ねこちゃん「お菓子の国がたいへんだ!」 (4)

うさぎちゃん「Ⅰ型糖尿病……?!」

ねこちゃん「どの病院でも対応に追われ、緊急対策会議が各地で開かれている状況です。もはや国民の平均血糖値は、十年前とは比較にならないほど上昇しているのです」

うさぎちゃん「馬鹿なッ……ここは楽しい夢の国ではないのか?!」

ねこちゃん「菓子と紅茶ばかりの生活…… 遅かれ早かれこうなる運命だったのです」

うさぎちゃん「しっ、しかし、この国にはそれ以外の食糧が!!」

ねこちゃん「……早急に、対策を練ります。失礼」

うさぎちゃんは、すっかり太くなった腹回りを見つめた。
もう何年も外で遊んでいない。お菓子以外のものを食べてもいない。
この身体の中で今、全身性の疾患が蠢いているのだ。

美しい薔薇には毒があった。

自分たちが望んだ生活がどれほど愚かだったのかを知って、うさぎちゃんは一人泣いた。


―END―



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