奉仕部の三人は居場所について考える (958)

※注意点

・原作から少し選択を変えたif的な話です
・モノローグ多い上にたぶん結構長いです
・想像と自己解釈で書いてる部分が多いので、他の人と解釈が違う部分もあるかと思います
・視点はコロコロ変わります


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お互い話を切り出すタイミングを窺いながら淡い陽光の中を歩いていると、不意に由比ヶ浜が口を開いた。

「ゆきのんさ、出るんだね。選挙」

「ああ」

「……あたしも。あたしもやってみようと思うの」

その言葉の正確な意味を頭で理解するよりも先に、胸の内に不快感と焦燥感が訪れた。

雪ノ下が立候補すると言った生徒会長選挙に、由比ヶ浜も出ると言っている。

雪ノ下の話を聞いたときもそうだった。

頭での理解よりも先に拒絶反応があった。そうさせてはならない、と。

だが俺に感情の押し付けなどできない。まずそう考えた。

だから、それに肉付けをするように理屈を、論理を、合理性を重ねて取り繕い、俺の意思とする。さっきそうして雪ノ下に反対をしたばかりだ。

いや、明確な反対の意思は伝えていないに等しい。なんとかして対案を挙げようとしていただけだ。

先ほどの俺は否定できるだけの十分な理由を自分の中に見つけられなかった。だから俺が最初に抱えた、自分でも言葉にし難い拒絶反応は何も伝えられていない。

雪ノ下の場合は、そこに本音があるのではないかという考えが頭をよぎったから、というのもあるが。

由比ヶ浜に関しても、同様に認めることなどできない。そうさせたくないと俺の中のなにかが求めている。

だが、雪ノ下も由比ヶ浜も俺の許可など必要としていないし、理屈の上では彼女たちのほうがよほど合理的な判断をしている。だから、そんな無機質なもので覆われた言葉では彼女たちに届かないのだろう。

ならば、頭での理解より先に訪れたものが、俺のどこから来たものなのか考えねばならない。

それはきっと、感情というものだ。そのぐらいはいくらなんでも、俺にでもわかる。

ここで考えなければならないのはそれよりも前。その感情が、俺のどういった思いから発せられたのかだ。

今、由比ヶ浜と話しながらでも考えなければ手遅れになりそうな気がした。

「は?お前、なんで……」

「あたしさ、なんもないから。あの部活でできることも、やれることもなーんもないんだなって。だから、逆にそういうのもありかなーとか」

そんなこと、あるわけがない。

俺が、雪ノ下が、由比ヶ浜の存在に、言葉に、優しさにどれだけ助けられて、救われてきたのか。

こいつがこんな風に思うのは、きっと俺たちが悪いのだ。

不器用だから。照れ臭いから。恥ずかしいから。すべて自分可愛さの、偏狭な自己愛の成れ果ての言い訳。そんなくだらないことで、由比ヶ浜にきちんとした言葉を伝えていないからだ。

俺は否定しなければならない。事実、そんなことはないのだから。

「んなことねぇだろ。お前、よく考えたのか」

「考えたよ。考えて……あたしが好きな奉仕部を守るには、これしかないって思ったの。三人の中で、いなくても奉仕部が成り立つとしたらあたしだけだから」

「それは違う」

由比ヶ浜が自分をそんな評価しかしていないということが、俺の胸に締めつけるような痛みを与える。

「違わないよ。あたし、あの部活でなにもできてないもん。だから……」

弱々しく話す由比ヶ浜の目尻には涙が浮かんでいた。

否定しないと。俺の知っている、俺の期待している、俺の居心地のいい奉仕部の光景には由比ヶ浜が必ずいる。

それだけはなんとしても伝えないと。

「違う。絶対に違う。あの部活は三人じゃないと、もう成り立たないんだ。お前がいなくなったらもう奉仕部じゃない。形の上では残ったとしても、それは別のなにかだ」

「ありがと、ヒッキー。そう言ってもらえて嬉しいよ。けど、もう決めたんだ」

今さら取り繕ったような言葉を重ねる俺なんかに向かって感謝の気持ちを述べる由比ヶ浜の言葉は優しくて、力強かった。そして、瞳には決意の色が見てとれた。

俺の言葉は、願望はまだ、届いていない。そして由比ヶ浜は理解した上で言っている。生徒会長になれば自分が奉仕部に行けなくなる可能性を。

考えろ。俺が今そこにいる由比ヶ浜に、生徒会長になってほしくない理由を。

「…………俺は今までお前らのことも、自分のこともよく考えずに勝手にやってきたから、また勝手に言わせてもらう。それはやめてくれ由比ヶ浜。お願いだ」

こんなのはただの願望の押し付けでしかない。まだ明確に思考になっていない、言葉にできていないものがある。探せ。言葉にするんだ。

「やめてよヒッキー……。せっかく決意したのに、ヒッキーにお願いとか言われたら、揺らいじゃうじゃん……」

「俺が今までさんざんおかしなことやってきたのはわかってる。けど俺は……お前や雪ノ下が犠牲になって守られる奉仕部なんかいらない」

自分の言葉にハッとなる。

そうだ。俺は彼女たちの犠牲が、悲しむ姿が見たくないのだ。たったそれだけの話なんだ。

きっと由比ヶ浜は選挙に当選すれば立派な生徒会長になる。由比ヶ浜は誰よりも素敵な女の子だ。みんなにも慕われる。

最初はうまく奉仕部との掛け持ちができても、生徒会の連中も無碍にできなくなる。そしていずれ限界が訪れるだろう。

そうなると奉仕部は失われる。今の俺と雪ノ下だけでは維持はできない気がするから。

由比ヶ浜は自分が行けなくなることも覚悟して大事な奉仕部を守り、その結果守ろうとしたもの、そのものを失う。そんなの自己犠牲にもなっていない。ただの悲劇だ。

こんなにも素敵な女の子に、そんな思いをさせることをわかっていてじっとできるほど、俺は無関心じゃないし鈍感でもない。

由比ヶ浜がこう決意せざるを得ないほどに追い込まれているのは俺のせいだ。今回の依頼に対して、俺にできることがあまりにもないのだ。

雪ノ下にも言われたが、応援演説で一色を不信任にすることがどれだけ非現実的なのかは自分でも理解している。

俺にできることは本当にもうないのか?

雪ノ下が、由比ヶ浜が生徒会長になれば、奉仕部は終わってしまうのか?

奉仕部がなくなると、俺たち三人が自然に居られる場所はなくなってしまうのか?

三人の居場所。

そうだ。居場所、それは必ずしも奉仕部である必要はないんじゃないのか。

雪ノ下が生徒会長になり、生徒会から奉仕部に来れなくなるのであれば。

俺たちもそこに行くことができるなら、それは三人の居場所に成り得るのではないか。

「でも、今回は……なにも失わずに守るのは無理だよ……」

由比ヶ浜は困惑しきったような表情を浮かべ、力なく項垂れた。そんな顔、しないでくれ。

「いや、無理じゃないかもしれない。お前が生徒会長に立候補しようとしてる理由はなんだ?」

順番に考えるんだ。そうすることで見えてくるものがあるはずだ。

「それは、あたしが……好きだから。あの部活が」

「そうじゃないだろ。よく考えろ」

「なんでそんなこと言うの……。ほんとに好き、大好きなの、あたし」

「あ、いや、えっと。その……」

自分のことを言われているわけがないのに、こんなときにまでその言葉に反応してしどろもどろになってしまった。慌てて話を続ける。

「好きなのは、その、なんとなくわかってる。けどそれは奉仕部ってわけじゃないだろ。例えば、仮に雪ノ下と俺がいなくてもお前は奉仕部を守るのか」

「それは、違うかな……。あたしが好きなのは、ゆきのんとヒッキーのいる奉仕部だから」

「だろ。なら奉仕部にこだわらなくてもいいんじゃないのか」

「どういうこと?」

由比ヶ浜は首を傾げながら怪訝な表情をこちらに向ける。

「俺たち三人は奉仕部がなくなったらおしまい、関係はそこで切れてそれまでだって、お前はそう思ってるのか」

俺はそう望んでいない。由比ヶ浜もそうであってほしい、そうであってくれとささやかな祈りを込めて話す。

「ううん、そんなことない。そんなの、やだし。先のことなんてわかんないけど、卒業してもずっと一緒がいい……」

「それならなおさら、奉仕部にこだわることなんかねぇだろ。守るべきなのはあの場所じゃない、この繋がりだ」

自分の言っていることはまちがっていないか。もう一度心に問いかける。

……まちがってはいないはずだ。彼女の願いを、俺の思いを順番に考えていくとこうなる。奉仕部自体はただのラベルで、ただの部屋だ。

一緒のメンバーで同じことをやり続けたい、このままでいたい。それがお互いの求めるものであれば、きっとまちがいではない。そのはずだ。

「ヒッキー……そんな風に思ってくれてるんだ、嬉しいな……。けど、どうするの?部活とかなんか理由がないとヒッキーは帰っちゃうし、ゆきのんは生徒会にかかりきりになるじゃん……」

「あの部活がなくなったとしても別の形で、同じようにいられる手段ってあるんじゃねぇか。例えば……生徒会とか」

「……えっと、三人で生徒会に入るってこと?」

「そう、要は奉仕部の場所を生徒会に移すだけだ。もともと依頼にしてもほとんど平塚先生とか生徒会絡みなんだから、今までとそんな変わんねぇだろ」

「そっか……。それならゆきのんが生徒会長になっても、今まで通りみたいにやれるかも……」

「生徒会のことは当然生徒会全員でやる。けど個別の依頼は生徒会とは無関係なんだから、これまで通り三人でやればいい。……どうだ、無理な話か?」

「む、無理じゃないかも……。じゃあ、ゆきのんはもう引き留めないんだね?」

「ああ。雪ノ下が自分で決めたことだから、もうそれは止めない、止めちゃいけない気がする……。だから生徒会長になってもらう」

雪ノ下が生徒会長をやるのを私の意思と言ったことが、やってもいいと言ったことが本音なら。

過去に俺がやった、欺瞞を認めるような解決策を、それはまちがっていると教えようとしてくれているなら。

それは否定すべきじゃない。俺にそんな資格はないから。

その考えはきっと、最初から頭の片隅にあった。

だが今こうして立ち止まって、雪ノ下が生徒会長でもという前提で考え直したから、それに気付くことができた。

きっと俺のやり方を押し付けたままでは、彼女たちの選択を単純に否定したままでは素通りしていたのではないかという気がした。

「あ、あたしはどうすればいいのかな?副会長、とか?立候補?」

「そうだな。なんかの役職に立候補すればいいんじゃねぇか。副会長か……お前に向いてそうなのは会計かなと思うけど。なんか主婦みたいな謎の会計能力持ってるし……」

「それ文化祭のときのこと言ってる?なんで覚えてるのそんなの……。うーん、何にするかはまた考えてみる。それでヒッキーはどうするの?」

由比ヶ浜は話の続きを促してくる。未だ戸惑いつつではあるが、表情にいつもの柔らかさが戻ってきているように見えた。

俺の言葉が届いたのかと思い、少しだけ安堵する。

「……俺はなにに立候補しても当選なんかしねぇからな、役付きは無理だ。庶務ってとこだな」

情けない話だが、たぶん信任投票でも不信任になる。あの悪評がどこまで広まっているのか定かではないが、相手がいなくても厳しい戦いになることは間違いない。

やはり今の俺を苦しめるのは過去の俺だ。ならば、未来の俺を苦しめるのは今の俺なんだろう。

今の俺の行動は、未来の俺を苦しめることになるだろうか。いつも後悔はしないよう選択しているつもりだが、後悔は必ず後にしかできないから、今を常に迷っている。

「そっか……。あの場所じゃなくても三人で自然にいられる方法とか、考えたことなかった……」

「俺もだ……。それに、あのな。勘違いかもしれねぇけど……。雪ノ下が生徒会長やってもいいって言ったのは、本音かもしれんと思ってな」

「そう、なのかな……。でも確かにああいうのやってる時のゆきのんって、イキイキしてて楽しそうだよね」

「あいつは俺と同じで理由がないと、建前がないと自分で動けないんだよ、たぶん。一色の依頼で生徒会長をやってもいいって理由が与えられたんじゃねぇか」

雪ノ下と俺が似ているとはもう思っていないが、ある意味では同種の人間なのかもしれない。

それはあまりよくないことなのかもしれないが、感情の押し付けを醜いものと考え、良しとしないという気持ちは俺にもよくわかる。

そして、理由がなければ、建前がなければ動くことができないというのは俺も同じだ。

だが今の俺は、己の感情に端を発するものから考えて、納得のいく結論を出すことができたと思っている。

雪ノ下のやり方を否定せず、何も壊さないようにと願った結果だ。

最終的には、俺個人の願望と呼んでも差し支えはないものではあるが。

「ゆきのんてさ、なんでそういうの言ってくれないのかな……。ちゃんと言ってくれたらわかるのに……」

由比ヶ浜は唇を尖らせて足元の小石を蹴る仕草をする。なんだそのいじらしい仕草は……。由比ヶ浜らしいな。可愛い……かもしれない。

「それが言えたら雪ノ下じゃないな。あってるかどうかもわかんねぇから、雪ノ下ともう一度話してみないか?」

「うん、話してみようよ。話さないといけないんだと思う。あたしたち今ビミョーじゃん……。ゆきのんも、ヒッキーも、あたしも。ちゃんと思ってること伝えないと……」

「……そうだな。俺のせいなんだけどな。迷惑かける」

事の発端は一色の依頼ではない。

なんでもないはずの依頼がここまで気まずくなるほどこじれたのは、修学旅行の俺の行動のせいだ。俺のついた嘘のせいだ。

俺はかつて誰かと共有していたと思っていたあの信念を、取り戻せているだろうか。

「ううん。ヒッキーに任せっきりだったあたしたちも悪いから……」

由比ヶ浜は申し訳なさそうに、控えめな優しい笑顔を向けてくれた。

先程まで見せていた悲壮で物憂げな表情からすれば格段の変化だ。その顔を見て、ぞわぞわとした焦燥感が薄れていくのが自覚できた。

だから、いつものように戻った由比ヶ浜ともう少しだけ一緒にいて、安心したいと思った。

「じゃあ、もうちょっと、一緒に帰るか」

「え?あ、うん……。ね、ヒッキー」

「なんだ」

「あたしたちのこと考えてくれて、ありがと」

「よせ、そういうのは。俺はそんな感謝されるようなことはしてねぇ。今回は本当に、できることがないんだ」

いつもの問題を先送りにして、最終的に台無しにするような手すら使えなかった。出せるのは現実味のない、誰も特をしないし解決もできなそうな愚策だけだった。

「なんでそんな風にしか言えないかな……。まぁいいや。あたしが勝手に言うだけだから。それならいいでしょ?」

由比ヶ浜は引かなかった。それでも俺に感謝を伝えたいと。

「……好きにしろ」

顔を背けながら無愛想な言葉を返す。

俺がそれを望まないからと、願望を押し付けただけではあるが、それがお互いの望みと重なるのであれば。

その感謝の言葉は、ありがたい。また俺は救われたのかもしれない。

「うん、好きにする。ね、いつからあんなこと考えてたの?」

「そうだな、雪ノ下が立候補するって言ってから考え初めて……最初はそんなの認められないって思ってたんだけどな」

「だよね。ヒッキーも反対してたし」

「雪ノ下のやっても構わない、って言葉が引っ掛かってたのと、あとは……具体的に思い付いたのはついさっきだよ。お前が立候補するって言い出してからだ」

「そうなの?」

「ああ。お前らに俺の感傷を押し付けるなんてしたくねぇって思ってたけど……。それでも俺は、お前が守ろうとして何かを失うのは見たくない。そう思って順番に考えたらさっきの結論になった」

半歩後ろを歩く由比ヶ浜の足音が聞こえなくなったので、何事かと振り返って顔を見る。

潤んだ表情で俺を見つめていたので、思わず狼狽えそうになる。

「…………抱きついて、いい?」

さらに重ねられる突然の言葉に、思わずあとずさってしまった。何を言い出すんですかこの子は……。

「ばっ、なんでだよ。こんなとこで駄目に決まってんだろ」

いかん、余計な言葉をつけてしまった。

「そう。じゃあまた今度、別のとこならいい?」

やっぱり!由比ヶ浜はその言葉を逃してくれなかった。違うんですよ……そうじゃなくてですね……。

「いや、今度もねぇから……」

「……ないの?」

首をかしげ、キョトンとした表情を浮かべる。その頬は紅潮しているように見えた。この赤さは夕焼けのせいではないはずだ。

いや、可愛いけど……恥ずかしいなら言うなっての……。

「聞くな、そんなの……」

「そっか、わかった。明日ちゃんとゆきのんに話さないとね」

「そうだな。ていうかな、俺は平塚先生の命令があるからあの活動から抜けることなんかできねぇんだよ。奉仕部がなくなりました、それではなんて通用しないから仕方なくだな……」

聞かれてもないのに唐突に、何に対してか、誰に対してかもわからない言い訳を吐き始める。

やだ……八幡くん気持ち悪い……。

「……わかったよ、そういうことにしとくよ」

由比ヶ浜は照れ臭そうに笑って、「言わなくてもわかってるよ」と伝えてくれた。

助かる……けど俺のほうが恥ずかしいな。間違いなく。

「そうしといてくれ」

「うん。ちゃんと伝わったから……。もう、大丈夫」

「……そうか」

本当に、俺の言葉で思いは伝わったのだろうか。由比ヶ浜の言葉にどんな裏があるのだろうか。

またそんな風にして、どこまでも優しい由比ヶ浜の言葉すら疑ってしまう。

無条件に信じることのできる他人は、今のところ俺には誰もいない。

そんなことを考えずに済む、わかっていると言えるような他人は、俺の人生に登場するのだろうか。

そんな人がいてくれたら。そんな人間関係があるなら。

───三人がそうなれたら。

俺はそれが欲しいのかもしれない。

由比ヶ浜と別れて家路についてからもそればかり考えていた。

そのうっすら見えたものは、強い光を直接見たあと目を閉じても残るおぼろげな像のように、目の奥に焼き付いて離れることはなかった。


一一一



由比ヶ浜と話をした翌日に、二人を部室に呼び出した。

俺と由比ヶ浜の方針は決まった。三人の話なのだから、雪ノ下に話すのは早いほうがいい。

扉を開けると二人は既にいつもの席に座っていたが、会話はなかった。うす、と短い声をかけていつもの席につく。

雪ノ下の表情は堅い。閉じていた目を開き、席についた俺を見ながら口を開く。

「わざわざ呼び出しすなんて珍しい真似をするのね」

口調も表情と同様、堅くて厳しいものだった。

「ああ。俺たちの結論を出そうと思ってな」

「私たちの、結論?」

「そうだ。お前の意思は変わらないか?」

「変わらないわ。これが最善手よ」

俺を真っ直ぐ見据えながら、迷うことなく芯の通った声で俺を突き刺す。

だが俺はたじろがない。想定していた答え通りで、むしろ安堵さえ覚える。

「部活は、どうするの?」

由比ヶ浜が遠慮がちに尋ねる。わかってはいたことだが、雪ノ下がこの部活をどうしようとしているのかは気になるのだろう。

「前も言ったでしょう。ここに影響するようなことにはならないって」

「そんなわけ、ないよ……。でも、それなら。ヒッキー」

由比ヶ浜は俺と視線を交わし、合図を寄越す。わかってるよ、ここまではちゃんと考えてたことだから。

意を決して、前もって用意していた答えを伝える。

「おお。わかったよ雪ノ下。お前は生徒会長になれ。それで、奉仕部はもう終わりだ」

「なんで……何故、そうなるの?」

雪ノ下に明らかな動揺が見てとれた。さっきまで揺らぐことのなかった力強い目が、今は伏目がちになっている。

そうだよな。いきなり終わりだとか言われると戸惑うよな。

「無理だよ、お前が生徒会長とここの兼任なんて。だからもう奉仕部はおしまいだ」

雪ノ下がなんと言おうと、これは由比ヶ浜も俺も同じ考えだ。

雪ノ下にそんなキャパシティはないし、要領よくやれるほどの器用さがないことも知っている。

だから奉仕部は形を変える必要があるのだ。

「……そう。わかったわ。でも奉仕部がなくなっても、私は……」

雪ノ下は諦観するように俺の言葉を受け入れた。その後にも何か言葉を続けようとしていたが、口から吐き出されるのは空気のみで部室に静寂が訪れる。

奉仕部がなくなっても、雪ノ下は。ここに続く言葉はなんだろうか。

俺の、由比ヶ浜の願うものと同じかもしれないと思うのは、都合がよすぎることだろうか。

静寂を打ち破ったのは由比ヶ浜の声だった。

「ゆきのん。あたし、会長以外の役職に立候補するよ」

生徒会長に立候補すると俺に伝えた声とは違い、透き通ったような、優しさに溢れた話し方だった。

「え?由比ヶ浜さん、どういう……」

意味がわからないといった様子でわかりやすく狼狽える。そこへさらに俺が言葉を追加して畳み掛けた。

「俺は庶務だな。立候補者のいない書記で信任投票になっても落ちそうだし」

「あなたたち……」

雪ノ下は呆然とした表情で力なく、意味があるのか判然としない言葉を呟いて、俺と由比ヶ浜の間で視線を動かしていた。

「ゆきのんと、離れたりはしないよ」

「ま、そういうアレだ。奉仕部は生徒会に移ることになるな。仕切り直しだ」

雪ノ下は俺たちの言っている意味を理解すると、顎に手をあててなにかを思案し始めた。数秒の間考え、ゆっくりと口を開く。

「……どっちから言い出したことなの?」

「ヒッキーだよ。あたしは生徒会長に立候補しようとしてたから……」

由比ヶ浜は辛そうに目を伏せて消え入りそうな声で話した。雪ノ下と争うという決断には痛みが伴ったせいだろうか。

「そう、比企谷君が……。これが、あなたの望む解決なの?」

「そうだ。お前の意思を汲んだ上で、お互いの望みを叶えるにはこれしかないと思った。…………不満か?」

「い、いえ。私は…………悪くない気分よ」

俺はこれまでに雪ノ下のいろんな笑顔を見てきた。

けど、あどげない少女のような微笑をたたえる雪ノ下の姿を見たのは始めてだった。

思わず見とれてしまっていたが、由比ヶ浜が視線を向けたことに気がついたので一瞬で我に返り、慌てて言葉を繋ぐ。

「そ、そうか。最後にもう一度、繰り返しになるが確認させてくれ。お前は生徒会長になっても、それが負担になることはないんだな?」

「ええ。やっても構わない、と思っているわ」

構わない、という言葉を強調したように聞こえた。

ああ、こいつはこういう言い方しかできないんだ。やりたいなんてことは言えないんだ、きっと。

……昨日気がついてよかった。違和感というものは馬鹿にならないものだ。

俺は俺の直感とか、そういうものをもう少し信じてやってもいいのかもしれない。

「ならいい。今度はまちがってないってことでいいのか」

「そうね……。こういうのも、ありなんじゃないかしら……」

「そうだな。ありだよな。もうお前だけには背負わせねぇよ。文化祭の二の舞はごめんだ」

素直な言葉だった。文化祭の失敗を繰り返したくない。なにより、由比ヶ浜にしろ雪ノ下にしろ、負担を他人に押し付けるというのは酷く居心地が悪い。

かといって俺が生徒会長などやれるわけがない。だったら補佐できる場所に俺もいる必要がある。

この思いを別の見方から言うと、他人に任せることができないということになる。

俺は結局、この二人を信頼していないことに他ならないのかもしれない。

「比企谷君…………」

名前を呼ばれて顔を上げる。気がつくと雪ノ下が頬を染めながら、すがるような瞳でこちらを見つめていた。

ちょっと、そういうのは動揺するんでやめてもらえますか……。

「なんだその目は。あんま睨まないでくれるか」

「に、睨んでなんかないわよ、失礼ね」

雪ノ下は恥ずかしそうに目を逸らしてしまった。睨んでいるのではないことは当然わかっていた。

こっ恥ずかしいからやめてくれという意味で言ってみたが、どうやら目論見はうまくいったようだ。

「……言わなくてもわかることって、あるんだね」

「由比ヶ浜さん?」

由比ヶ浜がぽしょっと呟いた。雪ノ下ははっきり聞こえなかったようだが、俺にはわかった。昨日の会話でも似たようなことがあったから。

「ううん。なんでもない。ゆきのん、あたし選挙勝たないといけないから、助けてよ!」

「あなたなら何もしなくても勝てるんじゃないかしら」

「そうだな。応援は三浦とかにすんだろ?お前なら勝てるよ」

「そうなのかな……。でも、落ちるわけにはいかないからやれるだけやるよ。あ、その前に何に立候補するか決めないと」

「んだな。あー、俺一色に話してくるわ。問題は解決するって」

言いながら席を立ち、返事を待たずに足早に部屋を出ようとする。

これ以上ここにいて、また妙な雰囲気になっても困るのでしばらく時間を空けようという思いがあった。

扉まで歩いたところで雪ノ下の声が背後から聞こえた。

「そうね。私は平塚先生に奉仕部の活動の場が生徒会に移っても構わないか話してくるわ。おそらくそれに関して問題はないと思うのだけれど……」

「けど、なんだよ」

「あなたも……来る?」

だから、そんなに恥ずかしそうに言わないでくれますか……。ていうか別に一緒じゃなくてもよくないですか。

「なんでだ、お前だけでいいだろ。平塚先生が俺をここから解放してくれるわけないし。誰か欲しいなら由比ヶ浜と行けば?」

「そ、そうね。由比ヶ浜さん、行きましょうか」

「……うん、わかったー」

由比ヶ浜の返事に少しだけ間があったことが気になったが、今はここから早く離れたかった。なんか恥ずかしいんですよ!

「じゃあまた後でな」

「ええ。また、あとでね。比企谷君」

「ヒッキー、またね」

挨拶もそこそこに扉を閉めて一色を探しに向かう。思ったよりスムーズに話がまとまったので気分は楽で、足取りは軽かった。

奉仕部は形を変えることになりそうだ。それに伴って俺たちの居場所も変わる。

なんとなしに振り返って部室の扉を眺めてみる。

そうか、もうすぐこの部屋に来ることはなくなるのか。

ただの学校の一室ではあるが、三人でいろいろな時間を過ごし、記憶を共有してきた場所だ。

俺の中では間違いなく、高校生活で一番思い入れのある場所だろう。

他の場所には思い出がないわけではない。たぶん。……いや、あるよね?

ともあれ、場所は変われど雰囲気も新たに奉仕部としての活動は継続されるのだ。悲観することなどない。

楽しい時間は、なくしたくないものはいつかは失われる。今回はなくしたくないものを失わなかっただけ良しとせねば。

俺の望むものに、居場所がどこかはさほど問題ではないのだから。


一一一


部活か、一年の教室か、どちらを探しに行くか迷った末、先に教室を見ておくことにした。外はちょっと寒いし。

落ち着かない気持ちで一年の教室を見て回る。放課後なので人はまばらなのが救いだ。

そもそもあいつクラスどこなんだよ、聞いときゃよかった。

たまに一年生から向けられる訝しげな視線にそわそわしていると、何個目かの教室で男子二人を相手に談笑する一色の姿を見つけることができた。

なんで部活に行ってないんですかね……。

都合よく同じ教室から出てきた別の男子に声をかける。

「すまん、一色さん呼んでもらえる?」

「はぁ、いいすけど」

呼んでもらう間に少しだけ移動して教室から離れてしばし。一色が教室から出てきた。

「葉山せ…………なんだ、先輩ですか」

俺を見つけるなり表情も声もがらっと変わる。ほんとこいつは……。

「悪かったな俺で。露骨に声のトーン変えやがって……。話があるからちょっと時間くれ」

「な、なんですか意味深な。告白とかやめてくださいよ、無理ですから」

なんなのその発想は。告白され慣れてるのか、もしかして。……うわぁ、すげぇされてそう。そして振るのにも慣れてそう。

「しねぇよバカ。いいから来い」

軽くあしらいながら人気のない階段まで歩く。

「ひっどーい!こんなに可愛い後輩のことバカって言いましたね!」

「あざといつーか嘘臭くて可愛くねぇんだよ、お前」

「なんですかそれ……。そんなこと言われたの初めてです……」

意外にも一色はしょげてしまった。それが作った可愛さであることはこいつ自身もわかってるだろうに。

…………でも、言い過ぎたかな。そんなしょげられると……困るじゃないか。俺にそんな趣味はねぇし、まだあざといほうが気が楽だ。

「ああ、いや悪い。顔は、その、可愛い部類だ。たぶん」

予想した通り、曖昧でへどもどした喋り方しかできなかった。フォローとか人を褒めたりとかは苦手です。どうも比企谷八幡です。

でも顔が可愛いってのはお世辞とかじゃなく、その通りなんだよなぁ……。

「それフォローになってるか微妙です……。でもまあ?一応?あ、ありがとうございます……」

よせよそんな照れた顔すんなよ。言った俺がもっと恥ずかしいだろ。

無理矢理話をぶったぎって本題に入ることにした。

「……で、話なんだが。お前の依頼は解決できそうだ。生徒会長にならなくて済むぞ」

「はー。それは当然なんですけど。どうするつもりなんですか?」

あれ?その反応お願いしてきた人の態度とちがくない?

「当然てお前な……。まあいいや。雪ノ下が生徒会長になる。あいつに負けるんならお前も周りも仕方ないって思えるだろ」

「結局そうなったんですかー。でもいいんですか?なんか先輩反対してたじゃないですか」

「あー、いいんだそれは。それのお陰で俺の問題も少し解決したし……」

修学旅行の一件からおかしくなった部活の雰囲気を変えられる、その結論に辿り着けたのはこの依頼があったからと言えなくもない。

依頼自体がなければ別の選択は当然あっただろう。

だが変えるために何をするにしても、別のきっかけが必要になったに違いない。

だからとりあえずまぁ、心の中でほんのちょっとだけ一色にも感謝しておくことにしよう。

「はい?」

首を捻る一色の顔の下に、何わけわかんないこと言ってるんですか先輩?という字幕が見えた。

なんだその顔、ムカつくな。あと口を閉じろ。

「ああ、いや独り言だ。とにかく解決するから。お前はもう何もしなくていいぞ。じゃあな」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、先輩」

詳しい話をするつもりもないので適当に話を切って去ろうと振り向くと、ブレザーの袖口を掴まれた。

その際に一色の手が俺の手にも触れあ、女の子特有の冷たくて柔らかい感触が伝わる。

やめてください一色さん。可愛い子のボディタッチにはすこぶる弱い。どうも比企谷八幡です。

「なな、なんだよ」

「意識しないでくださいそんなつもりはないので。その、それって確実なんですか?わたし間違って勝っちゃったりしませんか?」

「あ?お前が雪ノ下に勝てるわけねぇだろ。あいつ自身も凄いけどな、さらに応援は葉山がするって話だぞ」

この組み合わせに勝つにはそれこそ、交遊関係も広そうな由比ヶ浜ぐらいしか思い付かない。由比ヶ浜ってファン多いらしいし……。

そんなことを考えていると、得体の知れない不快感が頭をもたげてきたので思考を中断することにした。

「それはまぁ、確かにそうなんですけどねー……。でも雪ノ下先輩と葉山先輩ってクラス違いますよね?なんで応援頼めるんですかね?」

「俺もよく知らんが、あいつら幼なじみらしい」

「へー……は?幼なじみ?」

甘ったるいトーンの下が今俺と話していた声で、そのさらに下のトーンの声が聞こえた。

一色さん、その声怖いんですが。いくつ使い分けてる声があるんですかね……。

「……雪ノ下先輩と葉山先輩って、その……。幼なじみ以上とか、そんなことってあるんでしょうか」

「知らねぇよ。俺はそうは思えないけど」

実際にあの避けようは、そんなことがあるようには思えない。葉山は誰に対してもそう変わらないので知らないが、雪ノ下の態度は忌避しているという類いのものにすら見える。

「むー……近づく必要がありますかねー?」

不適な笑みを浮かべ、不穏に聞こえなくもない言葉を静かに呟く。……何する気だ。

どうやら一色は一色なりに葉山をかなり気にかけているようだ。ほーん。でも人の恋路に首を挟むのもなんだな。ほっとこう。

そしてもう一つ、伝えておこうとしていたことを思い出す。

「好きにしたら?あ、あともうひとつ。雪ノ下が生徒会長になった時点でお前が相談に来たあの部活、たぶんなくなるから」

「え、ちょっと。それってどういう……わたしのせい、ですか?」

「お前のせいじゃないから気にすんな、ほんと。まだ確定じゃないけどな。実際のとこなくなるつーか生徒会に場所を移すだけだ」

「はー。ってことは先輩も生徒会に入るんです?」

一色は興味なさそうな声で聞いてきた。興味ないなら聞かんでもいいだろうに。

そう思いながらも律儀に返答をする。

「ま、そうなる。俺は選挙でも信任投票でも落選しそうだから役職はねぇだろうけどな」

同じようなことを言うのはこれで三度目だ。さすがの俺でも少し悲しくなってきた。

よくわかってるから現実はあまり見せつけないでもらえますか。

「信任投票でも落選するって、先輩どれだけ嫌われてるんですか……」

やめて!そんなドン引きですみたいな顔はしないで!

それにしてもあれだな。一色がその手の噂に疎いのかどうかは知らんが、一色に届いてないんだな。

やはり雪ノ下の言っていた通り、自意識過剰にも程があるな。でも。

「少なくともお前以上には嫌われてるな。いろいろ悪評があんだよ」

「先輩って、そういうの否定しないんですね」

「事実だからな。友達もいないぼっちだし、否定なんかしたくてもできねぇよ」

「その割には葉山先輩と一緒に出掛けるぐらい、仲良さそうじゃないですかー」

一色は少しだけ拗ねるような口調になった。いや、葉山を取るとかそんな海老名さん的展開はないから。

それにこの前のダブルデート(笑)は丸っきり楽しいことなどなかった。むしろ苦痛ですらあった。

楽しそうとか、葉山と友達だとか思われると迷惑だ。俺も、勝手に断定するが葉山も。

「葉山なんか別に仲良くない。あれは、そう。成り行きだ」

「あのあと、葉山先輩と先輩って一緒に遊ぶぐらい仲良かったんですねーって聞いたら同じこと言ってました。なんなんですか?」

「なんでもないとしか言えねぇな。ただ同じクラスってだけだ」

それ以外に言いようがないな。もともと住んでいる世界が違うと思ってるし。

「それだけで遊びに行ったりしますかね……。なんか不思議な関係ですね。それに、先輩は結衣先輩や雪ノ下先輩とも……。やっぱり、そんなに嫌われてるとは思えませんよ」

「それはまぁ……なんつーの?俺が最悪だってわかって付き合ってくれてる酔狂な奴もいるんだよ」

きっと奉仕部のあの二人は酔狂な物好きだ。というか変なのは俺だけじゃなくてあいつらもだし、お互い様かな。

「へー……。そうですか、わかりました。ではまた」

ぺこりと形だけの会釈をして一色は去ろうとしたが、最後の挨拶は間違っているので否定しておくことにする。

「いや、またはないだろ。俺と話すことはもうないと思うぞ。接点がねぇだろ」

「そうですね。接点がなければ話すことはなさそうですね。じゃあまたでーす」

わかったとか言いながら最後の挨拶は変わらない。ほんとにわかってんのか?

「だから……まあいいや。じゃあな一色」

同じやり取りをもう一度繰り返すのも面倒なので、俺は正しい別れの挨拶をして立ち去ることにした。

一色か。人のこと言えないけど、変な奴だったな。でもまあ、これであいつと話すことはもうないだろう、また依頼でもしに来ない限りは。

……ありそうな気がしてきたな。

あいつはあいつで人間関係の問題があるから、あの依頼に繋がったわけだし。奉仕部が生徒会に移ることも言っちゃったし……。

どこに行けば依頼できるのかわかってしまった一色が、また面倒なことを持ってこないよう祈りながら部室へ戻った。



☆☆☆

ここまで

そして早速誤字修正

>>26
わざわざ呼び出しすなんて
→わざわざ呼び出すなんて

誤字なしが目標だったのですがもう破れたのでボチボチ更新してきます
割と長丁場になりそうです

終わったんで依頼出してきますねー
あー疲れたー

これで結衣のいちゃいちゃに専念できるのであっち終わったらまた次の告知に来るかもしれません
落ちてなかったら

構想ではなんか4つぐらい書きたいのあるんですけどね

結衣「おかえりヒッキー」みたいなタイトルの台本です
エロはほんのりしかないですね

あんまり詳しく書いてネタ潰しみたいみたいになってもあれなんでほんとアバウトで
とりあえずシリアスはしばらく書かないかも

いろんなキャラの性格が入れ替わる話、書きかけなんでたぶん次これ
鶴見留美(高校生)の八幡素行調査
監獄学園の舞台に俺ガイルキャラをはめたような話
いろはサキサキめぐりの大学修羅場(台本)
総武高校殺人事件
考えてるのはこんな感じです

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