八幡(そう言えば選挙の時ツイッター使ったけど……けっこう皆優しい事書いてるんだな……)
八幡「………」ｳｽﾞｳｽﾞ
八幡(ちょ、ちょっとだけやってみようかなー)ｽｯ
八幡のツイッターのフォロワー数
安価下１ 下二桁がフォロワー数 ゾロ目で倍 下一桁４で二分の１
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430655424
八幡「三人か……まぁやってないからな」
八幡(そう言えば俺って名前何でやってたっけ？)
八幡のツイッターの名前
安価下１
八幡「剣豪大名って、俺はワナビー将軍か」
八幡「プロフ画像ってどんなんだっけ？」
剣豪大名のプロフ画像 安価下１
八幡(後、自己紹介も書いてたっけ……)
自己紹介は後で安価します！
八幡「えっ！？」ﾌﾞﾌｯ
プロフ画：八幡の全裸(ただし、陰部は見せていない)
八幡「ななな、なんだこれ！？」
八幡(ちょ、じ、自己紹介文って何にしたっけ！？)
八幡の自己紹介文
安価下１
八幡「」
プロフ画：八幡の全裸
自己紹介：ちんぽ
八幡「は、はは……そりゃフォロワー数三人な訳だ……」
八幡(つーか誰が……)
八幡のフォロワー三人
安価下１～３
八幡「……え？」
フォロワー名
・海老名
・一色
・葉山
八幡「」
八幡(なんでこいつらこのプロフ画でフォローしてんだよ。つーか本名かよ！？)
八幡はどうする？
１、プロフ画を変更する
２、自己紹介を変更する。
３、名前を変更する。
４、呟く
５、誰かにメッセージを送る
安価下１
八幡「とりあえずプロフ画を変えるだろ……」
八幡(あいつらももしかしたら俺じゃないと思うかもしれねぇし……)
八幡の新しいプロフ画
安価下１(ツイッターのルールに引っ掛かりそうな奴はダメです！)
八幡(そうだ、目のアップならばれねぇだろ)パｼｬｯ
プロフ画：目のどあっぷ
八幡「うん、まぁ形は悪くないしな……たぶん…」
海老名の部屋
姫菜「ぶっはぁっ！？ ヒキタニ君が目のどあっぷ提供ktkr！！」ｶﾁｬｶﾁｬﾎｿﾞｰﾝｯ
いろは「ちょっ/// マジですか！？」ｽｯｽｯﾎｿﾞｰﾝｯ
葉山「これは！」……ﾎｿﾞﾝ
八幡「次は自己紹介だな……」
八幡の新しい自己紹介
安価下１(ツイッターのルールに引っ掛かりそうな奴はダメです！)
プロフ画：目のどあっぷ
自己紹介：部活やめたい
八幡「よしよし、だいぶ良い感じだ」
八幡(剣豪大名って名前もダサいよな……)
剣豪大名の新しい名前
安価下１(ツイッターのルールに引っ掛かりそうな奴はダメです！)
八幡「どうせならもっと弾けよう。そうすればあいつらも引いてフォロワー解除するだろ」
剣豪大名⇒性欲大魔神
八幡「これでよし……と」
八幡「あ、そうだ、どうせならこの名前でフォローした方が引くか」ｽｯ
海老名をフォローしました
いろはをフォローしました
葉山をフォローしました
海老名 ＠homohomoguhuhu 30秒
性欲キターーーーー！！
いろは ＠kawaiikouhai １分
え、マジそんなのありなんですか！？
葉山 ＠kimidakewomiteru ２分
神は俺を見捨てていなかった
八幡「」
八幡「いやまて落ちつけ。本当にあいつらなのか？」
八幡(そうだ、あいつらじゃない可能性もあるよな)
八幡「とりあえず呟いて様子を見よう」
何て呟く？
安価下１
八幡「明日の授業なんだっけ……と」
性欲大魔神＠hikitanihatiman １０秒
明日の授業なんだっけ
八幡「よし、これであいつらかどうか分かるな」
海老名 ＠homohomoguhuhu ５秒
もちろん恋の課外授業……具腐腐
いろは ＠kawaiikouhai １０秒
あ、分からないんで明日朝一緒に確認してあげますね。
葉山 ＠kimidakewomiteru １０秒
英語体育日本史現代文美術
性欲大魔神＠hikitanihatiman １５秒
明日の授業なんだっけ
八幡「全員本人だ……」ｿﾞｸｯ
八幡「いやまておかしいだろ」
八幡(ちんぽで裸晒してる同級生のアカウントにフォローするのか普通？)
八幡「こ、ここは１人１人メッセージを送ろう……」
八幡「まずは海老名だ……」
海老名に送るメッセージ
安価下１
八幡「お前が好きだ」
八幡(もし海老名なら、ごめんねとか送る相手間違ってない？とかマジの返事が返ってくるはずだ)
ﾋﾟﾛﾝｯ♪
八幡「………」ｽｯ
海老名からの返信
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ ２０秒
海老名：私も
―――
八幡「」ﾎﾟﾛ
八幡(絶対嘘だ。おかしい。何かが間違ってる)
八幡「ど、どど、どうすれば」
１、さらに返信する
２、いろはにメッセージ送る
安価下１
八幡「よ、よし……さらに返そう…」
八幡(このまま訳の分からない状態で学校で会うのは気まずいからな……)
八幡は何て返信する？
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ ４分
海老名：私も ４分
性欲大魔神：葉山の方がもっと好きだ
―――
八幡「よし、これなら海老名は腐女子だし変なテンションの返信が来てうやむやに……」
ﾋﾟﾛﾝｯ♪
八幡「………」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
海老名からの返信
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ １０分
海老名：私も １０分
性欲大魔神：葉山の方がもっと好きだ ６分
海老名：でも葉山君は戸塚君と付き合ってるよ？
―――
八幡「え、マジ？ 戸塚と？ マジ？」
八幡(おかしくない？ 何故？ 天使と？ いやいやいや)
八幡は何にショック？
安価下１
１、戸塚が葉山と付き合ってて
２、葉山が戸塚と付き合ってて
３、二人が付き合ってるのをしらなくて
八幡(何だよ、戸塚はなんで言ってくれなかったんだよ)
八幡「と、とりあえず二人の事はおいておいて、海老名を何とかしないと」
八幡は何て返信する？
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ １５分
海老名：私も １５分
性欲大魔神：葉山の方がもっと好きだ １１分
海老名：でも葉山君は戸塚君と付き合ってるよ？ ７分
性欲大魔神：実は戸塚と付き合ってるのは俺だ
―――
本当は？
安価下１ コンマ下一桁 奇数で葉山と戸塚が 偶数で八幡と戸塚が
line
八幡：戸塚は葉山と付き合ってんの？
戸塚：何言ってんの！？ 八幡とだけに決まってるよ！(怒りマーク)
八幡：そうだよな！
戸塚：今度いつデートできる！？
八幡；また今度な
戸塚：うん！
―――
八幡「やっぱ天使だ」ﾆｺｯ
ﾋﾟﾛﾝｯ
海老名からの返信
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ
海老名：私も
性欲大魔神：葉山の方がもっと好きだ
海老名：でも葉山君は戸塚君と付き合ってるよ？
性欲大魔神：実は戸塚と付き合ってるのは俺だ
海老名：ホモだｗｗｗｗｗｗ軌道修正オナシャス！
―――
八幡「て、テンションが高い……」
八幡「海老名はもしかして本気なのか……？」
八幡(だとして、俺と戸塚はピュアラブだし……そういう行為もしてないし……)
八幡「ど、どう返せばいいんだ？」
八幡は何て返信する？
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ
海老名：私も
性欲大魔神：葉山の方がもっと好きだ
海老名：でも葉山君は戸塚君と付き合ってるよ？
性欲大魔神：実は戸塚と付き合ってるのは俺だ
海老名：ホモだｗｗｗｗｗｗ軌道修正オナシャス！
性欲大魔神：そんな行為はしてない！！ そっちこそ三浦とどうなんだ？
―――
八幡「よし、これで……」
ﾋﾟﾛﾝｯ♪
八幡「はや……」
海老名の返信
安価下１
海老名とのメッセージ
性欲大魔神：お前が好きだ
海老名：私も
性欲大魔神：葉山の方がもっと好きだ
海老名：でも葉山君は戸塚君と付き合ってるよ？
性欲大魔神：実は戸塚と付き合ってるのは俺だ
海老名：ホモだｗｗｗｗｗｗ軌道修正オナシャス！
性欲大魔神：そんな行為はしてない！！ そっちこそ三浦とどうなんだ？
海老名：aa＋ ……わかったさ この話はやめるさ ハイサイ！！ やめやめ
―――
八幡「我那覇ちゃん可愛い……って、これは良かったのか？」
１、さらに返信する
２、いろはにメッセージ送る
安価下１
八幡「も、もう良い。あの人にどう思われても良い……」
八幡(次は一色にメッセージ送るか……)
いろはに送る内容
安価下１
いろはとのメッセージ
性欲大魔神：最近なれなれしすぎる
―――
八幡「これでよし……と」
ﾋﾟﾛﾝｯ
八幡「はやっ！？」
いろはの返信
安価下１
今日はここまでにします！ また明日やると思いますのでおつきあいおねしゃすおねしゃす＾＾
安価なら下
というか>>56のコンマ一桁は3だから奇数で戸塚×葉山じゃね
>>76 偶数だよ
56 ：以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]：2015/05/03(日) 22:16:45.32 ID:kIHTkoQJo
今日はゆっくり行きます。
いろはとのメッセージ
性欲大魔神：最近なれなれしすぎる
いろは：どうしてそんなこと言うんですか？
―――
八幡(な、何か冷静な返しで怖いな……)
八幡(実際最近つーかずっとあざとなれなれしいだろ。……語感わるっ)
八幡の返信
安価下１
今日はゆっくり行きます。
いろはとのメッセージ
性欲大魔神：最近なれなれしすぎる
いろは：どうしてそんなこと言うんですか？
性欲大魔神：いやだってなんかキモいし
―――
八幡「ちょっと言い過ぎたか？」
八幡「そう言えばタイムラインだっけか？ みんなの呟きは……」
いろは ＠kawaiikouhai １０秒
いろはの呟き
安価下１
⇔葉山さんがリツイートしました
猫にゃん星のお姫様☆ ＠nekonekonyannyannekonyannyan １０秒
ｷｼｮ━━(:.;´ﾟ;盆;ﾟ`;.:);.:｀;血;´:,);.ﾟ:;益;:ﾟ;.:)━━ｲ!!!
⇔海老名さんがリツイートしました
やっはろー ＠yuigahamayuui １０秒
殺すよ？(暗黒微笑)
葉山 ＠kimidakewomiteru １０秒
屋上
海老名 ＠homohomoguhuhu １０秒
屋上
いろは ＠kawaiikouhai ２０秒
比企谷先輩に辱めをうけました(ToT)
―――
八幡「何これ……」
八幡「リツイートってのは他人のツイートをタイムラインに乗せる機能なのか？」
八幡(由比ヶ浜ゆういになってるけど、この馬鹿さ加減から言っても由比ヶ浜だよな……あいつ殺すよとか言うのか……)
八幡「ねこねこにゃんにゃん？ 猫にゃん星のお姫様？ 誰だ？」
八幡は気づくか気づかないか。
安価下１ 一の位 奇数で気づく偶数で気づかない
八幡「もしかして……雪ノ下か？」
八幡が猫にゃん星のお姫様☆のページに飛ぶとそこには大量の！！
大量の何があったか
安価下１ (それで雪ノ下と気づくので、気づけそうなモノでお願いします＾＾)
八幡(なんだよ……これ…)ｽｯｽｯ
そこには八幡の見覚えのない角度で撮影された写真が大量にツイートされていた。
そのどのツイートにも『今日のはちにゃん(はぁと)』と書かれている。
八幡「い、いやいや、どうやったら奉仕部の床から俺を撮影できんだよ……」
八幡(もしかして由比ヶ浜も！？)
やっはろーのツイートは大量に何があったか
安価下１
八幡「っ！？」ｿﾞｸｯ
そこには色彩豊かなちんこの画像があった。
小さいものから大きいもの、国籍も、状態も、平等に揃っていた。
八幡「ち、ちんこますたー……」
八幡(フォローしようと思ったがやめとこう……)
ﾋﾟﾛﾝｯ♪
八幡「メッセージがきた……」
いろはの返信は？
安価下１
いろはとのメッセージ
性欲大魔神：最近なれなれしすぎる
いろは：どうしてそんなこと言うんですか？
性欲大魔神：いやだってなんかキモいし
いろは：せ・き・に・ん
とってくださいね？
―――
八幡「可愛い後輩はどこにいったのかな？」ｶﾞｸｶﾞｸ
八幡(つーか俺の周り変態しかいねぇのかよ！？)
八幡「と、とにかくこの流れは止めないとっ」
１、返信する
２、諦めて葉山とメッセージする
３、呟く
安価下１
八幡「やめとこ……怖いし…」
八幡(後は葉山だけか……)
葉山に送るメッセージ 安価下１
八幡「こいつと仲良くなる気もないし、ちょっと攻めてみるか……」
葉山とのメッセージ
性欲大魔神：リア充[ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ]
―――
八幡「よし……と。これでフォロー外してくれれば幸いだな」
ﾋﾟﾛﾝｯ
八幡「え？」
葉山からのメッセージ
安価下１ 【ﾋﾟｰ】は自分で想像して、返信してください！
葉山とのメッセージ
性欲大魔神：リア充[ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ][ﾋﾟｰｰｰ]
葉山：ﾊｧﾊｧﾊｧ
―――
八幡「」
八幡「も、もう放っておいても良いんじゃないか？」
１、返信する
２、呟く
３、寝る
安価下１
八幡「もう放っておこう。それよりツイッターで友達作るんだから呟かないと……」
八幡(どんな内容が良いのかな……)
八幡の呟き
安価下１
⇔葉山さんがリツイートしました
猫にゃん星のお姫様☆ ＠nekonekonyannyannekonyannyan
才 力 工└|…………ﾋﾋﾋ♪〆(◞≼⓪≽◟⋌⋚⋛⋋◞≼⓪≽◟*)
⇔海老名さんがリツイートしました
やっはろー ＠yuigahamayuui
あ、腕から赤いのが出たかも……
葉山 ＠kimidakewomiteru ２０秒
ﾊｧﾊｧ……気持ちよかったよ
海老名 ＠homohomoguhuhu ３０秒
助けなきゃ
いろは ＠kawaiikouhai ４０秒
結婚式場って明日開いてましたっけ？
性欲大魔神＠hikitanihatiman １分
今日のいろはかわいかったな
―――
八幡「」
八幡「いったいどうしろと……」
ﾋﾟﾛﾝｯ♪
八幡「お？」
新しいフォロワー
安価下１
一旦離れます！
めぐりんの
アカウント名；安価下１
自己紹介文：安価下２
プロフ画像：安価下３
安価下１の時の下二桁がフォロワー数です！
安価下２の時の下二桁がフォロー数です！
では！被ったら安価下で！
続き。
アカウント名 めぐりん さんにフォローされました！
八幡「ん？ めぐりん？」
八幡(めぐりんってぽわぽわ元生徒会長か？)ｽｯ
めぐりんの
アカウント名；めぐりん
自己紹介文：露出癖のあるｊｋです
プロフ画像：手ぶら目線隠し上半身全裸
八幡「このぽわっと感、まさしく本人！」
八幡はどうする？
安価下１
１、確かめるためにメッセージを送る(フォローする)
２、寝る
八幡(一応本人かどうか確かめておこう、間違えてたらまずいことになりそうだし)ﾌｫﾛｰ
八幡は本人だと確かめる為になんとメッセージを送る？
安価下１
めぐりんとのメッセージ
性欲大魔神：こんばんは！ 何か部活なさってます？１０秒
めぐりん：やだなぁ、比企谷君。私だよ？
―――
八幡「あ、これ決定するパターンだ」
八幡(い、いや、え？ めぐりんぱわーほわほわでぬぎぬぎなの！？ それどこで見えるのん！？)ｺﾝﾗﾝ
八幡はどうしますか？
１、メッセージを送る(内容も)
２、寝る
安価下１
八幡「ちょっと煽ってみるか……」
めぐりんとのメッセージ
性欲大魔神：こんばんは！ 何か部活なさってます？２分
めぐりん：やだなぁ、比企谷君。私だよ？ ２分
性欲大魔神：手ぶら外したの見せて２０秒
めぐりん：じゃあ、今から公園に集合できる？
―――
八幡「なん……だ、と？」ｶﾞｸｶﾞｸ
八幡(いや待て、これは……一体…)
１、罠だっ！(行かずに寝る)
２、写メにしてもらおう！
３、行く
４、
安価下１
八幡「よし、行こう。つーか行かなければあの人公園で全裸待機してるまであるしな」
八幡(だけど、もし不良がいた時の為に、武器だけ持って行こう……)
１、バット
２、ヌンチャク
３、バンテージ巻き巻き
４、ラケット
５、ホワイトウィング(コルトSAA)
６、ブラックウィング
７、名刀 備前長船
８、手ぶら
安価下１
よし、行くか。
比企谷八幡は波紋一つない水面のように静かな心で決意すると、ベッドの下に手を突っ込んだ。
ちゃきり、と刀の柄が拳銃に触れる音がする。本来であれば平和の象徴であるホワイトウィングを持ちだすべきかもしれない。
だが、これは護る戦いではない。攻める戦いなのだ。
(俺は正義のヒーローなんかでも、偽善者なんかでもない)
普段、気持ち悪い言動をして、皆の評判を下げているのも、ツイッターのアカウントを変態チックな名前にしてるのも、
全ては千葉にいる住民を変態にした、あいつを倒すためなのだ。
誰を倒すため？
安価下１
そう、材木座義輝こと剣豪義輝将軍。いや、今の名前は天上人義輝の尊か。
１年前、突如として“ラノベを現実に持ち込む能力”によって千葉を地球から隔離した極悪非道な男。
あいつと少しでも心を通わせられたと思っていた自分が恥ずかしい。
俺は、名刀備前長船を腰に差し、家を出る。
「行かないでお兄ちゃん！」
小町が、泣きながら抱きついてくる。相変わらず天使のような妹だが、今はそれどころではない。
「めぐり先輩が……危ないんだ」
小町はその言葉を聞いて黙った。なぜなら、彼女もまた被害者であったからだ。
材木座が千葉住民に押し付けた命令、それは「本能のままに従え」だった。
もちろん、最初は本能のままに理性を保った。人々は変わらない生活と、理想的な日々を送っていた。
だが、ほころびは意外な所から訪れる。
『あーしのもんなんだけど！？』
そう、独占欲だ。
生存本能に最も近い感情、自分の居場所、生きるための生活圏、そして繁殖のための環境。
それらを護るために人々は争った。
服など必要ない。
必要なのは武器、そして――殺意。
「お兄ちゃん……お願い、無事で――」
小町が言葉を紡ごうとして、慌てて口を塞ぐ。
そう、力が発言したのは材木座だけではなかった。
「……行ってくる」
小町は、自分の感情が最高潮に達した時、発言した言葉と逆の事を起こす事ができる。
だから、今は言葉を紡ぐ時ではない。代わりに備前長船が彼女の股間をそっと触れた。
そして、比企谷八幡こと俺にも能力は現れた、そう――、
安価下１だ
時を止める能力だ。
しかもただ、時を“停”める能力とは違う。俺の場合は、任意の場所だけ時を動かす事が出来る。
つまり、同時に何人かを停止した世界に招待したり、物質が朽ちていく様を見届ける事ができる。
もちろん、停止した時間の中で俺も歳をとらない。概念が動くだけだからな。
それでも、材木座には幾度となく負けた。その度にあいつは俺に武器を与えた。
『ヌカフォッ！ そんな事で生涯のライバル足り得るか八幡大明神！』
彼はこの世界にある全ての漫画から武器を出現させた。そして、俺に与えた。
そう、彼は『この世界にある全ての妄想』に打ち勝つつもりでいるのだ。
核爆弾を跳ねのけ、レーザーを跳ね返し、ベクトル操作を耐えきり、時を停めた世界で動いた。
正直言って、あいつの辞書に敗北の２文字はないんじゃないかとさえ思える。
「……敗北の…２文字？」
あいつの能力がラノベを現実に持ち込む能力であるとすれば、彼がラノベを書き直し、そこから敗北を取り除いたとしたら？
「まさか……そんな…」
足が震える。唇が渇き、思考が鈍くなる。
俺は今まで、何のために闘ってきたと言うのか。
そうだ、あいつは、材木座は、
自分の存在から『敗北』の２文字を消し去ったんだ……。
(まて、考えろ。答えはきっとある。例えあいつに敗北がなかったとしても、俺達が“元の生活をするための方法が”……)
思考を巡らせる。
なぜ、材木座は敗北を消して、千葉県を消さなかった？
自分に都合の良い世界でいたいのならば、新たな世界を形成すれば良いだけの話だろうに。
「それに……なんであいつデブのままなんだ？」
自分を変える事でさえ自由なのだから、普通イケメンにするだろうに。
動きこそラノベパワーで通常の数百倍速く動いているが、それでも見た目を変えない意味は……、
「まさかっ！！」
そうだ、それしかない。
きっとあいつは……、
１、寂しんだ
２、自分が好きなんだ
３、見た目なんかに囚われていないんだ
安価下１ ※これからの選択肢によってバッドエンドあります。
「自分が好きなんだ」
そうだ、それしかない。
例えばそう、赤ちゃんが世界を終わらせるスイッチを手に入れた時、何をするだろうか。
取引材料に世界を牛耳る？ 怖くなって捨てる？
いや、ただ一つ“意味も分からず押す”……だ。
材木座もそうだ。急に自分の書いたラノベを具現化するなんて意味のわからない力を手に入れて、戸惑っているんだ。
そして、世界を混乱に陥れた。彼の意図するところではなく。
材木座は前から小説に関して頑なだった。アドバイスをしても、『我は我の道を行く！ ぬはははっ』とまるで耳を貸さない。
その気持ちは分かる。彼は自分に自信がなく、また他人を恐れている。
誰かと誰かを比べて勝ち負けを付け、負け続けた。
だがそれでも、人は自分を愛してしまう。それが生きると言う事だ。
材木座は敗北を恐れたんじゃない。勝利に飢えていたんだ。
そして、その最高のライバルとして俺を選んだんだ。
「だったら、やれる事は一つ。……そうだろ、“親友”」
材木座「ぬかぽふぉーっ！」ﾄﾞｰﾝっ
自衛隊「うわぁーーーっ」
ガンダム「ぼぎゃーん」
ぬらりひょんの孫「くそー！」
一方通行「ふざけンじゃねェ！」
孫悟空「おめ、すげぇなぁ！」
その他色々「「うわぁあああ」」
――ぼぎゃぁんっ！
材木座「ふっ、我に残るは勝利の二文字！」ｷﾗｧﾝｯ
女の子達＜ｻﾞｲﾓｸｻﾞｻﾏｰｯ!
材木座「こらこら、お姫様達は危ないでござるよ」ﾊﾊﾊ
女の子達＜優しい！ 抱いて！！
材木座「はははっ……は？」
めぐり「………」ソワソワ
材木座「……アクセス」ﾌﾞｩﾝｯ
材木座(ツイッターで……八幡の奴)ﾌｯ
めぐり「遅いなぁ比企谷君」ソワソワ
めぐり(早くしないともう脱いじゃうぞ☆)ﾁﾗｯ
八幡「先輩！」
めぐり「比企谷君！」ｶﾞﾊﾞｯ
八幡「……///」ﾁﾗｯﾁﾗｯ
めぐり「あぁんっ！ それ以上見られたらっ！」
めぐりは見られたらどうなる？
安価下１
めぐり「発情しちゃうーーーーっ」ｶｸｶｸｶｸ
八幡(す、すごい腰を振りながら近づいてきた！？)ﾋﾞｸｯ
めぐり「抱いてぇえええぇぇぇええ！」
八幡「や、やばい……」
八幡(今、時を止めたら材木座にバレる……どうすれば…)
めぐり「……なーんて」ﾆｺｯ
八幡「！？」
八幡(罠！？)
めぐり(材木座)「ヌカポフォッ！ しねぃ！ 八幡！」ﾊﾞｯ
八幡「くそっ！」ﾌﾞｩﾝｯ
材木座「無駄無駄ぁ！」ﾌﾞｩﾝｯ
八幡(以前よりも早い！ こいつの妄想力は無限大か！？)
材木座「獲ったぁ！」
小町「お兄ちゃん！ 動かないで！」
八幡「っ！？」ﾄﾞﾋｭﾝｯ
八幡(無理やり動かされると骨が！)ﾋﾞｷﾋﾞｷｯ
材木座「おのれ八幡！ 図ったな！」
八幡「お前がツイッターのアクセス権限がある事くらい分かってたぜ」
八幡(じゃないとあんなダサい名前になってないからな)ﾍｯ
材木座「さすが我がライバル。だが、所詮は児戯に等しい悪あがきよっ！」
八幡「それはどうかな？」ｽｯ
俺がスマホを材木座に向けた瞬間、
「ぐはぁぁぁぁ！？」
と雄叫びをあげて、彼は倒れこんだ。その目には涙が溢れていた。
「フォロー数２０００、フォロワー数１２、か」
「な、なぜそれを……」
画面に映っていたのは、剣豪将軍材木座義輝と書かれたアカウント。
そう、彼自身のホンモノのアカウントだった。
「おかしいと思ったんだ。“お前なら真っ先に俺をフォローするはず”。だがしなかった、なぜか。“する必要がなかった”んだな」
「そこまで行きついたのは分かった。だが、どうや……」
どうやって、そんなものは簡単な事だ。
「小町がね、“材木座先輩のニセモノのアカウントが表示される”って言葉にしたんだよ」
「くっ……ぐぅ…」
むせび泣く材木座。
俺はそっと彼の肩を抱き、問いかける。
「この世界は全て、“お前の妄想”なんだな？」
材木座は答えなかった。そしてそれこそが、答えだった。
「わ、我だって……自分の世界くらいは負けたくない」
材木座の言葉は、全ての人間の想いだった。
誰だって、負けるのは怖い。誰かより劣る事も、認められない事も、“ただ何もできず指をくわえて見ていることも”。
「お前本当は、奉仕部に入りたかったんじゃないのか？」
誰かの為に存在する奉仕部。そして、仲間。
材木座も毎日のように奉仕部へと訪れて、俺達と共にバカ話しながら、誰かのために力を振りたかったんじゃないのか？
「……我は、八幡をライバルと認めている。だが、お前は――」
と、こっちを向いた材木座の目が見開く。
「八幡！？」
ああ、そうか。
「どうやら、この世界は終わるようだな」
だんだんと、指先の感覚がなくなってきた。足首まではとっくにない。
この世界は、“材木座の為の世界”。この物語は、彼の為の物語。
俺達はただのモブで、パターンでしかなくて、オブジェみたいなものだ。
「だから、さ、材木座」
――俺のために、泣くなよ。
「我は！ 我は！ ぐふぬぅ！」
気持ち悪い泣き顔で、俺の身体を必死に繋ぎとめようとする材木座。
だが、悪いな。俺はもう、状況を言葉にするくらいしかできないんだよ。何も考えられねぇんだ。
「八幡！ もう我は遠慮しない！ 我と友達になれとちゃんと言う！」
「あ、そ」
「毎日のようにラノベをお勧めする！」
「はは、迷惑だな」
「奉仕部にも入部届けを出す！」
「雪ノ下が受け取るかな」
「体育の準備体操はいつも我と組ませる！」
「お前を背中に乗せるだけで体力つきそうだな」
もう、意識がほとんどない。
白と、灰色の世界。
誰しもが怖れる、虚無の世界。
「だけどな、ざいもく…ざ」
「ど、どうした八幡！？」
「俺が……世界に消えてしまったとしても、さ」
「……ぐっふぬぅ…」
「本物の俺は……きっと」
明日から、最高の毎日が訪れるから安心だわ。
「はちまぁあああああああああん！！」
エピローグ そして彼は。
喧騒な街並みを抜け、総武高校の門へと立つ。
なんだか、長い夢を見ていたような、短い妄想をしていたような。
いや、きっと昨日が休みで、ずっと寝てたからだろう。
今日もまた、奉仕部で雪ノ下に罵声を浴びせられ、由比ヶ浜にキモいと言われるのだろう。
ぴろん、スマホの音がする。
「ん？ 何だこれ」
それはツイッターの通知。
アカウント名 剣豪将軍材木座義輝さん からフォローされました！
一目で材木座と分かるそれは、本人の満面の笑みがプロフ画像になっていた。
フォロー数は１、フォロワー数は１５。フォロワーのほとんどが業者アカウントのようだ。
俺は、あいつのボッチ加減に苦笑しながら、
そっとフォローボタンを押した。
「………ついでにツイッターで友達でも作るかな」
完。
正直すまんかったと思っている。
もちろん二週目はあるんですよね（暗黒微笑）
まさかの材木座エンド
あく最初からもう一度やるんだよ
乙
なぜかきれいな感じで終わったな
個人的には後半のテイストのが好きだが
わ け が わ か ら な い よ
これ以上返信するのは無粋だと思うので、去ります。安価してくださった方々は本当にありがとうございました！
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