春に公開されたスーパーヒーロー大戦GPのssです
よろしければどうぞ
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<あらすじ>
~1973年2月10日~
『ショッカーの最期だ。ワシと一緒に死ね!』
ショッカーの改造人間でありながら反旗を翻した偉大なる男たち。
その名は仮面ライダー1号!仮面ライダー2号!
人々からダブルライダーと呼ばれた二人の英雄たち。
彼らは苦闘の末、ゲルショッカーの首領を倒す事に成功した。
だが…
『うわぁぁぁぁっ!?』
その直後に現れた一人の男によって仮面ライダー1号、2号が倒された。
本来の歴史なら絶対に起こりえない出来事…
この不可解な現象により我々の知る本来の歴史とは大きく異なってしまった。
こうして人類の自由と平和を守る正義の使者である仮面ライダーは、
この世からいなくなり世界はショッカーによって支配されてしまった。
それから15年後…
<1988年>
「「うわぁぁぁぁぁ!」」
「「やめてぇぇぇぇぇ!」」
「「助けてぇぇぇぇぇ!」」
あれから15年、ショッカーによる人類の支配は着々と進行していた。
その後に現れた新勢力である、
デストロン、GOD、ゲドン、ガランダー帝国、ブラックサタン、デルザー軍団。
さらに、ネオショッカー、ドグマ、ジンドグマ、バダン、
この数多の組織を傘下に入れてショッカーは勢力を拡大させつつあった。
そして1988年、この時代に新たに出現した組織が世界征服に名乗りを上げた。
その名は…
~ゴルゴム神殿~
シャドームーン「聞け!我が忠実なる下僕たちよ!我らは暗黒結社ゴルゴム!
5万年よりはるか古の時代からお前たち怪人を支配していた偉大なる存在!!
今こそショッカーに代わり、この世界を支配する時だ!!」
ダロム「さすがはシャドームーンさま!
我ら三神官は世紀王であるあなたさまに忠誠を誓いますぞ!!」
バラオム「あの生意気なショッカーどもに見せつけてやるのです!」
ビシュム「我らゴルゴムこそがこの地球の支配者である事を!」
それは世紀王シャドームーンを中心とする暗黒結社ゴルゴムであった。
この時代、ゴルゴムの長である創世王は5万年の寿命を迎えようとしていた。
だが創世王は若き力を持つ二人の世紀王に自らの後を継がせた。
それがシャドームーン。
それにもう一人…
シャドームーン「さて、我が兄弟にして世紀王ブラックサンよ。
お前にもゴルゴムの人類支配、それにショッカー退治の任を任せるぞ。」
ブラックサン「あぁ…わかっているよ、シャドームーン。」
ダロム「オォ…二人の世紀王が同じ玉座に座っておられる。
なんと素晴らしい光景なのだ…!
本来、同じ時代に二人の世紀王が存在する事はゴルゴムの歴史に置いて許されない事だ。」
バラオム「だが此度は違う!」
ビシュム「ショッカーは強大な組織!
その力を警戒する創世王さまは二人の世紀王を互いに協力させ、
打倒ショッカーの任に当たらせようとしているお考えなのです!!」
三神官たちの言う通り、
本来の歴史ではゴルゴムの世紀王は互いに戦い、勝った方が次期創世王となる。
だがこの時間軸ではそうではなかった。
ショッカーの力を危惧した創世王は、
二人の世紀王に力を合わせてショッカーを倒すように命じた。
まさに無敵のゴルゴム軍団!
だが、この光景を快く思わない男がいた。
ビルゲニア「おのれ…シャドームーン…それにブラックサン!」
ビルゲニア「本来ならばこのビルゲニアこそがゴルゴムの世紀王だったのに…」
ビルゲニア「だが今に見ていろ。」
ビルゲニア「いずれゴルゴムをこの俺が支配してみせる!」
ビルゲニア「それまでは精々ゴルゴムの勢力拡大に励む事だな。フン…」
この男の名は剣聖ビルゲニア。
三万年前の日食の日に生まれ、また世紀王の資質も十分であったが…
生まれるのが早すぎた所為で世紀王の資格を与えられなかった。
その事に怒りを感じたビルゲニアは横暴な態度を振舞うが、
それが逆に創世王の怒りを買ってしまい、今まで棺の中に閉じ込められていた。
だが、ショッカーの侵略を危惧した創世王により戦力となるために復活を許された。
一方、ビルゲニアの反感を余所にゴルゴムの士気はかつてない程までに高まっていた。
ダロム「世紀王が誕生した今こそ絶好の好機!」
バラオム「暫しの間、不覚にもショッカーごときに遅れを取ったが…」
ビシュム「我らゴルゴムがショッカーに代わって地上を支配するのです!」
シャドームーン「今こそ我らゴルゴムの力をショッカーに見せつける時!
手始めにショッカーが支配するA地区に進軍する!
行くぞ!ゴルゴム軍団!出陣だ!!」
「「オォ――――――――ッ!!!!」」
シャドームーンの指揮の下、勢いを高めるゴルゴムの怪人たち。
そしてゴルゴムは世界征服へ向けて侵攻を開始した。
~A地区~
「トォッ!ハァッ!」
「うぎゃっ!?」
「ぐはっ!?」
シャドームーン「こ…これは…」
ダロム「一体何があったのだ…?」
バラオム「ショッカーの改造人間どもが…」
ビシュム「尽くやられていますわ!?」
A地区にやってきたゴルゴム軍団。
だがそこでは、ショッカーの改造人間が次々と倒されていた。
戦っているのは異形の仮面を被った一人の男…
そしてその場にいた最後の怪人を倒すとその男はシャドームーンたちの存在に気づいた。
シャドームーン「キサマ…何者だ?」
ダロム「これだけの改造人間をたった一人で倒すとは…」
バラオム「間違いなくお前も改造人間だな!」
ビシュム「シャドームーンさまの御前ですよ!なんとか言いなさい!」
その男を問い詰めるゴルゴムの幹部たち。
男はうんざりしたようにこう答えた。
3号「俺は、仮面ライダー3号。」
バラオム「仮面ライダー3号だと…?」
ビシュム「そういえば聞いた事があります!
仮面ライダーといえばかつてショッカーに反旗を翻した改造人間の名前!?」
ダロム「だが仮面ライダーは15年前にショッカーによって倒されたはずでは…?」
シャドームーン「そんな事はどうでもいい。
キサマ、この場にいたショッカーの怪人を全て倒すとは大した力だ。
その力を見込んで我らゴルゴムの傘下に入る気はないか?」
3号「断る…と言ったら?」
シャドームーン「それならば…」
((バッ!))
シャドームーン「キサマを倒すまでだ!!」
突如現れた仮面ライダー3号。
その力に脅威を感じたシャドームーンは我先に戦いを挑んだ。
シャドームーン「サタンサーベル!」
3号「…」
((ズバッ!))
ダロム「オォッ、先手必勝だ!」
バラオム「うむ、シャドームーンさまのサタンサーベルによる斬撃だ!」
ビシュム「これで勝負は決まりましたわね!」
サタンサーベルによる斬撃。
これを見て勝利を確信する三神官たち。
3号「どこを見ている?」
シャドームーン「何!上だと!?」
ダロム「なんという事だ!
ヤツはサタンサーベルで斬られる前に素早くジャンプして攻撃を躱していたのか!?」
バラオム「いかん!これでは…!」
ビシュム「シャドームーンさま!避けてください!」
3号「もう遅い…」
3号「ライダ―――ッ!パ―――ンチ!!」
((バキィッ!))
シャドームーン「ぐぉっ!?」
仮面ライダー3号のライダーパンチがシャドームーンに命中。
まともに攻撃を喰らったシャドームーンはそのまま地面に倒れてしまう…
シャドームーン「う…うぅ…」
3号「これが攻撃だ。いい気になって何も無いところを斬ってもしょうがないんだぜ坊や?」
ダロム「あのシャドームーンさまを子供扱いとは!」
バラオム「なんというヤツ…」
シャドームーン「まだだ…私はまだ負けていない!」
3号「そりゃそうだろ、わざと手加減してやったんだからな。
俺のターゲットはショッカーだ。お前たちゴルゴムに用はない。
わかったらさっさと帰って創世王のパパに報告しときな、ゴルゴムのお坊ちゃん。」
シャドームーン「おのれ…誰が…坊ちゃんだ!」
3号「じゃあな、お坊ちゃん!」
((ブォォォォッ!))
愛車であるトライサイクロンに乗ってその場を後にする仮面ライダー3号。
残されたシャドームーンは初めての敗北に屈辱と苛立ちを募らせていた…
3号「あれがゴルゴムの世紀王か。まったく話にならなかったな。」
3号「5万年も前から存在しているくせに、
所詮は未だにこの地球を支配できない無能な連中の集まりか。
今更世紀王とかいう世間知らずの坊ちゃんを担ぎ出したところで手遅れなのに…うん?」
最早ゴルゴムなど時代遅れの遺物。
そう思った時であった。
((ブォォォォッ!))
3号「どうやら…少しはお話になりそうなのが現れたようだ。」
3号が駆るトライサイクロンの後方から猛スピードで追いかけてくるマシンがいた。
それは…
ブラックサン「待て!」
3号「お前は…この世界では…確か世紀王ブラックサンだったか。」
ブラックサン「この世界?お前、何の話をしているんだ!?」
3号「レースで俺に勝ったら教えてやる。ついて来い!」
ブラックサン「いいだろう!その勝負、受けてやる!!」
次期創世王候補の専用マシンであるバトルホッパーを駆って現れたブラックサン。
トライサイクロンとバトルホッパーによるレースの開始だ!
((ブォォォォッ!))
3号「フンッ!どうだ俺のマシンは!
そんなバイクごときでこのスピードに適うはずがないだろ!」
ブラックサン「は…早い…だが小回りならこっちが…!」
3号「小回りなんて小細工は無駄だ!」
((ブロロロロロッ!))
ブラックサン「くっ…!?」
3号はトライサイクロンのエンジンの出力を上げると、
一気に加速してバトルホッパーを抜くとそのまま見えなくなるまでぶっちぎった!
3号「もう見えなくなったか。
あの坊や、少しはやるみたいだが所詮はさっきの白いのと同じ世間知らずのお坊ちゃんか。」
ブラックサン「まだだ!ダイナミックスマッシュ!」
((ブォォォォッ!))
3号「まさか追い上げてくるとはな…」
バトルホッパーを追い抜いたかと思った3号。
だがバトルホッパーは大ジャンプしてトライサイクロンのすぐ後ろに現れた!
その姿を見て3号は観念したのかレースをやめてマシンから降りてきた。
3号「レースはまあまあといったところか。及第点を出してやる。
次は車を用意してくるんだな、そしたらいい勝負ができそうだ。」
ブラックサン「ふざけるな!ゴルゴムをコケにしてこのまま帰れると思っているのか!」
3号「やはり…この世界のお前はゴルゴムに忠誠を従っているようだな。
ゴルゴムの飼い犬め、ご主人さまに尻尾を振ってまで次期創世王の地位が欲しいのか?」
ブラックサン「黙れ!この世界はショッカーに支配され人々は苦しんでいる!
ならばゴルゴムがショッカーに代わって支配すればこんな地獄は終わるはずだ!」
3号「何を言うかと思えば…くだらないな。
それではゴルゴムがショッカーに成り代わるだけじゃないか。
そんな事もわからないとはお前もシャドームーンと同じ世間知らずのお坊ちゃんだな!」
ブラックサン「うるさい!お前なんかに何がわかる!」
3号「わかるさ、こんな地獄の世界を作ったのはこの俺自身なんだからな…」
ブッラクサン「なんだって!?」
3号「これ以上知りたければもっとマシなツラ構えになってから出直してこい!」
3号の言葉に驚くブラックサン。
だがこの隙を突いて3号が攻撃を仕掛けた。
3号「ライダ―――ッ!キ―――ック!!」
ブラックサン「うわぁぁぁぁぁ!?」
3号「フッ、まあこの程度で死ぬ事はないだろう。
これでお膳立ては整えてやった。この先どうなるかはヤツ次第だがな。」
3号のライダーキックを喰らったブラックサン。
彼は川に落とされ、そのまま流されていった。
そして翌朝…
「…」
「うぅ…」
「ここは…どこだ…?」
ここはとある民家。
その一室で一人の青年がベッドに横たわっていた。
傷つき瀕死の重傷であった青年。
だがこの民家に住む人々の手厚い看護によって、どうにか峠を越す事ができた。
そこへこの家の住人らしき二人の幼い兄妹たちがやってきた。
「あ、気がついたんだね!」
「お兄ちゃん、大丈夫?」
「あぁ…僕はもう大丈夫だ。ここは…どこだ…?」
「ここは人間たちがショッカーに対抗するために組織したレジスタンスだよ!
昨日ショッカーが捕まえている仲間を助けるためにA地区へ行こうとしたら、
お兄ちゃんが大怪我して川から流れてきてさ。みんなで慌てて戻ってきたんだよ!」
「私は佐原ひとみ、それにこっちは茂お兄ちゃん。お兄ちゃんの名前は何て言うの?」
「僕は…ブラック…」
青年は自分の名前を言おうとした時、偶然写った鏡を見てある変化に気づいた。
人間の姿をしていた。
自分が本来の姿に戻っていた事にようやく気づいたのだ。
それから少し考えた後に青年はかつて人間であった時の名を子供たちに教えた。
光太郎「僕は…光太郎。」
茂「光太郎…?」
光太郎「そうだ、南光太郎。それが僕の名前だ。」
【南光太郎】
本来の時間軸であれば、
邪悪な存在からこの世界の平和を守るために戦う正義のヒーローであった青年。
だが、この世界の光太郎は違う。
ゴルゴムの世紀王として生きる光太郎は、
この絶望した世界で一体何のために戦うのだろうか…?
とりあえずここまで
春に公開されたスーパーヒーロー大戦GPの外伝です
てつをさんと3号が主役です
スーパーヒーロー大戦GP【外伝】仮面ライダーBLACKvs仮面ライダー3号
スーパーヒーロー大戦GP【外伝】仮面ライダーBLACKvs仮面ライダー3号 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434029212/)
久しぶりにてつをさんが活躍するssをどうぞ
~レジスタンス~
俊吉「光太郎!まさか川から流されてきたのがお前だったなんて!」
光太郎「おじさんこそ、よくぞご無事で!」
茂「ねぇパパ、光太郎兄ちゃんの事を知っているの?」
俊吉「うむ、光太郎は私の親戚なんだ。
昔、光太郎の両親が亡くなって幼い光太郎を引き取ろうとしたんだが…
その頃はまだ私も若くて生活が成り立たなくてね。
お前を引き取ってやれなくてすまなかった。」
光太郎「いや、そんな事ありませんよ。
別に両親が亡くなったのはおじさんの所為じゃないし気にしないでください。」
俊吉「確かあの時、幼いお前を引き取ったのは…
お前の両親の親友だった秋月という人だったがその人はどうしてるんだ?」
光太郎「それは…」
俊吉「すまなかった、ショッカーにやられたのか。
いや、詳しい事は話さんでもいい。とにかくゆっくりしていけ。
なんならずっとここに居てもいいぞ!お前は私の家族なんだからな!」
茂「そうだよね、よろしく!光太郎兄ちゃん!」
ひとみ「ずっと一緒にいようね!」
光太郎「みんな…」
こうして佐原家の人々に受け入れられる光太郎。
ショッカーと敵対するレジスタンスは人員を必要としていた。
そんな中で若い青年である光太郎は人々から頼もしい存在として注目される事となった。
ジョー「オォッ、アンタが光太郎さんかい?
俺は霞のジョー、このレジスタンスじゃ一番の戦力だ!よろしくな!」
玲子「私は白鳥玲子、
元はカメラマンだったけど今じゃショッカーに関する情報を調べてるわ!」
五郎「俺は五郎、レジスタンスのみんなの食事係担当さ!」
光太郎「あぁ、僕は南光太郎。みんなよろしく!」
レジスタンスのメンバーには、
本来の時間軸でなら光太郎の仲間である者たちの姿があった。
みんなから歓迎される光太郎。
それは今まで暗く閉ざされていたゴルゴムの世界で生きてきた光太郎にとって、
まるで暖かな希望の光のように感じられた。
光太郎「行くぞ!ジョー!玲ちゃん!」
ジョー「さすがは兄貴だぜ!」
玲子「本当ね!
ショッカーの基地に攻め入って囚われた人たちを次々と助けるんだもの!さすがだわ!」
ある時はレジスタンスのメンバーとして先陣を切ってショッカーと戦い…
俊吉「ここはこうしてだな…」
光太郎「こうですか?」
俊吉「そうだ、うまいじゃないか!お前、ヘリのパイロットになれるぞ!」
光太郎「ハハ、やめてくださいよ。煽てたって何も出やしませんから!」
航空会社を営んでいた俊吉からヘリの操縦も習い…
唄子「ほらほら、光ちゃん!そんなに大雑把に野菜切ったらダメでしょ!」
光太郎「けどおばさん、僕にはどうしてもこういうのは苦手で…」
唄子「何言ってんの!
光ちゃんが一人で十人前もペロリと食べちゃうからでしょ!
働かざる者、食うべからずよ!」
五郎「アハハ、さすがの光太郎さんも佐原のおばさんには敵わねーか!」
光太郎「まったく…弱ったな…」
それに俊吉の妻である唄子にどやされながらも料理当番を手伝ったりと、
ゴルゴムの世紀王で有り続けていたならば、
決して触れる事のできなかった人間として希望に満ち溢れた幸せがそこにあった。
それから一ヶ月の時が流れた。
~ゴルゴム神殿~
シャドームーン「えぇぃっ!ブラックサンはまだ見つからないのか!?」
ダロム「申し訳ありませぬ…」
バラオム「我々も必死に探しているのですが…」
ビシュム「ブラックサンは一ヶ月前のあの日以来行方不明のままなのです…」
ゴルゴム神殿ではブラックサンこと光太郎の捜索が行われていた。
だが、光太郎の行方は依然として不明であった。
ビルゲニア「フフフ、これはまた随分と必死ですなぁシャドームーンさま。」
シャドームーン「キサマは…ビルゲニア!何の用だ!?」
ビルゲニア「大した用ではございません。
ただ、少しばかり忠告をしたくて来たのです。
あの日以来、ゴルゴムの怪人の中にはあなたに対する不信が高まっています。」
シャドームーン「不信だと…?」
ビルゲニア「その通り、創世王さまから与えられしキングストーン。
その無敵の力を受け継いでおきながら、仮面ライダー3号に敗北した。
あの時の光景を目の当たりにした怪人どもは、皆挙ってこう言っているのです!」
『シャドームーンさまが敗北した!もうゴルゴムは終いだ!』
ビルゲニア「一応あなたのお耳に入れておきたいと思ってご報告しました。
それでは失礼しましょう。ブラックサンが早く見つかるとよいですな!ハハハハハ!!」
高笑い上げながらその場を後にするビルゲニア。
残ったシャドームーンはそんなビルゲニアに苛立ちを隠せなかった。
シャドームーン「おのれビルゲニアめ!」
ダロム「シャドームーンさま、どうかお気を沈めてください!」
バラオム「あのような者の戯言など気にしてはいけませんぞ!」
ビシュム「我らが必ずブラックサンを見つけ出してみせます!」
シャドームーン「うむ、頼んだぞお前たち。
こうなればブラックサンの捜索、
それにショッカー対策として開発中のあの文明破壊用マシンを一刻も早く完成させねば!」
こうして三神官たち自らがブラックサンの搜索に乗り出した。
既に綻びを見せ始めたゴルゴム。
一刻も早くブラックサンを見つけ出し、ゴルゴムの権威を示さなければならなくなった。
とりあえずここまで
本編でもビルゲニアは三神官やシャドームーンと仲悪いです
だけど世紀王二人相手に結構危ない橋を渡ったもんだな3号さん
ヒーロー大戦見てないけど3号ってそんなに強いのか
~レジスタンス~
茂「光太郎兄ちゃん早く~!」
ひとみ「置いてくよ~!」
光太郎「おいおい、二人とも待てよ!そんなに早く走ると危ないぞ!」
その頃、人間たちのレジスタンスでは光太郎が叔父夫婦から茂たちの面倒を任されていた。
そんな時、茂とひとみが光太郎の前であるヒーローごっこをして遊んでみせた。
茂「俺は仮面ライダー1号だ!」
ひとみ「私は仮面ライダー2号よ!二人合わせてダブルライダーよ!」
茂&ひとみ「「ライダーダブルキック!」」
光太郎「仮面ライダー?それは一体何だい?」
茂「光太郎兄ちゃん知らないの?
仮面ライダーといえば俺たちレジスタンスには希望の象徴だよ!」
ひとみ「昔、ショッカーから人間たちを守ってくれた正義のヒーローなんだよ。
仮面ライダーは私たち子供の夢を守り、希望の光を照らし続けてくれるんだって!」
光太郎「そうか、正義のヒーローか。」
無邪気な笑顔で遊ぶ茂たち。
この幼い兄妹を見ているうちに、
いつしか光太郎はここにいる人々ずっと一緒にいようと決意を固めていた。
だが…運命はそんな光太郎の選択を快く思わなかった。
ダロム「ヴァァァッ!」
ひとみ「キャァァァッ!?」
茂「か…怪人だー!?」
光太郎「お前は…大神官ダロム!?」
バラオム「オォッ!ブラックサン!」
ビシュム「探しましたわ!」
光太郎「それにバラオムにビシュムまで…何故ここに…?」
ダロム「勿論、ゴルゴムの世紀王であるあなたをお迎えに来たのです。」
バラオム「さぁ、ゴルゴムへ帰るのだ。ここはあなたのいるべき場所ではない!」
ビシュム「来るのですブラックサン!あなたにはショッカーとの戦いが待っています!」
突然、ゴルゴムの三神官たちが光太郎の前に現れた。
その目的は光太郎をゴルゴムに連れ戻すためであった。
しかし光太郎は…
茂「おいお前ら!光太郎兄ちゃんをどこへ連れて行く気だよ!?」
ひとみ「光太郎兄ちゃんは私たちとずっと一緒だもん。」
光太郎「二人とも…
そうだ、僕はもうゴルゴムへ戻るつもりはない。
シャドームーンにはお前たちからそう伝えておいてくれ。」
既に光太郎にはゴルゴムに戻る意志などなかった。
この心優しい佐原一家と共に生きていく事を心に決めた光太郎。
だが、三神官たちがそんな光太郎の行動を許すはずがなかった。
ビシュム「駄々をこねてはいけませんよブラックサン。」
バラオム「お前はゴルゴムの改造人間であり世紀王なのだ!」
ダロム「一度ゴルゴムの軍門に下った者が裏切る事は許されぬ!」
光太郎「黙れ!僕はここでの生活で人間としての生き方を思い出した!
人は本来、親しい人々と共に笑顔で生きていくべきなんだ!
そんな生き方を踏みにじるショッカー、それにゴルゴムにはうんざりだ!!」
ダロム「ブラックサン…何を言っているのだ?」
バラオム「まさか…こいつ…!」
ビシュム「改造手術の際に脳改造を受けていなかったのですね!?」
ダロム「おのれ…こうなればもう一度脳改造を受けてもらうぞ!」
光太郎「くっ…!?」
迫り来る三神官の魔の手が光太郎に襲いかかった。
このままでは光太郎はゴルゴムに連れ戻されてしまう。
だが…その時!
3号「トゥッ!」
ダロム「お前は…!」
バラオム「あの時、シャドームーンさまを倒した…」
ビシュム「確か名前は…」
光太郎「仮面ライダー3号!何故ここに…!?」
3号「よぅ、あれから少しはマシなツラになったようだな。」
なんと光太郎のピンチに駆けつけたのは、
一ヶ月前にシャドームーンとブラックサンを倒した仮面ライダー3号であった。
3号「この坊やをゴルゴムに連れ戻されちゃ困るんでな。」
ダロム「黙れ3号!」
バラオム「あれからお前の事を調べさせてもらったぞ!」
ビシュム「仮面ライダーでありながらかつて同類である1号、2号を倒した男!
そのお前が今度は世紀王であるブラックサンを狙うとはどういう魂胆なのですか!?」
光太郎「3号が…ダブルライダーを…どういう事だ…?」
3号「…」
三神官から告げられた真実。
かつてダブルライダーを倒したのがこの仮面ライダー3号であった。
だが3号はこの真実を否定する事もなく三神官たちに攻撃を仕掛けた。
3号「確かに…俺はかつてダブルライダーを倒した。」
ダロム「こいつ…強いぞ!」
3号「俺は勝たなければいけなかった。」
バラオム「おのれ…」
3号「そして勝った。それだけの話だ…」
ビシュム「こうなれば我ら三神官が力を合わせなければ…!」
3号「お前たちがいくら束になっても無駄だ!ライダ―――ッ!チョ―――ップ!!」
「「「ギャァァァァァッ!?」」」
3号のライダーチョップによって三神官たちはダメージを受けてしまう。
これは分が悪いと感じた三神官たちはこの場を引いた。
戦いを終えた3号は変身を解いて光太郎の前にその正体を見せた。
黒井「そういえば自己紹介がまだだったな。
俺の名は黒井響一郎、お前と同じ改造人間でまたの名を仮面ライダー3号だ。」
光太郎「黒井響一郎…お前は何を企んでいるんだ…?」
黒井「それについてこれからある場所へお前を連れて行きたい。」
光太郎「わかった、行こう。」
黒井からの誘いを受けてこれを承諾する光太郎。
だが子供たちはそんな光太郎を引き止めた。
茂「ダメだよ光太郎兄ちゃん!」
ひとみ「そうよ、ずっと一緒にいてくれるって約束したじゃない!」
光太郎「ゴメンよ、でもすぐに帰ってくるからそれまで家で待っていてくれ。」
茂「ちゃんと…すぐに帰ってきてくれる?」
ひとみ「必ずだよ!必ず帰ってきてね!」
光太郎「あぁ、約束する!絶対だ!」
こうして子供たちを家に帰した光太郎は黒井に連れられてある場所へと向かった。
だがそこは徹底的に破壊された廃墟であった。
~廃墟~
光太郎「酷いな、こんなに破壊する必要があったのか?」
黒井「その必要があったのさ。
何故ならここはかつてあの仮面ライダーのアジトでもあった場所だからな。」
光太郎「仮面ライダーのアジトだって!?」
黒井「そうだ、仮面ライダー1号の本郷猛。それに2号の一文字隼人。
ダブルライダーの恩師である立花藤兵衛が運営していた立花レーシングクラブ。
その成れの果てだ…」
黒井が案内したのはかつての立花レーシングクラブの跡地であった。
光太郎は黒井に何故この場所に自分を案内したのか尋ねた。
光太郎「何故この場所に僕を案内したんだ?」
黒井「お前にショッカーのやり方を知ってほしかったからだ。」
光太郎「それは一体どういう事だ?」
黒井「この廃墟の中央へ行ってみろ。そうすれば全てがわかる。」
光太郎「中央だって…?」
黒井の言う通り廃墟の中央へと足を進める光太郎。
だがそこで彼が目にしたのは…世にも残酷な光景であった…
光太郎「こ…これは…人だ!人が吊るし上げられている!?」
黒井「ショッカーが人類への見せしめとして、
この店の主である立花藤兵衛を絞首刑にして死体を吊るし上げたんだ。
今じゃもう白骨化しているのに未だに下ろす事を禁じられているんだぜ。
それにどっかの屋敷にはショッカーに反抗するヤツらを騙すために、
この立花藤兵衛の名を騙った偽者までいるとか…
まったく、どれだけショッカーから目の敵にされていたんだかな。」
光太郎「酷い…なんて残酷な事をするんだ!?」
黒井「残酷…?
おかしな事を言うヤツだな。
お前だってあのままゴルゴムにいたら人間たちをこんな目に合わせていたはずだろう。」
光太郎「なんだと…?」
黒井「考えてもみろ。ゴルゴムだってやる事は同じはずだ。
何も知らない人間を拉致して組織の手駒となる改造人間に手術する。
お前だってそうやって無理やり改造手術されたんじゃないのか。」
光太郎「それは…」
事実だった。
光太郎は親友で幼馴染の信彦と共に19歳の誕生日に世紀王の改造手術を受けた。
だがその直前で養父である秋月総一朗がゴルゴムの企みに気づき、
なんとか光太郎の脳改造だけは免れる事ができた。
だが養父はその後、ゴルゴムに反逆の意志があったとみなされ処刑された。
唯一人、脳改造を免れた光太郎は…
この事実を伏せたまま、シャドームーンと共にゴルゴムの世紀王に君臨する事になった。
光太郎「…」
黒井「反論ができないところを見るとどうやら図星のようだな。
まあ俺はお前の過去に何があったかなんてどうでもいい。問題はこれからの事についてだ。」
光太郎「これからの事だと…?」
黒井「この事実を知った以上お前は選択しなければならない。それは三つの選択だ。」
光太郎「三つの選択、それは一体何だ?」
黒井が告げる光太郎が選ぶべき三つの選択。
それは光太郎の運命を大きく変える選択であった。
黒井「一つ、三神官たちの言うように大人しくゴルゴムに戻る道だ。」
光太郎「論外だ、そんな選択を選ぶ気はこれっぽっちもない…」
黒井「ならば二つめ、人間たちの待つレジスタンスで人間たちと共に生きていく道だ。」
光太郎「そうだ、僕は彼らと共に生きていくつもりだ。」
黒井「だがこれは俺からはあまりお勧めできないな。」
光太郎「なんだと…どういう事だ!?」
黒井「それは…改造人間の哀しい宿命ってヤツだ。お前にもいずれわかる事だ。
所詮俺たちは改造人間、人間と分かりあえる事なんてできやしないんだよ。」
光太郎「改造人間の…哀しい宿命…?」
なにやら哀しい表情で語る黒井。
だがその真意はこの時の光太郎にはわからなかった。
そして最後の三つ目は…
黒井「最後の三つ目、それは戦う道だ。」
光太郎「戦う道…?」
黒井「お前は改造人間としての力を持っている。
ならばその力を使い自分が正しいと思える事のために戦うんだ。
まあ…これも茨の道ではあるがな。」
光太郎「だが…戦うだなんて…
ゴルゴムにはまだ創世王とシャドームーンがいる。
彼らが持つ強大な力ならショッカーの怪人なんて相手にならないはずだ。
そんな大きな戦いが起こる事は…」
黒井「甘いな、ショッカーにはシャドームーン以上に恐るべき戦士たちがいる。」
光太郎「シャドームーン以上の…戦士だって…!?」
ショッカーに忠誠を誓うシャドームーン以上の強力な戦士。
その者たちとは…
黒井「それはショッカーの忠実なる戦士、ショッカーライダーだ。」
光太郎「ショッカーライダーだって?」
黒井「この15年間、ショッカーは数多の組織を吸収してきた。
その中にはかつての仮面ライダーと同じ姿をした戦士がいた。
だが彼らもかつての1号、2号と同様にショッカーの前に敗れてしまった。
ショッカーはそんな彼らを洗脳してショッカーライダーに仕立て上げたんだ。」
光太郎「まさか…そんな事が…」
黒井「この時代のショッカーライダーは全部で8人。
彼らはみんなシャドームーンと同等、いやそれ以上の力を持った戦士たちだ。
それが束になって掛かれば…いくらシャドームーンといえど…」
光太郎「そんな…そんなわけない。信彦が負けるはずがない!?」
黒井「…だといいがな。
さて、もう遅くなった。今日はもうレジスタンスに帰った方がいい。
返事はいつでもいい。まあ、あまり期待はしていないが…」
光太郎「…」
こうして黒井は光太郎と別れて何処かへ去っていった。
一人残った光太郎は答えが出ぬままレジスタンスへと戻った。
だが、そこで彼が目にした光景は…
とりあえずここまで
>>39
このssのシャドームーンもてつをさんもまだ実戦経験が乏しいから!
それも敗因のひとつだと思ってください!
>>40-41
1号、2号のライダーダブルキックを一人で跳ね除けるくらいには強いですよ
~レジスタンス~
俊吉「うぅ…」
唄子「こ…光ちゃん…助けて…」
光太郎「おじさん!おばさん!しっかりして!一体何があったんだ!?」
レジスタンスのアジトへ戻った光太郎。
だがそこで彼を待っていたのはいつもの暖かな佐原家の人々の姿ではなかった。
炎に包まれる民家。
それに無残に切り裂かれ血染めになった死体の数々。
その中には光太郎と親しくなった霞のジョーや白鳥玲子、それに五郎の死体まであった。
そんな地獄絵図の光景の中で辛うじて佐原夫妻だけが生き残っていた。
光太郎「ジョーや玲ちゃん…それに五郎ちゃんまで…どうしてこんな事に…」
俊吉「わからん…いきなり怪人たちが襲ってきたんだ…」
唄子「あいつらは…人を連れ去ったの…茂とひとみも一緒に…」
光太郎「なんだって!茂くんたちが!まさか…ゴルゴムの仕業か!?」
どうやら光太郎がいなくなった隙を見計らって何者かがレジスタンスの集落を襲撃した。
光太郎はこの犯行を、先程自分に危害を加えたゴルゴムの仕業ではないかと決めつけた。
俊吉「光太郎…私たちはもうダメだ…」
唄子「子供たちを…お願い…」
光太郎「何を言っているんだ二人とも!
しっかりしてください!幼い子供たちを置いていなくなっちゃダメだ!
これじゃあ茂くんたちが僕のような親のいない孤児になってしまうじゃないか!?」
俊吉「大丈夫だ…光太郎…あの子たちにはもう…お前がいる…」
唄子「あとは…お願いね…」
俊吉「じゃあな…光太郎…お前との生活は楽しかったよ…」
光太郎「おじさん!おばさん!うわぁぁぁぁぁぁっ!?」
佐原夫妻は光太郎の前で息絶えた。
一人悲しみに打ち拉がれる光太郎。
だが悲しんでばかりいられなかった。
急いで茂たちを救い出さなければいけない。
光太郎はすぐにゴルゴムの本拠地であるゴルゴム神殿へと向かった。
~ゴルゴム神殿~
クモ怪人「た…助けて…」
コウモリ怪人「命ばかりはお助けを!?」
光太郎「これは…どういう事だ…?」
早速ゴルゴム神殿へ乗り込んだ光太郎。
だがそこではゴルゴムの怪人たちが無残にも惨殺されていく凄惨な光景があった。
そしてゴルゴムの怪人を抹殺を行っている者たちは…
ショッカーX「ライドルスティック!」
ショッカーアマゾン「大切断!」
光太郎「何だこいつらは…?ひょっとしてこいつらが黒井の言っていた…」
ショッカーX「そうだ、俺たちこそショッカー最強の戦士。
その名もショッカーライダー!
南光太郎、早くこの神殿の玉座へ行くといい。」
ショッカーアマゾン「オ前、ソコデ面白イモノ見レル。」
光太郎「面白いモノだと…!?」
ゴルゴム神殿の玉座へと向かう光太郎。
本来ならその場所は世紀王シャドームーンが座っているはずなのだが…
ショッカーライダーマン「ロープアーム!」
ビシュム「キャァァァッ!?」
ショッカースーパー1「スーパーライダー閃光キック!」
バラオム「オワァァァァッ!?」
ショッカースカイライダー「大回転スカイキック!」
ダロム「ギャァァァァッ!?」
なんと神殿の中央ではショッカーライダーたちがあの三神官を一方的に叩きのめしていた。
それは正義のヒーローの所業とは思えないほど残酷な光景。
さらに…!
ショッカーV3「これがゴルゴムの創世王だと?」
ショッカーストロンガー「まったく、口ほどにもなかったぜ。」
ショッカーZX「老いぼれめ、5万年も生き続けてすっかりボケてしまったようだな。」
創世王「ア゛…アァ…」
光太郎「この巨大な心臓…
これが創世王の正体…その創世王をいとも簡単に倒しただと!?」
そしてさらに驚くべき光景を光太郎は目撃する。
なんとあの創世王がショッカーライダーの精鋭たちに八つ裂きにされていた。
力尽き死に絶える創世王。
一体これはどういう事なのだろうか…!?
光太郎「お前たち…一体何をしている!?」
ショッカーV3「見てわからんのか?ゴルゴムを退治しに来たのさ。」
ショッカーライダーマン「しかしこの程度の力で世界征服に名乗りを上げるとは…」
ショッカーX「ゴルゴムめ、笑わせてくれるぜ。」
「「ハハハハハハハ!!」」
勝利の余韻に浸り高笑いするショッカーライダーたち。
そんなショッカーライダーたちの前に一人の男が現れた。
ビルゲニア「ショッカーライダーの方々、ご苦労さまでした。」
光太郎「お前は…剣聖ビルゲニア!何故お前だけ無事なんだ!?」
ショッカーZX「それは簡単だ、ビルゲニアは我らショッカーの同志だからだ!」
光太郎「ショッカーの同志…?」
ビルゲニア「その通り、俺はショッカーに忠誠を誓った!
そして偉大なるショッカー首領は、
見返りとしてこの俺にゴルゴムの次期創世王の座を約束してくれたのだ!!」
光太郎「ビルゲニア!ゴルゴムを裏切ったのか!?
バカな…こんな事をしてあのシャドームーンが許すはずがない!!」
なんとこの事態を引き起こしたのはビルゲニアの仕業であった。
ゴルゴムの次期創世王の座を密かに狙っていたビルゲニアはショッカーと取引した。
その見返りとしてビルゲニアが要求したのが次期創世王の地位。
こうしてビルゲニアの手引きでショッカーライダーたちはゴルゴムの制圧に成功した。
ビルゲニア「シャドームーンとはもしかしてそこに捨てられているゴミの事か?」
光太郎「あ…あぁ…の…信彦!?」
シャドームーン「う…うぅ…」
光太郎「こんなにボロボロになって…
それに腹部にあったはずのキングストーンがない。
ビルゲニア!まさかお前が…!?」
ビルゲニア「そうだ、シャドームーンが持つ月のキングストーン。」
ビルゲニア「このビルゲニアが手にした!ここに宣言する!」
ビルゲニア「今よりこの俺がゴルゴムの創世王だ!!」
「「オォ――――――ッ!!」」
ゴルゴムの新たな創世王を宣言するビルゲニア。
その宣言にビルゲニアに従ったゴルゴムの怪人たちが高らかな雄叫びを上げた。
最早、光太郎とシャドームーンは世紀王としての地位を奪われたも同然であった…
とりあえずここまで
ここから一気に話が進みます
ショッカー首領『ビルゲニアよ!よくぞやった!褒めてつかわすぞ!』
ショッカーV3「オォッ!この声は!」
ショッカーライダーマン「我らが偉大なるショカー首領の声だ!」
ショッカーX「ショッカー首領はこの度のビルゲニアの働きを偉く感激しておられる。」
ビルゲニア「ハハァッ、ありがたき幸せに存じます。
大恩あるショッカー首領、つきましては首領に献上したいモノがあるのです!」
どこからか聞こえてくるショッカー首領の声。
ビルゲニアはショッカー首領に永遠の忠誠を誓うと、あるモノを献上しようとした。
茂「助けてー!」
ひとみ「怖いよー!」
光太郎「茂くん!ひとみちゃん!
その他にも囚われている人々の姿が…
そうか、おじさんたちを襲ったのは…ビルゲニア!お前の仕業か!
こんな事をして一体何を企んでいるんだ!?」
ビルゲニア「フフフ、決まっている。
この者たちを新たな改造人間にするための材料としてショッカーに献上するのだ!」
光太郎「なんという事を…」
知っての通り、改造手術を行う際はどうしても素体となるべき人間が必要となる。
今回、ビルゲニアがレジスタンスを襲撃して人間たちを捕獲したのはこのためであった。
茂「チクショー!お前たちなんか仮面ライダーがやっつけてくれるんだ!」
ひとみ「そうよー!」
ビルゲニア「仮面ライダーだと?
馬鹿め、そんな者は15年前に既に死んでいるがな!」
ショッカーV3「そして仮面ライダーはショッカーライダーとして生まれ変わった!」
ショッカーライダーマン「愚かなる人間ども、偉大なるショッカー首領に忠誠を誓え!」
ショッカーX「そうすれば生き延びる事ができるぞ!」
ショッカーアマゾン「忠誠ヲ誓エナケレバ食ベルダケ!」
ショッカーストロンガー「さぁ、大人しく改造手術を受けな!」
ショッカースカイライダー「お前たちは偉大なるショッカー首領に選ばれたのだ!」
ショッカースーパー1「光栄に思え!」
ショッカーZX「お前たち人間は我らショッカーの糧となるのだ!」
茂「そんな…仮面ライダーが…」
ひとみ「私たち…もうおしまいなの…?」
かつてのヒーロー、仮面ライダーの死を知り落胆する子供たち。
だが、そんな時…
一人の男が立ち上がった!
光太郎「茂くん!ひとみちゃん!諦めるな!」
茂「光太郎兄ちゃん…?」
ひとみ「でも…仮面ライダーが…」
ビルゲニア「そうだぞ、この世界を守った仮面ライダーはとうの昔に死んでいる!
ブラックサン、お前もショッカーに忠誠を誓いショッカーライダーとなれ!
そうすればショッカー首領のお慈悲でお前だけは助けてもらえだろう!!」
光太郎「黙れ!僕はもうゴルゴムには戻らない!
そして…ショッカーの一員になる気もない!
僕がなるのは…そうだ!
かつて人々をショッカーの魔の手から救ったあのヒーローになる事だ!!」
決意を新たにする光太郎。
そして光太郎は拳に力を込めて握り締めこう叫んだ。
光太郎「変…んん…身ッ!」
その言葉を発したと同時に光太郎の体内にあるキングストーンが光り輝いた。
そして次の瞬間、
光太郎の身体はバッタ男を経て、
身体中から蒸気を吹き出しながら全身黒の戦士と化していた。
((プシュゥゥゥッ!))
「僕はもうゴルゴムの世紀王ブラックサンじゃない。」
「僕は…いや…俺は!」
「仮面ライダー1号と2号の意志を受け継ぎ…」
「子供たちの夢を守り、希望の光を照らし続ける新たなる仮面ライダー…!」
「その名も…」
BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」
【仮面ライダーBLACK】
本来、時の改変が行わなければこの時代を守るはずだった戦士。
ショッカーの陰謀により彼もまた己の存在を見失いかけた…
だがどんなに時が改変されようとも南光太郎の運命は何者にも変える事はできない。
南光太郎は人類の自由と平和を守る戦士、仮面ライダーBLACKとなった。
そしてたった一人、ショッカーに立ち向かう!!
とりあえずここまで
ようやくてつをさんの覚悟完了しました
茂「光太郎兄ちゃんが…」
ひとみ「仮面ライダー…?」
ショッカーV3「何が仮面ライダーBLACKだ!」
ショッカーライダーマン「やってしまえー!」
BLACK「行くぞ!ショッカーライダーたち!」
仮面ライダーBLACKにショッカーライダーたちが迫る。
だが正義に目覚めた仮面ライダーBLACKにとって、
悪に染まったショッカーライダーなど敵ではなかった。
BLACK「キングスト―――ッン!フラ―――ッシュ!」
ショッカーV3、ショッカーライダーマン「「ウギャァァァァッ!?」」
BLACK「ライダ―――ッ!チョ―――ップ!」
ショッカーX、ショッカーアマゾン「「グギャギャギャギャッ!?」」
BLACK「ライダ―――ッ!パ―――ンチ!!」
ショッカーストロンガー、ショッカースカイライダー「「ギギギギギ…!?」」
BLACK「ライダ―――ッ!キ―――ック!!」
ショッカースーパー1、ショッカーZX「「グワァァァァァッ!?」」
親しい者たちを殺された怒りに燃える仮面ライダーBLACKの力は凄まじかった。
瞬く間にショッカーライダーたちを倒す仮面ライダー。
その光景を目の当たりにしたショッカー首領の声が仮面ライダーにこう囁いた。
ショッカー首領『見事な力だ仮面ライダーBLACK。』
BLACK「ショッカー首領か、出てこい!次はお前の番だ!」
ショッカー首領『お前の力は実に素晴らしい。』
ショッカー首領『だがこのまま人間共と一緒に居ればお前は間違いなく不幸になるだろう。』
BLACK「人間と一緒に居れば俺は不幸になるだと…?
ふざけた事を言うな!俺はお前たちショッカーを絶対に許さん!!」
ショッカー首領『血の気の多い男だ。だが気に入った。
仮面ライダーよ、我がショッカーの軍門に下れ。
お前をショッカーの最高幹部として迎えてやっても良いぞ!』
BLACK「興味は無いな。俺にとっては人々の幸せこそが全てなんだ!」
ショッカー首領『我がショッカーの申し出を断るとは愚かな男だ。ならば死ぬがいい!』
(( ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ ))
ショッカー首領の申し出を断った仮面ライダー。
だがそれと同時にこのゴルゴム神殿の地下から巨大な装置が出現した!
果たしてこれは…!?
BLACK「この不気味なマシンは一体何だ!?」
ショッカー首領『これこそ偉大なるショッカーが開発した歴史改変マシン!』
BLACK「歴史改変マシン…?」
ショッカー首領『この世界は歴史改変マシンにより本来の時間軸とは異なった世界なのだ。』
BLACK「なんだって!?」
ショッカー首領『本来の時間軸ならば、
我らショッカーは仮面ライダーによって1973年に滅亡していた。』
ショッカー首領『だがこの歴史改変マシンにより時間軸を修正する事に成功したのだ!』
BLACK「まさか…この地獄の世界を作ったのが本当にショッカーだったとは…!?」
重大な事実が明かされた。
それはこの世界がショッカー首領によって歪められた時間軸であった事だ。
そしてさらに驚くべき事が起きた。
ショッカー首領『仮面ライダーBLACKよ、お前に面白いモノを見せてやろう。』
ショッカー首領『この歴史改変マシンを使えば凡ゆる者たちの歴史を改変する事が出来る。』
ショッカー首領『そう、このようにな!』
(( ズ ズ ズ ズ ズ ズ ズ ! ))
歴史改変マシンから禍々しくもどす黒いワームホールが発生。
その中から16人の戦士たちが現れた。
ショッカークウガ「ショッカーライダークウガ!」
ショッカーアギト「ショッカーライダーアギト!」
ショッカー龍騎「ショッカーライダー龍騎!」
ショッカーファイズ「ショッカーライダーファイズ!」
ショッカー剣「ショッカーライダーブレイド!」
ショッカー響鬼「ショッカーライダー響鬼!」
ショッカーカブト「ショッカーライダーカブト!」
ショッカー電王「ショッカーライダー電王!」
ショッカーキバ「ショッカーライダーキバ!」
ショッカーディケイド「ショッカーライダーディケイド!」
ショッカーダブルCJ「ショッカーライダーダブル!」
ショッカーオーズ「ショッカーライダーオーズ!」
ショッカーフォーゼ「ショッカーライダーフォーゼ!」
ショッカーウィザード「ショッカーライダーウィザード!」
ショッカー鎧武「ショッカーライダー鎧武!」
ショッカードライブ「ショッカーライダードライブ!」
ショッカー首領『どうだ仮面ライダーBLACK!
この者たちこそ、歴史改変マシンにて召喚した未来のショッカーライダーたちだ!!』
BLACK「未来の…ショッカーライダー!?」
なんとそこに現れたのは…
本来の時間軸では平成ライダーと呼ばれる、
未来の世界から召喚された16人のショッカーライダーたちであった。
ショッカー首領『仮面ライダーBLACK、これでもまだ我らに従う気はないのか?』
BLACK「くどい!ショッカーライダーが何人現れようと俺は人々を守ってみせる!」
ショッカー首領『ならば仕方がない。』
ショッカー首領『出来れば本物が欲しかったのだが、こうなれば代わりを用意するか。』
BLACK「代わり…だと…?」
ショッカー首領『フフフ、それでは今からお前のために楽しい余興を披露してやろう。』
それから召喚された平成のショッカーライダー、
それに先ほど倒されたはずの昭和のショッカーライダーたちが起き上がり、
円陣を組みビルゲニアを取り囲んだ。
そしてショッカー首領は彼らにある命令を下した。
ショッカー首領『ビルゲニアよ、キングストーンを持て!』
ビルゲニア「ハハァッ!」
ショッカー首領『そしてこの場にいる全てのショッカーライダーたちよ!
お前たちショッカーライダーの力をビルゲニアの持つ月のキングストーンに注ぐのだ!!』
((ブワァァァァァッ!))
ビルゲニア「オォッ!ショッカーライダーたちの力が…!
この月のキングストーンを伝ってこのビルゲニアに流れてくる!」
ショッカー首領『今こそ時が来た。ビルゲニア、変身せよ!』
ビルゲニア「変…身!」
ショッカー首領の声に従いビルゲニアが持つ、
月のキングストーンに力を送るショッカーライダーたち。
そして変身の言葉を唱えるビルゲニア。
すると月のキングストーンが光り出してビルゲニアの身体を包んだ。
そして一人の戦士が姿を現した。
シャドーRX「我こそは月のキングストーン、
そして偉大なるショッカーから力を授かった新たなるショッカーライダー!
我が名は新たなる創世王!ショッカーライダーシャドーRX!!」
BLACK「そんな…
ビルゲニアが月のキングストーンを使って変身しただと…?
それにシャドーRXとは…一体どうなっているんだ!?」
ショッカー首領『教えてやろう。
ビルゲニアが変身したシャドーRXは本来ならお前のもうひとつの姿だったモノだ。』
BLACK「俺のもうひとつの姿…?」
ショッカー首領『先程も説明したように、
この世界の歴史は我らショッカーの手により狂わされた。
その因果によりお前の仮面ライダーBLACKRXとしての力も失われてしまった。
つまり、この世界のお前はRXに変身する事は不可能なのだ!』
シャドーRX「そして俺はお前の代わりにシャドーRXの力を得た!
元のブラックサンの力しかないお前ではこの戦いに勝てる事などできんぞ!」
ショッカー首領『今こそ勝利の時!
我らショッカーの歴史に紛れた異物である仮面ライダーBLACKを倒せ!!』
「 「 「 オォ―――――ッ!! 」 」 」
敗北したシャドームーンのサタンサーベルを手にして先陣を切るシャドーRX!
そして全てのショッカーライダーたちが仮面ライダーBLACKに襲いかかってきた!!
とりあえずここまで
ドライブ「俺現行ヒーローで作者の前作でも主役だったのに…ショッカーライダーにされた…」
ベルトさん「諦めろ進ノ介!本家だって似たようなモノだ!」
ショッカーV3「V3反転キック!」
ショカークウガ「マイティーキック!」
ショッカーダブルCJ「ジョーカーエクストリーム!」
BLACK「ぐっ…」
まずはショッカーV3、クウガ、ダブルCJによるキック攻撃!
ショッカーライダーマン「マシンガンアーム!」
ショッカーフォーゼ「ガトリングスイッチ!」
BLACK「このっ…」
続いてショッカーライダーマン、フォーゼによる銃弾の嵐!
ショッカーX「ライドルスティック!」
ショッカー龍騎「ドラグセイバー!」
ショッカーブレイド「醒剣ブレイラウザー!リザードスラッシュ!」
ショッカー電王「俺の必殺技、ショッカーバージョン!」
BLACK「うぐっ…」
ショッカーX、ブレイド、電王による剣による斬撃!
ショッカーアマゾン「大切断!」
ショッカー響鬼「鬼闘術!鬼爪!」
ショッカーオーズラトラーター「ガッシュクロス!」
BLACK「がはっ…」
ショッカーアマゾン、響鬼、オーズラトラーターコンボの野獣の特性を活かした猛攻!
ショッカーストロンガー「エレクトロファイヤー!」
ショッカースーパー1「チェーンジエレキハンド!」
BLACK「う…ぐぐ…」
ショッカーストロンガー、スーパー1、による電撃攻撃!
ショッカースカイライダー「セイリングジャンプ!」
((Start Up))
((Clock Up))
ショッカースカイライダー「スカイスクリューキック!」
ショッカーファイズアクセルF「ファイズエッジ!スパークルカット!」
ショッカーカブト「カブトクナイガン!アバランチスラッシュ!」
BLACK「ごはっ!?」
ショッカースカイライダー、ファイズ、カブトによる目にも止まらぬ早さでの高速攻撃!
だがそれだけではなかった。
ショッカーV3「V3火柱キック!」
ショッカーライダーマン「パワーアーム!」
ショッカーX「Xキック!」
ショッカーアマゾン「スーパー大切断!」
ショッカーストロンガー「超電稲妻キック!」
ショッカースカイライダー「大回転スカイキック!」
ショッカースーパー1「スーパーライダー月面キック!」
ショッカーZX「ZXキック!」
昭和のショッカーライダーによる必殺キックが放たれた。
さらに攻撃が続いた。
ショッカークウガライジングF「ライジングマイティキック!」
ショッカーアギトトリニティF「ライダーシュート!」
ショッカー龍騎「ドラゴンライダーキック!」
ショッカーファイズアクセルF「アクセルクリムゾンスマッシュ!」
ショッカーブレイドジャックF「ライトニングスラッシュ!」
ショッカー響鬼紅「音撃打!灼熱真紅!」
ショッカーカブト「1.2.3.ライダーキック。」
ショッカー電王ライナーF「電車斬り!」
ショッカーキバドッガバキF「ダークネスムーンブレイク!」
ショッカーディケイド「ディメンションキック!」
ショッカーダブルFJ「ファングストライザー!」
ショッカーオーズプトティラ「ストレインドゥーム!」
ショッカーフォーゼコズミックステイツ「ライダー超銀河フィニッシュ!」
ショッカーウィザードオールドラゴン「ストライクドラゴン!」
ショッカー鎧武ジンバーアームズ「ソニックアロー!」
ショッカードライブタイプフォーミュラー「トレーラーインパクト!」
平成ショッカーライダーたちの強化フォームによる必殺技が仮面ライダーに襲いかかる!
さすがの仮面ライダーといえどこの猛攻の前には為す術もなく…
次第に追い詰められていった。
そして最後は…
シャドーRX「最後はこのシャドーRXの番だ!」
BLACK「ビ…ビルゲニア…」
シャドーRX「喰らえ!シャドーリボルケイン!サタンサーベル!ハァッ!!」
((ザシュッ!))
BLACK「ぐはっ!?」
サタンサーベルとシャドーRXのベルトから現れた影の如き漆黒の剣、
その名もシャドーリボルケイン。
二刀の斬撃によりライダーは変身を解かれ元の姿に戻ってしまった…
光太郎「う…うぅ…」
茂「光太郎兄ちゃん!?」
ひとみ「ひ…酷いよ…」
シャドーRX「ククク、これまでだな仮面ライダー!」
ショッカー首領『南光太郎、今の攻撃でショッカーの力を思い知っただろう。』
光太郎「まだだ…まだ俺は倒れるわけには…」
ショッカー首領『ほぅ、まだ諦めないとは…
愚かな、お前の正義の決心など所詮はまやかしだという事がまだわからんのか?』
光太郎「なんだと…?」
それからショッカー首領はある話をした。
だがそれは光太郎にとって衝撃を受けるモノであった。
ショッカー『お前は黒井響一郎という男から、
かつて我らに敵対した仮面ライダーの話を聞いたのだろう。
馬鹿め、黒井は我らショッカーの尖兵なのだ!』
光太郎「なんだって!?」
ショッカー首領『あの男の悪い癖だ。
気に入った者を見つけてはたまに手助けしてしまうらしくてな。
だがそれも全ては我らショッカーのためであった。
ヤツはお前をショッカーライダーに仕立て上げるために、
このような猿芝居を演じていたに過ぎんのだ!!』
光太郎「そんな…黒井が…」
ショッカー首領『最後にもう一度だけチャンスを与えよう。
南光太郎よ、人間どもを裏切りショッカーの軍門に下るのだ!』
光太郎「だ…黙れ…今の話が本当だとしても…
おじさんやおばさん…ジョーたちを殺したお前たちの仲間になんか絶対になるものか!」
シャドーRX「愚かな男だ。ショッカー首領の好意を無碍にするとはな!」
ショッカー首領『惜しい男だが仕方がない。
ショッカーライダーたちよ!総力を上げて今度こそ南光太郎を始末しろ!!』
ショッカー首領の冷酷なる命令がショッカーライダーたちに下された。
そしてショッカーライダーたちが一斉に光太郎に襲いかかろうとした!
光太郎「最早これまでか。」
光太郎「黒井がショッカーの一員だったとは…」
光太郎「どうやら俺は騙されていたようだな。」
光太郎「だがこの選択に後悔はない。」
光太郎「俺は人のために生きたんだ。」
光太郎「ならば最後は人として死んでやる!」
既に満身創痍である光太郎。
だがそんな時、光太郎の心にある声が響いてきた。
(この時代の仮面ライダーよ!諦めるな!)
光太郎「声…誰だ…!?」
(俺たちは仮面ライダー1号!2号!ダブルライダーだ!)
光太郎「ダブル…ライダー…?だがあなたたちは…!?」
(俺たちは死んではいない!ある場所にその意識を封じているんだ!)
光太郎「それでは…あなたたちはまだ生きているのか…?」
(南光太郎、キミはまだ死んではいけない!)
光太郎「だが…この状況で俺一人だけでは…」
(大丈夫だ、キミには仲間がいる!)
(そうだ、この時代にはキミと同じ仮面ライダーがもう一人いる!)
光太郎「俺と同じ仮面ライダーがもう一人…?」
シャドーRX「こいつ、何をブツブツとわけのわからん事を呟いている?」
ショッカー首領『恐らく死の恐怖で錯乱でもしたのだろう。
この世界ではお前に都合の良い不思議な事など一切起きんのだからな!』
ショッカー首領の言う通り、この世界は改変された世界である。
よって本来なら奇跡など起きるはずもない。
だがそれでも敢えて言わせてもらおう!
そ の と き ! ふ し ぎ な こ と が お こ っ た ! !
((ブォォォンッ!))
シャドーRX「これは…何だ…?」
ショッカーV3「車だ!車が現れたんだ!?」
光太郎「この車はトライサイクロン!乗っているのはまさか!?」
光太郎がトドメを刺されるまさにその寸前、
昭和のショッカーライダーたちを蹴散らしながら一台の車がこの場に乱入してきた!
そして車から黒い羽を撒き散らしながら一人の男が姿を現す。
そう、駆けつけたのは光太郎を正義の道へと突き動かしたこの男であった!
黒井「よぅ、どうやらようやく一端の男の顔になれたな。」
光太郎「お前は…黒井響一郎!?」
ショッカー首領『黒井、これは何の真似だ…?』
黒井「何の真似かだと?気に入らないからさ!」
シャドーRX「気に入らないだと!キサマ、ショッカー首領のお言葉に逆らうつもりか!?」
黒井「黙れよゴルゴムの小判鮫。
首領からおこぼれを貰って尻尾を振っているお前に兎や角言われる筋合いはない。」
シャドーRX「キサマ…この俺が小判鮫だと!?」
突然現れビルゲニアを小判鮫と罵る黒井。
だが黒井は怒り心頭のビルゲニアを尻目に話を続けた。
黒井「俺は確かにショッカーの戦士だ。
それに俺自身戦いを行うのも勝利するのが目的だ。
だが、こんな退屈な勝負なんてゴメンだね。」
ショッカー首領『退屈だと…?』
黒井「そうだ、こんな勝ったも同然な戦いに何の意味がある?
どうせ戦うのなら命を賭けた真剣勝負!そこに戦いの醍醐味があるのさ!!」
ショッカー首領『それでは…キサマ…まさか!?』
黒井「あぁ、お察しの通りだ。
俺はこれから南光太郎の側に付く。文句は言わせないぜ!」
自らの持論をショッカー首領に打ち明ける黒井。
そして黒井は傷ついた光太郎に手を差し伸べた。
黒井「さぁ、戦いはこれからだぞ。さっさと起き上がれ。」
光太郎「黒井…ショッカー首領の言った事は本当なのか…?」
黒井「あぁ、首領の言った事は全部事実だ。
俺は今でもショッカーの戦士だ。
それに15年前もショッカー首領に命令され、勝利を得るためにダブルライダーを倒した。」
光太郎「それなら…何故…俺の味方をする?」
黒井「今言ったようにショッカーのやり方が気に入らないだけ。ただそれだけだ…」
まるで強がったようにそう呟く黒井。
他の者が聞けばこんな自分勝手な話など耳も傾けないだろう。
だが、光太郎は…
((ガシッ!))
光太郎「わかった、今だけはお前を信じよう!」
黒井「あぁ、それでいい。」
ショッカー首領『おのれ…黒井!ショッカーを裏切る気か!?』
シャドーRX「裏切り者め!思い知らせてやる!」
黒井「フンッ、黙れビルゲニア!お前なんかに裏切り者呼ばわりされたくないな!」
光太郎「ショッカー!覚えておけ!
俺たち仮面ライダーはこの世に悪がある限り何度でも蘇るんだ!!」
光太郎&黒井「「変…んん…身ッ!!」」
黒井から差し伸べられた手を受け取る光太郎。
そして囚われの人々の前に二人の仮面ライダーが現れた!
BLACK「仮面ライダーBLACK!!」
3号「仮面ライダー3号!!」
BLACK「この時代…!」
3号「この瞬間…!」
BLACK&3号「「今だけは俺たちがダブルライダーだ!!」」
【ダブルライダー】
それはかつて仮面ライダー1号、2号に送られた栄誉ある称号であった。
だがそれは仮面ライダーが敗北した時に廃れたはずだった。
しかし、この時代に現れた仮面ライダーBLACK!
それに仮面ライダー3号によりこの称号が再び受け継がれたのだ!!
3号「あの歴史改変マシンを破壊するぞ。」
BLACK「歴史改変マシンを…だが何故…?」
3号「あのマシンこそ、この狂った歴史を支配している根源だ。
あれを破壊、もしくは一時的に機能を麻痺させてくれ。
そうすれば未来から召喚されたショッカーライダーは元の時代に送り返されるはずだ。」
ショッカー首領『小癪な…殺ってしまえ!』
シャドーRX「仮面ライダーども!覚悟しろ!」
3号「ここは俺が引き受ける!お前は行け!」
BLACK「わかった!頼んだぞ3号!」
そして3号は単身ショッカーライダーたちを足止め、
その間に仮面ライダーは歴史改変マシンを破壊しようと行動を起こした!
ショッカー首領『おのれ…許さんぞ!
こうなればショッカーライダーたちよ!お前たちの真の力を見せてやれ!!』
((カッ!))
3号「未来からやってきた平成ライダーたちの姿が変わっていく…これはまさか!?」
ショッカー首領の命令でさらなるパワーアップを遂げる平成のショッカーライダーたち。
その姿がこれだ。
ショッカークウガアルティメットF「ハァッ!」
ショッカーアギトシャイニングF「ハァァ…!」
ショッカー龍騎サバイブ「ヨッシャァッ!」
ショッカーファイズブラスターF「ダァッ!」
ショッカーブレイドキングF「ウ゛ェィ!」
ショッカー響鬼装甲「響鬼、装甲…!」
ショッカーカブトハイパーF「ハイパーキャストオフ。」
ショッカー電王超クライマックスF「俺たち、参上!」
ショッカーキバエンペラーF「ウェイクアップフィーバー!」
ショッカーディケイドコンプリートF「ハァッ!」
ショッカーダブルCJGX「エクストリーム!」
ショッカーオーズスーパータトバ「セイヤーッ!」
ショッカーフォーゼメテオフュージョンステイツ「宇宙キターッ!」
ショッカーウィザードインフィニティードラゴンゴールド「俺が最後の絶望だ!」
ショッカー鎧武極アームズ「ここからは俺のステージだ!」
ショッカードライブタイプトライドロン「ひとっ走り、付き合えよ!」
3号「おいおい…嘘だろ…こんなヤツらを相手に1分ももたないぞ…」
なんと3号の前に現れたのは最終フォームへと進化したショッカーライダーたちであった。
圧倒的な戦力差を見せるけられる3号。
そして仮面ライダーの方にも刺客が迫っていた。
BLACK「3号待っていろ!急いでマシンを破壊してやるからな!」
シャドーRX「待て!それ以上は行かせんぞ!」
BLACK「くっ…ビルゲニアか!」
シャドーRX「俺だけではない!
まだショッカーライダーはこの三人が残っているのだ!」
ショッカーシン「ショッカーライダーシン!」
ショッカーZO「ショッカーライダーZO!」
ショッカーJ「ショッカーライダーJ!」
シャドーRX「そしてこの俺、シャドーRXだ!
どうだ、先ほどの戦いで傷ついたお前に俺たちを相手にする力が残ってはいないはず!」
BLACK「くっ…どうすれば…!?」
ここに来て歴史改変マシンでまさかの増援を呼び出したシャドーRX。
最早これまでなのか…?
((ブロロロロロッ!))
シャドーRX「なっ…これは何だ!?」
ショッカーシン「あれはバイクだ!」
ショッカーZO「バイクが突っ込んできたんだ!」
ショッカーJ「一体誰が乗っている?」
シャドームーン「ハァ…ハァ…無事だったかブラックサン…」
BLACK「シャドームーン!お前がこのバイクに乗って俺を助けてくれたのか!」
なんと仮面ライダーのピンチに駆けつけたのは倒されたはずのシャドームーンであった。
そしてシャドームーンが乗っているバイクこそ…
シャドームーン「このマシンはロードセクターだ。
ゴルゴムが世界征服のために用意してたマシンだがまさかこんな形で使う事になるとは…」
BLACK「ロードセクター…これが…!」
シャドームーン「ブラックサン…あの歴史改変マシンを破壊するのだろう。
ならばこのマシンを使え…俺はそのためにロードセクターを持ってきたのだ…」
BLACK「だがシャドームーン…そんなボロボロの身体では…」
シャドームーン「俺の事は構うな…
我らゴルゴムの…世紀王を侮ったヤツらに思い知らせてやれ!」
シャドーRX「ふざけるな!このまま行かせると思うなよ!」
ゴルゴムの文明破壊用マシンとして開発されていたロードセクター。
本来の歴史ならバトルホッパーと同じく仮面ライダーBLACKの頼れる愛車でもあった。
だがそんな二人の前にシャドーRXが襲いかかってきた!
((ガシィッ!))
シャドームーン「行けっ!ブラックサン!あのマシンを破壊しろ!」
シャドーRX「キサマ…この死に損ないめ!離せ!」
BLACK「そんな…やめろシャドームーン!それではお前は死んでしまうぞ!?」
シャドームーン「構わん!
キングストーンを失った俺はどの道長くはない!
後は頼んだぞ…仮面ライダーBLACK…南…光太郎…」
BLACK「シャドームーン…信彦…うわぁぁぁぁぁっ!!」
シャドーRXの脚を必死に抑えながら息絶えるシャドームーン。
仮面ライダーは哀しみの雄叫びを上げながらロードセクターを疾走させる!
ショッカークウガアルティメットF「アルティメットキック!」
ショッカーアギトシャイニングF「シャイニングライダーキック!」
ショッカー龍騎サバイブ「ドラゴンファイヤーストーム!」
ショッカーファイズブラスターF「ブラスタークリムゾンスマッシュ!」
ショッカーブレイドキングF「ロイヤルストレートフラッシュ!」
ショッカー響鬼装甲「音撃刃!鬼神覚声!」
ショッカーカブトハイパーF「ハイパーライダーキック。」
ショッカー電王超クライマックスF「俺たちの必殺技、超ボイスターキック!」
ショッカーキバエンペラーF「エンペラームーンブレイク!」
ショッカーディケイドコンプリートF「強化ディメンションキック!」
ショッカーダブルCJGX「ゴールデンエクストリーム!」
ショッカーオーズスーパータトバ「スーパータトバキック!」
ショッカーフォーゼメテオフュージョンステイツ「ライダーフュージョンドリルキック!」
ショッカーウィザードインフィニティードラゴンゴールド「インフィニティーエンド!」
ショッカー鎧武極アームズ「火縄大橙無双斬!」
ショッカードライブタイプトライドロン「トレーラービッグインパクト!」
3号「クソッ!これはまずい…!?」
一方その頃、平成ショッカーライダー最終フォームの必殺技が3号に迫っていた!
最早一刻の猶予もない!
急げ仮面ライダー!歴史改変マシンを破壊せよ!!
ショッカーシン「行かせるか!」
ショッカーZO「お前はここで死ぬのだ!」
ショッカーJ「絶対にマシンには近づかせんぞ!」
BLACK「退け!お前たちに構っていられるか!
ロードセクター!アタックシールド!スパークリングアタ―――ック!!」
((ドッガァァァァァンッ!))
「 「 「うわぁぁぁぁぁぁっ!?」 」 」
まさに危機一髪!
シャドームーンから託されたロードセクターのスパークリングアタックで、
歴史改変マシンに大きなダメージを与える事に成功。
その所為で機能が麻痺してしまい、
未来から召喚されたショッカーライダーたちは元の時代へ送り返されてしまった。
ショッカー首領『なんという事だ…』
3号「フッ、どうやらやってくれたようだな。」
BLACK「ショッカー!お前たちの野望もこれまでだ!」
ショッカー首領『おのれ…ビルゲニアよ。
我らは撤退する。此奴らの始末はお前に任せたぞ!』
シャドーRX「ハハッ、お任せを!
さぁ、仮面ライダー!今度こそお前を始末してやる!!」
歴史改変マシンを損傷してしまい撤退を余儀なくされるショッカー。
昭和のショッカーライダーたちも撤退し、シャドーRXだけがその場に残った。
シャドーRX「喰らえ!シャドーリボルケイン!サタンサーベル!」
3号「厄介な剣だ!なんとか出来ないのか!」
BLACK「くっ…どうすれば!?」
仮面ライダーBLACK&3号vsシャドーRXの戦いが始まった。
二対一で有利かと思われたが、
これまでの戦いでのショッカーライダーによるダメージ。
加えてシャドーRXのシャドーリボルケイン、
それにサタンサーベルの猛攻は凄まじく近づく事すら出来なかった。
だがそんな時、仮面ライダーの脳裏にふと先ほどのシャドームーンの言葉が過った。
『我らゴルゴムの…世紀王を侮ったヤツらに思い知らせてやれ!』
BLACK「世紀王か…待てよ?
そうだ、忘れていたが俺も次期創世王候補なんだ!ならば!サタンサーベル!!」
シャドーRX「ナニィッ!サタンサーベルがライダーの手に召喚されただと!?」
3号「なるほど、ヤツは元々世紀王ブサックサンだ。
本来なら世紀王としての資格がないビルゲニアよりも資質があったというわけか。」
シャドーRX「ライダー!その剣を返せ!」
BLACK「いいや、これはシャドームーンの…
信彦の思いが込められた剣!お前になど断じて渡さん!来い!バトルホッパー!!」
サタンサーベルを手にした仮面ライダー。
そして駆けつけたバトルホッパーに乗り込みシャドーRX目掛けて突進した!
BLACK「ビルゲニア!覚悟!」
シャドーRX「キサマ…この俺があれほど欲した…
キングストーン…サタンサーベル…バトルホッパー…
次期創世王としての資格を全て備えるとは…!
キサマら世紀王はどこまでこの俺をコケにすれば気が済むんだ!?」
BLACK「トゥァッ!サタンサーベル!!」
シャドーRX「シャドーリボルクラッシュ!!」
((ドシュッ!))
その瞬間、二人の斬撃が同時に放たれた。
果たして勝ったのは…?
シャドーRX「あ…あぁ…サタンサーベルが!?」
3号「やった!ヤツのキングストーンにサタンサーベルが差し込まれた!」
シャドーRX「ま…まだだ…俺はまだ負けていない!」
BLACK「ビルゲニア、これで最後だ!トゥァッ!!」
3号「力を合わせろ!BLACK!トゥッ!!」
茂「二人の仮面ライダーがジャンプした!」
ひとみ「これってもしかしてあの…」
子供たちの見守る中、仮面ライダーたちは最後の攻撃を行った。
それはかつてあのダブルライダーの必殺技であった。
BLACK「ライダ―――ッ!」
3号「ダブル―――ッ!」
BLACK&3号「「キィィィ―――ック!!」」
シャドーRX「ぐわぁぁぁぁぁっ!?
そんな…俺こそ…俺こそ…ゴルゴムの創世王だぁぁぁぁぁぁ!!???」
仮面ライダーBLACKと3号によるライダーダブルキックが、
シャドーRXの腹部に差し込まれたサタンサーベル目掛けて放たれた!
己の出生を恨み暗黒結社ゴルゴムを裏切りショッカーの配下となったビルゲニア。
あれほど次期創世王の地位を欲したビルゲニアであったが、
皮肉にもビルゲニアを倒す原因となったのは、
次期創世王の象徴であるキングストーン、
それにサタンサーベルと彼が死ぬほど欲していたモノだとは…
なんとも哀れな最期であった。
光太郎「ありがとう黒井。」
黒井「別に礼を言われる筋合いはない。どうせこの共闘は今回限りだ。」
光太郎「そんな…何故だ?」
黒井「俺は本当にショッカーを裏切ったわけではない。
ただ、ここまで優勢で一方的な戦いに我慢ならなかっただけだ。
次に会う時があればまた俺たちは敵同士だ。その事を忘れるな!」
戦いが終わり黒井と友情を分かち合おうとする光太郎。
だが自分は本当にショッカーを裏切ったわけではない。
その事だけを伝えて去ろうとする黒井。
それでも光太郎は思った。
光太郎「黒井、俺はあなたが人間の敵だとはどうしても思えない。
最初に会ったあの日、A地区はショッカーによって支配されていた。
あの時、あなたがA地区を襲撃していなければ人間たちの被害は大きかったはずだ。」
黒井「何が言いたい…?」
光太郎「ひょっとしてあなたも、
かつてのダブルライダーと同じく人間のために戦っているのでは…」
黒井「よせよ、俺は正義の味方なんて柄じゃない。
だが、こんな狂った世界でなければ戦いなんてやらずに…
レーサーにでもなってこのトライサイクロンで気軽にレースでもしたいね。
お前と一緒にな。」
光太郎「黒井…」
黒井「じゃあな南光太郎…仮面ライダーBLACK…」
こうして黒井はトライサイクロンに乗り込み何処かに去って行った。
余談だが実は彼は仮面ライダー1号、2号を殺した事を後悔していた。
南光太郎を仮面ライダーBLACKとして目覚めさせたのも、
そんな自責の念に駆られたからかもしれない。
光太郎「茂くん、ひとみちゃん、大丈夫かい?」
茂「うん、平気だよ!」
ひとみ「けどパパとママが…」
光太郎「ゴメンよ、俺がもっとしっかりしていればこんな事には…」
囚われた人々を解放し、両親を失ったこの兄妹を労わる光太郎。
だが…
「この化物!」
「よくも俺たちを騙していたな!」
「お前もショッカーと同じ改造人間じゃないか!?」
茂「やめろよ!光太郎兄ちゃんは俺たちを助けてくれたんだぞ!」
ひとみ「そうだよ、光太郎兄ちゃんは仮面ライダーなのに!」
光太郎「そうか…黒井やショッカー首領が言っていたのはこの事だったのか…」
助け出した人間たちから突然迫害される光太郎。
それは無理もない事であった。
何も知らない人々にとって同じく改造人間である光太郎も脅威である事に変わりなかった。
そして光太郎は決断した。
光太郎「茂くん、ひとみちゃん、キミたちとはここでお別れだ。」
茂「そんな…どうして!?」
ひとみ「ずっと一緒に居てくれるって約束したじゃない!」
光太郎「すまない、だが俺は改造人間なんだ。
普通の人間たちと一緒に生きていく事なんてこの世界では無理なんだ。」
光太郎の言う通りであった。
この絶望した世界において改造人間が普通の人間と歩むのは困難な時代であった。
だがそれでも光太郎は子供たちにこう誓った。
光太郎「けど約束するよ。
いつの日か俺たち仮面ライダーが必ずこの絶望した世界を救ってみせるとね!」
茂「そんな…」
ひとみ「光太郎兄ちゃん…」
光太郎「さよなら二人とも、いつまでも兄妹仲良く生きていくんだぞ!」
こうして南光太郎は子供たちの下を去った。
人々から迫害され追放された光太郎。
その心に不思議と絶望はなかった。
あるのは自らの心に希望をくれた親しい人たちへの感謝の心だけであった。
しかしそんな光太郎の前に新たなる強大な敵が待ち受けていた!
(( ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ! ))
ジャーク「我らは全知全能の神、
クライシス皇帝の支配するクライシス帝国よりこの地に遣われし者たち、
余の名は地球攻撃兵団の最高司令官ジャーク将軍!」
ガテゾーン「怪魔ロボット大隊の機甲隊長ガテゾーン!」
ボスガン「怪魔獣人大隊海兵隊長ボスガンだ。」
ゲドリアン「ケケッ!怪魔異生獣大隊が牙隊長ゲドリアン!」
マリバロン「私は怪魔妖族大隊の長、諜報参謀マリバロン!」
ダスマダー「そして査察官ダスマダー!
我らが盟友ショッカーに仇なす南光太郎よ!
ショッカーはこの地球に怪魔界50億の民の移住を了承してくれた。
その恩に報いるためにお前の命を貰い受ける!!」
光太郎「怪魔界…それにクライシス帝国だって…!?」
茂たちと別れた光太郎。
だがその直後に彼が遭遇したのは、
なんと本来の時間軸ならばゴルゴムに続く宿敵クライシス帝国であった!
既にショッカーと同盟を結んだクライシス帝国は、
総力を上げて光太郎に襲いかかってきた!
光太郎「いいだろう!」
光太郎「ショッカー、それにクライシス帝国!」
光太郎「俺は全ての脅威から人々を守る!」
光太郎「それがこの世界で生きる俺の使命だ!!」
BLACK「変身!仮面ライダーBLACK!!」
クライシス帝国の大軍にたった一人で挑む仮面ライダーBLACK。
これより彼は27年間、たった一人でショッカーを相手に戦う事になる。
全ては彼が愛する人々のために…
南光太郎/仮面ライダーBLACKの果てしなく続く孤独な戦いが始まった。
スーパーヒーロー大戦GPへ続く→
【エピローグ】
<2015年>
~レース会場~
茂「光太郎兄ちゃん、みんな!こっちだよ!」
光太郎「わかったよ茂くん!そんなにはしゃぐなよ!」
ひとみ「もう、お兄ちゃんったらはしたないんだから!」
ジョー「そうだぜ、レースは逃げたりしないんだから落ち着けよ。」
玲子「見て、レースが始まったわよ!」
あれから27年の歳月が過ぎた。
歴史改変マシンは仮面ライダーたちの手により破壊されて世界は元の姿を取り戻した。
光太郎もかつての仲間と共に平和な日々を送っていた。
そんなある日、レース会場へと足を運ぶのだがそこには思わぬ人物がいた。
アナウンサー『今季もぶっちぎりの優勝を飾りました!
最早この男に敵う挑戦者はいないのか?黒井響一郎選手です!!』
光太郎「黒井…?」
ジョー「あれ?兄貴知らないのか?」
茂「まったく、光太郎兄ちゃんはバイク以外の事は疎いんだから!
あの人は黒井響一郎選手、このレースで既に40年以上活躍している人だよ!」
玲子「恐らくもう60歳を超えてるはずなのに、
まだ20代に見えるとか…お肌の手入れでもやっているのかしら?」
アナウンサー『それでは黒井選手、何か一言ありますか?』
黒井『今回もまるで相手にならなかったな、もっとマシなヤツはいないのか?』
光太郎「…」
なんとそのレース会場で優勝を飾ったのは、
あの改変された時間軸で仮面ライダー3号を名乗っていた黒井響一郎であった。
40年以上レースに出場して優勝を飾っている黒井。
そんな黒井を見て光太郎の脳裏にある記憶が蘇った。
<レース終了後>
黒井「ふぅ、これで今日のお仕事終了か。」
黒井「まったくどいつもこいつも雑魚ばかりだ。」
黒井「何処かに骨のあるヤツはいないのかな?」
そんな愚痴をこぼしながらレース会場を去る黒井。
その時、黒井の目の前に見た事もない一台の赤い車が止まった。
そしてその赤い車から降りてきたのは…
光太郎「黒井選手ですね、待っていましたよ。」
黒井「お前…何のつもりだ?」
光太郎「実は、あなたを見ていたらふとレースをしたくなりましてね。
それで俺の愛車でと勝負してほしいんですよ。
何故だか以前、勝負を約束したようなそんな感じがしてね…」
黒井「俺も…お前を見ていたら急にそう思えてきた。
ちょうどいい、さっきのレースでは物足りなかったんだ。
少し付き合えよ。俺のトライサイクロンで勝負してやる!」
光太郎「俺だって、ライドロンのスピードはどのマシンにも負けませんからね!」
そう言うと黒井はトライサイクロンへ乗り込み、
光太郎もまた愛車であるライドロンへと乗車した。
黒井「それじゃあ…」
光太郎「レーススタート!」
((ブォォォォォォッ!!))
爆走する二台のマシン。
歴史改変マシンは確かに絶望の世界を生み出した。
だがそんな絶望の中で生まれた奇妙な友情の物語。
仮面ライダーBLACKと仮面ライダー3号。
この二人が再び戦う事は最早二度とありえないだろう。
だが二人は忘れない。
かつて改変された世界でダブルライダーと名乗ったあの瞬間を…
スーパーヒーロー大戦GP【外伝】仮面ライダーBLACKvs仮面ライダー3号 【完】
これにておしまいです。
何でこんなss書いたかというと映画本編で3号とてつをさんの会話が全然なかったので…
映画の前日談としてこんな出来事があったんじゃないかなと思って書かせてもらいました。
久しぶりのてつをさん主役のssは書いてて楽しかった。
それではまた次回作をかけたらよろしく!
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