現在も拡大し続ける宇宙
その外側を飛び続ける機影があった
女「やっぱり質量が増えると拡大率が乗算されていくっぽいねー」
男「このまま行くと追い付かれるかもしれない...」
女「時間の問題だねー」
男「俺達に時間なんてみみっちいもんはないけどな」
ここは宇宙の法則が通用しない空間。時は流れず物質という概念さえあいまいである
ペット「もう仙人になれるほどここに籠ってる気がするふもー」
男「いや...本来なら俺達はもう土の中で子孫が俺達の事忘れてる頃じゃないか」
女「冗談きっついよー。あたしお婆ちゃん通り越してガイコツじゃーん」
男「いい加減飽きてきたよな。おまえらと話してないことなんてもうないぜ」
ペット「神の領域は遠いふもー...もうおいらの事は殺してくれふも。男達の顔は見飽きたふもー!!」
女「だめー!ペットが居なかったら誰があたしの抱き枕になるのー」モフモフ
ペット「....苦しいのはごめんだからレーザーで一瞬で消してくれふも」
男「いや、ステーキにさせてもらうよ。冗談はさておき、もうすぐ宇宙の限界保持質量を越えるんじゃないかとひやひやしてるんだが」
女「もう質量計測機は壊れちゃったから分かんないねー」
男「ペットが追いかけて遊んだせいでな。神とやらに会って宇宙の膨張を止めさせなけりゃぁならんというのにとんだ足手まといだ」
ペット「宇宙が限界を迎えた時の集束消滅はちょっと見てみたいふも...銀河系2000個分のブラックホールはきっと壮観ふも」
男「俺達も一瞬で飲み込まれて終わりだろう」
女「でも宇宙ってもう何度も生まれては消滅っての繰り返してるんでしょー?神様はまた新しく宇宙作る気満々ぽいし会えたとしてもどうにもならなそー」
男「リサイクルはさせちゃならねぇ...今の宇宙が無くなれば地球があった事さえ無かった事になる。それだけは....」
ペット「諦めて集団自殺するふもよ」
男「そういうことを口にするなぁ!」
ドカッ
ペット「ふも!?」
ポチ
男「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
女「どしたん?」
男「ペット蹴ったら宇宙船の自爆スイッチに当たっちまった....」
女「ええええ!!!」
ペット「ふ....ふもーー!やっと終わるふも!有言実行に定評のあるおいらでございます」
男「おまえこのやろー」グリグリ
ペット「痛いふも!男が蹴ったのが悪いふもよー自業自得ふも」
女「あ.........」ジワァ
ドカァァァァァァァァァァァァァン
人類最後の希望は宇宙の果てに散った
男「あれ?」
女「およ?」
ペット「ふも!」
男「なんで俺ら生きてんだ」
女「良かったぁ。まだ生きてるー!」ピョンピョン
ペット「また死ねなかったふもか...」
?「やっと我々と同等の存在になったか。四肢を持つ知的生命体...と謎の毛むくじゃらよ」
男「な....何者だ」
?「我はおまえ達で言う所の創造主なのであろう」
男「お、おまえが神なのか!?」
?「神....?ふむ、肉体を持たねば存在する事ができない生命体にとっては神のようなものなのだろうな」
女「これどうなっちゃったのー。さっき死んだのにあたし達どうなってるの!?」
神?「肉体を捨て精神体となったおまえ達はこの精神界へと適応した。ここは物質が存在してはならない世界。おまえ達は先程まで異質であった。ゆえに空間の狭間に取り残されていたのだ」
女「うっそ!精神体って...すごい!大発見だよ男ー」
男「死ななけりゃ分からない事もあるんだな....」
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