
男「もっと・・・激しくしてください・・・」
リリス「おねだりしちゃうなんていけない子ね。でもいいわ。特別許してあげる。」
ニヤリと笑う彼女。狙い通りの言葉にご満悦のようだ。
ズチュジュチュニュチュ・・・
さっきとは逆に激しい上下運動。
ときおり彼女の唾液がモノの先に垂らされて滑りをよくさせている。
男「ん!はぁ!!リリスさん・・・激しすぎ・・・」
リリス「わがまま言わないの。激しくして欲しかったんでしょ?」
今度の願いは聞いてくれないらしい。しかしこのままだと・・・
男「だめだ!そんなにされたら・・・出る!」
リリス「だーめ。」
寸前で根元をぎゅっと強く握られる。
男「んあぁ!!」
ビクビクと体が跳ねるが、根元を抑えられてせき止められる。
男「はぁ、はぁ」
射精感が治まりだすと、
リリス「ベッドで仰向けになりなさい」
そう命令される。反発する意思は起きない。
リリス「うふふ、いい子ね。いっぱいご褒美をあげるわ。でもいっちゃだめよ?いったらお仕置きだからね?」
そう宣告すると、股でモノを擦りはじめた。いわゆる素股というものだ。
男「ん!くぁぁ!」
再び湧き上がる射精感を必死に抑え込む。しかし1度不発にさせられた射精感はいっきに駆け上がる男「んぐぅぁ!!だめ・・・出る!!」
ビュ、ビュと吐き出される精液に彼女は大きくため息をついた。
リリス「ダメっていったのにいけない子ね。約束通りお仕置きよ。」
パチン!
音を立てて少し萎えかけのモノに何かがつけられた。
リリス「いう事が聞けないおちんちんは私がいいって言うまで射精させてあげないわ。これでね。」
根元につけられた輪っかはペニスリングだろう。勃起すればくいこみ、精管を塞ぐものだ。
リリス「じゃ、お仕置き開始だよ?」
手コキでそれなりの固さまで勃起させられてから一気に彼女の中にモノが飲み込まれた。
ーそれは地獄で天国だった。流石といえる彼女の膣内はまさに名器だ。
リリス「ん!ふぅ!どう?気持ちいい?」
騎乗位で激しく腰を振る彼女にしかし、俺は応える余裕がなかった。
リリス「私は気持ちいいよ?すっごい幸せも感じちゃう・・・ねぇ、男くんは?」
男「気持ちいい・・・リリスさんの中すごくいいよ!」
リリス「嬉しい・・・じゃ、もっとしてあげる。」
男「んぎぃ!お願いだリリスさん・・・取ってくれもう、出させて!」
リリス「取るって事は私の中で出ちゃうってことだよ?」
男「うん、出したい、リリスさんの中に出したい!」
リリス「いっとくけと今日はかなり危険な日だよ?それでもいいの?」
男「いい!いいからお願いだ!」
リリス「赤ちゃん、出来たら責任取ってくれるんだね?」
男「取る!取るから出させてくれ!リリスさんの危険日マンコに種付けさせてくれぇ!」
リリス「ふふ、どうなっても知らないんだから。」プチ
その瞬間、激しい勢いで彼女のなかに俺の精液が吐き出された。
出しながら徐々に冷めていく頭はことの重大さに冷えていくばかりだった。
リリス「なんてね、嘘だよ。ビックリしたかしら?」
それが真実かどうか、俺には判断がつかなかった。
ーー
ー
それからも中に出すことはなくなったが営みは繰り返された。
2日目は部屋から出ることもなくお腹が空けばルームサービスを頼み、
彼女が求めるままに体を合わせ続けた。
そして、3日目。
リリス「長いようで短かったね。。」
男「はい。でも楽しかったです。」
リリス「そう言ってもらえると嬉しいかな。じゃ、初日にした質問の答え、聞かせて貰えるかな」
男「わかりました。」
答えはもう決まっている。
男「>>140」
ここで安価とさせていただきます。
理由は、私>>1の中で書いてるうちにリリスの内容をもっと書きたくなったからです。
ただ、このままではアラクノフォビア側がないがしろになるので。ここは安価で決めたいと。
アラクネさんたちを選べばこのまま色んモン娘たちが登場するスタイルでいきます。
リリスさんが選ばれればリリスさんと男の話となります。
両方は選べません。上記以外はアラクネさんを選ぶルートにします。
色々なモンムスの中にリリスは入るの?
安価下
アラクネさんたちとの日常を希望
みんな出せばいいんじゃないかな?
男「ごめんなさい!やっぱり俺・・・リリスさんの気持ちには答えられません。」
リリス「・・・ま、そうでしょうね。夜の女王と呼ばれた私でもフラグ0の男くんをたった2日で落とすなんて無茶だわ。」
ふぅとため息を彼女はついた。
リリス「てゆーか落ちるような人を好きになんかならない。だから今回は諦めるわ。」
男「すいません。」
リリス「謝らないで惨めになるから。それに、諦めたとは言ってないわよ?」
男「え?」
リリス「これなーんだ。」カチ
『リリスさんの危険日マンコに種付けさせてくれぇ!』
男「」
リリス「ふふ、切札は最後まで取っておくものよ。」
男「何時の間に・・・」
リリス「さーて、私の言いたいこと、わかるわよね?」
男「うぅ、アラクノを辞めろですか?」
リリス「力で実らせた恋に価値なんてないわ。だから、お店が休みの日はうちに遊びにきてチャンスを頂戴。」
男「リリスさん・・・」
リリス「言っとくけど私の本気はこんなもんじゃないわよ?じっくり時間をかけてじわじわ落として見せるんだから」
男「あはは、覚悟しときます。」
リリス「じゃ、次の休みにね。約束破ったらお店のみんなとアラクネさんにさっきの送っちゃうんだから」
男「ひぃ、それは困りますね。」
リリス「こんないい女をフった罰よ。ふふーんだ。」
男「じゃ、そろそろいきます。」
リリス「うん。また今度ね。」
男「はい。次のお休みに。」
リリス「男くん!」
男「はい?ん!」
リリス「別れのキス。じゃあね。」
呆然とする俺を尻目にひらひらと手を振りながら去って行った。
ー
『ピ、消去しました』
リリス「はーあ、やっぱりふられちゃったか。」
彼が見えなくなってからボイスレコーダーの録音を消去した。答えは聞かなくてもわかっていたから。
少しでもたったフラグがあるならそれを叩き折るために。
リリス「あれ?なんで私、泣いてるのかな・・・」
たかが男1人にふられただけ。今まで自分はこうやって言い寄ってきた男性をどれどけふったと思う。
リリス「仕方ないじゃない。悲しいものは悲しいんだから。」
ちょっと泣いて、また仕事を頑張ろう。
ー
男「ただいま戻りました。」
デュラハン娘「あら男さん、おかえりなさい。」
男「ただいま。先生は?」
デュラハン娘「仕事部屋だと思いますわ。今日は珍しく1人で起きられてましたし。」
男「そうですか。」
ガチャ
男「おはようございまーす」
アラクネ「あーい。どうだった?昨晩はお楽しみでしたね。なんて。」
男「まぁ、確かに楽しかったですよ?庶民には出来ない体験ばかりでした。」
アラクネ「む、そりゃ良かったわね。」
男「はい。人生経験的には良かったんじゃないですか?」
アラクネ「何よ、えらく他人事じゃない。てっきり本気で落としにかかられたと思ったのに。」
男「かかられましたよ。本気で揺れましたし。」
アラクネ「じゃ、じゃあ!」
男「断りました。」
アラクネ「はい!?なんでよ!」
男「なんでって・・・聞きますか?」
アラクネ「そりゃ聞きたくもあるわよ。だってあのリリスさんよ?彼女には一国の王まで本気に求婚してるんだから。」
男「ひぇー、凄い人とは思いましたがそこまででしたか。」
アラクネ「で、そんなリリスさんを恐れ多くもふった理由はなにかしら?」
男「うーん、簡単にいうと、そんなリリスさんだから、ですね。」
アラクネ「どういうこと?」
男「この2日は確かに楽しかったんですよ。けどなんつーか、現実味がなかったんですよね。」
アラクネ「・・・」
男「豪華なディナーや高級なホテルは素敵ですけど、俺には場違いな気がして。」
アラクネ「うーん、一応言っとくけどリリスさんだって毎日あんな生活してるわけじゃないよ?」
男「それはまあ、わかりますけど・・・俺よりも身近なことは変わりないじゃないですか。」
アラクネ「だからふったと。」
男「リリスさんには俺なんかよりももっと素晴らしい人が現れますよ。」
アラクネ「・・・恋に甲乙の差はないと思うけどな」ぼそ
男「ん?何か言いました?」
アラクネ「なーんにも。けど、逃がした魚は大きいわよ?一生に一度あるかの逆玉チャンスだったのに。」
男「むむ、確かに、惜しいことしたかもしれません。」
アラクネ「後悔してももう遅いー。諦めなさい。」
アラクネ「さーて仕事開始よ。結構溜まってきちゃってるから糸足りなくなるかも。念入りな原材料補充、覚悟してね。」
男「それは先生の怠慢が・・・」
アラクネ「聞こえなーい」
あの日、俺は柄にもなく緊張していた。けど選んだこの選択に、後悔はない。
今日のアラクネさんは、えらくご機嫌だった。
と言うのもその理由は少し前に遡る。
ーー
ー
「あじゃじゃしたー!」
とある日の午前、アラクネさん宛に小包が届いた。
男「送り主は・・・maho堂?なんだこれ、イタズラか?先せーい、先生宛に小包が届いてますよー」
玄関からとりあえず呼びかけて見る。
アラクネ「何処からー?」
男「maho堂とか書いてますー」
アラクネ「あー多分あれだわー持ってきてー」
アラクネさんにはどうやら心当たりがあるようだ。
男「これっす。」
小包はそれ程大きくなく、重さも軽い。割れ物注意と書いてあるから瓶系の何かでも入っていると言うことだろうか。
アラクネ「サンキューサンキュー。待ってたのよねーこれ。」
男「あの、なんなんすか?それ。」
アラクネ「うーん、後で教えてあげるわ。とりあえずデュラハン娘ちゃん呼んで来てー。」
男「うー気になるなぁ。ちょっと待っててください?」
デュラハン娘さんを呼んで戻ると、笑顔で作業部屋から追い出されてしまった。
男「一体なんなんだ?だいたい送り主の名前から怪しいんだよなー。maho堂とかどこのアニメだっての。」
アラクネ「男くーんきてー」
悪態をついているうちにお呼びがかかった。
男「はいはーい。」
アラクネ「突然ですが男くん。明日は臨時休業とします。ついでに今日も残業無しの定時退社をお願いします。」
男「なんですか急に。」
アラクネ「ちょっちね。で、その明日なんだけど買い出しに付き合って欲しいのよ。10時にスタジオに来てくれる?」
男「まぁ、今聞いた休みなんで予定はありませんから構いませんけど。」
アラクネ「んじゃ明日はよろしくー」
男「へいへーい。」
アラクネ「・・・」カリカリカリ
男「・・・それだけ?」
アラクネ「?他になんか会ったっけ?」
男「えーっと、さっきの小包の事とか。」
アラクネ「あーあれはプライベートな物だよ。気にしないでー」
男えー・・・」
結局中身は教えてもらえなかった。
ー翌日。
男「ちーっす。来ましたよー。」
アラクネ「え?もうそんな時間!?ごめん、応接室で待っててー」
何やら慌ただしい。
デュラハン娘「おはようございます、男さん。すぐに準備出来ますから珈琲でも飲んで待ってて下さいね。」
ほどなくデュラハン娘さんが、珈琲をお盆に乗せて現れた。
アラクネ「わ!わわわ!」
ドシーン
男「・・・大丈夫なんですか?」
デュラハン娘「大丈夫、大丈夫。久々過ぎて体が混乱しているだけですわ。」
アラクネ「おおおおまたせぇい!」ぜーはー
なぜかかなり息切れしてる。
デュラハン娘「アラクネさん、ちょっとそこでストップしてくださいませ。」どどどど
アラクネ「は、はひ!?」
デュラハン娘さんの有無を言わさぬ雰囲気に思わず後ずさるアラクネさん。
デュラハン娘「はい、いつまでプルプルしてらっしゃいますか!あーあー髪の毛もこんなに乱れて・・・スカートも裏返ってますよ!」
アラクネ「しょーがないじゃん!スカートなんてどれくらいぶりかもうわかんないくらいなんだから!」
デュラハン娘「気合でなんとかしてくださいませ!はい!これでまあ、okです!ほら、あまり殿方をお待たせしませんの!」
アラクネ「ちょちょちょまだ心の準備がぁ!」
抗議しながらも押し出され現れたアラクネさんは、黒のチュニックにレギンスという可愛らしい姿だった。
・・・ん?レギンス?
男「ううううえぇ!?なんでアラクネさん!?足!?うえぇ!?」
思わず声を上げながら、リリスさんの出していた商談を思い出した。
男「あぁ!maho堂!」
アラクネ「ぴんぽーん。ついに届いたからちょっと試しにね。」
男「てことは昨日からひた隠しにしてたのもこれだったわけですか。」
アラクネ「ふっふっふ、驚いたか明智くん!」
男「少年時代はもう終わりました。まあ驚きましたよ。それ以上に呆れてますけど。」
アラクネ「ぶー、反応がイマイチだなぁ。つまんなーい。」
男「まあ交渉の場に俺もいましたからね。知らなかったらもっと驚いてますよ。」
デュラハン娘「それよりも男さん、アラクネさんを見て何か言うことありませんか?」
男「う、まぁ・・・にあって・・・るんじゃないすか?」
アラクネ「おお、焦らしプレイ無しでの男くんの照れ顔!レアだわ。」
男「ううううるさいです。」
デュラハン娘「ふふ、ではそう言うわけで2人で買い出しお願いしますね」
男「えええ!?皆でじゃないんですか?」
デュラハン娘「一時的にとはいえせっかく足が元に戻ってるんですからアラクネさんに野外デートを楽しませてあげて下さいね。」
男「デートっすか。」
アラクネ「ちちち違うんだからね、これはただの実験なんだからね!」
男「いや、ツンデレられても。まぁわかりました。んじゃいってきます。」
アラクネ「いってき・・・うわっとと、」
男「はぁ、アラクネさん。どうぞ。」
慣れない二足歩行にふらつくアラクネさんに手を差し出す。
アラクネ「あ、ありがと・・・」
いや、赤くならんでください。こっちが恥ずかしいです。
男「んで、何処にいくんです?」
アラクネ「ん?何処って何が?」
男「いやいや、買い出しが目的でしょ?」
アラクネ「あぁ、そうだったっけ。」
男「出鼻から忘れんでくださいよ。」
アラクネ「うーん、でもねぇ。正直私は買い出しはもういいかと思うのです。」
男「・・・どういうことっすかそれ。」
アラクネ「今日の買い出しね、実は全部私の私物関係なんだよ。主に下半身の。」
男「へぇ。」
アラクネ「でもね、今の私は確かに元の人間の足に戻ってるけど本当はあんなのじゃない。正直必要ないかなって。」
男「でもまた頼めば・・・」
アラクネ「男くんは、私がこの姿になった理由知ってる?」
男「まぁ、事実かどうかは別としてネットで調べられる程度は。」
アラクネ「神様に刃向かって、自分が恥ずかしくなって死んで、完全に昇天する寸前に刃向かった神様に転生させられたの。」
男「・・・」
アラクネ「これは罰なのかな?それとも哀れんでのことかな?未だに私にもわからない。」
男「きっと・・・」
アラクネ「罰でも哀れみでもいいの。どちらにしても神様は私にあの姿で生きろって言ってることには違いがないわ。」
男「そんなの・・・」
アラクネ「今回のはね、せっかくリリスさんが作ってくれた機会を無駄にしたくなかったから。」
アラクネ「あとは・・・男くんに私が人間だった時の姿を知ってもらいたかったから、かな。」
男「アラクネさん・・・」
アラクネ「ごめんね、いきなりこんな重い話なんかして。」
男「俺は・・・アラクネさんが今のアラクネさんで良かったと思いますよ。」
アラクネ「男くん・・・」
男「おかげで俺はアラクネさんやデュラハン娘さん、猫娘にサキュバスさんにリリスさんとも知り合えましたし。」
アラクネ「うん。そうだね。そう考えると今も悪くないかな。」
男「わかりました!なら今日は1日思いっきり遊びましょう!」
アラクネ「男くん。」
男「過ぎた過去は振り返っても過去です。未来は見えないから面白いです。なら今を思いっきり楽しみましょうよ。」
アラクネ「・・・うん!そうだね!それがいいね!」
ようやく見れたアラクネさんの笑顔に一息つく。
男「じゃ、行きましょう。早くしないと過去に追いつかれます。」
手を差し出すんじゃなくアラクネさんの手を掴む。時の流れに取り残されたアラクネさんを引き寄せるように。
今日のアラクネさんはえらくご機嫌だった。その機嫌が俺のおかげなら嬉しく感じる。
男「ということでやって来ました繁華街。」
アラクネ「おぉー、お店がいっぱい、人がいっぱい。」
男「キョロキョロしないでくださいねー、お上りさんバレバレですから。」
アラクネ「事実なんだからいいじゃない。」
男「いや、こういうところには悪質なキャッチやdqnも・・・」
dqn1「お姉さん可愛いねwwそんな冴えねえ野郎と別れて俺たちと遊ぼうぜwww」
男「遅かったか。」
アラクネ「え?ふぇ!?」
dqn2「ふぇだってさ可愛いwwwうは、みなぎるwwww」
男「はぁ、めんどくせえ・・・アラクネさん!こっち!」ぐい!
アラクネさんの手を引き、あえて人ごみの多い通りに突っ込む。
dqn1「ちょ、てめぇなに逃げてやがる」
dqn2「うはw相変わらず人大杉ワロタwww」
ー
男「ふぅ、だから言ったでしょキョロキョロしないでって。」
アラクネ「うぅ、ごめんなさい。」
程なく人ごみから逸れ、追って来てない事を確認してから一息をつく。
男「んじゃどうしましょうか。そろそろ小腹も減って来ましたし。」
アラクネ「男くん、」
男「はいはい?どっか行きたいところでもありますか?」
アラクネ「じゃなくて、今日はその敬語もやめてくれない?今は仕事中でもないんだから。」
男「うん?まぁそう言うんならいいです・・・いやいいけど。」
アラクネ「うん。今はそのほうがいいな。」
男「で、何処にいく?」
アラクネ「うーん、男くんは普段どうなの?」
男「俺?俺の場合はファストフードか牛丼かってとこだな。」
アラクネ「ファストフード!外のお店で食べてみたい!」
男「ok。じゃ、赤いピエロと白ヒゲのおっさんと山海太陽のどれがいい?」
アラクネ「・・・なにそれ。」
男「ファストフードの有名店3つに関係するなにか。」
アラクネ「普通に店の名前でいいじゃない。」
男「それじゃ面白くないじゃん。まあ、どの店も味はそれなりに保証するから気楽に選んで。」
アラクネ「じゃあ・・・ピエロさん。」
男「ちっマクソか。つまらん。」
アラクネ「なにその態度。」
男「んーん、なんにも。じゃあ行こうか。」すっ
アラクネ「あ。・・・ねえ、男くん。気になってたんだけどさっきからなんで手を繋いでるの?」
男「あれ、嫌だった?」
アラクネ「嫌じゃないけど・・・歩くのももう慣れたのになんでかなって。」
男「なんとなく。せっかくデートみたいなんだから・・・かな。」
アラクネ「このジゴロめ。」
男「人聞きの悪い。じゃあ離しますよ?」
アラクネ「だめー。繋いでなさい。」
男「わかりましたよお姫様。じゃあいきますか。」
多分業者?他スレでも貼られてるし。
放置で。
すまない。普通のデートかいててなんかモチベ下がってる。
ちゃんとキリのいい形で終わらせるから待ってくれ
ーアラクノフォビアに戻って来た。
男「なんだかんだで歩き回ったから疲れたな。」
アラクネ「そうだねー。お昼食べて映画見て、お茶してウィンドショッピングして。」
男「ファミレスで飯食って帰宅。庶民にはちょい贅沢の盛り沢山デートだな。」
アラクネ「そうなんだ、でも盛り沢山なのにキンクリされるのはなんでだろ。」
男「>>1が結婚してるのにまともなデートはあまりしたことがないからじゃないか?」
アラクネ「仕事中に携帯でずっと書き溜めしてるとか経営者からするとふざけんなって感じだけど。」
男「まあメタはそのへんでな。でもなんでスタジオに?なんだったらホテルで1泊とかでも良かったのに。」
アラクネ「男くんのスケベー。ホテルに連れ込んでどうするつもりよ。」
男「・・・今更なこと言われましても。」
アラクネ「あはは。まぁそうなんだけどね。でも男くん、忘れてない?薬の効果は24時間だよ?」
男「あ。」
アラクネ「ホテルの中でもとの姿に戻ったらパニックよ?」
男「すいません。」
アラクネ「男くんの気持ちは嬉しいけどねー。私もホテルに泊まってみたかったし。」
男「アラクネさん・・・」
アラクネ「ま、次の機会があればその時にね。」
知っている。そんな機会はもう来ないだろう。
アラクネ「そんな顔しないの。ほら、今を楽しむんでしょ?今日くらいはリードして人の姿の私を愛して欲しいな。」
男「わかりました。じゃあ・・・」チュ
男「今を思い切り。」ぎゅ・・・
アラクネ「・・・うん。」
ーー
ー
男「すぅ・・・すぅ・・・」
アラクネ「ふふ、なんか背伸びした見たいで可愛かったよ?」なでなで
男「ん・・・」むにゃむにゃ
アラクネ「過去は振り返っても過去、未来は見えないから面白い・・・か。」ふぅ
アラクネ「私にとっての未来は永遠に続く別れなんだけどな。男くんもいつかは年をとっていなくなる。」
アラクネ「別れが辛くなるなら、もう人と接しなくしたほうがいいのかな。」
男「やですよ。そんなの。」むく
男「確かに俺はいつか死にます。ただの人間ですからね。だけど、アラクネさんたちに出会えた事に感謝しています。」
アラクネ「私もだよ。でも、いつかくる別れを考えると辛いよ。」
男「・・・なら俺、人間やめます。口にした事が現実になる死霊使いとかいません?ゾンビにしてもらいますから。」
アラクネ「だめだよ。君は死ねないということを甘く身過ぎてるわ。」
男「見てません。」
アラクネ「いーえ、見てる。死ねないという事は周りが死ぬのを見てるしかないって事なのよ?」
男「わかってます。」
アラクネ「わかってない!」
男「・・・アラクネさん・・・」
アラクネ「わかってないよ・・・老いず、いつまでも姿が変わらない・・・」
アラクネ「はじめこそ羨ましいとか言われるけど、すぐに化け物扱いになるわ。」
男「・・・」
アラクネ「そしていつか、住む場所がなくなる。そんなふうに男くんになって、欲しくない。」
男「アラクネさ・・・」
アラクネ「男くん。君を解雇します。今月分の給料は保障するから、明日からもう来なくていいです。」
男「アラクネさん!」
アラクネ「出て行って。すぐにでていきなさい!」
ーー
ー
デュラハン娘「・・・決めちゃいましたのですね。」
アラクネ「・・・うん。」カリカリカリカリ
デュラハン娘「お引越し、します?」
アラクネ「・・・うん」
デュラハン娘「今度は、戸建にしましょうか。いつまでも住んでいられるような立派なお屋敷。」
アラクネ「お化け屋敷で有名になるかもね。」
デュラハン娘「面白いじゃないですか。」
ーー
ー
百年程の年月が過ぎた。
???「ここか。」
俺は古びた、しかし手入れのいきとどいている屋敷の門を見上げた。
???「あの、すみませーん。」
『はーい』
もうすぐ、会える。
デュラハン娘「はい、どちら・・・様?」
???「う・・・く・・・」
デュラハン娘「あの、何故泣いているのですか?」
???「ずっと会いたかったです。デュラハン娘さん。」
デュラハン娘「はぁ、あの。何処かでお会いしましたか?」
???「いえ、俺とは初対面です。ですけど、俺はあなたの事をよく知っています。」
デュラハン娘「・・・失礼ですが、とういった御用ですか?警察呼びますよ?」
???「男という人を、覚えていますか?」
デュラハン娘「!?」
???「百年ちょっと前は別の場所にスタジオを構えていたアラクノフォビアに働いていた人間の男さんです。」
デュラハン娘「あなた、一体何者なのですか?」
漢「漢といいます。男はアラクノを解雇されてから悩みました。どうすればアラクネさんやデュラハン娘さんたちとずっと一緒にいられるか。」
漢「不死人になるのも機械になるのも、アラクネさんは喜ばない。悩んだ挙句に彼は見つけたんです。」
漢「それは来世に記憶を持ち越す方法でした。魂に記憶を刻み込み、転生しても忘れなくしたんです。」
デュラハン娘「そんな事が・・・」
漢「出来たから俺はここにいます。まぁまさか引っ越ししてるとは思いませんでしたけど。」
デュラハン娘「じゃあ、君は男さんの生まれ変わりだというのですか?」
漢「まあ、信じられないでしょうけど、そうです。」
デュラハン娘「面接に来た時は・・・」
漢「いきなり眠らされて縛られて襲われましたね。」
デュラハン娘「本当に、男さんの生まれ変わりなんですね。」
漢「じゃないとこの記憶に説明がつきませんから。」
デュラハン娘「どうぞ、先生を呼んで来ます。」
漢「はい。」
こうして、俺は漢に生まれ変わってまた、このスタジオに勤めている。
相変わらずアラクネさんは美人だが抜けていて、デュラハン娘さんはおっとりしていて。
毎日色々な出会いがあって楽しい仕事場だ。
おわり
というわけで引っ張った本編は終わりです。
アラクノメンバーを絡めた人外娘ものを書く時は以降のレスで書きます。
絡めて欲しい人外娘がいたらリクエストください。
ひとまず乙!
ずれたリクになるけど、男がクビになった後のアラクネさんと、リリスさん(二人の絡みも含めて)が見たい
>>195-196絡めて完成。エロはなしです。
アラクネ「それにしても、魔術のまの字も知らなかった男くんが転生の秘術を完成させるとはねぇ。」
漢「必死でしたよ。記憶を辿ってあの薬を作ったmaho堂に押しかけたり」
デュラハン娘「それは一応犯罪ですよ。」
漢「100年前なんで時効です。古今東西の魔術書を集めたり。」
アラクネ「なんてゆーか執念だねもう。」
デュラハン娘「ま、これでまたアラクネさんが笑って仕事してくれるんだから私は万々歳ですわ。」
デュラハン娘「あの時は本当に大変だったんですから。」
アラクネ「ちょっとデュラハン娘ちゃん!」
漢「なんかあったんですか?」
デュラハン娘「大ありでしたわよ。ね、先生。」
アラクネ「さ、さーねー」ぴーぴゅー
漢「デュラハン娘さん。」
デュラハン娘「えー?ですけどアラクネさんが・・・」
漢「1つだけ、なんでも言う事を聞きます。」
デュラハン娘「お話しましょう!」ぐっ
漢「よし!」
アラクネ「ちょっデュラハン娘ちゃん!」
デュラハン娘「その前に聞きたいんですけど、漢さんは女性経験は・・・」
漢「漢、18歳。彼女いない歴年齢の童貞であります。」
デュラハン娘「グッドですわぁ!では、お話いたしましょう。あれは男さんを解雇して間もない話ですわ。」
ーー
ー
リリス「こんちー。アラクネちゃんいる?」
デュラハン娘「あら、リリスさん。今日はどのようなご用件で?」
リリス「うちに入った新人の衣装をお願いしに来たの。いらっしゃい?」
???「わかりゃした。しかしここがあのアラクノフォビアのアトリエかえ?想像以上に狭っ苦しいの。」
リリス「こら、九尾ちゃん!失礼よ。」
九尾狐「ふん。わっちは思ったことを口にしただけじゃ。」
リリス「まったく。ゴメンなさいね。無駄に長生きしてるだけあって性格にちょっと問題があるのよ。」
九尾狐「わっちを年寄り扱いするでない!」
デュラハン娘「あは・・・とりあえず、先生を呼んで来ますね。」
リリス「あれ?男くんは今日お休み?」
デュラハン娘「・・・男さんは会社都合で先日退職していただきました。」
リリス「退職って・・・はぁ?なにそれ意味わかんない!」
九尾狐「なんじゃその男とやらは」
リリス「あんたは黙ってなさい。それよりデュラハン娘ちゃん!退職ってどう言う事よ!」
デュラハン娘「申し訳ございませんが、お答え出来ません。」
リリス「お答え出来ませんって!あぁ!もういい!直接アラクネさんに聞くから!」
デュラハン娘「リリスさん!社外の方の作業場入室はお断りいただいております!」
リリス「クレームなら店にしてくれていいわ。アラクネさん、入るわよ。」ガチャ
デュラハン娘「リリスさん!」
九尾狐「いってもうたの。」
「~~~!」
「~~~!」
アトリエから怒号が響いている。
九尾狐「主は止めにいかんでもええんかね?」
デュラハン娘「2人とも私が止めて止まるならいきますわよ。」はぁ
九尾狐「ふむ。主も大変じゃな。そしてここまで想われておる男と言う者も罪深いの。」
デュラハン娘「えぇ。本当に。」
九尾狐「ふむ。一先ずこれを主に渡しておくかの。」
デュラハン娘「これは?」
九尾狐「わっちの身体情報じゃ。少し古いがそれほど変わっておらんじゃろ。」
バタン!
リリス「九尾ちゃん!帰るわよ!」
九尾狐「衣装の発注はいいのかえ?」
リリス「また今度!今はお互い頭に血が昇ってるから!」
九尾狐「怒りながらも冷静な分析じゃな。ま、わっちはどっちでも良いが。」
リリス「んじゃまた後日ね!」
九尾狐「またの。」
バタン
アラクネ「・・・帰った?」
デュラハン娘「はい。たった今。」
アラクネ「言いたい事言ってくれちゃって。」
デュラハン娘「怒ってくれる方がいるのはいい事ですわよ?」
アラクネ「・・・わかってる。」
アラクネ「うん。わかってる。」
おわり
相変わらずリリスさん使いやすいです。
狐だけでしたが九尾にしてみました。
このSSまとめへのコメント
おつ!ぼくもこんなところに雇われたい(40)
18歳彼女いない歴年齢の童貞だけど雇ってもらえないかな