創真「おーい、秘書子」緋沙子「私は秘書子じゃない」(83)



創真「はは、そうだったな。新戸」


緋沙子「ったく・・・お前という奴は・・・・」


えりな「あなたどういうつもり?ここは私の私室なのよ?」


創真「え?あぁ悪い悪い。お前に用があってきたわけじゃないんだ」



えりな「・・・は?それはいつものごとく私に喧嘩をふっかけていると捉えて」


創真「新戸。来週の連休、うちの店開けようと思うんだが来てくれないか?俺、あんまり事務関係の事とかわかんねーから、やってほしいんだよ」


えりな「ちょっと話を聞い」


緋沙子「黙れ。誰が貴様なんかの言葉を鵜呑みにすると思うか」


えりな「そ、そうよ!あなたの」


創真「ははっ、随分な返答だな。まぁ良いじゃないか。うちの店は客も来るし、ここじゃ出来ない勉強も出来るだろ?」



えりな「あ、あの」


緋沙子「貴様の言いなりになるという点で拒ませてもらう」


えりな「・・・・・」


創真「お前、桃源草って知ってるか?」


緋沙子「知っている・・・・・けど、なんでお前がそれを知ってる」


創真「親父が持って帰ってきたんだよ。ほら、これだ」


緋沙子「ふん・・・桃源草はお前なんかが簡単に手に入るような・・・・・ものじゃ・・・・・・・」



創真「お前なら見れば分かるだろ?」


緋沙子「ほ、ほんもの・・・・・」


創真「なっ?まぁこれで手を打ってくれ」


緋沙子「・・・・・」


えりな「・・・・・緋沙子?」


緋沙子「・・・・・えりな様」


えりな「まさか最高級の漢方薬で釣られるような貴女じゃないわよね?」



緋沙子「・・・・・申し訳ありません」


創真「校門前で待ってるから、着替えやら用意してこいよ」


緋沙子「わ、わかった・・・だがこういうのは今回だけだからな」


創真「おう、ありがとな!」


緋沙子「だ、黙れ!!」


えりな「」



がたんごとん・・・がたんごとん・・・・・



緋沙子「なぜ私がお前なんかと」


創真「いいじゃねえか、スタジエールで一緒にやった仲だろ?」


緋沙子「ふん、望んでなったわけじゃない」


創真「そうか。でもお前と料理出来て俺は楽しかったぜ」



緋沙子「貴様はなんで屈託もなくベラベラとそんな小っ恥ずかしい事を言えるんだ」


創真「言えるもんは仕方ないだろ」


緋沙子「別に悪いと言ってるわけではないが、その・・・場所を考えろ。ここは公共の場だぞ」


創真「周りに迷惑じゃなければ電車で会話したって問題ないだろ」


緋沙子「そうだが・・・」



創真「お、そうだそうだ。さっきの調子見てれば分かったけど、なんとか薙切と和解出来たんだな」


緋沙子「そうだな。私が思ってた以上に深刻な問題ではなかったようだ。えりな様は本当に心が広い」


創真「いやそれはない。って、まぁそんな事が言える新戸の心が広いんだな」


緋沙子「どういう意味だ?」


創真「なんでもねーよ」



緋沙子「それでも、あれは本当に助かった・・・」


創真「お礼ならもう聞いたって」


緋沙子「背中を押してもらえなければ、私はえりな様から遠ざかる事を選んでた」


創真「それでも良いんじゃねえか?」


緋沙子「は、はぁ!?」



創真「1人だから問題があるじゃないし、あいつも1人だと何も出来ないってわけじゃない。俺だって、親父に何でもかんでも教えてもらったわけじゃない」


緋沙子「・・・・・」


創真「自分で考えて、見極めるのも一手だぜ。別に固執して側近を続ける必要もねえよ。いつかはあいつだって、お前の側からはいなくなるんだからよ」


緋沙子「な、何を知ったような口を・・・」


創真「でもお前の『助かった』の言葉を聞いて、ほっとしたよ。間違ってない事を押し付けてないのなら、俺はお前にお礼を言ってもらえて満足だよ」


緋沙子「んなっ///!?」



創真「あはは、なんてな。そんな顔真っ赤にして怒るなって。馴れ馴れし過ぎたな」


緋沙子「ば、ばかもの・・・だからそんな恥ずかしい事を目の前で言」ゴニョゴニョ


創真「あ、そうそう。助かったといえば、昨日じゃがりこを砕いてお茶漬けにしたんだけどよー、それを食べた時まだ固くてな、喉にぶっ刺さったんだよ!なんとか助かったんだけどな!はっはっはっ!」


緋沙子「・・・・・」


創真「ん?どうした?」キョトン


緋沙子「いや、なんでもない。続けろ」



創真「おう!でも、味はなかなかだったぜ?少量のバターを加えても良いだろうな」


緋沙子「お前は菓子で料理を作るのが好きなのか?」


創真「そんな実験ばっかりしてたからなー。まぁ今もだけど」


緋沙子「そうか。なら今度味見させてくれ」ニコッ


創真「ん?いいけど・・・」



緋沙子「はっ!?・・・って!ち、違う!!今のは違う!」


創真「は!?え?ど、どうした?」


緋沙子「今のは言葉のあやというか、口が滑ったというか!とにかく違うんだ!」


創真「あんまり大声出すな。迷惑だろ?で、何が違うんだ?」



緋沙子「~~っ!!だ、だからぁ!!!」カァァ


創真「お、おい!す、すんません。いや、こいつが急に大声出して。発作みたいなもんで、いつもこんな調子なんスよ」ペコペコ


緋沙子「うぅ・・・」



通勤者・主婦・JK(いや、お前のせいだろ)


今回のはここまで
それでは



幸平ハウス


創真「取り敢えずここ俺の部屋だし荷物とか適当に置いといてくれ」


緋沙子「わかった。が、何故お前の部屋なんだ?」


創真「普通友達呼んだら自分の部屋に入れるだろ?」


緋沙子「そうではなくて」


創真「お前は友達を呼んだら、父親の部屋に招待するのか?変わってんなぁー」



緋沙子「話を聞け!私はただー・・・・って、私がいつ貴様なんかと友人になったんだ!?」


創真「えー・・・お前アレかー。決意表明的なのがあってからの友達宣言的な面倒なタイプかー?」


緋沙子「どんなタイプだ!そもそも友人という定義がだな」


創真「へーい。そうですかー」


緋沙子「だから話を聞け」



創真「いいよ。お前だって俺の話聞かないし、結局認めそうにないし、まぁどうでもいいかなーって、な」


緋沙子「むぐぅ・・・・・」


創真「ほいほい、じゃあ下準備したら店開けるから、このTシャツとゆきひらエプロンを着けてくれ」


緋沙子「わ、わかった」



創真「・・・おっと、そういや引き出しにねるねるの原材料書いた紙あったっけ」ガサゴソ


緋沙子「・・・・・」


創真「おお、あったあった。へへっ、昔これ利用してチーズフォンデュ作ったけど、すっげー不味かったなー」


緋沙子「・・・・・」


創真「なぁ、新戸。今度ねるねる使って一緒に料理作らね?・・・・・って、どうした。まだ着替えてないのか?」


緋沙子「貴様は私を何だと思っている?男を背に着替えろと言いたいのか?」



創真「はははっ、誰が見るかよー」


バチンッ!!


緋沙子「ったく」


創真「なんで着替え一つでそんなギャーギャー騒ぐかねー・・・小学生じゃあるまいし」ヒリヒリ


緋沙子「黙れ!」


創真「んじゃーまぁ俺は下準備してくるから、さっさと着替えとけよ」


緋沙子「ふん」



厨房



創真「おっ、似合ってんじゃん」


緋沙子「似合うも何もただのエプロンだ、これは」


創真「さて・・・んじゃ、頼みたいのはこれなんだが」


緋沙子「ファイリング・・・だけ?」


創真「だけって・・・それだけだ!」



緋沙子「もっとあるだろ?物品発注や資料作成、各種手配や発送関係に依頼と色々と」


創真「あー、ないない。うちは個人で経営してるし、親父は兎も角俺は食料ならスーパーで揃えてくるし。でもあったとしても親父が処理してるかもなー、ははは」


緋沙子「笑い事じゃないだろ。貴様は本当に適当だな・・・」


創真「サッカー選手の特技が野球なわけないだろー?それと同じだ」


緋沙子「意味不明だ」



創真「まぁ要するに、だ。お前がここで働いてくれればお前が万事解決してくれる」


緋沙子「だ、誰がこんな安っぽい小さな店で働くか!!」


創真「いやいや、ここはいいぞー?磨いても磨いても輝きが見えないものでも、仕方ないと使い続ければ愛着が生まれる。逆にそれが輝いて見えるものにだって思えてしまうだろー。つまりそういうことだなー」


緋沙子「それは単純に脳内で美化させてる誤魔化しているだけじゃないか」


創真「なんて言うか、クセみたいなのだって。包丁だってそうだろ?初めは手に馴染まなくて駄目だと悔やんでも、使い続ければ馴染んでクセを理解出来るようになる」


緋沙子「・・・・・」



創真「寧ろ使い易いとさえ思えてくる。お前だって経験あるだろ」


緋沙子「詭弁だ。論点をずらすな」


創真「へーい、おっしゃる通りでー・・・」


緋沙子「でも・・・悪かった。気に入っているものを安っぽい等と否定してしまい・・・・・」


創真「はぁ・・・お前は深く考え過ぎだ」ポンッ


緋沙子「んなっ!?頭を触るな!!」



創真「俺がそこまで料理のこと意外で考えてる人間に見えるか?」ワシャワシャ


緋沙子「や、やめろ!くすぐったい・・・///と、ととというか!貴様はそんなことをしたり顔で語って恥ずかしくないのか!」


創真「いーや、全然?」キョトン


緋沙子「呆れてものも言えん」


創真「んじゃ、話長くなったし、そろそろ下準備の続きするか」


緋沙子「どれくらい済んだ?」



創真「んー、大体かなー」


緋沙子「これを刻めばいいのか?」


創真「おーう、まかせたー。俺はこっちやってるから」


緋沙子「手短に終わらせるぞ」


創真「おうよー」



数分後



創真「まぁあんまりカリカリしてると脳の血管弾けるぞ」トントン


緋沙子「誰に口を聞いている。私は薬膳については貴様以上だ」トントン


創真「それ以外は俺以下ってことかー。あー、それ焦がして使うから、そこのタッパーに入れといて」トントン


緋沙子「図に乗るな」ペシッ


創真「イテッ・・・でもお前の技量には一目置いてるぞー。葉山といいお前といい俺の知らない料理を平然とやってのける。ただすげーって思える」トントン



緋沙子「そんなの私も一緒だ」ジャージャー


創真「そっかー。ありがとなー」ニコッ


緋沙子「ふ、ふんっ・・・」プイ


創真「んじゃ、下準備も終わったし店を開くか」


緋沙子「あぁ」


創真「じゃあ中行って、事務やっててくれ」



緋沙子「いや、いい。それは閉めてからでもやれるしな。それに貴様でも出来るように教えてやる」


創真「なんだよ、それ」


緋沙子「また呼ばれてもたまらんからな」


創真「へいへい、そんなにここが嫌なんですね、すみませんねー」


緋沙子「・・・いや、呼んでくれれば・・・・・行かんでもないが」ボソボソ


創真「・・・?シャッター開けるから手伝ってくれ」


緋沙子「・・・・・わ、わかった」

今回ここまでそれではー

「おい、ゆきひらが開いてるぞ!」
「なんだと!」
「わぁ!久しぶりだー!」


わいわいがやがや


緋沙子「っ!?」ビクッ


創真「おー・・・懐かしいなー、この感じ」


緋沙子「結構繁盛している店なんだな・・・意外だ」


創真「当たり前って言ったら言い方が自慢臭いけど、まぁそこそこだ。と言ってもアレだぞ、アレ。常連が多いんだよ、うちは」



緋沙子「そうか」


創真「チェーン店や高級店のようや人気の店として広く知れ渡るのも店の繁盛としては良いけど、それ以上に地元の寄り所として繁盛している店のが俺は好きだな」


緋沙子「でも貴様やそのお父様がいない間は閉めているのだろう?なのにどうしてこんなにも・・・」


創真「さぁーなっ?わかんねーよ。でも、だからこそこの状況が嬉しいんだよな」ニカッ


緋沙子「・・・・・。よし、なら連休中は私も全力を尽くす。キリキリ働けよ、幸平創真!」


創真「おっ?それ前も聞いたなー」


緋沙子「わ、忘れろ・・・」



アキ「あーれー?またゆきひら開けたの?」


真由美「ゆ、幸平君!?」


創真「おー、久しぶりだなー。唐揚げの方は上々か?」


真由美「う、うん!前なんて雑誌に載って、商店街にもっとお客さんが増えたんだよ」


創真「そうかそうかー。おっさん達も安泰だなー」



アキ「幸平がまた可愛い子連れてきたぞ。こりゃ危険な戦いになりそうだな」ボソボソ

真由美「ええっ!で、でも幸平君そういうの疎いし・・・でも、でも・・・・・・」ボソボソ


緋沙子「申し遅れました。私は新戸緋沙子と言います。本日はこの下衆に唆されてお店の手伝いにきただけですので」


創真「おーい、下衆って誰だー?」


アキ「って、幸平が誘ったわけ?」


創真「まぁな。こいつとは一緒に料理作ったことあるし、腕も確かだから信頼してるんだよ」



緋沙子「///!?き、貴様なんか信頼を受けるくらいなら、えりな様の冗談を聞いてたほうがまだウケるわ!」


えりな『緋沙子?』

緋沙子『なんですか?えりな様』

えりな『この包丁・・・重宝するわね』

緋沙子『えぇ。それは源氏近衛刃物で扱われる最高級品でございますから』

えりな『どう?おもしろかった?』

緋沙子『え・・・・・・・・・・あっ!は、はい!お腹が捩れるくらい面白かったです!!』

えりな『そう♪』ルンルン


創真「なんだ今の回想は。つーかなんで受けるがウケるになってんだよ」


アキ「あんたもうダメだって、完全に夫婦だよ」ボソボソ

真由美「うえーん・・・」ボソボソ



緋沙子「と、とにかく!早く厨房に戻るぞ!お客様が待っている!」


創真「そうだな・・・よーし、任せたぞ!秘書子っ!」パンッ


緋沙子「アダッ!!背中を叩くな!そして秘書子じゃないって言ってるじゃない!ばかもの!!」


創真「あはは、気合入れだってーの。お前、怒ると直ぐ顔真っ赤になるよなー。茹でた海老みたいだな」


アキ「ほんっと呆れるわ。あとその例えもないわ」







創真「客もいなくなったし、そんじゃ店仕舞いするか」


緋沙子「そうだな」


創真「おー、良い表情してるな。疲れたって顔に書いてあるぞ」


緋沙子「黙れ。こっち見るな」


創真「まぁ遠月の研修で行くとこは世界や雑誌に載ってる有名どころだからなー・・・うちみたいな店はないしなー」


緋沙子「確かにな。料理を作るよりもお客様と会話する時間のが長いなんて聞いたことないぞ」



創真「ははっ、今日は新戸がいたからだよ。お前仕事早いし、2人でやってればそんなの直ぐだって。・・・・・・ま、親父がいた頃はもっと早かったけどな」


緋沙子「ふーっ!さて、私達も夕食にするか。何が食べたい?」


創真「へー、作ってくれるんだ。薬膳云々の食材なんてうちには無いけど良いのか?」


緋沙子「私が薬膳料理しかないと思っているのか?よし、歯を食いしばれ」


創真「おーい、何が『よし』なんスかー?」



緋沙子「で、何か食べたいものとかあるか?」


創真「うーん・・・新戸」


緋沙子「ふぇっ!?」


創真「新戸の作る料理ならなんでもいいぞ」


緋沙子「えっ、あっ、ああっ!そうかっ!そうだな!」


創真「まぁ厨房は清掃したし、家の方の台所使ってくれ。俺は店ん中掃除してシャッター閉めて、風呂洗ってくるから」


緋沙子「じゃあファイリングはその後だな」


創真「そうだな。んじゃ後のこと宜しくー」



1時間後~リビング~



創真「ふぃーっ・・・終わり終わりっと。一日疲れたなー」


がらがらー・・・


創真「おぉ、料理出来てんじゃん。・・・・って・・・」


緋沙子「・・・・すぅ・・・すぅ・・・・・」コクコク


創真「はぁ・・・・・眠たいのならさっさと食ってれば良かったのにな・・・」スト


緋沙子「・・・ん・・・・・すぅ・・・・すぅ」


創真「座って寝るなんて器用だなー・・・・・・というか、どうしたもんかねー・・・」



数分後



緋沙子「・・・んっ・・・・・・はっ!!わ、私としたことが!ゆ、幸平創真は!?」


創真「お?やっと起きたか。気持ち良かったか?」


緋沙子「わ、わわっ!?ち、近っ!?な、なんで隣に座ってる!?前に座れ!」


創真「なんでだよー・・・お前がここに並べたんだろ?」



緋沙子「へっ?そ、そうだったか・・・」


創真「にしても寝言ひでーな」


緋沙子「なななっななっ///!!??」


創真「嘘だよ。お前は静かに寝てたよ」


緋沙子「おちょくるのも大概にしろ」



創真「それよりもお前今日熱でもあったのか?お前の身体熱いぞ」


緋沙子「私は基本的に体温が高いか・・・・・・ま、待てい!!」


創真「待てい!?」


緋沙子「き、ききき貴様はっ!!私が寝ている間に無礼でも働いたというのか///!?」


創真「お前がもたれかかってきたんじゃねーか。なぁ?」


緋沙子「んなぁ///!?」



創真「それより飯食おうぜ、飯」


緋沙子「それよりって・・・・・それよりって・・・」


創真「いただきます」


緋沙子「幸平創真・・・」


創真「なんだー?」



緋沙子「なんで先に食べなかったん
だ・・・これでは完全に冷えている」


創真「それこそ無礼だろ?あったかいご飯を作った人と食う。それこそ礼儀だぞー」


緋沙子「・・・・・」


創真「お前だって分かってるじゃん。俺を待っててくれたんだ。俺だって待つさ、それくらいな」ニコニコ


緋沙子「あ・・・う・・・・う・・・・・・・///」



創真「なんならレンジでチンするかー?んじゃ、ちょっくら」


緋沙子「ま、待て!」ガシッ


創真「おおっと!?いきなり袖引っ張んなよ。危うく溢れるとこだったろー」


緋沙子「そ、それでいい。貴様もそのままでいい。ここにいてくれ」


創真「え、あ、はい・・・?」



緋沙子「兎に角貴様はそこにいれば良いんだ。早くご飯を食べるぞ。今度はお風呂まで冷めてしまう」


創真「・・・・?・・・へいへーい」


緋沙子「へいは1回だ」


創真「なんだそれ!?」


緋沙子「ふん・・・」


創真「おっ、これうめーな」


緋沙子「当たり前だ」

それでは今回はここまでです

過去作とかある?



創真「ふへー・・・やっぱ料理以外の勉強はつれーわー・・・・・」


緋沙子「こんなの一般常識だ。事務が出来ずに店を切り盛りしようなんて考えがまず甘い」


創真「だから言っただろー?サッカー選手の特技が野球なわけないって」


緋沙子「貴様はまだ言うか!」


創真「良いんだよなー、それで。だってそれが冒涜にさえ感じるし」


緋沙子「は?」



創真「俺が葉山と戦った時のこと覚えてるか?」


緋沙子「どっちだ。予選か決勝か?」


創真「予選だ」


緋沙子「他は眼中から外れているんだな・・・」


創真「俺はスパイスを学んで予選に挑んだ。けど葉山には一歩及ばなかった。でも結果は納得いってた」


緋沙子「・・・・・はぁ?」



創真「一朝一夕に身に付くものじゃないって分かってるし、それは俺が勝って相手が納得出来るものじゃないって思った」


緋沙子「何が言いたい」


創真「言わば、全く懐かない犬を何年もかけて、ようやく従わせて芸が出来る様にした。でも知らない誰かはその犬を簡単に1時間で手懐けてしまった」


緋沙子「・・・・・まぁ言いたいことは分からんでもない。でもそれは結果が同じだ。時間の差は才能がものを言うんじゃないか」


創真「才能1つで括られる相手も可哀想だな。でも半分はその通りだ」


緋沙子「・・・・?」



創真「つまりは、俺は勝っても負けても納得出来る理由をいつも考えるんだよ。負けた理由、買った理由をな」


緋沙子「無駄に考えさせた時間を返せ」


創真「ははっ、相手の舞台の上での戦いだ。勝ったらそれは俺の才能だって素直に喜べるし、負けたら実力の差って納得出来る」


緋沙子「論点がズレてきているが」


創真「そうして俺は思った。事務は俺の舞台じゃない。だから新戸も納得してくれ」


緋沙子「だから時間を返せ!納得するか!」

勝った理由ですね、ミスです



創真「ははは、後は任せたー!」


緋沙子「ここに就くつもりは毛頭ないっ!!」


創真「そうかそうかー。残念だなー。さてさて、お皿でも片付けるか」


緋沙子「え、い、行くのか?」ガシッ


創真「・・・・・・え、お前毎回使い終わったら洗わないのか?」


緋沙子「ち、違う!・・・・その、だな・・・もう少しここにいても・・・・・夜は長いし」



創真「今は修学旅行じゃねーよ」


緋沙子「・・・・・もう少し隣にいてくれ」


創真「なんかお前気持ちわるぶはっ!!」バチンッ

緋沙子「だ、騙されたな幸平創真ぁ!!誰がお前なんかずっと話してたいって言ったぁ!!」


創真「イテテ・・・誰もそんなこと言ってねーよ・・・・・つーか、なんでビンタした」


緋沙子「お皿洗いくらい私がやってやる!だから貴様は勝手に風呂にでも行っとけ!く、くふふ!」


創真「なんスか、その妙なテンション・・・」


緋沙子「キビキビ動け!」


創真「急にどうしたんだよ・・・」



お風呂あがり



創真「ふぁぁ・・・眠てーなぁ・・・・・新戸は皿を洗い終わってる頃か?」スタスタ


創真「・・・・って、台所にいないし」


創真「どこ行ったんだ?家でに迷ってるのか」


創真「風呂に行ったなら鉢合わせてるし・・・店か外か?」

家で迷っているのか、ですね
すみません。ほんと誤字脱字多くてすみません



すたすた・・・



緋沙子「煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散・・・」ブツブツ


創真「人んちで妙なコトすんな」ペシ


緋沙子「アタッ!な、何をする!無礼な!!」


創真「店の前でお経語るなよ。悪霊でも呼び寄せているのか?」



緋沙子「お経じゃない!・・・・・ただ涼しい風にでもあたれば、なんか晴れる気がしてな・・・」


創真「・・・・?で、晴れたのか?」


緋沙子「貴様に邪魔されて晴れるものも晴れなくなったな」


創真「そりゃどーも・・・」


緋沙子「どうすれば良いと思う?」


創真「さーなぁ・・・まぁお前はどうしたい?」


緋沙子「へ?」



創真「そんな風にあたったくらいで悩みが消えるくらいなら、人間何も不自由はないし、問題の解決にならないなー」


緋沙子「わかってる・・・でも、どうにも手の届かないことだってある」


創真「それは本当に手が届かないことなのか?」


緋沙子「手が届かないから悩むのだろ」


創真「やっぱお前は頭が固いって。・・・・・悩みなんて、手が届かなきゃ悩めないだろ?夢だって可能性がなきゃ挑戦しようなんて思えないしなー」


緋沙子「・・・・・・」



創真「お前がやってるのは単なる逃避だと思うけど・・・?気持ちが落ち着いて感情は消化されても問題の解決にはならないしなー」


緋沙子「そんなの・・・わかってる」


創真「そうそう。じゃあ悩むことなんてないじゃないか?出来る出来ないと悩むより、やらなきゃその問題には挑めないしなー」


緋沙子「もし私がその問題で失敗したら、お前はどうする?」


創真「何もしないけど・・・だってお前のことだし」キョトン


緋沙子「・・・・・・」


創真「まぁでもして欲しいっつーんなら、慰めてやる。でもお前が馬鹿にされるような事があれば、俺は無断で馬鹿にした奴を制裁するかもなー・・・」



緋沙子「・・・・・なっ」モジッ


創真「だから、まぁ・・・俺の言った選択肢は正しいわけじゃないんだし、俺が言ったことに対してお前が真に受けたのなら、その時は俺は新戸の味方になってるって話だ」


緋沙子「将来の夢は借金の保証人か?」


創真「ひでー返事だなー」


緋沙子「・・・・くす・・・」


創真「なんだよ。まだ馬鹿にした」

緋沙子「馬鹿者。違うぞ・・・・・悪くない。そう言いたかったんだ」



創真「へいへい。そうっすか。んじゃ、そろそろ眠たいし家ん中入るぞー」


緋沙子「命令するな。いつから貴様はそんなに偉くなったんだ」


創真「来ないのか?」


緋沙子「置いてくな!ばかもの」ギュッ


創真「服引っ張るな、転んだらどうするつもりだよー・・・ふぁぁ・・・・・」ガシッ


緋沙子「ゆっゆゆ幸平創真っ!て、ててててて手をっ///!?」


創真「服引っ張るなって言うのが聞こえなかったのかー?」



緋沙子「・・・・・わ、悪い・・・でっでも嫁入り前の女性の手を握るのは」


創真「料理人のクセにやわっこい手してるんだなー」


緋沙子「・・・・なっ///」


創真「へへっ、美味しい煮込み料理が出来そうだ」


緋沙子「・・・お前はデリカシーというものも勉強した方がいいな」


創真「すんませんねー・・・」



緋沙子「・・・幸平創真・・・・・・・そういえば、さっきの『どうしたい?』って質問答えてなかったな」


創真「んー・・・あーそういえばなー?」


緋沙子「・・・・・・・・貴様に・・・好きって言いたい・・・・」


創真「ん?なんて言った?もっと大きな声で言えよ」


緋沙子「なんでもない!気にするな!この馬鹿者が!」ニコッ


創真「馬鹿はねーだろ、馬鹿は。つーか、そんな笑顔で言うな。さすがの俺でも傷付くぞ」


緋沙子「ふふっ・・・///」



END

>>59
桂馬「僕が織斑一夏に彼女を作らせる件」
圭一「オヤシロさま。どうか俺の願い叶えてください」
優子「私は秀吉じゃないってば!」
エレン「ぼっち」
雪乃「私がプリキュアに?」


読んでいただきありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年06月27日 (土) 10:07:11   ID: MmJDgec9

ソーマSSは珍しい

2 :  SS好きの774さん   2015年07月04日 (土) 03:39:34   ID: dW386HqT

ぜひ進撃の巨人の続きも書いてもらいたい

3 :  SS好きの774さん   2015年08月31日 (月) 16:19:51   ID: JpcUmO0D

秘書子は天使だと思いました

4 :  SS好きの774さん   2017年03月22日 (水) 23:30:17   ID: t5rKTQWu

なんで進撃の巨人SSの続きを書かない?

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