静香「でしょう?」
志保「レッスン中にいきなりやって来て、いったい何なの」
静香「あなたはずっと…でしょう?」
志保「分かりにくい曲名モジりやめて。春香さんたちに怒られるわよ」
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静香「私見ちゃったの」
志保「なにを? うどんの妖精?」
静香「うどんの妖精はいつも私を守護してくれているわ」
志保「あっそう。で、何を見たのよ」
静香「ふふっ……昨日の夕方、河川敷のそばであなたが今度のアニバーサリーライブの自主練しているところよ!」
志保「なっなにそれ、結構恥ずかしいじゃない」カァァ
静香「キレッキレの動きに感情のこもった所作、素晴らしかったわ。ジャージも白黒ボーダーなのは笑ったけれど」プククゥッ
志保「私は照れればいいの? 怒ればいいの?」
静香「かつて太った可奈が泣きながら歌っていた河川敷で練習しているところに、熱いかなしほを感じた話はここでは置いておくことにして」
志保「あなた世界線飛び越えてない?」
静香「あの振り付け……人差し指を高々と掲げるあのポーズ……!」
志保「うん」
静香「『Precious Grain』のリスペクトでしょう?」フフッ
志保「は?」
静香「まあ志保の気持ちも分からなくはないわ」
静香「私のあの振り付け、キマってるものね」シュバッ タッタヒトツダケノー
志保「今やらなくていいから」
志保「というか別にあれぐらいの振り付け、誰でも思いつくでしょう」
静香「ああああああ!!!振り付け師さんに言いつけてやるわ!!!!!」
志保「自分で考えたわけじゃないんかいっ!」
静香「ふふっ、良いツッコミだわ」ニッコリ グッジョブ
志保「」カァァ
志保(なんだか今日の静香、普段よりもやりにくいわね……)
志保「それにそもそも、私だって振り付け師さんに言われてこのポーズ取り入れてるだけで」
志保「特に誰かを参考にしてるわけじゃないわよ」
静香「え、じゃあ私のファンだって話は……?」
志保「あなたが勝手に言い出したんでしょう」
静香「この流れで「志保に振り付け伝授してキャッキャウフフ計画」は……?」
志保「あなたそんな魂胆で言いがかりつけてきたの……?」ハァ…
静香「そう、だったのね……」グッタリ
志保(なんで落ち込んでるんだろう)
静香「クレッシェンドブルー結成以来、いろいろあったけれど」
静香「志保との距離は前より随分狭まったと思っていたわ」
志保「そ、そうね。直接そう言われるとなんだか恥ずかしいけど……」
静香「でも志保は私を――最上静香をひとりのアイドルとして、ライバルとして、目標としては見てくれていなかったのね……」ポロポロ
志保「話飛躍しすぎでしょ」
志保(いきなりネガティブになられても困るんだけど……)ハァ…
志保「別に静香が眼中にない、ってことじゃないから」
志保「あなたの堅物なところは好きじゃないけど、歌に対する想いは凄いと思っているし」
志保「安定した、芯の通った歌声には憧れているわよ」ボソボソ
静香「し、しほぉ……!」パァァ
志保(はっ、恥ずかしいっ)プイッ
志保(あまり言いすぎてまたポジティブになられても嫌だし……)
志保「まあ、一日三食うどんなのはヒトとしてどうかと思うけど」
静香「あ゛?」ゴゴゴゴゴ
志保(こわっ……っ)ビクゥ
クレッシェンドブルーじゃなくてクレシェントブルーじゃ…
>>8,9
本当だ、ありがとうございますっ……!
>>6
グリP特有の誤字
静香「そう、だったのね……」グッタリ
志保(なんで落ち込んでるんだろう)
静香「クレシェンドブルー結成以来、いろいろあったけれど」
静香「志保との距離は前より随分狭まったと思っていたわ」
志保「そ、そうね。直接そう言われるとなんだか恥ずかしいけど……」
静香「でも志保は私を――最上静香をひとりのアイドルとして、ライバルとして、目標としては見てくれていなかったのね……」ポロポロ
志保「話飛躍しすぎでしょ」
静香「一日三食うどん……何がいけないの?」
志保「いや、悪いとかじゃなくって。飽きないのかな、って」
静香「ふっ、たしかに素人にはうどんの違いなんて分からないでしょうね」
静香「どうせあなた『饂飩』って漢字も書けないんでしょう?」
志保「まあ……普段あまり目にしない熟語だし」
静香「これだから素人は!」
静香「いいわっ、こうなったら「うどんの素晴らしさを教えてキャッキャウフフ計画」に移行するまでよ」
志保「一貫して目的はソレなのね」
志保(本当今日の静香、様子がおかしい……)
志保(この豹変っぷり――世に聞く、青の系譜に刻まれた運命ってやつなのかしら)
志保「私と仲良くなりたいっていうのは分かったけれど」
志保「レッスン場を借りられる時間は決まっているから、これ以上邪魔しないでもらえる?」
静香「じゃ、邪魔って……」
志保「大体あなた仕事は? 今日のホワイトボードにあなたの予定書いてあったような気がするんだけど」
静香「そっ、そんなところまで気にしてくれてるのね」モジモジ
志保「本当鬱陶しいわね」
ガシャ
茜「あー! モガミン居たーっ!」ゼェハァ ゼェハァ
静香「のっ野々原さん?! どうしてここが……?!」ワナワナ
茜「逃走範囲内でモガミンが立ち寄りそうなのは、今日しほりんが使っているレッスン場しかない! 茜ちゃんの名推理だよ!」
静香「見逃してくださいぃぃっ!!」
茜「そうはいかないよモガミンっ、みんな困ってるんだから!」
静香「いやだああああああああ!!!!!!」ジタバタ
志保「なにこれ」
静香「た゛す゛け゛て゛っ゛、志゛保゛ぉ゛!!」ガシィッ
志保「アイドルにあるまじき声を出すんじゃない! って、引っ張らないで!」
志保「茜さん、いったいどういう状況なんですかこれ?!」
茜「それがねぇしほりん……」ハァ
茜「モガミンと茜ちゃん、そして貴音ちゃんで麺類全般の食レポ予定だったんだけど」
茜「プロちゃんの手違いで貴音ちゃんの仕事ダブルブッキングしちゃってて、急遽ふたりでやることになったの。でも……」チラッ
静香「うどん以外の麺類は貴音さんが食べるって! うどん以外の麺類は貴音さんが食べるって……っ!」ギャーギャー
茜「モガミン、うどん担当だったからさあ」ハァ…
志保「なんてしょうもない……」
茜「モガミン融通利かない子だし、突然のことで壊れちゃったんだよね……」
静香「うどんの妖精が囁くのよ――あれだけのラーメンやそばを食べてはいけない、って……」ガタガタ
志保「相当やられてますね」ウーン
茜「でしょ?」
志保(様子おかしいとは思っていたけれど、まさかこんな原因だとは……)
志保「ほら静香、仕事なんだから観念してラーメンでもそばでも食べなさいよ」
静香「無理ぃ……私のうどんスピリチュアルが汚されるぅ……」ポロポロ
志保「この子なにか変な宗教にでも入ってるんですか?」
茜「かもしれないね」
静香「うどんは、小麦粉を練って長く切った、ある程度の幅と太さを持つ麺。またその料理。饂飩とも書く。細い物などは「冷麦」「素麺」、薄い物は「きしめん」「ほうとう」などと称え――」ボソボソ
茜「Wikipediaに載ってるうどんの解説――?!」
志保「なぜ暗記してるのか」
茜「あーもうっ、モガミン! お店の人も番組スタッフの人も待ってるんだから早く行くよ!!」
志保「待ってるって……どこでですか?」
茜「すぐそこのラーメン屋さんだよ。モガミンが逃げたから茜ちゃんが先方に頭下げて待っててもらってるの」
志保(やっぱり茜さんって意外としっかりしてるのかも)
志保「静香、あなたアイドルとして仕事のひとつもこなせなくて恥ずかしくないの?」
静香「うっ、うぅ……それは……」グスッ
志保「私を褒めたり仲良くおしゃべりがしたい、なんて嘘までついて時間稼ぎする熱意を仕事にぶつけなさいよ」
静香「そっ、それは嘘じゃなくて……っ」
志保「は?」
静香「志保とはもっと……仲良くなりたいっていうか……」ボソボソ
静香「昨日の自主練見て、私も負けていられないっていうか……」ボソボソ
志保「……」
茜「茜ちゃんには話が見えないんだけど、とりあえず行くよモガミンッ!」ガシッ
静香「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!!!!」
茜「んっ? あっ、ようやくプロちゃんから折り返しの電話だ!」ピッ
茜「――遅いよプロちゃん! モガミンはもう発見したから今からまた現場戻る!」プンプン
茜「え? うどん以外も食べられそう……? いや、それはちょっと厳しいかもだけど」
茜「近くのレッスン場……あぁ、しほりんなら今隣にいるよ」
茜「う、うん――この三人で? でもしほりんレッスン中だよ……?」チラッ
志保「……私なら大丈夫ですよ、食レポ」
茜・静香「えっ?」
志保「まあ、貴重な練習時間を捨てるのは痛いですが、このまま続けても集中できませんし」
志保「仕事すらまともにできない765プロ、って汚名は被りたくないので」
静香「し、しほぉ……」ポロポロ
志保「勘違いしないで。私もお腹空いてきたし、ちょうどいいって思っただけよ」
茜「ありがとうしほりん! じゃあ悪いけど、さっそく着替えて向かおっ!」
――――
―――
――
静香「本当申し訳ありませんでした、私のわがままで……っ」ペコリ
番組P「まさか本当にうどん馬鹿なアイドルだとは思わなかったよ」ハハッ
番組P「でも仕事は仕事、ちゃんとしてもらわなきゃ困るよ?」
静香・志保・茜「はいっ! 申し訳ありませんでした!」
番組P「僕らを待たせた分、撮れ高期待してるからね~」
静香・志保・茜「頑張ります!」
静香「本当ごめんなさい二人とも、私のせいで……」
志保「そう思うならうどん以外も食べられるようになってちょうだい」
静香「別にうどんしか食べられない身体ってわけじゃないけど……あ、ちょっとスタッフさんに変更点とか訊いてくるわね」タッタッタッ
志保「もう、まったく……」
茜「助かったよしほりーんっ」ギュウ
志保「ちょ、どうしたんですか急に」アセアセ
茜「茜ちゃん久し振りに大ピンチで結構ハラハラしてたんだよ? 野々原だけに!」ナンチャッテ
志保「」
茜「まあソレは置いておいて、本当よかったの? レッスン切り上げてまでバラエティ向きの仕事受けて」
志保「そうですね……たしかに私には向いていない仕事かもしれません」
志保「でも、だからこそやってみる価値はあるかなって」
茜「ふぅん、そっか!」ニコッ
志保「うどん以外の麺類に素晴らしさを見出せない誰かさんみたいにはなりたくないので」
茜「ジョークにしてはトゲが鋭すぎるよ~」ケラケラ
志保「まぁそれに……」
茜「それに?」
志保「私もちょっと、仲良くなる機会が欲しかったのかも……」ボソッ
茜「ふ~ん」ニヤニヤ
志保「――あっ、今のが本当のジョークですからね?! 勘違いしないで下さいよ!」カアァァ
茜「分かってる分かってるー♪ もーっ、素直じゃない女の子たちは可愛いなー♪」ニャハハ
志保「ち、違うんですってばあ!」バタバタ
静香「ふたりともー! ちょっとこっちきてー!」
茜「ほらほらっ、茜ちゃんたちの出番だよっ」タッタッタッ
志保「もう、調子狂うわ……」タッタッタッ
志保(後日、茜さんの携帯にプロデューサーさんから着信があったのは彼女の演技だと知るが、それはまた別のお話)
おわり
目を通してくださりありがとうございましたん
しずしほ書こう思ったら、茜ちゃんが持って行ってしまった
さすが茜ちゃん、かわいい
乙でした
>>1
最上静香(14) Vo
http://i.imgur.com/ofitwLf.jpg
http://i.imgur.com/wQzz8Tv.jpg
>>1
北沢志保(14) Vi
http://i.imgur.com/fbM8tte.jpg
http://i.imgur.com/zu0Dq5s.jpg
>>13
野々原茜(16) Da
http://i.imgur.com/f5J2iZZ.jpg
http://i.imgur.com/tRTMPsg.jpg
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