カケル「サルどころか女の子にも勝てない……」【サルバト~レ】 (98)


カケル「情けない……」

ハカセ「ふむ……」

ナツミ「そんなこと言ったってアンタ、強みがないんじゃ勝てないでしょ」

カケル「な、何もはっきり言うことはないだろー!?」

ハカセ「平均的な性能が揃っている以上は、結局腕の問題なのじゃが……」

カケル「ワンチャンハゲには聞いてない」

ハカセ「」





チャル「あら、皆さんお揃いで」

ハカセ「」

チャル「あのー……?」


ナツミ「あー、カケルがまたカンシャク起こして、ハカセに暴言吐いてったのよ」

チャル「カケルさん……。ハカセ、お気を確かに」

ハカセ「お、おお。チャルか」



ナツミ「3段ジャンプ」ボソッ

ハカセ「」バタリ



チャル「ちょ、ナツミさん!! わたしをダシに使わないでください!!」

ナツミ「まあ、あたしら強キャラだしね~……」

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ハルカ「フープ慣性から……ジャンプメカボー!」

赤サル「ウ、ウキッ!」ピョン

ハルカ(トンボ持ってないサルチームが浮いた。これは……)



ハルカ「スピン、ショット!!」カッ



赤サル「ウキ~!!」(滞空出来ないしゴリハンも返せない~!!)

赤サル「キュゥ」

FINISH!

ハルカ「さあ、次行くわよ!」


………………
…………
……

優勝 ハルカ

ハルカ「ふう、今日も良い試合だったわ」

カケル「あ、ハルカちゃん」

ハルカ「カケル君。今日は戦わなかったけど、別のブロックにいたの?」

カケル「それが……」




ハルカ「え……勝てないから、ガチャメカスタジアムを引退する……?」




ハルカ「それはダメ! せっかく良いものを持ってるのに、ここで諦めるのは勿体ない」

カケル「トップクラスに恵まれた性能のハルカちゃんに言われても……」

ハルカ「例えば、カケル君のクラッシュハリケーンは周囲への素早い判定とカット耐性、コンボ性能まで兼ね備えたすごい必殺技じゃない」

カケル「うん、火力がもう少し出れば良いんだけどさ」

ハルカ「私、上方の相手は処理しにくいし……羨ましいって思ってるのに」

カケル「高くて鋭い2段ジャンプから.長くて速いジャンメカ押し付けてれば良いだけだと思うんだけど……」


ハルカ「ディメンジョンブレイクの爆風残しも、先に置いておく事でリバサ竜巻やリバサゴリハンも通用しない、期待値の高い起き攻めじゃない」

カケル(雷付けて特殊攻撃を起き上がりに被せるのやめて)

ハルカ「? 何か言った?」

カケル「ううん……」




ハルカ「とにかく、明日はちゃんと出場しましょう? 必要なら、私も練習に付き合うわ!」

カケル「うん。ありがとうハルカちゃん」

ハルカ「また、ね」






カケル(僕の味方はいないのかな……)


カケル「くっ、ロック距離まで詰められる……!」

黄トロン「アイストロンホーポーイwポーイwポーイwポーイwポーイw……」

カケル(避けれるかこんなの!!!)カチンコチン



黄トロン「ピポポポwwwwwポポポポポポwwwwwwww」(トロンキャノン美味しいですwww)



ガスッ!

カケル「モーダメダー」

FINISH!

黄トロン「ピポポポポポポwwwwwwwwwwwwwww」







優勝 ピポトロン

カケル「……もうやだ」

チャル「カケルさん、今日は調子が悪かっただけですって。ね?」

カケル「赤が一番強面なのに菩薩に見える……」

チャル「うーん、困りました……わたしも相性悪いんですよね。対トロンさん」


カケル「バトル競技なら良いよ。まだ。逃げ回ってれば2位で済む確率もあるし」

カケル「ゲッチュ競技なんか最悪だよ! 狭くて逃げ場もないのに、1位!バツ!バツ!バツ!とか何の冗談だよ!」

チャル「それは、その……」

カケル「何とかワンチャン掴もうとしても3段ジャンプ+最速発生のフープ+持続長い回転斬り+発生保障付き竜巻と、防御面恵まれてるし」

カケル「青トロンも何なんだよ! ひたすら逃げ回って、技ストック回収する度に暗黒の叫びから確実にパワーショット3発分削ってくるし、レース系もチャル以上に最強だし」

チャル「あれはアフロさんと同じように、紳士協定で使わない方が……」




カケル「ガングロサルにモラルなんか期待出来ないよ! うわ~ん!!」ダッ

チャル「あっ、カケルさん!」


カケル「ただい、うわっ!」

ナツミ「ちょっと、カケル? チャルちゃんまで涙目でラボに帰ってきたんだけど、どういうこと?」

カケル「き、来てたの?」

ナツミ「あんたが性能差にやさぐれるのは結構だけど、八つ当たりも良い加減にしなさいよ!」

カケル「う……あとで謝っておきます」





ナツミ「よろしい。よ~し、そうと決まれば特訓よ!」

カケル「ちょ、またタイマン!? わああ連れてかないで」ズルズル










ナツミ「ダッシュ!ジャンメカ!ダッシュ!ジャンメカ!」

カケル(なんだあの化け物リーチ……! よし、上取り返したから差し返して、)

ナツミ「ジャンメカから、最速特攻仕込み!!」

カケル「ぎゃああああ!?」

ナツミ「滑り回転斬りガチェキャン!パワーショットガチェキャン!前方攻撃3段ガチェキャン!」

カケル「ああああああああああ」



ナツミ「ダッシュフープ・オーバーブーストッ!!!」カッ



ボカッ!!

カケル「モーダメダー」

FINISH!

ナツミ「らっくしょう!」


ナツミ「て、てへへ。ちょっと調子に乗りすぎちゃった?」

カケル「昔からそうだ……いつもそうやって……」

ナツミ「わ、悪かったってば。たまたま上手く噛み合っちゃっただけで」

カケル「荒らしの強キャラが勝つと、すぐそう言ってごまかす」

ナツミ「は、はは」



カケル「ジャンメカ長すぎなんだよ!!! そもそも!」

ナツミ「まあ、その代わりフープの性能劣悪だし、最近距離でデバフ擦れないのは辛いよ」

カケル「隙あれば特殊攻撃仕込んでるナツミに誰が近距離戦仕掛けるんだ!! もう!」


カケル「そしてなんだあのコンボ性能は!! ダメ確定早いし、もう!もう!」

ナツミ「落ち着きなさいよ。これくらいでへこたれてちゃ、愛しのハルカちゃんには届かないわよ?」

カケル「なっ、ハルカちゃんは関係ないだろ!?」

カケル「そもそも、ハルカちゃんと違ってナツミのコンボはHP7割飛ばすのが一瞬じゃないか!」

ナツミ「なによ、文句ばっかり! その肝心要のオーバーブーストのカット耐性はお察しでしょ! 雷付いてないとトンボから確反だし!」

カケル「だからジャンメカで追いやって、タイマン状況に持ってこうとする!! ポイント1位の奴がナツミに絡まれてたって誰も助けないもの!!」

ナツミ「さっきからジャンメカジャンメカって、パチンガーで迎撃くらい出来ないの!?」

カケル「トンボで避けられたらそのままジャンメカ振ってくるじゃないか! あああもう嫌だあああああ!!」

チャルの用語解説

チャル「作中で度々出てくるジャンメカとは、ダッシュフープからジャンプして慣性を付け、ジャンプメカボーを振ることです」

チャル「当たっていればコンボに持ち込みやすく、ガードされてもダッシュフープを擦ったりパチンガーのパワーショットでガードクラッシュを狙うことができます」

チャル「特に射撃戦の強いキャラ相手には、これを正しいタイミングで使えないと勝ち目がありません」

チャル「相手のジャンプパチンガー迎撃には、地上をくねくねとフープで走ったり迎撃のタイミングに合わせてトビトンボで飛び直したりして対処しましょう」



チャル「ナツミさんのコンボにたびたび出てきたガチェキャンという言葉。これは、「ガチャメカチェンジキャンセル」の略称です」

チャル「一番分かりやすい例が、ダッシュフープ中にレバーから手を離してガチャメカを変えることですね。その場にピタッと止まります」

チャル「ガチャメカの硬直をキャンセルするので、メカボーのヒットストップ中も他のガチャメカに切り替えられます」

チャル「ナツミさんのようにパチンガーを、わたしのようにダッシュフープをコンボに組み込むキャラクターのコンボではもちろん、多くのキャラの立ち回りで必修テクと言えるでしょう」

チャル「ナツミさんのオーバーブーストは、距離が離れてるとスカっちゃいますしね」

チャル「ただ、ガチャメカ必殺技にキャンセルできない技=ガチャメカチェンジの出来ない硬直はこのテクで軽減する事は出来ません」

チャル「具体的に、カケルさんやわたし、サルさんたち全般の特殊攻撃はガチェキャンが効かないので気をつけましょう」


チャル「特攻仕込みというのは、特殊攻撃のチャージをメカボーの硬直中に済ませてしまう事で、使いにくい特殊攻撃を素早く出すテクニックです」

チャル「特にナツミさん、ハカセ、わたし、ピボサルさんなどはコンボでも多分に使用するので、これらのキャラを使い込む人には必修です」

チャル「操作は、何かしら行動をしてすぐR3ボタン長押し。明らかに早すぎても構いません」

チャル「よく見かけるのが、ジャンメカからの特殊攻撃。先にジャンメカで方向と位置を調節する事で、有効に特殊攻撃を使えます」

チャル「わたしやハカセなどは、前方攻撃からの特殊攻撃を使いますね。わたしは射撃戦で、ハカセはコンボの始動で使います」



チャル「滑り回転斬りというのは、特筆する事でもないです。回転斬りを最速で出さずにワンテンポ遅らせて出すことで、回転斬り前のぐるぐるとした振りかぶり」

チャル「これの慣性を乗せて回転斬りを放つ事ができます」

チャル「これが特に有用なのはナツミさん、トロンさんですね。よく滑ります」

チャル「ナツミさんはコンボにも使うので、狙って出せるようにしておくと良いかもしれません」




チャル「今日の講座は以上ですっ!」

チャル「分からない事があれば、気軽にどんどん聞いてください! わたしが答えさせていただきます」

チャル「それでは、楽しいガチャメカライフを!」


赤サル「ウキッ!?」カチンコチン

カケル「えいっ! やっ!そりゃー!」

赤サル「キュウ」

FINISH!

カケル「やったぁー!」




チャル「カケルさん!」

カケル「チャル、こないだはごめん」

チャル「良いんですよ。フープでの着地狩り、綺麗でした」

カケル「4連射じゃ、黒ほどの弾幕力はないからね。それでもロック距離外で事故待ちされたら勝てないし、足の差で詰めきれた」

チャル「着実に腕が上がってると思います!」





チャル「あの、わたし明日ブロック決勝なんですけど……」

チャル「特訓に付き合っていただけませんか?」

カケル「…………………。ぼくが、チャルに?」

チャル「はいっ♪」


カケル「はあっ、はあっ、まてっ、このっ!」

チャル(タイマン状況、ノーゲージで立ち回れるわけないです……!)ヒョイヒョイヒョイ

カケル「くそっ、3段ジャンプ……!」

チャル「スピードレイ! 刻みトンボ!」

カケル「え、ええ! その穴渡れるの!?」

チャル「休戦、休戦ですわ……!」



カケル「よしっ、先回りして追い詰めた……! 上から仕掛けてっ、」

チャル「ごめんなさいっ!」クルリン

カケル「いでっ!」

チャル「に、逃げますよ……!」ピュー

カケル「うぐ……」



カケル「追い詰めたっ、今度は逃さないように射撃戦を!」ピシューン

ピシューン!ピシューン!ピシューン!

チャル「いやあああ」ヒョイヒョイヒョイ

カケル(あたんねえ)

カケル(ジャンプ撃ちに切り替えて……)

チャル「フープガチェキャン、前方!」

カケル「あだっ! 誘導キツい!」

カケル「トンボで受け身取って……うう、パワショの弾が切れる……」

チャル「ノーマル弾! ジャンプガード安定ですっ」


カケル「はぁ……はぁ……」

カケル「ねえ、チャル。正直に言って?」


カケル「近寄ってきたって事は、もう2ゲージくらい溜まってるんじゃない?」


チャル「……………………」

カケル「ねえ……詰んでるでしょこれ……!」ダッシュ




チャル「時間コントロール!!!」




チャル「四駆爆破、特攻1!」

ガスッ!

チャル「時間コントロール!!!」

チャル「特攻×3!」

ガスガスガス!

チャル「もう1ゲージ溜まった、時間コントロール!!!」

チャル「特攻×3!」

ガスガスガス!





カケル「モーダメダー」

FINISH!

チャル「ちょっとやりすぎちゃったかしら♪」


カケル「」

チャル「あ、あのー……」

カケル「弱キャラ風情が手合わせしたのが間違いでした。すいませんでした」

チャル「カ、カケルさん! 目の焦点が合ってないです!」





カケル「まずさあ。足回りと立ち回り強すぎて触れないんだよね」

チャル「だ、だって……わたし、射撃戦も格闘戦も、ゲージないと話にならないですし」

カケル「その通りなんだけどね、うん。そうだね、次行こう」



カケル「追ってくる敵に対してメカボーがいやに強いんだよね。打点出す事と追い詰める事は出来ない癖して」

カケル「上下にも強い全面タイプの回転斬り、射撃戦の一瞬の隙に、ジャンプ落とせる前方攻撃」

カケル「追ってもコカされるし、他のキャラ追うと高い機動力から横槍入れてくるし」

チャル「そ、それが当てはまるのは主観視点の格闘フェイズです! 俯瞰視点では最弱クラスじゃないですか!」



カケル「その時にさ、ガチャメカのセットをパチンガーに切り替えてない?」



チャル「ぎくっ」

カケル「そーだよねー機動力からパワショ確保出来ればガードしながら状況が好転するのを待つ。取れなくても、集団戦でマルチロックできるホーミングパチンガーで時間を稼いでいく」

カケル「パチンガーにアイスじゃなくてサンダー入れてるのもチャルの特徴なんだよね。ゲージと時間が稼げればいいから」

カケル「それで、もともと不利な俯瞰視点勝てれば儲け物だもんね」




カケル「そして極め付けは……」




カケル「必殺技の性能がイカれすぎてるんだよ!!!」




チャル「ひっ! も、文句は設計者のハカセに言ってください……!」

カケル「なんだあれは!! ジョジョか!!」

カケル「ガード以外の行動をした瞬間チャルが地上にいたらそれだけで確定って意味が分からない!! 停止中に四駆爆破で暗転0フレームなんですが!!」

カケル「パチンガー持ちならガードすら意味ない!!」




カケル「しかも、普通の必殺技と違ってダメージ分のゲージを回収するから6割程度じゃ殺しきられるし!!」

カケル「乱戦中だろうがカット耐性なんか知ったこっちゃないし!」

カケル「当然起き攻めなんかも1ゲージで拒否! 余計なおつりまで付いて本人逃走!」

チャル「で、でも発動条件がトンボに四駆と厳しいじゃないですか! メカボーかパチンガー、どっちかを外すのは痛手です!」

カケル「どっち装備でも雷付けて即死級のコンボ組めるじゃないか!! 格闘B決とか勝てる気がしないわ!!」

チャル「1ゲージで即座にまとまったダメージを取れないのは、平時の火力不足が著しいわたしには辛いんですよ!!」



カケル「……重力コントロール」ボソッ



チャル「……はい」

カケル「ゲージ回収こそ出来ないけど、起き上がる度にパワショ2発確定って何よ。使い方次第で時間コントロールより汚いよ」

カケル「レース系でもただのモノクロストレスタイムだよ」

チャル「で、でも……必殺技返すことで効果消失しますし……」

カケル「アスレチック。何かしら雷付く。パワショ2発。落下。パワショ2発。落下。パワショ2発。ご臨終。OK?」

チャル「はい……ぐすん」

チャルの用語解説

チャル「今回はまず、刻みトンボについて説明させていただきますわ」

チャル「このゲームは展開の早いアクションが行われ、機敏な動きが求められます」

チャル「それは上下動についても同じで、トビトンボはスピード系が選択されることがほとんどです」

チャル「アスレチックに限らずバトル競技でも活躍するスピードトンボですが、上昇速度と引き換えに滞空時間と横の飛行距離が落ちてしまうという欠点があります」

チャル「これをフォローするのが刻みトンボ。トンボ使いには必須テクニックです」

チャル「トビトンボの浮き上がりが頂点に達するあたりでトンボを切り、すぐに1回転、切る、1回転、切るを繰り返すことである程度滞空時間を調節することができます」

チャル「横飛行距離も伸び、3段ジャンプを持つキャラはフープジャンプから凄まじい移動距離を稼げます」

チャル「ただし、ハカセだけは注意! トンボの制動距離が長い故に、頂点に達するまでが遅くタイミングが変わります」





チャル「上からメカボーで仕掛ける際、ジャンプパチンガー迎撃対策としても使われます。パチンガーはトンボと併用できないですからね」

チャル「トビトンボの上手い人はジャンプ回数が1回増えたようだ、と言われます。地味なガチャメカの地味なテクですが、その扱いを是非モノにしましょう!」


チャル「キャラランクですが、現存する情報は少なく>>1の裁量によるものが大きくなってしまうと思います」

チャル「ただしこのゲームはキャラ差がそこまで激しいわけでもないので、上位相手でも試合の動きで結果は変わってくるでしょう」


キャラランク(総合的に優勝しやすい)
A:トロン>ハルカ
B:ナツミ・チャル・ピポサル・サルチ
C:カケル>>>>>ハゲ

トロンとサルチは、フェイズランダムだとパンツの采配が難しくなるので少し落ちるかもしれません



チャル「>>1が持つ知識のあちこちは独学であり、4人の対人身内戦で培われた経験に基づいています」

チャル「『このパーティゲーム面白くね?極めよう!』→『上手くなった!敵無しだぜ!』→『でも、もう腕試す場所無くね?』」

チャル「このSSはそんな流れによるものだそうで。上級者の方がもしいらしたら、いろいろ間違いを突っ込んでもらえると幸いです」



チャル「ステップアップ中の方にも楽しんでいただけるよう、各キャラの特徴も記しておくこととしますわ」

カケル:強み0。ゲージを持ってからが本番
ナツミ:メカボーの使い方が最大のキモ。大局観も必要な攻めっ気キャラ
ハカセ:ヘイトキャラに派遣されることもある火力ポジ。1位にはなりづらい
チャル:広いステージでの立ち回りは強め。乱戦に脆く、タイマンが強いことから即落ちを狙われやすい
ハルカ:ハイスタンダード。乱戦・タイマンを苦にしない実力キャラ。火力は高いが、それ故ゲージが腐りやすいという悩みがある
ピポサル:カケルと同じく、ゲージを持ってからが勝負。だが、立ち回りの強化幅がデカいうえ、火力が高い
サルチ:パンツの強みを引き出してやっと1人前。ゲージを持たせると暴れ出す為、かなり狙われる荒らし枠
トロン:赤・4位を取りたくない場面の体力タンク 青・広い所全般 黄・狭い所全般


カケル「今日はエリアの予選」

カケル「ヒロキとハカセは、まあ良いとして」



ピポサル「ウキッウキッ!」



カケル「目の前に、ぼくの上位互換がいるんだよなぁ……」



……………………
…………
……

ハカセ「ワハハハハ、どんなもんじゃ」

カケル「くそっ、ミズメカじゃ勝ちを譲るか……」

……

カケル「やったぁー!」

カケル「ゲッチュ競技なら、ぼくでも対等な試合が出来る!」

……

ヒロキ「もっと楽しませてくれよ」

カケル「レース系……僅差だったんだけど」


カケル「さあ、格闘系。どこまで粘れるか」

カケル「攻めなくて良い。的にならないように、落ちないように立ち回るんだ……」

START!



ハカセ「ハゲェ!」

ヒロキ「ディメンジョンブレイク!」



ワーワーワー…

カケル「うわ、パワショから綺麗に入った。起き攻め通されたのかな……」

ピポサル「ウキッ」

パシューン!パシューン!パシューン!

カケル「射撃戦か、このっ!」

パシューン!パシューン!パシューン!

カケル(状況は五分、集中しよう)

パシューン!パシューン!パシューン!

カケル(……。ピポサルのパワショが切れた。ここはジャンプガードを使って仕切り直すか、ジャンプパチンガーから追い込むか)


パシューン!!



カケル「つめてっ」カチンコチン

カケル(しまった、ロック距離外の空中置き撃ち……!)

ピポサル「~♪」キュイーン







ピポサル「ウキキッ!!」

カケル「あぁ!」

ピポサル「ウキキッ!!」

カケル「あぁ!」

ピポサル「ウキキッ!!」

カケル「あぁ!」

ピポサル「ウキキッ!!」

カケル「あぁ!」





カケル(死ぬ……バズ起き攻め、落下ダメ含めたら死ぬ……まだ誰も落ちてないのに……さよなら……)


ピロン!ドドン、ドンドン……

ピポサル「ウキッ!?」ドサッ

カケル「トップバスター!! 助かった!」タッタッタ


カケル「と、とりあえず逃げ回らないと!! ピポサルのバズに捕まったら死ぬ!!」キュイイイイン

ハカセ「……」キュイイイイン

カケル「あれ、追って、くる?」




カケル「ハカセ、リミッター解除は使うなよ!!」
ハカセ「了解、リミッター解除!!」キュピーン




カケル「ぎゃああああああああ」

ハカセ「ほっ、それェ~ッ!」

カケル「あああトランザムこっちくんな!!」

ハカセ「ほっ、」



カケル「どうせUFO斬りじゃろが振り向きジャンプ斬り!!」



ハカセ「ハゲェ!?」

カケル「前方攻撃!特攻仕込み!!」

ハカセ「ハゲェハゲェ!!」




ハカセ「モーダーメー」

カケル「くそっ、追いつかれるっ」


ピポサル「~~~」キュイイイイン

カケル「やばい、すぐ後ろまで来てるっ、広い場所出たら撃たれるっ」



ヒロキ「ほっ、うりゃっ」

ピポサル「!」(ガード)

ヒロキ「~~~」(フープ体当たり)



カケル「バッ、バカヒロキ! 今ゲージ持ってる、絡んだら撃たれる!!」

ヒロキ「なに!?」





ピポサル「ウキー、キキキッ!」ジャン!





ヒロキ「ぶっ ぶっ ぶっ ぶっ あっつ!!」

ヒロキ「ウアー」

カケル「ヒロキも体力、半分割ってたのか。ハカセの特攻コンボでも喰ったのかな」



カケル「というか、ゲージ無い今のうちに仕掛けないと勝てない……!」


カケル「逃がすか!」

パシューン!パシューン!パシューン!


ガスッ!


ピポサル「ウキッ!? ッ~~」(トンボ受け身)

カケル「よしゲージ溜まった、あとはどのタイミングで切るか……!」

パシューン!パシューン!パシューン!

ピポサル「ウキッ!」

カケル「また撃ち合いか、今度は負けないぞ!」




パシューン!パシューン!パシューン!




カケル(お互いのパワショは切れてる、ピポサルはやや引き気味で、こっちは何とか触りたいところ)

カケル(ハリケーン生当ては、状況が好転しない……アイスヒットからハリケーン絡みのフルコンで、倒し切れるはず!)

カケル(なんだけど、意外とガードされてたり、迎撃が怖くて寄りにくかったり)

ピポサル「ウキッ」ピロン♪






カケル「……」

ピポサル「……」

カケル「いま、技ストック拾った?」






ピポサル「ウキー、キキキッ!!」

カケル「にぎゃああああああああ」キュイイイイン


優勝 ピポサル



カケル「……」

カケル「2位だから、今回の予選は通過した事になるけれど」

カケル「本戦、このままで大丈夫なのかな」

ハルカ「カケル君。さっきの試合は惜しかったわね」

カケル「いやあ。惜しかったどころか、拾った命だよ」





ハルカ「ピポサルの立ち回りは平均的ながら、1回の読み負けから受けてしまう特連コンボはものすごく痛いわ」

カケル「永パこそ出来ないしヒット数が地形に左右されやすいけど、瞬間火力はハルカちゃんより上なんだよね」

ハルカ「ええ。そしてその高い火力とシナジーを発揮するのが……」




カケル&ハルカ「「非常に優れた必殺技」」




ハルカ「特に危険なのが、ピポサルの代名詞サルバズーカね」

カケル「射程限界こそ存在するものの、前方の30°ほどを扇状にカバーする取り回しの良さ」

ハルカ「離れれば離れるほど誘導が強くなる事を知って動かれると、食らわない為に立ち回りをものすごい制限されるわ」

カケル「というか、チャルの特攻が超速で5発飛んでくるようなもんだし」

ハルカ「当然ガード不能だしね。距離を離し、リバサ対策も兼ねた起き攻めも簡単に出来るわ」



ハルカ「パワーショットの浮きからも確定する上、トンボ受け身も2~5発目に引っかかる可能性が高いのよ。正直羨ましい」

カケル「このゲームでは数少ない「逃げる相手にほどプレッシャーのかかる技」だよね」


カケル「この通りゲージを持たせた時の攻めは危険だけど」

ハルカ「守りも実は強いのよね。このゲームでは珍しい、無敵時間を持った技」

カケル「ピポサルウェーブ?」

ハルカ「そう。実は、頭を抱えた出掛かりは無敵なのよね。スピンショットで起き攻めしようとした際、全部抜けられたわ」

カケル「つまりは発生保障にも繋がってるんだけど……これがまた面倒で、強制的に飛ばされて、仕切り直されるんだよね」

ハルカ「無関係な人も全員ね。サルチームやハカセなど、トンボを抜いてセットする事のあるキャラにとっては本当に面倒な攻撃よ」




ハルカ「ゴリハン起き攻めにすべてをかけるサルチームにとっては、ウェーブは天敵と言っていいわ」

カケル「実は、遠目でパワーショットが当たった際の追撃にも使えるしね。ピポサルは本当、トンボの有り難さを痛感する相手だと思う」

チャルの用語解説


チャル「皆さーん、こんばんは!」

チャル「本編の文章もものすごく説明チックになってなお、ピポサルさんには語るべき要素があったのでここで再度触れさせていただきますわ」



チャル「ピポサルさんの特殊攻撃と言えば特連コンボ、特殊攻撃を連打するだけのシンプルな高火力コンボが目に付きますが」

チャル「実は特殊攻撃の中でも最高峰の性能を誇っています」

チャル「突進速度。発生。リーチ。火力。後隙。そして、やや上に判定が長い事」

チャル「特殊攻撃で着地を取れるだけの入力精度のあるピポサルを、下に潜らせてしまうと厄介です」

チャル「ジャンメカを押し付けようにも判定の長さでは勝てず、ピポサルの特攻は外れようが素早いので捉えるのが難しいです」



チャル「熟練者の特連は本当に早く、方向転換出来ない以外はダッシュフープより少しだけ遅い程度の速度で爆進してきます」

チャル「近距離でのとりあえずジャンプ連打、ダッシュフープでの旋回ウロチョロ、ガードしたピポサルがいつの間にメカボーに持ち替えている……危険信号です」

チャル「直撃するとそのまま特連、あるいは回転斬りに繋がるので、ハカセやハルカさんの特攻並に危険です。ちょっと距離があってもガードの準備を!」


チャル「ここまではずいぶんピポサルさんを持ち上げましたが、ピポサルさんは普通のキャラとほんの少し違うゲームセオリーを有しています」



チャル「それは、対地不利です」



チャル「ピポサルさんは特殊攻撃の性能と引き換えに、カケルさんに比べ前方攻撃のリーチを失っています」

チャル「これも発生が早い事には間違いないのですが、つまりはジャンメカが振りにくいという事が弱点です」

チャル「下り坂では特連も中断されてしまいますしね」

チャル「上さえ取れてしまえばどうにかなってしまったりするこのゲーム……その中では、下を取った方がやりやすいという珍しいキャラですわ」

チャル「そして、弾幕戦に弱い。地を這うという事は、パチンガーの射線に重なりやすいという事です。流れ弾も同じ」

チャル「特連も方向転換が効かず上下動もないという事は……パチンガーの良い的ですね」

チャル「下手に走って逃げたり飛んだりする相手は捕まりますが、腰をじっくり据えて弾幕戦をしてくる相手には、ジャンメカにも頼れないまま地の射撃戦で勝つしかありません」

チャル「こういった意味で、カケルさんと似たプレイングになってきてしまうのです」


チャル「では、いつもの解説を始めていきますよ!」




チャル「わたしの製作者が、なにかTRANS-AMとか何とか言われてましたが……これはリミッター解除の赤熱エフェクト及び機動力UPを指したものですね」

チャル「この状態は攻撃力も上昇し、空中での制動力・滞空時間も上昇します」

チャル「UFO斬りとは、リミッター解除状態でのフープ慣性を乗せたジャンプ回転斬りです。もともと長い回転斬りの持続、空中で横移動し続けるハカセ、危険物体である事などからUFOと呼ばれたとか」



チャル「もちろんコンボには行けず安定性にも欠けますが、属性を振り回すソレは荒らしとしてのインパクトが素晴らしいです」

チャル「リミッターセットのハカセはトンボを抜いてパチンガーをセットしている事も多いので、3人まとめて痺れてしまい任意の相手が張り付かれる……なんて事のないように」

チャル「作中のカケルさんはトランザムをソデ扱いしてますが、撃墜するのは案外勇気のいる事です」




チャル「対策は、高いところから落下する事。フンワリ落ちていくハカセは、どう頑張っても相手を追い掛ける事ができません」


チャル「あとは、多くのキャラで使えるテクニック、パチンガー空中置き撃ち」

チャル「操作としては、ロック距離外でジャンプし、頂点付近でパチンガーを撃つ。これだけですわ」

チャル「……でも、わたしはパチンガーの引きが遅いので実用的ではありません。トロンさんも同じく、相手の高度に合うまでに3段ジャンプをしなければならず、スマートではないです」



チャル「どのような場面で役立つか、説明します。ロック距離外での射撃を安全にやり過ごそうとすると、フープを回したまま即2段ジャンプを繰り返すことでほとんど当たらなくなります」

チャル「今のはあくまで防御的な考え方ですが、同じようにパチンガーを撃ち返す際もジャンプしながらパチンガーを引き着地と同時に離すことで、似たような安全性を確保しながら反撃できるのです」

チャル「ロック距離外からロック距離内へ接近したい時も同じ……ジャンプを繰り返す事で自在に接近できるでしょう」



チャル「この安定行動を潰すのがパチンガー空中置き撃ち。高度がズレてしまうので、ロック距離内では使えません。ただの迎撃になります」

チャル「注目すべきは、相手がジャンプしない限り一切意味のない拓だという事ですね。つまり、ロック距離外、地上射撃戦を制する事でやっと機能するテクニックなのですわ」

チャル「まずはたまにでも良いので、相手に直撃するようにノーロックで撃てるようになること。素早く引き、そのキャラの最速で撃つ事。相手の動きを読み、掠めるように撃つ事」

チャル「慣れると、相手の飛びたくなるタイミングの一歩前が分かってくるはず。そこに確実にエイムしましょう」



チャル「時には自らジャンメカで飛び込み、ロック距離からジャンプパチンガーを撃ち下ろしたり、逆にロック距離からサッと離脱したり」

チャル「その勘。その駆け引き。そして誰が誰を今見ているのか、誰が漁夫の利を待つのか、誰がアイテム回収のため戦いを降りるのか」

チャル「……残念ながらわたしの立ち回りとは遠いですが、サルバト~レの面白さはそんな所にあります」




チャル「ちなみに>>1がよく選択しているのはナツミさんと、わたしだそうです」

チャル「それでは皆さん、楽しいガチャメカライフを!」


カケル「うげ、本戦の最初は格闘B決?」

カケル「このステージ人気なんだけど、サルバト~レの闇が詰まってるんだよね……さて」


チャル「えっと、システムオールグリーン」
青トロン「ウォアォー、ウォアォー」
黒サル「……」カチャカチャ


カケル(うん、詰んだ)




START!

カケル「時間を掛ければ掛けるほど勝てない。これは分かってるけど、中央に出たら必殺ゲージの肥やしにされかねない」

カケル「全員もちろんガン逃げ体制だけど、ノーゲージでも強い黒がある程度押してくるはず」

カケル(その矛先をどこに向けるべきか……一番脆いチャルだ!)

ダダダダダダ……

カケル「来た、マシンガン。ロック距離に入らなければ、幾分マシになる」

カケル「チャルの行き先まで誘導して、うわっ!」

……

ファンファンファン……


カケル「トンボが無かったら踏んでたかも……危ない危ない」

チャル「わ、わたしは関わりたくないです!」キュイイイイン

カケル「中央を嫌がって外周をループするなら、先んじて回り込む!」



黒サル「……」キュイイイイン



チャル「! カケルさんを追わないで、こっちに来る!?」

カケル「ゴリハンセットのサルチは必ずトンボを外す! 進行ルートが限られてる以上、絡まれるのはチャルだ……!」

カケル「よし、技ストック確保!」

カケル「ここは通さないぞ、チャル!」


チャル「い、一回ですり抜けますよ!」



カケル「数少ないぼくの強み……」



黒サル「……」

チャル「3段ジャンプからトンボで、オサラバですっ」




カケル「クラッシュハリケーン!!」

黒サル「!」チャキ…
チャル「……!? カケルさんにとって、貴重なゲージを切ってきた!!」




チャル「キャアアア~!!」

カケル「よしっ、足が止まった!」



黒サル「……」ダダダダダダ



チャル「くっ、トンボ受け身!」

カケル「ぼくもさ。落下傘射撃に晒されるなら、条件は一緒だ……!」



カケル「ひえっ!」カチンコチン

チャル「ひうっ!」カチンコチン


黒サル「……」ダダダダダダ

カケル(落下でお茶を濁されたか。まあ3割は飛ぶけど、安い方かな)

カケル「わ~……!」



チャル「ひっ、わたしは見逃してもらえないの……!?」

黒サル「ウキキッ! ウキキッ!」

チャル「キャア! キャア! うう、痺れが」

黒サル「……」チャキ

チャル「は、張り付かれた……ゲージも無いのに!! 恨みますよカケルさん……!」







青トロン「~♪」(3ゲージ確保済)


カケル「あとは刺激しないように逃げ回って」

チャル「ひょっと!」

カケル「わっ! リスボーンしてきたって事は、何とか落下して逃げられたのか」

チャル「も~、あと2割です! 恨みますよ~」

カケル「それだけあっても逆転するから怖いんだよチャルは!」



青トロン「」スタッ

チャル「えっ」
カケル「あっ」




青トロン「~~~~~!!!!」



チャル「暗黒の、」ビリビリ
カケル「叫び……!!」ビリビリ

青トロン「♪」スチャ

チャル「やっ、パワーショットっ……!!」



チャル「キャア! キャア!」

チャル「モーダメデス…」



カケル(っしゃ、4位回避!!)

青トロン「~♪」

カケル「あぁ! あぁ!」


青トロン「~~~~~!!!!」


カケル「ですよねー」


青トロン「ワレラガワレラガ、モンキージャン?」



チャル「カーケールーさーんー……!!」

カケル「その、青トロン倒せるのはチャルだけだけど、ぼくの4位回避だとチャルぐらいしか狙えなかったし。黒相手にどうにかなるとも思えないし」



チャル「はぁ……その通りだから、良いですよう。もう」

チャル「ゲージ持ったカケルさん相手に落ち逃げを選択しなかったのは、わたしの判断ミスですわ」

カケル「このゲームは、1位2位の差が250P、対し3位4位の差が300Pだからね。1位に固執して手札を温めるより、全力で4位落ちを避けた方がリザルトも良くなる」

チャル「確かに、そうなりますわ。さすがに、スペックを埋めるだけの立ち回りは身に付いているんですね」

カケル「言わないで、自分でもこすいと思うから。いつでも倒せる、狩らなくても構わないと思われてしまうのが、ある意味ぼくの強みかもね」

チャル「カケルさん……」


カケル「今度は……うわ、格闘C準決?」


チャル「四駆と、パチンガーと、」
赤サル「ウキキ……」
赤トロン「ウゴゴ……」



カケル「ああ、ロクでもない……」





START!

カケル「赤トロンのセットが分からないけど、やっぱりメカボーを抜いてきてるのかな……」

カケル「上下の機動力じゃチャルに勝てないし、トロンかサルチを落としたいけど」

カケル「順当に行くと唯一トンボを持ってないサルチが狙われるよね」




赤「ウゴッ!」

赤サル「ウキッ、ウキッ、ウキッ(ゴリアックハンド)」

カッ!!

赤トロン「ッ~!!」



カケル「上から仕掛けたところを、開幕からゴリハンかぁ……ここは技ストックの出に左右されすぎて、大味なんだよなー」

チャル「重力コントロール!!」

カケル「うわ出た……よし、離れてる。平気平気」


バシュン! バシュン!


チャル「とりあえずっ、削りますわっ!」

赤サル「ウキッ!? ウキッ!?」


赤トロン「ウゴォ、エィオ!!(ダークネスストリーム)」


カケル「トロンが必殺技でとりあえず相殺して、と。サルチかわいそう」

チャル「っ、引っ張られる……!」

赤サル「ウキッウキッウキッウキッ!?」



カケル「ここ、回復アイテムのリポップが安定してるから、死なない限り有利不利変わらないんだよね……」

カケル「とか言って、鈍足のぼくがあの中に飛び込む勇気ないし」

ヒュオン

カケル「あっ鈍足切れた。サルチが逃げきれない事を願って、回復奪っとこ……」


チャル「くっ、このっ!」

赤トロン「ウゴッ!」

赤サル「ウキッ!」

チャル「ひうっ!?」カチンコチン


カケル「射撃戦か。ロック距離入ればトロンが……あっチャル凍った。逃げてれば勝てるのに、無理するから」

赤サル「ウキキキキ」ダダダ

赤トロン「ウグッ」カチンコチン

カケル「あーあー雷付けようだなんて欲張って……」


赤サル「ウキィ、ウキッ!」ドン!


チャル「キャア!」ビリビリ
赤トロン「ウゴゥ!」ビリビリ

カケル「おお、回転攻撃キレイに入った。ぼくも技ストック回収してよっと」


赤サル「ウキー」

カケル「サルチは逃亡を選択……当然か。ぼくとアイテムの取り合いになるわけだけど」

赤サル「ウキキキキ」ダダダ

カケル「くっ、3連射でもキツいものはキツい!」

パシューン! パシューン!

カケル「くっ、勝てる気がしない……下がろう」





……

チャル「時間コントロール!!」

赤トロン「ウグッ! ウグッ!」

チャル「時間コントロール!!」

赤トロン「ウグッ! ウグッ!」

チャル「時間コントロール!!」

赤トロン「ウグッ! ウグッ!」

チャル「時間コントロール!!」

赤トロン「ウグッ! ウグッ!」



赤トロン「ウグゥゥ…」

カケル「相手がジャンプしたの見てからパワーショット8発直撃……ヒドい、相変わらずヒドい」

カケル「pt差の為にトロン落としたんだろうけど……次の矛先はぼくかもしれないし」

カケル「また3ゲージ回収される前に何とかしないと!」



ピロン! ドドン、ドンドン

チャル「キャア! ……ひょっと!」

カケル「トップバスターはちゃんと空中で受けてくるし、隙が見つからない」


カケル「とりあえず橋渡って……ん?」

赤サル「……」

カケル「坂の下に、サルチ?」





カケル「しまった……!!」
赤サル「ウキッ、ウキッ、ウキッ(ゴリアックハンド)」





カッ!!

ドズン!!

カケル「うぐ……暗転0フレームは反則……」

カケル「地上ヒットだとダウン時間も長いし」

カケル「うぐ、起き上がりたくない……」

赤サル「ウキッ、ウキッ、ウキッ」

ドズン!!

カケル「あぁ!!」

カケル「た、助けて……」



チャル「……ここでサルチームさんのゲージを吐かせれば、楽に1位が取れます」

チャル「さっきのお返しです、カケルさん。それに、さっきのワンダウンでリバサハリケーンも吐いてみない人を助ける余裕はありませんわ」



カケル「うぐ……確かにそうだけど、今はもう手遅れかも……」

赤サル「ウキッ、ウキッ、ウキッ」

ドズン!!


カケル「モーダメダー」


……

チャル「勝ちましたわ!」



カケル「知ってたけど、サルチーム。恐るべし」

チャル「ひとたび噛み合ってしまえば、わたしとピポサルさん以外は詰んでしまいますからね……」

カケル「ヘンにカット行くと巻き込まれてペチャンコってのもあって助けてもらいにくいし、3ゲージあればだいたい確殺だし」

チャル「単体の性能としては、わたしと並んで最強クラスですわ」


カケル「バトル系やゲッチュ系だと、5回に2回は制圧力高いマシンガンが飛んでくるから、本人の戦闘力もあんまり低い気がしないんだよね」

チャル「それを突かないと勝てないんですけどね……」

チャルの用語解説

チャル「皆さーん、こんばんは!」

チャル「今日もわたし、チャルが解説させていただきますわ!」




チャル「暗転0フレームとは、ガチャメカ必殺技の入力後、内部フレームを挟まずに攻撃判定が出ている事です」

チャル「この特性を持つ技自体は多く、カケルさんのクラッシュハリケーンやソニックレボリューション、ハカセの大爆発、ハルカさんのサンシャインアロー、トロンさんのトロンキャノンなどは分かりやすい例です」

チャル「今回、サルチームさんのゴリアックハンドですが、本来は拳が着弾するまでに間があり、状況によっては回避する事ができます」

チャル「ですが、今回崖下から放つ事によって入力後即着弾するように調整、極大な攻撃範囲を回避不能にさせた事によりカケルさんは撃沈」

チャル「開幕に赤トロンさんへの対空として使われたのもこれだと思われます」



チャル「非常にシンプルな起き攻めで簡単に殺されてしまうので、サルチームさんにはゲージを持たせたくないですわね」

チャル「ゲージを回収されてしまうとジャンメカが実質封印されてしまうので辛いところです」

チャル「飛ばせて落とすといえば波動昇竜ですが、守りは脆い方なので何とか隙を見つけましょう」


チャル「トップバスターを空中で受けるというのは、テクニックというより知恵ですね」

チャル「完全回避はなかなか難しいトップバスターですが、レース系はまだしもバトル系でのダウンは起き攻めから死に繋がる危険があります」

チャル「立ち回りで近付けない相手に、トップバスターの事故ダウンを待つのは常套手段ですしね」

チャル「地上ヒットでも、反応できればトンボ受け身は間に合うのですが……他事を考えてるとダウンしてしまう事もしばしば」



チャル「よってトップバスターが見えたらすぐにジャンプし、空中で食らう事でトンボ受け身の猶予を伸ばそうという考え方です」

チャル「よって、トンボをセットしていない人には無意味なテクです。行動不能な時間がかえって伸びてしまいます」

チャル「また、すぐにトンボを切って走りだすと2ヒットしてしまう事も。ダメージはともかく、無駄に時間を使ってしまわないように」






チャル「このSSでのオリンピアは、世界の危機編を突破しその後臨時で開催されている大会に皆が集まっているという事になっています」

チャル「ちなみに、世界の危機を最も早く救ってくれたのはサルチームさんだそうで」

チャル「グリッドコアさんの顔面に『トビトンボ入れてねえんだよ!』と怒りの拳が貫通するシーンは感動的でした!」


チャル「それでは皆さん、楽しいガチャメカライフを!」


カケル「ここらで1位取らないと、本格的にジリ貧……」

チャル「荒らすつもりですか? わたしが守りに入ると、なかなか堅牢ですよ」

カケル「だよね」




…………

カケル「クラッシュハリケーン!!」

青サル「ウキッウキッウキッウキッウキッ!?」

カケル「そのままトンボで飛び直して、ジャンプ斬り! 前方攻撃! 回転攻撃1ヒット!」
カケル「もう一度、クラッシュハリケーン!!」

青サル「ウキィ~~~!?」

カケル「影見て回転攻撃2段目拾い……特殊攻撃で〆!!」



青サル「ウキュウ…」

カケル「よし、なんとか倒しきった……!」


青トロン「ウォアォー!」
チャル「ふうっ、2位です!」

カケル「ただ、うん……レース系の競技なんだよね。3位っと」シュイン

チャル「あ、カケルさん。技ストック使い切れて満足しましたか?」

カケル「だって捕まえられなければ4位じゃないか……」


優勝 ピポトロン

赤トロン「グムムム……」
青トロン「ウォアォ!」
黄トロン「ピポポポポwww」




カケル「引退しよう……」ズーン

チャル「カケルさん」

カケル「ワンチャンもないよ、これじゃ! ノーチャンだよ!」

チャル「直接相手してみてカケルさんの事、よく分かりました……悲しいけど、否定できないです」

カケル「ラボの方にも、伝えておいて。それじゃ」トボトボ


チャル「カケルさんっ」

カケル「……」クルッ

チャル「そのっ、わたし……」

カケル「……」トボトボ





チャル「あんなやるせない顔のカケルさん、初めて見ました……新しい冒険に出かける時も、スペクターに立ち向かう時も、何か文句を言う時でさえ、あんなに元気いっぱいだったのに」

チャル「本当に、引退してしまうんですか? それにしたって、あんな悲しい顔のまま終わってほしくないです……」



ハルカ「あっ、チャルさん。こんにちは」

ハルカ「チャルさん?」

チャル「うう、ぐすん……」


ナツミ「やっほー!」

ナツミ「……。やっぱ来てないか」

ハカセ「カケル君かな?」



ナツミ「やさぐれるなとは言ったけど、あたしたちが同情してどうにかなるものでもないし」

ナツミ「顔合わせたら多分、ウジウジしてんじゃないわよ!ってはっ倒しちゃうけど……さすがに、不憫かも」

ハカセ「ふむ、ちゃんと立ち直ると良いのじゃが」

ナツミ「……ハカセは、カケルより数段酷い性能しておきながら呑気よねぇ」

ハカセ「」バタン



チャル「映像、音声、出力っと。皆さん、モニターからこんにちは!」



チャル「あれ、ハカセ……?」

ナツミ「あー、気にしないで。いつもの事よ」

チャル「もう。あんまりいじめないでくださいね」


チャル「オリンピア、今日が全国決勝戦ですね」

ナツミ「あー、そういやチャルちゃんは落ちちゃったんだっけ?」

チャル「結局3位で、落とされちゃいました。あの時、自分の結果はあまり気にしてなかったんですけれど……」




ハカセ「残ったのはピポトロン、ピポサル、サルチーム、あとは~……」

ナツミ「ハルカちゃんね。元優勝者だけあって、良くやるわホント。カケルが惚れるのもうなづけるっていうか」

チャル「お父さんの方も無事だったようですし、何よりですね。あっ、モニターに大会をLIVEで繋ぎますか?」

ハカセ「うむ、頼めるか」

チャル「はい。その間はおいとましますね」


パッ!


ハルカ『えいっ! たあ!』


ナツミ「あたしよりは少し短いけど、相変わらずジャンメカが長いね」

ハカセ「それに、昇りで出せば対空になるほど発生が早いからのう。近距離戦は脅威じゃ」


ハルカ『えいっ!』
黒サル『ウキッ!?』ビリビリ


ナツミ「っしゃ、あのマシンガンによく差し込んだ!」ダンッ


ハルカ『えい、たっ! えい、たっ!』

ナツミ「そしてお得意の前方ループから……!」

ハルカ『サンシャイン・アロー!!!』



バシュン!!!



黒サル『ウキュウ…』

ナツミ「くーっ、見てて気持ち良い!! 良いなあ、ハルカちゃん!!」

ハカセ「ほっほ……」


…………


ハルカ「さあ、次行くわよ!」

ハルカ「……」



ハルカ「カケル君、見てるかな」

ハルカ「勝ってみせるから、わたし」

ハルカ「そしたら、わたしをいつか倒しに来てもらうんだから」

ハルカ「……せっかく仲良くなれたのに。やめちゃうなんて、悲しいもの」



ハルカ「……! い、今カメラ回ってましたか!? あわわ、オフレコでお願いします!」

ハルカ「えっ、あ、これ生中継!? なんでもないです! ないんです!!」



…………

ナツミ「あーあー。かわいいねぇ」

ナツミ「ったく、カケルはちゃんとテレビ見てるのかしら」




ヴヴヴ……




ハカセ「? 映像が乱れておるようじゃが……」

ヴォン!


チャル「はあっ、はあっ、……」


ナツミ「チャルちゃん?」

ハカセ「どうした、チャル」




チャル「ネットワーク接続を、急いで切ってくださいっ……!!!」




ヴヴヴヴヴヴ……!!


ハカセ「チャル!」

チャル「ダメです、もうハッキングがすぐそこまで……! ごめんなさい、スリープします!!」



ナツミ「な、何よこれ~!? 周囲が歪んで、赤くなってる!?」

ハカセ「ま、まさかこれは、あの……!」



……………………
…………
……

カケル「…………」

カケル「どうせ、次のオリンピアまでは時期が空くし……」

カケル「練習なんかしなくても、どうせ」

カケル「……どうせ」

カケル(そう言えば、今日が決勝戦だっけ)


ピッ!


ハルカ『さあ、次行くわよ!』

カケル(相変わらず、すげーなあ……)

プツッ。





カケル「なんだか、見てるのが辛いや」

カケル「ゲットアミもしばらく持ってなかったし、しばらくオリンピアからは離れようかな……」



ピピピピッ!
ピピピピッ!



カケル「うわっ、何だあ!?」


ガチャ!

カケル「もしもし?」



ハカセ「……ケル君! い…すぐ、テレビ…電源を…るんじゃ…」



カケル「聞こえにくい……ハカセ?」

ハカセ「コ…ピュータがやられて、ワシた…はラボから出ら…なくなってし…った!」

カケル「ハカセ! もしもし!?」




…………
……


ナツミ「ここがオリンピア世界に乗っ取られるって言うなら、いつもみたいに役立たずじゃないわよ!」

ナツミ「そーれっ、閃光電響弾!!」


パァン!!


チャル「っ! CPUの負荷が軽くなりました、通信を回復します!!」

ハカセ「すぐに、オリンピアに行くんじゃ!!」






………………

ハカセ「すぐに、オリンピアに行くんじゃ!!」

カケル「……!」

ハカセ「地獄のオリンピアに参加させられた時のような事が、大会と関わりのある場所、各地で起きておる!」

ハカセ「ワシとナツミ、チャルは閉じ込められて動けん! サルどもはともかく、ハルカちゃんもオリンピア会場にいる以上、自由に動けない可能性が高い!」

ザザッ……

チャル「!? 攻撃されてます!! 通信、持ちません!!」



ハカセ「カケル君! 今みんなを救えるのは、君しかいないんじゃ!!」



ザザッ
ザザザザザザ



ブツッ。
ツー、ツー、ツー、……



カケル「そんな、またあの事件みたいな事に……!?」

カケル「でも、ぼくは……一度も優勝できてなくて……」


ハカセ『ハルカちゃんもオリンピア会場にいる以上、自由に動けない可能性が高い!』


カケル「でも、ハルカちゃんが危ない」

カケル「……うん。ジャケット、着よう」

カケル「メカボー! パチンガー! ダッシュフープ! トビトンボ! メカヨンク!」

カケル「よしっ、全部持った!」



カケル「いっくぞー!!」ダッ



チャル「皆さーん、こんばんは。大変な事になってしまいました」
チャル「幼心には、地球の危機編を攻略している最中、メニューその他がすべて減色された色になってしまう演出は怖く感じました」
チャル「気持ち悪い(+胡散臭い)モンスター達と相まって、ギガブレイクあたりで心が折れていたのを覚えています」
チャル「今日の、用語解説は中止です……早く解決されますように。お休みなさい」


フシュン……

カケル「よっと!」



カケル「うわ……また、あの歪んだ世界」

カケル「そうだ、ハルカちゃんは?」




ヒロキ「…………」




カケル「! あれは、ヒロキ。でも、様子が」

ヒロキ「俺はこのオリンピアの中で生まれた、お前と対になる存在……」

カケル「対になる……?」

ヒロキ「かつての俺は姿こそ違うが、お前と同じ力を有していた。お前と同じ苦悩と、無力を背負ってきた」



ヒロキ「お前が誰にも勝てないと思うように、俺もまた同じ性能を背負わされ、涙を飲んだ」

カケル「ぼくは……」



ヒロキ「だが、それももう終わりだ!!」


ふはははは……
久しぶりだな、カケル君

カケル「この声は……」

ヒロキ君のパーソナルデータには、とても面白いものがインプットされていてね
親友である君を慕い、案じながらも、腕を競う相手として強く意識している

そしてオリンピアでは、ヒロキ君の力はカケル君をもとに象られる。感じたことはないかね?

カケル「それは、確かに」

そして競技の最中君を苛んでいた無力感は、ヒロキ君の中でオリジナルである君への恨み、憎しみへと姿を変えた!

カケル「そんな……」



ヒロキ「勘違いするな。俺はもう、誰にも操られてはいない。この力も、このお方がほんの少し背中を押してくれただけで手に入っただけのこと」

カケル「目を覚ませ、ヒロキ!」

ヒロキ「ああ。まさしく目覚めているさ。お前もすぐに、コイツと同じ運命になる」



ハルカ「ぅ、……」バタリ



ヒロキ「ハルカちゃん!?」

ハルカ「カケル、くん」

カケル君。これからの私の計画に、君はどうにも妨げとなってしまうようだ。
ここで退場してもらおう。



行け、ヒロキ!!
君が育んだ君の力で、かつての君を打ち破るのだ!!



Bヒロキ「……」


ハルカ「気を、つけて……今のヒロキ君、とても強い……」

カケル「そんな、ハルカちゃんでも勝てないのに……」


興が削がれるな。敗者は敗者らしく去りたまえ。


ハルカ「でも、カケル君なら勝て」
シュイン……


カケル「ハルカちゃん!!」








Bヒロキ「さあ。始めようか」




シュイィィン……!



カケル「ここは、パチンガー1次予選?」

Bヒロキ「俯瞰視点となる初めてのステージであり、技ストックの出ない真剣勝負の場でもある」

Bヒロキ「来い。カケル」










START!

カケル「相手の力量も分からないのに、どうしたら……!?」

カケル「まず、開幕はパワショを確保しに下が」


ピロン!ドドン、ドンドン……


カケル「くっ、トップバスター! ……っと、トンボ受け身」

Bヒロキ「背は崖だ。そのまま落ちろ」

パシューン!パシューン!パシューン!

カケル「詰めてきたか、このっ!」



パシューン!パシューン!パシューン!……



カケル(っ、無属性弾だから見えにくい。ガード!)

ガッ!

カケル(……削りが大きい? 嫌な予感が)

Bヒロキ「攻めなければ勝てんぞ。ガードしたまま落ちるか?」

カケル「くっ!」キュイイイイン


Bヒロキ「逃がすか、偏差撃ち!!」


パシューン!!


カケル「ひやっ!?」カチンコチン

カケル(エフェクトが無属性弾で、ダメージが炎属性で、ヒット効果が氷属性!? めちゃくちゃだ!!)



Bヒロキ「たっ、うりゃ!」
カケル「あぁ!!」



カケル「っ、メカボーも炎属性か……! トンボ受け身!」

…………




パシューン!


カケル「っ、射撃戦の勝ち目がないわけじゃないけど、次食らったらそのままゲージを回収されて殺し切られる……!」

Bヒロキ「柱影に籠城できるとでも思ったか?」


カケル(落ち着け、リターンが違うだけで手札はぼくと変わらない筈だ!)

カケル(ジャンメカをガード、続くパワーショットはパチンガーの強みを殺さない為に持ってないはず!)
カケル(ダッシュフープをガード、……ジャンプして、回転斬りを切り返す!!)

カケル「てやーっ!」

Bヒロキ「ぐあぁ!」

カケル「っ、当たった!」


カケル(起き攻めは……何を選ぶ?)

カケル(特攻重ね、フープで粘着してジャンメカ特攻仕込み、パワショ連射、回転斬りガチェキャン、……どうする)



Bヒロキ「ぐっ」

カケル「ここは堅実に。リターンを焦る展開じゃない」

パシューン!パシューン!パシューン!

カケル「当たれ……!!」




Bヒロキ「ぐあぁ!」

カケル「空中ヒット。追撃は無理か……サンダーも切れるし離れよう」

Bヒロキ「ぐ、その程度か……?」

カケル(ハルカちゃんなら、特攻重ねガチェキャンからパワショが確定するのに)

カケル(どうしたら勝てる、どうしたら?)


Bヒロキ「俺もパワーショットを確保するか」

カケル「……下がった? いや、パワショ拾いに行ったな」



カケル「ぼくの体力は7割あたり……射撃戦でゲージをそのまま回収するつもりか?」

カケル「立ち回りでゲージを確保してヒロキに有利が付くのかは分からないけど、それもゲージを渡さなければ良い話」

パシューン!

カケル「来い! ぼくとヒロキは、今でも五分だ!!」

Bヒロキ「なんだと!? ふざけた事を!!」



パシューン!パシューン!パシューン!



カケル(冷静に。冷静に。冷静に!)

カケル(飛ぶな! エイムを合わせろ! 飛ぶのは当たる時だけで良い!)

Bヒロキ「っ、カケルのくせに……!」

カケル(押してる。当たってないけど、ヒロキが飛び始めた)

カケル(冴えてる。パワショは切れてるけど……)

カケル「…………」

カケル(右に柱がある……隠れるかも。少し、右。タイミングを、一瞬遅らせて)



パシューン!!



Bヒロキ「なにっ!」カチンコチン

カケル(メカボーは無理。フープで詰める意味もない。継続して、撃ち続ける)

Bヒロキ「がっ! ……フン、アイス2発でダウンなど、舐めてるのか?」

カケル「あっ、中央に回復」キュイイイイン


ピロン!


Bヒロキ「あ、コノヤロー!!」


………………

…………

……



ナツミ「くっ、こいつら何なのよー!」

チャル「モンスターの掃討は大の苦手ですぅ……! あっ、フレイマーがそっちに!!」

ナツミ「あちち! 回転斬りの外から当ててくんなー!!」



ハカセ「それェー!!」



ナツミ「わっ! た、助かった」

ハカセ「中がスカスカの回転斬りでも、こやつら相手には役に立つじゃろう」



チャル「わっ、わっ、ボマーが……ごめんなさいっ!」
チャル「……。回転攻撃じゃ死なない!? た、助けて……!!」

ナツミ「待ってて今行くわ、ひうっ!? あばばば、電気クラゲェェ」




ハカセ「そりゃっ!!」

ヒョイッ!

ハカセ「ほっほ、爆発物の処理は慣れておるものでの」

ポイッ!



チャル「た、助かりましたぁ~」

ナツミ「ううう、しびしびする。ねえ何かメッチャ弾撃たれてるんだけど……!」

ハカセ「頃合いかの。リミッター……解除!!」


ハカセ「この世界の歪みを破壊するッ!! うおおおおお!!!」

ガスッ!
ドカッ!
バキッ!




ナツミ「何というか、うわぁ……」
チャル「ゴリアックへの対策にアニメディアを研究し始めてから、あんな感じなんですよねぇ」


チャル「とりあえず今は脱出しますよ! カケルさんを追いかけましょう!」




…………
……


ハカセ「年甲斐もなく暴れてしまったわい。ははは」

ナツミ「はいはい……チャルちゃんの入った端末、落とさないでよ」



シュイン!!



チャル「座標オッケー。ポリゴン、テクスチャ、同期します」
チャル「ひょっ、と。前と同じく、だいぶ汚染されてますね」


ハカセ「チャル。このデータから、クラックへの対処は出来るか?」


ナツミ「何それ、タイルか何か?」

ハカセ「グリッドコアの破片じゃ。危険物じゃが、有事じゃしのう」

チャル「もう、くすねてたんですか? 少し待ってください、構造を把握します」

ハカセ「チャル、ファイアウォールのレベルを上げるんじゃ」

チャル「はい」



チャル「……無理みたいです。わたしが危険と判断したら、皆さんすぐにログアウトしますよ」

ナツミ「カケルはどこにいるの? ハルカちゃんは?」

チャル「フィルターが掛かってて、パーソナルデータが……」
チャル「あ、でももしかしたらこの防壁、グリッドコア周辺の構造体と同じ……」
チャル「こっち、いやこっちに侵入して、現在の稼働率を……」

ハカセ「チャル。分かるか」

チャル「もうすこし……」


……………………

…………

……


カケル「そこだっ!」

パシューン!

Bヒロキ「うあぁ!」



Bヒロキ「この……!」
カケル「くっ」

パシューン!パシューン!パシューン!

カケル「つめてっ!?」カチンコチン
カケル(み、見えにくい!)


パシューン!パシューン!パシューン!


Bヒロキ「アイス系なのにファイアの威力……どうだ、新しい俺の力は!?」

カケル「ぐっ……」




カケル(気付いた事がある)

カケル(黒いヒロキのパチンガーはアイス系だけど、解凍されるまでが明らかに早い)

カケル(正確に言うと、アイス系を重複させてダウンしないまでの時間しか凍らない。パチンガー連射だけで延々と火力を出せるようになってる)

パシューン!

カケル「解凍直後に直撃しないように、ガードを押し続ける。……よしっ」



カケル(確定で追撃できる範囲も狭いし、布石として使われるアイス系とは運用が違う。見づらさと行動制限、威力を買って用いられる、攻めのパチンガーだ)


Bヒロキ「フン。この必殺ゲージで地獄を見せてやる」

カケル(……ぼくも実はパワショを当てて1ゲージだけ回収できてる。どう使うべきか)

カケル(アイスから雷付けて、ハリケーンのフルコンで落とせるか? ギリギリ残るか?)

カケル(上から行ったら生ハリケーンが飛んできてミリ、そのまま攻め焦ってるところに見づらいパチンガー撃ち合いの流れ……ダメだ)

カケル(近距離の氷結も下手したらディメンジョンブレイクと落下、復帰狩りでそのまま殺される……危険だ)

Bヒロキ「黙り込んでどうした? 諦めたか?」



カケル(我慢だ)



パシューン!

ヒロキ「うおっ!? チッ、いい加減に力の差を受け入れろ……!」

カケル(削り殺される瞬間までに、絶対にチャンスは来る)

カケル(どれだけ劣勢でも、できるだけパチンガーをガード。飛んだら詰められる。柱影を使って極力逃げ回る)

カケル(パワショはもう取らない。ファイアボディもいい。トップバスターだけ取って、崩れる一瞬を狙う)



カケル「ぼくは、諦めない」


……
…………
……………………

チャル「っ、ハルカさんの座標を取得できました! アクセスします!」

ナツミ「カケルは!?」

チャル「カケルさんは秘匿されていて、特定できません」



シュイン!

チャル「ハルカさん! 無事ですか!」

ハルカ「みな、さん……」

ナツミ「ちょっと、すごい怪我! 大丈夫!?」

ハルカ「それより、カケル君が……」

ハカセ「カケル君の行方を知っているのか?」


…………


ナツミ「じゃあ、その黒いヒロキ君に連れてかれたの?」

ハルカ「ええ……」

チャル「ハルカさんでも、歯が立たないなんて」

ナツミ「助けに行くわよ!」


はっはははは……
それは困るな。


ハルカ「!」

ナツミ「あーっ、このムカつく声は!」

ハカセ「……やはり、そうじゃったか」


ようこそ。
せっかくの再会に水を差すのは忍びないが
主催者である私が君たちを歓迎しよう


ナツミ「何が主催者よ、カケルをどこにやったの!」

チャル「悪性データの数が……ハカセ、ログアウトの準備をしますっ」

ハカセ「待つんじゃ。ワシの考えが正しければ、まだ留まれるはず」



しかしながら、私の世界をあちこちと嗅ぎ回られるのは困るな。
少し、遊んでいこうじゃないか。

ハルカ「う、動けない……」

チャル「ハカセ!」



ラデルテ・キューブ!!
ハカセ「電磁、バリアー!!」



キンキンキンキン!

ハカセ「彼の研究データは回収されたうえに、前にグリッドコアを破壊してからそう経ってない……以前ほどの力はないはずじゃ。違うかの?」

……
不愉快だな。

ハカセ「チャル、ハルカちゃんを治療できるか?」

チャル「はい!」


ハカセ「……」

コネクト・キューブ!!

キンキンキンキン!



ハルカ「う、く……」

ハカセ「チャル、そう長くは保たんぞ」

チャル「はいっ、でも治癒をして、どうしたら?」


ピキ、ピキキ……

ナツミ「ね、ねえ。なんかヤバくない?」


ファンクション・スパイラル!!
コネクト・キューブ、ラッシュ!!

ハカセ「!」

パキン!!



ふっ、後がないぞ?

ハカセ「ワシらはの。だが、後ろ盾を失ったという意味では、そちらも同じじゃ」

……なに?

チャル「! オリンピアに割かれるリソースが低下しています。システムが安定していません」

まさか、ヒロキ?
ブラックヒロキ。返事をしたまえ。
ヒロキ!


……

ピシューン!

ビシッ!

カケル「っで!」
カケル「……凍らない?」

ヒロキ「なっ」

ヒロキ「こ、これは? 俺の力は?」



ヒロキ「身体も元に……お、おい!! 新しく手に入れた俺の力はどうなったんだ!!」

ピシューン!

ヒロキ「ぴやっ!?」カチンコチン






カケル「今だぁぁあああ!!!」


カケル「ジャンメカ!」
カケル「前方攻撃!」
カケル「回転攻撃!!」


カケル「クラッシュハリケェェェン!!!」


カケル「トンボで浮き直して、ジャンプ斬り!!」
カケル「回転攻撃、2段目!」
カケル「トドメだ、特攻仕込み!!!」







ヒロキ「ウァァ……!!」

FINISH!




……この、役立たずめ!

ナツミ「ちょっと、あんたがサポートを切っておきながら、その言い草はないんじゃない」



ハカセ「さて。まだ、やるかね」

チャル「オリンピアの中枢を返してもらいますよ!」



フン、とんだ茶番だ
まあしかし、手を引くとしよう
汚染されたシステムも元に戻してやろうじゃないか……



ナツミ「……何? 妙に聞き分けが良いんじゃないの」



汚染を除去するのに、フォーマットするのが手っ取り早いのは君たちも知っているだろう?
ははは、それ!



ザザッ……ピー

チャル「フォーマット、初期化……? い、今そんなことをしたらカケルさんとヒロキさんは……!」

ハカセ「いかん、チャル!!」

チャル「ダメです、依然としてアクセスできません!!」



ふはははは、せいぜい楽しんでいくと良い!



ナツミ「え、なに、なに!? どうなっちゃうの!?」

チャル「このままだとカケルさんたちがオリンピア会場から帰れないまま、消去されてしまいます!!」

ハルカ「そんな……!」


ヒロキ「う、うぐ……ここは……?」

カケル「ヒロキ!」



ヒロキ「ぼくは、そうか」

ヒロキ「また、カケルに負けたんだね」







カケル「ねえ、ヒロキ……あれ」

ヒロキ「砂嵐? こっちに来る……」

ザザーッ……

カケル「ステージが、少しずつ消えていく……!?」

ヒロキ「て、転送できない! そういえばフェイズが終わったままなのに、残されたままだ!」



カケル「わあああああ……!!」

ヒロキ「に、逃げよう!!」

カケル「どっ、どこにだよー!!」

ヒロキ「下に落ちれば……?」

カケル「絶対リスボーンできないだろー!?」

ザザーッ…………


ハカセ「チャル、すぐに止めるんじゃ!!」

チャル「ダメです、本来のオリンピア、正規のセキリュティーが!」

ハカセ「せめて、彼らに状況を伝えられれば良いんじゃが、しかし」

チャル「進行状況88%……カ、カケルさん……!」

ナツミ「ね、ねえ嘘でしょ……ほんとに大丈夫なの……」



ハルカ「…………」

ハルカ「ハカセ、データをください」

ハカセ「データとは……?」

ハルカ「時間が無いんですよね? 早く!!」











ハルカ「ホーミング・アロー!!!」






……………………
…………
……






ザザッ、…………


カケル「ヒ、ヒロキ。もう足場が」

ヒロキ「どうしたら……」




トスッ!




カケル「っわ!」

ヒロキ「これは、矢?」

カケル「これ、ハルカちゃんの矢だ!」

ヒロキ「矢文? いや、データがくくりつけてある。読もう」

……

カケル「しょ、初期化なんて、もうダメだぁ~!」

ヒロキ「カケル! ハルカちゃんの矢がここに届いたってことは、望みがあるってことなんだ」

ヒロキ「同じように強い力なら、切り抜けられるかもしれない!」


ザザッ、ザザッ


カケル「でもヒロキと戦って、もう力が」







ヒロキ「カケルはしょうがないなあ……すぐにゲージを無駄遣いするんだから」ザッ




ハカセ「チャル、彼らは」

チャル「……………………」

ハカセ「チャル」



チャル「オペレーション、終了です」



ナツミ「うそ……」

ハルカ「そんな、わたし……」ペタン

チャル「オリンピア、正常に再起動しました……ううっ」










ヒロキ「ディメンジョン・ブレイクッ!!!」カッ





カケル「ちょっヒロキ勢い強すぎ~っ!!」
ヒロキ「わああああああ!!!」

ガラガッシャーン!!!


ハカセ「わわ、何じゃ!?」
ナツミ「ったく、アンタらねぇ」
ハルカ「っ……!」



カケル「いったぁ……」
ヒロキ「いつつつつ」



チャル「カケルさん!! ヒロキさん!!」



…………………………………………

………………………………

……………………

…………
……





こうしてわたしの住む、電脳世界を巡る騒動は一件落着となりました。

あの後、一番ひどくカケルさんたちを叱ったのはナツミさんでしたっけ。一番目が潤んでいたのもナツミさんだったような気がします。
そういえば、ハカセから新しいプログラムをインストールしていただきました……わたしの処理能力を強化するものだそうで。改めてあの時の無力が悔やまれます。

まあ、泣くほど心配した彼らは、どこ吹く風と言わんばかりに今日も外で遊んでいるのですが……。
ひとつ変わったといえば、その輪にハルカさんも加わるようになったことでしょうか?
少し恥ずかしいのか、まだガチャメカ以外での繋がりはないみたいですけれど。



ガチャ!



カケル「ハカセ~」

ハカセ「おや、カケル君。なんじゃ?」

カケル「ハルカちゃんに勝てない……」

ヒロキ「ははは」


以上、記録を完了します。

おわりです
ダイレクトマーケティングなSSでした
ストーリーがガバガバなのも原作準拠ということで許してください
サルバト~レの何か質問があれば、受け付けております

あとチャルはかわいい。

乙乙
1の身内で考察はまだ続けられてんの?

>>95
そうですね、このゲームの闇は逃げ回ることで有利になってしまうキャラクターの存在だと友人間とは結論がついてます
ピポサルとかチャルとか青トロンとかの事ですね
これは全部、技ストックというアイテムのせいだと思ってます
バトルロイヤルゲームにおいて攻めるという選択を取り、ゲージを回収して有利になるという駆け引きが面白いのにそれが潰れてしまっているんですよね

あとウッキーレッド、アフロ、ツタンカーモンの存在は等しく友情を破壊します

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