ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊  Spring breeze  [Reboot] (190)


ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊のssです

一応ストーリー沿いで更新していきます。ちなみにDSでポケダンの物語を進めながらストーリーを書いていきます  
(全クリしていたので、 記録を消す を押すのに胸が痛みました) 
主人公は適当に質問を適当にAボタンをポチポチして、決まりました。パートナーも初めてポケダンを始めた時に選んだポケモンにしました



[お詫び]

一か月で過去ログ行きなのを気づかずに放置してしまい、書けなくなってしまいましたので
もう一度再開します。

今度は書き溜めしてあります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431596204



 ようこそ!


 ここは ポケモンたちの せかいへつうじる いりぐちだ!


 この とびらの むこうには キミのしらない さまざまな ぼうけんが まちうけていることだろう!


 キミは このせかいで パートナーとともに この不思議なせかいを ぼうけんするんだ!


 じゅんびは いいかな?


 おっと そのまえに キミの『はどう』を おしえてあげるよ 


 『はどう』とは キミのからだが はっする みえないエネルギーのことだ


 ずばり キミの『はどう』は・・・


 ふんわりとしたピンクだ!


 では いよいよ ポケモンたちが すむ せかいへ しゅっぱつだ!


 がんばってくれ!


 (CV:山寺宏一)

 
 辺りで雷が鳴り響き、風が吹き荒れ、大雨がまるで弾丸の様な速さで降り注ぐ嵐の中、声が聞こえてくる


 *「・・・うおっ!だ 大丈夫か?!」

 
 *「っ・・・!」


 その声は必死な叫びであり、緊迫した状況であると思われた


 *「は 離しては ダメだ!もう少し・・・。何とか 頑張るんだ!」


 *「・・・―――――」


 *「ダ ダメだ・・・。こ このままだと・・・」


 誰かが恐怖を予感した瞬間、目の前が激しくフラッシュした

 
 *「うわあああああああぁぁぁ・・・!」

 
 *「~~~っ!」

 
 
 2人の声が闇夜に消えていった


 


 波が打ち付ける絶壁にポケモンの顔をした様な、岩肌の空洞に一匹のポケモンがいた。

 
 藁のベッドでスヤスヤとしっぽを抱き枕にしてそのポケモンは時折ムニャムニャと心地良さそうに眠っている


 しかし次の瞬間、遠くではあるが、何かが墜落したような爆音が聞こえ反射的に飛び起きて周りをキョロキョロと見回しす。


 そして一瞬視界がフラッシュした直後、海に雷が稲妻を走らせて落ちる爆裂音が聞こえた。


 *「きゃあっ!す すごい音・・・」


 そのポケモンは恐る恐る空洞から海が見える大きな穴から覗くように外を見て、か細い声で呟く。


 夜なので、辺りは真っ暗で何も見えないが時折雷が落ちる前に稲妻が光って一瞬だけ外の光景を見ることができた。


 雨が降り注いでいるのにも関わらず、雨水が穴からは入って来ないのは洞窟の上に丸みのある三角形の飛び出ている岩のおかげでなのであろう


 ポケモンは雷の音にうんざりしながらも再び睡魔に襲われ始め、欠伸をして前足で目を掻き、藁のベッドに戻って自分のしっぽを抱き枕代わりに抱いて眠りについた


 嵐が過ぎ去り、海の向こうに巨大な入道雲が晴天の空に浮いて見える海辺で勢いよく波が砂を混ざえて一緒に打ち付けてくる


 海は太陽の光で反射され、まるで宝石の様に光り輝いている


 *「・・・。・・・・。・・・・・・。うう・・・・・・」


 乾き切った砂浜に一匹のポケモンが仰向けに倒れていた


 そのポケモンは薄らと目を開けて、太陽の光に眩しさを覚えながらも目の前に青い空と真っ白なふわふわとしていそうな雲を見た。


 *「・・・・ふあぁ~・・・だめだ・・・もうちょっと寝よ・・・」


 状況を判断をしようとも考えていないのか何事も無く欠伸をして再び目を瞑った



 
 そして時間が経ち、空がオレンジと群青色に分かれ始め薄らと星々が見え始めた


 *「うーん・・・。」


 自分の尻尾を抱き枕にしていたポケモンが、プクリンの形をしたテントの前で立っていた


 プクリンの形をしたテントの左右にポケモンをモチーフにしたトーテムポールと明かりを灯す、炎が燃えていた


 ポケモンは辺りをウロウロと行ったり来たりを繰り返しながら悩んでいると、不意に立ち止った


 *「いや。こんな事してちゃ ダメ。今日こそ 勇気を 振り絞らなくちゃ」


 ポケモンは意を決してプクリンのテントに入ろうと一歩踏み出した。その時足元で軋む音が聞こえてた。


 *「ポケモン 発見!!ポケモン 発見!!」


 *「誰の 足型?誰の 足型?」


 *「足型は ロコン!足型は ロコン!」


 ロコン「わわっ!!」


 茶褐色の胴体を持ち、先端がカールした6本の尻尾を持つポケモン「ロコン」


 小型犬に近いキツネの様な姿をしており、ダークブラウンの瞳と小さな口、正三角形に近い丸っこい耳を持ってる


 頭の上にも尾と似た毛が3本生えており、尾と同様の橙色をしている。腹部は薄黄色である他、4本の足は半分より下側が胴体よりも濃い茶色をしている。

  
 ロコンは自分の事を誰かに呼ばれたのに驚き、後ろに飛び跳ねた


 ロコン「び びっくりしたあ~!!」


 ロコンは心臓をバクバクと鼓動を激しくさせ、しばらくすると落ち着ついたのか溜息をついた


 ロコン「・・・。ダメ。結局 入る 踏ん切りが つかないよ。今日こそ・・・と思って 来たんだけど・・・」


 ロコンはションボリしながら何かを地面に置いた。それは不思議な模様が描かれている欠片の様だった

 
 ロコン「この 宝物を 握りしめていけば 勇気も 出るかと 思ったんだけど・・・」


 ロコンは欠片を拾って、首を横に振った


 ロコン「ああ ダメだなあ。ワタシって ホント 臆病者だよね・・・。情けないよ・・・」


 ロコンは自分の情けない事を自覚して諦めたのか、プクリンのテントに続く若干長い道を歩いていき階段を下りて、プクリンのテントを後にした


 *「おい ズバット。今の 見たかよ」


 ズバット「ああ もちろんだぜ。ドガース」


 ロコンが去った後、怪しい2匹のポケモン達が先程までいたロコンの話をし始めた


 ドガース「さっき ウロウロしてたヤツ・・・アイツ 何か 持ってたよな」


 ズバット「ああ。ありゃあ きっと お宝か 何か だぜ」


 ドガース「狙うかか」


 ズバット「おう」



 所変わって海岸。夕日が海に沈む時間帯にクラブ達が泡を出して、辺りを泡で虹色に輝かさせる


 ロコン「わあ~!綺麗だあ!」


 ロコンはまるで宝箱を開けて宝石を見つけたように目をキラキラを輝かせながら、オレンジ色に染まる空と夕日が映る海を見つめた


 ロコン「ここは 天気が良いと いつも クラブ達が 夕方に あわを 吹くんだけど・・・夕日の 海に たくさんの あわが 重なって・・・

     ホント いつ見ても 綺麗だよね」


 ロコンはその絶景に見惚れながら、先程までの自分の行動を思い返した


 ロコン「・・・ワタシ 落ち込んだ時は 決まって ここに 来るんだけど・・・今日も 来てみて よかった。


     ここに 来ると いつも 元気が 出てくるよ」


 ロコンはふと浜辺に目を向けると、何かを見つけた


 ロコン「ん?・・・あれ?何だろ」


 ロコンはそれが何か気になって、近づいてみるとそこには青と黒の毛をしたポケモンが倒れていた・・・正確には鼾をかいて寝ていた


 ロコン「・・・えっと・・・寝てるのかな?」


 ロコンは一瞬倒れているかと心配したが、拍子抜けて目をパチクリさせたがここで寝ていると風邪を引くと思い近寄った


 ロコン「もしもーし、だいじょうぶ?」


 *「・・・~~っん~~~・・・」


 ポケモンは目を開けて、まだ眠むそうにムクリと上半身だけ起こすと両手を大きく広げて背筋を伸ばし、小さく溜息を吐いた


 ロコン「あっ 起きた」


 ロコンは青と黒の毛をしたポケモンが寝ていたとわかっていたが、何故か目を覚ましたのに少しホッとした様な心持ちになった


 ポケモンはムニャムニャと口をモゴモゴさせ目を掻き、ブルルっと犬に似た鳴き声を出しながら首を横に降り、眠気を吹き飛ばした


 *「ふぁぁ・・・よく寝た・・・あれ?ここは?」


 ポケモンは満足気に微笑むと、辺りを見渡して見たことのない場所だとわかった途端、目をパッチリと開き、ヘタッと伏せていた耳をピンと立てた


 ロコン「キミ、ここで寝てたんだよ?」


 *「寝てた?・・・ボクが?・・・」


 ポケモンは自分がここで寝ていたと教えてくれた目の前に居るロコンを見てから、尻に付いた砂を払いながら立ち上がった
 

 立ち上がってみると、ポケモンはある事に気付いた。それは全くと言うぐらいロコンとの目線が変わらない事だった


 ロコン「ワタシは ロコン。よろしくね!」
 

 *「え?あ、うん・・・」


 ポケモンが疑問を抱いていると、ロコンが明るく元気な笑顔で自己紹介をしてきた


 それに若干戸惑ったがポケモンはが小さく会釈をした


 ロコン「・・・それで キミは?ここらへんじゃ みかけないけど・・・」


 *「見かけないって言うよりも・・・ボクからしたら 喋るポケモンすら見たことすらないよ」


 ロコン「? 言ってることが よくわからないよ」


 ロコンはポケモンの返答が理解できず首を傾げると、ポケモンはロコンの反応に初めはポカンとしたが、すぐにロコンに理解出来るような言葉を述べた


 *「だから ボクはニンゲンの言葉を 喋るロコンなんて 見たことのないって 言ってるんだよ」

 
 ロコン「どういうこと?」


 ロコンの止めを刺すような返答にポケモンは期待していた返事が返って来なかったので、思わずズッコケた


 そしてとうとう、愛想がつきそうになって前頭部を掻きながら悩んだ末、再び述べた


 *「あぁ~ 頭パンクするなぁ。ボクは ニンゲンだ だから ポケモンと会話することが」


 ロコン「ええ~~っ!?ニンゲンだって~~~っ!」


 *「そんなオーバーに リアクションしなくても・・・」


 話す途中で、やっとまともな返事が返って来ると思ったが、全く意味の違うリアクションが返ってきたのにポケモンは驚いた


 
 ロコン「でも キミ どこからみても―――――リオルだよ?」


 リオル「・・・へ?」


 胴体の大半が青で首回りが黄色く、足と目の周りが黒で頭にも黒い二本の房があるポケモン「リオル」 
 

 小型の獣人に近い容姿をして、目は今の夕焼けにそっくりな程の輝かしいオレンジ色をしている


 小柄ながらしなやかで強靭な体をしており、一晩で山3つ、谷2つを超える程の運動神経を持つと言われる


 今度はリオルがロコンの言った事に理解が出来なかった。しかし、その意味がフワフワ浮翌遊する泡が目の前で止まった瞬間にわかった


 リオル「・・・なぁあああああ~~~!?」
 

 リオルの叫び声が周辺にまで響き渡り、木々に止まっていた鳥ポケモン達が驚いてけたたましい程の鳴き声を上げながら飛び立っていく。


 パニックになりながら、リオルは自分の手を見たり、足やしっぽを見て、頬を引っ張ったりした


 至近距離でリオルの叫び声を諸に耳の鼓膜に叩きつけられたロコンは、口を開けたまま気を失った様に立ったままポカーンとしていた


 リオル「・・・。・・・うわぁっ!?」


 リオルは突然弱弱しい鳴き声を出して、ロコンは体をビクッとさせて我に返った


 ロコン「ど、どうしたの!?どこか 痛いの!?」


 リオル「い いや なんか これ触ったら 自分でビックリしちゃって・・・。」


 リオルが指したのは頭にある2本の房だった。


 ロコン「そ そうだったんだ・・・。もう こっちも ビックリしたよ」


 リオル「ご ごめん・・・。・・・それにしても。・・・」


 リオルは改めて浮翌遊している泡に映る自分の姿を見た。そこに映っているのは確かにリオルであり、自分自身だった


 リオル「(確かに リオルに なってる・・・・でも どうしてだろう?何も 思い出せない・・・)」


 腕を組みながらリオルは何故自分がポケモンのリオルになったのか、思い出そうとしても何も頭に浮かんでこなかった


 ロコン「・・・キミ 何か 怪しいね。もしかして ワタシを 油断させて 騙そうとしてる?」


 リオル「え!?ひ、人聞き悪いこと 言わないでよ!そんなこと考えてないよ!」


 リオルはロコンが自分の事を怪しんでるのに慌てて、腕を振りながら否定した


 ロコン「ホントに?じゃあ 名前は何て 言うの?」


 リオル「名前? そうだ 名前は・・・」


 リオルは目を瞑って自分の名前を思い出そうと、精神力を高め始めた。すると垂れ下がっていた房が浮き上がる


 ロコン「(わっ リオルの房が 浮いてる!話には 聞いたことあるけど・・・。本当に 浮かぶんだ)」


 ロコンはリオルの浮かんでいる房を興味津々に見ていると、リオルの体が小刻みに震え始めた


 リオル「・・・くっ。はぁぁーーっ・・・!はぁっ・・・はぁっ・・・」


 リオルは思い出そうとしている間息を止めていたかのか、息乱しながら息を整える。それと同時に浮かんでいた房が沈んだ


 リオル「ダメだ・・・。思い出せない・・・」


 リオルは少し辛そうに顔を歪ませて息を荒くしていた。額に汗が浮き毛に引っ付いて水滴になった


 自分を落ち着かせようと深呼吸をすると、一晩で山3つ、谷2つを超える程の運動神経を持つと言われるだけあってか、すぐに落ち着きを取り戻した


 リオル「よしっ。もう一度」


 リオルは再び目を瞑って、精神力を高めていき房を浮かび上がらせた


 リオル「っ・・・」


 しかし今度はすぐに精神力が途切れてしまう。汗がこめかみを伝って顎の下で水滴となって地面に落ちた


 リオル「こ 今度こそ・・・。」


 ロコン「あっ・・・。リオル 無理しなくていいよ?」


 リオル「えっ?」


 リオルは再び自分の名前を思い出そうと目を瞑ろうとすると、先程まで自分を疑っていたロコンが心配そうに見つめながらそう言った

 
 リオル「で でも ロコンはまだボクを 疑ってるんじゃ」


 ロコン「ううん。・・・だって そんなにまで 必死に思い出そうとしてるの 見てたら こっちも不安になっちゃうから」


 ロコンはリオルが自分が疑ってるのに必死になって思い出そうとしている姿を見て、リオルは悪いポケモンではないと認識したようだった


 リオル「そ そっか・・・。じゃあ もう疑ってない?」


 ロコン「うん。さっきは 疑って ゴメンね。・・・と言うのも 最近 悪いポケモンが 増えててさ・・・いきなり 襲ってくる ポケモンもいるし・・・

     何か 最近ブッソウなのよね・・・。」


 その時、ロコンの後ろから誰かがロコンを突き飛ばした


 ロコン「イタッ!」


 リオル「おっと」


 ロコンはリオルに向かって突き飛ばされたがリオルは反射神経の良さでロコンを抱きとめて、ゆっくり降ろしてあげた


 ドガース「おっと ゴメンよ。」


 ロコン「なんなの!いきなり!」


 突き飛ばしたのはドガースだった。その隣にはズバットもいる。ドガースは憎たらしく笑いながら嘘くさく謝った


 ロコンは突き飛ばしたドガースに向き直って、青筋を立てながらいきり立っていた

今日はここまで。

ちなみに自分が好きなポケモンはスピアーとこのssの主人公リオルとロコンです


 ズバット「へへっ わからないのかい?オマエに 絡みたくて チョッカイ出してるのさ」


 ロコン「ええっ!?」


 リオル「(えっ 何このドガースとズバット。まさかロリコン?)」


 リオルはドガースとズバットとロコンのやり取りを見て、真顔でそう心の中で思っていた


 ズバット「それ オマエのもんだろ」


 ロコン「ああっ!それは!!」


 ズバットとロコンの視線の先には、ロコンが持っていたあの不思議な模様の描かれている欠片が転がっていた


 ズバット「悪いが これは 貰っておくぜ」


 ズバットは有無を言わさず不思議な模様が描かれている欠片を拾い上げ、奪った


 ロコン「あ――――――っ!!」


 ドガース「ケッ てっきり すぐ 奪い返しに来ると 思ったんだが・・・何だ?動けねえのか?

      
      以外と 意気地無しなんだな」


 ドガースの言う通りロコンはズバットに欠片を奪われたのにも関わらず、ぐうの音も出せずに一歩も動けないでいた


 ドガース「さっ 行こうぜ」


 ズバット「じゃあな。弱虫ちゃん。へへっ」


 ドガースとズバットは洞窟の中に入っていき、ロコンの持っていた不思議な模様が描かれている欠片を持ち去って行った


 ロコン「・・・・ああ・・・。・・・ど どうしよう?」


 リオル「どうするって・・・どうしたいの?」


 ロコン「あれ ワタシの大切な 宝物 なの・・・。あれが 無くなったら ワタシは・・・。」


 ロコンは次第に目に大粒の涙を溜め始め、リオルはそれを見て口を一文字に結んで悩み始めた


 リオル「(ど、どうしよう・・・今 自分のことも大変だし ロコンも何だか大変な事になってるし・・・)」


 ロコン「こうしちゃいられない 何とか 取り返せさなきゃ!キミ 手伝ってくれる?」


 ロコンは涙を振り払うと、ドガース達に奪われてしまった欠片を取り返しに行くと覚悟を決めたようで、リオルに手伝ってくれるかと頼んだ


 リオル「ど どうしよう」


 ロコン「ま 迷ってるヒマないのよ!早く!」


 リオルは腕を組んで眉間に皺を寄せ呻りながら考える。それを見てロコンは急かして手伝うことを頼んだ


 リオル「で でも いきなり 頼まれても・・・」


 ロコン「あれは ワタシにとって 大切な 大切 なのよ・・・。あれが 無くなったら ホントに ワタシは・・・。

     とにかく お願い!取り返すの 手伝って!」


 ロコンは再び涙目になったが、もう腹を括っているので今度はリオルを圧迫すように頼んだ


 リオル「けど 今までの 記憶も 無いし・・・」


 ロコン「そ それは 大変だと 思うけど・・・でも 今は!記憶無くても いいから とりあえず 手伝ってよ! お願い!」


 ロコンは若干やけくそになってきたのか、少し怒りながら頼んだ


 リオル「でも確か ニンゲンだった筈だし・・・」


 ロコン「ああもう! ニンゲンでも 誰でもいいから 手伝って! お願い!」


 とうとう怒りが爆発したのか、頭から機関車の様に煙を出しながら青筋を立ててリオルに顔近づけて、頼んだ


 リオル「わ わかった!」


 ロコン「ホ ホントに!?ホントに 手伝ってくれるの!?あ ありがとう!早く 行こう!」


 リオル「う、うん!(ホントにって言われても最後に出てきた選択しそれだけしかなかったんだもん・・・)」


 ロコンは駆け足で洞窟に向かい、リオルも頭をポリポリと掻きながらロコンの後を付いて行った


 かいがんのどうくつ
 

 リオル「うわぁ・・・何か暗いなぁ」


 ロコン「うん・・・それに ここって みずタイプのポケモンたちが 住んでるから ワタシは苦手なんだ・・・」


 リオルとロコンは冷気が漂い、寒気を感じる「かんがいんのどうくつ」の通路を歩いていた


 リオル「あっ、そっか ほのおタイプだもんね」


 ポケモンには相性があり、ロコンはほのおタイプで、みずタイプの攻撃に弱い


 かいがんのどうくつはその名の通り、海岸にある洞窟なので、みずタイプのポケモン達が住み着いているのだ


 ロコン「うん。でも がんばろうね リオル!」

 
 リオル「う うん!」


 ロコンの笑顔を見てリオルは頬を2回手で叩いて気合を入れた


 しばらく進むと広い空間に出た。通路の入り口が2つあり、その内前方の入り口に向かおうと歩き出した瞬間


 シェルダー「シェルァーッ!」


 リオル「うぉぉああっ!?ビックしたぁ!」


 ロコン「シェ シェルダーだ!」


 リオルは突然現れたシェルダーにビックリして転んでしまい、ロコンは早速現れてしまった、みずポケモンのシェルダーにたじろいだ


 リオル「(シェルダーは みずタイプ・・・)ロコン ボクに任せて」


 ロコン「で でも・・・。」


 リオル「大丈夫。ロコンじゃ ふりだから」


 ロコン「あっ・・・う うん」


 リオル「いくぞっ!」


 リオルのこうげき!
 シェルダー♂に6ダメージ!

 シェルダー♂は『たいあたり』をくりだした!
 リオルに1ダメージ!

  
 リオル「くっ!やるな!」


 リオルは『でんこうせっか』をくりだした!
 シェルダー♂に13ダメージ!
 シェルダー♂をたおした!


 シェルダー「シェルァ~・・・」

 
 シェルダーはリオルの『でんこうせっか』を喰らって残りのHPが0になり目を回して倒れた


 リオル「よしっ!」


 リオルはシェルダーを倒してガッツポーズを取った


 ロコン「リオル 大丈夫?」


 リオル「うん。さっ 行こう」


 ロコン「うん!」


 リオルはロコンに大丈夫と言わんばかりにジャンプをして笑顔でVサインをした。それを見たロコンは安心したのか笑って、入り口に向かうリオルを追いかけた


 リオル「やっぱり 暗いね・・・。」


 ロコン「うん・・・。」
 

 暗い通路は光が僅かしか入らず、前方が全く見えなかった


 通路を抜けると今度は先程よりも狭い空間に出た。入り口は一つしかなかったのでその入り口に入って行った


 シェルダー「シェルァーッ!」


 リオル「ひゃぁっ!・・・もう!脅かさないでよ!」


 リオルは『でんこうせっか』をくりだした!
シェルダー♂に13ダメージ!
シェルダー♂をたおした


 シェルダー「シェルア~・・・」


 リオル「あぁ~~。びっくりしたぁ・・・」


 ロコン「だ 大丈夫?」


 リオル「う うん。あれくらい どうって事ないよ。行こうっ」


 ロコン「う うん・・・」


 リオルは照れ隠しなか、誤魔化すように咳払いをして通路を進んで行った


 通路を進んでいくと曲がり角がありそこを曲がって真っ直ぐ進むと広い空間に出ると、その空間び階段の様なものを発見した


 ロコン「あっ!階段だ!あそこで 移動すれば 次のフロアに行けるよ!」


 リオル「じゃあ すぐ行こう・・・ん?」


 リオルはすぐに階段に行こうとした時、何かを踏んだような感触がして足を上げると、足の裏に丸い金色の硬貨の様な物だった


 リオル「これは 何?」


 ロコン「ポケだよ。これで お見せに売ってるものが 買えるんだよ」


 リオル「要するに お金だね」

空の探検隊をリオルで始めた俺歓喜

 
 リオルとロコンは階段を使って次のフロアに向かった


 B2Fに着くと、すぐ目の前に階段を発見した。リオルは階段に向かおうとした途中、何か落ちてるのに気付いた


 リオル「これって 確か オレンのみだよね」


 リオルが手にしたのは青色の木の実「オレンのみ」だった。


 ロコン「うん。これを 食べると 回復して元気になるんだよ」


 リオル「そうなんだ じゃあ 持って行こうよ」


 ロコン「うん。でも 今は このオレンのみだけしか 持てないからね?」


 リオルはロコンにオレンのみを渡すと、ロコンは受け取ったオレンのみをくるんとカールになっているしっぽに挟んだ。

 
 リオル「わかった。じゃあ 行こう」


 ロコン「うん!」


 リオルとロコンは階段を使って次のフロアに出た。階段から出た空間は狭く入り口が二つあった


 ロコン「どっちに 行く?」


 リオル「・・・」


 ロコンの問いかけにリオルは目を瞑ると精神力を高めていき房を浮かび上がらせた


 ロコン「(このフロアを 見通してるのかな・・・)」


 リオル「・・・こっち」


 ロコンはリオルがフロアを何か不思議な力で見通しているのだと思い、静かに見ているとリオルはカッと目を開けると背後にある入り口に向かって歩き出した


 通路を進んでいき、曲がり角を曲がって、真っ直ぐな通路を進むと空間に出た。そこには見事階段があった


 ロコン「す すごい!何で わかったの!?」


 リオル「勘」


 ロコン「えっ・・・? だ だって さっき 見通してたんじゃないの?」


リオル「そんなこと 出来ないよ」


 ロコン「な なあんだ そうだったの・・・」


 ロコンは期待外れだったのが余程ショックだったらしく、肩をガクっと落とした


 階段を使って、次のフロアに出ると広い空間に出た。そこに上を指している矢印のマークがある床があった


 リオル「あれは何?」


 ロコン「不思議な床って 言って あれに乗ると ぼうぎょやこうげきが 下げられたら あれの上に乗ると元に戻るんだよ」


 リオル「へぇ 今乗ったら どうなるんだろ」


 ふしぎなゆかのうえに のった!
 リオルの つよさは へんかしないようだ


 リオル「・・・何も 起こらないね。ごめん 先に進もう


 リオルは何も起こらなかった事に特に気にせず、右側の壁にあった入り口に向かって行った


 通路を進んでいき、曲がり角を曲がって進んでいくと広い空間に出た。そしてそこにポケモンがいるのに気付いた


 リオル「あっ・・・。ロコン カラナクシだ」


 そこにいたのは、カラナクシだった。しかし、カラナクシは寝ていて敵意は無いようだった


 ロコン「寝ているポケモンは 放っておいても 大丈夫だから 進もう」


 リオル「うん」


 リオルとロコンは忍び足で静かに左側の壁にある入り口に向かった


 通路を進んで、角を曲がりそのまま進むとすぐに出口が見え広い空間に出た


 そこに階段があったので、すぐに次のフロアに向かった



 -かいがんのどうくつ おくそこ-

 
 次のフロアは先程までとは打って変わって地面は砂になっており、巨大な空洞の通路となっている


 リオル「もしかして ここが 洞窟の奥底かな?」

 
 ロコン「そうかもしれないね・・・」


 リオル「・・・あっ。いた!」


 リオルは通路のすぐ右にある広い空間の入口から、ドガースとズバッとを見つけた。


 ロコン「ホントだ!行こう!」

 
 ロコンはすぐさまドガース達の所に走り出した。リオルも遅れ気味に走りだし、ロコンの後を追った。


 ロコンとリオルはドガース達のそばまで来ると、立ち止まった。ドガースとズバッとはロコンの持っていた欠片をマジマジと見ながら怪しげに笑っている。
 

 ロコン「ね・・・・ねえ!」

 
 ロコンは大声で呼ぶと、ドガースとズバットはすぐに反応して後ろを振り向いた


 ドガース「おやおや。誰かと 思えば 弱虫ちゃんじゃないか」


 ドガースは声のポケモンがロコンだとわかると、からかう様にニヤニヤと不敵に笑っていた


 ロコン「うっ・・・」


 リオル「(ほらっ 大切なものを 取り返すのだろう?)」


 リオルは怖気付きそうなロコンに耳打ちをすると、ロコンは一歩前に出て目を瞑りながら叫んだ


 ロコン「ぬ・・・盗んだものを・・・盗んだものを 返してよ!あれは ワタシにとって とても大事な 宝物 なのよ!」


 リオル「そうだ。 今すぐ返すんだ」


 ズバット「ほう 宝物?やっぱり あれは お宝 なんだな?」


 ドガース「思ったより 値打ちが あるかも しれないな。どこかで 売っぱらえば 高い値が つくかもしれない

      
      ケッ。余計 返せなくなったぜ」


 ロコン「ええ~~~っ!?」


 ズバット「返して 欲しければ 腕尽くで 来るんだな!へへっ!」


 ロコン「リ リオル!どうしよう!」

 
 リオル「どうするって・・・やるしかないよ!」


 リオルは戸惑うロコンを余所に、身体を横に向けて右腕を前に左腕を横にして、身構えた


 ロコン「そ そんなぁ~~!?」


 
 リオルは『でんこうせっか』をくりだした!
 ズバットにダメージはない!


 ズバット「おっと・・・やるな!」


 ドガースとズバットは一歩前進し、ロコンもリオルの隣に前進した


 リオル「ガブッ!」


 リオルは『かみつく』をくりだした!
 ドガース♂に18ダメージ!

 
 ロコン「ええい!」


 ロコンは『しっぽふるを』くりだした
 ズバット♂のぼうぎょがさがった!


 ドガース「いてててて!このーッ!」


 ドガース「オラァッ!」


 ドガースは『たいあたり』をくりだした
 きゅうしょにあたった!

 ロコンに20ダメージ!


 ロコン「きゃっ!くぅっ・・・よくも やったわね!」


 ズバット♂のこうげき!

 リオルに3ダメージ


 リオル「っ・・・フンッ!『でんこうせっか!』」


 リオルは『でんこうせっか』をくりだした!

 ドガースに13ダメージ

 
 ドガース「どがぁ~~・・・!」
 

 ドガースはたおれた!

 
 ズバット「あぁ!ドガース!」


 ロコン「隙あり!『だましうち』!」


 ロコンは『だましうち』をくりだした!

 ズバットに15ダメージ!

 
 ズバット「あいたぁ~!」
 

 ズバットはたおれた!



 ドガース「イテテテ・・・」


 ズバット「ううっ・・・や やられた・・・。」



 ドガース「く くそう・・・。こんなヤツらに 負けるとはな・・・」


 リオル 「さぁ ロコンの宝物を返すんだ」


 ズバット「ちぇ。これは 返してやるよ」


 ズバットは渋々不思議な模様が描かれている欠片をロコンの前に放り投げた


 ドガース「ケッ。まぐれで 勝ったからって 良い気に なるなよな!」


 ズバット「お 覚えてろ!」


 ドガースとズバッとはスタコラサッサと逃げ出して、洞窟の入り口にへと逃げて行った。


 ロコン「いせきのかけらだ!」


 ロコンは大切なものと言っていた物をいせきのかけらと言い、大事そうに拾い上げた


 ロコン「よかったぁ・・・。ワタシ ホントに 取り返す事が できたのね・・・。」


 リオル「よかったね。ロコン」


 ロコン「これも 全ては リオルが 手伝ってくれた おかげだよ。ありがとう!リオル!」


 リオル「う うん・・・ど どうしたしまして」


 ロコンは涙ぐみながら笑顔でリオルにお礼言うと、リオルは照れ臭そうにして手の甲で頬に付いた砂を吹き取った

 


 ドガースとズバッとからロコンの宝物を取り返した後、二匹は最初に出会った浜辺にへと戻ってきていた


 ロコン「ホントに ありがとうね!」


 リオル「・・・。(つい 成り行きで 助けちゃったけど よかったのかなあ・・・。でも まあいいよね。ロコンも あんなに 喜んでるんだし。
   

          感謝されて 悪い 気分は しないよね)」


 リオルは微笑みながら嬉しさに浸っていると、ロコンが目の前にいせきのかけらと呼ばれる欠片を置いた


 ロコン「さっき 盗まれたものだよ。これは いせきのかけら。・・・といっても ワタシが 勝手に そう呼んでいるんだけなんだけど・・・。


     でも この いせきのかけらは・・・ワタシの 大切な 宝物なの。ワタシ 前から 昔話や 伝説が 大好きで・・・


     そんな 話しを 聞く度に ワクワクするのよ!」


 ロコンは目をキラキラと輝かせながらリオルの目を真っ直ぐと見つめながら話した


 リオル「そうんなんだ・・・」


 ロコン「だって そう思わない?ナゾの 遺跡や 隠された 財宝・・・。闇の魔境や・・・」


 ロコン「誰も 行ったことがない 新しい 大陸・・・。そんな所には 黄金や お宝が ザックザック!

     
     そこには きっと ロマンがある」


 リオル「ロマンかぁ・・・良い夢を持ってるね、ロコンは」


 ロコン「そ そんなことないよ・・・」


 リオルは微笑みながら、真剣に話すロコンを褒めるとロコンは頬を赤らめ、前足で頭を撫でながら照れる。


 そんなロコンを見て、リオルはクスリと笑った


  ロコン「ワタシ いつも そんな事を 考えては ワクワクしてるのよ。そして ある日・・・ふとした事で 拾ったのが 

   
      この いせきのかけら なの。


      一見 ガラクタにも 見えるけど・・・よーく 見て?」


 リオル「ん・・・?。」


 リオルはロコンの言われた通り、いせきのかけらに顔を近づけようとした。しかし、その直後ゴチーンとリオルとロコンの頭と頭がぶつかってしまった

 
 リオル「いたたた・・・。あ ごめん 大丈夫?」


 ロコン「う うん・・・。大丈夫だよ えっと これ」


 リオルは両手で痛む箇所を摩り、ロコンを気遣うと、ロコンは少し涙目になって片手でリオルと同じく痛む箇所を撫でながらいせきのかけらを指した


 リオルは今度はあまり近くに寄らない様に、いせきのかけらを見る。そこには、不思議な模様がはっきりと見えた


 ロコン「ホラッ ふしぎなもようが 描かれてるよね?」


 リオル「(・・・。本当だ。確かに 不思議だ。こんな 模様は 見た事がない・・・)」


 リオルはその不思議な模様に魅了されたのか、ずっと見続けた


  ロコン「この 模様には きっと 意味があるに 違いないよ。この かけらが 伝説的な 場所や 秘宝への 入口に なっている・・・


      そんな 気がしてならないのよ。だから ワタシも 探検隊に なって・・・。この かけらが 嵌る場所を いつか 発見したい!

    
      ワタシ自身で このかけらの ナゾを いつか 解きたい!

 
      そう思って さっきも 探検隊に 弟子入り しようと したんだけど・・・。


       でも・・・ワタシ いくじなしでさ・・・」


 ロコンは少し俯きがちでそう言うと、いつの間にか不思議な模様から目を逸らしたリオルと目が合った


 ロコン「・・・。リオルは・・・これからどうするの?記憶を無くして 何故か ポケモンに なっちゃったってことだけど・・・


     この後 どこか 行く宛てとか あるの?」


 リオル「・・・・・・。」


 リオルはロコンの言ったことに、確かにこれから自分はどうすればいいのかと腕組みをして悩み始めた。


 ロコン「・・・。もし ないなら・・・・お願い。ワタシと 一緒に 探検隊 やってくれない?」


 ロコン「リオルとなら たんけんたいを やれる気がするの。だから どうかな?ねえ お願い!」


 ロコンは頭を下げて目を瞑りながら必死にリオルに頼み込む。それにはリオルもたじろいで、困り始めた


 リオル「(わわっ!どうしよう?何か いきなり 頼まれちゃったよ!大体 探検隊 ってのも よく わからないけど・・・)」


 リオルは頭を悩ませた末に出した返事は・・・


 リオル「(・・・まあ 確かに 行くとこも ないし・・・これから どうしていいのかも わからないしね・・・。とりあえず このロコンと

    
      一緒に いるのが いいのかも・・・。よし!決めた!)」


 リオル「うん、いいよ。ボクも ロコンと 一緒に 探検隊やるよ」


 ロコン「え?ホント!?一緒に 探検隊 やってくれるの?」


 リオルは微笑みながらロコンに探検隊をやると述べると、ロコンは嬉しそうに目を輝かせた


 リオル「うん。ホントだよ」


 ロコン「やったぁ!!ありがとう!!」


 リオル「う うん・・・」


 ロコンは満面の笑みでリオルに顔を近づけるとリオルは若干頬を染めて、後ずさりする


 ロコン「ワタシたち 絶対いいコンビになれるよ!!よろしくね!」


 リオル「うん。 こちらこそ!」

  
 リオルとロコンは固く握手をして、笑い合った


 ロコン「まずは プクリンのところに行って 弟子入り しよう。そこで 一人前の 探検隊に なるための 修行をするのよ」


 リオル「修行かぁ・・・。」


 ロコン「修行は とても大変そうだけど・・・でも がんばろうね!リオル!」


 リオル「う うん!」


 ロコンとリオルは右腕を上げて、お互い頑張りあおうと誓いあった


               こうして・・・ロコンとリオルの 


 
                たんけんたいが けっせいされた


           
                  そして それは・・・



          これから おこるであろう はるかなる ぼうけんへの・・・


 
                  いりぐちだったのである









                 ポケモン不思議のダンジョン


           
                    *空の探検隊 
 





    (CV:山寺宏一)


         

今日はここまで。

>>15 ボクも空の探検隊はリオルで始めた口なので嬉しいです(喜笑

   リオルは可愛くもありカッコよくもありますよね 


 夕日になり辺りが薄暗くなってきた頃、リオルとロコンはプクリンのギルドと呼ばれる入り口の前に二匹は立って、プクリンの形をしたテントを見上げていた

 
 そのテントは表情は明るく笑っているのだが、どこか怪しげな雰囲気を放っていた


 ロコン「ここが プクリンのギルドよ。探検隊に なるなら ここでまず チームを登録して・・・一人前に なるまで 修行しなくちゃ ならないんだけど・・・。」

 
 リオル「だけど?」


 ロコンはリオルに探検隊についての説明をしていると、何故か急に怯えているのか体を震わせた


 ロコン「何か 怪しげな 所だよね。やっぱり。」


 リオル「確かに・・・。 明るく 笑っているから 余計に 怖く感じちゃうよ」


 ロコン「うん。でも、今度は リオルも 一緒なんだし。勇気を 出さなくちゃ」


 ロコンは首を降って、自分に言い聞かせると一歩踏み出した


 リオル「がんばって ロコン」


 ロコンはリオルの応援を背に受けて、地面に丸く開けられた穴に張られてある木の格子の上に乗った


 *「ポケモン 発見!!ポケモン 発見!!」


 *「誰の 足型?誰の 足型?」

 
 *「足型は ロコン!足型は ロコン!」


 ロコンがリオルと出会う前。ロコンがギルドに訪れた時と同じ様に、どこからか二匹のポケモンの声が聞こえた


 ロコン「わわっ!!」


 ロコンは一瞬後ろに跳び跳ねそうになったが、震えながら何とか堪えた


 ロコン「い いや。ここは 我慢しなくちゃ・・・。」


 リオル「がんばって~」


 ロコンが堪えてるのを見て、リオルは小さく声を出しながら腕を振って応援をした


 ロコン「う うん・・・」


 *「・・・よし。そばに もう1匹 いるな。オマエも 乗れ」


 ロコンはリオルの応援で何とか耐え続け、数秒経つと誰かが話しかけた。ロコンはもういいのだと思い、木の格子から離れてリオルの方を向いて話しかけた


 ロコン「多分 リオルのこと 言ってるんだと 思うよ。ここに 乗れって」


 リオル「(穴の上に 細かい 格子が張ってあって・・・誰かが 上に乗っても落ちない様に なっているんだけど・・・。

    
     でも 何か 妙なんだよね・・・。あそこの 上に 立ったら 足の裏が こそばゆそうと言うか・・・強度も無さそうだし・・・)」


 リオルは先程ロコンが乗っていたので大丈夫だとは思っているが、どうしても乗って大丈夫なのかが気になっているようだった


 *「おい!そこの もう1匹!早く 乗らんか!」


 リオルが木の格子の事が気になって考え事をしていると、どこからか聞こえる声がリオルに早く乗れと急かした

 
 リオル「・・・あっ・・・ふふ♪」


 リオルはふと何を思い付いたのかわからないが、口に手を当てて悪戯っぽく笑った


 *「ポケモン 発見!!ポケモン 発見!!」


 *「誰の あしがた?誰の あしがた?」


 *「あしがたは・・・あしがたは・・・エート・・・」


 穴の中から聞こえてくる声は、何故か先程までロコンの足形はわかったのに何故かリオルの足形はわからないようだった


 *「どうした!?見張り番!・・・。ん?見張り番!?見張り番の ディグダ!どうしたんだ!? 応答せよ!」


 ディグダ「んーと・・・エート・・・んー?わからないよ このあしがた。見たことないもん」


 *「わからないだと!?足のウラの 形を見て どのポケモンか 見分けるのが・・・。ディグダ。オマエの 仕事だろう?」


 ディグダ「でも このあしがたは ホントに みたことないよー・・・」


 ディグダがわからないと連呼する。当然である。何故ならば



 ロコン「リ リオル・・・?。なんで 逆立ちしてるの?」


 リオル「んーー?足裏で わかるなら 手形でも わかるのかなーって。」


 ロコンの言った通り、リオルは器用にバランスを取りながら房を逆さに垂らして、ピンと足を伸ばしたまま逆立ちのまま格子の上に乗っていた


 *「お前に わからない足型は ないだろう!よく見てみろ!」

 
 ディグダ「んー・・・んー・・・。ごめん、ホントにわからない」


 ディグダに足形をよく見ろと言うポケモンに対してディグダは、わかる筈もないリオルの手形を見続けて本当にお手上げ状態になった


 *「おい!!よく見たのか!!?」


 ディグダ「見たよー!でも わからないもん!」


 リオル「(やっぱり わからないみたい。そろそろ やめてあげよう)」


 リオルはそろそろ可哀そうだと思い、左足を先に下ろし次に右足を下ろすと逆立ちを止めて普通に立ったままに格子の上に乗った


 ディグダ「エート・・・足型はぁ・・・あれ・・・?足型が 変わったような・・・。でも これは・・・。多分 リオル!多分 リオル!」


 *「何だ!多分って!? それじゃあ わからないのと 一緒じゃないかっ!」


 ディクダは突然足形の形が変わったのに違和感を覚えたが、何となくリオルの足形だと思い、もう一匹のポケモンに報告した


 しかし、たぶんと言ったのが仇となって怒涛の返事が返ってきた


 ディグダ「だ だってぇー・・・。この辺じゃ 見かけない 足型 なんだもん・・・。」


 *「あーもう 情けないな!」


 ディグダ「そんなこと 言われてもぅ・・・。わからないものは わからないよー」


 

 ロコン「・・・。なんか 揉めてるのかな・・・。」


 リオル「ちょっと やり過ぎちゃったかな・・・。」


 ロコンとリオルはディクダともう一匹の揉め事を聞きながら、待ち惚けを喰らっていた


 *「・・・・待たせたな」


 少しすると、ポケモンの声が聞こえた


 *「まあ・・・確かに リオルは ここらじゃ 見かけないが・・・でも 怪しい者では なさそうだな・・・。よし!いいだろう!入れ!」


 ポケモンの声が終わったと同時に、檻の様な扉が鉄と鉄が擦り合う音を立てながら上に上がっていき、テントの入り口が開いた


 リオル「わっ!?」  ロコン「ひゃー!」


 リオルとロコンは扉が開いたのに驚き、飛び跳ねた


 ロコン「緊張してるせいか いちいちビックリだよ。でも 入れる様に なったみたいで よかったね。まだドキドキしてるけど・・・。」


 リオル「そうだね。入ってみよう」


 リオルは木の絡子から降りて、入り口に入っていくとロコンもリオルに付いて行った


 ロコン「!。こ こんなところに 地下の 入口が!!」


リオル「これを 降りるみたいだね」


 入り口に入ると、そこには梯子の様な螺旋状の階段があった。リオルとロコンはそれを使って下りて行った


 ロコン「わぁ~!」


 リオル「おぉ~・・・。」


 螺旋階段を下りていくと、広く床は芝生になっていて地下とは思えない程とても明るい空間が目に映った。そこには沢山のポケモン達が集まって、楽しげに話していた


 リオルとロコンは芝生の上を歩いて、キョロキョロと見渡しながら空間の中央より少し下がった所で立ち止まった


 ロコン「ここが プクリンのギルドなのね!ポケモンたちが たくさん いるけど みんな 探検隊 なのかなあ。」


 *「おい!」


 リオルがケムッソとオオスバメが楽しげに話している奇妙な光景にポカンとしながら見ていると、誰かがリオルとロコンに呼びかけた


 二匹は声がした方向を見ると、螺旋階段の横にあったもう一つ地下に降りる為の螺旋階段から一匹のポケモンが近づいてきた


 *「さっき 入ってきたのは オマエたちだな?」


 ロコン「は はい!」


 ペラップ「ワタシは ペラップ♪ここらでは 一番の 情報通であり・・・プクリン親方の 一の子分だ♪

      勧誘や アンケートなら お断りだよ。さあ 帰った帰った。」


 口うるさそうな高飛車な言動が目立つ、ペラップは羽をバサバサと払いながらリオルとロコンを追い返そうとした


 ロコン「ち 違うよ!そんなことで 来たんじゃないよ。ワタシたち 探検隊に なりたくて・・・ここで 探検隊の 修行を するために 来たのよ。」


 リオル「そうだよ」


 ロコンは自分達は探検隊になるために修行に来たと説明し、リオルはペラップの態度が気に入らなかったのか腕を組みながらムスッと眉間に皺を寄せた


 ペラップ「えっ!?た 探検隊!?」


 ペラップは二匹の来た目的に驚いた。そして少し困った顔をしながら二人に顔を見せないように後ろを向いた


 ペラップ「今時 珍しいコだよ。このギルドに 弟子入り したいとは・・・。あんな 厳しい 修行は もう とても 耐えられないと言って・・・


     脱走するポケモンも 後を 絶たない言うのに・・・。」


 リオル「え・・・」


 ロコン「ねえ。探検隊の 修行って そんなに 厳しいの?」


 ペラップ「はっ!?」


 ペラップの独り言が聞こえたのか、リオルは左目の瞼を下に歪ませ、口の端も斜めに上げて犬歯を出しながら物凄く嫌そう表情になり、ロコンは修行が厳しいのかどうかを聞いた


 ペラップ「いやいやいやいやいやいや!!そ そんな ことないよ!」


 ペラップは慌てながら翼をバサバサを羽ばたかせ、ピョンピョンと飛び跳ねながら否定した 


 ペラップ「探検隊の 修行は とーっても 楽ちん!そっかー♪探検隊に なりたいなら 早く 言ってくれなきゃー♪フッフッフッフ♪」


 リオル「・・・」


 ロコン「・・・何か 急に 態度が 変わったね・・・。」


 リオル「うん・・・(とんでもない 所に 来たみたいだ)」


 突然態度の口調と態度が変わったペラップを見て、ロコンとリオルはヒソヒソと小声で呟いた


 ペラップ「じゃ さっそく チームを 登録するから 付いてきてね♪」

 
 ペラップは嘘か本当かわからない明るくリオルとロコンに言うと、螺旋階段に向かった


 リオル「ロコン 引き返すなら 今の内だよ?このブラック企業 みたいなところから 出るの」


 ロコン「そ それはやだよ!勇気を出して やっと入れたのに!」


 リオル「そうだけど・・・。」


 リオルは明らかにここは怪しすぎると思い、引き返そうとロコンに提案したが、ロコンは初めてリオルの言葉を拒否した


 ペラップ「何 してんの?こっちだよ♪さあ 早く♪」


 ペラップは付いてこない二匹に呼びかけた。リオルとロコンは数秒顔を見合わせて、ロコンは目からキラキラと光りを放ち、リオルはそれを浴びてついに心が折れた様で


 ペラップの後に付いて行った。ロコンはふふんとちょっと得意気に笑ってリオルの後を追った


 -地下2階- 


 螺旋階段を下りると、一番下の地下に着いたようで螺旋階段はそこで止まっていた


 ペラップ「ここは ギルドの ちか2かい。おもに でしたちが はたらく ばしょだ。チームの とうろくは こっちだよ。さあ」


 ペラップは二匹を案内して、すぐ左にある扉の前に立った


 その時ロコンが何かを見るけて走った。その先にはあったのは、ただの窓だった


 ロコン「わあ!ここ 地下2階 なのに 外が 見えるよ!」


 ペラップ「いちいち 燥ぐんじゃ ないよ!このギルドは ガケの上に 立っている。だから 外も 見えるんだよ!」


 ペラップはロコンに注意をして、ギルドが崖の上に立っている事を説明した


 ロコン「へえ~っ。」


 リオン「(それって 何だか怖いなあ。土砂崩れとか あったら どうするん だろう)」


 ペラップ「さあ ここが プクリン親方の お部屋だ。くれぐれも・・・くれぐれも 粗相が ないようにな。」


 リオル「(そんなに 恐い ポケモン なのか・・・?。)」


 ペラップが何か意味深気な言葉を言ったのに、リオルは肩に付いていた砂を払った。ペラップは一息ついて、扉に向かい直った
 


 ペラップ「親方様。ペラップです♪入ります。」


 ペラップは丁寧な口調でそう言うと、両開きの扉を開けた。ペラップは入れとリオルとロコンに言うと、リオルは息を大きく吸って勢いよく息を吐いて入って行き


 ロコンも戸惑いながらもリオルの後を付いて行った


 
 ペラップ「親方様。こちらが 今度 新しく 弟子入りを 希望している 者たちです。」


 ペラップは後ろを向いて立っているプクリンにリオルとロコンを紹介した。しかし、プクリンは微動だにせず後ろを向いたままだった

 
 ペラップ「親方様・・・。・・・親方様?・・・。」


 ペラップは反応しないプクリンを何度も呼んだ。リオルは眉を顰めてプクリンの背中を見続けた


 プクリン「やあっ!!」


 突然プクリンが振り向いて、大声を出したのにロコンはビックリして飛び跳ね、リオルは少し肩をビクつかせた


 プクリン「ボク プクリン!ここのギルドの 親方だよ?探検隊に なりたいんだって?」


 ロコン「は はい!」


 リオル「う うん」


 プクリン「じゃ 一緒に がんばろうね!とりあえず 探検隊の チーム名を 登録しなくちゃ。キミ達の チームの名前を 教えてくれる?」


 ロコン「ええ? チームの名前?」


 リオル「どうしたの?」


 ロコン「チームの 名前なんて 考えて なかったよ。リオル。何か いい名前 ある?」


 リオル「え?・・・う~ん・・・」


 リオルは一瞬戸惑ったが、腕を組んで考え始めた。少し唸ってから、何か思い出したのかロコンの顔を見た。しかし、すこし顔を下に向けて逸らして

 
 小さく呟いた。


 リオル「・・・かぜ・・・」


 ロコン「えっ?なに・・・?。」


 リオルはポツリと何か呟いたのだが、ロコンは上手く聞き取れなかった


 リオル「「はるかぜ」・・・って どうかな?」


 リオルは少し恥ずかしがりながら、後頭部を掻きロコンに考えたチーム名を言った。


 ロコン「・・・「はるかぜ」!?はるかぜ!!」


 リオン「う うん・・・。おかしいかな?」


 リオルはロコンが自分が考えたチーム名を聞いて、何か不満があるのかと心配になったが


 しかし、リオルの心配に反してロコンは首を横に振って目を輝かせた


 ロコン「全然!うん!良い名前だね!気に入ったよ!」


 リオル「そ そっか!よかったあ・・・。」


 リオルは照れて頭を掻き、嬉しさを表しているのかしっぽを振っている


 プクリン「決まりだね!じゃあ はるかぜで 登録するよ。登録♪ 登録♪みんな 登録・・・」


 プクリンはおまじないの様に呟いた後


 プクリン「たあ――――――――――――っ!!」


 高く飛び跳ねて、叫んだ。一瞬部屋の中がフラッシュしたような感覚を覚えた


 プクリン「おめでとう!これで キミたちも 今日から 探検隊だよ!」


 ロコン「ホ ホントですか!あ ありがとうございます!」


 リオル「(あれで とうろくなんだ・・・。)」


 プクリン「記念に これを あげるよ」


 プクリンはポケモン探検隊キットをリオルとロコンの前に置いた


 ロコン「ポケモン探検隊キット?」


 プクリン「うん。探検隊に 必要な物 なんだよ。早く 中を 開けてみて」


 プクリンに言われたようにロコンはポケモン探検隊キットを開けてみた


 その中には、白くて丸い羽が生えているようなバッジ「たんけんたいバッジ」、くるくるに巻かれ紐で結ばれ広がらない様にされている「ふしぎなちず」


 しっかりとした革で作られた新品の「トレジャーバッグ」が入っていた


 ロコン「わあ~!いろいろ 入ってる!!」


 リオル「うん。これは 何だろう?」


 リオルは「たんけんたいバッジ」を手に取ると、プクリンは説明をしてくれた


 プクリン「まず 「たんけんたいバッジ」。探検隊の 証だよ。そして 「ふしぎなちず」。とても便利な 地図なんだよ。


      最後に「トレジャーバッグ」。ダンジョンで 拾った 道具を 取っておけるんだよ。


      また キミたちの これからの 活躍によって バッグの中身も どんどん 大きくなっていくと言う・・・とても ふしぎなバッグなんだよ♪」


 リオル「(・・・それって ただ ブカブカになるから なんじゃないのかな?)」


 プクリン「トレジャーバッグの 中を 見てごらん」


 ロコンはトレジャーバッグを開けて中を覗いてみた。リオルもつられて中を覗いた


 その中には「みずいろスカーフ」と「ピンクリボン」が入っていた


 プクリン「その2つの 道具は 特別な物。キミたちの 探検に きっと 役立つと 思うよ♪」


 ロコン「あ ありがとう!ワタシたち これから がんばります!」


 ロコンは嬉しそうにプクリンにお礼を言い、リオルも躊躇しながらも頭を下げた


 プクリン「うん。でも まだ 見習い だから がんばって 修行してね!」


 ロコン「はい!」


 ロコンが返事してリオルも頷くと、プクリンは嬉しそうにニコニコと笑っていた


 ロコン「リオル!がんばろうね!!」


 リオル「う うん!」


 ロコンの言葉に、リオルは握り拳を作って頷いた



 ペラップ「ここが オマエたちの 部屋だよ♪」


 ペラップはリオルとロコンをこれから修行をするために生活する部屋に案内した


 ロコン「ワ~イ!ベッドだあ!」


 リオル「(あ ベッドは 二つあるんだ・・・。よかった・・・、。)」


 リオルはベッドが二つあることにちょっとだけホッとしていた。何故なら今リオルはニンゲンではなくポケモンになっている。


 なので雌のロコンを無意識に異性として見ているからベッドが一つだけと言う事になったら、どうしようかと思っていたからである。

 
 そんな気遣いをロコンは気付くはずも無く、ベッドの上に飛び乗って喜んでいる


 ペラップ「これから オマエたちには 住み込みで 働いてもらう。明日から 忙しいぞ♪早起き しなきゃならんし 規則も 厳しい。


     夜更かし しないで 今日は もう 早めに 寝るんだぞ♪じゃあな。」


 ペラップは諸注意を言って、出入り口のドアを開け部屋から出て行った


 ロコン「はぁ~ リオルも 寝てみなよ。すっごく ふかふかで 気持ちいいよ」


 リオル「うん。わかった」


 リオルはベッドに寝転んでいるロコンの誘いに乗って、隣のベッドにゆっくりと座った


 リオル「(ああ 何だろ・・・すごく 安心する。ポケモンに なってるから 落ち着くのかなぁ・・・。)」


 ロコン「ねっ?気持ちいいでしょ?」


 リオル「うん・・・落ち着くよ」

俺もいるぜ


 ロコン「あっ そうだ!リオル プクリンから 貰った これ」


 ロコンは肩に掛けてるトレジャーバッグから「みずいろスカーフ」と「ピンクリボン」を取り出した


 ロコン「せっかくだから 着けてみようよ・・・あれ?」


 その時、ロコンはトレジャーバックの蓋を閉めようとした時、バッグの底にある何かを見つけた


 リオル「どうしたの?」


 ロコン「これ・・・。もう1枚 スカーフが 入ってた!」


 そう言ってロコンが取り出したのは、ふかみどりバンダナだった


 リオル「あれ? どうして 3枚も 入ってるん だろう・・・?」


 ロコン「ん~・・・・。きっと プクリンが 言い忘れてたんだよ」


 リオル「なるほど そうかも しれないね。」


 ロコン「うん。これは 仕舞っておいて この どちらかにしよう」


 リオル「じゃあ ボクは」


 ロコン「ワタシは 「みずいろスカーフ」がいいな!」


 リオル「え・・・。(ロコンは 女の子だから 「ピンクリボン」を 選ぶと 思ってた・・・)」


 ロコン「あっ リオルが先に 決めていいよ。これからは リオルが リーダーだから」


 リオル「あっ・・・。う うん・・・じゃあ これで」


 リオルは震える手で一瞬「みずいろスカーフ」に手を伸ばしたが、ピクッと手が止まり「ピンクリボン」をガッと鷲掴みした


 ロコン「あっ じゃあ ワタシは 「みずいろスカーフだね!」


 リオル「う うん・・・。」

  
 リオルは苦笑いをした後、重く溜息をついて、今更交換しようと言いにくくなったので「ピンクリボン」を首に巻いた


 リオル「・・・(ピンクか・・・。まぁ ロコンが 水色がいいみたいだし 仕方ないか)」


 リオル「(それに 深緑色は あまり 似合わないと思うしね・・・。)」


 リオルはロコンを見ると、前足でスカーフを巻くのが難しいのか巻くのに苦戦していた


 リオル「やってあげるよ ロコン」


 ロコン「あっ ありがとう リオル」


 リオルはロコンからスカーフを受け取り、後ろに立って首の前にスカーフを回し、項部分で結ぼうとしたのだが今度はリオルも巻くのに苦戦し始めた。


 リオルの手は3本指なので元々ニンゲンだったリオルは通常では5本指を使って、巻くので3本指で巻くのが難しいようだ


 若干焦ってリオルは前屈みになりながら結ぼうとした。その時ふと、スンと匂いを嗅ぐと甘い香りがした


 リオル「(あれ・・・。何か 甘い香りが・・・)」


 リオルは何の匂いだろうと前を向くと、ロコンから香ってきたのがわかった。虫ポケモンが好みそうな花の香りがして、少しお日様の香りもする何とも不思議な匂いだが


 リオルにとって初めて香ったので、少しの間、惚けていた


 ロコン「?。どうしたの?」


 リオル「!。あ ううん! 何でもない!」


 リオルは突然ロコンが話しかけてきたのに驚き、慌ててスカーフを結んだ


 リオル「はい。結んだよ」


 ロコン「ありがとう リオル」
 

 

 そして、時間が過ぎて完全に夜になり、月照らしている優しい光が窓から差し込む


 リオルは仰向けになり自分の腕で腕枕をして、ロコンはしっぽを抱き枕にしてそれぞれ自分のベッドに寝転んでした


 ロコン「・・・。・・・・。・・・ねえ リオル。まだ 起きてる?」


 リオル「うん(色々 考える事が 多過ぎて 寝れないよ・・・)」


 ロコンは薄眼を開けながらリオルに話しかけると、リオルはまだ目を開けたまま天井を見つめて考え事をしていた


 ロコン「ワタシ 今日はもう ずっと ドキドキだったけど・・・でも 思い切って ここに来て よかったよ。プクリンも もっと コワイかと 

  
     思ったけど 案外 優しそうだったしさ・・・。」


 リオル「そうだね。ペラップが くれぐれも って言うから どんな ポケモン なのかな ってちょっと焦ったよ」


 リオルは初めてプクリンを見た時、拍子抜けしたのに少しおかしくなってふふっと吹いた


 ロコン「あはは・・・。明日から また 色んな事が ありそうだけど でも ワタシ そんなに 怖くない。逆に これから どんな 

     冒険が あるんだろうって ワクワクしてるんだよ」


 リオル「・・・そっか」


 リオルはロコンが少しだけ、自信を持てたのに嬉しさを感じて微笑んだ。


 ロコン「・・・少し 眠くなっちゃった・・・。明日から がんばろうね。じゃあね。リオル・・・。」


 リオル「うん。おやすみ」


 ロコン「おやすみなさい・・・。」


 ロコンはそう言い残して、寝息を立てながら眠りについた


 リオルはロコンが寝たのを確認し、微笑んでから再び天井を見つめた


 リオル「・・・・・。(何か あっと言う間に ギルドに 入門 しちゃったな・・・。確かに ロコンと 一緒にいるのも 楽しそうだけど・・・。


     でも・・・それより・・・ボクは 一体・・・何者 何だろ・・・。


     大体 どうして ボクは ポケモンに なっちゃったんだろ。それに 何で あの 浜辺で 寝てたんだろ・・・。)」

    
 リオル「・・・・・・ふあぁ~(ボクも眠たくなっちゃった。まあ 今 考えても 仕方ないし・・・とりあえずは ギルドの仕事を 頑張ろう・・・。


     そうすれば・・・きっと 何か見えてくる・・・真実も・・・そのうち・・・きっと・・・」


 段々と意識が薄れていき、リオルはロコンと共に眠りについた。


 

 -???-

 「はぁっ・・・はぁっ・・・」


 ホーホーが大きなオレンジ色の目を開けて、その名の通りほーほーっと鳴く声が聞こえる暗い森の中で一匹のポケモンが彷徨っていた。


 体は傷だらけで、息も切れ切れになりながらも痛む腕を押さえながら飛行タイプであるはずなのに羽を使わず、この森から出ようと必死に慣れない足取りで歩いている。


 しかし、とうに体力は尽きてしまっているらしく少し休もうとヤシの木に背中を預けて座り込む。やっと一息つけると、顔を上に上げて左の足を伸ばした


 しかし、その矢先草陰からガサガサっと音がしそのポケモンはバッと腕を草陰に向ける


 デルビル「グルルル・・・」


 草陰から現れたのは黒い体に骨の様なモノが頭、手首と足首、背中にあるデルビルだった。かなり凶暴そうなポケモンで、そのポケモンを威嚇している


 「・・・」


 デルビル「グルァアアッ!!!」


 デルビルはポケモンにもう突進して襲いかかった。ポケモンの目が月の光でキラリと光る

 
 その刹那、森に悲鳴に似た鳴き声がホーホーの鳴き声よりも、大きく響き渡った

一旦ここまでにして、I'll be back

>>35 >>36 ありがとうございます!


ちなみにロコンの「みずいろスカーフ」と「ふかみどりスカーフ」はオリジナルのものです。


ただ、空の探検隊をやってた方はご存知かな?あの、辞典ぐらいぶ厚い攻略本をw
その本の表紙と8ページに、主人公のポケモンが載っているページでロコンが緑色と水色の両方のスカーフを着けていたので、わかる方はそれだと思っていただければ幸いです。


 次の朝、と言うよりもまだ星が点々と見えるぐらいの群青色の空が広がっている早朝。リオルは薄く目を開いた。

 
 オレンジ色の目を半目にしてまだ寝惚けている様で、見覚えのない天井を見てどこだろうと思い、少しだけ重い上半身を起こした


 リオル「・・・・。あっ そっか ボクは・・・」


 リオルは隣で寝ているロコンを見てすぐに、ポケモンになった事を思い出して自分の手と顔を触ると、改めて夢ではなかったと認めた


 リオル「・・・まだ 太陽も 出てないや・・・。」


 ベッドから降りて、窓に近づき外を見た。まだ太陽は出る気配はせず、少し肌寒いシーンと静まり返った時間帯に起きた様だった


 リオルは完全に目が覚めたので自分の両手の指を絡ませてくぅっと声を出しながら背筋を伸ばしす


 はぁっと独特の快感を味わって満足気に溜息をつくと、ロコンが目を覚まさないように静かに歩いてドアをゆっくりと開けた


 リオル「・・・よしっ。」


 先にリオルは部屋から出て、最後にロコンが起きてないか確認して静かにドアを閉めた


 地中を円筒状に掘った通路を進んで行く途中、大きな鼾が聞こえた。リオルは耳を使って鼾が聞こえてくる左側をみると、リオルとロコンの部屋と同じ様なドアがあり、そこから聞こえていた


 リオル「・・・。大きな 鼾 だなあ」


 リオルはドアを見たまま呟き、通路を進んで行った。そして昨日ペラップが教えてくれた地下2階の広場に出た


 まだ誰も起きていないのか、不気味な程静まり返っていた。


 リオル「・・・何だ 早く 起きちゃったみたいだな。」


 リオルはもう一度寝ようかなと考えたが、もう冴えてしまったので寝ることは出来ないと判断した。


 リオル「・・・!。そうだ。」


 リオルは突然何かを思い出した様に、螺旋階段の方に向かい上って行った


 地下1階に着くと、ふとリオルは階段に足を乗せた瞬間ある事を思い出した


 リオル「そういえば・・・。扉が 開いてないかも しれない・・・。」


 リオルは足を一回降ろして、うーんと口に手を当てながら呻った後、一応上がってみようと思い螺旋階段を上った


 
 そして、螺旋階段を上り終えると、偶然にも扉は開いていた


 リオル「あっ 何だ 開いてたんだ」


 リオルは開いていた事に微笑みながらホッとして、テントの入り口から出て行った


 リオル「・・・。(ここに 来れば 何か手がかりがあるのかと 思ったけど・・・。やっぱり 何も無いや・・・。)」


 リオルは自分がロコンと初めて出会った海岸に来ていた。海の向こうから太陽が顔を出そうとしているのか、水平線に沿ってオレンジ色の光が砂浜を照らしている。


 波の音だけが聞こえる海岸で、一匹佇むリオルは朝日を眺めた。段々と太陽が出てきて辺りが明るくなり始めた


 リオル「・・・ん?。」


 その時、何か光が目に当たってるに気付き横を向いた。太陽の光で反射され何かが光っていた


 リオル「何だろう・・・。」


 リオルは光っている何かに、それは近づいてみると砂の中に埋まっているのがわかった


 リオルは膝を砂浜に付いて膝立ちになり、手で埋まっている何かを掘り始める。


 すると、砂の中に埋まって光っていた何かの全貌が、明らかになってリオルは目を見開いた


 リオル「こ これって・・・。」


 リオルは掘って空いた穴に手を突っ込んで埋まっていたモノを引っこ抜いた。そして、出てきた物は


 リオル「帽子とゴーグル・・・だよね。飛行士 とかが着ける・・・。」


 それは茶色い革で内側はフワフワとした綿で作られた飛行士用の帽子と黒い縁のゴーグルだった


 リオルは太腿に帽子とゴーグルを叩きつけながら砂を落として、中々落ちない砂はどうしようかと考えるとあっと声を出して突然走り出した


 
 リオルは真っ直ぐ行くとプクリンのギルドがあり、右と左にも道がある十字路の交差点で、屋根の下に中心に水が貯まる様に掘られた岩が置いてある


 水飲み場で、水を手に掬って、付着した砂を落としていた


 一通り砂を落とすと、水を振るい払った。水は冷えていたので手が少し悴んだが、そんな事は気にせずに、帽子とゴーグルを見た


 リオル「・・・名前とか 書いて ないのかな?」


 リオルは帽子とゴーグルの至る所を見てみたが、何も書かれてはいなかった


 リオル「無いのか・・・。まぁ これが 人間の物と 決まったわけじゃ ないしね。ポケモンの 物かも しれないし。とりあえず 持っておこう」


 そう言うとリオルは帽子を自分の頭に被った。まだ乾いていないので頭が冷たく感じたがすぐに慣れて、ゴーグルも付けた。


 帽子とゴーグルは奇跡的にリオルの頭にフィットしていた。リオルは水が貯まっている岩を覗きこんだ。


 リオル「・・・。似合ってる かも。ボクにピッタリだし」


 リオルは手に顎を乗せて、目をキリッとさせ恰好を付けた


 リオル「・・・。何て してる場合 じゃないや。ギルドに 戻ろう」


 リオルは自分でやって恥ずかしくなったのか照れ笑いをしてギルドに続く道を歩いて行った


 やがてすっかり朝になり、世界は明るい太陽の光に包まれた。


 リオルがギルドに戻ろうとしている、その頃、ロコンはまだスヤスヤと自分のしっぽを食べ物だと思い込んでいるのか、甘噛みしながら寝ていた


 その時、誰かがドアを開けて、ズカズカと入ってきた


 *「おいっ!!おおおっぃっっっっっ!!起きろおおおおおおお――――!!!朝だぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー!!!」


 その大地を揺るがすような大声は、部屋の中に響きロコンの鼓膜に衝突して脳内にまで響いた


 ロコン「ひゃぅぅ!?な、何・・・!?」


 ロコンは驚いて飛び起き、パニックになりながら周りをキョロキョロと見渡した


 *「いつまで 寝てンだよ――――っ!!早く 起きろ―――――っ!!」

 
 ロコン「くひぃ~~~~!み 耳がぁ・・・。」


 ロコンはまたもやポケモンの大声を耳に直で聞いてしまい、頭がクラクラし始めて足元が覚束なくなってきた


 ドゴーム「寝惚けてンじゃね――――!俺は ドゴーム。弟子の 一匹だ。急げ!集合時間に 遅れると とんでもない事になるぞ!


      もしも プクリン親方を 怒らせて・・・その 逆鱗に 触れた日にゃ・・・」


 ドゴームは普通に話しても大声のままでロコンにプクリンが怒ると、どうなるかを話し始めた


 ドゴーム「あの 親方の・・・たあ――――――――――――――っ!!・・・をくらった日にゃ・・・。ああ 考えただけでも 恐ろしい・・・」


 ドゴームはプクリンが怒った時、何が起こったのかわからないが体をブルブルと震わせた


 ドゴーム「とにか―――くっ!お前が 遅れたせいで こっちまで とばっちり喰うのは ゴメンだからな!早く 支度 しろよな!!」


 そう言うとドゴームは急いでドアを開けて部屋から出て行った


 ロコン「うう・・・まだ 耳が キーンとする・・・。何か 支度とか 言ってた様な 気が・・・。えっ!」


 ロコンはクラクラしながら頭の中でドゴームの言っていた事を整理しながら、今までの事を思い出した


 ロコン「あっ そっか。ワタシ プクリンのギルドに 弟子入り したのよね。ん?と言う事は・・・」


 ロコンは昨日の出来事を振り返りながら、一つ一つを思い出していき、一筋の汗を流した


 ロコン「わー 寝坊だよ!急ごう! リオル・・・って あれ!? 居ない!?」


 ロコンは隣に寝ていると思っていた筈のリオルが居ないのにパニックになりそうになったが、多分先に行ったのだろうと思い、急いでトレジャーバックを肩に掛けて部屋を飛び出した。


 ロコンは通路を走って、広場に出ると弟子のポケモン達が綺麗に横2列に並んで集まっていた


 ドゴーム「遅いぞ! 新入り!!」


 ペラップ「お黙り!お前の 声は 相変わらず うるさい!!」


 ドゴームはロコンに注意をすると、声が大きすぎて逆にペラップに怒られてしまった


 ドゴーム「う―――・・・。」


 ドゴームはペラップに怒られて拗ねたのか口を噤んだ。ペラップは弟子のポケモン達が集まっているか見渡して、確認した


 ペラップ「全員 集まった ようだな」


 ロコン「あ あれ?リオルが いないんだけど・・・。」


 ロコンはポケモン達の中にリオルが居ないのに気付いて、ペラップに焦りながら教えた


 リオル「呼んだ?」


 すると螺旋階段を下りてきたリオルがキョトンとしながら、ペラップの前を通りロコンに近寄った


 ロコン「あっ リオル~ どこに 行ってたの?心配 したんだから」


 リオル「ごめんごめん。ちょっとね」


 ロコンは居なかったリオルが現れたのに頬を膨らませた。リオルは苦笑いをしながらロコンに謝った


 横に整列するため、前列の一番右端にリオルは並んでロコンはその後ろに並んだ


 ロコン「・・・(リオルの 頭に 着けてるの 何だろう?)」


 ロコンはリオルが頭に着けている帽子とゴーグルを興味津々に見ていると、ペラップが咳払いをした


 ペラップ「では 改めて これで 全員 集まった。よろしい♪では これから 朝礼を 行う。」


 ペラップ「親方様ー♪全員 揃いました♪」


 プクリンが居る部屋のドアに向かってペラップが呼ぶと、ドアが開いてプクリンが出てきた


 ペラップ「それでは 親方様ー♪一言 お願いします。」


 プクリン「・・・・ぐうぐう・・・ぐうぐう・・・ぐーう ぐうぐう・・・・。」


 リオル「(・・・。えっ?)」


 *「ヒソヒソ(プクリンおやかたって 相変わらず すごいよな・・・。)」


 *「ザワザワ・・・。(ああ。ホントそうだよな・・・。)」  


 *「ヒソヒソ・・・。(ああやって 朝は 起きてるように 見えて・・・。)」


 *「ザワザワ・・・。(実は 目を 開けながら 寝てるんだもんな・・・。)」


 リオル「(す すごい・・・。)」


 リオル「(何も 言ってない ようにしか 見えなかった けど・・・。)」


 リオルは心の中でそう思って、口には出さず目を閉じて言わないでおこうと決めた


 ペラップ「さあ みんな♪おやかたさまの 忠告を 肝に 銘じるんだよ♪最後に♪朝の 誓いの言葉!はじめッ♪」


 ペラップの合図と同時に弟子のポケモン達が誓いの言葉を大きな声で言い始めた


 リオルとロコンは何の事はわからないので、黙って誓いの言葉を聞き始めた


 みんな「せえ~~のっ!ひとーつ!仕事は 絶対 サボらなーい!」


 みんな「ふたーつ!脱走したら お仕置きだ!」


 リオル「(え・・・?。)」


 みんな「みっつー!みんな 笑顔で 明るいギルド!」


 リオル「(・・・。やっぱり やめとけば よかったかな・・・。)」


 ペラップ「さあ みんなっ♪仕事に かかるよ♪」


 みんな「おお――――――っ!!」


 弟子のポケモン達はペラップの声掛けに返事をして、それぞれの仕事場に向かった


 リオルとロコンはポツンとその場に立ったまま、どうしていいか困り始めた


 ロコン「ワタシ達は・・・どうしたら いいのかな?・・・。」


 リオル「ペラップ ボク達は どうすれば いいの?」


 ロコンの質問にリオルは素っ気なくペラップに聞けばいいと思い、ペラップを呼びかけた


 ペラップ「ああ オマエ達は こっちだ♪」

 
 ペラップは先に螺旋階段を上って行き、リオルとロコンは顔を見合わせた後にペラップの後を追いかけた


 
 ペラップは地下1階に出ると、入ってすぐ右にある何か書かれている紙が貼られてあるボードの様な物の前に立ち、リオルとロコンは立っているペラップの前に立った


 ペラップ「オマエ達は 初心者だからね。まずは この 仕事を やってもらうよ♪これは 掲示板。各地の ポケモン達の 依頼が ここに 集まってるんだ。」


 ペラップはリオルとロコンに何をしてもらうかを説明し始めた


 ペラップ「最近 悪いポケモンが 増えてるのは 知っているよな?」


 ロコン「うん。何でも 時が 狂い始めた 影響で・・・悪いポケモン達も 増えてるんでしょ?」


 リオル「(時が 狂い始めてる?時って 時間か?それが おかしくなって 悪いポケモンが増えてる・・・。一体 どういうこと?)」


 ペラップ「その通り。時の 影響で 悪いポケモンが わんさか 増えてるせいか・・・この 掲示板も 最近 特に 依頼が 増えているんだ。


      まだ・・・これも 時の 影響なのか どうかは わからないが・・・


      最近 各地に 広がって 来てるのが・・・不思議のダンジョンだ。」


 リオル「不思議の・・・ダンジョン?」


 ロコン「リオル。昨日 ワタシ達で いせきのかけらを 取り返したよね?あそこも 不思議のダンジョンだったのよ。不思議のダンジョンは 入る度に 地形が 変わるし 落ちている 道具も変わる。


    途中で 倒れると お金が 半分 無くなるし・・・道具も 半分ぐらい 無くなることが あったりして・・・


    ダンジョンの 外に 戻されると言う・・・ホント 不思議な場所 なんだけど・・・でも!行く度に いつも 新しい 発見が あるから・・・探検するには 本当に 魅力的な 場所なのよ!」


 リオル「そ そっか」


 ロコンはリオルに目を輝かせて、不思議のダンジョンについて説明するとペラップは嬉しそうにしていた


 ペラップ「何だ!よく 知ってるじゃないか♪それなら 話が 早い♪依頼の場所は 全て 不思議のダンジョンだからな。さて・・・では どの 依頼を やってもらおうかな♪」


 ペラップは掲示板に張られている依頼を見ながら、リオルとロコンが出来そうな依頼を選んだ


 ペラップ「うん♪これが いいかな?」


 ペラップは一枚の依頼を選んで、リオルとロコンの前に置いた


 ロコン「え~何々?・・・」


 「はじめまして。ワタシ バネブーと 申します。ある日 ワタシの 大事な真珠が 盗まれてたんです!


  真珠は ワタシにとって 命。頭の上に 真珠が ないと ワタシ 落ち着かなくて もう できません!


  そんな時!ワタシの 真珠が 見つかったとの 情報が!どうやら 岩場に 捨てられた らしいんですが・・・


  その 岩場は とても 危険な所らしく・・・ワタシ 怖くて そんな所 いけませ―――ん!


  ですので おねがい。誰か 岩場に 行って 真珠を 取って来て くれないでしょうか?


  探検隊の 皆さん おねがいします!     
                       バネブーより」


 と、依頼にはそう書かれていた


 ロコン「・・・って これ・・・ただ 落し物を 拾ってくるだけじゃない!?」


 ロコンは探検隊なら探検隊らしく冒険の様なものをするのかと思いきや、全く別の事をやるのに青筋を立てて怒った

 
 リオル「まあまあ ロコン。落ち着きなよ」


 ロコン「リ リオル・・・。だって ワタシは もっと 冒険したんだよ!お宝お 探したり 知らない場所を 冒険したり とかさあ・・・。」


 ロコンはブツブツと愚痴を呟くように言うと、リオルはそれが少し気に入らなかったのか眉間に皺を寄せた


 リオル「わがまま 言わない!」


 ロコン「ひゃっ・・・」 


 リオルがピシャリとロコンに怒ると、ロコンは驚いて飛び上がった


 リオル「ボク達は まだ弟子入りした ばかりだろう? それに・・・。・・・」


 ロコン「・・・。そ それに 何・・・?。」


 リオルは俯いたまま黙り込んでしまい、ロコンは心配になって顔を覗き込むように見つめた


 リオル「・・・。ボクは ワンクッション 何かを 挟んでから ロコンと 色んな所を 冒険したいな」


 ロコン「!。・・・。そ そっか。ごめんね リオルの 事も 考えないと いけなかったね・・・。」


 リオル「ううん わかってくれて ありがとう」

 
 ロコンは少し申し訳なさそうに謝ると、リオルは優しく頭を撫でて微笑んだ


 ペラップ「さあ 話は済んだら 早く 仕事に 取りかかってくれ♪」



 十字路の交差点でロコンが気になっていたことを口にした


 ロコン「ねぇ リオル。今朝から ずっと気に なってたんだけど・・・。」

 
 リオル「ん? 何?」


 ロコン「頭に 乗ってる それは?」


 リオル「・・・え? 知らないの?」


 ロコン「うん。見たことも 無いよ?」


 リオル「(じゃあ・・・。・・・これは・・・!)」


 ロコン「何かに 使う物なの?」


 リオル「ま まあ そうだよ・・・。ゴーグルと 帽子って 言って 目と頭を 守るんだ」


 ロコン「へぇ そうなんだ。でも どこで 手に入れたの?」


 リオル「海岸で。ギルドの ポケモン達が 集合したとき ボクが いなかったよね?  あの時に 拾ったんだ」


 ロコン「そっかあ。でも 誰かの物じゃないの?」


 リオル「そうかも しれないね。でも これは ニンゲンが 使う物だから・・・」


 ロコン「えぇ!?ニ ニンゲンが 使う物なの!?」

 
 リオル「うん。もしかしたら・・・。ニンゲンだった ボクの 物なのかも・・・」


 ロコン「そ それに 何か 手掛かりが あるの?」


 リオル「ううん 何も。 でも 無いよりは マシって 思ってね」


 リオルは帽子に触れた。その時


 リオル「・・・っ。・・・えっ」


 リオルは一瞬だけ足が止まり、手で目を押さえた


 ロコン「?。どうかしたの?」


 リオル「・・・あっ ううん?何でも ないよ ちょっとクラッと しただけ」


 ロコン「え?大丈夫?」


 リオル「うん。大丈夫だから 行こう」


 ロコン「う うん・・・。(リオル・・・?)」


  
 しばらくして、リオルとロコンは真珠の落し物があると言われる岩場に到着した


 ロコン「ここが 岩場の 入り口ね。バネブーの 依頼だと 真珠は ここのB7Fに あるって 事だけど・・・とても 危険な 場所らしいから 気を付けて行こうね。」


 リオル「うん」


 ロコン「リオル!がんばろうね!」

 
 リオル「うん!」


 リオルとロコンは頷き合って、岩場の入り口にへと入って行った

今日はここまで

 岩場の最初のフロアに入るとすぐに階段が見つかり、次のフロアに向かった。


 階段で移動して次のフロアに出ると、少し広いぐらいの空間に出た。入り口が1つしかないので、その通路を進んで行き
通路を進み続けて、また少し広いぐらいの空間に出た。


リオル「また 入口が 1つしか ないね」


 ロコン「そうだね。でも 分かれ道 より 安心ね」


 リオル「そうだね」


 リオルとロコンは、また1つしかない入り口に入っていった


 通路を真っ直ぐ進んで出口から出ると広い空間に出て、そこに階段があった

 
 その階段に向かおうとした時、遠くに居るので姿は見えないが動物的・・・もといポケモン的感覚なのか、二匹が接近して来るのがわかった


 リオル「マズイ。行こう!」


 ロコン「うん!」


 リオルとロコンは慌てずに階段に向かい、次のフロアに向かった




 次のフロアに出た途端、アノプスが現れた


 アノプス「ノプスァー!」


 リオル「一旦 引き付けてから 技を出すよ」


 ロコン「う うん!」


 リオルの指示にロコンは近付いてくるアノプスに怯えながらも近付いてくるのを待った。そしてアノプスがすぐ目の前まで近づいて来た


 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
 こうかは いまひとつのようだ・・・
 アノプスに8ダメージ!

 ロコンは「ひのこ」をくりだした!
 アノプスに18ダメージ!
 アノプスをたおした!


 アノプス「ノプスァ~・・・」


 リオル「ふぅ・・・。ボクの「でんこうせっか」では 効果は あまりない みたいだね」


 リオルは目を回して倒れたアノプスを見ながら、自分の技が余り効かないことがわかり、少々苦い顔になった


 ロコン「相性を 考えながら 技を 繰り出せばいいと 思うよ」

 
 リオル「そうだね。行こう」


 リオルは背後にある入り口に入っていき通路を進んで行った

そして、通路の出口から出ると、広い空間に出てすぐに階段を見つけた

 
 リオル「あった」


 リオルは階段に向かおうとした時に階段の近くに何か落ちているのを見つけて、階段で次のフロアに移動するのを後回しにしてその落ちている何かを拾った


リオル「これは・・・リンゴ?。おっきいね」

 
 リオルが拾い上げたのは両手でないと持てないほどのリンゴだった


 ロコン「おおきなリンゴだよ。それを お腹が 空いて 倒れそうになる 前に 食べると お腹一杯になるんだよ」


 リオル「へえ~。ロコン トレジャーバッグに 入れて」


 ロコン「うん」


 リオルはロコンにおおきなリンゴを渡して、階段に戻ろうとした時リリーラが現れた


 リリーラ「リリラー!」


 リオル「わっ!・・・効果が あるのか わからないけど・・・。先手必勝!」


 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
 こうかは いまひとつのようだ・・・
 リリーラに9ダメージ!


 リリーラ「リリラー!」


 リオル「(やっぱり 効果ないのか!)」


 一歩近づいてきたリリーラに、リオルはこうげきをした!


 リオル「ヴォッ!」


 リリーラ「リラッ!?」


 リリーラに4ダメージ!
 

 ロコン「『だましうち』!」

 ロコンは「だましうち」をくりだした!
 リリーラに11ダメージ!
 リリーラをたおした!


 リリーラ「リリラ~」


 カラナクシ「カラナー!」


 リリーラを倒した直後カラナクシが出現した


 リオル「また 出てきた・・・。それに 出口から もう1匹 来てる」


 リオルは直後に出現したカラナクシの後ろからも、もう1匹のカラナクシが近づいてきてるのに気づいた  


 ロコン「ど どうしよう!?」


 リオル「ロコン 慌てないで ここは 冷静に 対処しよう」


 ロコン「う うん・・・。すぅ~ はぁ~・・・。」


 ロコンは2匹同時に出現したカラナクシに慌てそうになったが、リオルの言葉に冷静になろうと深呼吸をした

 
 リオル「ロコン! 一番近くの カラナクシを 倒すよ!」


 ロコン「う うん!」

 
 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
 カラナクシに11ダメージ!
 

 カラナクシは「どろあそび」をくりだした!
 「どろあそびじょうたい」になった


  リオル「わっ!・・・せっかく貰った リボンが 汚れるだろ!」
 

 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
 カラナクシに11ダメージ!
 カラナクシをたおした!


 カラナクシ「カラナー!」


 リオル「もう一回!。」


 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
 カラナクシに10ダメージ!


 リオル「ロコン!」
 

 ロコン「任せて!」


 ロコンは「だましうち」をくりだした!
 カラナクシに12ダメージ!
 カラナクシをたおした!


 カラナクシ「カラナ~・・・」


 カラナクシは倒れた拍子に何を落とした。それは小さな種だった


 リオル「これも 食べ物なの?」


 ロコン「あっ!。それは 食べちゃ ダメだよ!」


 リオル「え?」


 ロコン「それは すいみんのタネ と言って 敵に 投げると 少しの間 眠るの。自分が 食べちゃうと 自分が寝ちゃうから 気を付けてね」


 リオル「そうなんだ。危ない 危ない」


 リオルはすいみんのタネを、ロコンに渡して 階段を使って 次のフロアに向かった。


 次のフロアに出ると、空間の端に何か落ちてるのを見つけた


 リオル「これも・・・すいみんのタネ?」


 ロコン「ううん。これは いやしのタネだよ。これを 食べると 悪い状態が 回復するの」


 リオル「へえ~。タネって 色々な 種類が あるんだね」


 リオルは、いやしのタネをロコンに渡して、入口に入って行き、通路を進んで出口を見つけ出てみると、小さな空間に出た。


 すぐ足元にポケが落ちていたのでそれを拾ってロコンに渡し、再び入り口に入って行った

 
 カラナクシ「カラナー!」


 リオル「! もう 驚かないぞ!」


 通路を通っている途中でカラナクシの遭遇し、リオルはカラナクシを睨んで身構える


 リオル「『でんこうせっか』!」


 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!


 カラナクシに14ダメージ!
 カラナクシをたおした!


 カラナクシ「カラナ~・・・」


 リオル「あ あれ・・・?。 一発で 倒せた・・・。」


 リオルは「でんこうせっか」一発で倒せたのに、自分でもビックリして目をパチクリさせた


 ロコン「多分 レベルアップしたからよ!。ワタシ達 ポケモンは レベルを 上げることで 強くなるの」


 リオル「なるほど・・・」


 リオルはロコンの言った事に納得して、通路を進み始めた。曲がり角を曲がって、真っ直ぐ続く通路を進んで行くと広い空間に出てそこに階段があった。


 その階段の近くにまた、何か落ちていた。それは、ボトルの様な物で中に液体が入っていた


 リオル「これは 何? 飲み物?」


 リオルはボトルの様な物の蓋部分を持って、中に入っている液体を揺らして音を立てた


 ロコン「それは ピーピマックス。技には 限度があって PPが無くなると 技を 繰り出せなくなるの。だから それを 飲むと PPが 回復するのよ」


 リオル「わあ~。 便利な 道具だね」


 リオルはピーピーマックスをロコンに渡して、ロコンはトレジャーバックに入れた。そして 階段を使って次のフロアに向かった

 
 次のフロアに出ると、何かが落ちていた。それは青色の木の実だった


 リオル「あっ。 オレンの実だ」
 

 リオルはオレンの実だと思っい、ロコンに木の実を渡そうとしたが、ロコンは受け取ろうとしたと時、顔を傾げて木の実に鼻を近づけて匂いを嗅いだ。

 
 ロコン「待って リオル。これは オレンの実じゃないよ」


 リオル「え?違うの?」


 ロコン「これは オレソの実。これを 食べると 回復しないで ダメージを 受けちゃうの。お腹は少しだけ 回復するけど」


 リオル「ふう~ん。じゃあ いらないね」


 リオルはオレソの実が使えないと知ると、一度掌でポンポンっと遊び、壁に向けて投げた。オレソの実は固いためか壁に当たっても潰れなかった


 リオル「行こう ロコン」 

 
 ロコン「うん。あっ 待って!」


 ロコンはリオルの指示で入り口に入ろうとした時、何かを見つけたようだった

 
 ロコン「やっぱり!いしのつぶてだ!」


 リオル「それは何なの?」

 
 ロコンが持っているのは小さな石の粒だった。ただ小さいと言ってもニンゲンサイズでは小さいが、小型のポケモンが持てば普通の石ぐらいの大きさだ

 
 ロコン「これは いしのつぶて だよ。これを 敵に 投げて 攻撃するの」

 
 リオル「へぇ。ロコンって 色々と 詳しいね。スゴいよ」


 ロコン「そ そうかな。えへへ」


 リオルは自分は全くわからない道具を全て把握しているロコンを褒めると、頬を赤くして照れ笑いをした


 リオルはいしのつぶて(5)を拾い、ロコンに渡してトレジャーバッグに入れた。
 

 入り口に入っていき、一直線に続く通路を進んだ


 リーシャン「リーシャァー!」


 リオル「おっと」


 通路の出口からリーシャンが現れた。リオルは少し驚いたがすぐに、身構える。


 リオル「『でんこうせっか』!」


 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
リーシャンに14ダメージ!
 

 リーシャン「リーシャァー!」


 リーシャン♂は「まきつく」をくりだした!
リオルはまきつかれた!


 リオル「ぐぁっ!?」


 リオルはまきつかれて動けない!
 6ダメージを受けた!


 リオル「グ、ガァ、ァ・・・!」


ロコン「リ リオル!!」


 リーシャン♂はまきついて動けない!
 リオルはまきつかれて動けない!
 リーシャン♂はまきついて動けない!


 リリーラ「リリラー!」


 アノプス「ノプスァー!」


 リオル「ガッ、マ、マズ、イ・・!」
 

 突如としてリーシャンの後ろから,リリーラとアノプスが現れた。


 リリーラ「リリラー!」


 リオル「~~っ!!」


 リリーラ♂は「からみつく」をくりだした!
 リオルに4ダメージ!
 リオルはどんそくになった!


 ロコン「ど どうしよう・・・。どうしよう どうしよう!」


 ロコンはパニックに陥ってしまい何を知ればいいのか、わからなくなってしまっていた


 アノプス♂はいしのつぶて(5)を拾った
 リーシャンはまきついて動けない!
 

 リリーラ「リリラー!」


 リオル「・・・ぬぁっ!」


 リオルはリリーラのからみつきを何とかかわした。
 リオルは何ともない!
 リオルはまきつかれて動けない!


 リオル「ぐぁぁ・・・!」


 リオルはまきつかれ6ダメージを受けた!
 リーシャンはまきついて動けない!
 

 リリーラ「リリラァァア!!」


 リリーラは「おどろかす」をくりだした!


 リオル「っ!?」


 急所に当たった!
 リオルに8ダメージ!


 リーシャン♂はまきついて動けない!

 
 リリーラ「リリー・・・ラァア!」


 リオル「っく!?」


 リリーラ♂は「おどろかす」をくりだした!
 リオルに5ダメージ!
 リオルはまきつかれ動けない!
 リーシャン♂はまきついて動けない!


 リリーラ「リリラー!」
 

 リオル「っ!」


 リリーラ♂は「からみつき」をくりだした!
 リオルはかわしてダメージはない!


 アノプス「ノプスァー!」

 
 アノプス♂は「かたくなる」をくりだした!
 アノプス♂の防御がちょっと上がった!
 リーシャンはまきついて動けない!
 リリーラ♂は「からみつき」をくりだした! リオルに4ダメージ!


 リーシャン「リーシャァ!」
 

 リオル「ぐはっ!」
 

 リーシャンはリオルを離した。
 リオルは動けるようになった


 ロコン「リ、リオル!」
 

 リオル「くっ・・・そ・・・!」


 ロコンはリオルに近寄って心配そうに見つめた。
 リオルはダメージを受け過ぎて足腰に力が入らない。

 【HP残り2】

 リオル「や、やばい・・・。朦朧としてきた・・・」


 ロコン「!。そうだ これ!」


 ロコンは今にも倒れそうなリオルに何かを差し出した。
 それは青い木の実の、オレンの実だった。


 リオル「あっ うん・・・」


 リオルはオレンの実を受け取って一口かじった。
 すると見る見る内に体の底から力が湧き溢れだしてきて、リオルは残りの実を一口で食べきった。


 リオル「よしッ!」
 リオルは完全に回復した!


 リーシャン「リーシャァー!」


 リーシャン♂の攻撃!
 リオルに2ダメージ!
 

 リリーラ「リリラー!」


 リリーラ♂は「からみつく」をくりだした!
 リオルに3ダメージ!

 リーシャン♂の攻撃!
 リオルに3ダメージ!


 リオル「っ!?な 何で 連続攻撃を するの!?」

 
 ロコン「リ、リオル・・・今 鈍足に なってるよ?」


 リオル「あ」


 リリーラ♂は「からみつく」をくりだした!

 リオルに3ダメージ!


 リオル「っ!」 


 ロコン「だ、大丈夫・・・?」


 リオル「これくらい! 反撃だ! ガブッ!」


 ロコンが何か言う前にリオルは「かみつく」をくりだした!
 急所に当たった!
 効果は抜群だ!

 
 リーシャン「リーシャァ~・・・」


 リオル「どんな もんだ!」


 リーシャン♂に29ダメージ!
 リーシャンを倒した!


 リリーラ「リリラー!」


 リリーラは「からみつく」をくりだした!
 リオルに4ダメージ!

 
 リオル「っ・・・くっ!」


 リオルは「こらえる」をくりだした!
 リオルはこらえている!

  
 リリーラ♂は「おどろかす」をくりだした!
 急所に当たった!
 リオルに7ダメージ!


 リオル「まだまだぁ!」

 
 アノプス♂は「かたくなる」をくりだした! アノプス♂の防御がちょっと上がった!
 リリーラ♂の攻撃!
 リオルにダメージはない!


 アノプス「ノプスァー!」

 
 アノプス♂は「かたくなる」をくりだした!
 アノプス♂の防御がちょっと上がった!


 リオル「ガブッ!」

  
 リリーラ「リ、リリラー!」


 リオルは「かみつく」をくりだした!
 リリーラに14ダメージ!


 リリーラ「リリラァーッ!


 リオル「っ!」


 リリーラの攻撃!
 リオルに1ダメージ!
 

 アノプス「ノプスァー!」

 
 リオル「くっ!?」


 アノプスは「ひっかく」をくりだした!
 リオルに5ダメージ!
 リリーラは「からみつく」をくりだした!
 

 リオル「ぐっ・・・!」


 リオルに3ダメージ!
 アノプスは「かたくなる」をくりだした!
 アノプスの防御がちょっと上がった!


 リオル「くっ はぁ はぁっ!」


 リオルはこらえるのをやめた!
 リオルは普通の速さになった!


 リオル「よしっ!普通の 速さに 戻った!」


 リリーラ「リリラー!」    


 リオル「あ マズイ」


 リオルは「こらえる」をくりだした!
 リオルはこらえている!


 リリーラ「リリラー!」
 

 リリーラの攻撃!
 リオルに1ダメージ!
 

 リオル「うっ・・・。あ 危なかった」
   

 倒れそうだったが何とかこらえた!


 アノプス「ノプスァー!」


 アノプスは「ひっかく」をくりだした!
 リオルに5ダメージ!


 リオル「ぜぇっ、ぜえっ・・・」


 リオルは2連続の技の攻撃で息も途絶え途絶えになりながらも何とかこらえた!


 リオル「ヴォオオオ!!ガブッ!」


 リオルは野獣のような眼になり「かみつく」をくりだした!
 リリーラに14ダメージ!


 リリーラ「リリラ~・・・」


 リリラを倒した!
 

 リオル「よし・・・っ!」


 アノプスは「ひっかく」をくりだした!
 リオルに5ダメージ!


 リオル「うっ・・・ぐっ・・・!」


 リオルは倒れそうだったが何とかこらえた!
 リオルはこらえるのをやめた!


 リオル「ロコン、替わって・・・」


 ロコン「う うん!」


 リオルとロコンはお互いの位置を替えた。
 ロコンが前に出て、リオルは後ろに退き足から崩れるように地面に寝そべった。


 アノプス「ノプスァー!」

 
 アノプスは「かたくなる」をくりだした! 
 アノプスの防御がちょっと上がった!



 ロコン「ロァッ!」


 ロコンは「だましうち」をくりだした!
 アノプスに8ダメージ!


 アノプス「ノプスァー!」


 ロコン「きゃ・・・っ!」


 アノプスは「ひっかく」をくりだした!
 ロコンに6ダメージ!


 ロコン「ま 負けない!ロアァ!」


 ロコンは「だましうち」をくりだした!
 アノプスに8ダメージ!


 アノプス「ノプスァ~・・・」


 アノプスを倒した!
 アノプスは倒れた直後いしのつぶてを落とした。


 ロコン「はぁ はぁ・・・。はっ! リオルー!」
 

 ロコンは最後の一匹であるアノプスを倒し終えると直ぐ様、後ろで息を荒くして横絶えたまま湿った地面に、身を委ねているリオルに駆け寄った。


 リオル「はぁ・・・。はぁ・・・。だ 大丈夫。大丈夫だよ ロコン」
 

 ロコン「ごめんね・・・。ごめんね リオル・・・!」


 リオルは体を横向きから仰向けにして、ロコンの方を向き辛そうにしながらも笑顔でロコンを安心させようとした。
 しかし、ロコンは目から大粒の涙を流し始め、リオルに謝った。


 ロコン「私が 何も 出来なかった ばかりに・・・。」


 ロコンは自分がリオルの後ろに居ながらも、何も出来なかったのを悔やしさ、リオルに深いダメージを負わせてしまった悲しみの両方が入り交じった気持ちになっていた。
 しかし、リオルはそんなロコンを見たまま優しく微笑んだ


 リオル「・・・。仕方ないよ だって まだまだ ボク達は レベルが 低いし それなりの 戦術も技も 持ってないしね」


 ロコン「で でも・・・。」


 リオル「それにさ さっき アノプスを 倒したでしょ?」


 ロコン「倒したよ・・・。倒したけど・・・。たった 一匹だけよ」


 リオル「それでも ボクの 替わりに 倒してくれた。だから・・・。自分を 責めないで ロコン」


 ロコン「リオル・・・。」


 リオル「よし・・・。もう 大丈夫だよ」


 ロコン「え?で でも まだ 回復してないでしょ?」


 リオルは無理矢理、重い鉛の様な体を手で押し上げながら起き上がり、本能的なのか体を細かく震わせて体に付着した水を弾き飛ばした。
 ロコンはまだ回復がままならないリオルを心配そうに見つめるが、リオルは初めてロコンとダンジョンに入って、シェルダーを倒した時と同じ様にジャンプをして笑顔でVサインをした。


 リオル「ねっ?」


 ロコン「・・・。うん わかった。でも 無理はしないでね・・・?」


 リオル「百も承知。行こう」


 ロコン「・・・。うん」


 そう言うとロコンは微笑みながら頷き、出口から出てすぐ目の前にあった階段で次のフロアに移動した。

 
 次のフロアに出ると、広い空間に出た。
 リオルは若干覚束無い足取りで階段から出て目の前の空間の壁に凭れた。
 

 ロコン「大丈夫?リオル・・・。」

 
 リオル「う うん・・・。!。ロコン 危ない!」


 ロコン「えっ?」


 リオル「ヴォオッ!」
 リオルは「でんこうせっか」をくりだした!
 リーシャンに16ダメージ!


 リーシャン「リーシャァー!」


 後ろには不意を突こうとしていたリーシャンがいた。


 ロコン「わっ!?ロァアッ!」


 ロコンは「ひのこ」をくりだした!
 リーシャンに24ダメージ!


 リーシャン「リーシャァ~・・・」


 リーシャンを倒した!


 ロコン「ビ ビックリしたあ~。あ ありがとう リオル・・・。! リ リオル!」


 ロコンは心臓をバクバクと鳴らしながら、リオルの方を向いて礼を言うが リオルを見て焦った声でリオルに駆け寄る。
 リオルは再び体を壁に凭れさせながら、首を上に向けて目を瞑りながら深呼吸をした。


 リオル「どういたしまして。・・・ごめん やっぱり 休ませて」


 ロコン「う うん。そうして」


 リオルは少しでも回復しようと、壁に背中を預けて座り込み深く深呼吸を続ける。そんなリオルをロコンは周りにポケモンが来ないか、見張りながらリオルを守ることにした

ちょっと休憩します。

いやぁ~~>>56から>>61までの激戦マジで焦りました(焦 笑

まさかあんなことが起きようとは予想外でした。いやぁビックらこいた


 リオル「うん ロコン。もう 大丈夫だよ」


 ロコン「ホント?」


 リオルは立ち上がって、尻に付いた汚れを手で払い落として頷く。


 そして通路の入口に入り、真っ直ぐ進んでいく。途中曲がり角があり、そこを曲がった


 リリーラ「リリラァーッ!」

 
 リオル「! リ リリーラ!」


 曲がった先の通路にリリーラが1歩手前におり、リオルは足が止まった。一瞬先ほどのバトルが頭を過り、足が竦みそうになるが歯を食いしばった

 
 リオル「こ 今度は 一匹だけだ!」


 ロコン「リ リオル!」


 リオル「『かみつく』!ガブッ!」

 
 リオルは「かみつく」をくりだした!
 急所にあたった!
 リリーラに25ダメージ!
 

 リリーラ「リリラ~~・・・」


 リリーラをたおした!リリーラが倒れると、いしのつぶてを5個落とした


 リオル「や やった・・・」


 ロコン「む 無理しないでね・・・?」


 リオル「うん。ごめん 大丈夫だよ」


 リオルは心配そうに見つめてくるロコンを安心させようと頭を撫でた。頭のカールになっている毛がもふもふしていて触り心地が良い


 ロコン「そ そっか・・・」

 
 リオル「うん 行こう」


 リオルが歩き始め、その後をロコンは追う。そして通路の出口から出ると少し広い空間に出た。その空間に階段を見つけ、すぐに行こうとした


 しかし、リオルは突然足を止めて鼻を上に向けて匂いを嗅ぎ始めた。その匂いはリンゴとは違う甘い香りを感じ、甘い香りのする方へ歩くと


 赤い物体を見つけた。リオルはそれを拾い上げて、触ってみると弾力がありクニクニとしている


 リオル「これは・・・ 何?」

 
 ロコン「あ そ それは グミ だよ!賢さが 上がるし とっても美味しいんだよ!」


 リオルが見せた物を見たロコンは興奮気味に説明する。リオルはへえ~っとグミを見ていると、ロコンが凄まじい速さでしっぽをブンブンと振っている

 
 加えて涎も垂らしている


 リオル「・・・。もしかして 食べたいの?」


 ロコン「う うん!それ 赤いグミ だから ワタシたち ほのおタイプの 好みなの!」

 
 リオル「そっか・・・。じゃあ あげるよ」

 
 ロコン「あ ありがとう!」


 リオルはロコンにグミを渡そうとした。しかし、途中で手を止めた


 ロコン「え・・・。ど どうしたの?」

 
 リオル「・・・。! こっちに ポケモンが 来てる!」

 
 ロコン「ええ~~~!?」


 リオル「行こう!」


 リオルは出口ともう一つの別の出入り口からポケモンが来ているのに気づき、一度トレジャーバッグにグミを突っ込んで階段に走り出した。


 ロコンも慌ててリオルの後を追い、階段を使って次のフロアに向かった。


 
 次のフロアに出ると、3歩手間にカラナクシが居た。リオルは身構えて、あることを思いついた


 リオル「ロコン いしのつぶてを使ってみよう」


 ロコン「う うん!わかった」


 リオルはロコンにいしのつぶての1個の内1個を受け取った。

 
 リオル「てやあっ!」
 

 そして、カラナクシ目掛けていしのつぶてを投げる。


 カラナクシ「カラナッ!?」

 
 いしのつぶてはカラナクシに向けって飛んでいき、カラナクシに見事命中した。
 カラナクシに10ダメージ!


 カラナクシ「カラナァーッ!」


 カラナクシはリオルの前に、一歩前進した。その時足元に落ちていたタネも拾った


 リオル「(この 距離なら!)『でんこうせっか』!」


 リオルは「でんこうせっか」を繰り出した!
 カラナクシに15ダメージ!」


 カラナクシ「カラナ~~・・・」


 カラナクシを倒した!カラナクシは倒れ、タネを落とした。

  
 リオルはカラナクシが倒れているところに行き、タネを拾い上げた。


 リオル「これは 何のタネ?」


 ロコン「それは ばくれつのタネ。正面の敵に 投げたり自分で食べると タネがばくれつするの」


 リオル「へえ~ 攻撃できる タネなんだ。はい」


 ロコンはリオルからばくれつのタネを受け取り、トレジャーバックに入れた。トレジャーバッグの中はかなりのタネや実が貯まってきた


 リオルは3つの内、目の前の出入り口に入り通路を進んでいった。通路の出口から出ると、狭い空間に出てすぐ足元にオレンの実を見つけて拾い上げ、ロコンに渡した。

 
 すぐ横の出入り口から入り、通路を進む。かなり長い通路だったが、次に出たのは、少し広い空間で階段があった。


 リオル「確か ここはB6Fだよね?」

 
 ロコン「うん。 あっ 次の フロアに バネブーの 真珠が あるのね!」


 リオル「うん 行こう!」

 
 リオルとロコンは階段に向かって走り、階段を使って次のフロアに向かった。


 B7Fに着くと、今までとは違い周りには苔の生えた岩や草が生い茂っており、地面に円形の岩のその奥には段々となっている岩の上に、噴水の様に水が湧き出て


 岩の縁で水が溜まって収まりきらなくなった水が岩の上を流れている


 ロコン「あっ あれは!」


 ロコンは水が湧き出ている岩の前に、光り輝く物を見つけた。急いで近寄ってみると、それは大きな真珠だった


 ロコン「これが きっとバネブーの 真珠よ!早く 持って帰ろう!


 リオル「うん」


 リオルは真珠を拾い上げた。そして、ロコンの説明でたんけんたいバッジを翳すと、リオルとロコンを光の柱が現れ、ギルドに転送した




 ギルドに戻ると、連絡を受けたバネブーが掲示板の前で待っていた。リオルは真珠を渡すと、バネブーは素早く頭の上に真珠を置いた

 
 バネブー「あ ありがとうございます!ワタシ この 頭の上の 真珠が なかったせいで・・・ここ最近 もう 落ち着かなくて・・・


      そこらじゅう ピョンピョン 跳ねまくり!おかげで もう痣だからでしたよ・・・」


 リオル「(黒くて あまり 見えないけど・・・。)」


 バネブー「でも そんな 心肺も今日から なくなります。本当に ありがとうございました!」


 バネブー「これは お礼です。受け取ってください」


 バネブーはリオルの前に立つと、ピーピーマックスに似たボトルを3本と1枚の紙とポケが1000枚入っている袋を渡した


 ロコン「わわっ!2000ポケ!?こ こんな 大金 貰っちゃっても いいの!?」


 リオル「(えっと 仮に1ポケ 1円と考えて・・・。この紙の方は1000ポケでこの袋に入っているポケが1000枚だから・・・。)」


 バネブー「どうぞどうぞ。真珠に比べたら 安いもんですよ。では。」


 ロコンは大金と言って驚き、リオルはこの世界ではどのくらいのポケで大金なのか考えている間バネブーはピョンピョンと上機嫌に螺旋階段を上がっていった


 ロコン「リオル!」


 リオルはボーっとポケについて考えていると、ロコンが大声で呼んできたのでハッと我に返ってロコンを見る


 ロコン「ワタシたち いきなり 大金持ちだよ!」


 リオル「え あ・・・。そ そうなの?」


 ペラップ「オマエ達。よく やったな♪」


 掲示板の前に立っていた、ペラップがリオルとロコンの前に立つ。そしてリオルが持っていた紙と服を器用に羽で持ち上げる


 ペラップ「でも お金は 預かっておこう。」


 ロコン「えっ!?」


 ペラップ「ほとんどは 親方様の 取り分♪お前たちは・・・このぐらいかな♪」


 そう言って二匹に背中を向け、後ろを向いたまま何やらゴソゴソした後振り返って翼を差し出す。それにリオルを掌を出すと、2枚のポケが落ちてきた


 ロコン「ええ~っ!?200ポケしか 貰えないの!?ひどいよー!」


 リオル「(えっと 2000ポケで大金だから 200ポケでは 大金じゃない。つまり えっと その あの おおお~~~!!?)」


 リオルはついに頭の回路がオーバーヒートして、頭からボフンッと煙を出して首をカクンっと落とした
 

 ペラップ「これが ギルドの 仕来りなんだよ。ガマンしな♪」


 ロコン「うう・・・。」


 リオル「(5667227966 1988578279 4848855834 3975187445 4551296563 4434803966 4205579829 3680435220 2770984294 2325330225)」


 ロコンは口を噤んで唸り、リオルは円周率を求めていた。


 地下2階の集合場所でリオルとロコンは座って休んでいた。
 

 ロコン「はあ~あ たった 200ポケ しかもらえなかった・・・」


 リオル「まあ いきなり そんな 大金を 貰っても 使い道が 無かったりしたら 意味がないしね」

 
 ロコン「そ それは・・・。・・・そうだね ワタシ ちょっと はしたなかったかも」


 リオル「そんなこと ないよ。いつか 一人前になって 冒険をすれば 2000ポケなんて 目じゃなくなるかも しれないよ」


 ロコン「あっ・・・。そ そうだね!うん 何だか やる気が 出てきたよ!ありがとう リオル」


 リオル「どうしたしまして」


 ロコンはリオルの言葉を聞いて、やる気が出たのか立ち上がってリオルにお礼を言う。リオルは微笑んで、ロコンと同様立ち上がった


 チリーン「みなさーん!お待たせ しましたー♪」


 その時、鈴の音が鳴り丸い体で風鈴の様な体をしているチリーンが食堂の出入り口から出てきた


 チリーン「食事の 用意が できました♪晩御飯の 時間ですよーーーーー♪」


 チリーンはハキハキとした美声でギルドにいる弟子のポケモンたちに、晩御飯の知らせを大きな声で伝える


 みんな「わあーーーーーーっ!!」


 食堂に集まると、ペラップとプクリン、弟子の7匹のポケモンたちが集まって自分の席に立っていた


 リオルとロコンも空いてある一番端の席に立つと、リオルは帽子とゴーグルを外してロコンが居る隣に置いた


 ペラップ「では みんな♪手を合わせて♪」


 みんな「いただきまーーーーーすっ!!」


 食事が始まると、ポケモンたちは一斉に食べ始める。


 朝、ロコンを起こしに来たドゴームは一気に丸飲みすると思いきや、齧りながら食べる。ただ食べ方が汚いが


 食事の知らせをしたチリーンはお上品に味わって食べていた。


 リオルは自分の前に置かれた皿に乗ってあるリンゴを手に取って一口齧る。

 
 甘酸っぱい味が口いっぱいに広がり、顔が綻ぶ。ロコンも前足をテーブルに乗せて2本の後ろ足で立ちながら器用にリンゴを食べた。
 

 *「ごちそうさんまーー!すごくおいしかったなあ!」


 *「お腹が膨れたら 眠くなったヘイ・・・。」


 *「じゃあ みんな 寝るか。おやすみー!」


 *「おやすみでゲスー!」


 晩御飯を食べ終えたポケモンたちは食堂から出ると、各自の分担された部屋に向かった


 リオルとロコンも食べ終えて、自分たちの部屋に戻ろうとした。しかし、途中リオルが何かに気付いた


 リオル「あっ、 帽子とゴーグル!ごめん ロコン。先に戻ってて?」


 ロコン「うん わかった」


 リオルは自分の頭に付けていた帽子とゴーグルが無いことに気づくと、ロコンに先に部屋に戻るよう言い踵を返して食堂に向かった


 食堂に来ると、チリーンが1匹で弟子のポケモンたちが食べ終わった皿を洗っていた


 チリーンは1枚の皿を洗い終わっている皿の上に乗せ、一息つくと後ろに立っていたリオルの存在に気付く。


 チリーン「あら 確か・・・。新入りの 方でしたね?」


 リオル「う うん。リオルだよ えっと・・・」


 チリーン「ワタシは チリーンです。何か 御用ですか?」


 リオル「えっと・・・。あっ」


 リオルはチリーンの質問に答える前に、自分の席に置いてあった帽子とゴーグルを見つけ、自分の席に行くと帽子とゴーグルを持った
 

 リオル「忘れ物を 取りに来たんだよ」


 チリーン「あっ それは リオルさんの 物だったんですか」


 リオル「うん・・・。(本当は 自分の物か わからないけど・・・。)」

  
 リオルはこの帽子とゴーグルが本当に自分の物なのかはわからないが、とりあえず何か手掛かりになると思い持っているのだ


 チリーン「ワタシが 洗い物をする 時に 見かけたんです」


 リオル「そっか。あっ 洗い物の 途中で ごめんね?」


 リオルはチリーンは洗い物の途中だったことに気づき、謝るとチリーンは優しく微笑んだ


 チリーン「いえ。忘れ物 あって よかったですね」


 リオル「うん。じゃあ おやすみ」


 チリーン「はい おやすみなさい」


 その後、リオルはロコンの待つ部屋に行きポケについて話した。
 

 どうやらリオルが考えていた通り、1ポケはニンゲンで言うと1円と言うことになると言う。


 そしてダンジョンで歩き疲れた疲労が睡魔となって遅い、二匹は就寝することにした。
 

 ロコン「ねえ リオル・・・。今日は 色々あって 忙しかったね」


 リオル「うん。ボクは 本当に 危なかったよね」


 それぞれのベッドでロコンはしっぽを抱き枕にし、リオルは仰向けで頭の後ろで両手を合わせて寝転んでいた。


 ロコン「うっ・・・。ご ごめん・・・」


 リオル「あっ。ロコンを 悪く言ってるんじゃ ないよ?気にしないで?」


 ロコン「う うん・・・。でも 初めての 仕事が うまくいって よかったよ。プクリンの ところにお金 ほとんど 持っていかれちゃったのは

     悔しかったけど・・・でも これも 修行だから 仕方ないし・・・何より バネブーに 感謝されたのが ワタシ すごく 嬉しかったよ」


 リオル「うん・・・。ボクも 嬉しかったよ」


 リオルの頭に心の底から嬉しそうにしているバネブーの顔が浮かび、自分自身も嬉しくなった


 ロコン「ふあぁぁ・・・。ワタシ 寝むく なっちゃった。ワタシ もう寝るよ」


 リオル「うん・・・。ボクも 寝るよ」


 ロコン「また 明日 がんばろうね。おやすみ リオル」


 リオル「おやすみ ロコン・・・。」


 リオルとロコンは静かに寝息を立てて、眠りについた。

一時ここまで。

すみません。一時と言っていたんですが、今日はここまでです。

昨日日記見ていたら、自分の小学1年から中学2年生の夢は、現実でポケモンが欲しいことでした(笑。恥ずかしながら、実は今でも願ってます


 ドゴーム「起きろおおおおおおーーーー!!朝だぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーー!!」


 リオルとロコンの部屋にドゴームの爆音の様な大声が響き、ギルド全体が揺れる。ドゴームはリオルとロコンを起こしに来ただけの様で直ぐ様集合場所に向かった


 ロコン「・・・・うううっ・・・。おはよう・・・・リオル・・・。」


 昨日の朝も同じ様に起こされたロコンは頭に響くドゴームの声を受けて、クラクラと起きた。しかし、その一方でリオルはと言うと


 リオル「・・・・ん?朝・・・?」


 ロコン「え・・・。」


 リオルは少し遅れて起きた。耳はとても敏感なリオルはドゴームの声ですぐに目覚めそうな筈なのに・・・
 


 リオルとロコンは支度を済ませて、集合場所に行き、弟子のポケモンたちと朝の誓いの言葉を始めた。


 みんな「みっつー!みんな 元気で 明るい ギルド!」


 リオルとロコンは弟子のポケモンたちに負けないくらいの声で、朝の誓いを言い終わる。


 ペラップ「さあ みんなっ♪仕事に かかるよ♪」


 みんな「おおーーーーーっ!!」


 昨日と同じく、弟子のポケモン達はペラップの声掛けに返事をして、それぞれの仕事場に向かった


 リオルとロコンも昨日と同じく、ポツンとその場に立ったまま、どうしていいか困り始める


 ロコン「今日は ワタシたち どうしたら いいのかな?・・・」


 リオル「んー・・・。ペラップ ボクたちは今日も 昨日と同じ様にするの?」


 ペラップ「ん?ああ お前たちか。こっちに 来なさい」


 リオルの質問にペラップは二匹について来いと言い、螺旋階段を上がり2階へ上がった。それにリオルとロコンは後を付いて行く


 2階へ上がると、ペラップは掲示板のある右へ行かず左へ行った。

 
 ロコン「あれ?この前は 確かあっちの 掲示板の 仕事をしたような・・・。」


 リオル「うん そうだったよね・・・」 


 リオルとロコンは不思議そうに昨日見た右側の掲示板を見ながら、不思議そうに今、目の間にある掲示板を見た。


 ペラップ「そうだ♪今日は こっちの 仕事をやってもらうよ♪」

 
 ロコン「あっちの 掲示板とは どう 違うの?」


 ペラップ「よく 見るのだ♪」

 
 ペラップは二匹に見易い様に横に一歩ずれて、リオルとロコンに見せた。二匹は掲示板に近づいて、張られてある紙を見た


 ロコン「あっ!リオル 見てよ!色んな ポケモンの 絵が 張ってある!」

 
 リオル「ホントだ・・・。(横に あるのは 文字 なのかな・・・?わからないや・・・)」 


 ロコン「みんな カッコイイなあ!有名な 探検家 なのかな。ねえ ペラップ。彼らは 何なの?」


 リオル「もしかして 悪いポケモンとか?」


 ロコンが質問すると、リオルは冗談のつもりでペラップに言った。


 ペラップ「おお 中々 冴えてるな リオル。そうだ ここにあるのは・・・全員 お尋ね者だ」


 リオル「え・・・。」


 リオルは開いた口が塞がらなくなり、ポカンとした。ロコンもペラップの言葉に今さっきまでキラキラと輝いていたポケモンの絵が急に暗く見えた


 ペラップ「皆 ワルい事を して 指名手配 されてる ヤツらだ。」


 ロコン「ええっ!!お おたずねもの~~~~~~っ!?」


 リオル「そ それって もしかして 時が 狂い始めた 影響で 出てきたポケモンなの・・・?。」


 ペラップ「いや それは違う。時が 狂い始めて 影響を 受けた ポケモンたちとは違う。こいつらは 知性を持っていて 野生的ではない。

  
      でも 時折 いるんだなあ これが」


 リオル「つまり・・・。時が 狂い始めた 影響で 出てきた ポケモンでは ないってこと?」


 ペラップ「そう。それゆえ 彼らには賞金が 賭けられてる。だから 捕まえれば お金が 貰えるんだけど・・・


     でも 凶悪なポケモンが 多いからねえ・・・皆 手を 焼いてるんだよ」

 
 ロコン「それを ワタシたちが 捕まえろっていうの?そんなの 絶対 無理だよう!」


 リオル「ボ ボクも ちょっと・・・。」

 
 ロコンは必死に拒否して、リオルも少し怖いのかロコンと同じように言った。しかし、ペラップはそんな二匹を見て、笑い始めた


 ペラップ「ハハハハハッ♪ジョーダンだよ♪ジョーダン♪」


 リオル・ロコン「え?」


 ペラップ「ワルいポケモンって 言っても 色々 いるからね♪世紀の 極悪ポケモンも いれば・・・ちょっとした コソ泥も 居るって感じで


      ほんとピンキリだよ♪


      極悪ポケモンを 捕まえてこいなんて オマエたちに 頼めるわけないじゃないか♪ハハハハハハッ♪」


 ペラップは腹を抱えて笑う。ロコンは安堵のため息を深く吐き、リオルはペラップの言ったことに少し不満があったのか膨れっ面になっている


 ペラップ「まあ この 中から 弱そうなヤツを 選んで 懲らしめてくれ♪」


 ロコン「ううっ・・・でも 弱いと言っても・・・ワルいポケモンには 変わりないんだよね?そんなヤツと 戦うなんて・・・


     ワタシ 恐いよう・・・」


 ペラップ「これも 修行の内だよ。何とかしな♪・・・と 言っても 戦うには それなりの 準備が必要だよね・・・。誰か 施設を 案内 させるか。」


 そう言うとペラップは螺旋階段に向かって大声で、誰かを呼ぶ


 ペラップ「おーい!ビッパ!ビッパ!?」


 「はいーーっ!」


 ペラップに呼ばれた一匹のポケモンが螺旋階段を上がって、ペラップの前に来た


 ビッパ「はあはあはあはあ・・・。お呼びでしょうか―!」


 丸々とした茶色い体に大きく突き出した前歯が特徴のビッパと言うポケモンだった


 ペラップ「おおビッパ♪コイツらの ことは もう知ってるよな♪最近入った 新入りだ。広場に コイツらを 案内してやってくれ♪」

 
 ビッパ「はいーーっ!了解でゲス!!」


 ペラップ「コイツは ビッパ。弟子の 一匹だ。ビッパの 言う事をちゃんと 聞いて 行動するんだぞ。じゃあな♪」


 そう言うとペラップはビッパとリオルとロコンを残して、螺旋階段を下りてった。その矢先、突然ビッパの体が震え、目に涙を溜め始めた


 ビッパ「・・・ううっ。嬉しいでゲス・・・。」


 ロコン「ど・・・どうしたの?。」


 リオル「どこか 痛いの?」


 突然泣き出したビッパに、リオルとロコンは驚いて心配になる。しかし、ビッパを後ろを振り返って首を横に振る


 ビッパ「後輩が できたんで 感動してるんでゲス・・・うううっ・・・。キミたちが ここに 来る前は自分が 一番の 新入りだったでゲスよ・・・。ぐすんっ・・・。」


 ビッパ「じゃあ 案内するでゲス。ついてくるでゲスよ。」


 ビッパは首を振って涙を止めると、二匹に付いてくるように言う。リオルとロコンはビッパについていき、下の階に降りた


 ビッパ「え~と まず・・・。ここはグレッグルがいるんでゲスが・・・。実は 何やってるのか あっしにも ナゾなんでゲスよ・・・。」

 
 視線の先には、濃い青色の体に腹巻を巻いたカエルの様な姿をしたグレッグルが何かゴソゴソとしていた


 ビッパ「何か 後ろのツボを いつも弄ってるみたいなんでゲスが・・・よく わかんないですゲス」


 ビッパ「じゃ 次は ギルドの 外を案内するでゲスね」


 ビッパ再び振り返って螺旋階段を上り、それに続いてリオルとロコンもついていく。一番上まで行くとギルドの出入り口であるテントから出て、交差点に続く道を歩いて行った。

一旦ここまで

ポケダン空とは懐かしい
当時のチュンソフトは良いゲーム沢山あったなぁ

スパイクチュンソフト?知らない子だな

>>80 
ですね。わかります

マグナゲートと∞迷宮では空腹システムがクリア後で特定ダンジョンじゃないとできない事で緊迫感を欠けらせてしまった事と一番嫌だなぁって思ったのは、性格診断が無いことでした
まぁ時代が時代でしょうかね・・・でも性格診断だけは本当に残してほしかった。ツタージャは新しく女の子専用で「いじっぱり」としてほしかった


次、出るなら、空があるんですから、ルビーとサファイアをリメイクしたみたいに、「青」と「赤」の救助隊のリメイク版みたいな感じで

「大地の救助隊」「海の救助隊」みたいな感じなのが希望ですね!もちろん、性格診断と空腹システム込みで


 交差点を左に行き、少し歩いてポケモンたちがたくさん集まっている広場に着いた。
 ビッパは広場の中央に石が埋め込まれた所で、立ち止まってリオルとロコンに説明し始めた。

 
 ビッパ「ここが ポケモンたちの 広場・・・トレジャータウンでゲス。」


 ロコン「ああ トレジャータウンのこと なら ワタシも 知ってるよ」


 ロコンは後ろを振り返って、左後ろにある灰色の幽霊の体をして、ドクロの様な顔をしたヨマワルがいる建物を見た。


 ロコン「まず あそこが ヨマワルぎんこう。お金を 預けられるよ」


 リオル「(ニャースとかじゃ ないんだ・・・。)」


 次に再び前を振り返って、少し奥にある店を見た。


 ロコン「そして あそこが エレキブル連結店。技の 連結が できるんだけど・・・今日はエレキブルはいないみたいね・・・」


 リオル「うん。そうだね」


 エレキブルの顔をした店には誰もおらず、カウンターらしき所に何か板が置かれている。

 
 ロコン「それで 向こうにあるのが カクレオンのお店。道具を 売ったり 買ったり するんだよ」


 ロコン「最後にガルーラおばさんの倉庫。あそこに 道具を 預ければ 無くならないよ。」


 橋を越えて、その先に二つの建物が見える。一つは二匹のカクレオンが居て、その奥にはガルーラが居る。
 

 ロコン「だいたい こんな 感じかな。」


 ビッパ「中々 詳しいでゲスね。それなら 安心でゲス。」


 ビッパはロコンの説明を聞いて感心し、安心したように笑った。ロコンは照れ笑いをして、頭を掻く。


 ビッパ「じゃ 一通り 準備ができたら あっしに 声掛けるでゲス。そしたら お尋ね者を 選ぶの あっしも 手伝うでゲスよ。」


 ロコン「ありがとう。ビッパって 優しいんだね」


 リオル「ありがとう ビッパ」


 ビッパ「そ そんな・・・。照れるでゲスよ・・・。ぽ・・・//」


 ロコンとリオルは親切に教えてくれるビッパにお礼を言うと、ビッパは頬っぺたを赤らめて照れる。


 ビッパ「じゃ あっしは ギルドの地下1階で 待ってるゲスよ。」


 リオル「うん わかった」


 ビッパは軽い足取りでスキップをしながら、ギルドに戻っていった。


 ロコン「じゃあ 行こうか。」


 リオル「どうするの ロコン?これから。」


 ロコンはどこかへ行こうと思ったのか、ピョンっとリオルの前に立つ。
 それを見てリオルは首を傾げて、ロコンに聞く。


 ロコン「ワタシ どんな 道具が あるのか見たいから・・・カクレオンの お店に 行ってみたいよ。」


 リオル「あの 橋を 渡ってすぐ目の前の お店だよね?。」


 リオルは、橋の向こうに建ててある、少し遠くて小さく見えるカクレオンのお店を指した。


 ロコン「うん。とりあえず カクレオンの お店に 行ってみようよ。」


 リオル「うん。わかった」


 ロコンとリオルはカクレオンのお店に向かう。
 カクレオンのお店に行く途中、色々な建物が見えた。丸いピンクの建物とその横には石や木などで建てられたものもある。

 
 リオル「あの 二つの 建物は 何だろうね。」


 ロコン「ワタシも よくわからないけど そのうち 開くと思うよ。」


 エレキブル連結店を通りすぎて、小さな橋に差し掛かる。
 リオルは橋を渡るとき、ふと横を向いた。
 橋の下は川が流れており、その流れ行く先は崖となって滝に変わっていくのがわかった。


 リオル「この 川は 海に 通じてるの かな?。」


 ロコン「んー・・・どうなんだろうね。よくわかんないけど。」

 
 橋を渡って、すぐ右横のカクレオンのお店に着いた。
 カウンターには二匹の緑色と紫色のカクレオンが立っており、客が何時でも来るように待ち構えていた。


 リオル「ここが カクレオンのお店?。」


 ロコン「うん そうだよ。こんにちはー!」

  
 カクレオン「いらっしゃ~い♪こちら カクレオン商店です~♪」


 ロコンが元気よく挨拶をすると、カウンターに立っている緑色のの方のカクレオンが威勢よく手を鳴らした。


 リオル「わあ いろいろ あるんだね・・・。」


 カクレオンの後ろに設置されている大きな棚には、武器や木の実、タネとボトルが置かれてあり、値札と説明が書かれてある。


 ロコン「えっと 買い物に 来たんだけど・・・」


 カクレオン「おおっ!それは それは!ささっ ゆっくり ご覧ください~♪」


 カクレオンは少し横に下がって、棚に並べている品をロコンによく見える様にする。さらに並べてある品のリストを置いく。接客はお手の物と言った様だった。


 ロコン「ん~・・・。・・・特に 無いかな・・・。」


 リオル「じゃあ、ギルドに 戻ろうか?」


 ロコンはトレジャーバックの中の手持ちを見ながら置かれている品を見る。どうやら置かれている品はほとんど持っている物なので
 買うことをやめたらしい。それにリオルはギルドに戻ることを提案した。


 ロコン「うん そうだね。カクレオン 今日は 買わなくていいや。また 今度 お願いね」


 カクレオン「ありがとうございました!また おこしくださいませ~♪」


 リオルとロコンは店から離れようと、した時だった。


 「カクレオンさ~ん!」


 橋の向こうから二匹の青色の丸い体をしたポケモンがカクレオンの店に向かってきた。
 それに気づいて、カクレオンは二匹のポケモンに手を振る。


 カクレオン「おお~!マリルちゃんに ルリリちゃん!いらっしゃ~い♪」


 二匹のポケモンは紫色のカクレオンの方のカウンターの前に立ち止まった
 

 ルリリ「すみません。リンゴ ください」


 カクレオン「はいよ!」


 ルリリが言うと、カクレオンは手慣れた手つきで木箱から布製の袋を取り出してルリリに渡した。ルリリはそれをギザギザとした尻尾の先端にある丸い体の一部で受け取る。
 そしてマリルは手に持っていた、ポケを払ってカウンターに置いた。
 

 マリル「ありがとう!カクレオンさん!」


 カクレオン「まいど~!いつも 偉いね~♪」


 マリルとルリリはカクレオンにお辞儀をして、仲良く橋を渡って帰って行った。


 カクレオン「いやね。あの 二匹は兄弟 なんですけど・・・最近 お母さんの具合が 悪いんで 代わりにああやって 買い物 してるんですよ。」


 リオル「(そうなんだ・・・)」


 カクレオンはロコンとリオルに言ってるのかわからないが、カウンターに肘をついて顔を支えたままマリルとルリリを見送る。
 リオルはそれを聞いて、真面目だなあっと心の中で思った。


 カクレオン「いやホント。まだ 幼いのに 偉いですよね~♪」


 マリル「カクレオンさ~ん!」


 カクレオンが肘を上げて姿勢を正していると、マリルとルリリが走って再びカクレオンの店に戻ってきた


 カクレオン「おや!どうした?慌てて 戻ってきて・・・。」


 カクレオンは驚きながら聞くと、ルリリが袋からリンゴを一つ取り出した。


 ルリリ「リンゴが 一つ 多いです!」


 マリル「ボクたち こんなに 多く買ってないです。」


 カクレオン「ああ それは ワタシからのおまえだよ。二匹で 仲良く 分けて 食べるんだよ。」


 マリルとルリリがリングを差し出して返そうとすると、カクレオンは笑顔でやわりとリンゴをルリリに押し返した。
 マリルはそれを聞いて、嬉しそうに笑った


 マリル「ホント!?」


 ルリリ「わーい!ありがとう!カクレオンさん!」


 カクレオン「いやいや。気を付けて 帰るんだよ~♪」


 そうカクレオンが言った束の間、マリルとルリリは帰ろうとしてカクレオンの店から離れて数歩歩いた所でルリリは小石に足を引っかけてしまい転んだ。


 ルリリ「イテッ!」


 転んだ拍子に布袋からリンゴが一つ宙を舞う。それをリオルは片手で受け止め落ちそうになるのを阻止した。


 ルリリ「す すみません。ありがとうございます。」


 リオル「ううん はい。どうぞ」


 リオルはルリリにリンゴを 返した。その時!


 ルリリの尻尾に指が触れた瞬間、リオルの視界が歪み始めて頭に一瞬、痛みに似た感覚が過った。


 リオル「な・・・何?今のは?・・・)」


 その感覚が定期的に頭を過り、リオルは顔を歪ませて目を強張らせると手を目に当てた。


 リオル「(・・・め 眩暈?かな?・・・)」


 リオルはこの感覚を眩暈と思った時、一瞬一筋の閃光が走り目の前がフラッシュした。



 た・・・・たすけてっ!!


 
 次の瞬間、光が閉じる様に消えた。眩暈かと思われた感覚も、嘘の様に消えていた


 リオル「(な・・・なんだ?・・・。い 今・・・確かに 助けを求める 声が・・・。)」


 リオルは辺りで、誰かが困っているのかと思い見渡す。しかし、居るのはロコンとカクレオン、そしてルリリだけだった。


 リオル「(い 今のは・・・キミが 言ったのか・・・?。)」


 ルリリ「・・・・?。」


 声の主が、ルリリの声に似ていたのでリオルはルリリを見つめる。ルリリは見つめるリオルを不思議そうに首を傾げて見つめ返す


 ルリリ「どうかしたんですか?」


 リオル「あ・・・。え えっと・・・。」


 マリル「おーい ルリリ!どうしたんだ。早く 来いよー!」


 ルリリ「うん。今 行くよ!おにいちゃん!」

 
 リオルはルリリに何か聞こうと思ったが、先に橋の向こう側に行っていたマリルに呼ばれルリリはリオルに頭を下げて、マリルの元へ向かった
 マリルはルリリのところへ歩いて戻り、少し赤くなっている額を撫でる。


 マリル「大丈夫か?」


 ルリリ「うん!」


 マリルに撫でられながらルリリ、は元気いっぱいに返事をする。
 それにマリルは微笑んで撫でていた手を離した。赤くなっていたところはいつの間にか消えていた。


 マリル「買い物も 終わったし・・・後は 落し物を 探すだけだ。早く 行こう。」


 ルリリ「うん!お兄ちゃん!」

 
 マリルとルリリは再び橋を渡って行き、楽しそうに話ながら去って行った。  


 ロコン「ウフフ。可愛いね あの二匹・・・。」

 
 リオル「・・・。」 


 ロコンは二匹の背中を見つめながら、微笑む。しかしリオルは嫌悪な表情をしたまま口に手を当てて、マリルとルリリを見ていた。
 その嫌悪な表情をしているリオルにロコンが気づいて、


 ロコン「ん?リオル どうしたの?」


 リオル「ロコン さっき 助けてって言う 声が聞こえなかった?」 


 ロコン「えっ?いや。ワタシ 何も聞こえなかったよ?」


 ロコンは突然のリオルの質問に、不思議に思いながら答える。


 ロコン「ねえ カクレオン。さっき 何か聞こえた?」


 カクレオン「いや。何も・・・。」


 カクレオン「ワタシも 何も聞こえなかったですよ?」


 ロコン「カクレオンたちも聞こえなかったみたい。多分 気のせいだよ。リオル。」


 リオル「・・・(いや。あれは 気のせいじゃない。確かに 聞こえたんだ・・・。あの時の 声・・・)」



 た・・・・たすけてっ!!



 リオル「(あの 声は・・・間違いない。あれは・・・ルリリの 声だ)」


 ロコン「何 ボーっとしてるの。早く行こう!リオル!」


 リオル「・・・うん。」


 リオルは納得しないが現にルリリは何事も・・・転んだりはしたが助けを求めてはいなかったし、既にもうこの場にはいない。
 そう考えれば確かに気のせいだったのかもしれない。だが、どうしても気になって浮かない顔のままロコンの言う通りギルドに向かうことにした

 
 ロコン「あっ。その前に ガルーラおばさんの倉庫に 行こうよ。バネブーから 貰った この タウリンとか ブロムヘキシンとリゾチウムを 預けたいから」
 

 リオル「そっか。わかった」


 ロコンはトレジャーバッグにあった今のところ使い道がないバネブーから貰った物を預けようとリオルに言い、ガルーラの倉庫に足を進めた。
 ガルーラの倉庫はすぐ後ろにあり、全く遠くなかった。

 
 
 「よっ!オマエたちかい?最近 ギルドに 弟子入り したってのは?」



 ガルーラの倉庫に行こうとした時、白い体に薄茶色の2本線がある、額の毛とお尻が赤く手には長い計2本の爪を持ったポケモンが話かけてきた
 

 リオル「あっ う うん。そうだけど・・・?。」


 ヤルキモノ「オレは ヤルキモノ。じっとしてるのが 苦手でよ。いつも やる気 いっぱいなんだ!よろしくな!」


 リオル「う うん。よろしく」


 ヤルキモノは体を動かしながらリオルに言い、手を差し出し握手を求めた。リオルは少し戸惑いながらも、悪いポケモンではないと思い握手をした。
 長い爪は固く、戦闘時にはすごい力を発揮しそうだなと思った。


 ヤルキモノ「じゃなっ。」


 リオル「うん。」


 ヤルキモノは握手をしてもらって満足したらしく、満面の笑顔で手を離して辺りをウロウロしながら体を動かし始めた。


 リオル「良いポケモンだね・・・。」


 ロコン「うん。そこが ガルーラおばさんの 倉庫よ」


 リオルとロコンはカウンターの前に立って、ガルーラに話した。


 ガルーラ「いらっしゃい。ガルーラおばちゃんの 倉庫よ。」


 ロコン「こんにちは!ガルーラおばさん」


 ロコンは前足をカウンターに置いて、笑顔でガルーラに挨拶をした。ガルーラも笑顔でカウンターに肘をつく。


 ガルーラ「おやまあ ロコン じゃない。立派な スカーフを巻いて バッジもつけて・・・。それに 坊やは・・・」


 ロコン「紹介するね。ワタシの パートナーの リオルだよ。」


 リオル「こ こんにちは」


 リオルは少し緊張気味にガルーラに挨拶をした。ガルーラはそんなリオルを見て、微笑ながらうんうんと頷く


 ガルーラ「そっか。ロコンも もう立派な 探検家に なったのね。おばちゃん 嬉しいわ」


 ロコン「そ そんなあ~///まだまだ 新入りで 冒険だって まだだよお~」
 

 ガルーラは目尻に嬉し涙を溜めて、指で拭く。ロコンは苦笑いで言う
 リオルはそんな光景を見て、ほっこりとした気分になり自分も微笑んでいた


 ガルーラ「それで 何か ご用?」


 ロコン「預けたい 道具が あるの」


 ガルーラ「どれを 預けるの?」


 ロコン「えっと これとこれと これだよ。」


 ロコンはトレジャーバックからタウリンとブロムヘキシンとリゾチウムの3本のボトルを取り出して、カウンターに置いた。


 ガルーラ「タウリンと ブロムヘキシンと リゾチウムを 倉庫に 入れるわよ。いい?」


 ロコン「うん!」


 ガルーラ「確かに 預かったわ。おばちゃん 大切に とっとくからね。他に 預ける 物は あるの?」


 ガルーラは後ろにある岩で作られた金庫に入れ、多分ロコンの名前を書いたのだと思われる小さな木の札を嵌め込む穴に差し込んだ。
 

 ロコン「ううん あの 3つだけだよ。ありがとう ガルーラおばさん」


 ガルーラ「そっか。がんばってね ロコン」
 

 ロコン「うん!行こ リオル。」


 リオル「うん。」

 
 ガルーラ「ありがとね またきてね~。」


 ロコンは歩きながら手を振るガルーラに手を振り返してリオルと共にギルドへ向かう。


 ロコン「あの ガルーラおばさんは ワタシが ここに初めて 来た時から お世話になってる ポケモンなんだよ」


 リオル「へえー そうなんだ。優しそうな ポケモンだね。」


 ロコン「うん!お腹が 減って 元気がなくなった時 ワタシに リンゴのスープを 作ってくれたの。あの スープの 味は本当に 美味しかったなあ~」


 ロコンはガルーラとの関係をリオルに話して、過去にガルーラが自分に作ってくれた甘酸っぱくてホッと温まるスープの味を思い出し、涎が垂れる。
 リオルは苦笑いをして、自分の口の端に指を当てロコンに教える。ロコンは最初は何を示しているのかわからなかったが、手を口に当ててハッとして腕で涎を拭き取った。

今日はここまで

青赤の救助隊でガルーラおばちゃんとカクレオン兄弟だけが時闇空の探検隊に残ってくれましたね。あとは皆変わったり、新しいのが入ってきてますよね
ペルシアン銀行のペル姉さん可愛かったなぁ~

流離いの郵便屋さん、ペリッパーさんも逃亡編で逃げる前にくれた手紙で小学生ながら号泣したのを今でも覚えてますw。カッコ良かった


 ロコン「あっ!あれは・・・。」


 リオル「?。・・・あっ」


 橋を渡って、最初に来た広場に向かっている途中、ロコンが誰かを見つけたのか足を止めて声を出した。
 リオルはロコンが見ている視線の中央の広場の隅を見た。


 ルリリ「わ~い!」

 
 マリル「ありがとうございます!」


 「いやいや。お安いご用ですよ」


 そこに居たのはマリルとルリリの二匹と黄色い丸々とした体に像の様な少しだけ垂れ下がった長い鼻が特徴のポケモンが何やら楽しげに話していた。


 ロコン「どうしたの?」


 リオルとロコンは気になって近くにより話しかける。
 それにマリルとルリリ、黄色く鼻の長いポケモンは話をやめる


 ルリリ「あっ!さっきの!」

 
 ルリリは先程リンゴを拾ってくれたリオルの顔を覚えているらしく、笑顔で気づいた。
 そしてマリルは少し悲しい表情をしながら事情を話した


 マリル「ボクたち 前に 大切な落としちゃって・・・それで ずっと探してたんですが・・・中々見つからなくて・・・でも・・・」


 マリル「でも!そしたら このスリープさんが・・・その 落とし物なら どこかで 見たことが あるかも しれないって!」


 マリルはスリープの方を向きながら、明るい声で喜びながら言う。
 スリープは細い目を更に細くしながら微笑んだ


 マリル「それで 一緒に 探してくれるって 言うんです
     ボクたち もう 嬉しくって!



 ロコン「そっかあ!それは よかったねえ!」


 ロコンは喜ぶマリルに自分も嬉しくなったように笑顔になる。リオルも同様らしく微笑んだ


 ルリリ「ありがとう!スリープさん!」


 スリープ「いやいや。キミたちみたいな 幼い子が 困ってるのを 見たら ほっとけないですよ。」


 スリープ「早く 探しにいきましょう!」


 マリル・ルリリ「うん!」


 マリルとルリリは元気よく返事をして、先に交差点の方へ向かおうとした。スリープも二匹の後を追おうと、リオルの前を通る。
 その時スリープの腕がリオルと軽くぶつかった


 スリープ「おっと。これは 失礼」


 スリープはリオルに頭を下げて謝り、マリルとルリリを追いに行こうとした


 その時

 
 リオル「(うっ・・・こ これは・・・。)」


 リオルの視界が歪み始め、マリルとルリリの後を追うスリープの背中が歪む。 
 

 ロコン「スリープって 親切なポケモンだよね。感心しちゃうなあ。世の中 ワルいポケモンが 増えてるって言うのに・・・中々 できないよね。」


 ロコンはスリープの優しさに、感心しながら言っている言葉はリオルの脳内でエコーの様に響き、うまく聞き取れない。
 

 リオル「ま・・・また だ・・・また・・・あの 眩暈だ)」


 リオルがルリリと接触した時に起こった眩暈だと感じた瞬間、一筋の閃光が走り目の前がフラッシュする。




 スリープ≪言う事を 聞かないと・・・痛い目に 遭わせるぞっ!≫
 


 ルリリ≪た・・・たすけてっ!!≫




 光が吸い込まれる様に消え、眩暈も消えた。
 リオルは眩暈が消えると同時に、先ほど脳内で見えた光景に動揺し始めた。


 リオル「(い・・・今のはっ!?)」


 ロコン「落し物 早く見つかると いいよね。」

 
 ロコンはしっぽを振りながらマリル達を見送って、リオルに聞く。しかし、リオルからの返事が来なくて不思議に思い、リオルを見た


 ロコン「ん?どうたの?リオル。」


 リオルはロコンに呼ばれて、ハッと我に返り後ろを振り返る。ロコンはリオルの表情を見て首を傾げた。


 ロコン「そんな 深刻な顔して・・・。」


 リオル「・・・話が あるんだ。」


 ロコン「えっ?」



 ロコン「ええ~~~っ!?さっき 眩暈が 怒って・・・ルリリが スリープに襲われるところを 見たって!!?」


 リオル「うん。だから ルリリを 早く 助けに行こう!」


 ロコンはリオルが見た全ての事を聞かされて、驚愕する。リオルは頷いて、ルリリを助けに行こうと言った


 ロコン「それは 大変だよ!大変だけど・・・うーん。でも・・・リオルのこと 心配してないワケじゃないんだけど・・・やっぱり ワタシ 信じられないよ。」


 リオル「ど どうした!?だって スリープが ルリリを 襲おうとしてたんだよ!?」


 
 リオルはロコンが信じてくれないことに、焦りつつも説得する。しかしロコンは唸りながら、答えた

 
 ロコン「だって スリープは すごく 親切そうなポケモンだったじゃない?」


 リオル「そ それは・・・。」


 確かにスリープは親切そうにマリルとルリリと話していた。どこから見ても悪いことをするポケモンには見えなかったが、リオルは眩暈で見た光景でスリープは実は悪いポケモンだと思ったのだ。

そういや時闇だとちょっとした先輩のビッパだったけど、空で実はジラーチに勝ってたBIPPAさんだと判明したからな(笑)


 ロコン「ワタシ ずっと 3匹が行くの ずっと 見送ってたけど・・・すごく 仲良さそうにしてたよ?」


 リオル「で でも・・・」


 リオルは眩暈のせいで、ロコンが話している時の光景を見れなかったため反論できなかった
 そんなリオルを見て、ロコンは笑顔でリオルに言い聞かせる 


 ロコン「リオルは 多分 疲れてるんじゃ ないかなあ。それで 悪い 夢でも見たのかも しれないよ?」


 リオル「(そう・・・なのかな・・・。悪い 夢だったのかな・・・。)」


 リオルはロコンの言われたことに何となく納得しそうになる、だが首を振ってそれを自らそれを拒否する


 ロコン「それに ワタシたち修行中の 身だから 勝手な事は できないよ。確かに ちょっと気には なるけど・・・。


     でも とにかく今は ギルドの仕事を しなくちゃ。」


 リオル「・・・。じゃあ ロコンは ビッパから 色々聞いてて。ボクは マリル達を 追ってくる!」


 そう言うとリオルはロコンの返事を聞かず、そのまま走ってマリル達を追いかけた。
 1匹ポツンと残されたロコンは、ポカーンとしたままリオルが行くのを見送る。


 ロコン「え・・・。えっ!? リ リオル~~~っ!?」


 ロコンが叫ぶように呼ぶと、リオルが何故か戻ってきた。それにロコンは今度はキョトンと驚いたまま、固まった


 リオル「ごめん 何個か道具 持っていくよ。」


 リオルはロコンの肩に掛けているトレジャーバックを開けて、いしのつぶてを4個ほどといやしのタネを手に取り、走り出した
 再び残されたロコンは声をかける間もなく、どうしていいのか判断が付かずにいた。


 リオルは敏感な嗅覚で、マリル達の臭いを頼りに腕を広げた状態で集中力を上げているのか房を浮かばせながら走る。しかし途中でマリルの臭いだけが消え、ルリリとスリープの臭いを嗅ぎながら、走っていき段々と道が無くなるに連れ固い地面の平地に変わり始めた。
 そして、ある山の岩で出来た入口に辿り着いた。そこにはもうルリリとスリープの姿はなく、この山を登って行ったのだと考えられる。

 
 リオル「(・・・よしっ。ロコンには 悪いけど もしものことが あったら 手遅れになる。だから ゴメン!ロコン!)」


 リオルは心の中でロコンに謝る。そして目印になるように、いしのつぶてを一つ置いて山の入口に入って行った。



 その頃ロコンはトボトボと歩きながら、ギルドに戻っていた。リオルは勝手にどこかへ行き、ビッパに何と言えばいいのか、そんな不安だけが募るばかりだった。

 
 
 「ヘイ!お前 この間 ギルドに 入った 新入りじゃねえか!」



 「あら!ホント! ギルドの 新入りさんじゃない!」


 ロコン「えっ?」


 交差点を曲がろうとした時、二匹の赤い甲羅に大きなはさみを持ったエビの様なポケモンとヒマワリの様な背の高いポケモンがロコンに話しかけてきた。
 ロコンは二匹のポケモンに見覚えがあると思い、思い出そうとするとすぐに頭の中にギルドでの朝の集合の時に見かけたヘイガニとキマワリだと思い出した。

 
 
 ロコン「あっ。ど どうも・・・。」



 ヘイガニ「どうしたんだい 一匹で 歩いて。パートナーの リオルはどうしたんだい?」


 キマワリ「あら そういえば いませんね」


 ヘイガニはロコンとリオルのことをちゃんと知っているらしく、ロコンだけ歩いてることを不思議に思いリオルの事を聞く。それにキマワリも気づいて、キョロキョロと辺りを見渡した。

 
 


 ロコン「え えっと・・・。少し この辺りを 見学したいって 行って今は一緒に居ないの。」
 

 ヘイガニ「そうなのか! 確かに リオルって言やあ この辺りじゃ 見かけないからな。初めて ここに 来たんだろ ヘイヘイ!」

 
 キマワリ「そうかもしれませんわね。」


 ロコンは、なるべくヘイガニとキマワリに気に掛けないようにしてもらうために誤魔化した。
 ヘイガニとキマワリは、ロコンの誤魔化しにうまく乗り信じてくれた。それにロコンはホッとして、肩を撫でおろす。


 ロコン「う うん。ワタシも この間 会って 探検隊に 誘ったから・・・。」


 ヘイガニ「そうなのか!そりゃ 付き合いの良い 奴じゃねえか ヘイヘイ!」


 キマワリ「ところで これから ギルドに 戻るんですの?」


 ロコン「うん。ビッパと ギルドの地下一階の おたずねものポスターの 掲示板の 前で 待ち合わせしてるの。」


 ヘイガニ「そうかい!そいやあ アイツも お前たちが 来たから 先輩になったのかあ。」 


 キマワリ「早いですわねえ。あっ それなら 早く行った方が いいですわね。ごめんなさいね 時間を 取らせてしまって」


 ロコン「う ううん 大丈夫だよ。それじゃあ」


 ヘイガニ「がんばって ワルいポケモンを こらしめろよお~!ヘイヘイ!」

 
 キマワリ「がんばってくださいね~!」


 ヘイガニとキマワリは、ギルドに向かうロコンに手を振って見送り自分たちの仕事に向かう。

 
 ロコンはギルドに着くと螺旋階段を下りて、地下一階に来るとおたずねものポスターの掲示板の前で待っていたビッパに声をかけた


 ビッパ「おっ?準備は 整ったでゲスか?」


 ロコン「う うん・・・。」

 
 ビッパ「そうでゲスか。って あれ?リオルは どうしたで ゲスか?」


 ビッパはヘイガニとキマワリと同じようにリオルがいないことに気付くと、ロコンはまた誤魔化した。


 ロコン「え えっと その・・・は 早く 行きたくて外で待ってるの!だから ちゃんと私が 聞くから ペラップには 言わないんで?お願いっ!」


 ビッパ「そ そうでゲスか。わかったでゲス。それじゃ 一緒に おたずねものを 選ぶでゲス。」


 そういうとビッパはロコンに掲示板の前に来るように言い、ロコンはそれに従ってポスターが貼られている掲示板の前に立つ。


 ビッパ「さてと。この 中から 選ぶでゲスよ。」


 ロコン「ええ~っと・・・ どれを 選べば いいんだろう?・・・。」


 ビッパ「コホン。じゃ ここは先輩として 一つ あっしが選んで あげるでゲス。」


 ロコン「あまろ 怖そうなの選ばないでね!!」


 ビッパ「わかってるでゲスよ。ええと・・・どれに・・・」


 ビッパは掲示板のポスターの中から選ぼうとした時、突然けたたましい警報が鳴り始めた。

今日はここまで。

>>93 そういえばそうですよねw

    でも、あのジラーチはレベル16で結構弱いんですよねw遠征の時のビッパはレベル14ですから・・・それでも強い・・・かな?


 *「情報を 更新します!危ないですので 下がってください!
 
  情報を 更新します!危ないですので 下がってください!」

 警報の次にどこからか危険を促す声が聞こえ、ロコンは焦りながら、ビッパは何食わぬ顔で下がった。


 ロコン「な・・・何?何が起こってるの?」


 ビッパ「ああ これは 情報の入れ替えでゲスよ。」


 ロコン「情報の・・・入れ替え?」


 次の瞬間ポスターが貼られていた掲示板が回転した。回転した掲示板は裏側になり、黒の太い線が斜めに引かれてある。


 ロコン「ひゃあーー!!壁が 回転して 裏側になっちゃったよ?!!」


 ロコン「こ・・・これってどういう事?」


 ロコンは驚きながら、ビッパに聞く。
 ビッパはロコンに聞かれたことを、説明し始めた。


 ビッパ「おたずねものポスターや 掲示板は このように 壁が 回転式に なってるでゲス。

     それで 壁を ひっくり返して いる間に・・・ダクトリオというポケモンが 情報を 書き換えてるんでゲス。」


 ロコン「ダクトリオ?」


 ビッパ「情報を 新しくするのは ダクトリオの 役割でゲス。彼らは トンネルを 掘って ギルドまで 進み・・・

     壁を 回転させて 新しい 情報に 変えるんでゲス。」


 ビッパ「地味だけど とても 重要な 仕事なんでゲス。だから ダクトリオも この仕事に 誇りを 持ってるでゲスよ。」


 ロコン「ふうん。そうなんだ。」


 ロコンが納得すると、その直後に再びアラームが鳴った。


 ダクトリオ「更新 終了!危ないですので 下がってください!

       更新 終了!危ないですので 下がってください!」


 ロコン「あっ 終わったみたいだね。」


 ビッパの説明が終わるのと同じタイミングでダクトリオが新しい情報に更新し終えて、掲示板をひっくり返して新しい情報を掲示した。


 ビッパ「さあ 情報が 新しくなったでゲス。おたずねものも 新しくなったんで 選び直すでゲスよ。」


 ロコン「・・・。」


 ビッパが掲示板のポスターを見ながら、ロコンに言うと、突然ロコンは体を震わせ始めた。
 ビッパはそれに気づいて、ロコンを見る。


 ビッパ「ん?どうしたんでゲスか?急に 震えだして・・・。」

 
 ビッパは地下一階を見渡して、突然のことに慌てながらロコンに聞く。


 ビッパ「ここ 特に 寒いワケでも ないでゲスよ?」


 ロコン「ビ ビッパ・・・一番 左上の・・・ところ・・・」


 ビッパ「んー?」


 ビッパはロコンに言われた左上のポスターを見る。そこに貼られていたポスターの絵には、何とあのスリープが書かれていた!


 ビッパ「この スリープが どうかしたでゲスか?」


 ロコン「アイツ おたずねものだったんだ!」


 ロコン「(リオルが 言った通りだったんだ・・・。早くしないと・・・ルリリが 危ないっ!)」


 ロコンはリオルが言っていたことが、正しかったと後悔しながらも、走り出して急いで螺旋階段を上がる。


 ビッパ「わわっ!?急に どうしたんでゲスか!?どこに行くんでゲスか!?」 

 
 ビッパの声も耳に入らず、ロコンはギルドの入り口のテントから勢いよく飛び出して、交差点に続く階段を下りていく。
 階段を下りて、交差点に差し掛かった所でキョロキョロと誰かを探しているマリルを見つけた。


 ロコン「あっ!マリル!」


 ロコンの声にマリルは気づき、お互い様近づいて、交差点の中央で立ち止まった

 
 ロコン「どうしたの マリル?ルリリやスリープは?」


 マリル「そう!そうなんです!!あの後 三匹で 落とし物を探してたんだけど・・・気がついたら スリープさんが ルリリを どこかに 連れてっちゃって・・・
 

     呼んでも 戻ってこないし・・・それで 不安に なってきちゃって・・・。」


 ロコン「そ それで 二匹はどこへ!?リオルは来なかった!?」


 マリル「リ リオルさんは 見ていません・・・けど 二匹は こっちです!」


 マリルはルリリとスリープが向かったと言う方向へ走り出し、ロコンもマリルの後を追う。


 そして辿り着いた場所は、岩で出来た山の入り口だった。

 
 ロコン「ルリリとスリープは こっちの方に 消えてったんだね?」


 マリル「はい・・・。」


 ロコン「(リオルが 夢の中で 見た スリープとルリリは 山の中のような 場所に居たって 言ってた・・・)」


 ロコン「ん?・・・。あっ!これは・・・!。」


 数歩、歩いたところにロコンはいしのつぶてが置かれておるのに気づいた。
 ロコンは、リオルが先にこの山の中に入っていったのだと判断した。


 ロコン「ワタシ 行ってくる!マリルは ここで待ってて!」


 マリル「は はい!」


 ロコンはそうマリルに言い残して、トゲトゲやまへと登って行った。


 その頃、リオルは既にB3Fまで来ていた。


 リオル「今 B3Fか・・・。頂上まで どれだけ 上るんだろう・・・。」


 リオルは通路を走りながら、階段を探していた。出口が見え、出てみると広いフロアに出た。


 イシツブテ「ブテェーーッ!」


 そのフロアにはイシツブテが居た。リオルは身構え、イシツブテが動くのを待つ
 イシツブテは一歩前進して、リオルに近づく。リオルはもう一歩手前のところで技を繰り出す。


 リオル「『でんこうせっか』!」


 イシツブテ「ブテッ、ツブテェーーーッ!!」

 
 リオルはでんこうせっかを繰り出した!
 効果は いまひとつのだ・・・
 イシツブテに12ダメージ!


 リオル「くっ・・・。(ノーマルタイプの 技は いわ じめんタイプには効果が無い・・・。)」


 イシツブテのこうげき!


 イシツブテ「ツブテェーーッ!」


 リオル「くっ・・・!」


 リオルに3ダメージ!


 リオル「グワブッ!」 


 イシツブテ「ツブテッ!」


 リオルはかみつくを繰り出した!
 イシツブテに19ダメージ!

 
 リオル「(よしっ!『かみつく』で何とか!)」


 イシツブテ「ツブテェーーーッ!!」


 リオル「ぐっ!」


 イシツブテのこうげき!
 リオルに3ダメージ!


 リオル「ガブッ!」


 リオルはかみつくを繰り出した!
 イシツブテに20ダメージ!


 イシツブテ「ツブテ~~~っ・・・」


 イシツブテを倒した!


 リオル「よしっ!」


 B1Fでロコンはリオルを探して、通路を走りながら階段を探していた。


 ロコン「リオルは もう このフロアには いないのかな・・・。」


 ロコンが次の出口から、出た瞬間イシツブテが現れた


 イシツブテ「ツブテェーーーッ!」


 ロコン「!」


 ロコンが座るような態勢で急ブレーキをするように止まり、目の前のイシツブテに身構える。


 イシツブテ「ツブテェーッ!」


 ロコン「~~~~っ・・・ロァアアアアアアァアッッ!!」
 

 ロコンはほえるを繰り出した!
 イシツブテは吹き飛ばされた!


 イシツブテ「ツブテェッ!」


 イシツブテに5ダメージ!


 ロコン「今は リオルを 探さなくっちゃ!」


 イシツブテ「ツブテェエーーーッ!!」


 ロコンは急いで別の出入り口に入り、階段を探し始める。しかし、後ろから怒ったイシツブテが追いかけてくる

 
 ロコン「うわわあ~~~!こ 来ないでえ~~~!」


 イシツブテ「ツブテェーーーッ!」


 ロコンは泣き泣き通路を全力疾走して、次のフロアに出ると階段があった。
 急いで階段を駆け上がって次のフロアに移動した。




 リオルはまだB3Fにて、ワンリキーと遭遇して戦闘を繰り広げていた。


 リオル「ガブッ!」


 ワンリキー「リキッ!」
 

 リオルはかみつくを繰り出した!
 こうかはいまひとつのようだ・・・
 ワンリキーに13ダメージ!


 リオル「プエッ。効かない・・・。」


 ワンリキー「リキィッ!」

 
 ワンリキーはにらみつけるを繰り出した!


 リオル「うっ・・・。」

 
 
 リオルのぼうぎょはちょっと下がった!


 リオル「グワブッ!」


 リオルはかみつくを繰り出した!


 ワンリキー「リキィ~~・・・」 


 こうかはいまひとつのようだ・・・
 ワンリキーに14ダメージ!
 ワンリキーを倒した!


 リオル「ふぅ・・・。・・・ロコンは 来ないのかな・・・。」




 ロコン「はぁ・・・。何とか 撒けた・・・。」


 ロコンは階段の近くで走り過ぎたせいか、四本の足を広げてグテーッと寝そべっていた。
 しかし休んでる暇はないと、自分に言い聞かせ立ち上がる。その時、どこからか甘い匂いがした。


 ロコン「この匂い・・・。あっ!」


 匂いのする方を見ると、だいだい色のグミが空間の隅っこに落ちていた。
 ロコンはだいだいグミに駆け寄って、拾い上げる。
 

 ロコン「これは だいだいグミだ。確か かくとうタイプの ポケモンが 好むんだよね・・・。」


 ロコンはだいだいグミを見つめて、リオルの事を思う。何故自分はリオルのことを信じようとしなかったのか、今になって思うと自分勝手な考えに苛立ちと悔しさが込み上げてくる。


 ロコン「・・・待ってて リオル ルリリ!必ず 行くから!」


 ロコンは首を振って、まずリオルに追いつこうと気合を入れる。
 しかしその時、後ろからバサバサっと羽音が聞こえた


 ロコン「はっ!?」


 ムックル「ムクァーーッ!」
 

 ロコン「きゃあっ!」


 ムックルはでんこうせっかを繰り出した!
 ロコンに11ダメージ!

  
 ロコン「くっ・・・。~~~っ、ロォァアァァアアアアアッ!!」 
 

 ロコンはほえるを繰り出した!

 
 ムックル「ムクアッ!」


 ムックルは吹き飛ばされた!
 ムックルに5ダメージ!


 ロコン「くぅっ・・・!」


 ロコンは再び、階段を探すために出入り口に入ってムックルから逃げ出した。
 ムックルはロコンが出入り口に見るのを見逃さず、追いかける。

ここまで。
ポケモンの鳴き声・・・今更ですけど、おかしいかな

>>109  自分も同じだからですよ。うんうん
嬉しいなあ


 リオルは通路を進んでいると、ドードーと遭遇した


 ドードー「ドドォーーッ!」


 リオル「ガブッ!」


 リオルは『かみつく』を繰り出した!
 ドードーに19ダメージ!


 リオルはドードーの攻撃に気を付けようとするが、ドードーは突然逃げ出した。それにリオルは戸惑いながらも逃さないと本能的な感情に身構える。


 リオル「『でんこうせっか』!」


 リオルは『でんこうせっか』を繰り出した!
 ドードーに15ダメージ!


 ドードー「ドドォ~・・・」

 
 ドードーを倒した!


 リオル「何で 逃げようと したんだろ・・・。」


 B2Fでは、ロコンはまだムックルから逃げようと通路を走っていた

 
 ムックル「ムクァーーッ!」


 ロコン「くっ・・・(逃げても 仕方がない・・・。こうなったら!)」


 出口から出て、狭い空間に出るとロコンはムックルに立ち向かった。


 ロコン「『だましうち』!」


 ムックル「ムクアッ!」


 ロコンは『だましうち』を繰り出した!
 ムックルに12ダメージ!
  

 ムックル「ムクァーッ!」


 ロコン「きゃんっ!」


 ムックルは『たいあたり』を
 ロコンに12ダメージ!   


 ロコン「ロァアアッ!」


 ムックルに26ダメージ!

 
 ムックル「ムクァ~~・・・」


 ムックルを倒した!


 ロコン「や やったあー!」


 ロコンは初めて一人で敵を倒せたことに喜んだ。自分自身、弱虫だと自覚していたロコンなのでそれは自分にとってとても大きな一歩に思ったからだ。

 
 ロコン「よしっ。リオルを 早く見つけよう!」


 ロコンは再度気合いを入れて空間の右側にある、出入口から出ようとした時、地面にリンゴと尖った、きのえだが4本転がっていた。
 ロコンはその5つを拾ってとレジャーバッグに入れる。そして出入口に入って階段を探し始める。


 B3Fではリオルはムックルを倒した後、空間に転がっていた、いしのつぶてで目印になる様にとひし形を作った。

 
 リオル「・・・。来るか 来ないかは わからないけど・・・。信じよう。ロコンを」


 リオルはそう言うと、握り拳を作り意気込む。
 出入口に入り、進んでいるとイトマルに遭遇した!


 イトマル「トマァアーーッ!」


 リオル「ガブァッ!」


 イトマル「マァアーーッ!?」


 リオルは『かみつく』を繰り出した!
 イトマルに16ダメージ!


 イトマル「トァァアーーッ!!」


 リオル「っ!?」


 イトマルは『いとをはく』を繰り出した!
 リオルは鈍足になった!


 リオル「(マ マズイ!)」


 イトマル「トァアーッ!!」

 
 リオル「くっ!」


 イトマルのこうげき!リオルはかわした!

 
 イトマル「トァアァアーーッ!!」


 リオル「っ!?・・・もう 怖くない」


 リオル「ガブッ!」


 リオルは『かみつく』を繰り出した!
 イトマルに15ダメージ!


 イトマル「トマァ~~・・・」


 イトマルを倒した!


 リオル「ふぅ・・・これ どうしよう。」


 リオルはイトマルを倒したのも束の間、『いとをはく』によって体に絡み付いた糸を剥がすのに苦戦し始めた。


 ロコンは階段を使って次のフロアに、出た。そのフロアにリオルがいるのだが、そのことを知らないロコンは次の階段を探し始める。


 ロコン「(そろそろ リオルと 合流しないと・・・。)」


 ロコンはそう考えるのにはわけがあった。自分たちはまだまだ未熟なポケモンであるため、技と体力、それに空腹感と色々な事を考えながらダンジョンに挑まなければならない。
 そのためニンゲンだったと言うリオルは、この世界を全く知らないわけで今ルリリを助けに行くことだけしか考えていないに違いないと思っている。


 そう考えながら出入口に入って通路を進んでいき、ある空間に出た。
 そこでロコンは鼻に何かを感じて、匂いを嗅ぐ。匂いがする方には、足元に何かが転がっていた。ロコンは近づいて見ると、それはリオルが目印にといしのつぶてで作ったひし形だった。


 ロコン「こ これって・・・!リオルが どこかに いるの!?」


 ロコンはいしのつぶてをトレジャーバッグに入れ、辺りを見渡す。しかしリオルはいるはずもなく、ロコンは肩を落とす。

 
 ロコン「・・・ううん きっと リオルに会える!大丈夫 ワタシは 弱虫なんかじゃない!」


 首を横に振るい、弱気な自分に活を入れて自信を奮い立たせる。
 ロコンは別の出入り口に入って行った。




 リオル「あっ。階段だ」


 しかし、ロコンが必死にリオルを探している中、そのリオルは階段を見つけしまい次のフロアに移動しようとしていた。
 リオルは一歩踏み出して、階段を上がろうとした時、そのままの姿勢で立ち止まった。
 

 リオル「・・・。でも もし もしも・・・。ロコンが ここに 来てて ボクのことを 探しに 来てたらどうしよう・・・。」


 リオルは一歩前に出した足を、引っ込めて腕組みをしながら考える。
 その時、後ろから気配を感じて後ろを振り返って身構える。


 ムックル「ムクアーーーッ!!」

 
 リオル「オリャッ!」


 ムックル「ムクッ!?」


 リオルはいしのつぶてを投げた!
 いしのつぶてはムックルに向かって飛んで行った!
 ムックルに10ダメージ!


 ムックル「ムクアア~~~アッ!」


 ムックルは一歩全身して、リオルに向かってくる。だが、リオルはそうはさせまいと次の技を繰り出した


 リオル「『でんこうせっか』!」


 リオルは『でんこうせっか』を繰り出した!
 ムックルに16ダメージ!


 ムックル「ムク~~・・・ッ」


 リオル「・・・。やっぱり 先に 進んでおこう。」


 リオルはロコンが来る前に、自分がやられてしまっては元も子もないと思い階段を使って次のフロアに向かった。

今日はここまで。


 ロコン「『だましうち』!」


 イトマル「トマァ~・・・」


 イトマルを倒し、ロコンは通路を進む。通路を進むと空間にた、そこで先にリオルが上がって行った階段を見つけた。

 
 
 ロコン「・・・。(多分 リオルは もう 階段を使って 次のフロアに 行ってると 思うから 大丈夫だよね。)」




 B4Fで、リオルはドードーと戦闘中だった。リオルは『かみつく』で攻撃をし、ドードーは逃げ出そうとするところを『でんこうせっか』で倒す。
 しかし空間の出入口からイシツブテが現れ、リオルを見つけて向かってくる。
 リオルは残り二個しかないいしつのつぶてを見て、迷いながらもイシツブテ目掛けて投げた。
  

 リオル「そりゃっ!」


 イシツブテ「ツブテッ!」


 リオルはいしのつぶてを投げた!
 いしのつぶてはイシツブテに向かって飛んで行った!
 イシツブテに10ダメージ!


 イシツブテ「ツブテエーーッ!」


 リオル「『でんこうせっか』!」


 リオルは『でんこうせっか』を繰り出した!
 イシツブテに15ダメージ!


 イシツブテ「ツブテェーー!」


 リオル「(これで 止めだっ!)」


 リオル「ガブッ!」


 リオルは『かみつく』を繰り出した!
 イシツブテに17ダメージ!


 イシツブテ「ツブテェ~・・・」

 
 イシツブテを倒した!


 リオル「やった・・・。」



 ロコンはB4Fに着くと広い空間に出る、そこでリオルの姿が見えた。
 リオルの前には目を回しているイシツブテが倒れており、ロコンはリオルが倒したのだとわかった。


 ロコン「リオル!」


 リオル「!。ロコン!」


 ロコンは大声でリオルを呼ぶ。その声にリオルは振り返えり、その眼にロコンの姿が映った。
 その瞬間、嬉しさが心の底からどっと溢れたのか目から涙が込み喘げくる。リオルはロコンに気づかれない様に涙を拭い、ロコンに駆け寄る。
 

 リオル「ロコン・・・。来てくれたんだね。」


 ロコン「・・・ご ごめんなさい!」


 リオル「え・・・?。」


 ロコン「ワタシ・・・。リオルの 信用しなくて・・・勝手に 決めつけて ごめんなさい!」


 リオル「ロコン・・・。」


 イシツブテ「ツブテェーーー!」


 リオルは頭を下げて必死に謝るロコンを見て、思わず戸惑う。しかし、すぐにイシツブテが現れた。
 リオルとロコンは身構える。その時、ふと横を見るとロコンはリオルの隣にいた。無意識なのかそれとも自分を援護してくれようとしているのかはわからないが、リオルはロコンに言う。


 リオル「・・・。ロコン。」


 ロコン「あ な 何?。」


 リオル「・・・これからも ボクと 一緒に 冒険してくれるよね?。」


 ロコン「!・・・。うん!」


 リオルは少し首を横にして、微笑ながらロコンに言う。その言葉にロコンは驚きつつも、涙目になりながら頷く


 イシツブテ「ツブテェーッ!」


 リオル「最後の 一個!オリャッ!」


 リオルは自分の手に持っている、最後のいしのつぶてを見てイシツブテに向けて投げた。
 リオルはいしのつぶてを投げた!
 イシツブテに10ダメージ!


 イシツブテ「ツブテェーーッ!」


 イシツブテはいしのつぶてが当たって、少し怯むが向かってくる。
 リオルは足腰に力を入れてイシツブテが至近距離まで来るのを待つ。そしてイシツブテはリオルの一歩手前まできた。


 リオル「『でんこうせっか』!」


 イシツブテ「ツブテッ!」


 リオルは『でんこうせっか』を繰り出して、イシツブテにダメージを当たえる
 そしてロコンは足を少し広げて口を大きく開け息を吸い込む。


 ロコン「~~~~っ!ロァァァアアアァァアアアアッ!!」


 イシツブテ「ツブテ~~~っ!」


 ロコンは『ほえる』を繰り出し、イシツブテは吹き飛ばされ空間の壁に激突した。


 イシツブテ「ツブテ~・・・」


 イシツブテは目を回して倒れた。
 リオルとロコンは身構えるのをやめると、お互い横を向いて笑いあう。

 
 リオル「ナイス コンビネーション。」


 ロコン「やったね。」


 リオルとロコンはハイタッチをした。
 そして出入り口へと入って行き、階段を探し始める。


 出入口に入って、通路を進んでいき出口から出て広いフロアに出た。そこでいしのつぶてを5個とタネを見つけて拾い上げる。

 
 ロコン「それは すいみんのタネだよ。それを 食べた ポケモンは 眠っちゃうんだよ。」


 リオル「そうなんだあ。」


 リオルはすいみんのタネをロコンに渡してトレジャーバッグに入れる。そして足元にあったポケも拾って次の出入り口に入って通路を進んでいく。
 今度は少し広いフロアに出て、またタネを見つけた。


 ロコン「これは ワープのタネ。それを 食べると 別の フロアに 移動するんだよ。」


 リオルはそのタネもロコンに渡して、出入り口に入る。途中通路が分かれ道となっておりリオルは集中力を高めて房を浮き上がらせどちらにするか見定める。

 
 
 リオル「こっちだ。」



 ロコン「うん。」


 リオルは右の道を選んで進んだ。そして出口から出るとそのフロアに階段があった。

 
 ロコン「すごーい!やっぱり リオルって どの道に 行けばいいのか わかるんじゃないの!?」


 リオル「勘だってば。」


 ロコンは目をキラキラと輝かせてリオルに質問するが、リオルは苦笑いをして違うと言う。
 そして階段を使って、次のフロアに移動した。


 
 次のフロアに移動すると、広いフロアに移動した。リオルは前方にあった出入口を見つけてそちらの方に入っていった。
 通路を進んで、出口から出ると横からイトマルが向かってくるのが見えた。

  
 リオル「ロコン!いしのつぶてを!」


 ロコン「それより こっちの 方が いいと思う!」


 リオルは後ろに居る、ロコンに手を差し出していしのつぶてを要求するが、ロコンは代わりにきのえだを渡した。


 リオル「これは・・・?。」


 ロコン「きのえだと 言って 前方にいる ポケモンにうって 攻撃が できるの!」


 リオル「よ よし!そりゃっ!」


 リオルはきのえだをうった!きのえだはイトマルに向かって飛んで行った!

 
 
 イトマル「トマッ!?」



 イトマルに8ダメージ!


 イトマル「トマァーーッ!」


 リオル「うわっ!?」


 イトマルは『いとをはく』を繰り出した!
 リオルに糸が絡みつき、鈍足になる。
 イトマルはリオルに向かってくる。


 ロコン「リオル!」


 リオル「ロ ロコン。交替・・・!」


 ロコン「わかった!」


 リオルは後ろに転がるように下がり、ロコンが前に出る。ロコンは身構えて、威嚇するかのように幼い小さなキバを見せる。
 しかし、イトマルは『いとをはく』を繰り出した。

 
 ロコン「うわわっ!?」


 リオル「えっ!?」


 ロコン「は はい!」


 ロコンは『いとをはく』の糸が体に絡みつき、リオルと同じくどんそくになってしまった。リオルはそれに驚いて、どうすればいいのか一瞬考えるが、ロコンはいしのつぶてをリオルに渡した。
 リオルはいしのつぶてをイトマルに向けてなげた。


 イトマル「トマッ!?」


 イトマルに10ダメージ!
 イトマルはロコンに接近し、至近距離まで来た。

 
 イトマル「トマァアアアァァッ!」

 
 ロコン「っ・・・!こ こわくないもんっ!」


 イトマルは『こわいかお』を繰り出した!ロコンはこれ以上遅くならない!

 
 ロコン「ロォァアッ!!」


 ロコンは『ひのこ』を繰り出した!
 

 イトマル「トマ~~~・・・!」


 効果は抜群だ!
 イトマルに29ダメージ!イトマルを倒した!


 ロコン「やった!」


 リオル「お見事。でも・・・今度から 気を付けようか。」


 ロコン「う うん・・・。」


 リオルとロコンは体に絡みついた糸を剥がしながらお互い油断は禁物と心の中で呟きフロアの右側にあった出入口に入って行った。
 分かれ道だったが、そのまま道を進むと少し広いフロアに出て、2つほどの道具とポケが落ちていた。
 リオルは最初に5本のきのえだを拾い次に、青色の玉を拾った。それは宝石の様に見えるが、ロコンは説明した。


 ロコン「それは あつまれだまと 言って 逸れた仲間を 呼ぶことができるんだよ。」


 リオル「そうなんだ・・・。これを 持って早く 見つけれれば ロコンと 早く合流 できてたのにね。」


 リオルはそう言ってポケも拾い、ロコン渡す。そして出入口に入って次のフロアを目指した。

今日はここまで

ニコ動のスピアーの人面白いですね(笑


 ルリリとスリープはトゲトゲ山頂上にまで登っていた。
 落し物を早く見つけたいとルリリは思い、スリープの前を歩いていたが、突然目の前に山の壁に阻まれ足を止めた。


 ルリリ「あれ?行き止まり・・・。ねえ スリープさん。落し物は?落し物は どこに あるの?」


 スリープ「ゴメンな。落し物は・・・ここには 無いんだよ。」


 ルリリ「えっ?」

 
 突然の出来事にルリリは困惑する。そして兄のマリルが居ないことに気付いた。


 ルリリ「・・・おにいちゃんは?おにいちゃんは 後から すぐ来るんでしょ?」


 ルリリは段々と不安が募り一筋の冷や汗を流した。


 スリープ「いや。おにいちゃんも来ないんだ。実は オマエのことを・・・騙してたのさ。」


 ルリリ「ええっ!?」


 スリープ「それより ちょっと頼みが あるんだ。オマエの 真後ろに小さな 穴が あるだろ?」


 ルリリはスリープの言った後ろを見ると、そこにはルリリだと入れそうな小さな穴があった。


 スリープ「あの 穴の奥には・・・実は ある盗賊団が財宝を 隠したんじゃないかと言う 宇和さが あるんだ。ただ オレの 体じゃ

      
      大きすぎて 穴の中には 入れねえ。だから・・・小さな オマエをここに 連れてきたと言うワケさ。」


 ルリリは先ほどまでの親切そうなスリープから一変して、脅迫する様な口調になったスリープに驚き、向き直る。


 スリープ「大丈夫。言う事さえ 聞いてくれれば・・・ちゃんと 帰してやるからよ。」


 ルリリ「ええーっ!!」


 ルリリは尻尾の上に自信の体を乗せて、震えあがる。スリープは目を吊り上げてルリリに迫る。


 スリープ「さあ 行くんだ!穴の中に 入って・・・財宝を 取って来い!」


 ルリリ「お おにいちゃーーん!」


 スリープ「こっ・・・こら!待て!」


 ルリリは恐怖のあまり号泣して、迫ってきたスリープの横をスルリと避けて逃げ出そうとした。
 しかしスリープが先回りして、ルリリを止める。ルリリは踵で踏ん張りながら急停止した


 スリープ「まったく!ちゃんと帰してやるって 言ってるだろっ!言う事を 聞かないと・・・」

 
 「痛い目に 遭わせるぞっ。って 言うのか」


 スリープ「そうだっ!・・・んんっ!?」


 スリープが言おうとしたことを、先に誰かが言いそれにスリープは驚きながら振り返る。
 そこにいたのは、リオルとロコンのチーム「はるかぜ」だった。


 ロコン「そんなことが させないぞ!おたずねもの スリープ!」


 スリープ「な 何故 ここが!?」


 ロコン「ワタシたちは 「はるかぜ」!探検隊だ!ワルいやつは 見逃さないわよ!」


 リオルとロコンはスリープに近づいて、威勢よくロコンは名乗った。
 スリープは探検隊と聞いて、焦りを見せる。


 スリープ「た 探検隊だとっ!?じゃあ オレを 捕まえに・・・」


 リオル「そうだ!大人しく 降参 するんだ!」


 リオルは堂々とした姿勢で、スリープに降伏を促す。スリープはそれに苦い顔をする、しかし、あることに気づいた。


 スリープ「・・・あ あれ?もしかして 震えてるの?オマエ。」


 リオル「震えて なんかいないよ。」


 スリープ「いや オマエじゃなくて。そっちの 方だ」


 リオル「え?」


 リオルは震えていないと強く言うが、スリープ呆れた目でリオルを見ながらロコンを指した。
 スリープの言った通り、ロコンは体を震わせて冷や汗を流している。


 スリープ「・・・そうだ。わかったぞ。オマエたち 探検隊と言っても まだ 新米なんだな。」


 ロコン「ううっ・・・。」


 スリープ「フフッ 確かに オレはおたずねものだよ。でも オマエたちに できるかな?その おたずねものを・・・捕まえることが!」


 スリープは弱気になっているロコンを見て、見下すように言う。
 ロコンは震えて何も言い返せない・・・そう思ったが


 ロコン「ううっ・・・。い いや。できる!できるよ!オマエみたいな ワルイやつに 負けるわけには いかない!」


 リオル「ロコン・・・!」


 リオルはロコンが少し逞しくなったと思い嬉しく思う。しかしスリープは馬鹿にするかのように笑い声をあげる。


 スリープ「ハハハハ!今まで 色んな 探検隊に 追われてきたが・・・こんな 弱そうな探検隊は 初めて 見たよ!」


 ロコン「ううっ・・・。」


 リオル「言いたい ことは それだけか。」


 スリープ「何?」


 リオルの目は初めての仕事でリーシャン、リリーラ、イシツブテの3対同時での戦いで必死に戦っていた時と同じような眼になっていた。


 リオル「確かに ボク達は まだまだ新米で 弱い。けど・・・。」


 リオル「けど!負けない って言う 思いは 誰よりも 強い!」


 ロコン「リオル・・・。」


 スリープ「おもしろい。オマエたちが オレを 倒せるかどうか・・・試してもらおうッ!!」


 リオル「来るよ!ロコン!」


 ロコン「う うん!」


 スリープはもう突進してきて、二匹に迫りくる。リオルは一歩横にいるロコンの隣に移動しスリープが接近してくるのを待つ。

  
 リオル「『でんこうせっか』!」


 スリープ「むっ!」


 スリープは予知夢の通りに『でんこうせっか』をかわし、リオルの前にきた。


 ロコン「『だましうち』!」


 スリープ「甘いっ!」


 ロコンの『だましうち』も予知夢の通りにかわした。
 リオルとロコンは技が当たらないことに焦って、動揺する。しかし、スリープが攻撃を仕掛けてきた


 スリープ「『はたく』!」


 リオル「ぐぅっ!」


 スリープは『はたく』を繰り出し、リオルに18ダメージ与える。

 
 リオル「ガブッ!」


 スリープ「ぐぁあああっ!」


 リオルは『かみつく』を繰り出し、スリープには効果が抜群で24ダメージ与えた。

 
 ロコン「『だましうち』!」


 スリープ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


 ロコンの『だましうち』で止めがささり、スリープは目を回して倒れた。 
 リオルとロコンは息を整えながら、倒れたスリープの横を通りルリリに近寄った。
 ルリリは目をキュッと瞑って、恐怖で震えていたがリオルが頭に手をポンっと置いたのに気づいて目をゆっくりと開く。


 ロコン「助けにきたよ。大丈夫?ケガとかしてない?」


 ルリリ「はい。大丈夫です。」


 ロコン「よかった~!ホッとしたよ!おにいちゃんが 待ってるよ。さあ 帰ろう!」


 ルリリ「はい。」


 リオル「でも スリープは どうするの?」


 ロコン「あっ。そうだったね えっと・・・。」

 
 ロコンはスカーフに付けていたたんけんたいバッジを手に取った。

今日はここまで。

何か衝動的に更新したくなってきたので、寝れなくなっちゃいました!
更新します!


 ロコン「あーああー。こちら 「はるかぜ」!おたずねものを 倒しました!トゲトゲ山の 頂上です。」


 リオル「(それ 通信 できるんだ・・・)」


 ロコンは「たんけんたいバッジ」を口に近づけながら言う。そしてバッジをから手を離した。

 
 ロコン「すぐに 保安官の ポケモンが 来てくれるって。だから 一度 ここから出よう。」


 リオル「そっか。じゃあ 行こうっ。」


 リオルとロコンは「たんけんたいバッジ」を翳すと、筒状の光が三匹を包み込んでワープさせた。


 
 しばらくして、トゲトゲ山の入口付近で待っているとトゲトゲ山から三匹の銀色の体に手がU字型磁石のポケモンと、二匹のポケモンに腕を押さえられているスリープが目の前にワープして現れた。
 

 ジバコイル「ワタシハ ジバコイル。コノ チイキノ ホアンカン デス。コノタビハ オカゲサマデ・・・

       オタズネモノヲ タイホ スルコトガ デキマジタ!

       ゴキョウリョク カンシャ イタシマス!」


 ジバコイルは喜ぶと腕のU字型の磁石を光らせて、二匹のコイルも喜ぶ。


 ジバコイル「ショウキンハ ギルドニ オクッテ オキマス。アリガトウ ゴザイマシタ!」 


 ジバコイルとコイルはリオルとロコンに頭を下げてお礼を述べると、ジバコイルはスリープの方を振り返った


 ジバコイル「サア クルンダ。」


 スリープ「トホホ・・・。」


 ジバコイルとコイルはスリープを連れて、どこかへ行き三匹が見送っていると後ろからルリリを呼ぶ声が聞こえた


 ルリリ「お おにいちゃん!」


 後ろを振り勝手みると、そこにいたのはマリルだった。ルリリは涙目になってマリルに駆け寄り、マリルも駆け寄ってルリリを抱き締めた。

 
 ルリリ「うわあ~~~~~ん!おにいちゃ~~~~~ん!怖かったよ~~~~~~~~~~~~!」


 マリル「ルリリ 大丈夫か?ケガは ないのか?」


 マリルは一度ルリリを離して、ルリリの体を見ながら怪我をしていないか聞く。


 ロコン「大丈夫よ。どこにも ケガはないよ。」


 リオル「うん。」


 リオルとロコンは二匹に近寄って、微笑ながらマリルを安心させる。

 
 マリル「ホント?よかった!本当に よかった!ルリリ。ルリリー!」


 マリルはルリリをもう一度抱き締めて、ルリリも抱き返す。


 ロコン「よかったね。本当に。」


 ロコンとリオルは抱き合うマリルとルリリを見て、微笑む。マリルとルリリはお互い離れると、ロコンとリオルの前に立つ。


 マリル「これも ロコンさんと リオルさんの おかげです。この 御恩が 忘れません。ありがとうござました。」


 マリルは頭を、と言うよりも体を前に傾けてお礼を言う。頭を上げるとルリリの頭を撫でて言う。


 マリル「ほら ルリリも。」


 ルリリ「うん・・・。助けてくれて ありがとうございます!」


 マリル「本当に・・・本当に ありがとうございました!」



 リオルとロコンはギルドに戻ると、おたずねものポスターの前でペラップと話していた。

 
 
 ペラップ「ジバコイル保安官から おたずねものの 賞金を いただい♪オマエたち。よくやったな♪


   
      これは 今回の 仕事の 報酬だ。とっておいてくれ♪」


 そう言うとペラップは羽をリオルの前に出して、リオルも手を差し出す。そしてリオルの手の上に落ちてきたのは300ポケだった。


 ロコン「ええ~!?これだけしか 貰えないの!?ワタシたち あんなに がんばったのに・・・。」


 ロコンは一生懸命にリオルを探して、ルリリも助けたと言うのにたったこれだけしか貰えないことに不満をこぼす。


 ペラップ「・・・当たり前だ。これが 修行と言うものだ。明日から また 頑張るんだよ。ハハハハハッ♪」

 
 しかしペラップはジバコイルから貰った、報酬が入っている布袋を手に担いで階段を降りて行った。


 ロコン「ううっ・・・。あと 少しでいいから 分け前が 多いと嬉しいんだけどね・・・。」


 リオル「でも ルリリを助けることが できたんだから いいんじゃないのかな?」


 ロコンは耳を伏せて、落ち込んで言うとリオルは苦笑いをしながらロコンに言う。


 ロコン「まあ そうだね。それも これも 今回は リオルの おかげだよ。リオルが 夢を見たおかげで・・・ルリリの 危険もいち早く わかったんだから。」


 リオル「(・・・!そうだ。自分も すごく 不思議なんだけど・・・最初に 聞いた ルリリの叫び・・・)」


 リオルの頭の中に、ルリリの助けを呼ぶ声が蘇った。


 リオル「(そして その後 見た 夢・・・)」


 次に脳裏に蘇ったのはスリープがルリリを襲おうとしていた場面だった。


 リオル「(あの時 見たものは・・・いずれも 未来に起こる 出来事だった・・・。・・・何で そんなものが 見れたんだろう・・・。

      あの 夢が 一体何だったんだろう・・・。)」


 リオルは深く、夢で見た出来事が何故未来で起きたのかと考えていると、グゥ~っと音が聞こえた。
 ロコンはそれに気づいて、プッと吹いた。


 ロコン「ありゃ!ワタシの お腹が 鳴ったよ!」


 リオル「あははっ。そうだね・・・。」


 リオルは笑うと、またグゥ~っと音が聞こえた。今度はリオルの方から聞こえた。


 ロコン「ハハハハ!リオルの お腹も 鳴った!ワタシたち お腹が 空いてたんだね!」


 リオル「うん。走ったり 戦ったりして クタクタだけど お腹も空いちゃった。」


 ロコン「ルリリを 助けるのに 必死だったからね。気が付かなかったよ!

 
 リオルとロコンは笑い合うと、今度は同時に二匹のお腹が鳴った。


 ロコン「ハハハハ!気がついたら 余計 お腹が減ってきちゃったね!早く ごはん 食べに行こう!リオル!」


 リオル「うん!じゃあ 競争だ!よーい、ドン!」


 ロコン「あっ!ちょっと!ズルーイ!」


 リオルは手を叩いて、先に階段を降りていきロコンは慌てながらも明るく笑ってリオルの後を追う。


 食堂で晩御飯が始まり、ポケモンたちは食事を摂っていた。
 今日はビッパがドゴームと席を替えて横に立ち、ヘイガニはグレッグルと席を替えていた。


 ヘイガニ「ヘイ!オマエら 今日は おたずねものを やっつけたんだってな!やるじゃねえか ヘイヘイ!」


 キマワリ「ホント!すごいですわ!」

 
 ビッパ「あっしも ペラップから 聞いて びっくりしたでゲスよ!あの時 ロコンは いきなり どこかへ 行ってしまうからから 何がなにやら わからなかったでゲス。」


 ヘイガニとキマワリは二匹がおたずねもののスリープを捕まえたことを褒めて、ビッパは最初こそは困った顔をしていたが次第に笑顔になった。


 ロコン「ごめんね?ビッパ。迷惑かけちゃって・・・。」


 ビッパ「そ そんな 謝ることじゃないでゲスよ。二匹は おたずねものを 倒して 捕まえることが できたんでゲスから!」


 ロコン「ありがとう。ビッパ」


 ビッパ「ど どうしたしましてでゲス・・・//」


 ビッパはロコンにお礼を言われて、照れ隠しにリンゴを齧りる。
 そして晩御飯を済ませた弟子のポケモンたちは各自の部屋に戻って行った。


 部屋に戻ったロコンは窓の外を見ていた。外はいつの間にか激しい雷雨が降り注いでいた。


 ロコン「うわっ!すごい カミナリ!!今夜は 嵐 みたいだね・・・。」


 リオル「うん。そうだね」


 ロコンは窓の外を見ていると、あることを思い出してリオルの方を振り返った。

 
 ロコン「・・・そういえば!ワタシと リオルが 出会った 前の晩も・・・嵐 だったんだよ。嵐の夜の 次の日に 海岸で リオルが 倒れてたのよ。」

 
 リオル「え・・・?」


 ロコン「どうお?倒れた時の・・・と言うか 寝ていた時の 記憶とか・・・何か 思い出せそう?」


 リオルはロコンに言われて、腕を組んで思い出そうとする。


 リオル「(・・・どうなんだろう?うーん・・・嵐があって・・・自分は どうして あそこで 寝ていたんだろう・・・)」

 
 リオルは目を瞑って、集中力を高めると房を浮かばせて思い出そうとする。


 リオル「(・・・ダメだ。何も 思い出せない・・・。)」


 リオル「ごめん 無理みたい。」


 ロコン「・・・やっぱり 難しいかな。でもまあ 少しずつ 思い出していければ いいよ。」


 そういって再び窓の外を見る。相変わらず雷雨が降り注ぎ、一瞬稲妻が走って部屋が明るくなる。


 ロコン「明日 また 早いし もう 寝ようか。」


 
 少しして雷雨が聞こえてくる中、ロコンは薄らと目を開けていた


 ロコン「・・・。ねえ リオル。リオル まだ 起きてる?」


 リオル「・・・うん。」


 ロコン「・・・。ワタシ あれから 思ったんだけど・・・リオルが 見た 不思議な夢は・・・リオル自身の 事と 深く 関わってるんじゃないかなあ・・・。)」


 リオル「・・・(夢と ボク自身が?・・・)」


 ロコン「何となくだけどね。でも 未来の 夢を見る リオルなんて ワタシ 知らないし・・・ニンゲンが 突然ポケモンに なっちゃったと 言うのも ワタシ 聞いたことが ないのよね。」


 リオル「ボクも・・・ないよ。」


 ロコン「そうだよね・・・。だからこそ その2つが 大きく 関わっている・・・何か そんな 気がしてならないのよ。」


 リオル「(自分の 記憶を 辿るカギが・・・あの 夢の中に あるのかな・・・。でも もし そうだったとしても・・・一体 それが どう 関わってくるんだろう・・・。)」


 ロコン「ニンゲンだった時の リオルが どんなだったか 知らないけど・・・でも ワタシ 絶対いいヒトだと 思うよ。だって リオルの夢の おかげで
 
    わるいポケモンも やっつけることが できたんだし・・・。」


 リオル「わるいポケモンか・・・。!・・・そういえば 前にペラップが言ってたな・・・。」

 
 リオル「わるいポケモンが 増えたのは 時が 狂い始めた 影響だとか・・・。」


 ロコン「・・・うん。世界各地で 少しずつだけど 時が 狂い始めてるんだよ。何故 狂い始めてるのかは わからないんだけど・・・皆が 言うには・・・」


 ロコン「時の歯車が 何かしら 影響してるんじゃ ないかとも 言われてるよ。」


 リオル「時の・・・歯車?・・・」


 ロコン「うん。時の歯車は 世界の 隠された場所・・・たとえば・・・森の中 とか・・・湖や鍾乳洞・・・そして 火山の中と言った様に 色々な 

     場所に あって・・・その 中央に あるのが・・・時の歯車と 呼ばれてるんだよ。」


 ロコン「この 時の歯車が そこに あることで・・・それぞれの 地域の時間が 守られていると 言われてるんだよ。」


 激しい雨が降りしきる森の中、一匹のポケモンが素早い動きで獣道を駆けていた。



 リオル「ロコン。その 時の歯車を 取っちゃったら そうなるの?
 

 ロコン「ワタシも わからないけど・・・」


 
 ポケモンは森の奥地にまで来て、ロコンが言っている時の歯車を見つけた。



 ロコン「時の歯車を 取っちゃったら・・・多分 その地域の 時間も 止まっちゃうんじゃないかなあ・・・。
 

 リオル「そうなんだ・・・」


 ロコン「だから みんな 絶対 触らない様に してるんだよ。とにかく 大変な ことに なっちゃうと 思うから・・・みんな 怖がって 時の歯車だけは 触ろうとは しない。たとえ どんな ポケモンでもね。」




 *「初めて見たが・・・これが・・・そうなのか・・・。」


 *「ついに 見つけたぞ!時の歯車を!まずは・・・一つ目!!」


 そのポケモンは、身体が緑色で頭には長い葉っぱの様なものがあり両腕にもついている。


 
 その頃、森を彷徨っていた傷だらけの羽を使わずに歩いているポケモンは今度は乾ききった平地を歩いていた。
 そこには何もなく、ただ石ころと枯れ切った木々が立っているだけだった。


 *「くっ・・・。まだ 着かないのか・・・」


 *「そりゃ そうさ。あそこまでは まだまだ掛かる 距離なんだぜ。」


 ポケモンが独り言のように呟くと、後ろから声が聞こえた。ポケモンは一瞬だけ驚き、あとは冷静さを保ちながら腕を構えて後ろを向く。
 そこには一匹のポケモンが佇んでいた。


 *「!。あ あなたは・・・!生きていたのですか!よかった・・・。」


 ポケモンはホッと、胸を撫で降ろして安堵のため息をつく。後ろに立っているポケモンも「フン・・・ッ」と鼻で笑った。


 *「・・・ああ。・・・だが な・・・。」


 *「え?・・・」


 その後ろに佇んでいたポケモンは少しずつ、ポケモンに近づいて行き。そして・・・


 *「代わりに・・・。」




 *「お前には・・・。二度と あの国へは 来ないでもらおうかッ」


 *「!!」


 乾ききった平地に、悲痛の悲鳴が響き渡った。

今度こそ今日はここまで。

心のファンファーレ、いつ聞いても励まされます。


 次の朝、ドゴームの目覚ましを起こされると支度をして集合場所に集まった。


 みんな「みっつー!みんな 笑顔で 明るいギルド!」

 
 ペラップ「さあ みんなっ♪仕事に かかるよ♪」


 みんな「おおーーーーっ!!」


 朝の誓いの言葉を終え、皆は自分の仕事に行く。
 ペラップは今度は、聞かれる前にリオルとロコンに指示を出す。


 ペラップは「オマエたち♪今日の 仕事だが・・・今日は 掲示板やおたずねものポスターを 見て・・・その 依頼を 熟してくれ♪」


 ペラップ「いいか。絶対 サボるんじゃないぞ!」


 ペラップ「わかったら 行けい!」


 ロコン「わ わかったよ・・・。行こう リオル」


 リオル「うん。」

 
 ロコンとリオルは階段を上がって、地下1階で掲示板を見る。
 依頼の紙が4枚ほど貼られてあり、他にも依頼の紙が貼られていたのか画鋲が数か所に千切れた紙の破片と一緒に刺さったままだった。


 ロコン「今日は どの 依頼を しようかな・・・。新しい 探検する 場所に 行こう!とか ないのかな・・・」


 リオル「・・・。無いね。冒険をする 依頼じゃなくて 落し物とか 届けてほしいとか しかないね・・・。」


 ロコン「うん・・・。はぁ・・・。」


 ロコンは掲示板に貼られている依頼をジッと見定めてみたが、ロコンが願っていた依頼は無かった。
 ため息をつく、ロコンにリオルは肩をポンッと叩いて依頼を見る。そしてふとあることに気付いた。


 リオル「ロコン。この EとかDって 何なんだろう?(字が 読めないから わからないよ。)」


 ロコン「えっと・・・。難しさを 意味してるんだよ。」


 リオル「難しさ?たとえば?」


 ロコン「うーん・・・。ペラップに 聞かないと わからないや。」


 リオルとロコンは依頼に書かれているアルファベットが気になって、どれを選べばいいのか悩み始めた。
 

 ケムッソ「難しさは やさしいものから むずかしいものまで色々 あるです。」


 リオルとロコンの会話を後ろから聞いていた、ケムッソが話しかけてきた。隣にはオオスバメもいる

 
 ケムッソ「まず Eの 依頼が 一番やさしくて・・・D C・・・となるに したがって難しくなっていく 感じです。


      ですので 腕に 自身が無い内は Eとか やさしい 依頼を熟していった方が いいですよ。」


 ケムッソの丁寧な説明に、リオルとロコンは納得してため息をこぼす。


 ロコン「へえ~ そうなんだあ。ありがとう ケムッソ」


 リオル「ちなみに ケムッソは どれを 選ぶの?」


 ケムッソ「え?ワタシですか?ワタシは Cのような 難しい 依頼は とても選べませんよ!ブルブル・・・」


 リオルの質問にケムッソは体を震わせて、答える。それにリオルは「ごめん」と苦笑いをして謝った。
 すると突然オオスバメが翼で器用に依頼を破り取ると、ケムッソの傍に寄った。

 
 オオスバメ「おい!ケムッソ!さっき 掲示板を 見てたら すごく 良い 依頼が あったぞ。仕事が 楽な上に報酬も デカイ。


       中々 おいしそうじゃないか!」


 ケムッソ「お おいしそうですってえ~!?ひえぇぇ~ ブルブル・・・。」


 高笑いをするオオスバメにケムッソは汗を滝の様に流してさっきよりも体を震いあがらせる。リオルとロコンはそれに気づかなかった
 そして依頼を見ながらケムッソの言った通り、Eの依頼を取って更にDの依頼も2枚取った。


 リオル「まずは・・・。こっちの Eの方をしようよ。」


 ロコン「うん。そうだね。ワタシたちに 丁度いい 難しさみたいだし。」


 リオルはロコンとお互いの意見を合致させて、階段を上がろうとする。その時ビッパが降りてきた


 リオル「あっ。ビッパ。」


 ビッパ「おはようでゲス。二人とも」


 リオル・ロコン「おはよう。」
 

 ビッパとリオル、ロコンは朝、集合場所で会っているのだがその時は挨拶をする暇もなかったのでここで挨拶を交わした。


 ビッパ「これから 依頼を 熟しに行くでゲスか?」


 リオル「うん。そうだよ。」


 ビッパ「そうでゲスか。あっしも 先輩として 負けられないでゲス!」


 ロコン「お互い ガンバろうね。ビッパ。」


 ビッパ「もちろんでゲス!」


 リオルとロコンはビッパと頑張ることを誓い合い、階段を上がってギルドを出て行った。


 ギルドを出て、交差点に着くと、二人は足を止めた。
 トレジャーバッグを開けて、道具と食料の整頓をしお金の入った袋もちゃんと調べる。

 
 
 リオル「うん。ちゃんと あるね。」



 ロコン「どうする?このまま 行く?」

 
 リオル「うーん・・・。いや 一度 トレジャータウンに 行こう。お金とか 預けたいし 道具も 見に行きたいから。」


 ロコン「そうだね。そうしよう。」


 リオルとロコンはトレジャータウンに続く道を歩き始めた。
 大きな岩を通り過ぎたその時、リオルの聴覚が反応した。リオルは立ち止まって不思議に思いながら、目を瞑り集中力を高めて房を浮かばせると聴覚に集中した。


 *「・・・・・・。夢とロマン・・・・。ここなら きっと・・・。」


 そう聞こえただけで、後は何も聞こえなくなった。
 

 リオル「・・・?。何だったんだろう・・・?」

 
 ロコン「どうしたの?リオル」


 リオル「あっ。ううん 何でもなかった。行こうっ。」


 リオルは何だったんだろうかと首を傾げていると、 ロコンに声をかけられてリオルは気のせいだと思いトレジャータウンに向かった。


 まず最初に向かったのは、銀行だった。そこにはヨマワルが居て、客が来るのを待っていた。
 リオルとロコンがカウンターの前に立つと、ヨマワルは怪しく笑いながら接客を始めた。


 ヨマワル「いらっしゃいませ。ヨマワルぎんこうです。ウヒヒ。ご利用は何でしょう?ウヒヒ。」


 リオル「えっと ポケを 預けたいんですけど・・・。」


 リオルは少しヨマワルを怪しみながら、聞くとヨマワルは平らな木の板をカウンターに置いた。


 ヨマワル「いくら お預かりしますか?」


 リオル「・・・。224ポケで。」


 ヨマワル「224ポケですね。責任を 持って お預かりします。ウヒヒ!」


 リオルはポケの入った服をから、掌に収まるサイズのポケを2枚と小さいポケを4枚、木の板に入れた。
 ヨマワルは奥の金庫にリオルから受け取ったポケを入れて、再びカウンターに戻ってきた。


 リオル「は はい・・・。お願いします。」


 ヨマワル「現在 224ポケ お預かり しております。ご利用は なんでしょう?ウヒヒ。」

 
 リオル「いえ。以上です。」


 ヨマワル「またの ご利用を お待ちしてます。ウヒヒ。」


 ヨマワルは礼儀正しくお辞儀をする。リオルもつられてお辞儀をして、銀行から離れた。

 
 リオル「何か・・・。ちょっと 怖かったね。」


 ロコン「え?そお?」
 


 リオルはロコンの返事に驚きながら歩いていると、ポフっと柔らかい何かにぶつかった。
 それにリオルは後ろに少し跳ねそうになったが、すぐに体勢を戻す。

 
 
 *「大丈夫か?」



 リオル「あ うん。大丈・・・夫・・・。」


 ロコン「あっ。リングマ。」 


 上から声が聞こえてリオルは見上げてみると、そこには大きな体をして腹部分に黄色い丸模様があるポケモンが立っていた。
 リオルは驚いて声が出ず、固まっているがそのポケモンは気づかず話しかけた。


 リングマ「そうか。オマエが ロコンと パートナーを組んで 新しく プクリンのギルドに 入った リオルか。」


 ロコン「うん。そうだよ リオル。リングマは 隣町から よく このトレジャータウンに 来る ポケモンなんだよ。」


 リオル「あっ。知り合いだったんだ・・・。は 初めまして。リオル・・・です。」


 リオルはリングマに深々と頭を下げて、自己紹介をする。それにリングマは「ああ」と返事をしてくれた。


 ヒメグマ「あら。ロコン!おはよう。」


 ロコン「ヒメグマ おはよう!」


 次に現れたのは、リングマとは非対称に小さな体で額に三日月があるポケモンだった。そのポケモンともロコンは知り合いらしく、笑顔で挨拶を交わした。

 
 ヒメグマ「その子が パートナーになった リオル?」


 ロコン「そうだよ。」


 ヒメグマはリオルを見ながら質問する。それに頷いて、ロコンは答えた


 ヒメグマ「初めまして。ワタシ ヒメグマよ。よろしくね。」


 リオル「う うん。よろしく・・・。」


 ヒメグマは自己紹介をして、お辞儀をする。リオルもお辞儀をした。


 リングマ「これから 冒険か?」


 ロコン「うん!・・・と言っても 落し物を 探しに 行くだけ だけどね・・・。」


 リングマ「それでも いいじゃないか。新しい 何かを 発見できるかも しれないじゃないか。頑張れよ」


 リングマはロコンの頭を撫でながら、ロコンを励ます。ロコンは擽ったそうに微笑んで「うん」と返事をした。


 ロコン「じゃあ ワタシたち行くね?また ここを 通るけど バイバイ!」


 リングマ「ああ。気を付けて 行って来いよ。」


 ヒメグマ「がんばってねー。」


 リングマとヒメグマは手を振って、リオルとロコンを見送る。
 ロコンは後ろを振り向きながら手を振り、リオルも手を振って橋の向こう側に行った。


 リオルとロコンはまずカクレオン商店のカウンターの前に立っていた。
 するとカクレオンが「あっ!」と声を上げて、二匹に話しかけた。

 
 カクレオン「いや~!聞きましたよ!ルリリちゃんを 悪者から 助けたんですって!?」

 
 カクレオン「いや~!いきなり 悪者を やっつけるなんて すごい!探検隊を 始めたばかりとは とても 思えないですね~!」


 緑色のカクレオンはルリリを助けた事に驚き、紫色のカクレオンはおたずねもののスリープを倒したことに驚いていた。


 カクレオン「ワタシたちからも お礼を 言わせてください。」


 カクレオン「「ありがとうございました!」」


 緑色と紫色のカクレオンはリオルとロコンに頭を下げてお礼を言う。


 ロコン「そ そんな照れるよ・・・。でも・・・嬉しいよ カクレオン。」


 カクレオン「いえいえ。それで 今日は何か お買い上げに?」


 ロコン「ん~・・・」


 ロコンは後ろの棚にある商品を見る。そこにはいしつのつぶてとそれより大きい茶色の石が置かれており、他にも木の実とタネとグミ、ボトルが置かれていた。


 ロコン「えっと・・・ピーピーマックスを 買うよ。」


 カクレオン「ピーピーマックスですね?250ポケになります。よろしいですか~?」


 ロコン「うん。」


 カクレオン「毎度 ありがとうございます~♪どうぞ お持ちください~!」


 カクレオンは棚からボトルを手に取って、カウンターの上に置く。ロコンもポケを払った。


 ロコン「あとは いいかな。ありがとう カクレオン。」
 

 カクレオン「ありがとう ございました!また 起こしくださいませ~♪」


 ロコンはカクレオンからピーピーマックスを買い終えると今度は、横のガルーラの倉庫に行き、カウンターの前に立った
 ガルーラは二匹の姿を見るや否や、突然微笑みながらリオルとロコンの二匹を掴み上げて強く抱き上げた。

 
 ガルーラ「聞いたよ リオル ロコン!ルリリちゃんを 助けて悪者を やっつけたんだってんね!」


 ロコン「う うん そうだよ。ガルーラおばさん・・・」


 リオル「(く 苦し・・・!)」


 ガルーラは二匹を強く抱きしめたまま、話しているとリオルは腕を伸ばして誰か救いの手を差し伸べるが空しくも誰もガルーラを止めようとする者はいなかった。 

 
 ガルーラ「すごいわ~!初めての お仕事の次に 悪者を やっつけちゃったんだから・・・。おばちゃん 嬉しくて 涙が 出ちゃう・・・」

 
 しばらくしてガルーラは二匹を優しく降ろして、涙を拭きながら話す。リオルは息を荒くしながら、聞いていた。


 ガルーラ「ぐすっ・・・。ああ いけない。おばちゃんが 泣いていたら お仕事にならないわね。いらっしゃい。ガルーラおばちゃんの 倉庫よ。」


 ガルーラは涙を拭き終えると、いつもの明るく優しい声で仕事に戻った。


 ロコン「ガルーラおばさん 道具を 預けたいの。」

 
 ガルーラ「どれを 預けるの?」


 ロコン「この 「あつまれだまを」一つお願い。」


 ロコンはカウンターの上に球を置き、ガルーラはそれを手に取った。 
 この「あつまれだま」はルリリを助けに行ったトゲトゲ山で手に入れた道具である。


 ガルーラ「あつまれだまね。確かに預かったわ。おばちゃん 大切に 取っとくからね」

 
 ガルーラは昨日と同じように、後ろの岩で作られたタウリンなどが預けられた金庫に入れる

 
 ガルーラ「あとは ないの?」


 ロコン「うん。ありがとう ガルーラおばさん。」


 ガルーラ「いいのよ。これが おばちゃんの お仕事だからね。ロコンも お仕事 がんばってね。」


 ロコン「うん!じゃあ 行ってくるね!」


 ガルーラ「行ってらっしゃい。ケガの ないように 気を付けてね。」


 ロコンはガルーラと少し会話をして、ガルーラの倉庫を後にした。


 
 二匹は再び交差点で立ち止まって、依頼リストを見る。依頼は「かいがんのどうくつ」と「しめったいわば」の二つの場所からの依頼だった。


 リオル「どっちに しようか?」


 ロコン「ん~・・・一番 やさしい 「かいがんのどうくつ」に行こうよ。」


 リオルはロコンに依頼リストを見せながら聞くと、ロコンは「かいがんのどうくつ」からの依頼を指した。


 リオル「わかった。こっちに行けば すぐ だったね。」


 ロコン「そうだよ。行こう リオル!」


 リオル「うん!」


 リオルは依頼リストをロコンの肩に掛けているトレジャーバッグに入れて、海岸に続く道を走り出した。

今日はここまで。

更新乙

やり直そうかなあ...

おつー
ワクワクしてくる

>>139 ありがとうございます。
どうぞもう一度やってみてください!楽しいです
>>140 ありがとうございます
最新作が出るので自分もわくわくしております(笑


 リオルとロコンは曲がり道に差し掛かったところで、赤い甲羅をしたクラブとすれ違った。


 クラブ「おっ!これから 海岸に行くのかい?」


 ロコン「うん。依頼でね。」


 クラブ「そうかい。だったら・・・これは 気になるようなら ちょっと探してみて ほしいんだけどさ・・・」


 リオル「何を?」


 クラブ「最近・・・浜辺に 小瓶が流れ着くことが たまに あるんだよな。小瓶の 中には 何かが 入っているようだったし・・・もし 興味が あるようなら 海岸で 小瓶を 探してみるといいぜ。」


 クラブはそう言い残して、カニ独特の横歩きでリオルとロコンが先ほど歩いてきた道の方へ歩いて行った。
 

 ロコン「浜辺に流れ着いた小瓶かぁ・・・。小瓶の 中に いったい何が 入ってるのか・・・たしかに 気にはなるよね・・・。」


 ロコンはクラブの言ったことに興味を持ったらしく、クラブを見送った方からリオルの方を向き直って見て言う。


 ロコン「たまにしか 流れ着かないって言ってたけど・・・でも 海岸に 行ったらワタシたちも 小瓶を 探してみようか。」

 
 リオル「そうだね。」


 リオルはロコンに頷いて、再び海岸へと足を進めた。そして、海岸に着いて洞窟のある方へ向かう 
 小さな波が浜辺に砕けて泡をつくりながら打ち上げられる、砂は少し熱く感じるが慣れれば問題ないぐらいだった。
 

 ロコン「今日は 天気がいいねえ。昨日は 大嵐だったのに。」


 リオル「うん。海も空も青くて、とってもきれいだね。」


 リオルとロコンはキラキラと輝く海を見ながら歩いていると、波打ち際で光る何かを見つけた。それは太陽の光で反射している。


 リオル「あれ 何だろう・・・?」


 リオルは近寄って見てみると、それはクラブが言っていた小瓶だった。


 リオル「あっ。中に 何か 入ってる・・・。取り出してみよう」


 リオルは小瓶の栓を少し力を入れてポンッと良い音を鳴らして抜き、中に入っているものを取り出した。

 
 リオル「あっ。依頼の手紙だ!しかも・・・この かいがんのどうくつ からだ。」


 ロコン「ホントだ!すごーい!・・・でも どこから 出したんだろう・・・?」


 リオルとロコンは少し悩んだが、まあいいかと思い依頼リストに追加した。
 そしてかいがんのどうくつの入口に着いた。


 リオル「準備は いい?ロコン。」


 ロコン「うん!大丈夫だよ!」


 ロコンは段々と自信がついてきたのか、元気なハキハキとした声で返事をした。
 そして二匹は かいがんのどうくつ へと入って行った。


 かいがんのどうくつに入り、大きいフロアで早速シェルダーとサニーゴと出くわした。しかし、リオルとロコンはすぐに戦闘態勢に入り、身構える。


 リオル「『でんこうせっか』!」


 シェルダー「シェルァ~・・・」


 リオル「あ あれ・・・?」


 リオルは『でんこうせっか』で先制を仕掛けたようと考えていたのだが、一発で倒せたのに自分人でも驚いた。


 リオル「こんなに・・・。ボクって 強く なってたんだ・・・。」


 ロコン「感心してる 場合じゃないよ!まだサニーゴが!」


 サニーゴ「サニガァアアア!」


 リオル「いてっ!?」


 サニーゴの攻撃を喰らい、リオルは後ろに転がって、そのまま仰向けに倒れる。ロコンは一瞬焦ったが、すぐにサニーゴに立ち向かう。


 ロコン「『だましうち』!」


 サニーゴ「サニアァ~・・・」 


 ロコンはサニーゴを倒し、リオルの所に駆け寄る。リオルは大したダメージは受けてなかったらしく、尻尾に付いた小石を掃った」


 リオル「ごめん」


 ロコン「リオル。きをつけて 行こうね。」


 リオルは一言苦笑いをしながらロコンに謝る。ロコンはホッと安堵してため息をついた


 落ちていたポケを拾い、出入り口に入って通路を進む。出口から出たフロアには何もなく、すぐに横にあった出入口に入って行った。
 そして出口から出ると、そのフロアに階段があり次のフロアに移動した。

 
 B2Fに着いて、リオルは何かを思い出すとロコンの肩に掛けているトレジャーバッグから依頼リストを取り出す。依頼リストに目を通すと、今居るこのフロアはついさっき浜辺で拾った瓶の中に入っていた手紙の依頼の場所だった。


 リオル「ここが 目的地みたいだ。・・・でも 何て 書いてあるんだろう・・・?」


 ロコン「え?リオル 読めないの?」  
 

 リオル「う うん・・・。そもそも ボクは 元々ニンゲンだったから・・・。」


 ロコンはリオルが手紙に書かれている字が読めないことにキョトンとする。リオルは自分が人間であった為、この世界の文字が読めないことをロコンに伝えた。


 ロコン「あっ。そ そうだったね・・・。えっと このB2Fの どこかに居る ワンリキーを 助けるって書いてあるんだよ。」


 リオル「そっか。ありがとう ロコン」


 字が読めないと理解したロコンは、リオルにこのB2Fの依頼を教える。リオルは教えてくれたロコンに微笑んでお礼を言う。
 それにロコンは頬を赤くして、照れ笑いをした。


 通路を進んでいき、少し広いフロアに出ると左の壁より少し離れたところにカブトが寝ていた。
 リオルとロコンは摺り足で息を潜めて出入口に入って行った。通路の曲がり角に差し掛かった時、突然リオルは足を止めた。


 ロコン「リオル?どうしたの?」


 リオル「『でんこうせっか』!」


 ロコンの質問に答える前に、リオルは目を鋭くさせ『でんこうせっか』を繰り出した。その直後に、ポケモンの断末魔が聞こえた。
 状況判断がつかないロコンは狼狽える。リオルは宙で一回転をすると、元居た場所に舞い戻った。

 
 リオル「カブトが 居たから 不意を突いて 技を 繰り出したんだよ。」


 ロコン「そ そっか・・・。ビックリ しちゃったよ。」


 リオルは後ろに居るロコンの方を向いてさっきの行動を説明し、ロコンはそれを聞いて納得した。
 再び通路を進もうとした時、曲がり角の奥からサニーゴが迫ってきた。


 リオル「(『でんこうせっか』は 届かない・・・。)近づくよ。」

 
 ロコン「うん」


 リオルとロコンはまだ自分達の存在に気づいていないサニーゴの前に躍り出た。しかし、ロコンの足元だけ湿ったいたのかズルっと横に倒けた。
 

 リオル「だ 大丈夫?」


 ロコン「う うん・・・。・・・カッコわるい。」


 リオルはロコンに手を差し出して、ロコンは手を取って立ち上がる。
 

 サニーゴ「サニガァーーーッ!!」


 リオル「『でんこうせっか』!」


 サニーゴ「サニァ~・・・」


 リオルの『でんこうせっか』で瞬殺された。そしてそのまま通路を進むと、誰かの声が聞こえた。

 
 リオル「誰か 居るのかな?」


 出口から出てみると、フロアの隅にワンリキーが壁に凭れて座り込んでいた。
 リオルとロコンはワンリキーに駆け寄って、最初にリオルがワンリキーに話しかける。


 リオル「ワンリキー 大丈夫?」


 ワンリキー「うぅっ・・・。もしかして ワタシが 流した 瓶を 見つけたんですか・・・?」


 リオルの声にワンリキ-は息を切らしながら、リオルに問いかけた。


 ロコン「うん そうだよ。助けに 来たの。」


 ワンリキー「そうですか・・・。ワタシ 助かるんですね・・・。」

 
 ワンリキーの目から一粒の涙が流れる。リオルは微笑みながらワンリキーの涙を拭き取って、ロコンはたんけんたいバッジで通信を入れた。
 そしてワンリキーにバッジを翳し、ワンリキーに不思議な力が授けられた。

 
 ワンリキー「ありがとう・・・。後で ギルドまでお礼に 行きますね・・・。」


 ワンリキーが言い終わると、黄色い柱状の光がワンリキーを包み込んでダンジョンから抜け出させた。


 リオル「・・・。さあ 行こう。ロコン」


 ロコン「うん。次は・・・B3Fで バクスイだまを 探す 依頼だよ。」

 
 リオル「わかった。」


 リオルとロコンは先ほど通った通路を戻り、カブトが寝ているフロアに戻る。しかし、その途中でカラナクシに出くわした。

 
 
 カラナクシ「カラナァーーッ!」



 リオル「ガブリッ!」


 カラナクシ「カラッ・・・!」


 リオルはカラナクシの鳴き声でカブトが起きると思い、『かみつく』を繰り出してカラナクシを倒した。
 

 リオル「(危なかった・・・。もう少しで カブトが 起きるところだったよ。)」


 ロコン「(うん・・・。行こう。)」


 リオルとロコンは出入口に入り、一番初めに来たフロアに続く通路を進みそのフロアに戻って行った。理由はそのフロアに階段があったからである。
 そして階段を使い、次のフロアへ移動していった。

 
 
 B3Fに着くや否や、目の前にサニーゴが現れた。



 リオル「テアッ!」

 
 サニーゴ「サニァ~~・・・」


 リオルは肩でタックルをサニーゴに喰らわし、一撃で倒した。
 壁の隅に落ちていたばくれつのタネを拾い出入口に入る。通路を進んでいき、狭いフロアに出るとすぐ横にある出入口に入って行った。
 そして通路を進んでいき、次に出たフロアで壁の隅に光る何かを見つけた。

 
 リオル「あれって・・・。もしかして。」


 リオルとロコンはそれに近づいてよく見ると、依頼で探していた バクスイだま だった。
 

 リオル「やった!バクスイだまだ!」


 ロコン「これで かいがんのどうくつの 依頼は 全部終わったよ。リオル。」


 リオル「うん。じゃあ 帰ろう。」


 リオルとロコンはバクスイだまをトレジャーバックに入れ、バッジを翳す。光の柱が二匹を包み込み、ダンジョンから抜け出させた。


 
 ギルドに戻ると、二匹によって救出されたワンリキーとバクスイだまの持ち主であるアノプスが掲示板の前で待っていた。疲れ切っていたワンリキーは嘘の様に元気になっており、二匹は安心していた。
 ワンリキーは二匹にお礼としてゴローンのいしを10個を渡し、アノプスも同じくゴローンのいしを10個を渡してくれた。


 ワンリキー「本当に ありがとうございました。」


 アノプス「ありがとう。「はるかぜ」のお二人」
 

 ワンリキーとアノプスは二匹にもう一度お礼を告げて、ギルドから去って行った。  
 

 
 キマワリ「まあ そうですの!ゴローンのいしは いしのつぶてよりも 強力な 飛び道具に なりますわ。」


 リオル「へえ そうなんだ。」


 その後、二匹は夕食を食べていた。リオルとロコンは依頼で貰った報酬のゴローンのいしの説明を、キワマリから詳しく聞いていた。
 優しく教え宛てくれるキマワリの説明はとても覚えやすく、二匹は着々と学習していく。


 キマワリ「でも 強力だから と言っても あまり 使いすぎない様に するんですよ?」


 ロコン「うん。わかった。」


 リオル「ありがとう キマワリ。詳しく 教えてくれて。」


 キマワリ「そ そんな 照れちゃいますわー!きゃ~~~!///」


 キマワリは二匹にお礼を言われると、頬を赤くしてグレッグルの背中を葉っぱの手でベシベシと叩く。
 二匹はギョッとするが、グレッグルは然程気に障ってはいないらしく頬袋を膨らませてリンゴを詰め込むように食べていた。


 
 ロコン「ワタシたちも 寝ようか。また 明日 がんばろうね!リオル!」


 リオル「うん。」


 リオルとロコンは自分達の部屋に戻り、ベッドの上に座っていた。
 リオルはベッドのすぐ横に帽子とゴーグルを置いて、欠伸をした。

 
 ロコン「じゃあ おやすみー。」


 リオル「おやすみ。ロコン」

 
 二匹はベッドの上に寝転び、しばらく目を瞑って寝息を立てながら眠りについた。  

今日はここまで


 翌日、リオルとロコンは昨日と同じように掲示板の前に立っていた。
 今日の掲示板にはトゲトゲやまの依頼が多数貼られており、リオルとロコンは依頼リストを見ながら見定めていた。
 むずかしさはCと今取ってある依頼リストのむずかしさより、一つ上で今の自分達には少し難易度な依頼ばかりだった。

 
 リオル「うーん・・・。昨日 取った依頼が 残ってるし・・・。」


 ロコン「でも 2つとも 同じ場所の 依頼だから すぐに無くなっちゃうよね。」


 リオル「そうだね・・・。じゃあ この二つに しよう。」

  
 リオルとロコンは話し合った結果、二つだけに絞る事にして掲示板の真ん中辺りに貼られた依頼の紙を破り取って、依頼リストに追加した。 
 

 ケムッソ「うぅ・・・。ワタシが 苦手と 言ってる むずかしさC ばかりしか ないです・・・。」


 リオルとロコンが依頼リストに追加させて依頼場所に向かおうとした時、ケムッソの弱々しい呟きが聞こえた。
 ケムッソは負のオーラを漂わせている中、オオスバメだけはやる気満々に掲示板を見ていた。その途中、リオルとロコンに気付くと、話かけた。
 

 オオスバメ「おおっ!「はるかぜ」!オマエたちも Cの依頼を 選ぶのか?」


 リオル「うん。オオスバメも この中の どれかを 選ぶの?」


 オオスバメ「もちろんだ!こんな デカイ山が 多く寄せられる事は 中々ないからな!なあ ケムッソ!」


 ケムッソ「は はいぃ・・・。はぁ・・・」


 オオスバメ「おっ!この依頼は いいな!こっちも!あれもだ!」


 オオスバメは意気揚々と依頼を鼻歌を歌いながら見て手当たり次第に依頼を取っていく。それを見てケムッソの顔は真っ青になった。
 そんなケムッソにリオルとロコンは気づくはずもなく、階段を上がろうとした。しかし、リオルは階段に足を乗せた直後に、ふと顔を掲示板とは反対の方へ向けた。


 リオル「・・・。一応 おたずねものポスターも 見てみようよ。」


 ロコン「う うん・・・。いいよ。」

 
 リオルは少し怖がっているロコンに許しを得て、階段から離れておたずねものポスターの前に立つ。しかし、壁には一枚もポスターは貼られてはいなかった。


 リオル「あれ?一枚も 無いよ?」


 ロコン「あっ。ホントだ・・・。」

 
 ポチエナ「おっと ワルいな。ポスターは 一枚だけしか 無かったから ついさっき 俺たちが 取っちまったんだ。」


 リオルとロコンが首を傾げてポスターの貼られていない壁を見ていると、後ろから灰色の犬の様な体に赤い鼻をしたポチエナが話しかけた。
 後ろを振り向くとポチエナは3匹居り、それぞれ白、黒、グレーの3色のスカーフを巻いている。


 リオル「あ そっか。」


 ポチエナ「オマエら 確か 新しく このプクリンのギルドに 弟子入りした 「はるかぜ」だったな?」


 ロコン「うん。そうだよ?」


 ポチエナ「オレたちは ポチエナ3兄弟!「ポチエナズ」だ!よろしくな」


 リオル「「ポチエナズ」だね。よろしく。」


 ロコン「よろしくね ポチエナ。」


 ポチエナ長(長男)「おう。よろしくな。」


 ポチエナ3兄弟の長男であるグレーのスカーフを首に巻いている大人びたポチエナがリオルに握手を求める。
 リオルはポチエナの手を握り、ポチエナもそれに応えるべく握り返した。


 ロコン「「ポチエナズ」は 掲示板の 依頼を 選ばないの?」 


 ポチエナ次(次男)「オレたちは おたずねものしか 狙わないからな!」

 
 ポチエナ三(三男)「相手を しくこく追い回し・・・ヘトヘトに なったところを 捕まえる。それが 俺たち流の やり方だ。」


 ヘイガニ並みに威勢の良い次男坊の黒のスカーフを巻いているやんちゃそうなポチエナが説明をして、三男の白のスカーフを巻いた静かに話す冷静そうなポチエナがその続きを説明する。


 ロコン「わあ~!カッコいいね!」


 ロコンは目をキラキラと輝かせて、褒め称えると次男のポチエナは鼻を高くして堂々と胸を張る。


 ポチエナ次「だろ!だから 狙うは Cランクの おたずねものだ。EやDより 報酬が いいからな。」


 ポチエナ長「ただし・・・Cランクの おたずねものは かなり 手強い。注意して 戦わなければ こちら側が やられてしまう。」


 リオル「何だか 掲示板の 依頼と よく似てるね。」 


 ポチエナ長「そうだな。さて オレたちは 行くとしよう。」


 ポチエナ次「おう!兄貴!」


 ポチエナ三「そうだな 兄さん。じゃあな」


 長男のポチエナが先に歩いて階段を上り始めると、それに次男坊のポチエナが追いかけ、最後に三男のポチエナはリオルとロコンに別れを告げてその後を追う。


 ロコン「仲の良い 兄弟だね。リオル。」


 リオル「うん。じゃあ ボクたちも 行こう。」


 ロコン「うん!リオル!がんばろうね!」


 リオルとロコンは互いに意気込みを見せて、階段を上がってテントの出口から出ると、ギルドを後にして交差点へ向かった。


 交差点に着くと、二匹はまずガルーラの倉庫へ向かうことにした。
 ヨマワルぎんこうとエレキブルれんけつてんの横を通りすぎて、橋を渡り終え、ガルーラの倉庫のカウンターの前に立つ。


 ガルーラ「いらっしゃい。リオル ロコン。」
 

 ロコン「ガルーラおばさん。おはよう。今日は これとこれを 預けに来たの。」  


 満々の笑顔で話しかけてきたガルーラにロコンは挨拶をして、トレジャーバッグからあかいグミとだいだいグミをカウンターに置いた。


 ガルーラ「あかいグミと だいだいグミね。確かに 預かったわ。おばちゃん 大切に 取っとくからね。」


 ガルーラは「はるかぜ」専用の倉庫に二個のグミを入れて鍵を掛ける。そして、二匹と向かい合う。


 ガルーラ「他にも 何か 預ける?」


 ロコン「うーん。後は 持っていく 物だから いいよ。じゃあ 行ってくるね!ガルーラおばさん。」


 ガルーラ「気を付けてねー。」


 リオル「行ってきます。」

 
 リオルとロコンはガルーラに手を振って、カクレオン商店の前を通り過ぎて行き、交差点へ足を進めた。
 その途中、リオルは前々から気になっていた岩で出来ている建物に少し立ち寄ってみることにした。
 建物の前に立つと、その建物は全体は岩で出来ており屋根は建物の真ん中は岩だが、端は瓦で上端は巨大な骨が接合されており屋根の中央にはポケモンの顔をした骨が乗せられていた。

 
 リオル「これは 何て 書いてあるの?」

 
 ロコン「ガラガラ道場って 書いてあるよ。中に 張り紙が あるよ?何か 書いてある・・・。」


 ロコンは建物の入口の前に札が吊るされているのに気づき、内容を読んでみた。


 『ガラガラどうじょうは 潰れただよ。でも いつか 必ず 復活するだよ!絶対に 復活するだよー!!

   -ガラガラどうじょうの 主より -』  


 ロコン「・・・だって。」


 リオル「ガラガラ道場か・・・。復活するって 事は またここを 開くんだろうね。」


 ロコン「そうだね。また 開いたら 来てみようよ。」


 リオル「うん。」


 二匹はガラガラ道場を後にして、再び交差点に向かった。 
 交差点に着くと、二匹は依頼リストに目を通してどれにするか悩み始める。

 
 リオル「しめったいわばか トゲトゲやまの どっちにしようか・・・。」


 ロコン「ん~・・・。今日は 少し ハードルを上げて Cランクの トゲトゲやまの 依頼を選ぼうよ。」

 
 
 リオル「え?・・・。うん どうだね。じゃあ 行こう。」



 ロコン「うん!」 


 リオルは昨日とは少し違って、自ら難しい方を選んだロコンに意外性を感じて驚いたが、また成長したロコンの姿に嬉しさを覚えて微笑んでトゲトゲやまの依頼を選ぶことにした。

 
  
 トゲトゲやまに到着した二匹は、道具を確認してトゲトゲやまへと登って行った。

 B1Fの最初のフロアに入ると、すぐ目の前に階段を見つけ足元に落ちていた、へんげのたまを拾い階段付近に落ちていたリンゴも拾ってすぐに次のフロアへ移動していった。

 B2Fに着くと狭いフロアに出て、中央に落ちていたしばられのタネを拾い3つの内左側の壁にある出入口に入って行った。
 通路の曲がり角を曲がってそのまま真っ直ぐ行くと、左右の分かれ道になっていた。リオルは房を浮かばせながら集中力を高め、自称「勘」で階段がどこかを選び始めた。


 ロコン「どっちかな?リオル。」


 リオル「・・・こっち。」


 そういうとリオルは左の方の通路を進み始める。そして出口が見え、出てみると若干広いフロアに出た。

 
 ムックル「ムクァーーッ!!」


 しかし、そこでムックルと出くわしてしまった。リオルは斜め右に進んで身構えると、足腰に力を入れる。

 
 リオル「『でんこうせっか』!」


 ムックル「ムクァ~・・・」

 
 リオルは先手必勝と『でんこうせっか』を繰り出し、ムックルを一撃で倒した。 
 ムックルが通ってきたと思われる出入口に入って行き、曲がり角を曲がったところで今度はイトマルと遭遇した。

  


 イトマル「トマァーーッ!」


 イトマルはリオル達が視界に入った途端に、足を広げて牙も広げて威嚇する。リオルは身構えて技を繰り出す。
 互いに相手を警戒して、先に動いたのはリオルだった。


 リオル「『でんこうせっか』!」


 イトマル「トマッ!」


 リオル「なっ!?」


 リオルの繰り出した『でんこうせっか』をイトマルはかわすと、リオルの目の前まで接近してきた。リオルは唇を広げて小さな犬歯を見せる。


 リオル「ガブッ!」


 イトマルに『かみつく』を繰り出し、イトマルの体に噛みつく。犬歯が体に食い込み、イトマルは痛みから逃れようと体を揺さぶってリオルを剥がそうとする。リオルは噛みつくのを止めると軽くジャンプしてイトマルから離れる。
 イトマルは『こわいかお』を繰り出した。しかし、リオルはなんともない


 リオル「『でんこうせっか』!」


 イトマル「トマァ~~・・・」


 リオルはトドメに『でんこせっか』を喰らわせてイトマルを倒した。リオルは技をかわされた時の焦りがまだ残っていたようで少し心臓の脈が乱れる。
 大きく深呼吸をして、一息つくとロコンに「行こうと」言って通路を進み始めた
 通路の出入り口から出ると、少し広いフロアに出て階段を見つける。

 
 
 リオル「あ 階段だ。」



 ロコン「すごーい!やっぱり リオルって 何か 特別な力を 持ってるんじゃないの?」


 リオル「わからないなあ・・・。 ボク 自身でも。」


 リオルとロコンは会話をしながら階段で次のフロアへ向かった。

 
 
 3Fに着くや否や、イシツブテが目の前に現れた。リオルは『でんこうせっか』を繰り出すと、ロコンは『だましうち』でトドメをさした。

 イシツブテを倒して、リオルとロコンはお互いのコンビネーションに満足して頷き合う。
 フロアの三方にある内の右側の壁に開いた出入口に入って行き、進んでいくと少し離れた所にしばられタネを見つけて拾う。
 しばられタネをバッグに入れてリオルから見て前方の壁にある出入口に入り、進んでいく。

 
 リオル「いたた・・・。」


 ロコン「どうしたの?リオル」


 リオル「ううん。ちょっと 足に 小石が刺さって 痛いだけだから。」


 ロコン「大丈夫?」


 リオル「うん。その内 慣れると 思うよ。」

 
 リオルは足の裏にある肉球にこびり付いた小石を掃って、心配そうに見つめるロコンに微笑み返す。
 二匹は通路を抜けて、出口から出ると広いフロアに出た。

 
 
 ワンリキー「リキーッ!」



 イトマル「トマァーッ!」


 そのフロアにいたのはワンリキーとイトマルだった。リオルは出入口の前で止まって横に移動する。ロコンはワンリキーとイトマルが居るのに気づいて通路の出口から出た。


 リオル「ロコン!いしのつぶて!」


 ロコン「う、うん!」


 リオルはロコンから「いしのつぶて」を受け取ると、一番近くにいるワンリキー目掛けて投げた。「いしのつぶて」はワンリキーの頭に当り、ワンリキーが少し怯む。しかし少ししかダメージを与えられず2匹はジワジワと迫ってくる。
 ワンリキーがリオルの目の前まで来ると、リオルは目を鋭くさせて足腰に力を込める。

 
 
 リオル「『でんこうせっか』!」



 ワンリキー「リキッ・・・!」


 リオルの『でんこうせっか』が決まり、ワンリキーにダメージを与える。ワンリキーを倒すのは後一撃で済みそうだが、後ろからイトマルがカサカサと足音を鳴らしながら迫ってくるのにリオルは焦りを見せる。
 リオルは『でんこうせっか』を繰り出し、ワンリキーを倒した。次はイトマルだ。
 イトマルが目の前まで来る。リオルは『でんこうせっか』を繰り出す。


 イトマル「トマッ!?」

 
 イトマルは『でんこうせっか』で怯むが近づいてくる。そしてリオルとロコンの目の前まで来た。


 リオル「ヴォッ!」

 
 
 ロコン「ロォアアアッ!!」


 
 イトマル「トマーーー・・・ッ!」


 リオルの攻撃から、ロコンの『ひのこ』の追撃でイトマルは倒された。リオルとロコンは右側の壁にある出入口に入る。
 通路を進んでいき、出口から狭いフロアに出ると階段を見つける。二匹は階段を使って移動する。
 
 4Fに着くと、すぐ目の前に階段を見つけて即座に移動した。
 5Fに着き、フロアの端っこに落ちていたリンゴを拾ってバッグに入れ出入口に入る。通路を進んで行き、出口から広いフロアに出た。

 
 リオル「あ、あそこ。」


 ロコン「!。階段だ!」


 そのフロアで階段を見つけて、次のフロアに移動する。

 着々と移動して行くリオルとロコンは目的地の6Fに着いた。
 6Fに移動して今居るフロアで足元に「あつまれだま」を見つけて拾う。更に、フロアの中央付近で依頼の探し物である「だいだいのグミ」を見つけた。

 
 
 リオル「これが 依頼に 書いてあった 探し物?」



 ロコン「うん!きっと そうだよ!」


 リオル「やったね。」


 リオルとロコンはハイタッチをした。バッジを掲げると黄色の柱状の光が二匹を包み込みダンジョンから抜け出した。
 


 ギルドに戻ったリオルとロコンは掲示板の前で待っていたアノプスからお礼として「ちゃいろグミ」と「ぎんいろグミ」さらに「もうげきのタネ」を貰っていた。
 

 アノプス「ありがとう、はるかぜのお二人!」


 ロコン「どういたしまして。アノプス。」


 リオル「今度から 気を付けてね。」


 アノプス「はい!」


 アノプスは二匹に頭を下げて、階段を上りギルドから去って行った。
 

 夕食の時間になり、ギルドのポケモン達は食堂に集まる。
 木で作られた長いテーブルの中央に置かれた、山盛りの木の実や果実が次々と減っていく。主にドゴームやビッパが食べるスピードが早いからであろう。
 リンゴを齧って咀嚼するリオルはふと、ペラップの後ろ隣に立っているプクリンを見る。
 プクリンは今食べているリンゴよりもはるかに大きなリンゴを頭の上に乗せて回っているだけで食べていなかった

 
 リオル「ねえ ドゴーム。」


 ドゴーム「ん?なんだ?」


 リオルは隣でリンゴをガツガツと食べているドゴームの腕をちょんちょんと突つく。それにドゴームは気づくと食べるのを止めてリオルを見る。


 リオル「プクリンは 何で あのリンゴを 食べないの?」


 ドゴーム「ああ あれは 俺がこのギルドに 入った時から ああやってるんだ。理由は 知らないがな。」


 リオル「そうなんだ。」


 リオルはドゴームの返答に相槌を打つ。因みにドゴームと会話したのはおそらくこれが初めてであった。
 その後、夕食を食べ終えギルドのポケモン達は各自の部屋に戻る。
 部屋に戻ったリオルとロコンは、お互い自分の作業をしていた。リオルはゴーグルのレンズに吐息を吐いて曇らせると自分の尻尾で拭いて綺麗にし、ロコンは6本もある尻尾の毛繕いをしていた。
 ポケモンにとって毛繕いはお風呂代わりであり、特にメスポケモンは本能なのか汚れなどを気にするため丹念にするのだ。
 

 リオル「よし。これで 綺麗になった。」


 ロコン「ワタシも。・・・ って リオルは 毛繕いしないの?」


 リオル「え?あー・・・。ニンゲンは 毛繕いは しないから・・・。」


 リオルはベッドの横に置いてある帽子の上にそっとゴーグルを置いて、足裏を合わせる様に座ってロコンと向き合う。
 ロコンは綺麗にした尻尾をゆらゆらと揺らして、リオルを不思議そうに見つめている。
 

 ロコン「でも 体が 汚れたままだよ?」


 リオル「じゃあ 水飲み場で 洗ってこようかな・・・。でも カゼ引いちゃうかも しれないし・・・。」

 
 リオルは腕を組んで鼻を天井に向けて悩む。確かに体を洗わないのは不潔である。
 しかし水飲み場の冷たい水で体を洗えば体が冷えて風邪を引くに違いない。そもそも拭く物を持っていないため、濡れた体を乾かすには体を振る動作をして乾かさなければならない。
 その方法をリオルはやったことないため、濡れたままになることは目に見えている。
 リオルが唸って悩んでいると、ロコンが口を開いた。
 

 ロコン「・・・。じゃあ ワタシが してあげるよ!」


 リオル「えっ。」

ここまで。


保守してくださった皆さん。本当に、ありがとうございます。


 リオルはロコンの突然な提案に驚いてポカーンと口を開ける。しかしそんな事をお構い無しにロコンはリオルの背後に回った。
 リオルはしばらく思考が停止していたが、頭に何かが這う様な感覚に思考が無理矢理動かされ、ハッと我に返る。
 

 リオル「ちょ ちょっと! ロコン!?」


 ロコン「ん? どうしたの?」


 リオルは慌てて後ろを振り返って手で後ろに下がる。振り返って見てみると、ロコンは小さな舌を口から覗かせながらリオルを不思議そうに見ている。
 自分の頭にあった感覚はロコンが頭を舐めていたものだとリオルはわかり、顔を赤らめる。


 リオル「そ そんな事 しなくていいから・・・///。」


 リオルは舐められた箇所を手で拭う。
 しかし、ロコンはまだ不満が残っているらしく、困った様な少し怒っている様な表情でリオルに近寄る。


 ロコン「えー。でも 毛の生えてる ポケモンは 毛繕いをしないと いけないんだよ?」 

 リオル「ボ ボクは ニンゲンだから。」


 ロコン「でも 今は ポケモンでしょ?」


 そこからリオルは口を開けず、口をモゴモゴさせながら黙り込む。
 何故そこまで毛繕いをしなければならないとかはわからないが、リオルはロコンがこのまま満足しないと仲が悪くなるのではないかと思い始めてきた。


 ロコン「遠慮しないで? リオル。」
 

 リオル「・・・。・・・う うん・・・。」


 ロコン「じゃあ 座って♪。」


 リオルはロコンがポンポンと軽く叩いたリオルのベッドに言われた通り座る。何故か正座になっている。
 リオルは背後にいるロコンの気配が段々と近付くのに緊張していき、固唾を飲んだ。


 ロコン「いくよー。」


 そう言うや否やロコンはリオルの頭を舐め始めた。リオルは背筋がぞくぞくっとする感覚に襲われる。
 ロコンはリオルの反応を気にせず毛繕いを続ける。頭を舐め終えると、今度は両耳の穴に前足を入れてきた。耳掃除なのだろう。
 リオルは突然の耳に伝わってきた刺激に電撃が走ったかの様に肩がビクッとなる。
 そして、今度は房を舐めた。その瞬間リオルは今まで味わったことの無い感覚に頭が真っ白になり、意識が遠退いていく。

  
 
 ロコン「はい 終わったよ。」



 リオル「・・・。」


 ロコン「・・・? リオル?」


 ロコンは返事を返してこないリオルの肩に手を置く。するとリオルはコテンッと体を正座のままの姿勢でベッドに倒れる。倒れてもなお綺麗な正座のままであった。


 ロコン「あれ? 寝ちゃった・・・。気持ちよすぎたのかな。」

 
 房を舐められた刺激に耐えられず、意識が飛んでしまい、そのまま寝てしまったのをロコンは勘違いしていた。
 ロコンは欠伸をすると自分のベッドに乗り、体を丸めて尻尾を抱き枕にするように抱きついて目を閉じた。


 ロコン「おやすみなさい。リオル。」


 リオルからの返事はなく、ロコンは眠りについた。


 翌日の朝、ドゴームがリオルとロコン達を起しに来た。
 

 ドゴーム「起きろ!起きろおおおおおおお――――!!!朝だぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー!!!」


 ドゴームの途轍もなく大きなの声がギルド全体を揺るがす。ロコンとリオルの耳にも声が響き渡り、頭の中まで響く。
 ドゴームは二匹が起きるのを確認することもなく、部屋から出て行った。


 ロコン「うぅ・・・お おはよう。リオル。」


 リオル「・・・。あ おはよう ロコン・・・。」


 ロコンは目を回しながらフラフラと起き上がった。それに対してリオルは目を手で擦りながらスッと目覚めの悪さも無く起きた。
 
 リオルはベッドの隣に置いていた帽子を被ってゴーグルをつける、ロコンはバッグの中に入っている道具を確認した。


 リオル「行こう ロコン。」


 ロコン「うん。」


 リオルとロコンは部屋から出て行き、集合場所に向かった。

 
 ペラップ「さあ みんなっ♪ 仕事に かかるよ♪」


 みんな「おお――――っ!!」


 集合場所に着き、ギルドのポケモン達と朝の誓いの言葉を言い終えてペラップの掛け声に応える。
 ポケモン達はそれぞれ自分たちの仕事に向かい、リオルとロコンも依頼リストを取り出して、どの依頼にするか見ながら仕事に行こうとした。

 
 
 リオル「じゃあ 残りの依頼を 熟しに 行こっか。」



 ロコン「うん!」


 ドゴーム「オマエたちっ!!」


 突然大声でドゴームに呼ばれて、リオルとロコンは驚く。ペラップも驚いていた。


 ドゴーム「オマエたちっ!今日は こっちを 手伝ってくれ!!」


 ドゴームは二匹に近づいてそう言うと、グレッグルがいつも何かしている自分の顔が掘られた岩で作られた造形物の少し離れた場所にある穴に向かう。リオルとロコンは後に続く。
 穴の傍にはディグダが待っていた。


 ドゴーム「ディグダ 連れてきたぞ!」


 ディグダ「ありがとうございます。ドゴームさん。」

 
 ドゴーム「今日は オマエたちには 見張り番を やってもらう!」


 ディグダ「すみません。見張り番は いつも ボクの 仕事なんですが・・・今日は お父さんに 掲示板の 更新を 言いつけられまして・・・ 見張り番の 仕事が できないんです。

      で 誰か ボクの代わりに 今日 1日 見張り番を してほしい。・・・と言うワケで よろしく お願いします。では。」


 ディグダは長々と説明した後、あっさりと二匹に任して地中に潜って消えて行った。
 二匹はディグダの説明をよく聞き取れず、ドゴームの方を見る。ドゴームは二匹に向かって笑顔を見せた。 
 今朝の大声で起しに来た時とは大違いの表情だった。


ドゴーム「・・・と言うワケだ。」


 ロコン「ええ~っ!?何が どう言うワケなのか 全然 わからないよー!」


 ドゴーム「うるさ――――いっ!!つべこべ 言わずに 働け―――――いっ!!!!」


 ロコン「ううっ・・・頭が ガンガンするぅ・・・。」


 リオル「う うん・・・。」


 ドゴームはロコンに向かって朝と同じような声量で怒鳴り上げる。ロコンとリオルは耳を塞ぐ。
 帽子で耳を覆い隠されていると思われているリオルだったが、実は帽子には穴が開いており耳が飛び出しているので緩和には全くなっていない。
 しばらくして、リオルとロコンはドゴームにちゃんとした説明を聞く。


 ロコン「それで ワタシたちは どうすれば いいの?」


 ドゴーム「この 穴に 潜って 見張り番を するのだ。」


 ロコン「見張り番?」


 ドゴームは穴を指して言った。リオルとロコンの目の前にある穴は、奥底が暗くて全く見えずかなり深い穴であった。


 ドゴーム「そう。見張り番だ。ギルドの 中に 怪しい奴を 通すワケには いかんからな。ギルドの 入口の 所で どんなポケモンか 見極めているのだ。」


 リオル「もしかして 入口の 足元にある格子に 乗った時 足型を見られたけど・・・。足型を見る 仕事なの?」


 ドゴーム「その通り。理解が 早くて 助かる。この穴は 見張り穴の 下へと 通じている。ディグダは この穴を 通って 見張り穴の 真下まで行き・・・ 見張り穴に 立つ 足型を見て どんなポケモンかを ワシに 教える。

      それを聞いて ワシが 怪しいポケモンでなければ 入口を 開け・・・ギルドの中に ポケモンを通す・・・とまあ そんなワケだ。」


 リオル「(ドゴームが 入口の扉の 開け閉めをしてるって 事は・・・。この 帽子とゴーグルを 見つけた日の 朝方に 開いてたのは 閉め忘れてたからかな?)」


 リオルはギルドに弟子入りしたその翌日に、朝早く起きて外に出ようとした時たまたま開いていた扉の事を思いだす。
 ドゴームはリオルを「何だ?」と言っている様に見て、それにリオルは「何でもない」と言う様に首振った。ドゴームは首を傾げたが、二匹に説明を続ける。


 ドゴーム「とにかく オマエたちは 足型を見て ポケモンを 教えてくれれば いいんだ。どうだ? わかったか?」


 リオル「わかった。」


 ロコン「うん。」


 ドゴーム「よし!じゃあ 早速 仕事だ!しっかり やるんだぞ!」


 説明を聞き終えて、先にリオルが入って行き、次にロコンが入って行った。
 穴を降りるために蔦を掴みながらゆっくりと降りていくが、段々と暗くなっていく。足が奥底の地面に着くと、リオルは数歩下がってロコンが降りてくる所のスペースを開ける。
 ロコンも穴の奥底に着くと、まず最初にあまりの暗さに驚いた。
 

 ロコン「わわっ 真っ暗よ・・・。リオル。」


 リオル「・・・。」


 ロコンの言葉にリオルは返答をする代わりに、掌を見張り穴へ続く通路へ差し出して目を瞑る。ロコンは不思議そうに見ていると、リオルの房が浮かび上がった。


 リオル「・・・。ロコン ボクの 尻尾を掴んで。」


 ロコン「え?う うん・・・。」


 リオル「行くよ。」


 ロコンはリオルに言われた通り、尻尾を掴む。と言うよりは優しく握っている。
 尻尾を握られたのを確認すると、リオルは見張り穴へと続く通路を歩いて行く。全く見えない通路をリオルはまるで見えているのかの様に進んで行く。
 しばらく進んで行くと、ロコンが何かを見つけた。
  

 ロコン「あっ!あそこ!光が 見えるよ!リオル!」


 リオル「うん。」


 リオルは目を開けると、前方に段差になっている通路の上に丸い見張り穴から漏れている光が見えた。
 リオルとロコンは近づいてみると、かなりの高さになっている段差を上らないといけないようだった。リオルは手を段差の壁を触ってみるとカサっと僅かに小さな音が聞こえた。


 リオル「ここに 蔦があるんだ。触ってみて?」


 ロコン「どこに あるの?」


 リオル「ここだよ。」


 ロコンの手を壁に付けている手とは反対の手で取って、蔦を触らせる。


 ロコン「あっ ホントだ。」


 リオル「これを 上って 行くんだと 思うんだ。」


 ロコン「なるほど!じゃあ 先に リオルが 上ってみて?」


 リオル「うん。わかった。」


 リオルは蔦を掴むと、右足を壁に引掛ける様にして勢いをつけて登り始める。
 段差をよじ登ると、上を見て格子が張られている見張り穴であることに間違いないと思った
 ロコンも上ってくると、リオルは手を差し伸べる。ロコンは手を握って、見張り穴の見える段差を上りきった


 ドゴーム「どうだーっ!下まで ついたか―――っ!?」


 ロコン「うん!ついたよ!」


 通路の奥から響き渡って聞こえてくるドゴームの声にロコンは返事をする。


 ドゴーム「よしっ!それでは 見張り穴の 上に ポケモンが 乗る筈だ!その時 誰の 足型か ワシに 教えてくれっ!いいなっ!!」

 
 
 ロコン「うん!わかったよ!」



 ドゴーム「よしっ!では いくぞ!」


 リオル「ロコン。ボクが やってみたいんだけど いいかな?」


 ロコン「うん。いいよ ガンバッてね!」


 リオルは珍しく自分がしてみたいと言い、ロコンはそれを承認してリオルに任せた。


 ドゴーム「よしっ!では いくぞ!」


 ドゴームの声にリオルは上を向いて見張り穴を見る。すると穴から漏れていた光が遮られた。


 ドゴーム「ポケモンが きたぞー!足型を よく見て 応えろよー!!」


 リオルは目を凝らして見る。足型を見ると、少し縦長の丸くて3本の爪が生えており、真ん丸な肉球が特徴の足型だった。


 ロコン「この足型は誰かな?」


 リオル「・・・足型は ゴンべ!足型は ゴンベ!」

 
 ドゴーム「よし!入れ!・・・よし!正解だ!」


 次に乗って来たのは、草の根っ子の様なのが特徴の足型だった。


 リオル「これは 簡単。足型は マダツボミ!足型は マダツボミ!」


 ドゴーム「・・・よし!正解だ!」


 ドゴーム「ポケモンが 来たぞー!」


 踵は丸く足先が尖って、涙型をしているのが特徴の足型だった。


 リオル「んー・・・。・・・足型は タテトプス!足型は タテトプス!」

 
 ドゴーム「・・・あってるぞー!正解だ!」


 ロコン「すごーい!よく わかったね!」


 ドゴーム「ポケモンが 来たぞー!足型を よく見て 応えろー!!」


 カーブした鋭い爪のような形が特徴の足型だった。


 ロコン「この 足型は 誰かな?」


 リオル「これは 足じゃなくて・・・。あっ わかった!足型は テッカニン!足型は テッカニン!」


 ドゴーム「・・・正解だ!良い調子だぞー!」


 ドゴーム「ポケモンが 来たぞー!」


 長細く、平たい足先が特徴の足型だった。


 リオル「足型は ヌマ・・・。じゃなくて 足型は ラグラージ!足型は ラグラージ!」


 ロコン「んー?ちょっと 違うよ?」


 リオル「え?・・・あっ ホントだ。似てるけど 小さい!これは・・・。足型は ワニノコ!足型は ワニノコ!」


 ドゴーム「・・・よーし!正解だ!」


 ドゴーム「ポケモンが 来たぞー!」


 楕円型を横にして、3本の爪が生えたようなのが特徴の足型だった。


 リオル「足型は フシギソウ!足型は フシギソウ!」


 ドゴーム「・・・よし!正解だ!」


 足型を見極める作業を順調に進めていき、夕方になった。


 ディグダ「お待たせしましたー!」


 ドゴーム「おーい!ロコンにリオルーっ!もう 終わりだ!戻って来い!」


 リオル「あ 終わりだって。」


 ロコン「うん。戻ろう!」


 リオルとロコンは蔦を伝って段差から降りていき、通路を進んできた時と同じようにリオルが目を瞑って房を浮かばせながら元来た道を進んで行く。
 蔦を上って穴から出ると、ドゴームとペラップが紙を持って待っていた。


 ペラップ「おまえたち ご苦労だったな♪それで 見張り番の 仕事の 出来具合だが・・・」


 リオルとロコンはいきなりの仕事の評価の発表に戸惑う


 ペラップ「結果は・・・」


 ペラップは結果を言うのを焦らす。リオルとロコン、ドゴームは固唾を飲む。


 ペラップ「なんとパーフェクト!!全問 正解だ♪」


 ペラップは翼から紙吹雪を撒き散らして、二匹の仕事ぶりを褒めた。ドゴームも二匹に拍手を送ってくれた。

 
 
 ロコン「やったあ!よかったね リオル!」


 
 リオル「うん!ワニノコの 足型を 間違えちゃいそうだったけど 正解して よかったよ。」


 ペラップ「がんばった ご褒美だ♪報酬も スペシャルバージョン!特別に いっぱいあげるよ♪」


 そう言うとペラップはリオルの前に立って羽の間に何かを挟んでいる物を差し出す。リオルは掌でそれを受け取った。
 500ポケと「しあわせのタネ」さらに「カテキン」さらに何と「いのちのタネ」までもらってしまった!


 ロコン「こ こんなに 貰っていいの!?」


 ペラップ「もちろんだ。この調子で また 頑張るんだよ♪」


 ロコン「うん!がんばるよ!」


 リオル「ありがとう ペラップ」


 二匹は喜びながらペラップにお礼を言う。ペラップは照れ臭そうに羽先で嘴を撫でる。


 夕食の時間、二匹はキマワリとヘイガニ、ビッパに今日の仕事のことを話していた。


 キマワリ「まぁ!全問 正解 だなんて すごいですわ!」


 ヘイガニ「オイラなんて 初めてやらされた時は 散々で 夕食抜きにされたヘイ・・・。」


 ビッパ「あっしも 同じでゲス。二匹とも すごいでゲスねぇ。」


 ヘイガニはその時の事を思いだして、リンゴを持ったまま悲しそうな表情を浮かべビッパも同じような表情を浮かべた。


 ロコン「ううん リオルが 全部当ててくれた おかげだよ。」


 リオル「そ そんなことないよ。ワニノコの 足型の時 注意してくれた ロコンのおかげでも あるよ。」


 ロコン「えへへ///お互い様って やつだね。」


 リオル「そうだね。」


 ロコンとリオルは笑いあった。
 夕食を終えて、各自の部屋に戻るとリオルはベッドに寝転んだ。今日はやった事のない仕事をして、疲れたのだろう。


 ロコン「リオルー。毛繕い しないと ダメだよー。」

 
 リオル「あっ・・・。そうだったね。」


 そう言うとリオルは昨晩の事を思いだして、勢いよく起き上がると手を一舐めして頭に擦り付ける。それを見てロコンは感心したように、自分も毛繕いを始めた。
 リオルは適当に舐めればいいのだと思っていたが、何となく自分では気に入らず最後まで毛繕いをした。


 リオル「よし。終わった。」


 ロコン「うん。じゃあ おやすみ。リオル。」


 リオル「おやすみ ロコン。」


 二匹はベッドに寝転んで、すぐに眠った。


 
 *「ぐっ あぁ・・・っ。」


 深い森の中で、あの羽を使わず歩いているポケモンが大きな木の陰に倒れ込んでいた。
 体中にあった傷は少し無くなっているが、体の中心に新たな傷ができてしまったいた。その傷でポケモンにかなりの重傷を与えているに違いない。

 
 *「・・・。・・・何故・・・。」

 
 声を絞り出すように腕を天に翳す。鋭いその腕は月の光で輝いた。


 *「何故なの・・・ですか・・・。」


 そういうと、ポケモンは意識を失う様に眠りについた。近づく、3つの顔にも気づかないままに

今日はここまで。

見張り番久しぶりだったので難しかったですが、何とか全問正解しました。ワニノコとラグラージを間違えたのがちょっと残念でしたけど
超不思議のダンジョン、かなりすごいですね。主人公となる候補のポケモンが20で、720のポケモンが出るそうです。

ただロコンとイーブイ、エネコにニャースとコリンク、ゴンベがいなくなったのが残念ですね・・・
特にロコン好きの自分にとっては残念です・・・。あとコリンクも時のダンジョンでは相棒定着してましたからね

でも、心理テスト復活は嬉しいです!ポケダンはあれが醍醐味ですもんね。


 翌日、リオルとロコンの今日の仕事はいつも通りの掲示板やおたずねものポスターの依頼を熟す仕事だった。
 掲示板の依頼を見ていると、後ろの方で何やら甲高い声を上げて話しているのが聞こえた。後ろを振り向くと、二匹とも真っ黒の体をしたチームのポケモン達が話していた。

 
 リオル「どうしたの?」

 
 リオルは気になって二匹のポケモン達に話しかけた。話しかけられた二匹はリオルの方を見る。
 三角帽子に似た頭部とホウキに似に尾をしている黒い体の鳥ポケモンのヤミカラスが口を開いた。


 ヤミカラス「今のランクでは 物足りないザマスのよ!」 


 ロコン「ランク?」


 ヤミカラス「そうザマス!探検隊ランクを もっともっと 上げて・・・光り輝くような ランクを 目指すザマス!キエ―――ッ!」


 ヤミカラスは山の手言葉で興奮気味に話すが、二匹は奇声を上げるヤミカラスに若干怖がる。
 すると頭が尖ったてるてる坊主に似たのゴーストポケモンのカゲボウズが、苦笑いを浮かべて丁寧に応えた。


 カゲボウズ「探検隊には ランクがあるのよ。知らなかった?」


 ロコン「うん ワタシ達 ここに弟子入りして 数日経ってるけど 初めて聞いたよ。」


 カゲボウズ「あら そうだったの。そう言われて見れば バッジは まだノーマルランクね。」


 リオル「ノーマル・・・。」


 カゲボウズ「わたしたち「マックロー」は シルバーランク。あなた達より 2つ上のランクよ。」


 リオルは自分達が持っているバッジを見た。枠は真っ白で鈍くピンクに輝く丸い石が埋め込まれている。 
 カゲボウズが見せてくれているバッジは枠は自分達と同じく真っ白だが、埋め込まれている石は銀色に輝いていた。
 

 リオル「どうすれば ランクを 上げれるの?」


 カゲボウズ「依頼を 熟していく だけよ。依頼に 難しさがあるのは 知ってるわよね?」


 ロコン「うん。前に オオスバメとケムッソから 聞いたことが あるよ。」


 カゲボウズ「ああ あの二匹ね。その難しさを表す アルファベットの 後ろに数字も 書かれているでしょう?」
 

 リオル「これ?」


 リオルはロコンか掛けているバッグから依頼リストを取り出して、一番上に重ねている依頼の難しさに書かれている数字を指してカゲボウズに見せる。
 カゲボウズは頷いて、説明してくれた。


 カゲボウズ「そうよ。それは ランクを上げる ポイントなの。」


 リオル「へえ そうだったんだ。」


 ロコン「ありがとう カゲボウズ。教えてくれて。」


 カゲボウズ「どういたしまして。これからも お互い ガンバりましょう。」


 カゲボウズは二匹に笑顔でそう言うと、リオルとロコンは頷く。


 掲示板の依頼を2枚ほど取った後、リオルとロコンはおたずねものポスターに目を通すことにした。
 その時、ちょうど「ポチエナズ」とすれ違った。


 ポチエナ長「よお。「はるかぜ」じゃないか。」


 リオル「「ポチエナズ」 おはよう。今日も おたずねものポスターの おたずねものを 捕まえるの?」


 ポチエナ次「もちろんだ!賞金が 高くて なつべく 弱そうなヤツが 狙い目だな。」


 リオルは挨拶を交わして、ポチエナ達に聞くと二男のポチエナが得意げに言う。しかし、言ってることはカッコいいのかカッコわるいのかはわからないが。


 ロコン「でも 何で 弱いポケモンでも 悪いことをしちゃんだろうね?」


 ポチエナ三「時が 狂い始めた 影響と 世の中では言っているが。オレは そうは思わないな。

   
      何でもかんでも 変な事が 起こってるからって そのせいに するのも おかしいと思う。


      それに 世の中に わるいポケモンが いるから オレ達の 商売も 成り立っているんだ。」


 三男のポチエナの言葉にリオルとロコンは実に正論な事を言われて応えだせない。ロコンはただ単に何故悪いことをするのかを聞いただけなのだが、三男のポチエナは深読みし過ぎて言ったのかもしれない。
 

 ポチエナ長「そうだ。一枚 まだ余っていたぞ。」


 ロコン「!。ホント!?」


 ポチエナ次「ああ。難しさが どうにも オレ達には 厳しすぎるからな。」


 次男のポチエナは残念そうに肩をガクッと落として落ち込むと、長男のポチエナが「仕方がない」と言って頭を撫でながら励ます。


 ポチエナ長「じゃあ オレ達は行くとしよう。ガンバれよ。」


 「ポチエナズ」は階段を上って行き、おたずねものを捕まえるべくギルドから出て行った。
 リオルとロコンはおたずねものポスターが張られている壁の前に立つと、そこに一枚だけポスターが残っていた。

 
 
 リオル「えっと・・・。 ロコン 何て 書いてあるの?」



 ロコン「小悪魔サニーゴ。常に 心に 悪巧みを 持っています。捜査に ご協力 願いますって書いてあるよ。」


 リオル「そっかあ。・・・ボクも この世界の 言葉を 覚えなくちゃいけないなあ・・・。」


 ロコン「それなら ワタシが 教えてあげる!」


 リオル「ありがとう。ロコン。じゃあ このポスターの 依頼を 熟してみようか?」


 ロコン「ん~・・・。うん ちょっと 怖い気もするけど ガンバってみようよ!」


 リオル「うん!」


 リオルとロコンはギルドから出て、交差点まで来るとキマワリとビッパと居合わせた。
 リオルとロコンは近寄ってみると、ビッパの手足は寒いわけでもないのに震えていてキマワリはビッパに話しかけていた。
 

 リオル「ビッパ キマワリ。」


 ビッパ「リオルと ロコンでゲスか。」


 リオルはビッパに声をかけるとビッパはリオルとロコンの方を見る。キマワリも後ろを振り向いた。


 キマワリ「これから 依頼を熟しに 行くのですわね?」


 ロコン「うん。キマワリとビッパも?」


 ビッパ「はいでゲス。今から キマワリと 一緒に 探検へ 出かけるところゲスが・・・ううっ・・・。すごく 緊張するでゲス・・・。」


 キマワリ「怖がること ないですわ。ビッパ。勇気を 持って 探検に 出かけましょう。あの時だって あなたはたった一匹で 冒険を したでしょう?」

 
 キマワリはビッパを元気づける様に言うと、ビッパはキマワリの言った「あの時」と言う言葉にハッとすると手足の震えが止まった。


 ビッパ「・・・。そ そうでゲスね。あっしも 立派な 探検家になるって 決めた身ゲス! ガンバるゲスよ!」


 リオル「ガンバッてね。ビッパ。」


 ロコン「ワタシたちも ガンバるから。」


 ビッパ「はいでゲス!」


 キマワリ「では 行きましょう。リオル ロコン 行ってきますわね。」


 リオル・ロコン「いってらっしゃーい」


 リオルとロコンは、手を振って探検に向かうキマワリとビッパを見送った。二匹の姿が見えなくなると、リオルとロコンはトレジャータウンに向かうことにした。
 大きな岩を通り過ぎたその時、リオルの聴覚が以前と同じような反応をした。立ち止まって、リオルは目を瞑ると房を浮かばせて集中力を高め、聴覚に集中した。


 *「ここナノ?」


 *「ソーナンス!」


 リオルは集中力を高めるのを止めて、首を傾げる。ロコンは「どうしたの?」と聞いてくるとリオルは「何でもない」と返して、トレジャータウンへ足を進めた。
 トレジャータウンの入口付近に「あるヨマワルぎんこう」を通り過ぎて行くと、ロコンが「あっ!」と声を上げた。リオルは何かと思い、ロコンが見ている方向を見ると、大きな木の下で楽しげに話しているマリルとルリリがいた。

今日はここまで。

キマワリ姉さまの言った「あの時」とは、わかる方はわかると思いますがあの時です。


 ロコン「マリル!ルリリ!」


 ロコンが二匹の名前を呼んで二匹の元へ走り出す。リオルは慌ててロコンの後を追った。


 マリルとルリリは自分達の名前を呼ばれたのに気づくと話すのを止めて、声が聞こえた方に振り向く。
 二匹の目にロコンとその後を追うリオルの姿が映った。


 マリル「ロコンさん!リオルさん!」


 ロコン「久しぶりだね!元気だった?」


 マリル「はい!この間は ありがとうございました!」


 ロコンがマリル達の所まで来て、リオルが遅れて後から追いつく。
 マリルとルリリとは「トゲトゲやま」で別れた時以来の再会となる。
 しばらく会っていなかったのでどうしているのかわからずにいたが、今の二匹の元気な姿を見てリオルは安堵の笑みを浮かべた。
 

 リオル「ううん。当然の 事をしただけだよ。」


 ロコン「そうだよ。ワタシたち 探検隊だもんね。でも ルリリが 無事でよかったよ。」


 マリル「でも ルリリが 無事に 帰ってきて・・・ボクは・・・ボクは・・・。」


 マリルは涙を溜めて、言葉に詰まる。
 そんなマリルを見てリオルとロコンはそれほどまでにルリリの事を心配していたと言う気持ちが伝わってきた。
 

 マリル「本当に ありがとうございました!」


 ルリリ「ありがとう!リオルさん!ロコンさん!」


 ロコン「どういたしまして♪」


 リオル「うん。」


 マリル「そう言えば お二方は これから探検に 行くんですか?」


 ロコン「うーん・・・。探検って 言うよりも ポケモン助けかな。あはは・・・。」


 ルリリ「それでも カッコイイよ!ボクだって リオルさんとロコンさんみたいに 強くなりたいって思うもん!」


 ロコンは苦笑いを浮かべて応える。しかしルリリは以前スリープから自分を助け出そうと戦っていたリオルとロコンの姿が脳裏に浮かび上がり目を輝かせて絶賛する。
 

 ロコン「そ そうかな?えへへ 何だか照れちゃうよ///でも ありがとう ルリリ♪」


 マリル「頑張ってくださいね。応援してます!」

 
 ルリリ「がんばって!リオルさん ロコンさん!」


 リオル「うん。それじゃあ。」


 ロコン「またね♪」


 リオルとロコンは、マリルとルリリの声援を受けて意気込む。
 ガルーラの倉庫へと向かうため、橋を渡ろうとした時3匹の影が向こう側から歩いてくるのが見えた

 
 ロコン「誰か こっちに来るね。」


 リオル「先に 渡らせてあげようか。」


 リオルはとロコンはトレジャータウンの木で作られた矢印型の案内標識の横に立って先に橋を渡らせようと待った。
 3匹のポケモンの影が段々と近づいてきた。
 真ん中を黒猫の様な姿をした紺色のポケモンが歩いて、そのポケモンの後ろに紫色の蠍と同じく紫色のコブラの様な巨体のポケモンが左右に並んで橋を渡る。


 「ここまで 遥々 やってきたが・・・随分と ちんけな 所だな。ここは。」 


 「究極の 財宝が 眠る場所を 探し求めて ここまできたのだが・・・ こんな所じゃ あまり 期待は 出来ねえな。こりゃ。」  


 「ふんっ。愚痴るんじゃないよ。」 
 
 
 紺色の猫の様なポケモンはマニューラだ。手に鋭い爪を3本、頭部から鳥の羽根の様なゴージャスな飾りが扇状に生えて耳、飾り、尻尾は血の様に赤い色をしている。後ろに率いているポケモンよりは小柄だが、リオルとロコンからすればかなり大きく見える。

 マニューラの後ろにいる紫色の二匹のポケモン達はアーボックとドラピオン。
 ドラピオンは蠍の様な体をしているが、上半身と下半身が独立し、長く伸びた蛇腹状の関節で繋がっていると言う独特の構造をしている。
 アーボックは腹部には恐ろしげな顔のような模様があり、リオルとロコンは少し怯みそうになる。


 ロコン「(何だか 怖いポケモンだなぁ・・・。)」


 リオル「(触らぬ神になんとやら、だね。)」


 ロコンとリオルはなるべく目を合わせようとせず、後ろにある案内標識を見る。しかし・・・


 マニューラ「お前たち。」

 
 リオルとロコンは肩をビクッと震わせた。まさか自分達が考えていたことがバレたのかと思い不安と恐怖に襲われた。固唾を飲んで二匹はゆっくりを振り向く。そこにはマニューラとアーボック、ドラピオンが二匹に威圧を掛ける様に立っていた。
 ロコンは若干涙目になって、足をガクガクと震わせるがリオルは平常心を保とうとポーカーフェイスを装う。


 リオル「はい 何でしょうか?」 


 マニューラ「お前たちは この町の 者か?」


 ロコン「え?う うん。リオルは 最近来たばかりだけど ワタシは 結構前から 住んでるよ。」


 ロコンは自分達の考えていたことがバレたのではない事に安堵して、マニューラの質問に素直に答えた。


 マニューラ「ならば 聞きたい。ここらで・・・「ゼロのしま」と言う 場所があるはずなのだが・・・お前たちは 知っているか?」


 ロコン「「ゼロのしま」?いや?知らないよ?」


 ロコンは聞いたことのない場所を言われて首を傾げて応える。ロコンの返事にマニューラは手の爪を唇に当てて考え始める。
 リオルとロコンはこのマニューラを雄かと思っていたが、やや低くめではあるが艶のある力強い声色が特徴な声を聞いて雌だとわかった。 


 マニューラ「・・・そうか。ならいい。時間を取らせてすまなかった。」

 
 ロコン「う ううん こちらこそ 役に立てなくて ごめんね?」

  
 マニューラ「気にすることはない。行くよ。」

 
 アーボック「へぇ ボス。」  ドラピオン「へえっ。」 

 
 マニューラ達はトレジャータウンの出口の方へ歩いて行った。リオルとロコンは3匹の背中を見て、安どのため息をつく。特にロコンが一番話していたので緊張の糸が切れたのかその場に寝伏せる。
 

 アーボック「・・・。」


 ヨマワルぎんこうのところで、アーボックが立ち止まりふとリオルとロコンを見る。正確にはロコンだけを。
 マニューラがアーボックがついてきてないのに気づくと、後ろで立ち止まっているアーボックを呼ぶ。アーボックはそれに気づくと下半身をうねらせてドラピオンとマニューラの後を追う。


 ガルーラ「はい。ゴローンのいし 10個よ。」


 ロコン「ありがとう ガルーラおばさん。」


 ガルーラ倉庫でだいだいのグミとリンゴを預け、「かいがんのどうくつ」で救出したワンリキーから貰ったゴローンのいしを引き出して受け取った。
 ロコンはゴローンのいしをトレジャーバッグの飛び道具類を入れるポケットに入れる。ダンジョンで素早く対処できる為、トレジャーバッグを持つ担当をしているロコンは道具を貰った時に小まめに整理しているのである。

 
 
 ガルーラ「今日も 頑張ってね。二匹とも。」



 リオル「うん ありがとう。」


 ロコン「行ってきます!ガルーラおばさん。」


 ガルーラ「気を付けてね~。」


 リオルとロコンは後ろを振り返ってカウンターから身を乗り出して手を振っているガルーラに手を振り返して、トレジャータウンの出口へ向かった。
 大きな木の下で話していたマリルとルリリは既に居らず、どこかへ行っていた。
 二匹は交差点へ着くと、ロコンが依頼リストを取り出してどの依頼にするか決め始めた。

 
 リオル「うーん・・・。「しめったいわば」の 依頼が 3つあるから この依頼を 熟そうか。」


 ロコン「そうだね。じゃあ 今回は これとこれにこれ。決まりね。」


 リオル「じゃあ 行こう!」


 ロコン「おぉーーっ!」


 リオルとロコンは3つ依頼が来ている「しめったいわば」の依頼を熟すことにし、「しめったいわべ」へ向かった。

 
 
 「しめったいわば」に着き、入口からダンジョンへと入って行った。

 B1Fに着くと、3歩歩いた所に階段がありすぐにB2Fへ移動していった。

 
 B2Fに着くと広いフロアに出た。出入口が1箇所だけしかなかったのでその出入口から入って行くと、曲がり角からアノプスが現れた。

 
 アノプス「ノプスァーーーっ!」


 リオル「『でんこうせっか』!」


 リオルは『でんこうせっか』を繰り出したが、アノプスはかわした。アノプスが一歩前進してきたところで、再び『でんこうせっか』を繰り出す。
 効果はいまひとつだったが、17ダメージを与えて倒した。アノプスは目を回して仰向けになって倒れる。

 通路を進んで行くと出口が見えて、そこから出た。 
  
   
 アノプス「ノプスァーーッ!」



 リオル「『でんこうせっか』!」

 
 出口から出た途端に横から『ふいうち』ではないが、アノプスが襲いかかってきた。リオルは素早く臨戦態勢を取り『でんこうせっか』を繰り出す。
 今度はかわされず、15ダメージを与えて一発で倒すことが出来た。しかし別のアノプスが後ろから迫ってきた。
 リオルは出口から離れてロコンが出口から出ると、アノプスがリオルの一歩手前まで来た。

 
 
 リオル「・・・。ロコン!入れ替わって!」



 ロコン「え!?・・・う うん!」

 
 リオルはロコンに立ち位置を変えようと言い、ロコンは戸惑ったがリオルと場所を入れ替えた。
 アノプスはリオルを狙っているらしく、リオルの前に移動してきた。


 リオル「ヴォッ!」


 リオルは肩でアノプスに攻撃をして12ダメージ与えたが、アノプスは倒れなかった。


 ロコン「『だましうち』!」


 ロコンの追撃の『だましうち』が決まって24ダメージ与える。


 アノプス「ノプスァ~・・・。」


 アノプスはロコンの追撃で目を回して倒れた。リオルとロコンはハイタッチをして、そのフロアにあった階段を見つけB3Fへ移動して行った。

 B3Fに着く。このフロアでムックルの救助依頼が来ているのだ。
 しかしリオルから斜め右後ろにアノプスが向かってくる。リオルは無言で手を差し出してロコンからいしのつぶてを受け取る。
 リオルは大きく振りかぶってアノプス目掛けていしのつぶてを投げつける。いしのつぶてはアノプスの眉間にヒットして10ダメージ与える。
 

 リオル「ガブッ!」


 リオルは『かみつく』を繰り出してアノプスの体に噛みついた。27ダメージを与える。


 アノプス「ノプスァ~・・・。」


 アノプスは目を回して倒れた。リオルは後ろを振り返って、離れた所にタネとおおきなリンゴが落ちているのに気付いた。
 それを拾って、近くにあった出入口に入った。通路の曲がり角を曲がって出口から出ると、少し広いフロアに出た。しかし何もなく、引き返すことにした。
 最初に着いたフロアに戻ってくると、もう一つあった出入口に入って行く。曲がり角を通り過ぎた所に縦長の水溜りがあり、その端からアノプスを見つけた。 
 アノプスはぐっすりと寝ており、通れそうには通れそうなのだが近づくと目を覚ますので、リオルは腕を組んで考える。

 
  
 リオル「・・・。ロコン いしのつぶて。」


 
 ロコン「うん。」


 リオルはいしのつぶてを受け取ると、軽く宙に浮かせるように上に投げてパシッと掴みアノプスに向けて投げた。
 いしのつぶては水溜りを飛び越えて、眠っているアノプスの頭に直撃した。アノプスは頭に来ている痛みとショックでパニックになり、飛び起きてどこかへ行きリオルの視界から見えなくなった。
 リオルはしばらく待ってこちらに来ないかを警戒し、アノプスがどこかへ行ったと確認すると水溜りの横を歩いて少し広いフロアに出た。
 アノプスが入ったと思われる出入口を見つけて、入って行くとさきほどいしのつぶてが当たったアノプスが水溜りの中へ入っていった。
 それを見てリオルは通路を急いで進んで行った。曲がり角を曲がって右へ進んで行くと曲がり角から別のアノプスが現れた。

 
 
 リオル「『でんこうせっか』!」



 アノプス「ノプスァ~・・・。」

 
 リオルの『でんこうせっか』でアノプスは一撃で倒された。
 出口から出て、フロアに出ると右側の壁に出入口を見つけそこに入った行く。しかしリオルは急に足を止めてしまいロコンがリオルの背中に顔面から衝突した。
 ロコンはリオルに話しかけようとするが、リオルはロコンの口に手を当てて指を一本立てると自分の口に当てシーッと黙らせる。
 リオルの突然の行動に何があったのかロコンは困惑する。リオルはゆっくりとロコンの口から手を離して、自分の口に当てていた手をそのまま指を立てて通路の先を指す。
 ロコンはリオルが指している方向を見て、唖然とした。
 通路の奥にある曲がり角で、2匹のカラナクシとアノプスが渦を巻くように回転しているのだ。


 リオル「何を やってるのかな・・・。」

 
 ロコン「わ わかんない・・・。」


 リオルは兎も角としてロコンでさえ、カラナクシとアノプスがやっている行動がわからないとなると厄介である。
 このまま行っても何をしてくるのかわからない。リオルは考え込む。

ここまで。

今更なんですけど、ポッ拳すごいですね。
やったことはないんですけど、PVで見て興奮しました。いやぁ時代は進むんですねー


 一度別の道から行こうと考えたが、今まで通ってきた通路を思い返してみるとここから先のフロアへ行くため道が無かったのを思い出す。

 このB3Fでのフロアへ移動する通路は一本道だけしかないと言う事だ。  
 リオルは目を閉じて考える。集中力を高めているのか房が浮かび上がった。 

 
 リオル「・・・。仕方がない このまま カラナクシとアノプスを 倒そう。」


 ロコン「ええ~~~!?で でも・・・。」


 考えるのを止めて、リオルが考えた結果の案にロコンは戸惑いと不安に駆られる。カラナクシとアノプスが行っている謎の行動に不気味さを感じて戦意喪失しているのだ。(1も今の現状に困惑している)


 リオル「この先に ムックルが助けを 求めてるんだよ?ロコンが 怖がっていたら 何も始まらない。」 

 
 ロコン「・・・そうだよね。ごめん ワタシ もう弱虫じゃないもん!」


 リオル「その意気だよ。」


 リオルの説得にロコンは頷いて応えた。リオルはロコンの頭を撫でて微笑む。
 通路を進んでいき、角の所で回転しているカラナクシとアノプスにギリギリまで接近した。そして距離は一歩という所まで接近した。 
 一匹のカラナクシが目の前を通りかかったところで、リオルの目付きが変わり『でんこうせっか』を繰り出した。

 
 
 カラナクシ「カラナァ~・・・。」



 カラナクシに22ダメージ与え倒した。後ろを回っていたカラナクシが敵に攻撃されて倒れた同族のカラナクシを見て『どろあそび』を繰り出す。
 しかし『どろあそび』はでんきタイプのわざの威力が半減する技なのでリオルとロコンには効果は特に無い。


 リオル「『でんこうせっか』!」

 
 カラナクシ「カラッ!」


 間髪入れずにカラナクシに『でんこうせっか』を見舞う。次にアノプスだ、と思ったのだがアノプスは水溜りの中に入って泳いで行ってしまった。
 リオルとロコンは拍子抜けしてその場で固まり木魚と鈴の音が頭の中に響いた。

 
 
 ロコン「な 何だったんだろ・・・?」



 リオル「わからない・・・。まあ 行こうか。」


 ロコン「う うん。」


 リオルとロコンは通路を進み始めた。その時だ


 アノプス「ノプスァーーーッ!」

 
 リオル「!?」


 ロコン「リオル!危ない!」


 突然横から先程どこかへ行ったアノプスが水溜りから現れ、リオルに襲いかかる。リオルは行動が遅れて攻撃も技も繰り出せない。
 万事休すかとリオルは顔を引きつらせて身構える。しかしその刹那、白い閃光が目の前を走りアノプスの体にめり込んだ。閃光が消え始めると、茶色の体をしたポケモンが見えだした。ロコンだ。
 ロコンが技を繰り出して、アノプスにダメージを与えたのだ。しかし、それ以前にロコンが繰り出した技にリオルは見覚えがあった。いや、見覚えがあるのではなく、リオル自身がいつもその技を使っている時に見ている閃光だったのだ。 
 アノプスは目を回したまま水溜りに落ちて倒れる。ロコンは水に落ちるのは嫌だと言わんばかりに宙に浮いたまま手足をバタつかせる
 バタつかせたおかげか少しだけ前に進んで、リオルの横に腹這いになって水溜りに落ちずに済んだ。
 

 ロコン「いたた・・・今のって・・・。」


 リオル「『でんこうせっか』だよ。ボクと 同じ技を 覚えたんだね。」


 ロコン「う うん。・・・この技 すごく便利だね。」


 リオル「うん。ボクも そう思ってた。」


 リオルとロコンは通路の出口から出ると、少し広いフロアに出た。そこでムックルを見つけた。
 ムックルは翼を傷めたのか、右の翼を左の翼で押さえている。リオルとロコンは急いでムックルに近づく。


 リオル「ムックルだね?助けに来たよ。」


 ムックル「おお!助けに 来てくれたのか。ありがとう」


 ロコンがバッジで通信を入れると、ムックルにたんけんたいバッジを翳す。光の柱がムックルを包み込んでダンジョンから脱出させる。


 リオル「次の 依頼は?」 


 ロコン「えっと B4Fで ドードーを 助ける依頼だよ。」


 リオル「よし。行こう。」


 リオルとロコンは次のフロアへ移動するため、元来た道を戻り階段を見つけてB4Fに移動した。

 
 B4Fに着くと、すぐそばにドードーが居た。しかし着いたその巨大なフロアには4匹のポケモン達も居て、理性を失っているのか本能のまま鳴き声を上げている。
 リオルとロコンはドードーに近づき、リオルがスライディングするようにドードーの所まで来て止まり、ドードーに話しかけた。 

 
 リオル「助けに 来たよ!」


 ドードー「あ ありがとう!」

 
 リオルはお礼の言葉を聞いている場合ではないと判断し、ドードーにバッジをかざした。
 ドードーは光の柱に包み込まれて脱出し、リオルとロコンは迫り来るポケモン達に対して身構える。


 リオル「ロコン!」


 ロコン「う うん!」


 リオルは前に進んで横から来るアノプスと接近する。その後ろを走るロコンは後ろから来るリリーラに立ち向かった。


 リオル「ガブッ!」


 ロコン「『だましうち』!」


 リオルはアノプスに『かみつく』を繰り出し、ロコンはリリーラに『だましうち』を繰り出して倒した。
 残るはリーシャンとカラナクシだが、カラナクシは寝ているようで事実上はリーシャン一匹だけになった。

 
 
 リーシャン「リーシャァアアッ!」



 リオル「っ・・・ヴォォオオオオッ!!」
 

 リオルは脳裏に以前リーシャンとアノプス、リリーラの3対1のトラウマとも言える記憶がよみがえる。しかしリオルは雄叫びを上げて無意識に右肘を曲げて前に進みながら足も曲げて低い姿勢になる。するとリオルの右手がオレンジ色に光り始め、リーシャンの左頬に目掛けて右手を正拳の様に叩き込む。
 掌がリーシャンの右頬に当った瞬間、白色の閃光が走ってリーシャンの体を貫通するように突き抜ける。
 リーシャンは目を回して突き飛ばされ、倒された。

 
 
 リオル「い 今のは・・・。」



 ロコン「新しい技だよ!多分 かくとうタイプの 技だと思うよ。」
 

 リオル「そっか。やっと ボクも 自分のタイプの 技を 覚えたんだ。」


 リオルは右手を見ながら拳を作り、微笑んだ。
 フロアに落ちていたピーピーマックスとしばられのタネを拾って、出入り口に入って通路を進んで行く。
 出口から出たフロアに階段を見つけて、B5Fへ移動して行った。


 B5Fに着くと、このフロアでの救出するポケモン、ニドリーノを見つけた。

 
 
 リオル「ニドリーノ 大丈夫?」



 ニドリーノ「う うぅ・・・。」


 リオルとロコンはニドリーノに近寄って話しかける。しかしニドリーノは体中傷だからになって、返事を返すことも出来ない状態だった。
 ロコンは心配そうに痛々しい姿のニドリーノを見つめてバッジで通信を入れる。リオルは今の状況からすぐにでも救出することを決めた。


 ロコン「リオル。ペラップが 傷がひどい ポケモンの場合は お世話屋ラッキーの ところに 連れて行けって。」


 リオル「お世話屋?病院は 無いの?」


 ロコン「その お世話屋ラッキーが 病院代わりなんだって。」
 

 リオル「そうなの?・・・じゃあ ボクたちも ニドリーノと 一緒にダンジョンから 出て その ラッキーの所へ 行こう。」 


 ロコン「うん。そうしよう。」


 ワンリキーを救出した時はまだ意識があったため、何とか一匹だけで脱出させていたが、今回ばかりはニドリーノ一匹で脱出させるのは心配だと判断してリオルとロコンは自分達のたんけんたいバッジを翳して、ニドリーノと一緒にダンジョンから脱出した。

 
 
 トレジャータウンの潰れてしまったガラガラどうじょうの横に建っている、ピンク色の丸い小屋の前に「しめったいわば」から脱出した3匹が現れた。  
 リオルとロコンは、ニドリーノを抱えて、小屋の中から卵のようなピンク色の丸っこい体をしたポケモン、ラッキーが出てきた。

 耳のような物が3本ずつ左右に付いていて、お腹にはカンガルーのようなポケットの中にタマゴが入っている。
 

 ラッキー「あなた達が 「はるかぜ」ね。ニドリーノは?」


 リオル「ひどい怪我で 返事も できないくらい 弱ってるんだ。」


 ロコン「ラッキー 何とか できない?」

 
 ラッキー「任せて。『タマゴうみ』!」


 ラッキーのポケットに入っていたタマゴがポンッと音を立てて出て来ると、ラッキーの手に乗った。
 リオルとロコンはそれを見ていると、ラッキーは徐にタマゴをテーブルの角に叩いて罅を入れる。それを見てリオルとロコンは驚愕した。

 
 
 リオル「そ そのタマゴ ポケモンが 生まれるんじゃ・・・。」


 
 ラッキー「ううん。このタマゴは 無精卵だから 心配しないで♪」


 リオルとロコンはそれを聞いてホッと肩を撫でおろした。両手でタマゴを持って割ると、中から白色のミルクの様な液体がカゴのみの底の殻斗だけで作られたカップに入る。
 ラッキーは二匹にニドリーノを奥に置かれている藁のベッドの上に寝かせる様に言う。二匹はニドリーノを抱えて、小屋の奥に入りベッドに寝かせた。
 太い穴の開いた茎のストローを白い液体が入ったカップに指して、ニドリーノの口に当てる。するとニドリーノは苦しそうではあるが茎のストローを吸って、白い液体を飲む。
 ニドリーノが白い液体を飲み干して口を離すと、見る見るうちにニドリーノの傷が治り始めた。


 ロコン「わあ!」

 
 リオル「すごい・・・。」


 ラッキー「『タマゴうみ』の タマゴは 栄養満点で 体力も傷も 治してくれるのよ。」

 
 ロコン「そうなんだ。」


 ラッキーの『タマゴうみ』から出たタマゴのおかげでニドリーノの体の傷は消え、呼吸も安定してきた。
 リオルとロコンはラッキーにニドリーノの事を任せて、ギルドへ戻っていった。
 ギルドへ戻ると救出したムックルからそらいろグミを貰い、リーシャンからはドードーを助けてくれたお礼として、1500ポケの分け前として150ポケを貰った。
 その後、夕食前に回復したニドリーノからきんいろグミとももいろグミ、1500ポケの分け前として150ポケが届けられた。


 リオル「今日も 疲れたね。」


 ロコン「うん。クタクタになっちゃった。」


 リオルとロコンは夕食を済ませて自分達の部屋に戻って、リラックスしていた。疲労からか来た睡魔でリオルは欠伸をすると、ロコンに移ってお互い笑った。


 リオル「それにしても・・・。トレジャータウンで 出会った あの3匹のポケモン・・・。」 


 ロコン「ああ・・・怖かったね。足の震えが 止まらなかったよ。」


 リオルがトレジャータウンで声を掛けてきたマニューラ、アーボック、ドラピオンの事を話し始めるとロコンは座りながら体を震わせた。
 あの威圧感でロコンはすっかり怯えてしまっているのだ。


 リオル「あの3匹も 探検隊なのかな?」


 ロコン「どうなんだろう。このギルドには 居ないみたいだし・・・。もしかしたら 旅ポケモンなのかもね。」

 
 リオル「旅ポケモン?」


 ロコン「うん。探検隊とは 違うけど 色々な所に 行ったりするんだよ。」


 リオル「へえ~。そうなんだ。」


 ロコン「他にも 救助隊って言うのがあるんだよ。」


 リオル「救助隊?」


 ロコン「自然災害やダンジョンで 倒れたりした ポケモンを 救助するんだよ。ワタシの お父さんとお母さんも 救助隊なの。」


 リオル「そうなんだ。カッコイイね。」


 ロコン「うん・・・。ワタシ 本当は お父さんとお母さんみたいに 救助隊になるって 小さい頃に 決めてたの。


     でも このいせきのかけらを 見つけた日から 救助隊になるって 考えが変わったんだ・・・。」


 リオル「そっか・・・。」


 ロコン「お父さんと お母さんは 全然 怒らなかったの。「自分自身の 夢なら その夢を叶えてみなさい」って。」


 リオル「優しい お父さんと お母さんだね。」

 
 ロコン「でも「ただし 諦めて帰ってこないことって」 言われちゃったけどね。」


 リオル「あはは。厳しくもあるね。・・・ふぁ~ 何だか眠たくなっちゃった。」


 ロコン「ワタシも。そろそろ 寝よっか。」


 リオル「うん。おやすみ ロコン。」


 ロコン「おやすみなさい。リオル。」

ここまで。

マニューラ様の声某SF漫画の少佐の声で脳内再生してみるといいかもです。
時で「ゼロのしま」再チャレンジしましたが、まさかの空腹で倒れました・・・orz

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