穂乃果「短冊への願いはご計画的に」 (24)
~穂乃果の部屋~
穂乃果「う~みちゃ~ん」
海未「はい。なんですか?」
穂乃果「勉強疲れたぁ」
海未「そうですね……勉強を始めてかれこれ二時間ですから、そろそろ休憩にしましょう」
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穂乃果「二時間!? 穂乃果にしてはよくやった方だよ!」
海未「そうですね。穂乃果にしては、ですね」
穂乃果「ふふーん。じゃあ、ちょっと休憩……あれ、ことりちゃんは?」
海未「ことりなら取りに行く物があると言って、30分くらい前に家に帰りましたよ」
穂乃果「へー、気付かなかったなぁ」
海未「それくらい集中していたからでしょう。よく頑張りましたね」
穂乃果「えへへー。褒められた」
海未(普段からもうちょっと頑張ってくれたら嬉しいのですが)
海未「では、30分ほど休憩にしましょうか。その後、少しだけ勉強したら私はおいとま致します」
穂乃果「うん、了解」
ガチャ
ことり「お待たせぇ」
穂乃果「あっ、ことりちゃん」
ことり「穂乃果ちゃん。勉強終わったんだぁ」
穂乃果「今は休憩中だよ」
海未「そういえばことり、何を取りに戻っていたのですか?」
ことり「あっ、実はね……」
ことり「ジャジャーン!」
穂乃果「おぉ、笹だ!」
海未「どうして笹……あっ、そういえば今日は七夕でしたね」
ことり「うん。だから、ほらぁ」
穂乃果「短冊だぁ!」
海未「わざわざ用意してくれたのですか?」
ことり「家にあったからお母さんにお願いして貰って来ちゃった」
海未「なるほど」
穂乃果「そういや小学生の頃、よく三人でやったよね」
ことり「うん。家に笹があるのを見たら懐かしくなっちゃって、また三人でやりたくなっちゃった」
海未「そうですね。私もなんだか、懐かしい気分です」
穂乃果「じゃあ今から七夕やろぉ!」
海未「べ、勉強は?」
穂乃果「そんなの後々。勉強なんていつでも出来るけど、七夕は一年に一回だけなんだよ!」
海未「それもそうですが……あなたは期末の赤点を回避しなければならないのですよ!?」
穂乃果「分かってるけどぉ」
海未「ほら、ことりからも……」
ことり「海未ちゃん。やろ」
海未「こ、ことり?」
ことり「海未ちゃん……おねがぁい」
穂乃果「海未ちゃぁん」
海未(こ、これは反則過ぎです!)
海未「わ、分かりました。やりましょう!」
穂乃果「わーい。海未ちゃん、だぁいすきぃ!」
海未「ですが、終わったらまた勉強ですよ」
穂乃果「海未ちゃん、だぁいきらぁい……」
◇ ◆ ◇ ◆
ことり「書けたよ」
海未「はい。私も書けました」
穂乃果「もう書けたの!?」
海未「短冊に書く願いは既に決まってますから」
ことり「うん。ことりも最初から決めてたよ」
海未「穂乃果の場合、願いが思い付かないというよりかは、願いが多くて決められないってとこですかね」
穂乃果「えー、悪い?」
ことり「でも、夢が一杯あるのって羨ましいなぁ」
海未「そうですねぇ」
穂乃果「じゃあ二人の短冊見せ……」
海未「こういうのは三人一緒に見せるものですよ」
穂乃果「そうだよね」
ことり「穂乃果ちゃん。焦らなくてもいいよっ」
海未「じっくり考えて下さい」
穂乃果「う、うん」
穂乃果(とは言っても……)
ことり「海未ちゃんは『変身ヒロインになりたい』って書いたことあるよね」
海未「そ、それは昔の話です!」
穂乃果「昔……」
穂乃果(穂乃果の願いかぁ……)
ほのか『うみちゃん。書けた?』
うみ『はい。書けました』
ことり『わたしも書けたよっ』
ほのか『じゃあ、見せあいっこしようよ!』
ことり『うん』
うみ『わかりました』
3人『せーの!』
穂乃果(うん。やっぱり、こうだよね)
穂乃果「出来た!」
穂乃果「じゃあ、三人で見せあいっこ……」
海未「いえ。この場合、先に書けた順番からやりましょう」
穂乃果「さっき海未ちゃん三人でって!」
海未「待たされましたからね。ルール変更です」
穂乃果「えっ、それじゃあ穂乃果が最後!?」
海未「期待してますからね」
穂乃果(海未ちゃんの笑顔がプレッシャーに感じる……)
ことり「じゃあ、まずはことりからだねっ」
『衣装作りを頑張る』
穂乃果「おぉー」
海未「ことりらしいですね」
ことり「えへへ」
海未「ほんと、ことりにはいつも感謝しています」
穂乃果「そうだね。ありがと、ことりちゃん」
ことり「ううん、こちらこそ。あっ、新着のデザインがあるんだけど……」
穂乃果「あっ、見たいみたい!」
ことり「うふふ、じゃあ今度見せるね」
海未「あの、ことり。その衣装はその、露出とかは……」
ことり「なーいしょ。なーいっしょ、ふふっ」
海未(ことりの笑顔からして嫌な予感しかしませんね)
穂乃果「じゃあ次は海未ちゃん」
海未「こ、こほん。では、私はコレです」
『健康第一』
穂乃果「なんていうか」
ことり「現実的というか」
海未「身体は資本なのです。今ここで身体を壊したらスクールアイドルなんて夢のまた夢です」
穂乃果「海未ちゃんらしいね」
ことり「そうだね」
穂乃果「二人のお願い、普通に叶いそうな願いばっかりだね」
海未「あまり突拍子もない願いを書く年頃でもありませんから」
ことり「変身ヒロイン?」
海未「それはもう忘れて下さい。大体、そんなお願いなんて叶いませんから」
ことり「じゃあ海未ちゃん用にことりが衣装作ってあげるねっ」
海未「ことりぃ~」
穂乃果「よし、じゃあ穂乃果のお願い発表するよ」
ことり「待ってました」
海未「期待してますよ」
穂乃果「穂乃果の願いは……コレ!」
『三人いつまでもずっと、ずっと仲良くいられますように』
海未「穂乃果……」
ことり「穂乃果ちゃん……」
穂乃果「えっと、ダメかな?」
ことり「ダメじゃないよ」
海未「ずっと仲良く……夢があっていいと思いますよ」
ことり「穂乃果ちゃんらしいよね」
海未「と言いますか、現に私達三人は今でも仲良しではありませんか」
ことり「中学、高校も同じってのも珍しいよね」
穂乃果「そうだね」
穂乃果(だって穂乃果の願いは、あの時と変わってないから)
ほのか『ほのかはね。おーっきくなっても、ことりちゃん、うみちゃんと仲良しでいたいよ。ダメかな?』
ことり『い、いいにきまってるよ! ことりだって仲良しでいたいもん!』
うみ『わ、わたしも! 三人べつべつなんて考えたくないです!!』
穂乃果(あの頃の願い。今も叶ってるよ……多分、これからもずっと)
穂乃果「じゃあ、短冊を笹に括って窓から飾ろう!」
◇ ◆ ◇ ◆
穂乃果「よいしょっと……わぁ、星が綺麗だよ!」
ことり「ほんとだぁ」
海未「天の川は見えませんが、こんな星空は普段見れませんね」
穂乃果「これもことりちゃんが笹を持って来てくれたおかげだね」
海未「えぇ……ことり、ありがとうございます」
穂乃果「ありがとう、ことりちゃん」
ことり「どういたしまして」
ぐぅ~
穂乃果「あっ、お腹が鳴っちゃった」
ことり「もう八時だね」
海未「お腹も空きますね」
穂乃果「そろそろ帰る時間だから、二人とも玄関まで送るよ」
海未「あぁ、それなら……」
母「穂乃果、ご飯よ。ことりちゃんも海未ちゃんもいらっしゃい」
ことり・海未「はーい」
穂乃果「あれ、二人ともウチでご飯食べて行くの?」
ことり「そうだよ」
穂乃果「えっ、穂乃果聞いてないよ」
海未「穂乃果が笹を飾っている間に、穂乃果のお母様にお願いをされまして」
穂乃果「えっ、なんて」
海未「穂乃果の勉強を付きっ切りで見て欲しい、と」
穂乃果「……」
海未「付きっ切りは無理だと思い断ろうと思いましたが、穂乃果の願いを聞いてこれは叶えないといけないと悟りました」
穂乃果「えっと、つまりそれって……」
ことり「そ~れ~は~ね」
海未「今日は泊まり込みで穂乃果の勉強を見てあげますね」
ことり「ことりも手伝うよ」
穂乃果「えぇー!?」
海未「ちなみに親の許可は取ってます」
ことり「こっちもばっちし」
穂乃果「そ、そんなぁー!?」
海未「さぁ穂乃果。私達が仲良くいられる為にまずは赤点回避が最大目標です。ラブライブにエントリー出来ない、ついでもって解散となったら、それこそ友情崩壊です! なんとしてもそれは阻止しなくてはなりません!!」
ことり「穂乃果ちゃん。ファイト、ファイト」
穂乃果「絶対に叶わないお願いにすべきだったよぉ! 穂乃果のバカ~!!」
☆ おわり ☆
以上、終わり
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グッド