伊吹翼「アホ毛連盟?」 (27)

翼「なんですかそれ?」

ミリP(以下、P)「簡単に言えばアホ毛の集まりだ」

翼「アホ毛?」

P「ほら、翼の髪みたいな」

翼「どこ~」

P「いや見れば分かるだろ」

翼「えぇーっ、触って触って~」

P「うわ近い近い近い」


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翼「それで、そのアホ毛連盟がどうしたんですか?」

P「まぁ取り敢えずこっちに」

翼「そっち会議室ですよ?」

P「ああ、そうだが」

翼(もしかして……二人きりとか、かな!?)

――――会議室

杏奈「あ…翼……」

翼「杏奈?」

P「ようし揃ったな」

翼「へ?」

P「只今より、アホ毛連盟の集会を始める!はい拍手!」

杏奈「…………?」

翼「なんかプロデューサーさん、テンション高いね……」

翼「杏奈はどーして呼ばれたのー?」

杏奈「プロデューサーさんが……アホ毛連盟だーって……」

P「その通り!君たちは選ばれしアホ毛連盟となったのだ!」

翼「それでー、アホ毛連盟って何するんですか?」

P「お勉強」

翼「えっ」

杏奈「…………えっ」

P「君たちアホ毛連盟は、本当のアホになってもらっては困るので、これからお勉強をしてもらいます」

翼「そ、そんなのおかしいよ!」

杏奈「断固反対ー……」

P「ふむ……では望月君、夏休み前の成績表を見せてくれるかな?」

杏奈「え……それは、その……」

翼「杏奈?」

P「そして翼、君もだ」

翼「えーっ!いやぁー、えーっとねぇー……」

P「ほうれ見なさい」

杏奈「さ、最近、忙しかったから……」

翼「そうそう!こないだは乙女ストームのCDとか、ライブとか、色々あったし!」

翼「……だから、だめぇ?」

P「甘えてもダメです」

翼「お、ね、が、い?」

P「ええい見つめるでない!素直にお喋りできなくなる!」

P「とにかく!二人は今夏休み真っ最中だ!」

P「夏明けからの学校に対応出来るよう、早々に対策はしないといけない!」

P「勉強が差し支えて、アイドル出来なくなるのは嫌だろう?」

翼「そんなにヤバい成績じゃないもん」

杏奈「次は、本気出すから……」

P「と、に、か、く!二人はこれからこの部屋で勉強してもらいます!」

P「レッスン前は一時間早く来て勉強しなさい!」

翼「そんなのつまんなーい」

P「もしちゃんと参加したら……」

杏奈「?」

P「毎日好きなアイスを奢ってやろう」

翼「わーい!やるやる~」

杏奈「えぇー…………」

百合子「プロデューサーさーん」

P「おお、来たか」

翼「百合子ちゃん?」

杏奈「百合子さん……」

P「二人の勉強は百合子に見てもらう」

百合子「お任せ下さい!私、一度こういう役、やってみたかったんです!」

杏奈「あ、眼鏡……」

翼「かわいい~」

百合子「今の私は、誰もがドキドキするような魅力溢れる女教師です!」

P(フツーの夏服だけどな)

P「それじゃあ百合子、任せたぞ」

百合子「はいっ!」

翼「はいはいプロデューサーさーん」

P「うむ」

翼「未来はいいんですか?」

P「……未来は今、瑞希とマンツーマンで勉強している」

杏奈「あ……」

P「アホ毛連盟も、未来のようにはならないでくれ……」

――――――――――――――――――――――――

未来「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ……」

瑞希「春日さん、手が止まってるぞ」

未来「だってこれ、答えが四つもある!」

瑞希「……わぉ」

P「こうして!」

P「アホ毛連盟と未来の勉強会は始まった!」

P「夏休み中は毎日一時間、百合子と瑞希の指導の下、みっちり勉強だ!」

P「…………さて、と」

P「こちらも、準備をしないとな」

P「夏休みが始まったとはいえ、もう時間はあんまり無いし」

志保「呼びました?」

P「いいや全く」

 ――――アホ毛連盟結成から十日目

翼「……おかしい」

百合子「翼、ぼーっとしてるよ」

翼「ねぇ、百合子ちゃんはおかしいと思わない?」

百合子「……な、何を?」

翼「この集まり!」

百合子「私は、二人の成績がピンチだって、プロデューサーさんに頼まれてたから…」

翼「それはー……そうなんだけどぉ……」

杏奈「むにゃむにゃ……………」

翼「でも、プロデューサーさんが毎日アイスをご馳走してくれるでしょ?」

百合子「うん」

翼「プロデューサーさん、支払いの時、段々顔が青くなってるんだよ……」

百合子「そう……かな?」

翼「見れば分かるもん!」

百合子「給料日がまだ、とか?」

翼「なら、私たちにアイス奢らなければいいよね」

百合子(そもそも翼が高いアイスを注文しなければいいんじゃ……)

杏奈「すぅ………………」

百合子「プ、プロデューサーさんがそれだけ三人を心配してるってことだよ……」

翼「む……」

翼(っていうか、怪しいのはプロデューサーだけじゃなくて、百合子もだよね)

翼(あ、そうだ……!)

翼「……これは何だか、事件の香りがするなぁ~」

百合子「……うっ」

翼(かかった!)

杏奈「ココニ…………パスヲ……ニュウリョク…………」

百合子「い、いや……どうかなぁ、ホームズはまだ、わ、私に、囁かないけど……」

翼(……あっやしー)

翼(この感じ、百合子ちゃんもグルだ)

百合子「ワ、ワトソンも、まだ寝てるんじゃないかなぁ……」

翼(なんでプロデューサーさんは、私に勉強させてるのかな?)

杏奈「ラビラビ……ショーニン…………」

百合子「ほ、ほら!分からないなら教えるよ!そっちなら私の灰色の脳細胞を総動員するから!」

翼「はぁい……」

百合子「杏奈ちゃん!起きなきゃダメだよ」

杏奈「……む」

百合子「ほーら、後少しだから!」

杏奈「……はぁい」

翼「……マ、一時間この部屋に居るだけで、アイスが貰えるなら、それはそれで……」

翼「ん?」

百合子「どうしたの?」

翼「一時間居るだけ…」

百合子「翼?」

翼「私たち、毎日勉強会してる」

百合子「そうだけど……」

杏奈「?」

翼(ってことは、私と杏奈は、毎日一時間、この部屋につかまってるってことじゃん!)

翼(……じゃあプロデューサーさんは、私たちの居ない間に、何かしてるってこと?)

翼(それは、お財布を薄くしてでも、したいこと?)

翼(なんだろう、気になるなぁ……でも、百合子ちゃんが見てる間は出れそうにないし……)

翼(……そうだっ)

翼「ねぇ百合子ちゃん」

百合子「何?」

翼「さっき言ってた、ホームズってなぁに?」

百合子「そ、そんな………………うら若き乙女が、シャーロック・ホームズを知らないなんて……!」

翼「だ、か、ら」

翼「おしえて、ほしいなーって」

翼「だめぇ?」

杏奈「わ……顔、近い……」

百合子「…………任せて」

翼「うん」

百合子「この七尾百合子、翼ちゃんのために、そして図書館の暴走特急の名前に恥じないよう、
    精一杯シャーロック・ホームズについて教えるね!」

翼「わぁ、嬉しいなぁ」

百合子「先ずはシャーロック・ホームズという人物像について……ああだったら、
    ワトソン博士についても語らないといけないし、そしたらそしたら勿論モリアーティ教授、
    でもそれはネタバレになるし、ああどこから話せばいいか……」

杏奈「……あっ」

翼「しーっ」

杏奈「翼……行っちゃった……」

翼「さーて、プロデューサーさんをさがそーっと……って」

P「さーて、そろそろ翼たちが戻ってくる……あっ」

翼「プロデューサーさん!」

P「げえっ翼!?」

翼「見つけたぁーっ!」

P「どどどどうして出れたんだ!」

翼「百合子ちゃんを暴走させました」

P「監視役は任せてって言ってたんだが……全く」

翼「なんでプロデューサーさん、そこの倉庫から出てきたんですか……って……」

翼「あ…………」

P「あぁ、見えてしまったか……」

P「こないだ書類を整理してたら、翼が前に書いた衣装案のイラストが出てきてな」

P「あれにロコやら星梨花が色々足して、結構派手で可愛い衣装にしてたよな」

P「結局は予算とかダンスの都合で、希望通りには行かなかったが……」

翼「うん……」

P「で、もうすぐ七月の末、翼の誕生日だ」

P「舞台では使えないかもしれんが、責めて着る位のことは出来ないかと思ってな」

P「……まぁ、自腹で手作りだから、出来はあんまりかもしれんが」

P「……翼?」

P「……近いぞ」

翼「……プロデューサーさんは、ずるいよ」

P「そうか?」

翼「こんなプレゼント準備してるなんて」

P「気に入らなかったか?」

翼「……ばか」

翼「そんなこと、思うわけないじゃん」

P「そう、か」

翼「…………約束、して」

翼「この衣装、ちゃんと、私に着せてください」

P「……ああ」

翼「……ちゃんと間に合わせてくださいね!プロデューサーさん!」

P「勿論だとも」

翼「そういえば……」

P「ん?」

翼「私に勉強させてたのは、この衣装を隠す為ですよね?」

P「そうだな」

翼「じゃあじゃあ、杏奈や未来にも、何か用意してるんですか?」

P「それは……」

未来「あーっ!衣装だー!」

杏奈「わ……すごい……派手……」

百合子「プロデューサーさん、これ本当に手作りですか?」

瑞希「わおー……」

P「お、全員集まってきたな」

翼「ねぇねぇプロデューサーさん、どうなのー?」

P「まぁ瑞希と百合子には協力してもらったが」

P「未来と杏奈はガチで成績ヤバいらしいから勉強させてた」

未来「えっ」

杏奈「えっ」



おわり

乙でした

>>1
伊吹翼(14) Vi
http://i.imgur.com/Dh3pjfE.jpg
http://i.imgur.com/PJEg2YO.jpg

>>3
望月杏奈(14) Vo
http://i.imgur.com/3exT70J.jpg
http://i.imgur.com/j20DhnG.jpg

>>8
七尾百合子(15) Vi
http://i.imgur.com/rnImAps.jpg
http://i.imgur.com/LyardK6.jpg

>>9
春日未来(14) Vo
http://i.imgur.com/It5thfX.jpg
http://i.imgur.com/tb7mq8u.jpg

>>9
真壁瑞希(17) Da
http://i.imgur.com/wYw9ZjQ.jpg
http://i.imgur.com/iuajvZf.jpg

>>10
北沢志保(14) Vi
http://i.imgur.com/Aa85Bfk.jpg
http://i.imgur.com/iinWIGe.jpg

以上になります。

先日コナン・ドイルの「赤毛連盟」を読み、この面白いトリックをアイマスでやったらどんなことになるだろう、と思ったのが話の骨子です。アホ毛連盟の候補としては横山奈緒や矢吹可奈が思い浮かんだのですが、乙女ストームで統一したかったので今回は出番ありませんでした。案外横山君とか成績良さそう。

伊吹翼の「だめぇ?」の可愛さでインフラが麻痺しないことを切に願います。

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