僕「おねえちゃん」 従姉「・・・・・・」 (172)


ガチャ
僕「ただいま」

僕「・・・」



母「ただいまー」

僕「おかえり」

母「あれ?起きてたの」

僕「うん。これ、プリント」

母「?・・・ああ今日から夏休みだっけ」

僕「うん」

母「暑いもんね」

僕「・・・うん。ぼく、もう寝るね」

母「うん、お休み」

僕「おやすみ」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1434029479


僕「・・・」

僕「・・・おはよう」

僕「・・・」


カチッ・・・ボワッ
ジュウウウ・・・

僕「・・・」もぐもぐ



ガチャ
僕「いってきます」



友「よう」

僕「おはよう」

友「どこいく?」

僕「どこでもいいよ」

友「じゃあセミ取りしようぜ」

僕「うん」



友「すげーだろ!」

僕「うん。何ひきくらい?」

友「40はいるぞ」

僕「すごいね。お昼だけどどうするの?」

友「うーん・・どうしよう?」

僕「逃がしてあげようよ」

友「・・・そーだな!」

僕「うん」

友「でもツクツクは持って帰る」

僕「めずらしいもんね」

友「めし食ったらどうする?」

僕「しゅくだいやっちゃわない?」

友「げー」

僕「早くおわらせた方がいいよ」

友「そうだな。うつさせて!」

僕「もう」



友「はー・・・」

僕「つかれた?」

友「うん、お前はやいなー」

僕「きのうの夜もやったから」

友「げ」

僕「ひまだったし」

友「自由研究どうしようかなー」

僕「いっしょにやってもいいって先生言ってたよね」

友「うん・・・あ、だめだオレ、あさってから旅行行くから」

僕「え?どこいくの?」

友「岩手の親せきのうちだって」

僕「ふーん」

友「お前は行かないの?」

僕「・・・うん、たぶん。いつまで?」

友「8月はいるまでらしい」

僕「・・・長いね」

友「どうせお前のことだから先に自由研究やっちゃうだろ?」

僕「うーん・・・そうかも」

友 「だよなー」


僕「・・・ふあ」

ガチャ
母「ただいまー」

僕「おかえり」

母「今日も起きてたんだー・・アンタ焼けた?」

僕「うん。友くんとセミ取りした」

母「そうなんだ」

僕「・・・」

母「私もお風呂入ったら寝るから、先寝てな」

僕「うん・・・お母さん」

母「ん?」

僕「友くん、親せきのおうち行くんだって」

母「へぇそうなんだ」

僕「・・ぼくには親せきっていないの?」

母「いるよ?」


僕「親せきのおうちとか・・行かないの?」

母「仕事あるから無理だよ」

僕「そっか」

母「あ」

僕「?」

母「アンタ一人で行く?」

僕「え?」

母「お母さんとお兄ちゃんに聞いてみる?」

僕「え?・・・うん」

母「じゃあ電話しとくね」

僕「う・・うん?」


僕「・・・」

僕「・・・おはよう」

母「あ、起きたんだ。書置きしないですんだわ」

僕「?」

母「お兄ちゃんに聞いたらオッケーだって」

僕「え?なにが?」

母「遊びに来ていいって」

僕「え?あ・・うん」

母「ゴメン私もう仕事行くから、この番号に電話しといて」

僕「え?・・え?」

母「いってきまーす」

僕「え?い・・ってらっしゃい?」


ジィーッ ジィーッ ジィーッ・・・
プルルルル・・・


叔父『もしもし?』

僕「あ・・・えっと・・はじめまして。ぼく、母の子供の僕です」

叔父『・・・あー!聞いてるよ僕君だね?いつ来るの?』

僕「え・・えっと?わかんないです」

叔父『あれ?お母さんに聞いてない?』

僕「は・・・はい」

叔父『うーん・・・あいかわらずだなぁ』

僕「?」

叔父『よし、じゃあ叔父さんが聞いとくよ。また明日電話するよ』

僕「あ・・はい。すみません」

叔父『じゃあねー』
ガチャ



僕「・・・」

僕(しゅくだい、出来るだけやっておこう)


ジリリリリリ!

ガチャ
僕「もしもし」

叔父『あ、僕君?』

僕「あ、はいそうです」

叔父『お母さんに聞いた?』

僕「えっと・・・朝起きたらお金とひこうきの券が置いてありました」

叔父『はぁ・・・まったく』

僕「あ・・すみません」

叔父『あ、君に言ってるんじゃないから大丈夫だよ!』

僕「あ、ハイ」

叔父『そういう訳で、今日の夕方だって』

僕「はい」

叔父『大丈夫?準備とか』

僕「えっと・・・服とか2回ぶんでいいですか?」

叔父『うん、パジャマとかはあるから大丈夫だよ』

僕「はい・・えっと・・ぼく、おかね持ってないんですが・・」

叔父『あーそういうの大丈夫だから!じゃあ空港で待ってるけど大丈夫かな?』

僕「えっと・・・たぶん大丈夫です」

叔父『分からなくなったら電話していいからね』

僕「ありがとうございます」



『○○空港行きの飛行機は79番ゲートからのご搭乗となりまーす』

僕「・・・」
てくてく



キーン


『またのご搭乗をお待ちしております』

僕「・・・えっと」


[ようこそ、僕君]

僕(あ・・あの紙もってる人かな?)

僕「えっと・・・叔父さん・・ですか?」

叔父「あ、君が僕君?」

僕「はい」

叔父「そうか!良かった。迷わなかったかい?」

僕「はい、出口1個だけだから大丈夫です」

叔父「ははは、そうだね。小さい島だろ!」

僕「そうなんですか?」

叔父「空港で話しててもしょうがないから家行こうか?」

僕「あ、ハイ」


ブロロロロ・・・


僕「・・・」

叔父「暑いかい?」

僕「えっと・・ここのが涼しいです」

叔父「ああ、内地のが暑いな。でもここは湿気すごいから雨降ると蒸し暑いんだよ」

僕「そうなんですか・・・えっと」

叔父「・・・?」

僕「・・・でもすごく晴れてますね」

叔父「突然大雨になったりするんだよ」

僕「そうなんですか」

叔父「まあしばらくは降らないかな」

僕「・・・」


叔父「着いたよ」

僕「あ、ありがとうございました」

バタン


叔母「あら、こんにちは。君が僕君?」

僕「はい・・・えっと・・叔母さんですか?」

叔母「そうよ。今日からよろしくね」

僕「よろしくお願いします」


祖母「おー来たかい」

僕「あ、おばあちゃん」

祖母「よく覚えててくれたねぇ」

僕「えっと・・ひさしぶりです」

祖母「あれ、小さいのにちゃんと挨拶出来て偉いねぇ」

僕「・・・」


叔父「あれ、母さん、従姉は?」

祖母「さっき遊び行っちゃったよ」

叔父「アイツ、僕君が来るから家に居ろって言ったのに」

叔母「ねえ?年の近い子来るからって言ったのに」

僕「?」


叔父「とりあえず、家の中を案内するね」

僕「あ、はい」



叔父「・・・って感じでここが僕君が寝る部屋ね」

僕 「はい、ありがとうございます」

叔父「夕飯はえーっと・・」

叔母「7時くらいよ」

僕「あ、ハイ」

叔父「何か分からない事ある?」

僕「えっと・・ぼく、いつまでおじゃましてていいんですか?」

叔父「え?!なにも聞いてないの?」

僕「・・・はい」

叔母「ぷぷっ・・母さんらしいわねー」

叔父「いくらなんでも放任過ぎるだろ」

僕「?」

叔父「・・・えっと特にうちも聞いてないから、とりあえず俺から君のお母さんに聞いとくよ」

僕「・・・すいません」

叔父「まあでも、特にうちは困らないし、夏休みの間中居てもいいけどね」

叔母「そうねーもういっそうちの子のなっちゃえば?」

僕「あ・・・えっと・・ありがとうございます」


ガチャ

叔父「ん?従姉帰ってきたのか?」

叔母「じゃない?」

叔父「ただいまも言わねぇで・・」

叔母「呼んでくる?」

叔父「たのむ」

僕「?」


「えー」

「ちゃんとご挨拶なさいな」

「知らない奴でしょ?」

僕「?」



従姉「・・・・」

叔父「あ、コレうちの子ね。ちゃんと挨拶しなさい」

従姉「・・・」ぺこっ

僕「えっと・・・僕って言います。よろしく」

従姉「・・・ふん」
タッタッタ

叔父「あ、コラ!」

叔母「ごめんねー人見知りする子じゃないんだけどねー」

僕「・・いえ、大丈夫です」

叔母「従姉は今4年生だから、僕君より2つ上かな」

僕「・・・そうですか」

人が死んだりしないお話です。
ゆっくり書いていきたいと思います。
よろしくお願いします。

今日はここまでにします。

眠れないのでもちっといきます


叔父「じゃあ俺はちょっと搾ってくるから」

叔母「はいはーい」

僕「?」

叔父「ん?ああ仕事だよ」

僕「なにをしぼるんですか?」

叔母「牛さんよ、うち、酪農だから」

僕「うしさん?」

叔父「そうか、内地じゃあんまり見ないかーせっかくだから見るかい?」

僕「・・・見たいです」

叔父「じゃあ着いておいで」

僕「・・・」こくっ


モォー
モォー


僕「・・・!」

叔父「ははは!大丈夫だよ。人に慣れてるから蹴ったりしないよ」

僕「・・・えっと・・はい」

叔父「まあ、いきなりは怖いか。そこで見てな」

僕「はい」


叔父「よいしょ」
ふきふき

ジャーッツ
ジャーッツ

僕「・・・」


従姉「・・・じゃま」

僕「・・え?・・あ・・ゴメン」

従姉「ふん」


叔父「あ、従姉来たのか。手伝ってくれるか?」

従姉「うん」


従姉「じゃあ持ってくね」

叔父「おお」

僕「・・・あ、ぼくがはこぶよ!」

従姉「いい。どいて」

僕「・・・うん」


叔父「ははは・・まあ慣れない人がやると事故の元だからな」

僕「すいません」

叔父「いやー手伝ってくれようとしてくれただけで嬉しいよ」

僕「・・・」

叔父「じゃあもうご飯だから帰ろうか」

僕「あ、ハイ」


「いただきます」


僕「えっと・・これはなんですか?」

叔母「魚の塩漬けだよ」

僕「そうですか」ぱく

祖母「うまかの?」

僕「はい」

叔母「あら、従姉より好き嫌い少ないんじゃないの?」

従姉「・・・ふん」

僕「あ・・・えっと・・叔父さん!」

叔父「ん?」

僕「あの、ぎゅうにゅうしぼるのって、いつも夜にやるんですか?」

叔父「いや、朝と夜の2回だよ」

僕「えっと・・・じゃあ朝のしぼる時見てていいですか?」

叔父「ん?いいけど・・」

僕「あの、自由研究でかんさつにっきつけたいから・・」

叔父「ああなるほど!いいよー」

僕「ありがとうございます」


僕「・・・」

・・・コケコッコー

僕「・・・ん」

従姉「・・おい」

僕「・・・わ!・・従姉おねえちゃん」

従姉「見るんじゃないの?」

僕「・・え?」

従姉「搾乳」

僕「あ・・うん。まだ6時だけどこんなに早いの?」

従姉「・・・先行ってるから」
ガラガラ ぴしゃっ

僕「・・・」もぞもぞ



僕「・・・おはようございます」

叔父「おーおはよう!でももう終わるとこだよ」

僕「え?」

従姉「・・・どいて。牛乳運ぶんだから」

僕「あ!今日は僕が」

従姉「私の仕事だから。ねぼすけはどいてて」

僕「・・・うん」



「いただきます」


僕「今日はねぼうしてごめんなさい」

叔父「いやー都会じゃこんなに早く起きないだろうからしょうがないよ」

僕(・・・お母さんはおきてるかも)

叔母「でもよく起きてきたね。正直言うとおばさん、朝ご飯まで寝てると思ったよ」

僕「あ、えっと従姉おね・・」

従姉「ああ!!」

叔父・叔母「??」

従姉「と、隣の家の鶏が鳴いたからそれで起きたんじゃないの!?」

僕「あ・・そういえばニワトリの声きこえました」

叔父「ああ、それでかー雄鶏はうるさいからなー」

僕「いえ・・その、家の近くにはニワトリも居ないからおもしろいです」

叔父「んー・・じゃあ鶏見るか?」

僕「え?」

叔父「ウチも飼ってるからね。山の中の畑に放し飼いだけど。見に来るか?」

僕「あ、ハイ。行きます」

叔母「じゃあ、僕君のお弁当も作らなきゃね」

僕「あ、すいません」


コッコッコ・・

僕「・・・」

叔父「ははは!大丈夫だよ。こいつらは全部雌だから攻撃しないよ」

僕「は・・はい」

叔父「僕君は生き物苦手?」

僕「えと・・そんなことないです。ネコとかすきです」

叔父「ははは・・猫かぁ」

僕「?」

叔父「お猫様はペットだからね」

僕「え・・?はい」

叔父「鶏とか、牛は家畜だからね」

僕「かちく?どうぶつじゃないの?」

叔父「動物だよ。でも家畜って言うのは人間のためになにかを作ってくれるんだよ。牛は牛乳を、鶏は卵を」

僕「あ・・そうですね」

叔父「せっかくだから、雑草ぬき手伝ってくれる?」

僕「はい!」


僕「・・・・ふう」

叔父「疲れたろう?」

僕「えっと・・はい」

叔父「疲れた時のお弁当はおいしいぞ!」

僕「はい!」


叔父「僕君は本当好き嫌いないね」もぐもぐ

僕「・・そうですか?」ぱくぱく

叔父「その菜っ葉大丈夫?」もぐもぐ

僕「ちょっと苦いけどおいしいです」ぱくぱく

叔父「・・・その、なんだ」

僕「?」

叔父「妹・・いや僕君のお母さんは料理とかちゃんと作ってるか?」

僕「あ・・えっと・・・・・・ときどき」

叔父「ああ・・やっぱりね。じゃあお弁当とかパンとか食べてるのか?」

僕「それもあるけど、自分で作ることが多いです」

叔父「そっか・・しっかりしてるなー」

僕「・・・」

僕(叔父さんはぼくのしらないお母さんをしってるんだ)


叔父「午後は別のことするよ」

僕「?」

叔父「牛の世話だ」

僕「牛乳しぼるの?」

叔父「違うよ。ブラシかけて、病気が無いか見て、ウンチを片付けるんだ」

僕「?」

叔父「まあ一緒にやればわかるよ」


ジャッ ジャッ
叔父「~♪」

僕「牛さん痛くないの?」

叔父「ああ。ギザギザしてるけど牛はコレが気持ちいいんだよ」

僕「ふーん」

叔父「やってみる?」

僕「はい!」

しゃっ しゃっ

叔父「もっと力入れて平気だよー」


叔父「よいしょ」

僕「・・・うんち、どうするの?」

叔父「ああ、これはね、山積みにしておいて、何回もかき回すと堆肥になるんだよ」

僕「たいひ?」

叔父「野菜とか作る土に入れると肥料になるんだよ」

僕「・・・きたなくないの?」

叔父「ははは!栄養がいっぱいあるから大丈夫だよ」

僕「・・・」


子牛「もぉーっ」

僕「!」

叔父「ああ、そいつ3日前に生まれたんだよ」

僕(・・・かわいい)

叔父「オスなんだけどね」

僕「?」

叔父「で、こっちがそいつ生んだ母牛」

僕「・・なんかぼーっとしてるね」

叔父「うん、なんか元気ないんだよなー」


叔父「今日は1日お疲れさん」

僕「うん」

叔父「疲れたろう?」

僕「うん、ちょっと」

叔父「叔父さんはまだやることあるから、僕君はお風呂行ってきな」

僕「はい」


叔母「あ、僕君」

僕「はい?」

叔母「これから温泉行かない?」

僕「おんせんがあるの?」

叔母「うん。車で15分くらい」

僕「おじさんはこないの?」

叔父「搾乳したら行くぞ」

僕「あ、ぼく見なきゃ」

叔母「明日だってみられるんだからいいじゃない」

僕「うーん・・」

叔父「従姉が手伝ってくれるから大丈夫だよ。ばあちゃんとおばさんと先行ってな」

僕「・・・うん、そうします」


ちゃぽん

叔母「結構熱いでしょう?」

僕「うん・・・でも大丈夫です」

叔母「露天もあるよ。海が見えるし、行こう?」

僕「うん」

祖母「わたしゃこっちにおるよ」


叔母「今日は疲れたでしょう?」

僕「うん、でも大丈夫です」

叔母「ふふ・・僕君は男の子だね」

僕「?」

叔母「にしても遅いわね」

僕「ん?」

叔母「あ、来たわね」


従姉「・・・」
ちゃぽん

叔母「遅かったね」

従姉「うん・・・なんでコイツいるの?」

僕「え?」

叔母「あらら、恥ずかしかった?」

従姉「べつに」

僕「??」

ここまでにします

おやすみなさい

伯父だな

>>36あ、そうですね
しれっと直します


伯母「気持ちよかったね」

僕「うん」

祖母「島には他にも温泉あるよ」

僕「そうなの?」

祖母「島に居る間に他のも行こうかの?」

僕「うん」

伯母「帰ったらアイス食べる?」

僕「いいの?」

伯母「うん、従姉食べたいって言うと思うし」



伯母「はい、どうぞ」

僕「ありがとうございます!」
従姉「・・・ん」

伯父「僕君もこのアイスでいいのか?従姉が好きだからこれしか買ってないんだけど」

僕「ぼくもメロンすきだから大丈夫です」

従姉「・・」

僕「いただきます」


テレビ『~~~!』


伯父「従姉、天気予報見たいからチャンネル回してくれ」

従姉「うん」
ガチャ ガチャ ガチャ

テレビ『・・・○○島は明日も晴れ間が続き暑くなるでしょう・・・』

伯父「うーん」

伯母「どうしたの?」

伯父「いや、マサコ調子悪そうだからなー暑いの可哀想だなーってな」

伯母「まだ立たないの?」

伯父「うん、獣医呼ぶかー」

伯母「そうね」

僕「・・マサコさんって?」

伯父「ああ、牛だよ。3日前に産んだやつ」

僕「あ・・・まだぼーっとしてるの?」

伯父「うん。だから今から獣医呼ぼうかと思ってね」

僕「・・・そうなんだ」

伯母「電話するわよ」

伯父「うん」


僕「ぼく、うしさん見てくる」
ガラガラ

***


僕「あれ?・・・でんきついてる?」


従姉「・・・」
なでなで
母牛『・・・』

僕(従姉おねえちゃんがうしさんなでてる)


従姉「マサコ・・がんばって」

僕「・・・」

従姉「・・・」


僕(なんか話しかけづらいから外にいよう)


獣医「こんばんわー」

伯父「夜にすみませんね」

獣医「いやー仕事だからねー。で、マサコ立たんの?」

伯父「うん、ぼーっとしとるよ」

獣医「そっかぁ・・まあ見てみるか」

伯父「頼むね」


獣医「ん?君は?」

僕「あ・・えっと、伯父さんの妹の子供です」

獣医「ん?・・・ああもしかして母ちゃんの子?」

僕「え?!あ・・はいそうです」

獣医「やっぱりそうかー目元とか似てるもんね」

僕「え・・そうですか?」

獣医「うんうん」

伯父「夏休みで遊びに来てるんだよ」

獣医「じゃあ母ちゃんも?」

伯父「いや、相変わらず」

獣医「ははは」

僕「・・・」


獣医「うーん・・・」

伯父「どうです?」

獣医「まろぶかもなぁ・・試しにもう一回だけシーエーやるか?」

伯父「あー・・・・そうだなもっかいだけやるかの」

獣医「じゃあ準備する」

伯父「ん。頼む」


僕「・・伯父さん」

伯父「んー?」

僕「うしさん・・大丈夫?」

伯父「うん。今注射打ってもらうからな」

僕「うん」

従姉「・・・」


・・・コケコッコー!

僕「・・・ん」

僕「んー・・・」

カラカラ・・

従姉「・・!」

僕「あ、おねえちゃんおはよう」

従姉「・・・さっさとしなよ」

僕「うん・・起こしにきてくれてありがとう」

従姉「・・ふん」



伯父「お!僕君もちゃんと起きたか」

僕「おはようございます」

伯父「じゃあ手伝ってくれる?」

僕「はい!」

伯父「じゃあそのバケツから、叔父さんにタオル渡してくれ」

僕「うん」

従姉「・・私、集乳瓶持ってくる」

伯父「おう、転ぶなよ」

従姉「・・うん」


僕「伯父さん・・マサコすわってるね」

伯父「んー・・・そうだなぁ」

僕「マサコはしぼらないの?」

伯父「うん。立てないから搾れないしな」

僕「そっか」

従姉「・・・」


伯父「よし、朝の搾乳終わり!二人ともお手伝いありがとな」

僕「うん」
従姉「・・お父さん、」

伯父「従姉」

従姉「・・うん」

伯父「今日も天気良いし、僕君を島のなか案内してやってくれないか?」

従姉「え?」

伯父「大人が案内してもたぶん面白くないだろ?お前が遊び行くとことか案内してやってくれ」

従姉「・・・わかった」

伯父「うん」


従姉「・・・行くよ」

僕「あ、まって!」

従姉「なに?」

僕「えっと・・なにかもっていかなくていいの?」

従姉「・・別にいいよ。さっさと行こう」

僕「うん」

ガラガラ

従姉「・・・」

僕「・・おねえちゃん、どこいくの?」

従姉「・・・」

僕「・・・」

僕(ぼく、おねえちゃんにきらわれてるのかな・・)

とりあえずここまで

つづきです


僕「ここ神社?」

従姉「うん」

僕「ここで遊ぶの?」

従姉「・・ちがうよ。ここ島の“そうちんじゅ”だから」

僕「そうちんじゅってなに?」

従姉「えっと・・・一番偉い神さま・・だったと思う」

僕「ふーん」

従姉「あんたよそ者だから、ちゃんと挨拶するの」

僕「うん」

・・・


従姉「・・じゃあ行こう」

僕「え?神社のうら?」

従姉「昔の人が使ってた道があるから」

僕「?」


僕「・・・ちょっと・・はぁはぁ・・まって」

従姉「男なのにだらしない」

僕「だって・・・はぁはぁ・・すごいかいだん」

従姉「もうちょっとだから。先行ってるよ」
タッタッタ

僕「うう・・!」


従姉「やっと来た」

僕「はぁはぁ・・・・・え?!」

従姉「・・・昔はここから港の様子を見てたんだって」

僕「・・・すごいけしき」

従姉「・・・」

僕「おねえちゃん」

従姉「・・・なに?」

僕「このお花、なんていうの?」

従姉「ハイビスカス」

僕「きれいだね」

従姉「・・・・うん」


従姉「・・・そろそろ行こうか」

僕「うん・・・ゆっくりあるこう?」

従姉「私はゆっくり歩いてるけど?」

僕「・・・」


僕「はぁ・・・はぁ・・・」

従姉「ほんと、だらしないな」

僕「だって・・こんな山のなか・・はぁはぁ・・・歩かないもん」

従姉「・・・ねえ、のど乾いた?」

僕「え?・・うん」

ぷちっ
従姉「ほら」

僕「え?これなに?」

従姉「なんとかフルーツ」

僕「食べられるの?」

従姉「うん。周りの硬い皮やぶってごらん」

僕「うん!」
ぎゅー
ぎゅー
ぎゅー

僕「・・・」

従姉「貸してみ」

僕「・・うん」


べりっ
従姉「はい、半分あげる」

僕「ありがとう」
ぱく

従姉「・・」ぱく

僕「すっぱい!」

従姉「おいしくない?」

僕「すっぱいけどあまくておいしい」

従姉「そう」


従姉「東京は遊んでるときのど乾いたらどうするの?」

僕「えっと、お店で飲みものかうよ」

従姉「へー」

僕「ミリンダとか」

従姉「みりんだ?」

僕「ミリンダ!」

従姉「・・知らない」

僕「え?!」


ツクツクホーシ
ツクツクホーシ

僕「あ、ツクツク」

従姉「?」

僕「セミ」

従姉「うん」

僕「セミ取りとかしないの?」

従姉「あんまりしない」

僕「そうなんだ・・ツクツクいるのにもったいないね」

従姉「ん?」

僕「だってツクツクってめずらしいでしょ?」

従姉「え?・・島にはツクツクホーシしかいないけど」

僕「ええ?!!」

従姉「そんなに驚くこと?」

僕「うん!すごい、セミ取り天国だよ!」

従姉「意味わかんない」


従姉「海行こうか」

僕「え・・ぼく泳げない・・」

従姉「うそ?!」

僕「・・・」

従姉「まあ、水着ないから岩場で遊ぶだけだけど」

僕「それなら行く」

従姉「ホントに泳げないの?」

僕「ホントにおよげない」

従姉「良く生きていけるね」

僕「ひどい!」

従姉「アハハ」

僕(あ・・・おねえちゃん、はじめてわらった)

従姉「・・なにニヤニヤしてんの?」

僕「え?なんでもないよ」

従姉「変な奴」


僕「おねえちゃん、なんで岩ひっくりかえしてるの?」

従姉「貝さがしてんの」

僕「カニさんならいるよ」

従姉「カニはいらない」

僕「?」

従姉「あ、あった」

僕「でっかい!」

従姉「この貝、おいしいよ」

僕「そうなの?」

従姉「うん。だから一緒に探して」

僕「うん!」



僕「あった!」

従姉「それ石」

僕「・・・」


伯父「おーお帰り。楽しかったか?」

僕「うん、えっと・・お姉ちゃんと貝をとりました」

伯父「おお、でっかいトコブシだな!」

従姉「・・ほとんど私が取ったんだけど」

僕「・・・うん」

伯父「ははは・・じゃあ俺は搾ってくるから」

僕「あ、手伝います!」

伯父「ん?・・そうか?」

僕「うん!」


***


伯父「じゃあ、これで終わり。二人ともありがとうな」

僕「うん」
従姉「・・・」

伯父「夕飯が待ってるぞ」

僕「うん」


「いただきます」


僕「あ、これ、とった貝?」

伯母「そうよーおいしいでしょ?」

僕「うん!おいしいです」

伯母「よかった」

従姉「・・・」

祖母「従姉ちゃん、食欲ないのけ?」

従姉「ん」

僕「?」


僕「あ、おじさん」

伯父「ん?」

僕「そういえば、マサコはどうしたの?さっきいなかったけど?」

伯父「ああ・・えっと、マサコは入院したんだよ」

僕「え?いつ、たいいんするの?」

伯父「あー僕君がいる間は入院してるかなー」

僕「そうなんだ・・おみまい行きたいな」

伯父「えっと・・」

伯母「それより僕君、デザートにパッションフルーツ食べない?」

僕「?」

伯母「甘酸っぱくておいしいよ」
コトン

僕「あ、昼間たべたナントカフルーツ」


伯母「あれ?知ってるの?」

僕「えっと、昼間おねえちゃんがくれたから」

伯母「そうなんだ」

僕「ぼく、これすきだからうれしいよ」

伯母「よかった!」

伯父「従姉・・・畑からとってないよな?」

従姉「・・・ちゃんと道に生えてるのとったから」

伯父「ん、そうか」

従姉「・・・・・・ごちそうさま」

伯父「ん?もういいのか?」

従姉「うん・・・おふろ入って寝る。疲れちゃった」

伯母「アラそう?」

従姉「うん」

僕「?」


僕「・・・ん」ぱち

僕(・・・おしっこいきたいな)

僕「・・」
もぞもぞ


かっちかっちかっち・・・

僕(・・2時かぁ)


僕「ん?」

「うっ・・・うっ・・」

僕(おねえちゃん?)


・・カラカラ

従姉「うっ・・・うっ・・」

僕「・・・おねえちゃんだいじょうぶ?」

従姉「!!」

僕「!・・おねえちゃん泣いてるの?」

従姉「ばかっ・・・泣いてない!くんな!」


僕「でも・・・どこか痛いの?」

従姉「大丈夫・・だから・・ぐすっ」

僕「・・おねえちゃん・・こわい夢みたの?」

従姉「・・・大丈夫・・」

僕「・・うん」

従姉「僕」

僕「うん」

従姉「ちょっとこっち来て」

僕「?」

従姉「・・・」
ぎゅっ

僕「?!」

従姉「今日、一緒に寝てあげるから・・・誰にも言うな」

僕「??」

従姉「返事」

僕「うん」


・・・


今日はここまでにします
おやすみなさい

こんばんは
続きです


・・・コケコッコー


従姉「・・・ん?」




モォー
モォー

僕「あ、おねえちゃんおはよう」

伯父「お、従姉起きたか。どうした?今日は珍しく遅いな。体調悪いなら寝てな」

従姉「うん・・もう治ったから平気」

僕「・・・えっと・・あさトイレいったとき、もどったよ」

従姉「・・うん」



伯父「お疲れさん。そういえば昨日はどこ行ったんだ?」

僕「えっと、そうちんじゅと海にいきました」

伯父「ん?・・ああ神社か」

僕「うん」

従姉「・・外から来た人はお参りするんでしょ?」

伯父「ああ・・まあそうだけど、僕君はずっと島に住むわけじゃないしなぁ」

僕「?」


伯母「ね、あなた」

伯父「ん?」

伯母「防災無線で言ってたけど、明日台風来るそうよ」

伯父「そうかぁ・・今年は早いなぁ」

祖母「今年はデーゴが変な咲き方してるからの。ぼうけなんがでーでよ」

伯父「うーん・・そうかもな。じゃあ今日のうちに草集めとくかぁ」

伯父「なあ従姉、僕君も。今日牛たちのエサになる草集めようと思うんだけど手伝ってくれる?」

僕「うん!」
従姉「うん」

伯父「じゃあ午前中に刈っとくから午後に母さんと一緒に山に来てくれ」

僕「はい!」

伯父「じゃあ俺は一足先に仕事行ってくるな」
ブロロロロ

僕・従姉「いってらっしゃい」


伯母「じゃあ、二人とも午前中は宿題でもやってなさい」

従姉「うえ」

僕「えっと・・」

伯母「あらぁ?二人とも嫌なの?」

従姉「だって・・まだ7月なのに」

伯母「そんな事言ってると8月の最後までやらなくなっちゃうわよ」

従姉「・・えー、ちゃんとやるよ」

伯母「僕君はちゃんとやるよね?」

僕「えっと・・・」

従姉「僕もまだ早いって思うよね?」

僕「その・・自由研究いがいは・・・もうおわってます」

従姉「げ」

伯母「ホラ、僕君を見習いなさい!」

従姉「あんた、ナマイキ」ぎろっ

僕「ご・・ごめんなさい」


伯母「じゃあおばさんもおばあちゃんも外行っちゃうけどホントに大丈夫?」

僕「おうちにある本よんでます!」

伯母「従姉はちゃんと宿題してなさいよ」

従姉「・・・はーい」ぎろっ

僕(おねえちゃんににらまれてる・・・)

祖母「じゃあ行ってくるよー」

僕・従姉「いってらっしゃい」


***


僕「~♪」
ぱら

従姉「・・・」
かりかり

従姉「・・・はぁーあ」

僕「?」

従姉「疲れた。休憩しよ」

僕「・・・」

従姉「・・・なによ?」

僕「え?!・・・なんでもないよ」

従姉「・・・ふん」
とたとたとた・・


がちゃん・・・とくとくとく・・

・・・とたとたとた
従姉「ん」

僕「え?」

従姉「牛乳。飲まないの?」

僕「のむ!ありがとう!」

従姉「うん」
ごくごくごく

僕「・・」
ごくごく


従姉「・・・ねえ」

僕「?」

従姉「・・昨日のこと・・言わないでよ」

僕「え?・・・・あ、うん」

従姉「・・ならいい」

僕「・・・」

僕「・・あの」

従姉「なに?」


僕「えっと・・・なんで泣いてたの?」

従姉「・・・」

僕「・・・ごめんなさい」

従姉「あのね」

僕「・・うん」

従姉「マサコが入院したっているの、ウソだよ」

僕「え?」

従姉「マサコは・・・殺されたの」

僕「え?!・・・う、うそだよね?」

従姉「牛は、牛乳出すために居るの。牛乳が出せない牛は殺されるの」

僕「・・・うそだ」

従姉「本当だよ・・・いっぱい見てきたから」

僕「そんなの・・・かわいそうだよ」

従姉「・・・」


僕「マサコの子どもはどうするの?」

従姉「他の牛のミルクで育てるの。それに、あの子はオスだから」

僕「?」

従姉「オスは牛乳出せないから」

僕「・・・ころしちゃうの?」

従姉「大きくなる前に殺して・・・食べるんだよ」

僕「・・・」


ツクツクホーシ
ツクツクホーシ


***


伯母「ただいまー」

従姉「お帰りなさい」
僕「・・・おかえりなさい」

伯母「宿題進んだ?」

従姉「うん。そこそこ」

伯母「ふーん・・まあとりあえずよく頑張りました。頑張ったからお父さんのお手伝いの後はみんなでかき氷食べようか」

従姉「やった!」

僕「・・・」

伯母「?僕君はかき氷嫌い?」

僕「え?・・あ、すきです。たべます」

伯母「?」


***


伯父「いやーみんなが手伝ってくれたおかげで早く終わったなー!」

伯母「じゃあ約束通りみんなでかき氷食べに行きましょう」

伯父「お、いいな!」

伯母「じゃあお父さんは草運んだら来てね」

伯父「おー」



伯母「僕君は何味?」

僕「えっと・・イチゴ」

伯母「従姉もイチゴよね?」

従姉「うん」

伯母「すみませーん、注文お願いしまーす!」

店員「はーい」



ブロロロ・・
伯父「ありゃ・・もう空模様おかしくなってきたな」

伯母「ホントね」

伯父「こりゃあ今日の夜から降るな」

祖母「雨戸閉めんとな」

伯父「うん、そうだな」

僕「台風来るの?」

伯父「うん。たぶん今日の夜中から降りだすな」

僕「そうなんだ」

伯父「明日はたぶん荒れるから一人で海とか川に行っちゃダメだぞ」

僕「はい」

伯母「従姉、二階の雨戸、忘れずに閉めてね」

従姉「うん」


僕「おやすみなさい」

伯父・伯母「おやすみー」


とたとた
ぱたん

僕「・・・」

ゴオオオォォォォ・・・

僕(かぜの音かな?)

ゴロゴロゴロ・・・

僕(カミナリもなってる・・)

ゴオオオオオ・・・
ゴオオオオオオオ・・
モォーモォーモォー

僕「!」
がばっ

とたとたとたとた


僕「・・・」

カラカラ

僕「・・おねえちゃん」

従姉「ん?・・・僕?」

僕「・・・えっと・・」

従姉「台風怖いの?大丈夫だよ」

僕「・・・・・」

従姉「一緒に寝る?」

僕「・・うん」

もぞもぞ

**

僕「・・・」
ぎゅうう

従姉「そんなに服強くつかまないで。ちょっと痛い」

僕「ご・・ごめんなさい」

従姉「・・東京は台風ってあんまり来ないの?」

僕「・・うん」

従姉「そうなんだ。だからそんなに怖がってるの」

僕「そうじゃないよ」

従姉「?」


僕「かぜの音といっしょに、うしさんの声がする」

従姉「え?」

僕「マサコが泣いてるきがする」

従姉「・・・たぶん風が強いから子牛とかが鳴いてるのが聞こえたんだと思う」

僕「・・・」

従姉「・・・ごめん」

僕「?」

従姉「マサコのこと言わなければよかったね」

僕「・・・マサコのこと、ほんとうなの?」

従姉「・・・ホントだよ」

僕「・・・うん」
ぎゅっ

従姉「・・・」
なでなで

僕「・・・」

従姉「・・・」
なでなで

僕「・・・すー・・・すー・・」

従姉「・・・」
なでなで

僕「すー・・すー・・すー」

従姉(でも・・僕は泣かないんだね)

ここまでにします

デイゴが狂い咲きする年は大きい台風が来るってけっこうホントですよ
続きです


ザアアアアアアアアアア・・・

従姉「・・・僕」

僕「・・ん」

従姉「そろそろ起きないと」

僕「ん・・・でもまだにわとり鳴いてない」

従姉「今日は雨だから鶏の声聞こえないよ」

僕「・・・・んー」

従姉「・・先行ってるよ」
もぞもぞ




僕「・・・・はっ!」


僕「おっおはようございます!」

伯父「おはよーもう搾り終わったよ」

従姉「ねぼすけ」

僕「ごめんなさい・・・」

伯父「ははは・・昨日は草刈りで疲れたからなー。じゃあこっちの布巾いっしょに洗おうか」

僕「はいっ。ぴかぴかにします!」

従姉「・・ふふっ」


僕「うーん」
ごろごろ

従姉「こら、食べてすぐゴロゴロするな」

僕「うーん・・・でもすること無いんだもん」

従姉「私は宿題終わってないの!」

僕「ぼく、おねえちゃんのしゅくだいは分からない・・ごめんなさい」

従姉「僕に手伝ってもらうなんて考えてないよ!」


ガラガラ
「こんにちわー!」

僕「?」

「従姉ちゃんいるー?」

従姉「ん?」
とたとた


従姉「あ、姉友。どうしたの、こんな日に」

姉友「雨降ってて外で遊べないから遊びにきちゃった」

従姉「私宿題してた」

姉友「え?こんなに早く?!」

従姉「まー色々あって」


***

姉友「へー僕君ていうんだ」

僕「あ、えっと、従姉おねえちゃんのイトコの僕です。2年生です」

姉友「あははカワイイね」

僕「えっ?」

従姉「・・・」

姉友「せっかくだから3人で遊ぼうよ!」

従姉「・・うん」

姉友「僕ちゃんはいつも何して遊んでるの?」

僕「えっと・・・みんなはSケンとかタカオニとかやってるけど・・」

従姉「?」

僕「ぼく、いっぱいで遊ぶのあんまりすきじゃないから友だちと2人でセミ取りとか」

姉友「ふーん・・僕ちゃんは男の子だからリリアンとかあやとりとかやっても面白くないよね?」

僕「ぼく、けっこうできるよ」

姉友「そうなの?」

僕「うん。かして」

姉友「はい」

僕「・・・」
あみあみあみあみ


従姉「・・・」
姉友「・・・」


僕「できたよ!」

姉友「・・・」
従姉「・・・」

僕「・・どうしたの?」

姉友・従姉(私らより上手いな)


従姉「えっと・・・トランプでもする?」

姉友「う、うん」

僕「?」

***


僕「ふふふ・・ぼく、おねえちゃんにはかつじしんあるよ」

従姉「私だって、あんたには負けないから。僕のカード、すっごい弱いよ」
バチバチ
僕「おねえちゃんこそ」
バチバチ

姉友「私は降りるー」

従姉「いいんだね?僕」

僕「いいよ」

僕・従姉「せーのっつ!!」

僕「え?」
従姉「わ」

僕・従姉「いっしょかー!」

姉友「二人ともさっきから私の事忘れてない?まあ見てて面白いけど」



姉友「・・ん?雨あがってきたんじゃない?」

従姉「そうみたいね」

姉友「ねえねえ、雨あがったら夜ちょっと遊びに出ない?」

従姉「ダメ。仕事あるし」

姉友「牛でしょ?それ終わったらさ」

従姉「どこ行くつもりなの?」

姉友「△△森」

従姉「あ、キノコ?」

姉友「うんうん」

僕「きのこ?」

姉友「この島はね、夜になると光るキノコがあるんだよー!今日みたいに雨が降った後、特によく光るの」

僕「へー!」

従姉「コラ僕。ダメ。川が近いから台風の後は危ないの」

僕「うーん」

従姉「という訳で、ダメ」

姉友「つまんないのー」


「いただきます」

僕「ねえおじさん」

伯父「ん?どうした?」

僕「島には光るキノコがあるの?」

従姉「あ、コラ」

伯父「ああ、そうだよ。最近東京の学者先生が来て調査してたなぁ」

僕「ぼく、見てみたい」

伯父「うーん・・おじさんどこに生えてるかよく知らないんだよなぁ」

僕「今日みたいに雨がふった後が見やすいんでしょ?」

伯母「そうなの?でも今日は雨で道がぬかるんでるからやめた方がいいわよ。それに川も早いし」

僕「うーん」

従姉「・・・」



僕「それじゃあおやすみなさい」

「おやすみー」

カラカラ  パタン

僕「・・」
もぞもぞ

僕「・・・」

僕「・・・くー・・」



カラカラ

ぎし ぎし

ぺんぺん
従姉「僕」

僕「・・ん」

従姉「起きて」

僕「ん・・・おねえちゃん・・どうしたの?」

従姉「光るキノコ、見たいんでしょ?」

僕「・・え?うん!」

従姉「大きい声出すな。お父さんたちには内緒でこっそり行くよ」

僕「・・・うん」


ざっ  ざっ

従姉「ちゃんと、手つないでるんだよ」

僕「うん」

従姉「・・やっぱり道ぬかるんでるね。汚さないようにね。ばれちゃうから」

僕「うん・・・あ、すごい」

従姉「え?」

僕「おほしさま」

従姉「うん。でもこんなもんじゃない?」

僕「東京はぜんぜんちがうよ。晴れててもこんなに見えないよ」

従姉「・・そうなんだ。私はこれが普通だからなぁ」

僕「いいなぁ」

従姉「・・・」



従姉「着いたよ」

僕「どこ?」

従姉「えっと・・これとか?」

僕「・・・思ったより小さいね」

従姉「そんなもんだよ」

僕「でもなんだかキラキラしてる」

従姉「うん」

僕「あ、東京のおほしさまはこれくらいの数だよ!」

従姉「さすがに少なくない?」


カラカラ

僕「おねえちゃん」

従姉「うん」

僕「ありがとう」

従姉「うん」

僕「おほしさま、すごくきれいだった」

従姉「うん・・・あ、見に行った事、姉友にもナイショだよ」

僕「え?なんで??」

従姉「なんでも!二人だけの秘密だよ!」

僕「うん・・・わかった」

従姉「誰かに言うつもりだったな」

僕「帰ったら友達にじまんしようとおもった」

従姉「ナイショ」

僕「はい」

従姉「おやすみ」

僕「うん。おやすみなさい」

ここまでにします

続きです。


じりじりじり・・

僕「今日はあついね」

従姉「うん。台風一家って言うのよ」

僕「たいふういっか?」

従姉「うん」

僕「みんなで来るの?」

従姉「よくわからないけどそうなんじゃい?」


姉友「あ、僕ちゃん、従姉!」

従姉「あ、姉友どうしたの?」

姉友「お使いの帰り。ねえこの後遊ぼうよ」

従姉「僕はどうする?」

僕「べつにいいよ」

姉友「じゃあ昼ごはん食べたら△△森ね」


僕「きのうは暗くてわからなかったけど、すぐ近くに川が流れてるんだね」

従姉「うん。だから夜来るのはホントは危ないの」

僕「うん」


姉友「あ、こっちこっち!」

従姉「あ、いた」

姉友「夜は従姉お姉様の許可が下りないから、僕ちゃんには昼間に案内してあげようと思ってね」

僕「・・うん」

従姉「ふふっ」

僕「えへへ」

姉友「?どうしたの」

従姉「別に」

僕「うん、なんでもないよ」

姉友「ふーん?」


姉友「・・・でねこの川は6月ぐらいにはホタルがいっぱい見られるんだよ!」

僕「ホタル?ぼく見たことないなぁ」

姉友「じゃあまた6月に来ないとね!」

僕「うん。ホタル見たいなぁ」

姉友「ねぇ従姉。僕ちゃんっていつまで島に居るの?」

従姉「知らない」

僕「ぼくもよく分からない」

姉友「え?!・・・まあとにかくさ、僕ちゃんこのまま島に住んじゃえばいいのに」

僕「え?」

従姉「・・・」

姉友「このままずっといてくれたらいいのになぁ。僕ちゃん可愛いから毎日一緒に遊びたいなぁ」

僕「・・・(そういえばぼく、いつまでここにいていいんだろう)」


伯父「今日もお手伝いありがとな」

僕「うん!」

伯父「ところで今日は台風が行った後だから夕日が綺麗だと思うぞ」

僕「そうなの?」

伯父「もともと島は東京より空気が綺麗だし、台風が空気の中のゴミを持って行っちゃうから」

僕「へえ」

伯父「そういう訳だから従姉、僕君を夕日が見えるとこに連れてってあげな」

従姉「・・・じゃあ、あそこかな」

伯父「・・ん?」

従姉「どうしたの?」

伯父「いや・・・あそこってどこだ?海岸か?」

従姉「違うよ」

伯父「ふーん・・まあいいや。危ないとこには行くなよ」

従姉「うん」

伯父「帰ってきたら夕ご飯だから」

従姉「うん、行ってきます。行こう、僕」

僕「うん!」



伯父(従姉の奴、嫌がるかと思ったが・・やっぱり子供同士ってのはすぐ仲良くなるんだな)


僕「おねえちゃん、どこ行くの?」

従姉「うん、秘密の場所」

僕「?」

従姉「夕日になる前に着かなきゃだから急ぐよ」
タッタッタ

僕「あ、まって!」

***


従姉「ホントだらしないなぁ」

僕「はぁ・・はぁ・・はぁ・・だってすごい坂だよ」

従姉「見て」

僕「はぁ・・はぁ・・トンネル?」

従姉「うん。このトンネルの先には山の上の集落があるの」

僕「ふーん・・あ、ここすごく景色いいね」

従姉「うん。でもっと景色がいいとこがあるの」

僕「?」

従姉「こっち」


従姉「足を踏み外さないように気をつけてね」

僕「う、うん」

従姉「この道は大人が知らない秘密の道だよ」

僕「道・・なの?」

従姉「うん・・まあ」

僕(トンネルの横をむりやりのぼってるだけだとおもう)

従姉「ほら、着いた」

僕「はぁ・・はぁ・・・あ、すごいけしき!」

従姉「トンネルの上は大きい木が生えないからね。ここからだと隣島も見えるでしょ?」

僕「うん・・海のなかにちっちゃな島がうかんでる・・あの島もひとがすんでるの?」

従姉「昔は住んでたんだって。今は無人島だよ」

僕「そうなんだ」

従姉「夕日が沈むまでごろごろしてよう」

僕「うん」


僕「~♪」

従姉「・・・」

従姉「ねえ」

僕「なに?」

従姉「僕は・・・いつまで島に居るの?」

僕「うーん・・わかんない」

従姉「僕のお父さんとかお母さんは帰って来いって言わないの?」

僕「お母さんはおしごといそがしいから、いつもぼくが起きるまえに出かけて、ぼくが寝たあとに帰ってくるよ」

従姉「そうなんだ・・お父さんは?」

僕「お父さんはいないよ」

従姉「えっ・・・・」


僕「あ、おひさまが沈むよ」


従姉「あ・・うん」

僕「あのちっちゃな島の後ろにかくれちゃったね」

従姉「うん。毎年今の時期だけ隣島の後ろに隠れるように日が沈むの」

僕「うん・・おそらがまっかだね」

従姉「うん」

僕「・・・」

従姉「もうちょっと見てると、空の色が変わるよ」

僕「え?」

従姉「もうちょっと」

僕「うん・・・あ」


僕「おそらが・・・むらさきいろ!」

従姉「綺麗だよね」

僕「うん・・・すごいね」


従姉「・・・・ねえ」

僕「なに?」

従姉「なんで・・お父さん居ないの?」

僕「・・・りこんしたから」

従姉「・・・そっか」

僕「ぼく、お母さん好きだからだいじょうぶ」

従姉「・・うん」

僕「でも、お父さんもすきだよ」

従姉「・・・」
ぎゅっ
僕「わっ!」

従姉「ごめん」

僕「え?」

従姉「変な事聞いて」

僕「だいじょうぶだよ」

従姉「・・うん」

僕「・・・あ!あれ見て」

従姉「え?」


僕「あのお星さま、うごいてる!」

従姉「・・ほんとだ」

僕「ゆーふぉーだよ!」

従姉「飛行機じゃない?」

僕「ゆーふぉーだよ!ひこうきはピカピカするもん!」

従姉「そうかも・・・すごいゆっくりだし・・ホントにUFOかもね」

僕「すごいね・・・あ・・そうだ、これもぼくとおねえちゃんのヒミツだね」

従姉「うん、そうだね」


***

伯父「お、お帰り。遅かったなーどこ行ってたんだ?」

僕「ヒミツ!」

伯父「ん?」

従姉「秘密の場所」

伯父「ふーん」


僕「ふーおなかいっぱい」

従姉「僕、先お風呂入れば?」

僕「うん」


ジリリリリリ!

伯母「はいはいはいはい」
がちゃ
伯母「もしもしー?・・・あ、母さん。ええ、とってもいい子にしてますよ」

従姉「・・・」

伯母「え?うーん。そうね、僕君に聞いてみた方がいいかな」

僕「?」

伯母「母さんがね、そろそろ帰ってくれば?だって」

僕「えっ?」

伯父「あー・・・俺出るわ」

伯母「あらそう?」

伯父「うん、かわって」


伯父「もしもし?・・・ああ。ウチは迷惑してないよ・・・うーん。じゃあせめて祭り終わったらにすれば?」

僕「まつり?おまつりあるの?」

従姉「うん、明後日の夜お祭りだよ」

僕「おまつり行きたい!」

伯父「聞こえたか?僕君も行きたいってさ・・・うん。はいはいわかったよ。じゃあそうする。ちゃんと空港まで迎えに来てやれよ・・・うん。じゃあまた」
ガチャン

僕「・・えっと」

伯父「お祭りの次の日、帰って来いとさ」

僕「そっかぁ」

伯父「はは。まあ残念がってくれるのは嬉しいけどな。また次来ればいいし、それにお祭りは花火も上がるから楽しいぞ!」

僕「うん」

従姉「・・・」


僕「じゃあぼく、おふろ入ったら寝るね」

伯父「おう、おやすみ」
伯母「おやすみー」



伯父「なんか妹の奴、僕君にお祭りに行かせたくないって感じだったな・・なんかあるのか?」

伯母「さぁ?あなたの思い過ごしじゃない?」

伯父「そうかなぁ・・」

従姉「・・・」

今日は暑かったですね

ここまでにします

出張が近いので今のうちにもう少しだけ進みます


・・・コケコッコー

僕「ん」むくり

僕「・・・」
ごそごそ



僕「おはようございます」

伯父「おーおはよう」

従姉「・・・」

伯父「僕君もしっかりと早く起きられるようになったなぁ」

僕「うん」

伯父「自由研究のほうは順調かい?」

僕「うん」

伯父「・・・自由研究は牛のことだけ書いてるの?」

僕「うしさんのことだけじゃなくて、ニワトリのこととか、海行ったこととかも書いてるよ」

伯父「そっか・・・じゃあさ、今日鶏の仕事するから一緒に山に来る?」

僕「うーん・・どうしようかな?」

伯父「はは、最近はすっかり従姉の弟みたいだもんなぁ。従姉、僕君を借りていいか?」

従姉「・・・別にいいんじゃない?弟じゃないし」

僕「・・・」

伯父「・・・・そ、そうか?じゃあ今日は一緒に行こうか僕君」

僕「うん」

伯父「じゃあご飯食べたら軽トラに乗んな」

僕「うん」


僕「おねえちゃん」

従姉「・・・・・・」

僕(ぼく、おねえちゃんになにかわるいことしたかな・・)


伯父「よーし、じゃあ軽トラに乗って」

僕「うん」

伯母「行ってらっしゃい・・・あなた、あんまり僕君に無理させないようにね」

伯父「ん」

僕「?」


ブロロロロ・・

伯父「なぁ僕君」

僕「なあに?」

伯父「島、楽しかった?」

僕「うん!みんなやさしいし、明日のお祭りもたのしみ!」

伯父「そっか・・それは良かった」

僕「ねえおじさん」

伯父「ん?」

僕「ぼくのお母さんって子供のころどんな人だったの?」

伯父「んー・・・そうだなぁ」


伯父「頭が良くて、負けず嫌いな子だったよ」

僕「ふーん」

伯父「でも、生き物が苦手でね。牛とか鶏にあんまり触らなかった」

僕「そうなんだ(ぼくがまえネコかいたいって言ったときもダメって言われたもんなぁ)」

伯父「でもね、生き物が嫌いってわけじゃないんだよ」

僕「?」

伯父「生き物はね、いつか死ぬ。それに人間は生き物を食べて生きている。だからそのために生き物を殺さなければいけない。それが可哀想だから、出来るだけ生き物に関わりたくない。そういう事だったんだと思うよ」

僕「・・・」

伯父「僕君のお母さんはすごく優しい人なんだよ」

僕「・・・うん」

伯父「あ、言っておくけどこのことは内緒だよ。アイツ負けず嫌いだからこんな事言われてるって知ったら怒ると思うからな」

僕「・・・ふふっ」

伯父「・・・」

僕「?」

伯父「島ではね、昔から、お祝い事とか、島から出て内地に行く人がいたりするときはトリナベを食べてきたんだ」

僕「とりなべ?」

伯父「うん。トリのすき焼きかな」

僕「すき焼き美味しいよね」

伯父「うん。明後日、僕君は内地に帰っちゃうから今日の夜はトリナベにしようかと思ってね」


僕「すき焼きなんだ!やったぁ」

伯父「うん」

ブロロロ・・・キッ

伯父「さあ着いたよ。じゃあ鶏を捕まえようか」

僕「え?」

伯父「捕まえるのは難しいから伯父さんがやるか」


コッコッコ・・・コケー!


僕「・・・お・・おじさん」

伯父「うん」

僕「そのニワトリ・・・ころしちゃうの?」

伯父「・・・そうだよ。食べるために、殺すんだ」

僕「・・・」

伯父(・・・やっぱり無理かな)

伯父「・・ごめんな僕君。おじさんがやるからあっちで遊んでな」

僕「・・・ぼく、てつだうよ」


伯父「・・・大丈夫か?」

僕「・・だいじょうぶです」

伯父「・・・」

伯父「じゃあトラックに積んである軍手をはめて」

僕「うん」


伯父「おじさんがしばるから、羽と足を一緒に持ってて」

僕「はい」

きゅっ

伯父「木に吊らすよ」

僕「はい」

伯父「血が飛ぶから離れてな」

僕「はい」


ぐっ

コッ・・ケーーー!!

ばさばさばさ!!!
ばさばさばさ!!!


ぼたぼたぼた・・・



伯父「内臓は傷つけないように別の袋に入れるんだ」

僕「はい」

伯父「ポットにお湯が入ってるから持ってきて」

僕「はい」

じゃぼじゃぼ


伯父「こうすると羽がむきやすくなるんだ。羽毟ってみるか?」

僕「うん」
ぶちっ  ぶちっ

伯父「うん・・上手いぞ。じゃあ最後に焚火の火であぶって細かい毛を抜く」


・・・


伯父「お疲れ様」

僕「うん」

伯父「僕君」

僕「はい」

伯父「よく頑張ったね」


ブロロロロ・・


伯父「僕君」

僕「うん」

伯父「泣かなかったね。偉いぞ」

僕「うん」

伯父「妹・・君のお母さんは、これができなかった」

僕「・・・うん」

伯父「でもね、それは間違ったことじゃないと思う」

僕「・・・」

伯父「それができない、優しい人がいるってことはすごく大事な事なんだ」

僕「はい」

伯父「だからこそ、それができる君には覚えてもらいたいことがある」

僕「?」

伯父「人間はね、他の生き物の命を頂いて生きてるんだ。鶏だけじゃない。魚も、野菜も全部生きてる」

僕「・・・」

伯父「だからね、ご飯を食べるときは、そうやって俺達に命をくれた全てのものに感謝するんだ。あなたの命を“頂きます”って」

僕「・・・はい」


伯父「いったん家に鶏置いて、一緒に温泉行こうか。男湯の方は入ってなかっただろ?」

僕「うん」

伯父「よし!」


***


ちゃぽん

僕「ふー・・きもちい」

伯父「ははは・・僕君は温泉好きなんだね」

僕「うん」

「お、ひさしぶりだの」

伯父「あ、どーも」

僕(おじさんのしりあいかな?)

「ん?いつのまに二人目こさえたんだ?」

伯父「いやーこの子、妹の子でね」

「そーか母ちゃんの子かぁ確かに似てるの」

伯父「夏休みで遊びに来てるんですよ」

僕「あ、えっと僕です。小がっこう2年生です」

「そーかそーか!もうこのまま島に住んじゃいな。いいとこだぞ」

僕「うん、おんせんに毎日入れるっていいよね」

「そうだろー!」

伯父「・・・」


ブロロロ・・・

伯父「いいお湯だったなー」

僕「うん」

伯父「帰ったら牛乳だな!」

僕「うん!」

伯父「・・・」

僕「?」

伯父「なあ僕君」

僕「なあに?」

伯父「従姉も僕君のこと気に入ってるみたいだし、よかったら・・」

僕「?」

伯父「・・いや・・また遊びにおいで。いつでもいいからね」

僕「うん!ありがとうございます!」


伯母「おかえりー」

僕「ただいま!」
伯父「ただいま」

伯母「もうすぐご飯出来るわよ」

伯父「うん」

僕「いいにおいがする」

伯母「僕君、従姉呼んできて」

僕「はーい」

とたとたとた

がらがら
僕「おねえちゃん」

従姉「・・・・・・」

僕「えっと・・・ごはんだよ?」

従姉「・・うん、僕」

僕「?」

従姉「トリナベでしょ?」

僕「うん」

従姉「僕が手伝ったの?」

僕「うん」

従姉「そっか・・すごいね」

僕「・・」

従姉「・・・」
ぎゅっ!

僕「え?!」

従姉「さ、ごはん食べよう」

僕「う・・うん」

僕(おねえちゃん・・なんでぼくのことだっこしたんだろう?)

ここまでにします
おやすみなさい

こんばんは
最近は庭先で鶏を飼っている家も少なくなりましたね

続きです


「ごちそうさま」

伯父「僕君、午後は神輿が出るんだ。見たいだろ?」

僕「うん!」

伯父「よし、じゃあ従姉はお母さんのとこ行ってきな」

従姉「?」

伯父「僕君はおじさんと一緒に先に行ってようか」

僕「?」


***

ヨイサ!
オイサ!
ヨイサ!
オイサ!

僕「うわぁすごいね」

伯父「うん。島は漁業やる人が多いから神輿には海の神様が祀られてるんだよ」

僕「あ、あのおみこし、タイコがのってる」

伯父「うん、あれは僕君も叩けるよ。やってみるかい?」

僕「うん!」


僕「おじさん、こう?」
ドンドコドン ドンドコドン ドンドコドン・・・

「おお、ボウズ上手いぞ」

僕「うん!」


従姉「・・・僕」

僕「?・・・え?」

従姉「意外と上手いね」

僕「・・・おねえちゃん?」

従姉「・・・なに?変?」

僕「そんなことないよ!」


「お、ボウズ、でーじけガールフレンドだな」

僕「あ・え・・えっと」

伯父「お、従姉浴衣着てきたか」

従姉「うん」

伯父「じゃあ僕君と2人で遊んできな。俺は部落の集会行ってくるから」

従姉「うん」


僕「・・・」

従姉「なんか元気ないけど大丈夫?」

僕「だ、だいじょうぶだよ!」

従姉「?」

僕「ど・・どこいくの?」

従姉「うん。まだお店とか出るまで時間あるから私のお気に入りのとこに連れてってあげる」

僕「うん」

従姉「行こ」
ぎゅ

僕「!」

従姉「ん?僕の手、なんか冷たいけど大丈夫?」

僕「だ、だいじょうぶ!」

従姉「そう?」

僕「うん!」

従姉「?・・へんなの」


従姉「ほら見て」

僕「うわ、すごくキレイだね。これなんてお花?」

従姉「ブーゲンビリアっていうの」

僕「東京ではみたことないよ・・たぶん」

従姉「たぶん暖かいとこのお花だよ・・私は東京行ったことないけど」

僕「そうなんだ」

従姉「あ、でも気を付けてね。トゲがあるから」

僕「バラのなかまなの?」

従姉「違うよ。バラよりもずっとおっきなトゲだから」

僕「ほんとだ!」

従姉「・・・綺麗だよね」

僕「・・・」


僕「おねえちゃん、お花好きなの?」

従姉「うん」

僕「おねえちゃんの浴衣もきれいなお花だね」

従姉「褒めてくれるんだ?ありがとう」


従姉「お店出始めたね」

僕「うん。海の近くなんだね」

従姉「花火は海の上の船から上げるからね。近いからすごく迫力あるよ」

僕「そうなんだ。はやくやらないかなぁ」

従姉「まだ時間かなりあるよ・・・なんか喉乾いたね」

僕「うん、ぼくも・・・あ、ラムネうってるよ」

従姉「うん飲もうか?」

僕「あ、ぼく今日お母さんにもらったおこづかい持ってるから、おねえちゃんに買ってあげるね!」

従姉「え?いいの?」

僕「うん!」

従姉「ふふ・・今日は僕がエスコートしてくれるんだね」

僕「えすこーと?」

従姉「なんでもないよ」

僕「?」


ぶしゅ・・・しゅわー・・

従姉「ラムネって飲むの難しいね」

僕「ビー玉がじゃまだよね」

従姉「逆さにするとフタしちゃうから一気に飲まないように入ってるのかな」

僕「これ、ビンわらないととりだせないよね」

従姉「私は怖いから割ったことはないよ」

僕「ぼくもないけど」

従姉「ねえ、花火まで時間あるからもう少し歩こう?」

僕「うん」

ざざー・・
ざざー・・・


従姉「ここウミガメがいるんだよ」

僕「そうなの?!」

従姉「あ、泳げない僕は見れないけどね」

僕「うー!」

従姉「あはは・・ごめんね!」

僕「・・・どうしたら泳げるようになるかな?」

従姉「・・今度は水着持ってきなよ・・私が教えてあげるから」

僕「ほんと?」

従姉「うん」


従姉「僕」

僕「うん」

従姉「・・・」

僕「?」

従姉「僕はさ・・偉いね」

僕「え?」

従姉「僕は・・お父さん居ないのに、しっかりしてて自分で何でもできるんだね」

僕「そんなことないよ」

従姉「私は・・怖くて鶏を殺すことはできないよ」

僕「・・おねえちゃんはやさしいから、できなくていいんだとおもうよ・・おじさんも言ってたよ」

従姉「でも私は・・牛とか鶏を飼ってる家の子だから・・」

僕「ぼくは・・やさしいおねえちゃんのが好きだよ?」

従姉「・・・ありがとう・・・うん・・私ができないことは僕にやってもらおうかな」

僕「?」


従姉「花火、もう少しで始まるよ」

僕「え?海からすごくはなれちゃってるよ?」

従姉「うん、海の周りはすごく混むから」

僕「あれ?ここ“そうちんじゅ”?」

従姉「うん、ここの裏から登ったところからよく見えるんだよ。最初に行ったでしょ?」

僕「うげぇ・・またあそこのぼるの?」

従姉「だいじょうぶ。私浴衣だから今日はゆっくり上るから」

僕「うーん」


ざっ・・
ざっ・・


従姉「僕、浴衣で歩きにくいから、また手繋いで」

僕「う、うん」
ぎゅ

従姉「・・・」
僕「・・・」



従姉「・・ほらよく見えるでしょ?」

僕「うん。人がいっぱいいるね」

従姉「ここは私たちだけだからね。座ろう?」

僕「うん」


僕「・・・」
従姉「・・・」

僕「・・暗くなってきたね」
従姉「うん・・・怖い?」

僕「・・おねえちゃんがいるからへいきだよ」
従姉「うん・・私も僕がいるから・・」


『あ・あ・・・これから第○○回納涼花火大会を始めます・・・まずはスポンサーのご紹介から・・』


僕「・・・」
従姉「・・・僕」

僕「なに?」
従姉「手、繋いでよう?」

僕「う、うん」



ひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーン!


ひゅるひゅる・・ドン
ドン ドン  ドン・・・


僕「・・・あれ?もう終わり?」
従姉「違うよ。これから個人花火だと思う」

僕「なにそれ?」
従姉「個人の人が自分でお金出して上げてもらう花火。事前に言っておいたメッセージを放送してくれるの」

僕「?」
従姉「見てれば分かるよ」


『みんなに支えれれて我が家の○○君も今年6歳になりました。小学校入学をお祝いして花火をあげます。○○君あめでとう!』

ひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーン!!


従姉「こういう感じ」
僕「うん」


『今年も事故ゼロで夏を迎えることができました。今日も無理のない運転を心掛けて楽しい一日を!○○島警察署職員一同』

ひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーン!!


従姉「僕」
僕「うん」

従姉「いつか私が東京に行ったら、案内してね」
僕「うん!」


『皆さんのご愛顧のおかげで15年周年を迎えることができました!これからも、米とタバコと日用品の●●商店をよろしくお願いします!』

ひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーン!!


従姉「この場所のこともヒミツだよ?姉友も知らない場所だから」
僕「そうなんだ」

従姉「うん、だから私が東京に行ったら僕の秘密の場所を教えてよ」
僕「うん」


『天国のおばあちゃん見ていますか?私も今年でおばあちゃんと同じ年になりました。いつまでこちらに居られるか分からないけど、家族のおかげで幸せに暮らしています。そっちに行ったときは、また得意だったお寿司を作ってね』

ひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーン!!


僕「おねえちゃん」
従姉「うん」

僕「ありがとう」
従姉「なにが?」

僕「ぜんぶ」
従姉「・・・うん」



『お母さん、お兄ちゃん、私は東京で何とかやっています。島を飛び出してから、来年こそはと思いながら一度も帰らないまま10年以上が経ちました。息子も大きくなってこんな示しのつかない母のままではいけないなと思うと同時に、お母さんの偉大さを感じています。ずっと元気でいてください。親不孝な娘より』

ひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーン!!



僕「おわりかな?」
従姉「わかんない」

僕「まっくらだね」
従姉「うん」

僕「・・・」
従姉「・・・」


従姉「明日、帰っちゃうんだね」

僕「・・うん」

従姉「・・・さみしいな」

僕「・・ぼくも・・もっとここにいたい」

従姉「あのね・・!」
僕「あのね・・!」

僕・従姉「!!」

従姉「さ、先に言っていいよ」

僕「お・・おねえちゃんが先にいって」

従姉「・・・じゃあ一緒に言おうか」

僕「・・うん」



僕「ぼくね・・」
従姉「わたしね・・」


ひゅるひゅるひゅるひゅる・・・・ドーーーーーーーン!!!!

ドドドドドドドドド・・・
ドンドンドンドンドン・・・

ひゅるるるるるるるるるるるるるる・・・・・・・ドオオオオオン!!!!


僕「・・・っ」
従姉「・・・っ」




『これにて、第○○回納涼花火大会を終了します。車でお帰りの方は誘導の指示に従ってください』


僕が小学校2年生だったあの夏、初めて会った親戚達は東京から来た僕を受け入れてくれた。

僕の知らなかった幼いころの母。

伯父が教えてくれた命の尊さ。

そして、ハイビスカスとブーゲンビリアの咲く庭で微笑む従姉。


僕にとってはすべてが強烈で、光り輝く宝物のような思い出だ。


それから何年か経って、この国では牛肉の輸入自由化が始まった。

廃用となる乳牛の価格は下落し、やがて牛乳の消費量も下降していった。

僕が大学生の頃、従姉の家は酪農を辞めた。

従姉は家業を受け継いでいたが、今は園芸作物と野菜を作っている。

従姉がマサコを撫でていた牛舎は無くなり、花を育てる温室になっている。

僕が大学を卒業する前の年、従姉から僕宛に胡蝶蘭の鉢が届いた。

余りに立派なその姿は、僕の手を引いて夜中にこっそり出かけたあの日の従姉のようだった。

でもこんな高いもの、悪いよ。

僕がそう言うと、次の年からは色とりどりのフリージアが届くようになった。


あの日花火にかき消された僕の言葉は、ぼくだけのものだ。

あの日花火にかき消された従姉の言葉を、僕が知ることは無い。


自分の気持ちが否定されるのが怖くて、僕はそれから10年以上島に行くことは無かった。

左手に感じた従姉のあたたかさを、僕は一生忘れないだろう。

花火が上がるたびに暗闇に浮かび上がる従姉の目には確かにぼくが映っていた。

帰りの日空港で、僕は、従姉は、泣いていたと思う。



僕が大学を卒業してインターンを始めた次の年、僕は従姉が結婚した事を聞いた。


ヴヴヴヴヴヴ・・・・

ピッ

僕「もしもし?」

従姉「久しぶり」

僕「うん」

従姉「自転車、ありがとね。うちの子も喜んでるよ。僕おじさんからの誕生日プレゼント」

僕「うん、だってこっちは毎年、野菜とか花とか送ってもらってるし」

従姉「うちの子も今年で小2だからね・・・あ、僕が家に初めて来たのもそれくらいだっけ?」

僕「うん、そうだね。お互い年取ったね」

従姉「うん、そうだね」


「おとうさん!早く遊びに行こうよ!午後はセミ取り一緒にしてくれるって言ったでしょ!」
僕「うん、お電話終わったらね」


従姉「娘さん、元気ね」

僕「うん、ほんと妻に似て男勝りで困るよ」

従姉「ふふ・・僕って尻に敷かれるタイプだしね」

僕「えーそうかな?」


従姉「今年の夏は遊びに来られそう?」

僕「いや、今年は休みの時にチケット取れなかった」

従姉「そっか、残念」

僕「うちの娘様も行きたがってたけどね」

従姉「いつかの僕みたいに、一人で来させちゃえば?うちは大丈夫だよ」

僕「いやーまだ小さいからなぁ・・迷惑かけると思うし、でも本人が行きたいって言ったらお願いするかも」

従姉「うん、わかった」

僕「それに、今年の夏は妻の田舎に行く予定だから」

従姉「岩手だっけ?いいなぁ私も行きたい」

僕「畑作業が無い冬にでも家族でおいでよ」

従姉「うん、そうする」


おしまい。

呼んでくれた方、コメントくれた方、どうもありがとうございました。

オリジナルのssは初めて書いたので読みづらかったかもです。

イトコの子が今年小学2年生になったので、なんとなく昔を思い出して書いてみました。

今年の夏が、皆さんにとって幸せなものでありますように。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月07日 (木) 16:09:04   ID: T8XbkgbM

いい話です!

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