千早「わたしたち」 (258)

~朝、千早家~


千早「……ん」


モゾモゾ


千早「……」

千早「なんか布団が狭いような」




??「………zzz」

千早「誰かいる……?」


バサッ


千早(?)「んん……すぅ…」

千早「え?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1436358915

千早「え、え!?」

千早(?)「んん……ん?」

千早「私……よね?」

千早(?)「!?」

千早(いやそんな筈がない!)

千早「あなた、一体何者!?」

千早(?)「え、私がいる!?」



ギャーギャー





……


千早(?)「とりあえず、落ち着いて状況を整理しましょう」

千早「そ、そうね……」

千早(?)(それにしても……)

千早(それにしても……)


千早(?)(私ってこんなに目つき悪かったかしら)

千早(やけに大人びて見えるのは気のせいかしら)

千早(?)「私は番組の収録が終わってから、萩原さんの家でお泊まり会をしてたはず」

千早「!?」

千早(?)「確かに少し夜更かしはしたけれど……寝ぼけて家に戻るとは考えられないし」

千早(?)「あずささんでもあり得ないわよね……ふふっ」



千早「…………」

千早「わ、私はいつも通りレッスンを終えて、その後自主トレをしてから寝たわ」

千早(?)「うーん……まるで昔の」

千早「??」




千早(?)「もしかして……!!」

千早(?)「ごめんなさい、少し携帯を見せてもらっていいかしら」

千早「え?」

千早(?)「今の時間が知りたいだけだから」

千早「ならいいけれど……」





千早(?)「…………やっぱり」

千早「どうしたの?」








千早(未来)「私、過去に戻ってる……」

千早「はい?」

千早(未来)「どうしよう……」ズーン

千早「あの、えっと」




千早(未来)「申し訳ないのだけど、ちょっとの間厄介になってもいいかしら?」

千早「え、ええ……構わないけど」

千早(未来)「助かるわ、ありがとう」

千早「自分を助けるって、変な感じだけれど」

千早(未来)「ふふっ、そうね」

千早「……ええ」



千早(自分のはずなのに、笑顔が眩しい)

千早(未来)(やっぱりこの頃の私、暗い……)

のんびり書いていこうと思います
のんびりお付き合い下さい

千早「そういえば、そろそろ支度をして事務所に行かないと」

千早(未来)「朝ごはんは」

千早「??」

千早(未来)「……そういえばこの頃はまともに食べてなかったわね」

千早(食べるようになってる事に驚きだけど……)

千早「生憎食べ物はいま冷蔵庫には入ってないから、何か買って食べて貰うしかないわね」

千早(未来)「ええ」


ゴソゴソ


千早「いくらかお金は置いていくから、必要な物があればこれで」

千早(未来)「ありがとう」

……




千早「じゃあそろそろ行くわね」

千早(未来)「ええ、いってらっしゃい」

千早「い、いってきます」


パタン





千早(未来)「よし、食材を買いに出かけなくちゃ」

テクテク



千早(未来)「んー、いい天気」ノビー

千早(未来)「そして……」



通行人達「…………」スタスタ

主婦A「最近出てきたジュピターって子たちがね~」

主婦B「いいわよね~」




千早(未来)(変装しなくても堂々と街を歩き回れる……)ジーン

千早(未来)「せっかくだから、ウインドウショッピングも兼ねて少し散歩しようかしら」



千早(未来)「~♪」

~公園~


千早(未来)「ふう、とりあえず一休みしようかしら」


「あれ、千早さん?」


千早(未来)「へ?」

美希「やっぱり千早さんなの!」

千早(未来)「み、美希……コンニチハ」

千早(未来)(出歩いたらみんなと会ってしまう可能性がある事を忘れてた……!)


美希「?……それより千早さん、どうしたの?」

美希「今日は歌のレッスンだって張り切ってたのに」

千早(未来)「」

千早(未来)「え、えっと」



律子「あ、探したわよ!」

美希「あっ」

千早(未来)「あっ」

律子「全くもう、駄目じゃないレッスンさぼっちゃ」

美希「り、律子……さん」

律子「さあスタジオに戻るわよ」

千早(未来)(今のうちに……)ソローリ

律子「千早も美希の捜索お疲れ様。戻りましょう」

千早(未来)「いや、あの」

律子「ほら、タクシー待たせちゃってるから」






……

~某レッスン場~


雪歩「ねえ、千早ちゃん」

千早「なに?」

真「なにかいい事あったの?」

千早「え?なぜ?」

春香「んーと……なんだか今日の千早ちゃん、いつもより嬉しそうだったから」

千早「そう、かしら」

伊織「単に歌のレッスンがあるってだけじゃなさそうだし」

千早「どちらかと言うと厄介事が増えただけなのだけど」

やよい「あれ、そうなんですか?」

千早「ええ……ふふっ」

響「あー!やっぱりいい事あったんでしょ?」

ガチャ


律子「みんなお待たせ」

美希「うえ~、めんどくさいの」

律子「美希と、ちは」

美希「えっ」

律子「あ、え、うそ?」

千早「」

千早(未来)「ど、どうも」






全員「「えええぇぇぇ!!?」」

伊織「お、おちちつきなさい!」

響「そうだぞ!鏡!そう、鏡に映ってふたりに見えただけだぞ!」

美希「鏡にもふたり映ってるの……!」


亜美「え?」

真美「真美たちみたいに双子じゃないの?」

真「それだ!」

あずさ「千早ちゃんのお姉さん、ですよね?」

律子「いや、でも」


千早(未来)「千早です」

千早「私も千早です」



雪歩「やっぱり千早ちゃんがふたりいるよぅ!」

やよい「うー、どういう事なんでしょう……」

カクカクシカジカ


律子「そ、そんな事」

貴音「にわかに信じがたい事ですね……」

伊織「でも……」


千早「どうして来ちゃったのよ!」ヒソヒソ

千早(未来)「不可抗力なのよ……」ヒソヒソ


真「あれを見ちゃったら、信じるしかないよね……」



真美「ねえねえ、千早お姉ちゃん!」

亜美「未来の亜美たちってどんな感じ?」

春香「あ、私も気になるかも!」

響「みんなトップアイドルになれてるのかな?」

千早(未来)「えっと、その」



伊織「ナチュラルに馴染んじゃってるし……」

雪歩「でも、未来の千早ちゃんって」

やよい「なんかかっこいいですよね!」

あずさ「ふふっ、そうね」

千早(未来)「あの、私はそろそろ……」

真美「えーっ、真美たちのシツモンに答えてよ!」

亜美「そうだよー!」

律子「こら、わがまま言わないの」

春香「でも、もう少しお話を聞きたかったです」

美希「うんうん」

千早(未来)「気持ちはわかるけど、あまり律子を困らせちゃだめよ?」

亜美・真美「「はぁーい……」」

千早(未来)「それに、これからレッスンなのに邪魔しちゃ悪いもの、ね?」

春香・美希「「はい……」」

千早(未来)「ふふっ、わかればよろしい」





全員(なんだろう、やっぱり大人だ……)

千早(未来)「それじゃ、お邪魔しちゃってごめんなさい」

律子「まあ、かなり驚いたけど……」

律子「なによりも未来のあなたが幸せそうでよかったわ」

千早(未来)「ふふ、ありがとう」クスッ

千早(未来)「ところで、プロデューサーは事務所かしら?」

律子「……え?、ええ」

千早(未来)「みんなに知られちゃった以上、プロデューサーや音無さん、社長にも報告しておかないと」

律子「ふふふ、なかなか信じてくれないわよ?」

千早(未来)「仕方ないわ、私もまだ半信半疑だもの」

千早(未来)「それじゃ、また」

律子「ええ」

~事務所~


ガチャ


千早(未来)「ただいま帰りました」

小鳥「あら? 千早ちゃん?」

P「ん、千早か? 忘れ物でもしたのか?」

高木「どうしたのかね?」

千早(未来)「いえ、少しお話したい事が」

小鳥「込み入ったお話、みたいね」

千早(未来)「はい」

高木「ふむ、聞こうじゃないか」

P「うん、なんでも相談してくれ」


千早(未来)「ありがとうございます」

千早(未来)「実は私……」





……

………

10thに参加するので更新は少し間隔空きそうです

P「未来から来た?」

千早(未来)「はい」

小鳥「え、えーっと」

社長「はっはっは、如月くんもジョークを言えるようになるとは」

千早(未来)「いえ」

P「ははは、それで?」

千早(未来)「え?」

P「話したいことってのは何だ?」

千早(未来)「だから」

小鳥「なにか重大な話かと思って緊張してたけど、安心したわ」クスッ


千早(未来)(案の定こうなった……)

千早(未来)「……律子に電話してみて下さい」

P「おう……?」

prrrr


律子『はい』

P「おう、律子か? 今千早が事務所に来てるんだが」

律子『あー……じゃあ千早に代わりますね』

P「は?」

千早『お疲れ様です、そちらに未来の私が来てるそうですね』

P「」

千早『冗談でも何でもないですからね』




千早(未来)「そういうことです」

P「まじかよ…………マジかよ!?」

小鳥「え、うそ!?」

高木「……どうやら、本当みたいだね」

千早(未来)「はい」

千早(未来)「ちなみに、未来の私たちがどうなっているかは秘密です」

高木「そこをなんとか! ちょっとだけなら構わないだろう?」

小鳥「むむむ、気になるけど仕方ないわね」

P「知っちゃっても面白くないだろうしなぁ」

高木「うむ……それもそうだな」

千早(未来)「ふふ、そうですよ社長」


P「……しかしアレだな」

小鳥「はい」

高木「そうだな」

千早(未来)「??」

P「やっぱり笑ってる方が可愛いぞ」

千早(未来)「え、そ、そうでしょうか」

小鳥「キリッとしてる千早ちゃんもかっこいいけど、ね」

高木「どうやらアイドルとして、とても立派に成長したようだね」

千早(未来)「みんなが支えてくれたお陰です」

千早(未来)「……色々と私には手を焼くと思いますが、どうかよろしくお願いします」


P「おう」

小鳥「ふふ、任せておいて」

高木「もちろんだとも」

千早(未来)「いつまでもお仕事の邪魔をしちゃ悪いので、そろそろ」

P「送って行こうか?」

千早(未来)「いえ、元の場所に帰る方法を見つけないといけないですし……それに」

小鳥「それに?」


千早(未来)「変装しなくても出歩けるのがちょっと楽しくて」

P「え、ちょっと待って」

小鳥「そ、そそそれだけ有名人に……」

高木「これは……思った以上だ」

千早(未来)「あ、ち、違うんです!」

千早(未来)「アメリカではまだ変装しなくても大丈夫でしたし、日本ではという意味です!」


P「」

小鳥「」

高木「」

千早(未来)「あっ」

千早(未来)「失礼しますっ」



バタン




P「アメリカって、言いました?」

小鳥「はい」

高木「言ったね」




ええぇぇぇぇ!!?





千早(未来)「ふう……海外活動もしてるのがバレるところだったわ」

千早(未来)「さて、のんびりお買い物でもしちゃいましょうか」

千早(未来)「~♪」

今日はここまでです




ガチャ



千早「……いい匂い」

千早(未来)「あら、お帰りなさい」

千早「た、ただいま」

千早(未来)「もう少しで晩御飯もできるから、少し待っててね」

千早「ええ」

千早(未来)「あ、手洗いうがいはきちんとね」

千早「わかってるわよ、もう……」

千早(未来)「ふふ、よろしい」

千早(未来)「さ、食べましょうか」

千早「…………これ、全部一人で作ったの?」

千早(未来)「? ええ、そうだけど」

千早(なにひとつ作れる気がしない)


千早(未来)「じゃあ、いただきます」

千早「いただきます」



千早「……おいしい」

千早(未来)「それは何よりだわ」

千早(未来)「まだまだレパートリーも増やすつもりだけれど」

千早「そう……」


千早(未来)「そういえば、今日はごめんなさい」

千早「もう少し行動には気をつけてもらわないと」

千早(未来)「あの後、大丈夫だった?」

千早「ひどい目にあったわよ……まず春香が…」

千早(未来)「ええ」

千早「それから事務所でも……」




……

………

……




千早(未来)「ふう、ご馳走様でした」

千早「ご馳走様、でした」

千早(未来)「さて、私は洗い物をしちゃうから先にお風呂に入っていいわよ」

千早「洗い物くらいなら……」

千早(未来)「きちんとできる?」

千早「……お風呂に入ってくる」

千早(未来)「ふふ、素直でよろしい」





カポーン


千早(未来の私、まるで別人ね)

千早(ウインドウショッピングを楽しんだり、家事まで楽しそうにやるなんて)

千早「…………」

千早(未来)「ふう、この頃はまだ物が少ないから楽ね」

千早「今上がったわ」

千早(未来)「私も入ってくるわね」

千早(未来)「そうだ、冷蔵庫にプリンが入ってるから食べちゃってね」

千早「ええ」





千早「美味しい……」モキュモキュ


prrrr


千早「事務所から?」

千早「はい……どうしましたか、プロデューサー?」




千早「えっ」

千早「ちょ、待って下さ……い」

千早「…………嘘でしょ?」

千早(いや、でも……うん)

千早(未来)「ふう……あら?」

千早「…………」ブツブツ

千早(未来)「どうしたの?」

千早「いえ、なにも」

千早(未来)「?? そう……」





千早「同じベッドで寝ることになるけど」

千早(未来)「私は慣れてるから平気よ」

千早(慣れてる……?何故?)


ゴソゴソ


千早(未来)「大丈夫? 狭くない?」

千早「ええ、大丈夫」

千早(未来)「ん……」

千早(未来)「明日の朝ごはんは今日の晩御飯の残りものがあるから」

千早「ええ」

千早(未来)「ちゃんと食べなきゃ駄目よ?」

千早「わかってるわ」

千早(未来)「もしかしたら朝起きたら私はいなくなってるかもしれないし、ね」

千早「そ、そう…………」

千早(未来)「ええ」


千早「それは、ちょっと…………ちょっとだけ、困るわ」

千早(未来)「??」

千早「私、料理できないし、せっかく買った食材がもったいないもの」

千早(未来)「ふふ、それじゃあ明日は一緒に作ってみましょうか」

千早「ええ」

千早「今日、ね」

千早(未来)「……」

千早「いってきますも、ただいまも、誰かとお話しながら晩御飯を食べたのも」

千早「久しぶり、だった」

千早(未来)「そう」



千早(未来)「ただし、自分自身が相手だけどね」

千早「…………本当に自分なのか疑わしくなるけれど」

千早(未来)「なんとなく察しはつくわ」

千早「……」

千早(未来)「いずれわかる時が来るわよ、きっと」


千早(未来)「そろそろ寝ましょうか」

千早「ええ」

千早(未来)「それじゃ、おやすみなさい」

千早「おやすみなさい」

おやすみなさい



チュンチュン


千早「……んん」



千早「…………」キョロキョロ

千早(未来)「あら、おはよう」

千早「……おはよう」

千早(未来)「もうすぐ朝ごはんできるから、顔を洗ってらっしゃい」

千早「ええ」



千早(寝て起きたら、いなくなってるかと思ったけど……)

千早(未来)「さ、いただきます」

千早「いただきます」




千早「ねえ、今日はどうするの?」

千早(未来)「んー、また散歩でもしようかと思うけど」

千早「実は、プロデューサーから頼まれているのだけど」

千早(未来)「??」

千早「今日のレッスンに、あなたを連れてこいって」

千早(未来)「ええ、いいけど」



千早「えっ」

千早(未来)「え?」

千早「え、いいの?」

千早(未来)「まあ、プロデューサーと社長の考えそうな事だもの」

千早「昨日も思ったのだけど、こんなことになっても落ち着いてるのね」

千早(未来)「こんなこと、か……」

千早(未来)「アメリカから帰ってきたら事務所が大規模な劇場になってたことに比べれば、大した事じゃないわ」

千早「」

千早(未来)「さ、そうと決まれば早く支度しちゃいましょうか」

千早「え、えっ?」



千早(未来)「予備のジャージと、運動靴を借りるわね」

千早「ちょ、話を聞いて!」




……

~スタジオ~


千早「……おはようございます」

千早(未来)「おはようございます」

春香「あ、千早ちゃん!」

美希「未来の方の千早さんもいっしょなの!」


伊織「何度見ても慣れないわね」

亜美「でもでも、双子みたいじゃん?」

真美「千早お姉ちゃんの新しいホーシンってことでどう?」

律子「ほーら、ばか言わないの」


律子「ごめんなさいね、急に」

千早(未来)「いえ、なんだか楽しそうだし」

千早(未来)「それに……」



春香「千早ちゃん、なんだか疲れてない?」

千早「朝からちょっと、ね」

雪歩「大丈夫?」




律子「それに?」

千早(未来)「いえ、なんでも」クスッ

P「お、全員揃ってるな」

小鳥「それに、ごめんなさいね千早ちゃん」

千早(未来)「いえ、お気になさらず」

高木「未来の如月くんのパフォーマンスを、是非ともみんな見てみたいのだよ」


あずさ「わたしもぜひ見てみたいわ」

貴音「ええ、後学のため」

千早「……」

千早(あんなに浮かれて散歩をして、楽しそうに料理を作る)

千早(もしかしたら)



千早(未来)(もしかしたら、歌はどうでもよくなったのか)

千早(未来)(なんて思ってるんでしょうね)


P「よし、どの曲をかける?」

千早(未来)「…………いえ、いりません」

千早「え?」

響「えっ!?」

亜美「ねえ、どゆこと?」

伊織「わかんないわよ!」

千早「…………」


ザワザワ


千早(未来)(……ふふ、あの時もアカペラで、ざわついている皆の前でこの曲を歌ったのよね)


千早(未来)「…すぅ……………はぁ」

千早(未来)「……よし」



ずっと眠っていられたら この悲しみを忘れられる
そう願い眠りについた夜もある





……

……





千早(未来)「ふう、とりあえず一番までだけど」



シー………ン



千早(未来)「あ、あれ?」

律子「あ、あんた……」

美希「千早さん、とっってもすごかったの!」

貴音「思わず引き込まれてしまいました……」

真「表情とか、動きとかも歌に合ってて……とにかく、めちゃくちゃ格好良かったよ!」

やよい「千早さんすーっごく格好良かったです!」

春香「……えへへ」

雪歩「春香ちゃん?」

春香「嬉しそうに歌ってる千早を見てたら、なんだかわたしも嬉しくなっちゃって」

響「うん、わかるぞ」








P「……社長、音無さん」

小鳥「はい」

高木「これは……想像を遥かに超えてきたね」

P「まさかここまでとは……」

律子「まだ余韻が抜けきらないけど……そろそろレッスンを始めるわよ」


全員「「はい!」」


千早(未来)「ふふ、気合十分ね」

律子「さっきの歌で、みんな火がついたのよ」

律子「ちなみにあなたも参加ね」

千早(未来)「ええ、わかったわ」



律子「さあ、いくわよー!」





……

律子「よし、今日はここまで」

千早(未来)「みんな家に帰ったらストレッチを忘れずにね」


響「な、なぁ伊織」

伊織「言われなくても、わかってるわよ……」


千早(未来)「ふう、いい汗かいた」


響(ダンスのキレも半端じゃない!)

伊織(あれだけ動きながら歌えるってどういう事よ!)

真(ボクらはもうヘトヘトなのに!)


千早(未来)「やっぱりダンスはまだまだ実力が足りないわね……」

千早(未来)「また真に付き添いで練習をお願いしなくちゃ」

真「え!? いや、無理無理!!」ブンブン

千早(未来)「え? あ、未来のあなたに、ってこと」

真(この千早になにかを教えられるほど、ボクは成長できているのか……?)



貴音「力の差に愕然としてしまいましたが……ですが」

あずさ「ええ、頑張っていればいつかは負けないくらいになれるってことよね?」

雪歩「わ、私も頑張って千早ちゃんみたいになりたいです!」

千早(未来)「ええ、みんななら絶対に出来るわ」

>>91修正


春香「……えへへ」

雪歩「春香ちゃん?」

春香「嬉しそうに歌ってる千早ちゃんを見てたら、なんだかわたしも嬉しくなっちゃって」

響「うん、わかるぞ」








P「……社長、音無さん」

小鳥「はい」

高木「これは……想像を遥かに超えてきたね」

P「まさかここまでとは……」

~千早家~


ガチャ


千早(未来)「ただいま」

千早「ふぅ…………ただいま」

千早(未来)「晩ごはんは……疲れているのなら私が」

千早「いえ、私も作るわ」

千早(未来)「ふふ、ならいっしょに頑張りましょうか」

千早「ええ」



千早「っ……! ……!」

千早(未来)「ジャガイモの皮はむけた?」

千早「え、ええ……なんとか」



千早(未来)「それじゃあ、次はそれをだいたい4等分にして」

千早「ええ」スチャ

千早(未来)「ちょ、ちょっと! その切り方は危ないわよ」

千早「え?」

千早(未来)「いい? まずは……」

千早「ひゃ!?」

千早(未来)「包丁の持ち方は、こう」

千早(未来)「そして、左手は…こう」

千早「え、ええ」

千早(未来)「はい、やってみて」

千早「あ、ええ」

千早(なぜかドキドキした……)

千早(未来)「さ、あとはルーを入れて少し煮込むだけね」

千早「意外と簡単なのね……」

千早(未来)「ふふ、やってみると楽しいでしょ?」

千早「え、まぁ……そうね」

千早(未来)「……出来上がるまでの間、ちょっとお話しでもしましょうか」

千早「……ええ」



千早(未来)「んー、まずは一番気になっていると思う事から言わせてもらうわね」

千早「……」

千早(未来)「歌は、今でも私の一番中心にある」

千早(未来)「これだけはずっと変わらないわ」

千早「今日、あの歌を聴くまでは信じられなかった」

千早「でも、思い知らされた……ううん、思い出した」

千早「私は、歌が大好きだった」

千早「でも、私は……」

千早(未来)「好きだから歌う、とはもう考えられない?」

千早「だって私は歌い続けなきゃいけないもの」

千早(未来)「優のため?」

千早「ええ」



千早(未来)「…………ひとつだけ、アドバイスをしてもいいかしら?」

千早「……」

千早(未来)「優がなぜ笑顔で私の歌を聴いてくれたのか」

千早(未来)「優が本当に好きだったものは何なのか」

千早(未来)「ゆっくり時間をかけて考えてみるといいかもね」

千早「どういう……?」

千早(未来)「まあ、きっとその時になったら気付くと思うわ」

千早(未来)「きっかけは私じゃなくてあの娘になると思うけど」

千早「あの娘?」

千早(未来)「ふふ、それも後々わかることだわ」

千早(未来)「さて、そろそろいい頃合いかしらね」

千早(未来)「お皿にご飯を盛ってくれる?」

千早「ええ」





千早(未来)「さ、初めて作ったカレーの出来栄えはどうかしらね」

千早「別に初めてってわけじゃ……」

千早(未来)「……」

千早「初めてです……はい」

千早(未来)「素直でよろしい。じゃあ……」



千早・千早(未来)「「いただきます」」


千早(未来)「ん、美味しい」

千早「ええ、とても」

千早(未来)「ルーを入れる前のものを少し残してあるから、明日はそれに味付けをして肉じゃがでも作りましょうか」

千早「そんな事まで出来るのね……」

千早(未来)「基本的なコツさえ掴めば意外と簡単だし楽しいわよ」

千早「ふむ……」

千早(未来)「あ、お代わりはどうする?」

千早「もらおうかしら」

千早(未来)「はいはい、ちょっと待っててね」




千早(未来)「今日のレッスンはそこそこハードだったんじゃない?」

千早「そこそこ? かなりハードだったんだけど……」

千早(未来)「あー、私がいたから律子もハードル上げたのね」

千早「それでも息ひとつ切らしてないのが信じられないけど」

千早(未来)「まあ、あのくらいなら」

千早「……本当に数年後あなたみたいになれるか不安になるわね」

千早(未来)「ふふっ」クスクス

千早「笑い事じゃないわよ……もう」




……

千早(未来)「ふう、ご馳走様でした」

千早「ご馳走様でした」

千早(未来)「さて、私は食器を洗っちゃうから」

千早「いえ、今日は私がやるわ」

千早(未来)「じゃあお任せしようかな?」

千早「ええ」





千早「ふう……」

千早(未来)「ありがとう、お風呂沸かしておいたからどうぞ」

千早「いえ、先にいいわよ」

千早(未来)「……よし」

千早「??」

千早(未来)「じゃあ一緒に入りましょう」

千早「え?」

カポーン



千早(未来)「じゃあ背中流すわね」

千早(……どうしてこうなった)

千早(未来)「どう?痛くない?」ワシワシ

千早「ん、ちょうどいい」

千早(未来)「~♪」



千早(未来)「じゃあ、次は私をお願いね」

千早「ええ」


ワシワシ


千早(未来)「ん~、いい気持ち」

千早「……」

千早(未来)「ちなみに春香もこのくらいの強さでしてあげると喜ぶわよ」

千早「……!?」

千早(未来)「あ、萩原さんはもう少し弱めにしてあげたほうがいいかも」

千早「えっ!?」

千早(未来)「この前全国キャラバ」

千早(未来)「…………何でもないわ」

千早「ちょ、ちょちょっと……!!」

千早(未来)「色々気になるとは思うけど、それを知っちゃったら楽しくないもの」

千早「……私としては今すぐ知りたいのだけれど」

千早(未来)「大好きなみんながいる765プロ、って所だけは絶対に変わらないから安心して」

千早「……」

千早(未来)「ほら、むくれてないで湯船につかるわよ」

千早「むくれてない」


千早(未来)「ふふっ、まるで聞き分けのない妹みたいね」クスッ

千早「む……」

千早「……くしゅん」

千早(未来)「ほら、はやく来なさい」

千早「うん……」

また後日になりそうです

千早(未来)「さすがにちょっと狭いかしら?」

千早「いえ、大丈夫」

千早(未来)「ん……」



千早(未来)「そういえば明日の予定は?」

千早「午前中に事務所でミーティングがあるくらいね」

千早(未来)「よし、それなら午後から私に付き合ってくれないかしら?」

千早「? いいけど……」

千早(未来)「ふふ、決まりね」



千早(未来)「んー、すっきりした」

千早「ふう、なんだかいつもより疲れたわ」

千早(未来)「……えいっ」

千早「きゃ!?」ドサッ


千早「な、ななな何を!?」

千早(未来)「何って、ストレッチだけど」グイッ

千早「それなら急に押し倒………痛い痛い痛い!」

千早(未来)「あー、やっぱりまだまだ硬いわね」

千早「ちょ、やめ……いたたた!」

千早(未来)「はーい深呼吸」


千早「~っ!!」







千早(未来)「ふう、やりきった」

千早「あ、あなたね……」ゼーゼー

千早(未来)「息を止めないように、ふたりで話しながらストレッチするのが効率もいいのよ」

千早「だからって……」

千早(未来)「ふふ、まあ細かいことは気にしない」

千早「はぁ、もういいわ」



……


千早(未来)「じゃあ電気消すわね」

千早「ええ」




千早「狭い布団にふたり、というのもなんだか慣れてきたわね」

千早(未来)「私も、あなたの寝相の悪さに慣れてきたわ」

千早「そ、そんな筈ないわ!」

千早(未来)「それは、眠っているあなたは気付かないものね」クスクス

千早「嘘よ、ぜったい嘘に決まってる……」ブツブツ

千早(未来)「はいはい」

千早(未来)「それじゃ、おやすみなさい」

千早「……おやすみなさい」

 





千早(未来)「……すぅ……」

千早「…お………さん……」

千早(未来)「…ん……?」



千早「……う…」

千早(未来)「……?」



千早「優……ごめ………い」

千早(未来)「……」



千早「ゆう……っ……ぐすっ」

千早(未来)「そうよね……まだ、癒える筈ないものね」


ギュッ


千早(未来)「大丈夫、あなたのせいじゃないわ」ナデナデ

千早「ごめ……なさい…っ…」

千早(未来)「ほんと、手のかかる子なんだから」

千早「ゆ……う…………」



千早「……すぅ……」

千早(未来)(どうやら落ち着いたみたいね)

千早(未来)(すっかり目が冴えてしまったわね)

千早(未来)(……まだ12時前か…)



千早「……んん……………」

千早(未来)「少しお散歩に行ってくるわね」ナデナデ

千早「ん…………すぅ……」



ガチャ

パタン





千早(未来)「夜とはいえ、まだ少し暑いわね」


「へい彼女、ひとり?」


千早(未来)「…………」


「家出ですか? いけない娘ですね~」


千早(未来)「うちの子の夜泣きがひどくて、目が冴えちゃったんですよ」

千早(未来)「小鳥さん、あずささん」

小鳥「ありゃ、声色かえたのにすぐバレちゃった」

あずさ「ふふっ、こんばんは」

千早(未来)「お二人はたるき亭で飲んだ帰りですか?」

小鳥「社長とプロデューサーさんも一緒だったんだけれど」

あずさ「二人で肩を組んで違うお店に行っちゃったのよ」

千早(未来)「ふふっ、明日は二日酔いでしょうね」

小鳥「社長も困った人よね、まったく」

あずさ「それより、夜中に一人で出歩いちゃめっ!ですよ」

千早(未来)「ふふ、あずささんには敵いませんね」



あずさ「だって、成長しても千早ちゃんは千早だもの」ガシッ

千早(未来)「え?」

小鳥「ええ」ガシッ

千早(未来)「ちょ、二人とも?」



小鳥「不良少女、捕獲~」

あずさ「連行しましょ~」

千早(未来)「え、えっ!?」



アーレー

小鳥「うん、ここら辺なら明るいし人通りも多いから安全ね」

あずさ「お巡りさんがいても、大人同伴だから大丈夫ね」

小鳥「だから、酔い覚ましの散歩に付き合ってくれないかしら?」

千早(未来)「拒否権はなさそうですし、いいですよ」

あずさ「ふふ、ごめんなさいね」





小鳥「確認しておくけど、千早ちゃんのお家ってペットを飼っているの?」

千早(未来)「いえ、私ひとり……もっとも今は二人ですけど」

あずさ「それじゃあ、さっき言っていた事って……」

千早(未来)「…………」

小鳥「できれば、詳しく聞かせてくれない?」

千早(未来)「……毎日、夢を見ていました」

あずさ「夢……?」

小鳥「それって、どういう……」




高木「おお、音無くんに三浦くんじゃないか!」

P「おおー、千早も一緒かぁ!」

小鳥「げっ」

あずさ「あらあら~」

千早(未来)「ふふ、後が面倒なので私は逃げますね」

小鳥「あ、ちょっと!」

千早(未来)「……残念ですが、やっぱり私の口からは言えません」

あずさ「大丈夫、ちゃんと千早ちゃんが話してくれるのを待ってるわ」

千早(未来)「……ありがとうございます」

千早(未来)「じゃあ、おやすみなさい」


高木「おおい、如月くん! 待ちたまえ!」

P「おーい!千早も飲むぞ!」

小鳥「ほんっと空気読んでくださいよ!」

あずさ「まあまあ、こうなったら私たちも飲み明かしましょう♪」

小鳥「あぁもう、あずささんまで……仕方ないですね」

……




千早(未来)「……で、帰って来たら」

千早「…………ぐすっ」←暗い部屋で体育座り




千早(未来)(どうしてこうなった……)

千早「……うなされて飛び起きたら、隣に誰もいなくて」

千早(未来)「ついこの前まで一人きりだったでしょうに」

千早「………」

千早(未来)「はいはい、甘えん坊さんのためにココアでも淹れてあげるわ」

千早「ちがっ……!」

千早(未来)「へえ」

千早「はい……ごめんなさい」

千早(未来)「普段も皆の前でもこのくらい素直なら、こんな寂しい思いもしないのに」

千早「…………前向きに考えるわ」

千早(未来)「はい、どうぞ」

千早「ありがとう……」

千早(未来)「少しは落ち着いた?」

千早「ええ」



千早(未来)「……さっき外で音無さんとあずささんに会ったわ」

千早「……」

千早(未来)「家のことを聞かれた」

千早「!……」

千早(未来)「興味本位じゃないことくらいはわかるでしょう?」

千早「……」

千早(未来)「だからそんな顔しないの」ペシ

千早「いたっ……ごめんなさい」

お姉さん千早(未来)と甘えん坊な妹千早(過去)のやりとりでニヤニヤが止まらないぞ(歓喜)

千早(未来)「打ち明けようとも思ったのだけれど」

千早「うん……」

千早(未来)「でも、これは」

千早(未来)「この事だけは、あなたが……ううん、あなた達で乗り越えないといけない事だと思う」

千早「……達?」

千早(未来)「ここで私が色々手回ししても、きっと意味がないもの」

千早「どうして?」

千早(未来)「あなた一人で解決しても、いずれ迷子になっちゃうわ」

千早(未来)「何処へでも行けるのは、ただいまって帰れる場所があって、そこで笑ってくれる人がいるから……だから、ね?」

千早「……」

千早(未来)「みんな家族なんだもの、素直に甘えたり頼ったりしてもいいんじゃないかしら」

千早(未来)「さ、そろそろ寝ないとね」

千早「……」

千早(未来)「そんな不安そうな顔しなくても、いなくならないわよ」

千早「……してない」

千早(未来)「はいはい」



千早(未来)「さ、入って入って」

千早「ん……」


ギュッ


千早「わ……!」

千早(未来)「こうすれば少しは安心する?」ナデナデ

千早「子ども扱いしすぎじゃ……」

千早(未来)「じゃあやめるけど」

千早「…………」

千早(未来)「素直でよろしい」ナデナデ

千早「……でも、本当に自分に甘いというか」

千早(未来)「こんな時くらい、自分を慰めるくらいは許されると思うわ」

千早「ふふ、なにそれ……」






千早「……すぅ……」

千早(未来)「がっちり掴んで離さないか」

千早「……………ん」

千早(未来)「ま、いいか……おやすみなさい」





……

………

また後日です

自分を慰める(意味深)な千早などい71し72もなかったんだ、いいね?

これでお姉ちゃん千早いなくなったら妹千早泣いちゃうな



千早「……んん?」

千早(未来)「……すー……」

千早(珍しい、私の方が早起きするなんて)



千早「……よし」

千早(未来)「……ん……すぅ…」






千早「ええと、これを温めて……」

千早「熱っ!」

千早「あ、ごはんも炊かないと……」

千早「あっ、焦げ臭い!」



千早(未来)(起きちゃったけど、寝たふりしてた方が良さそうね)

千早「あぁもう」

千早「ふう……」

千早(ごはんをセットして昨日のカレーを温めただけなのに疲れた)


千早(未来)「んー……あら、いい匂い」

千早「あら、おはよう」

千早(未来)「おはよう、もしかして……」

千早「ええ」

千早「今日は早起きして」

千早「朝ごはんを」

千早「作ってみたわ」フフン

千早(未来)(これ以上ないくらい誇らしげなのが可愛い)

千早(未来)「うん、えらいえらい」ナデナデ

千早「ふふ……私だってやればこのくらいできるのよ」

千早「じゃあ、食べましょうか」

千早(未来)「ええ」


「「いただきます」」




千早「……ごはん、かたいわね」

千早(未来)「水の量が少なかったかもね」

千早「カレー、焦げてたりちゃんと温まってないわね」

千早(未来)「中火でこまめに混ぜてあげるといいかもね」

千早「…………」

千早(未来)「でも、とっても美味しいわ」

千早「え?」

千早(未来)「さすが一晩寝かせたカレーね」

千早「なっ」

千早(未来)「ふふ、褒められるとでも思った?」

千早「ぐっ……」

千早(未来)「まだまだ修行が足りません」

千早「……いつか見返してやるわ」

千早(未来)「期待してるわね」





千早「ふう、これからどうするの?」

千早(未来)「んー、お昼前に家を出る予定だからそれまではのんびりね」

千早「あ、そう……」

千早(未来)「ん……」

千早「じゃあ私は事務所に行ってくるわね」

千早(未来)「終わる頃になったら電話するわね」

千早「わかったわ」

千早(未来)「いってらっしゃい」

千早「いってきます」









千早「…………で」


春香「お、オハヨウ千早ちゃん……」

真美「うぁ~」

雪歩「身体中が筋肉痛で……もう…」

亜美「もう事務所来るだけでゲンカイだよぅ……」

千早(死屍累々……)

響「まあ昨日のレッスンはかなりハードだったからなぁ」

美希「……zzz」

やよい「うー……身体中が痛いです」

真「ボクと響はともかく」

伊織「どうしてあんたはピンピンしてるのよ!?」

千早「え?でも四条さんだって平気そうに」

貴音「ふふ、トップシークレットです」

響「そう見えるけど、ついさっきまで……いたたたたた!!」

貴音「それ以上はいけません」ギュー

響「わかったから!ギブギブ!!」


千早「私はお風呂上がりに念入りにストレッチをしただけだから……」

春香「私は睡魔には勝てませんでした……」

やよい「私もです……」

ガチャ



律子「ごめんなさい、遅れちゃったわね」

あずさ「ごめんなさい、道に迷っちゃった」

P「よし、全員揃ったな」



響「平気そうな人がまだいたぞ」

伊織「一緒に飲み歩いてた小鳥は二日酔いでぐったりしてるってのに……」

小鳥「ご、ゴメンナサイ……うう」

雪歩「さ、さすがあずささんですね」

亜美「そんなことより早く始めようYO!」

真美「もうはやく帰ってゴロゴロしたい……」





……

……



P「よし、これにて解散」

P「昨日の疲れもあるだろうから、今日はゆっくり休むように」


「「はーい」」




春香「千早ちゃんはまだ事務所に残るの?」

千早「ええ、この後待ち合わせをしてて」

春香「もしかして、デートとか!?」ワクワク

千早「残念、わたしたちで散歩するだけよ」

春香「未来から来た千早ちゃんと?」

千早「ええ」

春香「いいなぁ、楽しそうだなぁ」

prrrr


千早「っと、ごめんなさい」

千早(……公衆電話から?)


pi


千早「もしもし?」

千早(未来)『よかった、番号間違えてなくて』

千早「この声は……私?」

千早(未来)『正解』

千早(未来)『ミーティングは終わった?』

千早「ええ、丁度終わって今春香といるわ」

千早(未来)『あ、それなら……』

千早「……?」

春香「……?」

 




千早「ごめんなさい、つき合わせちゃって」

春香「ううん、私こそお邪魔じゃないかな?」

千早「連れてきてねって頼まれたし、私は構わないわよ」

春香「千早ちゃんたちと一緒にお散歩……楽しくなりそうだねっ」

千早(さっきまでヘトヘトだったのに、何が春香を奮い立たせたのかしら……)





律子「見つけたわよ! 千早!」

春香「へ?」

千早「え、律子?」

律子「まったくもう……………帰…あれ?」

千早「??」

春香「??」

律子「ううん、なんでもないわ……ごめんなさい」タタッ

律子「……この時代で間違いないはずなのに、どこに行ったのかしら……」




春香「なんだったのかな?」

千早「……さあ?」

千早「この公園で待ってるって言ってたけど」

千早「あ」

春香「どうしたの……って」



千早(未来)「~♪」




千早「ご機嫌ね」

春香「わぁ……」キラキラ

千早(なぜか春香もご機嫌に……)


春香「おーい、千早ちゃん」タタッ

千早「春香、そんなに慌てると」



ドンガラガッシャーン



春香「いたた……」

千早「やっぱり」

千早(未来)「~♪」



千早「……つて、まだこっちに気付いてないみたいね」

春香「ねえ、もうちょっと聴いてようよ!」

千早「…………そうね」





千早(未来)「…………ふう」


パチパチパチパチ


千早(未来)「えっ?」

春香「凄く良かったよ!千早ちゃん!」

千早「やっぱり私たちに気付いてなかったのね」

千早(未来)「最初は鼻歌だったけど、だんだんヒートアップしちゃって……ゴメンない」

千早(未来)「ところで、ふたりともお昼ご飯はまだ?」

千早「ええ」

春香「うん」

千早(未来)「サンドイッチを作って来たのだけど、どうかしら?」

千早「ええ、頂くわ」

千早(未来)「春香は…………??」

春香「」



千早(未来)「フリーズしてるわね」

千早「ええ」

千早(未来)「春香って、サンドイッチ嫌いだったかしら?」

千早「私が料理を作って来てる、ということに衝撃を受けてるだけだと思うわ」

千早(未来)「あぁ……そういえばそうだった」

千早(未来)「さ、今のうちに飲み物を買ってきてくれないかしら?」

千早「……ええ」

千早(未来)「ありがとう」



千早(未来)「さて、と」

春香「…………はっ!?」

春香「ふう、疲れてて凄い夢を見ちゃったよ」

千早(未来)「へえ、どんな?」

春香「千早ちゃんが可愛らしいサンドイッチを作って来てくれる夢で」

千早(未来)「こんな?」

春香「そうそう!…………あれ?」



春香「ええええぇぇぇっ!?」

春香「夢、じゃない……!」

千早(未来)「さすがにそこまで驚かれるとは思わなかったわ」

春香「あ、その、ゴメンなさい!そういうつもりじゃ……」

千早(未来)「ふふ、傷ついちゃったから春香にはサンドイッチはあげない」

春香「そんなっ!私にも食べさせてよぉ~」ダキッ

千早(未来)「はいはい」



千早(未来)「~♪」

春香「あ、さっきも歌ってた歌だね」

千早(未来)「ええ、私の新曲なの」

千早(未来)「今日みたいな青空の下で、伸び伸びと歌うにはぴったりかなって」

春香「うん!歌ってる時の千早ちゃんを見てるとこっちも嬉しくなっちゃう、素敵な歌だと思うよ!」

千早(未来)「ふふ、ありがとう」

千早(未来)「春香の歌だって、聴いてると楽しくなってくる素敵な力を持ってると思うわ」

春香「え、そうかなぁ」

千早(未来)「ええ」

春香「えへへ、なんだか照れちゃうな」

千早(未来)「ふふっ」







千早(戻ってきたものの、割り込みづらい)

千早(しばらく様子を見てましょうか)

春香「ねえ、千早ちゃん」

千早(未来)「なに?」

春香「未来のわたしたちって、どうなってるのかな」

千早(未来)「……」

春香「みんな」

千早(未来)「みんなで楽しくできてるのか心配?」

春香「……うん」



千早(未来)「春香は今、楽しい?」

春香「え、うん」

千早(未来)「なら大丈夫」

春香「え?」

千早(未来)「そのうち寂しいなんて思う暇もなくなるわ」

春香「??……どうして?」

千早(未来)「だって春香だもの」

春香「答えになってないよぉ!」

千早(未来)「ふふふ……」

春香「もうっ、千早ちゃんのいじわるっ」プクー

千早(未来)「さあ、拗ねてる悪い子とコソコソ盗み聞きする悪い子にはサンドイッチはあげないわよ」


春香「なっ!」

千早「ひどい!」ガサッ

春香「へ?」

千早「あ、あの、つい……」


千早(未来)「さあ、頂きましょうか」

春香(ねえ、千早ちゃん)

千早(私も私がああなるとは思えないわよ)

千早(未来)「~♪」



千早・春香(未来でなにがあったんだろう)

千早(未来)「さて」


「「「いただきます」」」



春香「こ、これは……」



春香「美味しい!美味しいよ、千早ちゃん!」

千早(未来)「ふふ、ありがとう」

千早「うん、美味しい」モッモッ

春香「もしかして、千早ちゃん」

千早「??」

千早(未来)「??」

春香「こんなに美味しい手料理を」

千早「食べてるわ」

千早(未来)「作ってるわ」

春香「むー、そんなのズルいよ!」

春香「私も千早ちゃんみたいに千早ちゃんの手料理を毎日食べたいなぁ」

千早(未来)「ただの自炊に聞こえるわね」

千早「ええ」

……




千早「ごちそうさまでした」

千早(未来)「お粗末さまでした」

春香「ごちそうさまでした……」

千早「春香?」

春香「うん、大丈夫だよ」

千早(未来)「眠くなっちゃった?」

春香「うん……」

千早(未来)「……さ、どうぞ」ポンポン

千早「な……っ!?」

春香「うん」コテン

春香「えへへ、いい気持ち」

千早(未来)「それは良かったわ」ナデナデ

千早「ななな……」

千早(未来)「この役は譲らないわよ?」

千早「いや、そうじゃなくて……」

春香「……すぅ……ぇへへ」

千早「はぁ、まあいいわ」

千早(未来)「ん、よろしい」



千早(未来)「それにしても、この頃の春香に膝枕する日が来るなんて思わなかったわ」

千早(もう突っ込まないでおこう)

千早「…………ちなみに未来の春香って」

千早(未来)「…………」

千早「……?」

千早(未来)「無敵よ、色々な意味で」

千早「はあ……」

千早(未来)「少なくとも今のあなたは会わない方がいいかも知れないわ」

千早「普通は未来の人と会うこともないと思うけど」

千早(未来)「ふふ、それもそうね」

千早「ふあ……ぁ」

千早(未来)「あなたも眠くなっちゃった?」

千早「ん……少し」

千早(未来)「あなたにも膝枕してあげたいのは山々だけど」

千早「いえ、大丈夫」


ポフ


千早「肩借りるわね」

千早(未来)「ええ、どうぞ」

千早「ありがとう」




千早(未来)「さて」

春香「んん……すぅ」←膝枕

千早「……すぅ…」←寄りかかる形で熟睡


千早(未来)(動けない)

千早(未来)「まあ、いいか」


「おーい、千早ちゃん!」



千早(未来)「あれ?」




「えへへ、やっと見つけたっ」





……

………

……





千早(未来)「ふふ、萩原さんは恐竜はこわくないのね」

「私のほうが怖がっちゃったよ~」

千早(未来)「普通はそうだと思うわ」



千早「ん……」

千早(あれ、いつの間にか寝ちゃってた)



「でね、なんか地味で変なギタリストとセッションできるなんて~って」

千早(未来)「それでまだ帰りたくないって駄々こねてたのね」

「律子さんが説得してくれたんだけど、大変だったみたい」



千早(ん、柔らかい)

千早「……??」


「あ、千早ちゃん起きたみたい」

千早「いつの間に起きてたのね、春香」

千早(未来)「春香ならまだ寝てるわよ?」

千早「えっ?」


春香「んん……ぅ…」

「いいな~千早ちゃんの膝枕いいなぁ」

千早「え、えっと、つまり……」


千早(未来)「自分に嫉妬してどうするのよ、春香」

春香(未来)「そうでした……えへへ」

春香(未来)「でもいいもん、千早ちゃんに膝枕してあげてるから」


千早「」

千早(未来)「どうだった?春香の膝枕の寝心地は」

千早「は、春香……よね?」

春香(未来)「はい、天海春香ですっ」

千早「やっぱりこんなのおかしいわ……あり得ない…」


春香(未来)「えへへ、驚かせちゃったかな?」

千早(未来)「普通は驚くと思うわ」

春香(未来)「いろんな事があったから、こんな事じゃそんなに驚かなくなっちゃったよ」

千早「…………本当に未来が不安になってきたわ」

春香(未来)「大丈夫だよ、きっと大丈夫」

千早「え?」

春香(未来)「ね?」

千早「え、ええ……」

千早(なぜだろう、ものすごい安心感がある)

春香(未来)「やっぱりこの頃の千早ちゃんも可愛いなぁ」


ナデナデ


千早「え、ちょ……」


春香(未来)「キリッとしてて、クールなんだけど寂しがりやさんで甘えんぼさんな所とか」ギュー


千早「やめ……」


春香(未来)「最近は千早ちゃんもお姉さんっぽくなってるから甘えてきてくれないし」スリスリ


千早(た、助け……)チラッ

千早(未来)(諦めなさい、ああなった春香は止まらないわ)




……

……




春香「んん……ん」

千早(未来)「春香、起きたわよ」

春香(未来)「あ、ほんとだ」

千早(お、終わった……)

千早(……)


千早(未来)「あら、名残惜しかった?」

千早「そんな訳じゃ……悪くは、なかったけど」

春香(未来)「えへへ、やっぱり可愛いなぁ」ナデナデ

千早「もう……」

千早(未来)(すごくにやけてる……)

春香「ふあ……ぁ、おはよう」

千早(未来)「おはよう」

春香(未来)「よく眠れた?」

春香「うん…………ん?」

春香(未来)「千早ちゃんの膝枕だもんなぁ、すごく気持ちいいよね」

春香「う、うん?」

春香(未来)「この前耳かきしてもらったんだけど、すっごく気持ちよくて」

春香「えっ!? いいなぁ」

春香(未来)「『もう、仕方ないわね』って言ってても優しくしてくれて」

春香「うんうん!」




千早「馴染むの、早すぎない?」

千早(未来)「春香だからこそ、ね」

千早「それにしても耳かきって」

千早(未来)「あら、あなたもご所望かしら?」

千早「……考えておくわ」

春香「って、うわぁ!」

春香「千早ちゃん、千早ちゃん!」

千早「?」

千早(未来)「?」

春香「私!私がいるよ!」

千早「今更ね……」

千早(未来)「実に春香らしいわね」

春香(未来)「たはは……」


千早(未来)「ちなみに春香はトップアイd」

春香(未来)「ストップ!ストーップ!」

千早「?」

春香「?」


千早(未来)(さすがに教えすぎかしら)

春香(未来)(そうだよ!恥ずかしいよぉ)

千早(未来)(そうじゃなくて……)

千早「そういえば、どうして春香まで未来から来たの?」

春香「不思議だよね」

春香(未来)「えー、だって千早ちゃんばっかりズルいもん」

千早「はあ」

春香(未来)「デビューしたてのみんなとレッスンしたり、変装しないで堂々とショッピングしたり」

春香(未来)「自分自身と姉妹みたいにおしゃべりしたり楽しそうだなぁって」

春香「うんうん、わかるかも!」


春香(未来)「っていうのは半分冗談で」

千早(未来)「もう半分は本気なのね」




春香(未来)「千早ちゃんを迎えに来たんだ」

春香(未来)「そろそろ未来に帰らないといけなくて」

春香「え……?」

千早「帰る……?」



春香「で、でも千早ちゃんが」

春香(未来)「だって千早ちゃんがいなくなっちゃって大変なんだよ!?」

千早「それは……」

千早(未来)「まあ、そうよね」

春香(未来)「新しい撮影の衣装が嫌すぎて逃げちゃったって言い訳もそろそろ限界なんだよぉ!」

千早(未来)「ちょっと」

春香「衣装?」



春香(未来)「白スク水と猫耳なんだけど」

千早(未来)「私決めたわ。絶対に帰らない」

春香「着なきゃダメだよ!」

春香(未来)「絶対かわいいのに!」



千早(未来の私に同情してしまう……)

春香(未来)「千早ちゃんにはぜったいに着てもらうとして、とにかくわたしたちは帰らないと」

千早(未来)「絶対拒否するとしても、やっぱり帰らないとね」

春香「見たいなぁ、千早ちゃんの白スク水と猫耳」

千早「私の方を見て言わないで頂戴」



春香(未来)「夜のうちに律子さんが作業するらしいから、寝て起きたら元通りだって」

千早(未来)「ふふ、あと一晩だけお世話になるわね」

千早「ええ」

千早(未来)「春香はどうするの?」

春香(未来)「私は私のお世話になろうかなぁ」

春香「えへへ、楽しみだね」

春香(未来)「えへへ、よろしくお願いしますっ」



千早(未来)(仲のいい姉妹みたいで癒されるわね)

千早(仲のいい姉妹みたいで癒されるわね)

千早(未来)「それじゃ、そろそろ帰りましょうか」

千早「ええ」

春香(未来)「じゃあ私たちも行こっか」

春香「うん」



春香(未来)「あ、そうだ!」

千早「?」


千早(未来)「忘れるところだったわ」

春香「?」




春香(未来)「みんなのこと、お願いねっ」

千早「…ええ」



千早(未来)「みんなのこと、お願いね」

春香「うんっ」




春香(未来)「それじゃ、今晩だけお邪魔するね」

春香「えへへ、お母さんも喜ぶと思うよ」





春香「あっ、そうだ!」

春香(未来)「?」

春香「いっしょにお菓子作ろうよ!」

春香(未来)「あ、それいいかも!」

春香「ご指導、よろしくお願いますっ」

春香(未来)「ふふん、任せなさい♪」



千早「……なんだか張り切ってるわね」

千早(未来)「きっといいことでも思いついたんでしょう」

千早「?……そう」

千早(未来)(明日春香が持ってくるであろう差し入れのお菓子を食べられないことが何より悔しい)

千早(未来)「春香と春香の共同作業のお菓子なんて……未来永劫味わえないというのに」

千早「はあ……?」

千早(未来)「共同作業で思い出したけど、晩御飯いっしょに作らなきゃね」

千早「ええ、よろしくお願いするわ」

千早(未来)「ふふっ、任せなさい」



……



千早(未来)「……とは言ったものの」

千早(未来)(カレーを作るときに分けて保存しておいたものに味付けしただけなのよね)




千早「やったわ! できたわよ!」

千早(未来)「うん、美味しいわね」

千早(作り方、忘れないようにしよう)

千早(未来)(可愛いから良しとしましょう)

千早(未来)「これに満足しないで、腕に磨きをかけることを勧めるわ」

千早「そうね……そうするわ」

千早(未来)「春香がご機嫌斜めになっても、手料理を食べさせてあげたら大抵のことは許してくれるから」

千早「えっ」

千早(未来)「そもそも春香も春香でね……」

千早「ええ……」




千早「ごちそうさまでした」

千早(未来)「ごちそうさまでした」

千早「私は後片付けをするわね」

千早(未来)「じゃあ、その間にお風呂を沸かしちゃうわね」

千早「ええ、お願い」





千早「ふう、終わったわよ」

千早(未来)「お疲れ様」

千早(未来)「それにしても、二人で分担すると家事も捗るわね」

千早「自分が二人いたら、なんて願いが思いがけず叶っちゃったからね」

千早(未来)「私の分身にしては、ちょっと頼りないけどね」

千早「そこは……まあ、その、成長する…はずよ」

千早(未来)「ふふ、頑張りなさい」

千早「まずは歌を…それからダンスも…ううん、それよりも表現の幅を広げるために……」

千早(未来)「はい、ストップ」

千早「いたっ!?」

千早(未来)「焦らずに、ひとつひとつ出来ることを増やしていけばいいわ」

千早「む……」

千早(未来)「私がそんな器用にあれもこれも出来る筈ないでしょう」

千早「自分から言われると納得するしかないわね……」

千早(未来)「そういうこと。お風呂も沸いたし、入っちゃいましょうか」

千早「ええ」

~その頃、天海家~



春香(未来)「どうかな?」

春香「わあ……すごい!こんなに上達してるなんて自分じゃないみたい!」

春香(未来)「えへへ、そうかな?」

春香「明日事務所に持って行ったらみんなびっくりするかな」

春香「……はっ!?」

春香(未来)「??」

春香「そうしたら、その次に持って行くお菓子のハードルが上がっちゃうかも…」

春香「どどど、どうしよう……って、うわぁ!?」

ドンガラガッシャーン

春香(未来)「ああっ、大丈夫……って、わわっ!?」

ドンガラガッシャーン




春香・春香(未来)「「お母さぁん!助けてぇ!!」」

千早(未来)「……はっ!?」

千早「どうしたの?」

千早(未来)「いま春香がまた転んで大変なことになってそうな予感が……」

千早「そんなまさか」

千早(未来)「そうよね……はい、流すわよ」

千早「ん……それに未来の春香もいるんだし大丈夫じゃないかしら?」

千早(未来)「…………もし春香2人が同時に転んだとしたら」

千早「……」

千早(未来)「……」



千早「なんだか寒気が…」ブルッ

千早(未来)「……はやく湯船に浸かっちゃいましょう」

千早「そうね」

千早「ちょっとドジなところは変わらないのね」

千早(未来)「そこが春香のいいところでもあるし、ね」

千早「危なっかしいから目が離せないのだけど」

千早(未来)「ふふっ、そうね」

千早「アイドルとしての春香はどう?」

千早(未来)「そこもきっと、今と変わらないわよ」

千早「??」

千早(未来)「春香のパフォーマンスを見られなかったのは残念だったかもね」

千早「これからを見ていけばいいのよ」

千早(未来)「ん、よろしい」

千早「成長した春香ね……」

千早(お姉さんって感じが強かった、かな?)

千早(ステージではどんなパフォーマンスをしてるのかしら……)

……




千早(未来)「ふう、すっきりした」

千早「あら、携帯に……メール?」


千早「……」

千早(未来)「どうしたの?」

千早「春香からだわ」

千早(未来)「どんな事が書いてあるか容易に想像つくわね」

千早「……これ」


添付画像:散らかった大惨事



千早(未来)「ちょっと貸して」

千早「……ええ」

千早(未来)「撮ってないではやく片付けなさい、と」

千早「さっきの予感」

千早(未来)「悪い方に的中したみたいね」

千早「…………ぷっ」

千早(未来)「ふ……ふふっ」


千早「実に春香らしいわ」

千早(未来)「ええ、本当に」

千早(未来)「さて、そろそろ寝ましょうか」

千早「ええ」

千早(未来)「こうして2人で眠るのも、これで最後になるわね」

千早「ようやく広く使えるわ」

千早(未来)「そうね」

千早「ちまちま小言を言われる事もないし」

千早(未来)「ええ」

千早「せっかく苦労して、作った料理に駄目出しされないし」

千早(未来)「上達なさい」

千早「こうして、2人で……っ、色んな話も……」

千早(未来)「うん」

千早「また…ひ、1人ぼっちにっ…も、戻るだけ、だからっ……!」

千早(未来)「うん……」


千早「っく……うぅ」

千早(未来)「ほんと、甘えんぼで寂しがりやの泣き虫さんなんだから」

千早「うん……っ」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom