小鳥『遊馬!川から大きな桃が流れてきたよ!』 遊馬『桃?』 (25)

小鳥「ほら!」

遊馬「すっげえな」

「助けて・・・助けて・・・」

遊馬「何か声がするぜ」

小鳥「どうするの?中に人が居るんじゃ」

遊馬「そこにホープ剣があるだろ。取ってくれ」

小鳥「でも中の人が真っ二つに」

遊馬「大丈夫だって、真っ二つにするから避けてくれよ!」

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アストラル「私はアストラル」

小鳥「な、中から変な人が出てきた・・・しかも桃から産まれたのにアストラルって」

遊馬「俺は遊馬、こっちは幼馴染の小鳥」

小鳥「どうして桃から?」

アストラル「私にもわからない。ただ私の世界では地上に危機が訪れる時に遣わされるそうだ」

遊馬「桃に入って?」

アストラル「そうだ」

遊馬「地上に危機って言われてもな・・・何かあるか?」

小鳥「そう言えば最近、各地で連続誘拐事件が起こってるとか」

アストラル「それだ!」

遊馬「じゃあお前はそれを解決するために」

アストラル「やらねばない。そうしなければ帰る事ができないんだ」

遊馬「力を貸すぜアストラル!」

小鳥「危なくない?」

遊馬「危なくない事なんて何一つないぜ!」

アストラル「かっとビング?かっとビングとは?」

遊馬「チャレンジ精神だぜ」

アストラル「なるほど」

鉄男「遊馬!」

委員長「僕達も」

徳之助「行くウラ!」

遊馬「いいよ。足手まといはいらねえよ」

小鳥「そんな言い方」

遊馬「小鳥」

小鳥「・・・」

アストラル「良かったのか?」

遊馬「友達を危険な目に合わすわけにはいかないぜ」

遊馬「しかし手がかりが無いんじゃな」

アストラル「あれは鳥か?」

パサパサパサパサパサパサ

遊馬「いや人間だ!」

カイト「地上に危機が訪れた時に桃に入って現れるアストラル世界の者か」

アストラル「私を知っているのか?」

カイト「噂程度だ。その力を見極めさせてもらおう」

遊馬「誰なんだお前は!?」

カイト「俺はカイト・・・人は俺を雉と呼ぶ」

遊馬「ならデュエルだ!」チャキッ

カイト「そいつは」

遊馬「ホープ剣!俺の家に代々伝わる家宝だぜ!」

キンッキンッキンッ

遊馬「こいつ・・・」

アストラル「剣相手に拳で互角に渡り合うとは」

カイト「・・・やめだ」

遊馬「何でだよ!まだ」

カイト「お前達の力はよくわかった。力を借りたい」

アストラル「話が読めないな、それはどういう意味なんだ?」

カイト「連続誘拐事件の犯人は俺の親父だ。親父は各地で女を誘拐している」

遊馬「親父?って事はお前は息子なのか!?」

カイト「俺と弟のハルトは親父の暴走を止めようとしたが無様に敗北をしてしまった」

アストラル「君の父親の目的は一体」

カイト「子孫繁栄だそうだ。俺には母が居ない・・・だから」

遊馬「そんなの理由にならねえ!絶対に許さねえぞ!!」

遊馬「島か」

アストラル「だが3人だけで対抗できるのか?相手の数は」

カイト「腕の立つ奴は居ないが100人ほどの部下が居る」

アストラル「100人・・・」

ガサガサ

カイト「何か来るぞ」

ガサッ

シャーク「誰だてめえら?人の縄張りに侵入しやがって」

遊馬「さ、猿だぜアストラル!」

アストラル「彼は猿なのか?とてもそうには」

シャーク「猿?てめえら知らねえんだな」

カイト「どういう事だ」

シャーク「この山には鮫のように獰猛な猿が居る。それが俺だぜ」

遊馬「かなり強そうだぜ」

シャーク「わかったら帰れ、見逃してやるよ」

アストラル「私達の話を聞いてほしい」

シャーク「・・・そうか」

遊馬「そういう事だぜ」

シャーク「カイトって言ったな、お前の親父は雌の猿に興味あるか?」

カイト「知らん」

シャーク「俺の妹も行方不明でよ。まさかと思うけど」

遊馬「あり得るかもしれねえ」

シャーク「じゃあ俺も手伝うぜ」

アストラル「それは心強い。君の名前は?」

シャーク「俺は凌牙だ。シャークって呼ばれてるぜ」

遊馬「よろしくなシャーク!」

遊馬「こっちでいいのかよカイト」

カイト「ああ」

シャーク「子孫繁栄とかくだらねえ事しやがって」

Ⅳ「凌牙じゃねえか」

カイト「そいつは」

シャーク「俺達の一族と縄張り争いしてる犬だ」

Ⅳ「何処か行くのか」

シャーク「こいつの親父退治だぜ」

Ⅳ「てめえ・・・まさかカイトじゃねえか?」

カイト「そうだ」

Ⅳ「てめえがカイトか、親父から事情は聞いてるぜ」

シャーク「知り合いなのか?」

Ⅳ「俺の親父とこいつの親父は旧友らしくてよ」

遊馬「一緒に来てくれよ」

シャーク「やめとけよ。こいつはちょっと狂ってんだ」

Ⅳ「いいぜ。手助けしてやるよ」

カイト「ここだ」

遊馬「アストラル!」

アストラル「相手の人数は100人・・・そしてこの足音は、来るぞ遊馬!」

遊馬「おう!」

カイト「待っていろ父さん!今その野望を潰してやる!!」

シャーク「璃緒が居るかもしれねえ」

Ⅳ「さあて最高のファンサービスを味合わせてやるか」

遊馬「殴り込みだ!怯むんじゃねえぞ!!」

アストラル「ああ!」

フェイカー「見事だカイトよ・・・父を超えるとは」

シャーク「俺の妹は!?雌猿の!」

フェイカー「猿はさらっていない」

シャーク「くっ・・・」

遊馬「一件落着だな。これからどうするんだ?」

アストラル「全ての騒動に決着がついたんだ。私はこれで帰らせてもらう」

遊馬「今度は俺の方から遊びに行っていいか?」

アストラル「是非とも来てくれありがとう遊馬」

遊馬「こっちこそありがとなアストラル!」

カイト「俺は拉致された女共を家まで帰しに行く」

Ⅳ「そんなに気を落とすなよ。以外と帰ってるかもしれねえぜ」

シャーク「ああ・・・」

小鳥「っていうお話よ」

遊馬「ああ」

小鳥「次は浦島太郎で」

遊馬「ああ」

小鳥「昔々あるところに」

遊馬「・・・」

シャーク「絶対に許さねえ」

「許さねえ?誰に向かって口聞いてんだ!オォン!?」

バシッ

シャーク「てめえ!」

バシッ

シャーク「てめえ!」

「てめえてめえ言ってんじゃねえぞ亀のくせにオォン!?」

遊馬「やめろォ!!」

遊馬「大丈夫か?」

シャーク「すまねえ。お前は」

遊馬「俺は遊馬!釣り人の遊馬!」

シャーク「俺は凌牙だ。周りからはシャークって呼ばれてるぜ」

遊馬「亀なのにシャーク?」

シャーク「ああ」

遊馬「何か変だな」

シャーク「助けてもらった礼に竜宮城に連れてってやるよ」

遊馬「ふーん・・・竜宮城って?」

シャーク「ああ!」

遊馬「そういうところか」

遊馬「ここが竜宮城か」

シャーク「ああ、帰って来たぞ」

ガチャッ

璃緒「凌牙?そちらは」

シャーク「何か助けてくれてよ」

遊馬「誰だ?」

シャーク「俺の妹の乙姫だぜ」

遊馬「何で妹は姫でシャークはパシリみたいな感じなんだ?」

シャーク「別にいいだろ」

遊馬「・・・」

小鳥「それで」

遊馬「さっきの桃太郎と変わらねえだろ」

小鳥「じゃあ金太郎で」

遊馬「ああ」

小鳥「・・・」

遊馬「・・・」

小鳥「遊馬が金太郎で」

遊馬「ワンパターンだって言ってるだろ。それじゃつまらないぜ」

小鳥「じゃあⅣが金太郎」

遊馬「・・・」

小鳥「ダメなの?」

遊馬「好きにしろ」

小鳥「昔々」

遊馬「・・・」

カイト「何をやってるんだ」

シャーク「小鳥が昔話読んでるんだとよ」

カイト「昔話?」

シャーク「お前はどう思うよ」

カイト「同じような話を繰り返すだけで面白味もない」

シャーク「だな」

カイト「そもそも俺は童謡だとか童話などに縁遠い男だ。興味もない」

シャーク「ハルトは?」

カイト「ハルトはまた別だ」

遊馬「小鳥」

小鳥「な、何?」

遊馬「この竜の子太郎ってのは何だ」

小鳥「さ、さあ」

遊馬「金太郎は何で金太郎なんだ?なあ小鳥」

小鳥「いきなり言われても困る!」

遊馬「教えてくれよ小鳥・・・小鳥」

小鳥「そんなの文句言うなら自分で作ってよ!」

遊馬「いいぜ。カイト、シャーク」

カイト「気づいていたのか」

シャーク「まさかと思うがお前」

遊馬「昔話を作ろうぜ!俺達で歴史を塗り替えるんだ!!」

カイト「本気で言ってるのか?」

遊馬「ああ!」

シャーク「ったく仕方ねえな」

遊馬「見てろよ小鳥!今に度肝を抜いてやるぜ!!」

数日後

小鳥「できたの?」

遊馬「そんなの無理に決まってんだろ」









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