憧「勝ち続けてる宥姉から運を分けてもらおうと思って…あと胸も」 (30)


宥「良いけど…私ので良ければ」

憧「ありがと…。良し!宥姉もあったまったし、私もあったまった!」

憧「でもやっぱごめんね。いきなり抱き着いて…」

宥「ううん。玄ちゃんとも良く抱き着いたり抱き着かれたりするし…」

宥「さっきも白糸台の人に通路ですれ違った時、何故か抱き着かれちゃった」

憧「うーむ…宥姉の包容力はとどまるところを知らないわね…」

憧「さて…それじゃ、行ってくる!」

宥「頑張ってね」


-翌日-


憧「ふあぁ…。もう朝かぁ…」

憧「今日は和の高校の試合か…。ちゃんと勝ち上がってくるんでしょうね、和…」

憧「まぁ良いや、とりあえず顔洗って…」

憧「ん?何か服がきついんだけど…やば…。太ったかな…。ボタン外してっと…」


ぷるんっ


憧「!?」


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憧「な、な、なぁ!?」

憧「」ギュー ←頬を抓る

憧「夢じゃない」

憧「」ピョン プルン ←その場で飛ぶ

憧「偽物じゃない」

憧「」バッ ←鏡に向かう

憧「確かに膨らみがある」

憧「」もにゅっ ←自分で掴む

憧「掴める」

憧「………………」

憧「良し。一旦落ち着こう。しずを見て落ち着こう。今日もしずは可愛いわねぇ。…ふぅ」

憧「………………」

憧「あああああ!?ちょ、何よこれ!?」

憧「私に、私におもちがああああああああああああああ!?」


憧「し、しず!大変よ!起きなさい!!」

穏乃「何だよあこ…。そんな朝から忙しない…」

憧「わ、私のおもちが…と、突然成長したのよ!」

穏乃「えぇ…。憧のおもちは私と同じくらいの仲間だろー…。むにゃむにゃ…」

憧「ええい!だったら証拠を見せてあげるわよ!しず、ジャージどこジャージ!」

穏乃「洗濯機の上に置いてあると思うけど…」

憧「よし来た!」ダッ

穏乃「何なのさもう…」

憧「ぐぐぐ…きっつい!めっちゃきっつい!…良しファスナー通った!」

憧「さあ見なさいしず!あんたのジャージは今や私にはきつくなって…」みしみし


ビリッ


憧・穏乃「あ」






晴絵「へーえ。で、しずは今、予備のジャージなのか」

穏乃「ありえないですよ!あれ、昔からの私のお気に入りなんですよ!?」

穏乃「これはちょっと大きくてジャストフィットしないから動きづらいし!」

憧「だから今朝からずっとごめんって言ってるじゃない!」

穏乃「ふーんだ!」

玄「でも、いきなりどうして憧ちゃんのおもちが豊かに!?」バンッ

灼「玄、目が輝きすぎ…テーブル叩かないで…怖…」

憧「それが自分でも全く身に覚えがないのよね…」

宥「昨日までは…その、そんな大きくなかったよね?昨日何かあったの?」

憧「うーん…。昨日ねぇ…」

憧(昨日か…。昨日特に変わったこと、あったっけ…?)

憧(狸寝入りしてしずが寝るのを待って寝顔を1時間くらい見続けるのはこっち来て日課だし…)

憧(その後しずが準決で着た制服を洗うの勿体ないから大事にしまった事くらい?)

憧(うーん。他に何かあったかなぁ。準決ねぇ…会場行くから、控え室出て…宥姉に…)

憧(!)


憧「………そうか!全て分かったわ!」

玄「おお!?何なの、憧ちゃん!」

灼「玄…」

穏乃「全て分かっても私のジャージは帰ってこないけどなー」プイッ

宥「け、決勝には間に合わないけど…。みんなで直そう、ね?」

憧「ふっふっふ…。この私にかかれば、解けない謎はないわ!」

玄「勿体ぶらずに早く喋るのです!!」バンバン

灼「玄…ほんと怖…」


憧「そう…。全ては宥姉の仕業だったのよ!」


一同「!?」


憧「私は昨日も特別変わった事をしたわけじゃない…。だから、あるとしたらそれは宥姉!」

憧「実は昨日準決勝の対局前、宥姉から運が分けて貰えればと思って自分から抱き着いた!」

玄「!?」

憧「ついでに胸も分けて貰おうみたいな邪な気持ちもあった!」

憧「そして今日、それは私の身体に現実となってそれが現れた!」

晴絵「ふーむ。それはつまり…」

憧「そう!宥姉に抱き着くと、その抱き着いた者のおもちが豊かになるか…もしくは、抱き着いた者の願いが叶う!これが私の推理よ!」

憧「…って言うわけだから、宥姉…」ゆらーり

宥「え?え?…憧ちゃん、目が怖い…」

憧「私も女の子だからさ…和みたいなおもち…憧れたりもしたんだよね…」じりじり

宥「う、うん…。そうだね…?」たじたじ

憧「昨日のもホント控え目に願っただけだし…だからさ、私にもっとおもちを……ちょーだい!!」ガバッ

宥「ひえええええええ!あったかくなーい!!」ダッ

憧「ああっ!逃げた!!」


玄「止めるのです憧ちゃん!」バッ

宥「く、玄ちゃん…」

玄「おねーちゃんは今の内に逃げて!」

宥「うん…ありがとう、玄ちゃん…」

憧「な………!?一番止めそうにない人物が何故!?」

灼「確かに」

穏乃「そうですね」

玄「灼ちゃんもしずちゃんも感心してないでおねーちゃんについて行ってあげて!」

玄「ここは…私が食い止める!!」

灼「ん…分かった」

穏乃「任せてください!」


タッタッタッタ


玄「………ここを通りたくば、私を倒すしかないよ、憧ちゃん…」

憧「………………」


晴絵「若いって良いねー」ケラケラ


憧「一応聞いておこうか、玄…。私のおもちが増えてあんだけ目を輝かせていたあんたが」

憧「どうして私のおもち増量計画の邪魔をしようというわけ?」

憧「良いじゃない。和クラスのおもちが部にいたら、あんたも嬉しいでしょ?」

玄「いるだけで場をなごますおねーちゃんの事です。おねーちゃんのおもちなら、そんなあったかい効力があっても不思議ではありません」

玄「………でも、そんなおねーちゃんが嫌がってた。多分、憧ちゃんが飢えた獣みたいだったから、恐怖に怯えて」

憧「…なら、きちんと説得すれば宥姉も折れてくれるって言うの?」

玄「それでも、憧ちゃんがおねーちゃんに抱き着きたいのは邪な気持ちがあることに変わりはない」

玄「頼まれればおねーちゃんは多分折れる。おねーちゃんは優しいから。でも、決して本心じゃない」

玄「だから…。私がおねーちゃんのしたいことをする!!」

玄「おねーちゃんは…今の憧ちゃんに抱き着かれたいとは思っていない!憧ちゃんの好きには…させない!」


憧「ふーん。でもそうやって、あんたのしたいことは押し殺していいわけ?」

憧「あんたはそれで良いの?せっかくの部員全員おもち持ちのチャンスを逃していいわけ?」

玄「うっ…」

憧「私にしずに灼さんが和クラスのおもちになったら、一体どうなる?想像してみてよ」

晴絵(あ、私は入ってないんだ)

玄「ううっ…」


-玄世界-


穏乃「」ボンッ

憧「」ボンッ

灼「」ボンッ

宥「」ボンッ


玄「ああああああああああああああああああああああああ」

玄「て、天国が見える…桃源郷は、部室にあったんだね…」

玄「そうか…。もう私、ゴールして良いんだね…」

天使玄「こら!止めるのです私たち!」

玄「!?」

天使玄「おねーちゃんを泣かさないようにするのが私の役目でしょうが!」

玄「うぅっ、そうだった…。危うく憧ちゃんの言いようになるところだったy」

悪魔玄「何を言ってるのですか私たち!」

玄「!?」

悪魔玄「夢にまで見た理想郷を諦めるのですか!」

悪魔玄「右を向けばおもち。左を向けばおもち。私たちの夢見た世界が今、手の届くところにあるのですよ!」

玄「うううううううっ!わ、私は一体どっちを選べば…!!!」



晴絵「今行っちゃえば?」ポリポリ

憧「勿論!」ダッ


憧「宥姉ええええええええええええええええ!」

宥「憧ちゃん早っ!?く、玄ちゃんは!?」

穏乃「玄さんは…まさか…!憧にやられて…。くっ、走りづらい…」

灼「仕方な…。穏乃…。……宥さんの事、お願い」

穏乃「あ、灼さん!?」

灼「後は宜しく…。阿知賀の大将」ニコッ

穏乃「あ、灼さああああああああああああああああん!!!」


ザッ


灼「…………」

憧「………ふーん。次は灼さん…。あんたってわけね…」

灼「部長として、部員の好き勝手は見逃せな…」

灼「ここで、止める…っ!」



玄「あああ…。私はどうしたら…おねーちゃーん!」

晴絵「はいそれじゃ玄はドラゴン復活の儀式の続きなー」ピッ


憧「灼さんだって、おもちが小さいより大きい方が良いでしょう?」

憧「ちょーっとだけ。ちょーっとだけ宥姉に我慢してもらうだけよ?」

憧「それだけで灼さんも今の私クラスのおもちになれるかも…」

灼「…言ったでしょ。部長として、部員が嫌がることを見逃すわけにはいかない」

灼「あなたはまだ知らない。その重みと…責任と…無念の元に散った玄から託されたもの…」

憧(自爆しただけだけど)

灼「だから…ここは通さない!!」

憧「ふーん。でも、灼さんにだって知らない重みと強みがあるでしょ?」

憧「それがこの、大きくなったおもちの重み…。…知ってた?ハルエってね、巨乳好きなんだよ」


灼「!!!!!!??????」ピシャーン


憧「きっと今の灼さんが巨乳になったら、その強みでハルエの事悩殺出来るだろうなー」


灼「!!!!!!!???????」ビシャーン


憧(勿論嘘八百です)


-灼世界-

DOKOKANO BAR


晴絵「はぁ…。今日もあんまり活躍できなかったな…」

晴絵「プロの世界は厳しいよ…。奈良が恋しい…。マスター、もう一杯!」

?「隣、良いかな…」

晴絵「え?あ、はい。どうぞ…。………って!灼!」

灼「あ、ハルちゃん!?どうしてこんなところに!?」

マスター「どうぞ。お二人共同じものです」

灼「いやそれより、良く私って気付けたね。結構変わったと思うんだけど…」

晴絵「すぐ分かった!大きくなったね!」ジーッ

灼「…………いやらし…」グイーッ

晴絵「あ、いや…。その…。あはは、酔ってるのかな、私」

灼「ふぅ…。私も…。熱くなって来ちゃった。…でも…私、ハルちゃんとなら…」

晴絵「え?え?あ、灼!?私とお前は、教師と生徒…」

灼「ううん、もうその関係は卒業してる…。ハルちゃん…。私、大人の階段…登りた…」胸元チラー

晴絵「………っ」ゴクリ



灼「ハルちゃ…ダメ、まだ、階段登りたいって言ったけど…まだ、部屋に付いてな…」


憧「次!」ダッ


憧「うおおおおおおおおお宥姉!しずうううううううううう!!」

宥「更に早くなった!?」

穏乃「なんてこった…。…っ!しかも、行き止まりか…」

宥「あ、あったかくない…」

穏乃「やっぱり、最後は私が止めるしかないのか…」

憧「……追い付いたわよ…。二人とも…!」ザッ


穏乃「あこ!あんたの野望も、ここまでだ!」

憧「結局最後はあんたと…しずとやり合わないといけないってわけね…」

穏乃「玄さんから…そして灼さんから託されたこのバトン…。決して譲るわけにはいかない!」ゴッ

憧「私だってそうよ…。ここで立ち止まるわけにはいかない…宥姉を渡してもらうわよ、しず!」ゴッ

宥(こ、これが頂上決戦…。一体、何が始まるって言うの…!?)



灼「ハルちゃ…ダメ…こんなところで…」

晴絵「おーそうかいそうかい。はい、三人打ちなー」ズルズル


穏乃「あこのバーカバーカ!宥さんが嫌がってること、何でするのさ!」

憧「何よ、しずのわからずや!女の子はね、みんなおもちに憧れるもんなのよ!」

穏乃「へー。じゃあ、あき…憧れてない私は女の子じゃないって言うわけ?」

穏乃「筋トレ大好きで女っけもなくて身長も低くて、男みたいだって?」

憧「は!?そんなわけないでしょ!?こんな可愛いしずが女の子じゃない!?」

憧「馬鹿言わないでよ!そんなこと言ったら世界中の女子の9割が男になるわ!」

憧「それとも何か!?あんた男だったの!?」

憧「うわー超ラッキーだわ!めっちゃタイプだわー!今日から超アタックしまくるわー!」

穏乃「え、あの…」

憧「………はっ!」

穏乃「あ、ありがと…?」

憧「え?あ、…あぁ。いや、うん。別に、その」

穏乃「………えっと…」

憧「えっと……今朝はジャージ、ごめんね。私、有頂天だったと言うか…」

穏乃「いや、その…。私も、別に大したことじゃないのに騒いで…ごめん!」

憧「あ、あはは…」

穏乃「え、えへへ…」


宥「何これ!?」ガビーン


憧「……ふぅ、しずと話したら落ち着いちゃった。ごめん宥姉。嫌がることしようとしちゃって」

憧「もう、何かしたりはしないから。安心して」

憧「考えたら、宥姉に抱き着いたらおもちが増えるだの願いが叶うだのなんてこと、ありえるわけないわよね」

宥「あ、うん…。なら良いけど…」


穏乃「宥さーん!」ガバッ

宥「きゃうっ」

憧「!!!!!?????」


穏乃「無事、憧から宥さんの事守りきりましたよ!」

宥「そ、そうだね…。ちょ、ちょっと苦しいかな…。あったかいけど…」

憧「……………」

宥「穏乃ちゃん?そ、そろそろ離れようか?」

宥(憧ちゃんの刺すような視線があったかくない!)

憧「………これでむしろ私の推理の裏付けが行えるから好都合よ。明日しずがどうなってるか…楽しみじゃない」

穏乃「はっ!すみません。私、何も考えずに…」

宥「だ、大丈夫。穏乃ちゃんが変な気持ちで抱き着かない事は分かってるし」

宥「ふふ。最後まで守ってくれて、ありがとう」

穏乃「え、えへへ…」

憧(かわいい)


宥「それじゃ、帰ろっか?」

憧「はー…。久々に全力で走ったせいで疲れた…」

宥「それは憧ちゃんのせいじゃ…」

憧「反省してまーす」


(ごめんなさい、宥さん)

(私、嘘つきました。邪な気持ちで、宥さんに抱き着きました)

(おもちに憧れてない訳がないです。私だって、女の子だから)

(………周りのみんなのおもちが大きくなっても、私のおもちは大きくならなかった)

(身長が低いから。筋トレしてるから。両親からの遺伝があるから)

(言い訳はたくさんあった。でも、やっぱり羨ましかった。和も、玄さんも、宥さんも)

(そして、今日になって突然…憧にすら置いてかれてしまった。きっとその内、灼さんにも…)

(憧の推理を聞いて…。…初めから、隙を見て宥さんに抱き着いてやろうと思ってました)

(もしくは宥さんを最後まで守った見返りにと、抱き着いてやろうと思っていた…最低な女です)

(でも、もし宥さんに抱き着いたらおもちが大きくなる…というのが本当なら…願いが叶うというのが本当なら…)



憧「何ボーっとしてんのよ。さっさと戻るわよー」

穏乃「…うん。ごめんごめん」



(ほんの少し。ほんの少しでいいから。おもちと、背丈が…大きくなると、良いなぁ…)




-翌朝-


憧「ふああ。おもち…は、そのままね。うん。夢じゃない!っしゃ!」ガッツポ

憧「そうだ!…しず!あんたのおもちは…」

穏乃「ん?」

憧「………やっぱり、変わってないか」

穏乃「あはは。だから言ったじゃん。宥さんに抱き着いておもちが大きくなるなんて、ありえないでしょ」

穏乃「もう変に宥さんに抱きつこうとするの止めなよ?また憧の顔見て逃げ出しちゃうよ」

憧「そりゃそうよねぇ…。了解了解。………しかし……じゃあ、一体何なんだろ…。この現象…」

穏乃「よっし!今日は良い天気!絶好の決勝日和だ!」シャッ

憧「うわっ!ちょっと…。眩しいっての!」

穏乃「あはは。ちょっと一走りしてくる!」タッタッタッタッ

憧「ーったく。何であんな元気なんだあいつ。しかも早いし。昨日は何だったんだ」

憧「しかし、私の推理は外れかー。良い線言ってたと思ったんだけどなー」

憧「もししずのおもちが大きくなってたら、今日宥姉の帰りに無理やり抱きついてやろうと思ったのに…」

憧「それにしても……」



「あいつ、ジャージピッタリだったけど…自分で直せたっけ?」



カン!

あこたんイェイ~(2日遅れ)
宥姉のおもちには夢と希望が詰まっているので、それに触れた憧と淡のおもちが大きくなりました。そうに違いない。
憧のおもちが増えて一番困惑してるのは穏乃じゃないでしょうか。こういうのは置いてかれた気分になりますよね。

読んで頂いた方は、ありがとうございました。起きたらHTML申請します。何でおもち増やしたんですかね(ボソッ

淡は出てない訴訟

>>23
裏で白糸台も同じようなことやってるんじゃないですかね(適当

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