孤独のグルメ・鎮守府編 (5)
ミーン ミーン
五郎「あー、あっついなぁ」
仕事とはいえ、こんな重い物を担いで歩くのはキツイよ
しかも真夏の炎天下だ
時間もまだあるし、どこかに自動販売機でも…
いや、駄目だ、ジュースは喉が冷たくなるだけだ
俺は全身を冷やしたいんだ
そうだ、アイスだ。俺は今アイスが欲しいんだ
五郎「ごめんくださーい」ガラッ
五郎「………」
なんてことだ。誰もいないぞ
そう言えば店の外に準備中って書いてあった気がする
あまりに暑くて気が付かなかったけど
それにしたって、この店、不用心
仕方ない。まだ時間じゃないけど取り引き先に行こう
アイスぐらいはあるだろう
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五郎「………うわぁ」
でっかいなぁ
ここが鎮守府って所で合ってるのだろうか
中も広そうだし、下手に動くと迷うぞこれは
「あのー、もしかして提督のお客様でしょうか?」
五郎「あっ、はい」
って、凄い格好だ
恥ずかしくないのだろうか
スカート短いし、ギャル?
いや、コスプレってやつかな
でも、なんかの制服っぽいし
「ぽい!」
五郎「?」
「えっ、どうかしましたか?」
五郎「あっ、すみません、なんでもないです。それであの、提督さんはどちらに?」
「こちらです。どうぞ」
なんだ今の声
ぽい?
まあ、どうでもいいけど
提督「いやーそうですか。それは大変でしたね」
五郎「こちらこそ申し訳ありません。本来なら時間通りに来るはずだったんですが」
提督「いえいえ構いませんよ。こういう事は早いに越した事はないですからね」
提督「それにしても、これでやっとここにも21号対空電探が入ると思うと、本当に嬉しい限りですよ」
提督「ここみたいな設備の古い鎮守府にとっては、まさに救いの手です」
五郎「はあ、そうですか。ははは」
取り寄せておいてなんだけど、何がなんだかさっぱり分からない
この機械が敵の戦闘機やら何やらを見つけてくれるレーダーだって、仕入先からは説明されたけど
救いの手って事は、これが無かったせいで不幸な事故が起きた、とかだろうか
うーん、何にしても物騒な話だ
兵隊さんにご苦労さんだな
提督「いやーとにかく良かった。これであの子をバラさないで済む」
五郎「? あの、バラすとは?」
提督「いえいえこちらの話ですよ」
今日はここまで
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