PANIKKU(7)

俺は、自転車で街道を飛ばしていた。信号を無視して車と接触する
と、俺は道に唾を吐いた。俺は、暴走族ではない。自転車暴走男だ。
つまり、孤独である。だれも同志はいない。そのことを考えただけ
で涙が滲み出てくる。ああ、悲しい。俺にはどうして仲間がいない
んだろう。そして得意料理は熱した冷凍食品のみである。ああ、虚
しい。俺はどうしてまともに料理をしたことがないのだろうか。

俺は、電車から唾を飛ばしていた。改札口を突破して駅員に「あっあの!」と
言われると、俺は唾を吐いた。俺は、不正行為などしていない。切符がないだ
けだ。つまり、無賃乗車である以前に無銭乗車である。そのことを説明しただ
けで駅員がチラケやがった。ああ、悲しい。この世はなぜ俺を迫害しているの
だろう。そして俺は自分の自転車と知らずにそれを盗み、逃げた。ああ、虚し
い。俺はどうしてまともな奴じゃないのだろうか。

折れた、鉛筆がぽっきりと折れた。芯が折れるどころではなく鉛筆そのものが
折れたから、俺は鉛筆を捨てた。俺は、何も悪くない。鉛筆削りがイカレてる
だけだ。つまり、これを作った文具会社が悪いのである。何本も鉛筆を捨てて
いたら誰かが勿体ないとか言いやがった。ああ、どうして皆ここまで貧乏なの
だろう。そして俺は他の奴の鉛筆をぎりぎりまで削り、使えなくした。ああ、
ヤバい。俺は明日から周りが敵だらけだ。どうしよう、殺される。

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